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1961-03-29 第38回国会 衆議院 建設委員会 第17号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年三月二十九日(水曜日)    午前十時三十九分開議  出席委員    委員長 加藤 高藏君    理事 木村 守江君 理事 薩摩 雄次君    理事 瀬戸山三男君 理事 石川 次夫君    理事 中島  巖君 理事 山中日露史君       綾部健太郎君    大沢 雄一君       金丸  信君    二階堂 進君       岡本 隆一君    兒玉 末男君       日野 吉夫君    三鍋 義三君       三宅 正一君    田中幾三郎君  出席政府委員         建設政務次官  田村  元君         建設事務官         (大臣官房参事         官)      高田 賢造君         建設事務官         (計画局長)  關盛 吉雄君         建 設 技 官         (住宅局長)  稗田  治君  委員外出席者         建設事務官         (大臣官房人事         課長)     竹内 藤男君         建設事務官         (道路局次長) 前田 光嘉君         専  門  員 山口 乾治君     ————————————— 三月二十七日  委員島上善五郎辞任につき、その補欠として  兒玉末男君が議長指名委員に選任された。 同月二十八日  委員兒玉末男辞任につき、その補欠として矢  尾喜三郎君が議長指名委員に選任された。 同日  委員矢尾喜三郎辞任につき、その補欠として  兒玉末男君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 三月二十四日  地代家賃統制令の一部を改正する法律案内閣  提出第一五四号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  地代家賃統制令の一部を改正する法律案内閣  提出第一五四号)  防災建築街造成法案内閣提出第一三六号)  公共施設の整備に関連する市街地の改造に関す  る法律案内閣提出第五九号)(予)  建設行政に関する件      ————◇—————
  2. 加藤高藏

    加藤委員長 これより会議を開きます。  去る二十四日付託になりました地代家質統制令の一部を改正する法律案議題とし、審査に入ります。     —————————————
  3. 加藤高藏

    加藤委員長 提案理由説明を聴取いたします。  田村建設政務次官
  4. 田村元

    田村政府委員 ただいま議題となりました地代家賃統制令の一部を改正する法律案につきまして、提案理由及びその要旨を御説明申し上げます。  現行の地代家賃統制令は、終戦後における異常な住宅難による地代家賃の急騰を防止するため制定されたものであります。  現在におきましては、一般物価がおおむね安定し、ほとんどの統制が廃止され、また、住宅事情終戦当時の窮迫した状態に比べれば相当緩和されつつあります。  また、現在行なわれております地代家賃統制は、全部の借地借家についての統制ではなく、昭和二十五年七月十日以前に建築に着手した住宅で、延べ面積が三十坪以下であるもの及びその敷地に限られておりますので、一部の借地借家についてのみ地代家賃統制が行なわれているのであります。  以上に申し述べましたことその他最近における社会経済の実情にかんがみまして、今後なおこの統制を継続することは、適当でないと考えられますので、統制令失効させるべきであると考えるのであります。しかしながら、その失効の時期につきましては、貸借人失効後に備えて必要な準備を行なうことができるよう考慮する必要がありますので、一年程度の猶予期間を置いて、昭和三十七年六月三十日限り失効させることといたした次第でございます。  なお、統制令失効前にした行為に対する罰則の適用については、失効後も、統制令の効力を有することといたしております。  以上が、この法律案提案理由及びその要旨でありますが、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決下さるようお願い申し上げます。
  5. 加藤高藏

    加藤委員長 本案についての質疑は次会に譲ります。      ————◇—————
  6. 加藤高藏

    加藤委員長 建設行政につきまして木村守江君より発言を求められておりますので、これを許します。木村君。
  7. 木村守江

    木村(守)委員 私は、この際、建設大臣に御質問を申し上げたいのですが、きょうは田村政務次官がおいでになりますので、かわってお答えを願いたいと思います。  それは、御承知のように、各地地建におきまして行なわれておると伝えられておるところの現在の争議実態について御説明を願いたいと思います。
  8. 田村元

    田村政府委員 全建労は、三月一日、十五日に、その一部で、勤務時間内職場大会等違法行為を行なったのであります。当局組合に対して、国家公務員法その他の法律に違反する行為を行なわないよう厳重に警告をいたしますとともに、一般職員に対しても、国民の奉仕看たる国家公務員として、そのような行為に参加することのないよう大臣訓示を行なったのであります。このような警告訓示にもかかわらず、違法行為相当行なっておるようでございますので、そういう者に対しては、賃金カットを行なうとか、その他の厳重なる態度をもって臨む所存でございます。
  9. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの御答弁によりますと、地建の一部では違法労働争議行為を行なっておるということであり、また、これに対しては厳重なる建設大臣からの警告を発したと言われておりまするが、この争議行為というものは決して一部の地建だけではなく、大多数の地建におきまして行なわれておるかのように考えられておるのでありますが、その実態はいかがでありますか。また、建設大臣がこれに対して厳重に勧告を加えたと言っておられますが、これは一体どのくらいの効果があり、ほんとうにこの建設大臣勧告を重んじて争議行為に対するところの不法的なことを除去しておるかどうか、その実態一つお聞きしたいと思います。
  10. 田村元

    田村政府委員 三月一日の職場大会は、大体百二十四カ所で行なっております。参加人員は六千五百六十八名とわれわれ聞き及んでおります。その後、十一日に大臣訓示を行ないまして、やはりそれが相当効果があったのではないかと思われますのは、十五日の職場大会は七十一カ所で、四千百二十六名、また、職場大会の時間も相当短縮されておるというふうに伺っております。  なお、最近の模様につきまして、各地建からの詳報をまだ受けておりませんので、この席で具体的に申し上げるということもできかねるのでありますけれども、早急に詳報をとりまして、態度を決していきたいと考えております。
  11. 木村守江

    木村(守)委員 御承知のように、池田内閣は、その大きな経済成長政策のもとに公共投資をやっておるのであります。この公共投資実施して参りますものは建設省関係であり、これは言葉をかえていえば、地建の有用なる活動によりまして初めてその実現を見ることができると思うのであります。現在の争議実態を見ますと、この池田内閣政策根本支障を来たすような状態を来たしておるじゃないかと私は心配するのでありまするけれども、一体、その争議をなすところのいわゆる要求というものは、どういうようなことであるか。  また、この争議によりまして、実際公共事業遂行のために支障を来たしておるような点がないかどうか、この点につきまして詳細にお答えを願いたいと思います。
  12. 田村元

    田村政府委員 争議原因といいますのは、昭和三十五年度の定員化の問題、任用基準の問題、それから共済組合長期掛金率引き下げ等について、組合要求がいられないということが原因であると思考せられます。  この職場大会等影響というものは、もちろん若干は当然ございましょうけれども、目下のところ、そう大きな影響があるとは考えておりません。
  13. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの御答弁によりますと、いわゆる非常勤職員定員化の問題、任用基準改正の問題、あるいは共済組合長期掛金の千分の四十三を四十一にするというような要求のようでありまするが、これらの問題は地建において解決すべき問題ではありません。これは国家予算を伴うものでありまして、しいて申しますれば、中央に関係のある問題でありまして、地建には何ら関係のない、地建闘争するも何らの効果がないといっても差しつかえないものだろうと考えられます。こういうものに対しまして争議行為を起こしまして、しかも、この争議行為実態というものは、いわゆる全建労加入者地建仕事に従事しておる方々以外の、いわゆる職業的に労働争議を行なっておるような者あるいは学生等が加入しておるかのように聞いておりまするが、かような実態が、はたしてあるかどうか。どういうところにどういうような状態があるかを御説明願いたいと思います。  それから、まことに残念な政務次官の御答弁でありまするが、この争議行為によりまして、公共事業実施に関しまして大へん支障がないというようなことを言われておりまするけれども、私の聞くところによりますれば、との争議行為が非常に無理な、しかも強圧的な行為を長い間実施されておるために、まあ、はっきり申し上げてもいいのですが、鹿児島地建国道工事事務所所長、あるいは四国の国道工事事務所所長というものが病気になりまして、今入院しておる。これは勤務ができないというような、いわゆる人権をじゅうりんしたような、人間の健康に非常な障害を起こすような重大な結果をもたらしておるのでありまして、これに対しましても大へん支障がないと言われるのかどうか、あらためて御答弁を願いたいと思います。
  14. 田村元

    田村政府委員 今のお説の、あまり影響がないという私のお答えに対する御反論でありますが、私は、今までのところ業務上にそう大きな影響はないと思うということをお答えしたのでありまして、こういうことが将来も続くということになりますと、相当な大きな影響もあるだろうと思っております。特に今の鹿児島所長の場合におきましては、団体交渉相当長く続いて、それによる過労だと私ども聞いております。それから、同地区の他の組合関係の人々がやっておる、いわゆる地区共闘の問題を今御指摘だと思うのですが、これも相当そういう面があるやに聞いておりますので、今のところ詳細に入っておりませんので、厳重に調査を命じてある次第でございます。
  15. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 関連して。私、政務次官お話を聞いていて、どうもちょっと納得がいかないところがあるのです。今、鹿児島の問題が出ましたが、これは例のつるし上げ闘争によって気がおかしくなって入院した、その事務遂行されないということで、少しくらいつるし上げには耐え得るということで、宮崎工事事務所長が兼任してそこに行っておるという状況なんです。そういう事態に対して、何かまだ、地方のそういう闘争状態について詳報を得ておらないという。三月一日から十五日、その後ずっとかけておるのに、まだ建設省実態を把握しておらないといって、それに対する責任を問うたということも聞かないのでありますが、これは一体どういうことなんですか。そんなことで一体行政事務最高責任が果たせるかどうか。私は今のお話はちょっと承服できない。
  16. 田村元

    田村政府委員 全般的な最近の問題について詳報をまだ受けていないということを申し上げたのであります。今の鹿児島の場合に関しましては、確かに御指摘の面も多分にあると思いますので、李急に相当態度をもって処置いたしたいと思っております。今、宮崎所長に兼務をさせておりまして、病状その他も本省として調査をしておりますような次第であります。
  17. 瀬戸山三男

    瀬戸山委員 私は宮崎鹿児島、特定のところを特に言うわけじゃないのであります。たとえば関東地建においても、局長あたり仕事ができないという状況でございます。そういう場合に、その最高監督機関がそれに対して全然何らの処置をとらない、しかも、まだその実態をつかんでおらないというようなお話ですと、因るのです。これは、どういうふうにされるのですか。処分はどうされるつもりか。一つ人事課長でもけっこうですから、よくお答えを願いたいと思います。こんなものをほったらかしておくから、次々にこういうことになってきて、日本の行政事務が混乱しておるのは、これは長い間の悪い習慣です。これは改めなければいかぬというのが、例のILO条約の大きな問題になっている。建設省の率直な意見を、この際明らかにしていただきたいと思います。
  18. 田村元

    田村政府委員 その件に関しましては、三月二十一日に確認された四千人以上の者に対する賃金カットを、もうすでに行なっております。今後も相当強い態度処分決定をいたしたいと思っておりますが、なお、建設省首脳部間で慎重にこれを検討いたしておる次第でございます。なお、詳しいことは、人事課長が来ておりますので、人事課長からお聞き取りを願いたいと思います。
  19. 竹内藤男

    竹内説明員 先ほど政務次官から申されましたように、三月一日と十五日に、勤務時間内に食い込む職場大会が行なわれました。これに対する処置といたしましては、大臣訓示というものをあらかじめ達しまして、同時に組合警告をいたしまして、違法行為が行なわれないように注意をいたしました。その結果、今申し上げましたように、それにもかかわらず行なった者につきましては、現在のところ確認された者につきまして、四千人をこえる者について給与減額措置を行ないました。なお、まだ確認されない者もございます。確認されない者につきましては、次の機会にやりたいと思います。それから、処分につきましては、現在慎重に検討いたしております。
  20. 木村守江

    木村(守)委員 先ほどの私の質問に対して明確な答弁がなかったのです。先ほど申し上げましたように、この全建労要求である非常勤職員定員化の問題、あるいは共済組合掛金の、いわゆる千分の四十三を四十一にする要求、こういうものは地建局長あるいは国道工事事務所の、地方所長、こういうものを相手にして闘争をしても、何の役にも立たない。これはほんとうの筋違いの闘争である。かようなことは明らかに不当労働行為であり、また仕事のじゃまをする、いわゆる事業遂行妨害をする意図にほかならないものだと断定して差しつかえないと私は考えるのであります。そういうような点を、一体どういうように考えておるか。これによりまして私はとるべき処置が違ってくると思われますので、一言これに対する御所見をお聞かせ願いたいと思います。
  21. 竹内藤男

    竹内説明員 お答え申し上げます。第一の問題の、三十五年度の定員化任用基準につきましては、任用する権限そのものは、任命権者地方建設局長でございますので、地方建設局長任命権を持っておるのでありますが、その任命権を行使するにあたっての基準というものは本省の方で示しております。その本省で示しております任用基準について、組合とわれわれの方で意見が対立していたわけであります。  それから、共済組合長期掛金率の問題につきましては、これは建設省共済組合独立組合でございますので、建設省共済組合がきめて、それを運営審議会にかけまして、大蔵省の認可を得てきまっている性質のものでございます。建設省だけでもきまらぬ問題でございます。  もちろん、そういう意味におきまして、二つの問題につきまして、地方建設局長あるいは工事事務所長というような管理者権限となっているところではございません。従いまして、われわれといたしましては、権限として決定し得る事項についてだけ職員団体交渉をするというのが建前である、というふうに考えております。
  22. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの人事課長答弁によりますと、これは、争議にならないものを争議事項として、仕事妨害をしておるというように断定しても差しつかえないと私は了承したのでありますが、さよう考えて差しつかえありませんか。
  23. 田村元

    田村政府委員 ただいま課長が申しましたことは、木村委員のお説の通りであると私から申し上げておきます。
  24. 木村守江

    木村(守)委員 ただいまの答弁を聞きまして、よくわかったのです。いずれにいたしましても、このことがわかっただけではいけないのでありまして、先ほど申しましたように、わが国の経済の伸展のためには、公共事業の達成ということが非常に重大なる問題であり、その公共事業実施を担当しておる最も大事な建設省関係の各事務所でかような状態を演じまして、しかも、その小さな工事事務所所長等病気になって、出勤できないというような状態になってまで、これをほとんど放置しておくような状態であっては、私は決して親切な建設行政であるということはできないと思うのであります。もしも、これが反対に、こういうことのために、労働争議をやる方にそういう病人ができたり、その首脳者にそういう病人ができたりしたならば、一体どのくらい騒ぐか。このことを考えたならば、私は、建設省首脳部といたしまして、大きな問題としてこれを取り上げまして、かようなことのないような処置を講じて参らなければならないと思います。そうしなければ、わが池田内閣の旗じるしである経済成長を達成せしめていくことはできないと私は考えますので、どうかこの点につきましては、より以上の御調査、御検討の上、善処されますように心から要望しまして、私の質問を終わります。
  25. 加藤高藏

    加藤委員長 関連いたしまして日野吉夫君から質問通告があります。日野吉夫君。
  26. 日野吉夫

    日野委員 ただいま、政務次官から争議経過説明があり、建設大臣から訓示をして効果があった、こう言われておるので、どういう訓示がされたか、それはあとで触れてもらおうと思います。  建設次官の、争議の起こった原因究明についての認識は、今ここで報告されたように、前回来要求していたことが通らなかった、今、当面提出している要求がおくれておる、こういう事情だけと考えているのか。今度の争議原因は、それ以外にもあるのか。そこら認識を持っておられるか。それを伺っておきたいと思います。
  27. 田村元

    田村政府委員 今回の争議は、一部に、春闘の一環だというふうに言う者もありますけれども、今までの経過をながめてみまして、おっしゃるように、要求がいれられなかったということが主たる原因ではなかろうかと思っております。その意味では、あまり複雑に考えないようにわれわれはいたしておるのであります。
  28. 日野吉夫

    日野委員 大事な公共事業遂行者であること、中には、かなり強い労働をやっておる者もある。こういう事情の中で、今、建設省争議の起こる前に——建労ですか、それはみんな建設省の大事な職員であります。——これらの諸君に対する待遇等に、そういう問題の起こる根本原因が、はたしてないのか。巷間伝えられるところによると、労働がきつい割合給与が安い。むしろ、建設省採用通知というものは、よその業界等に持っていけばかなり高く雇われる、といったふうな事情もある。それらのことをもって、建設省待遇が、最高といわなくても、事業性質上非常に高度の技術を要する労働提供をやらされる労働者待遇として、現状は、はたしていいのか、逐次改善していくべき性質のものであるのか、そこらについてのお考えをちょっと伺っておきたい。
  29. 田村元

    田村政府委員 建設省関係公務員給与は、他の公務員に比して悪いとは思っておりません。また、現場で働く者に対する現場の手当もあるのであります。もちろん、公務員給与全般を論ずるということになりますと、これはまた、改善しなければならぬ点は改善しなければならぬということにもなろうかと思いますけれども、他の公務員に比べて特に悪いとは、われわれ考えておりません。
  30. 日野吉夫

    日野委員 おととい仲裁裁定が出ておりますね、二千二百円。しかし、これは全部一律ではなくて、三公社五現業それぞれみな違った率になっておるわけです。建設省はどのくらいの率になりますか。
  31. 竹内藤男

    竹内説明員 建設省のこの前の昇給率は、はじいたものが手元にございませんので、ただいまここで正確に申し上げることはできませんけれども、昨年の十月に給与法が改正になりまして、平均して二千四百円くらい上がっておると記憶いたしております。
  32. 日野吉夫

    日野委員 平均二千二百円に対して、建設省が二千四百円になるとするならば、現状はそれでは低いということになるのです。大体、仲裁裁定政府が完全に実施をするという意思を表明したのは、今度初めてですよ。今まで何回も仲裁裁定が出ても、政府がきかなかった。ここらに争議の起こる一つ原因がある。そういうことは、よくお考え願わなければならない。しばしば要求がありましたILO条約でも、今度は出すと言っておるけれども、関連法規がそれぞれ労働者の権利を侵害するような状況があるので、ここらに大きな問題があろうと思います。次官は、あまり言いたくないと言っておるけれども、これはやはり関連を持って参るのであります。こういう労働者要求を逐次いれるという態度でないならば、やはりこういう問題が起こってくる。噴水の出口を幾ら手でふさいだって、水源でとめなければだめだ。そういうのと同じで——ここは社労委員会じゃないから、そこまで追及しようとは思わないが——労働者に接する日ごろの態度ですね。今ここで木村君から、不当な行為だから厳重に処分すべきだという御意見でございますが、こういうことは厳重に処分だけで通るものじゃないのです。もう少し、日ごろの組合要求に対する態度というものを、建設費としても十分考えなければならぬ。どういう処遇をもって臨まれるか。  これは、だれか病人が出たということもいわれておりますが、それはまことに気の毒です。そういうことはあり得るのです。しかし、そういうことも、おのずと別に処分するなにもあるでしょうし、自分でなにすべきものじゃなくて、それぞれの主観があるのであるから、ダンビラを振りかざして、厳重な処分をするという態度で臨むことは——木村さんは、重大な国の公共質業遂行上必要だと言うけれども——これはむしろ効果は逆だ。  こういう観点から、私は、国がなすべき義務を果たして、そして労働組合の指呼をされるべきである、こう考えますので、どういう方針であるか。  これは、ここで聞きませんが、大臣訓示をしてその効果があった、参加人員が減った、こういうことで、非常な名訓示をやられたようでありますから、そのときの訓示要旨一つ委員会に配ってほしい。  なお、今後のことについて、中島君等からも関連がありましょうから、ここでこういうことで時間を費しても——きょうは住宅審議に入っていくはずなんですが、これは、理事会でこういう審議をやるという決定をしたのですか。委員長、どうですか。
  33. 加藤高藏

    加藤委員長 質問通告がありましたので許したのです。
  34. 日野吉夫

    日野委員 では、一般質問もやっていいんですか。
  35. 加藤高藏

    加藤委員長 ええ、一般質問もやって下さい。
  36. 日野吉夫

    日野委員 とにかく、いかにも当局をして、ダンビラを抜いて、組合を威嚇するような態度を要請することにはわれわれは反対だ。もっと、なすべき義務を果たして、そして温情ある態度をもって臨まれるよう希望して、質問を終わります。
  37. 中島巖

    中島(巖)委員 関連。ただいま木村守江委員から発議された問題につきましては、大臣出席のとき、また質問いたしたいと思いますけれども、それについて、建設当局に資料の提出を求めるわけであります。この公共事業費は非常に大きく膨張しているが、その膨張している割合定員が増加しているかどうか、これが第一点。  それから、いま一つの問題は、非常勤職員が非常に多いわけでありまして、木村委員も言われた通り、この膨大な予算を消化していく上において、私は現場のそういう状況に対しては非常に憂慮しているものであります。従って、この定員化の問題が大きな問題ではないかというのが第二点。  それから、第三点といたしましては、先ほど日野吉夫君からもお話がありましたけれども、建設省採用通知をもらって、その通知を持って他の会社に行けば倍くらいな給料で雇ってくれるというのが常識で、だれも知っている事実であります。現在の状況では、建設省には非常に質の悪い技術者が入るというふうにしか、これらから見て考えられないのでありますけれども、そういうような実情はどうなっているか。  この三点を、次に大臣が御出席になったときにお答えを願いたいと思います。  日野吉夫君の言われた通り、水道の口をふさいでも、その根本に何があるかということを究明しなければだめであります。俗に建設省は三等官庁ということをいわれておりますけれども、この膨大な公共事業費をかかえているときにおきましては、建設省も大いに力を入れてもらわなければなりませんし、ことに与党の建設部門を担当している諸君も、三等官庁にならないように、一等官庁になるように努力してもらいたいということをお願いいたしておきます。
  38. 加藤高藏

    加藤委員長 石川次夫君。
  39. 石川次夫

    ○石川委員 大臣が来ていませんので、道路に関する質問を、簡単に一つだけいたしたいと思います。  実は、世銀の借款の関係で、経過の御報告を願いたいと思うわけです。と申しますのは、新聞に出ているところによりますと、ナップ副総裁が日本に来られまして、六千万ドルに対して四千万ドル程度のものは世銀として理事会に提案する用意がある、というようなことを発表されているようであります。従って、理事会に提案する用意があるということは、これで決定したというふうには必ずしも考えられないのではないかという問題が一つと、それから、この世銀のナップ副裁総の話している内容によりますと、第二次借款というようなものについては、今後の借款については、民間の資本と結びついたものでなければ世銀としてはほとんど考える余地はない、従って、今度の四千万ドルというものが、もし実現したにしても、これでもって、もう世銀の借款は終わりになるというようなふうに発表されておるのでございます。従って、今後一体、この世銀の借款は道路に関してどういうことになるか。道路だけに一応限定して質問するわけでございますが、どういうことになるかという見通しと、もしそうなった場合に、今後のだんだん拡大するところの道路の予定計画というものに対してどういう影響を与えるか。その点の見通しを一つ説明願いたい、こう思うわけであります。
  40. 前田光嘉

    ○前田説明員 現在御承知のように、名神高速道路のうち、栗東−尼崎間につきましては、すでに世銀から四千万ドルの借款が成立いたしました。ただいまお話の借款につきましては、栗東−尼崎区間以外の残余の区間についての借款であります。実は当初、名神町速道路の資金といたしまして、合計一億ドルの借款を一応予定しておりました。そのうち第一次分として四千万ドルが決定いたしまして、残る六千万ドルというものについて今後の交渉をしたいと思ったわけであります。ところが、今お話がありましたように、先般ナップ副総裁が来日されまして、その際、大蔵大臣あるいは道路公団総裁とお話し合いの際に、そういう話が出たそうでございまして、事実上そういう話がございますので、今後、もちろんこの正式折衝が続けられますけれども、世銀といたしましては、一応道路借款には一億ドル組んでおりましたけれども、そのうち第二次借款分が二千ドル減りまして、結局合計八千万ドルになる可能性が強いようでございます。しかし、これはまだ正式決定ではございませんので、大体そういうふうな線で、世銀としてはおるようでございますけれども、今後、今週以降に行なわれますところの正式折衝において正式に行なわれると思います。  この世銀の借款につきましては、これは財政投融資の一環でございますので、もちろん当初五カ年計画を樹立いたします際には、一応世銀借款分として一億ドル組んでおりましたけれども、国全体の財政、国際収支の関係上、あるいはすでに決定されております道路分につきましては、もし世銀借款が困難であれば、その分については国内の資金によってまかないたい。大蔵省におかれましても、もちろんそういう前提のもとに一応組んでおりますので、たとい世銀関係が二千万ドル減りましても、道路の国内資金調達には別に支障がないと私は考えておる次第でございます。
  41. 石川次夫

    ○石川委員 そうしますと、世銀の借款は、今後は見込みがないという見通しの上に立っておられますか。
  42. 前田光嘉

    ○前田説明員 道路借款につきましては、今のところ、現存の四千万ドルと今後の四千万ドル以外には明確なものはございません。
  43. 石川次夫

    ○石川委員 いろいろ質問をする雑件がたまっているから、質問をしたいと思ったのですが、大臣もおりませんし、関係の方が来ておりませんので、住宅関係一つだけ質問をしたいと思います。  これは東京都の住宅局の関係でございますけれども、公営住宅協議会と都の住宅局との間に紛争が起こっておるということが新聞に出ております。それは、すなわち都営住宅の千九十戸に対しまして、家賃の値上げの問題に対して話がととのいません。従って、前の家賃だけの分について供託をしておるという問題があるわけでございます。供託をした人たちに対しまして、どうしても家賃値上げというものは承認できないということの話がまだ調停がつかないうちに、都の住宅局の方から立ちのきの請求が出ておるということで、さらに紛争に輪をかけまして、今月中に出ていってもらいたい、出ていかない、という問題が出ております。この間のいきさつと、今月一ぱいというと、きょうは二十九日で、三十、三十一日と、あと幾らもございませんが、これはどうなっておるか。どういうふうにするのが妥当だと建設省自体は考えておるか。この点をちょっと伺いたいと思います。
  44. 稗田治

    ○稗田政府委員 ただいまお尋ねの点につきましては、三十五年三月に東京都が行ないました都営住宅の家賃の変更を不服といたしますところの一部の入居者が、旧家賃分のみを東京法務局に供託しまして、新家賃の不払いを続けておるのに対しまして、東京都は、供託されている家賃と新家賃との差額が三カ月分以上となり、しかも毎月新家賃の納付を督促し、かつ説得しているのに、依然としてその状態が改められないので、やむを得ず公営住宅法に基づいて、当該入居者千九十四戸に対しまして、都営住宅の明け渡しを請求したものでございます。  建設省の考え方としましては、東京都の措置は適法でかつやむを得ない妥当なものであると考えておるわけでございます。家賃の不均衡是正は、公営住宅の管理を適切に行なうため、適法かつ必要不可欠のものでございます。また、明け渡し請求は、公営住宅の入居関係としては最後の手段でございますが、反対運動の主体ないし入居者に対する説得と広報活動の継続、当該入居者に対する毎月の督促等、一年にも及ぶ努力にもかかわらず、依然として新家賃の納付に応じない今日でございますので、明け渡しの請求はやむを得ない措置である、というふうに考えておるわけでございます。
  45. 石川次夫

    ○石川委員 今の御説明で、一応話はわかることはわかりますけれども、大体、家質の値上げをするというこういうことがきまったことは、私も承知をしておりますが、しかし、最初に入居するときの条件としては、値上げというふうなことじゃない前の条件で一応入居しているわけであります。その住んでいる方から言わせれば、一方的に値上げということがきまって、それを納めろといっても納められないという言い分も、一応あるわけです。従って、立ちのきを請求したという事情も了解できないことはありませんけれども、しかし、立ちのきという強行手段に訴えて、強硬にこれを強制執行するということは穏当を欠くというふうに考えます。なおよく私も実態を調べてみないと、何とも蓄えません。陳情を受けたわけではございません、新聞を見ただけでございますから、なおよくこちらでも調べてみますけれども、立ちのきというような強行手段に訴えることが、はたして妥当なやり方かどうかという点については、あと一度再考の余地があるのではないか、こう考えますので、一応その点だけを申し上げておきます。  それからあと一つ、参事官が見えましたので、これも雑件のうちに入りますけれども、実は官庁の入札についての会計法の改正という問題が新聞に出ております。この件について若干伺いたいのであります。会計法の改正、二十九条は御承知のように、「各省各庁において、売買、貸借、請負その他の契約をなす場合においては、すべて公告して競争に付さなければならない。」というのが原則になっておるわけでございます。これには、ただし書きがついておりまして、「各脚各庁の長は、競争に付すことを不利と認める場合その他政令で定める場合においては、政令の定めるところにより、指名競争に付し又は随意契約にすることができる。」となっておるわけでございますけれども、実態といたしましては、御承知のように、非常に競争が激しくなっていき、不正なあるいは不適当な業者が入り込んでくるということが理由になりまして、一般競争入札という方法によるものは、金額にして〇・三%、件数にして〇・三%ということで、実際問題としては随意契約、それから指名入札、これがほとんど半々のような形でもって全部を占めておると言っても過言ではないのが実態でございます。これは、今さら御説明するまでもないと思うのです。これを今回、一般競争入札を原則とするという会計法二十九条にのっとった趣旨を生かしまして、この改正がおそらく大蔵委員会の方で審議されることになると思うのですけれども、建設省としては非常にこれは関係の多いことじゃないか、こう考えるので、これは単に大蔵委員会にまかせておいていい問題であるかどうかということについて、一応これはあとで理事会その他で審議をしたいというふうに考えております。さしあたって、ここで伺いたいのは、これはこの原則というものを、こまかい政令を出して原則にのっとって考えていくということになりますと、今までの入札の方法というものは相当な変革が加えられることになるわけです。このことがいいか悪いかということは別問題として、これは相当慎重に審議を要する問題である、こう考えておるわけでございますが、これについて現在の建設省としての見解を一つ伺いたいと思ます。
  46. 高田賢造

    ○高田(賢)政府委員 ただいま石川委員からの御質問の点でございますが、お説のように、会計法の一部改正案は、別に大蔵省の所管といたしまして国会に提案になっておりまして、大蔵委員会の方へ回っているやに承知いたしております。会計法の関係は、もちろん建設省も大いに関係ございますわけであります。会計法の一般実施の際におきましては、建設省以外に、御承知のように運輸省、農林省、それぞれ工事を適用いたしております。そのほか、これまた御承知だと思いますが、防衛庁等におきましていろいろな物の買い入れ等をやっておる。工事だけでなく、広く物品の購入等につきましても適用いたしていくわけでございます。  会計法の改正案の関係につきましては、その方の委員会で御審議になっておりますので、ここで私ども直接申し上げますことにつきましては、あるいは問題といたしましては、ここで申し上げることでないかもしれません。しかし、お尋ねがございますので申し上げますが、私ども承知いたしておりますところでは、現行法とこの今度の改正案の差といたしましては、従来、法律でなくて、政令以下で書いておりました事柄を、大体においてそれと関係の深い、たとえばお話指名入札であるとか、あるいは一般公開に関する規定等の、規定の基本的なものを法律の方に入れるという内容であるように、大蔵省から私ども聞いて承知いたしております。従いまして、現行制度の実体にはあまり大きな変化はないのでないかというふうに私ども想像いたしておりますし、大蔵省の説明もさようなふうに承知をいたしております。
  47. 石川次夫

    ○石川委員 これも簡単にここで結論が出る問題じゃございませんけれども、これが行なわれるということになれば、一兆も二兆ものいわゆる入札というものが、一般競争入札というものが原則になると、これは大へんな変革が行なわれるということになるわけであります。しかも、これはことしからいきなり行なわれるということでなくて、おそらく来年からということになると思います。そうなると、原則的な考え方としてはわれわれも賛成でございますが、おそらくこれに対しましては、業界の秩序が乱れる、過当競争になるのではないか、というふうな意味での反対運動というものが相当出るのではないかということを、逆に私は懸念をいたしております。  それと同時に、こうなりますと、一般競争入札に付する場合の、いろいろ業者の資格条件というものを厳密に定めていかなければならないという必要がおそらく出てくるのではないか、こう考えます。そうなりますと、そのことがきっかけになって、逆に——外国ではよく、官庁の入札のうち、たとえば二〇%あるいは一五%というもの、それは各官庁によって違っておるようでございますけれども、それは中小企業に必ず発注しなければならないというような取りきめを行なっておるところが多いようです。日本ではそういう取りきめがない。ところが、こういうことがきっかけになって、逆に今度業者の資格審査というものを厳重にやるということによって、中小企業者あるいは弱小企業者といいますか、そういうものを締め出すような結果になるのではないかということを、むしろわれわれとしてはおそれておるわけであります。  こういう点について非常に問題が多いものですから、これはただ単に大蔵省あるいは大蔵委員会にまかしておいてよいということにはいかないのではないか。ただ、今おっしゃるように、あまり厳格にこれを行なうのではなくて、ほんの政令に定めるものを法律化するだけの問題で、大きな変化はないのだといえば、あらためてこれは会計法というものを改正するという意義がなくなる。この会計法改正の意義を十分に生かすということになれば、そういうもろもろの問題が出てくるということが懸念されるので、これはまた、あらためて審議の対象として、当委員会においても十分な検討を要するのではないか、こう考えておるわけでございます。  きょうは一応御意見を伺っただけにとどめますけれども、この点を一つ慎重に検討していただくようにお願いをして、私の質問を終わります。      ————◇—————
  48. 加藤高藏

    加藤委員長 次に、防災建築街造成法案及び公共施設の整備に関連する市街地の改造に関する法律案の両案を一括議題とし、質疑を行ないます。  質疑の申し出がありますので、これを許します。  岡本隆一君。
  49. 岡本隆一

    ○岡本(隆)委員 ただいまから防災建築街造成法案と市街地改造法案の二法案について審議をいたすのでございますが、この二法案は、今度出ております建設省関係の法案の中では、一番重要な骨になる法案であると思います。ところが、先ほどから委員会の模様を見ておりますと、社会党の委員はほとんど出ておりますけれども、自民党の委員はわずかに四名でございます。しかも、先ほど二階堂委員が退場されるときに、私は警告を発したのです、出ちゃいかぬぞと言って。にもかかわらず、ゆうゆうと出ていった。そのあとまた、理事の薩摩委員もゆうゆうと出ていく。こういうようなふまじめな委員会で、私はこの重要な法案は本日は審議したくないと思います。定足数が欠けておりますから、本日はこれで一応散会にしていただきまして、明日あらためて審議させていただきたいと思います。
  50. 加藤高藏

    加藤委員長 速記をとめて。   〔速記中止〕
  51. 加藤高藏

    加藤委員長 速記を始めて。  この際、暫時休憩いたします。    午前十一時三十八分休憩      ————◇—————  〔休憩後は会議を開くに至らなかった〕