○帆足
委員 時間がありませんから、簡単に、外務大臣がおられませんから、次官を通じまして、私の要望を申し上げておきます。
欧州の古い伝統を持つ
イギリスとの
文化交流を円滑に、盛んにしていくことは大へんけっこうなことだと思います。ただ、ただいま伺いますと、
文化交流の
費用は実際に使えるものは、わずか六、七千万円しかないということを聞きましてまことに驚きました。それではどうも極東の君子国というよりも野蛮国といわれるおそれもありますから、やはり軍事よりも文化の方に
努力を注ぐようにしていただきたいと思います。特に、ただいま一部の心なき業者等によってアメリカのすぐれた文化が
日本に入らずに、アメリカの悪い方の面の文化が入ってきておるような点もあると思います。そういう点を牽制いたしますためにも、西欧
諸国との
文化交流は政策的にももっと助長する必要がある。これは与党の方々も同じ感想であられるだろうと思うのであります。従いまして、
文化交流の領域におきましても、アメリカの比重は四分の一、西欧の比重が四分の一、社会主義圏の比重が三分の一か四分の一、それからアジア・アフリカ
諸国との交流が四分の一、世界を相手とする
貿易国といたしまして、そのくらいの心がけでなさることが必要ではあるまいか。しかるに、たとえば映画
一つ例にとりましても、戦前に比べますると、アメリカ映画一辺倒になっておりまして、占領下のときの病的な状況が今も続いておるような状況でございます。また最近、お聞き及びでございましょうが、次官に御注意を促したいのですが、音楽の国際著作権の問題につきましても、国際機関であるビームと意思の疎通を欠いておりまして、今や西欧音楽盤途絶の状況に直面しておるような状況でございます。この問題につきましても、占領直後に駐在していました初期のビームの駐在員が、代表者としての資格のある人物かどうかということもよくお調べにならずに、それと漫然くされ縁を持ったということが、私はこの問題が乱れた発端でなかったかと記憶しております。せっかくこの
条約が
通りましても
実施が大事でありますから、今のビームの問題につきましても、文部省、外務省当局の方々に、この次ブラジルとの
文化協定の
機会があるそうですから、その
機会に十分にわれわれの要望を申し上げたいと思います。特に
日本としましては、一面
文化交流の問題は国際協調も必要ですけれども、また著作権の問題などについては
日本の自主的態度というものが私は必要であろうと思います。従いまして、ビームに対しても正当なる主張ははっきり主張して納得させるという御
努力が必要であろうと思います。いずれにいたしましても、西欧
諸国並びに英国との
文化交流はきわめて重要でございまして、その
実施の面において
予算がかくも乏しいということを伺いまして、まことに落胆しておる者の一人でありますけれども、この次の
機会には外務
委員会においても、同僚諸兄の御賛成を得て、
文化交流にもっと多くの国の力を注ぐようにお願いしておきたいと思います。次官から一言御
答弁だけ承ります。