○中島(巖)
委員 ただいま申しましたように、
道路公団の筆頭
理事が、
道路公団の仕事ばかりやらしておった地崎組に、やめるとすぐ入っておる。そういうような状態でおるにもかかわらず、これに対して何ら
建設大臣は注意を払っておらぬ。私はこれらの点をさらに追及いたしたいと思っておりますけれ
ども、こういうような状態で、監督者の立場にあるところの
建設大臣が、
道路公団の
意見によって左右されておるというようなことでは、私はいかぬと思う。やはり
建設大臣は、国の機関の長として、責任を持ってやるべき権限を持っておる立場におるのですから、これらに対しましては十分監督していただきたいと思う。
道路公団は、私、総裁なんかも呼んで、今までの不審な点をいろいろ追及いたしたいとは思っておりますけれ
ども、やはり
建設大臣がしっかりしておって下さらぬと、こういうような大きな問題もぐらぐらするし、そうして、今、話のありましたような綱紀上の問題でもあるかのように疑われるようなことが数々あるのでありますが、特に御注意をお願いいたしたいと
考えるわけであります。
そこで、最後に
質問いたしますのは、それは確かに、
先ほど局長からも
お話がありました
通り、わが国としては画期的な大
事業である。これは私、異存はありません。しかし、慎重と申しましても、すでに
国会で
昭和三十一年に決定いたし、その後ずいぶん議論を経ております。それから、一番長い赤石の隧道にいたしましても、八キロ程度のものであります。
私は昨年、アルプスに行きまして、フランスとイタリーを結ぶ、例のモンブラン隧道を見てきましたけれ
ども、これは十二キロであります。これも、
工事に着手してからわずか二年半でこの隧道を完成する
予定でありました。それで、
工事の
状況を見ましたけれ
ども、あれだけ設備がそろえば、三百人くらいの人がおりさえすれば、もうそうえらい大物の監督者がおらぬでも、簡単にやっていってしまうということを、隧道の中の奥まで入りまして、視察をしてきたわけであります。この隧道は、わずか八メートル五十の隧道でありました。
従って、こういう山岳地帯に、一度に、かつての構想のような二十四メートルの
道路をあけるというようなことはできぬ相談でありまして、結局これらの、ただいま申しましたようなモンブラン隧道のような幅員の隧道を一本あけて、
交通事情を見まして、さらにまた一本あける、こういうようなことになるのではないかと思う。そうなってくれば、かっての
建設省の見積もった
工事費なんというものは、おそらく三分の一にも四分の一にもなるだろうと思うのです。いかにひいき目に見ても、かつての
建設省の
調査報告書というものは、われわれは、他意あってこしらえた
報告書としか思えぬのです。従いまして、高速
道路の規格の一番低いところでこれこれの
道路をこしらえれば、幾らでできるのだ、それくらいな資料は、
国会できまった
法律によってやるとすれば、また、役人は法的根拠によって立っておるのですから、そういうような親切のある、いわゆる
法律を重んずる態度でもって、そういうような資料も出すべきだ、こう思うのです。
建設省は、
国会でもって、
国土開発縦貫
自動車道建設法がきまり、
小牧から向こうが幅員二十四メートルなら、山間もそのままで、郊外もまた規格のままで、こういうような
調査をこしらえまして、三千二百億の金がかかる、こういうことを発表したわけであります。しかも、発表したのは、はや一年数九月前でありますが、そんな発表までして、まだ
基本計画をこしらえてない。どう
考えてみても、
建設省にこれをやる熱意がないんじゃないか、こう思うのです。われわれは
交通関係の一元化という見地から、もし
建設省がそういう態度であるなら、この
国会のうちにも、いわゆる
交通行政の一元化でもって、運輸省に対して
建設省の
道路局は移管すべし、この
考えを持ちまして、現在立法の工作をしておる。こういう状態なんですけれ
ども、私は
道路局は
建設省におってもらいたい。従って、われわれは、
中村建設大臣は、この重要な問題をあらゆる角度から見て、そうして歴史的のこの大
事業を完成するように努力してもらいたい、かようにお願いいたしまして、私の
質問を終わることにいたします。