○
田中(彰)
委員 私は、今事務
総長の
お話を聞いたり、それから
芥川さん及び
小峰さんの
お話を聞くと、やはりあの
院長の四権分立というような旧思想をあなた方三人が御支持されておるのだ。さもなければ、ああいう公けの席で、あれだけのつまり失態をした者に対して、あなた方が今度は
国会に来られると
——少なくともあなた方は、わが国の各官庁、これにつながる各公社、
政府の金を使っているところの全部、下はこっぱ役人から上は大臣を相手にして、あなた方がその中に入って、捜査令状を持たなければ検事局ともできないほどのことをあなた方はやられておる。それだから、あなた方は法律上そういう位置を
認められておる。ところが、
会計検査院長は、
国会法、
会計検査院が行なうところの法律を無視して
私見を述べた。その
私見を述べたことについてあなた方が
国会に出される
答弁ならば、やはり
委員長あてであるとか、
決算委員会御中であるとか、あるいはまたいろいろな方面に出すのと同時に、これはこういう法律によって
——あなた方は法律家でしょう。法律の上に立っておられる。とにかく憲法四十一条に照らすと、
国会はどういうものであるか。それから
会計検査官を任命するときは、両議院がこれを
承認して、内閣はそれにかわって任命すべきものだ、こういうことですから、この
国政調査権の中でどういうものを含むとかいうような法律によって、あなた方がなされなければならぬと思う。たとえばここにあります
衆議院規則第九十二条には、「各常任
委員会の
委員の員数及びその所管は、左の
通りとする。」とあって、
決算委員会の
委員は二十五人と定め、その所管の5に、「その他
会計検査院の所管に属する
事項」とある。だから、こういうものによって
国政調査権の中に
会計検査院の事務というものが含まれて、こういうことをしなければならぬ、あるいはまた証人申請が出たときはこの法律によってやられるとか、そういうものを列記されている。そしてこういうものから照らすと、
会計検査院の
考え方というものは間違っておる、法律を無視したもの、
国会法を無視したものである、あるいは憲法を無視したものである。それからまたあなた方がもっと親切ならば
——よく
院長は、
裁判所と間違えられておる。最高
裁判所の
権限というものはこういうものである、
会計検査院の
権限はこういうものであるから、これと違うのだ。それだから、これについて
検査院長のやったことが申しわけないし、それを補佐というか、あるいは
合議というか、そういうような同じ
権限を持ったわれわれの
考え方とは違う。それだから、こういう法律のもとにわれわれのやったことは間違いだということをあなた方は言われなければ
——全くこれだけのものでわれわれをだまそうということは、重大なことです。
小峰検査官、
芥川検査官も重大な問題ですよ。
芥川検査官が、まだ法律的にいろいろ研究があるとおっしゃいましたが、われわれ
決算委員会が書いて出したものに対しては、慶応大学助教授の金子芳雄氏は、われわれの言ったことに対して間違いないと言っておる。それからまた東京大学の法学部長
田中二郎という人がこういうことを言っておる。これは間違いないということであります。また
山田会計検査院長は、大蔵次官のおり、私が教育
審議会
委員として六・三制の
審議の席で、何の
予算であったかは今思いつかないが、
予算の件について申し上げるや、そんな
予算はやれないと憤激して、属僚を率いて席を立ち、
出席者があぜんとしたことがあった。なかなか向こう意気の強い、変わった人だと思ったことがあるということまで言っておるのです。それからもう
一つ、某代議士が、
院長が興銀におったときに、あることを頼みにいったら、ステッキでその代議士を突いたということがある。こういう人だ。だから、あなた方がここで言われるのには、たとえばもう少し法的なものを出されてやらないと
——今あなた方のおっしゃっているのは、うちの
院長がどうも
決算委員会において
私見を述べた、それが逆鱗に触れた、
荒舩委員長は、あまいだろうから、これをちょっと出してごまかしておけば事は済むだろうと思うのは、重大な問題です。もし間違っておれば、
私見を言って申しわけなかった
——しかし、
私見は
私見として、これは
国会の、国の
調査権に
会計検査院の
事項が含まれるか含まれないかの
国会法上重大な問題ですよ。これに対しては、みんなあなた方が列席されて、これによって
会計検査院長のやったことは法律を無視し、
国会法を無視し、憲法を無視したやり方だ。
裁判、
裁判と言われますけれ
ども、あなた方はそういう思想を持っておられるとおっしゃいますけれ
ども、
裁判には秘密はございません。
裁判は全部
合議制です。公判でやって、証拠でやって、あらゆるものでやるから、
裁判に秘密はございません。
裁判には、
裁判を正しくやるようにいろいろな
機関があって、それを研究している。批判もできる。
会計検査院と違うのですよ。あなた方のは、別に証拠もなければ、公判で公開もしなければ、証人も呼ばなければ、弁護人もつけない。何でもない。これをあなた方が
裁判と少しでも似ているようなことを
考えられることは、これからの重大な問題だ。
裁判と全然違います。これに対してどうなんです。こういうものを出して、
決算委員会を一体あなた方は何と
考えておるのか。もしあなた方の
考えいかんによっては、この
決算委員会から不信任を出して、そうして議院が不信任を出したならば、あなた方はやめなければならぬ規則がちゃんとある。
国会は内閣の
提出する
検査官の適不適を
審議し、適任と
認めた者に同意を与えるのであって、その選任については重大なる
権限を有するものである。従って、右
検査官の任期中においても、万一不適任であることが判明し、これに対して
国会がその意思を表示するならば、
政府は同法第六条の規定にかかわらず、これに対して善処すべき政治上の責任が生ずることになっている。
それからもう
一つ、あなた方は、
会計検査院というものは非常にりっぱなあれだと思っておられるんだけれ
ども、私はそれは非常に違うと思う。
小峰さんこれはよく御存じだと思う。この
決算委員会でやられた
会計検査院の不正があるでしょう。前
院長時代、上層部には数十万円の汚職に類する
事件が
決算委員会において明白にせられ、現に某幹部は刑事
事件になっている。こういうことまで、
決算委員会の中にある。それは神様じゃない。やはり普通の一般の人だ。それが、自分があたかも神様のように思って、
会計検査院に何の不正があるか、
会計検査員のやることが正しいんだ、こういうような
考え方で
——これが現に証拠じゃないですか。あなたもここに来られて知っておいでになるでしょう。まだ
会計検査院にもたくさんありますよ。ここにあなた方の
予算もたくさん出ています。前年度に比較して一億八百九十万二千円の余計なものが出ている。しかも、
会計検査院の
予算は六億八千三百五十四万一千円、こういうような金をお宅の方で使っていらっしゃる。こういうものに対しても不正があるとか、むだがあるとか、そういう工合に考慮したときには、
委員長がちゃんと手続して、われわれが行って、あなた方の帳面を検査して、あなた方を指摘する
権限を持っている。このものに、
会計検査院が書類を出すとか出さぬとかは私の
考え方だ、
国会の干渉を受けない、そういうふうなことを言って、これは
私見でございまして
——そして今度は
私見と
考えております。
考えておるのなら、ちゃんと証拠を出しなさい。われわれでさえこうやって
調べておる。いやしくも日本の
会計検査官、事務
総長がおって、こんな書類でもってこれで
答弁できるのか。これは
田中彰治が言っているんじゃない。
国民が言っていることだ。これをあげますから、少し勉強していらっしゃい。そしてこの次に出してほしい。
国会の事務
総長あたりにでも
意見を聞くと、遠慮していろいろなことは言わないけれ
ども、われわれは、自分のやったことが悪いなら
国会議員をやめて謝罪する。これが責任だ。今
委員長も言われた
通り、近ごろ
決算委員長に出したのは何です。そういう重大な
発言をしたのは何ですか。しかも、
考えております
——悪うございましたとか、確実なものは
一つもない。あなた方の腹の中では、
決算委員会というものはこのくらいのもので済むという
考え方があるからだ。これは重大な問題だ。これは
委員長も、
決算委員長としてやはり善処されたい。年内間に合わぬから、来年明けたら
委員会を開いて、不信任するとか何とかして善処されたい。もしこれをわれわれがそういうものを持ってこないで、あなた方の言う
通りになっておるとするならば、あの
院長にいばられて、
委員長までステッキで突かれて、そこからおりろと言われるようになっちゃう。大学の教授も言っているじゃありませんか。これは刷ったものがありますから、これをあげます。われわれは、自分のやったことも間違いがあるといけないから、各大学回って教授に
意見を聞いてやっている。しかも失言したあなた方の方で、各官庁、公社も監督する、
国会の拘束も受けない、内閣の拘束も受けないという、この
会計検査院のあんた方の
答弁は何ですか。もっと法律的に
答弁なさい。こういう法律でありますから、こうでありますからこうであります、まことに申しわけない、法律の違反であった、
国会法を無視した、憲法を無視した
——あたりまえじゃありませんか。私の
意見に対して三人の御
答弁を願いたい。