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1961-05-12 第38回国会 衆議院 運輸委員会 第28号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十六年五月十二日(金曜日)     午前十時五十二分開議  出席委員    委員長 三池  信君    理事 有田 喜一君 理事 生田 宏一君    理事 尾関 義一君 理事 川野 芳滿君    理事 高橋清一郎君 理事 井岡 大治君    理事 久保 三郎君 理事 山口丈太郎君       佐々木義武君    壽原 正一君       鈴木 仙八君    關谷 勝利君       高橋 英吉君    加藤 勘十君       勝澤 芳雄君    西宮  弘君       肥田 次郎君    内海  清君  出席国務大臣         運 輸 大 臣 木暮武太夫君  出席政府委員         運輸事務官         (鉄道監督局国         有鉄道部長)  廣瀬 眞一君  委員外出席者         日本国有鉄道常         務理事     中村  卓君         日本国有鉄道参         与(運転局長) 石原 米彦君         専  門  員 志鎌 一之君     ————————————— 五月十日  委員内海清辞任につき、その補欠として鈴木  義男君が議長指名委員に選任された。 同日  委員鈴木義男辞任につき、その補欠として内  海清君が議長指名委員に選任された。 五月十日  田子倉専用鉄道国鉄営業路線編入に関する請  願(木村守江紹介)(第三八八六号)  長野県内国鉄輸送力増強に関する請願羽田武  嗣郎紹介)(第三九八〇号)  信越線、中央東西線電化促進に関する請願(  羽田武嗣郎紹介)(第三九八一号)  天竜峡、新宿間直通ディーゼル急行導入に関す  る請願羽田武嗣郎紹介)(第三九八二号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案(内閣  提出第一〇三号)      ————◇—————
  2. 三池信

    三池委員長 これより会議を開きます。  日本国有鉄道新線建設補助特別措置法案を議題とし、審査を行ないます。  質疑の通告がありますので、これを許します。肥田次郎君。
  3. 肥田次郎

    肥田委員 委員長質問対象は、実は国鉄の方に大部分質問したいのです。というのは新線建設と、それから既設路線維持状態について、これを中心として質問したいのです。その関係者はどういうことになっておりましょうか。
  4. 三池信

    三池委員長 肥田君にお答えしますが、いましばらくすると中村常務がお見えになる予定になっておりますので、しばらくお待ち下さい。
  5. 肥田次郎

    肥田委員 それでは運輸省の方にお伺いしたいのですが、これは格別新線建設関係があるわけじゃありません。ただこの前、私が鉄監局長質問をした条項について一つ聞きたいことがあります。  それは国鉄運賃値上げの際に、国鉄旅客運賃貨物運賃が上がりましたが、貨物運賃が上がった場合には、それはいかなる手続をとって民間の、いわゆる私鉄貨物運賃との関係を処理していくのかということをお伺いしたのです。ところが鉄監局長お答えは、よく記録を調べてみると、貨物運賃の分の問題には触れておりませんけれども貨物運賃が値上がりをした場合に、私鉄はこれをどういうふうな形で取り扱うのかという質問をしたことに対する鉄監局長答弁は、国鉄が上がるから私鉄もそのまま上がるということはありません、こういう答弁でした。私はその際にこれ以上質問をしていないのですが、従来の慣例からして、貨物運賃に関する限りは、国鉄が上がれば民間の場合もそのまま上がっていくという慣例をとっています。ただここでは、それぞれのいわゆる法と規則関係がありまして、それについてどういう処理をされておるのかということを聞きたいわけです。ですから監督官庁として、従来の一つのやり方もそれはあるでしょうけれども、筋道ははっきりしておかなければいかぬと思うので、四月六日ですか、国鉄運賃を上げた際に貨物運賃に対して私鉄の取り扱いはどのようになっておるかということを一つお聞かせ願いたいと思います。
  6. 廣瀬眞一

    廣瀬政府委員 まことに申しわけございませんが、私、担当が違いまして、今的確なお答えができませんので、もうしばらく御猶予いただきまして、詳細に調べまして御報告いたしたいと思います。
  7. 肥田次郎

    肥田委員 実は大臣もそういうこまかいことにはなにでしょうけれども、これは少なくとも法的に処理される問題ですから一応御承知になっておるのじゃないかというつもりで質問しましたけれども、そういう事情でしたらこの次に答弁をお聞きいたします。  実は最近、これはどなたもお気づきになっているかと思うのですけれども、先ほど申しましたように私は新線建設とそれから既設路線保守関係について少し当局お答えを聞きたいと思います。最近、これは列車に乗りまして特に感じるのですけれども列車動揺が非常に激しい感じを受けます。特に特急列車に乗りますと、一部の地域は確かに静かで気持のいい路線もありますけれども、今私は詳しくこことこことここというふうに指摘はいたしませんが、大体品川以西鶴見周辺、それから大船から小田原の中間、それからいわゆる伊豆半島のカーブとトンネルの地域は別にして静岡管轄の一部分だとか名古屋の関係、それから米原と草津の間、山崎から吹田の間、こういう地域特急に乗らしてもらっておりますと、実は新聞を読んだり雑誌を読んだりするのにもはなはだ不自由をいたします。動揺のためです。これはどういうところに原因があるのかということであります。概念的にいいますと、私らが話をいろいろと聞いたり何かする、そのいろいろなものを総合いたしますると、言うところの新線建設、特に新線建設でも代表的ないわゆる夢の超特急建設、こういう方面にいろいろなものが人的にも経費的にも集中をされて、そして既設路線保守ができない、こういう話を実は聞くわけです。しかしその話は話といたしましても、現実に既設路線が今までの状態とは非常に違うのではないかという印象を受けましたので、特にどういうような状態で最近の保守がされておるのか、この点を聞かしていただきたいと思います。  食堂車でものを食べようと思ってもフォークと口とがうまく合いませんよ。フォークを口へ持っていこうと思ってもゆれるものだから口へ入らない、こういうことは実際にあります。日本食堂の女の子に聞いてみても、最近はひどいです、と言っている。いわゆる普通の状態じゃないです。あの動揺というものはわれわれが若干の鉄道知識というもので感じても左右上下のこまかいがたがたした動揺、いわゆるタイムの短い動揺が非常に激しく、長く続く。乗っている人がみんな、これはどういうことでしょうね、というつぶやきが聞こえます。一つ一つお聞きしますけれども、そういう点について国鉄当局は全然お感じになっていないのでしょうか。
  8. 中村卓

    中村説明員 実は軌道保守そのものにつきましてもなかなか列車も間合いがなくなってきておりまして、線路容量一ぱいに使っておるものでございますから、非常に苦労をしておることは事実でございます。それに対しましてたとえばマルティプル・タイタンパーというようなかなり強力な機械力を使いまして軌道構造をよくして、なるたけ保守に手間がかからないようにという方向で進んでおるのでございまして、現に本年度東海道線だけの分として十八億円くらいの予算を使いまして、軌道増強とかタイプレートを入れるとか、そういう改良費として十八億円考えております。これはここ数年来ずつと毎年東海道だけに十億ないし十数億の金をつぎ込んでやってきておりまして、そういう面でできるだけ日常手入れを少なくして、何とかして軌道そのもの構造を強化していくという方針できているわけでございますけれども、実際問題といたしましてはなかなかそこまで手が回らなくて、一部にはそういうところが起こっているのじゃないかと思います。実は私も先月末に大阪に用がございまして「第二こだま」で参ったのでございますが、そのとき私自身としてはそれほどひどくは感じなかったのでございますが、いろいろと問題があると思います。ただ、今申し上げましたように大体の方向としては、軌道構造相当金をかけて強化するという方向で問題を解決したいというふうに考えておるわけでございます。特にそれがためにもし万一不幸な事態でも起こったということになれば非常に大へんなことでございますので、さらに私どもの方といたしましては、部分的に相当ひどいところがあるようなお話をただいま伺いましたので、具体的にそういう点につきましては、軌道検測車なり何なりそういう試験機械もございますから、そういうものを使いまして、著しく悪いところがもしございますれば緊急の手を打ちたいと考えております。
  9. 肥田次郎

    肥田委員 中村常務、おれは乗ったけれどもそう感じなかったということになると、私らが言っているのがうそのようになるのです。ありがたいことには私らは大阪ですから週に二回は往復します。毎回の感じではなくて、からだで受けている衝撃ですからね。そうすると私たちはこの動揺原因というものは単純なものではないと思っているのです。線路保守だけではないだろうということはわかります。しかしそれは今言われるただばく然ということではなしに、おのずから原因スピードがたとえば何キロ出た場合にこういう振動が起きるのかということは乗っているだけではわからない。大体勘で七、八十キロくらいのスピードのときに非常な動揺感じておる。それははなはだしい動揺ですよ。あなたはそう言われるけれども、がたがたがたがた、左右振動、それから上下振動、これは簡単に出てくる振動ではないと思う。だからこの振動は、私がお聞きしたいのは、スピードによって起こる振動なのか、それとも線路状態によって起こる振動なのか、これはどうでしょう。
  10. 中村卓

    中村説明員 非常にむずかしい問題でございますが、御承知のように私、技術屋ではございませんので、技術屋の方が見えましても今すぐここで的確な御返答はできないのじゃないかと思いますが、常識的に考えますと軌道構造の問題と、車両構造、それからスピード、いろいろな要素があると思うのでございます。そのうちどの要素がどのくらいの比重を占めておるかということになりますと、これはまた相当詳しく研究なり調査なりをいたしませんと簡単にはわからないと思います。ただ先ほど申しましたように、私どもの方では高速試験車というのが最近できまして、相当速いスピードでもって軌道を走らせて、軌道状況相当速いスピードにおける車の運転状況がかなりわかるというようないい試験車もできましたので、そういうものを使いまして、至急に先生お話のようなことを調査してみたいと思います。
  11. 肥田次郎

    肥田委員 私が質問する要点というのは実はこういうことなんです。私はこまかいことをほじくってという気で言っているのではない。ああいう振動が起こるということはスピードなのか、いわゆる軌道構造条件なのかということを追求する必要があるのじゃないかという考え方を持っているのです。それをやらないと、あれは大きな事故原因になりはしないかということがあります。だから線路保守の問題が一つ宿題になってきます。それから車両の問題が必ずあろうと私は思います。何キロのときに安定状態になるのか、七、八十キロくらいが一番振動が多いのだ、百二、三十キロくらい出せば落ちつきますということなのかどうか、それだけ出しますとやはりあぶないですということになるのかどうか、こういうことであります。  そういうふうになってきますと、一つお伺いしておきたいのは、車両保守、検車はどういう状態にやっておられるのですか、一日に二往復していますね。ほとんどあれは実際に整備している時期はないのじゃないですか。
  12. 中村卓

    中村説明員 軌道の問題につきましては、たとえば先生御存じだと思いますけれども辻堂近所に非常にロングレールを使いまして、先ほど申しましたマルティプル・タイタンパーでつき固めをやった、かなり新しい軌道工事法を実施した個所があります。ここのところはほとんど動揺感じられないのじゃないか。私はあそこを通るときにいつも感ずるのでありますが、ロングレールということもあり、軌道工事そのものも非常によくなっておりますので、あそこまで軌道の方に手をかけ、金をかければ、相当スピードで走っても問題ないのじゃないかと考えられます。結局スピード軌道保守相関関係振動というものが起こってくるのじゃないかというように考えるわけです。  車の保守につきましては、これは運輸省の方でもちゃんと規定がありまして、いわゆる回帰キロというものがきまっておりまして、何キロ走ったらどういう検査をするという基準があります。なお日常検査につきましても、ちゃんと予備車両を私どもの方で持っておりまして、簡単な検査は毎日もちろん車両検査という格好でやっておりますし、だんだんとむずかしい検査はある程度走ったら、あるいは時間的に繰り返して何回も行なうということで、運輸省基準に基づいて間違いなくやっております。
  13. 肥田次郎

    肥田委員 えらい失礼ですけれども、私はやはり不安なんです。というのは、あなたが技術屋として直接それを目で見てなにしておられるわけじゃないのですから、そういうふうにやっておるだろう、所定の規則通りのことをやっておるだろう、こういうことだろうと思うのです。私が聞きたいのは、いやあれくらいでも大丈夫なんです、あれくらいのゆれはあたりまえなんですということなら、やはり安心して乗ります。しかし車両状態線路状態スピード関係、こういうものが事故と直接つながりがあるような感じがしますから、この不安感を除いていただかないと、私は今のお答えだけではどうも安心ができないのです。先日もこういうことがありましたよ。私らがちょっと鼻でかいだだけでも明らかにモーター焼けということがわかりました。ところがモーター焼けはそのままとにかく大阪まで持っていきますね。何とかかんとか行けるから行ってしまえということであれは行くのです。そういうことは御存じないでしょう。
  14. 中村卓

    中村説明員 もうすぐ運転局長が参りまして、技術関係のことは詳しく申し上げると思います。
  15. 肥田次郎

    肥田委員 それではそれと関係をして、あなたのお話では、とにかくタイタンパーを使って十分な保守もやっておる、こういうふうに言われておりますけれども、実は施設局保守要綱というものを出しておりますね。ところがこれにはこういうことを書いております。通トン上昇年率というものは大体三〇%だ、それから列車速度はこれからも上がるし、とにかくどんどん上昇してくる、そのほかにもありますけれども、そういうことで線路というものは非常に破壊度がはなはだしくなってくる、だから保守をしようと思うけれども、今度は逆に列車回数というものの増加があって思うように保守ができない、作業をやっても能率が上がらない、こう書いてあるのです。そうすると今言われたように幾らタイタンパーを使ってバラスをなにしようと思ってもやれないでしょう。そういう関係はどういうふうに説明をしてもらえるのですか。保守近代化要綱ということで施設局が、片一方ではどんどんスピードが上がってくるし、それから通過トン数はふえてくるし、列車回数はふえてくるし、そういうことで実際に線路の整備をやろうと思ってもできないのだ、こう言っておるのです。これは機械化の問題ではないのですね。
  16. 中村卓

    中村説明員 その点につきましては、たとえば今度の十月の時刻改正というようなことをやりますときに、運転営業側の要求と施設局保守側と両方がよく連絡いたしまして、列車スピードなりあるいは列車回り、いわゆる線路容量をどういうふうに使うかということを十分相談いたしまして、納得づくの上でやっておるわけであります。ただ非常にむずかしい——できないというわけではなくて、保守が非常に困難になりつつあるということは実際の実情だと思います。  ただいま機械等を使う場合どうするかという御質問でありましたけれども、そういう場合にはある程度列車の閑散時を見計らって、数時間列車をそこを通さないで、根本的な工事をやるということでやっております。現在やっておりますのは私の記憶では辻堂近所大阪では京都—大阪間四線区間がやりやすいので、そういうところから工事を進めております。
  17. 肥田次郎

    肥田委員 そうしますと、そういうふうに現在やりつつある面もあるけれども軌道保守近代化という施設局考え方基本方針の中でいろいろ計画が出されておりますね。その出されておる計画はともかくとして、基本方針という考え方の中に、経費節減要員合理化ということ、このほかには保安度向上という三項目が基本方針になっておりますね。この保安度向上、いわゆる施設そのもの保安度がよくなってくるというこの基本的な考え方はいいのですが、経費節減だとか要員合理化という問題とかね合わせて保安設備近代化というこの問題が矛盾なしに解決できますか、これはどうなんでしょう。これは重大な問題で、関連性の問題はもう一つありますが、この問題だけとってみても、こういう矛盾をあえて書いたりしなければならない原因というのは、これはやはり主題の新線建設という問題にからんできますが、私はどうもこれを読んでみて矛盾を感ずるのです。今私が申しましたようにいろいろな原因があるのですね。通過トン数がふえてくる、速度が上がってくる、回数がふえてくる、実際作業をしようと思ってもできないのだ、施設当局がこう言っておるのです。能率が下がって仕方がないのだと言っておる。ところがあなたの言われるのは、間を見てちゃんとやっておると言われます。それは最大の努力を払っておると思いますが、実際にはなかなかむずかしい。根本的にそう手入れをしないでもよいのだという設備に変えなければならないのだという基本的な御理念はわかるのです。ところがそれまでの間があるでしょう。それまでの間を解決しないで、先の計画だけを立てて、それを目当てにして、今の状態はできないということでなおざりにされるというこの矛盾、これは避けられないと私は思っておる。この計画常務御存じでしょうね。
  18. 中村卓

    中村説明員 大体の大ざっぱなことは聞いております。具体的なこまかい、いつどこの区間をどういうふうにやるかということについては詳しく存じませんけれども、大体の方向としてはただいま先生のおっしゃったようにわれわれも考えております。結局東海道新幹線の問題も、現在線が非常に行き詰まりまして、これ以上は輸送力増強ができない、また線路保守というものも非常に困難だということに端を発しまして、新幹線を作るということになって参りましたわけで、新幹線ができますまでは何とか現在線を持たせて、それでふえる輸送需要をまかなっていこうというかたい決意は持っておるわけであります。そういう問題を解決するために、さっき申し上げましたように東海道だけで今年度十八億の金をつぎ込んで軌道の強化をやろうということを考えているわけでございます。その点につきましては別の機会に施設関係責任者に来てもらっていろいろ御説明申し上げてもいいと思いますが、われわれといたしましてはこれでまずまず大丈夫だと考えております。
  19. 肥田次郎

    肥田委員 大丈夫というのは何が大丈夫なんでしょうか。
  20. 中村卓

    中村説明員 線路保守なり何なりが悪くて重大な運転事故が起こる心配はないという意味でございます。
  21. 肥田次郎

    肥田委員 新幹線と俗に言う新線の問題はどちらかにやはり重点がかかると思いますが、同じ新線という概念の中には入りますね。——入れてないのですか。
  22. 中村卓

    中村説明員 別です。
  23. 肥田次郎

    肥田委員 そうすると、今ここで言う新線関連性ということは、新幹線ということに限って話をしていいですね。
  24. 中村卓

    中村説明員 ちょっと補足的に御説明申し上げますが、新幹線はわれわれの方ではあくまでも改良費既設路線増強という考えできておりまして、予算的にも改良費の中から考えております。いわゆる新線建設費の方からは全然予算的には考えておりません。従ってここでいう利子補給をしていただく対象には考えておりません。
  25. 肥田次郎

    肥田委員 そうするとなおさらですが、今言われた新幹線関係でいわゆる既設路線が犠牲になっておるのだという事実はありませんか。
  26. 中村卓

    中村説明員 そういう事実はないと思います。
  27. 肥田次郎

    肥田委員 運輸大臣はこの前、新幹線を作っても人員は三百名しかふやさないということを本会議答弁されていますね。三百名ふやせばこれで足りるんだということを言われたわけです。人員の問題といろいろな施設経費の問題は今常務は大丈夫だと言われましたけれども一般的にはそういうふうに感じていないようです。新幹線のために人もとられ、作業関係がそちらの方に重点が移ってしまうために、実際にはなかなか人手が足りないということがいわれています。そういう事実はありませんか。
  28. 中村卓

    中村説明員 新幹線は御承知のようにただいま建設工事中でございまして、建設関係相当優秀な技術者新幹線の方に集められるのであります。その影響を受けて、一般改良工事をやる工事局の方では、一般的にいって、今までよりも若干質的に弱体化しているという面は否定できないと思います。ただ人頭数の問題におきましては、新幹線の方である程度増員予算も認められておりますので頭数はある程度ふえておりますけれども、問題はむしろ質的な問題で、これに対しましては部外に設計を委託するとか、いわゆるコンサルタントに測量その他もお願いするという方向で、一般改良工事は、せっかく認めていただいた新五カ年計画施行にそごを来たさないように、いろいろ対策を考えております。
  29. 肥田次郎

    肥田委員 新幹線にしろ、新線建設にしろ、国鉄が何かやろうとすれば、現在のままでは人員の面、技術者の面などでいろいろ不便が生じてくるでしょう。
  30. 中村卓

    中村説明員 新幹線経費は年額にすれば四百数十億円という大きな金でございますので、これを消化いたしますのに相当な人が要ります。特に技術者が必要でございます。これにつきましては現に予算でも数百人の増員を認められておりまして、頭数としては十分でございますし、実際問題といたしましては先ほど申し上げましたように現在地方工事局から相当優秀な連中を集めて重点的に施行をはかっているわけでございます。それから一般の新線建設につきましては、これは全体の規模から申しましても全国で百億足らずの金でございますので、消化いたすために特に技術者が問題になるというようなことはないと思います。
  31. 肥田次郎

    肥田委員 この前総裁もお見えになったとき、たまたま施設の方の人員が足りないということで、常務にちょっとお伺いしたことがありましたね。その話はその後何か具体的に補充の方向に進んでいるのですか。
  32. 中村卓

    中村説明員 運転関係につきましては、年度末ではっきり臨時職員をなくすということが組合と話がつきまして、その方向に進んでおります。それから保線関係につきましても、全部ではございませんけれども相当数職員として採用して補充するという話が組合とついておるように聞いております。その方向で進んでおります。
  33. 肥田次郎

    肥田委員 まだ双方の話し合いがオーケーというところまではいっていませんか。
  34. 中村卓

    中村説明員 運転関係につきましては、はっきり妥結ができましたけれども保線関係につきましては、大体そういう方向でという大筋の意見の一致を見ているようでありますが、まだ細部的な妥結には至っていないようであります。
  35. 肥田次郎

    肥田委員 施設関係がどうも人が足りなくて、今言ったように作業するにもいろいろと妨げられて、思うように線路保守もできない、こういうところに私は本日の質問重点を置いているのです。そういう既設路線保守もできないのに、新線建設というものはそう急がなくてもいいんじゃないか。従って新線建設利子補給というような問題も、さほど急ぐ必要はないのではないかという気持もいたします。いわゆる既設路線というものがなおざりにされて、そして次の方向へ、次の方向へということは多分に政治的なものを含んでおるように思う。表向きには私はいろいろな問題は立てられると思う。いわゆる国の産業の開発だとか、重点的に地域的に開発をはかるとか、これは立てられると思いますけれども、しかし国鉄当局としても、そうむやみやたらに、いわゆる政治路線的な意味合いを持つ新路線建設というようなものにあまり気乗りはしておらぬのじゃなかろうか、ありがた迷惑じゃないかとさえ私らは思うのです。実際に多分に今既設路線保守という問題については非常に無理をされておる。無理をされておるというのは、現実に今解決できない問題を将来のいわゆる改良という問題と結びつけて、そして今なお押えておる、こういう傾向が現われているように思います。どんな問題でもこれは大なり小なりあります。しかし私はそういう状態であっていい場合と、それではいけない場合があると思います。特に輸送関係では……。何よりも現在の保守というものを完全にして、そしてその中から将来のよりいいものに変えていく、これがやはり保守の一番大切な点じゃないかと思っています。そういう点が施設局のあれを見て、私はどうにも不安を感じるのです。先の計画はある、これは私らは否定するわけじゃない。先の計画についても、計画はりっぱなものだと思いますけれども、これがあるために、今の人員だとか今の経費だとかいうものがそのまま据え置かれてやられるということについては、どうしたって現場にそれがしわ寄せされて、そこに大きな穴が出てくるに違いないのじゃないかという気がします。ですからこの問題はやはりこういう形だという説明をもう少ししてもらえませんか。たとえば先ほど言われたような、この程度で安心ですということでしょうけれども線路状態車両状態がこの程度で安心だということを私らいわゆる実験をその場で見せてもらったわけでもないし、具体的に説明を聞いたわけでもありませんから、その点一つ……。
  36. 石原米彦

    ○石原説明員 運転局長でございます。東京都内に出張しておりまして、おそくなりまして失礼いたしました。  東海道線振動が多くて危険ではないかという御質問でございます。この振動車両から起こりますものと線路の方から起こるものとありますが、危険なことは絶対にございません。ということは、乗り心地の悪い程度の振動と危険な振動とはだいぶ段がございます。もし線路状態が悪くなるあるいは車両状態が悪くなりまして危険になるかもしれないというおそれがございますれば、これは最悪の場合には輸送をある程度犠牲にいたしましても安全を確保するというのが当然の建前でございまして、線路状態あるいは車両の工合の悪いものが重なったりいたしますと、お乗りになっておいでになりまして、かなり乗り心地が悪い振動列車もあるかと思います。けれども、これは危険というものに近づくほどの程度には当然なっておりませんし、万一そういうような状態になりますれば、これは輸送を押えましてでもその点を直ちに直すようにしなければなりませんので、この点は列車の安全ということが最大の眼目でございますから、その点は絶対に間違いのないように技術的に取りはからっております。  それから新線建設と現在線の保守あるいは投資の問題でございますが、現在東海道線に今度の新五カ年計画で大車輪で新幹線建設いたしますが、現在線につきましても線路改良に年に十八億ですか、今年度も投じております。昨年もたしか十億やってきたと思います。そういう工合にいたしまして、新幹線ができましても、旧幹線は貨物線あるいはローカル列車を主にいたしましていわば酷使しなければならないことは目に見えておりますので、重点的に金をかけて整備しております。それから現在線路保守いたします点で一番困ります点は、列車がたくさん入っておりまして、線路保守をいたします間合いがございません。それで保線の方と運転の方と相談をいたしまして、最小限四十分ぐらいの列車間合いを一日に必ず置くというようなことまでしております。あとは五分、十分の間合いもないという状況でございまして、従って少し大きく手をかける工事ができないという状態になっております。この点はどうしましてもあれ以上の酷使はどうにもできないところまできておりますので、できるだけ早く新幹線を作りまして、列車間合いをもう少しすかせまして、線路を正常に保守できるということになりませんと、やっとこさ何とかやっているという実情でございますので、新線を作るということは、旧線の方も今後長い間にわたって保守していきます上でも絶対に必要な条件だと考えております。
  37. 肥田次郎

    肥田委員 運転局長、今の状態なら大丈夫だ、安心して乗ってくれ、こういうお言葉です。言葉の上ではそう言われて太鼓判を押されますと安心できます。ところがしまいの方では、保守でいろいろ無理があるんだということも言われておるのですが、この関係矛盾は言葉の上の矛盾ですか、実際に何かあるのですか。私たちがやはり聞きたいのは、絶対に安全だ、大丈夫だ、安心して乗りなさいというこのことは、あの程度のスピードなら安全なのですか。それとも線路状態が悪いのですか。どちらが悪いのですか。あれはスピードを出し過ぎなければ大丈夫なのか、線路状態が悪いのか、車両そのものが悪くて振動が出るのか、その点どうなんでしょう。
  38. 石原米彦

    ○石原説明員 お答えいたします。  これは振動が多くなりますのは、線路状態とそれから車両状態速度と、三つが一緒になりまして、その結果として現われるものでございます。従いまして保守は今困難だと申し上げましたが、非常に困難いたしておりますが、その範囲において列車スピードをきめておるわけでございます。従いましてもし危険なほどに保守が困難になる事態がございますれば、これは速度を落とさなければならぬわけでございます。  それから線路が悪いのか車両が悪いのかというお話でございますが、これは乗り心地のよいところと悪いところがあると思います。また車両もいいのと悪いのがあります。従いまして私どもといたしましては最も悪い状態車両、最も悪い状態線路を通ってもなお安全であるというところを目安にして速度をきめておりますので、それをもし少しでも危惧の念が感じられることになりますれば、その方を押えることにいたさなければならぬわけでございます。
  39. 肥田次郎

    肥田委員 そうしましたら、これは解決できる問題ですね。たとえばスピードで解決するか、線路の改良で解決するか、この二つだろうと思います。車体をすぐ今どうこうということにはなりませんね。これは先ほどから聞いてもらっているのですが、ゆれて実際新聞や雑誌がちらちらして読めませんよ。これはシートが悪いのかどうなんでしょう。それからさっきも笑い話をしたのですけれども、食堂で飯を食べるのに、フォークが口に入らない、フォークがほっぺたにくっついたり、こんなことになる。日本食堂の女の子がビールをついでおりますが、前ならつげましたが、このごろはつげませんよ。コップから行き過ぎたり手前に戻ったり、こぼれたりする。こんな車両もありますね。今まではそんなことはありませんよ。どうなんでしょう。
  40. 石原米彦

    ○石原説明員 乗り心地が悪くて御迷惑をおかけいたしましてまことに恐縮でございますが、車両によりまして振動が大きいのと少ないのがございます。それから以前よりも悪くなったというお話でございますが、状態が悪くなっているかどうかはさらによく検討いたします。外国の例などを申しまして恐縮ですが、たとえばフランス、イタリアあたりが今の電車の形式あるいは気動車の形式で高速度運転をやっている例がございますが、振動がひどいものでございますから、これらは飛行機のようにビンなんかを置きますところは倒れないようなあれをやっております。それから国内におきましても私鉄特急電車、高速電車になりますと、現在の国鉄よりも乗り心地の点でだいぶ振動はひどいのでございます。しかしわれわれは乗り心地はもっとよくするように心がけなければなりませんのですが、危険という状態とはさいぜん申しましたようにだいぶ差がございますのです。危険な振動ということではございません。その点は御安心いただきまして、もし万一にでも危険な状態が起こってくると認められますれば、輸送の方を犠牲にしてでもそちらの方を安心の持てるようにしなければならないわけでございます。
  41. 肥田次郎

    肥田委員 危険なことと、それから動揺の問題とは、私はやはり切り離しては考えられないと思いますよ。スピードを上げるためには動揺はしんぼうしなさい、国鉄はこういう方針なんですか。表現が悪ければ言い直しますが、今のお話を聞いておりますと、スピードを上げるためにはこの程度の振動はやむを得ないのだということになるのですか。私はなぜこういうことを言うかといいますと、コンクリートまくら木を入れて、ちゃんとした道床の上で通したときは、半年から一年くらいは、まるでそこへ乗ってくると状態が違ってきますよ。これは明らかにもう線路保守状態が悪いということになる。先ほど言われておるように、保守をやろうと思ってもできないということが原因をしている。車両はそう大して変わっているのではないと思います。スピードをなにして時間を格別に縮めたわけじゃありません。東京—大阪間六時間半ですから、平均速度というものはほぼ変わるものではありません。それなのになぜ条件が悪くなるかといえば、線路保守状態だと思うのです。車両でもない、スピードでもない、線路保守状態だけだ。線路保守のいいところは車は静かに走っておる。この個所が幾つもあるじゃないか。にもかかわらず、至るところで左右動、上下動で、がたがた、がたがた、まるで車が振動するような状態になってくるのは、線路状態以外にないではないかということを、われわれ、浅い技術知識からも感ずるのです。だから、それを安全だ、大丈夫事故は起きませんということは、スピードを上げたためにこのくらいな振動はやむを得ないのだ、こういうことになるのですか。これを聞かないと、そういうことならこれはもうガタ列車だと思って私たちは乗ります。
  42. 中村卓

    中村説明員 この点につきましては、先ほどちょっと御説明申し上げたのですが、われわれとしてはスピードも上げたいし、それから乗り心地ももちろんよくして、しかも安全運転をやりたいということが、われわれ輸送に携わる者の当然の使命でございます。今もちょっとお話がございましたように、場所によって非常に振動の激しいところがあるというお話でございますので、この点につきましては、私、先ほど申し上げましたように、具体的にそういうところを調べまして、それに対する手当をしたいということを考えております。決してスピードを上げるために振動があってもいいということには考えておりません。
  43. 肥田次郎

    肥田委員 それじゃこういうことをお願いしましょうか。これは乗務の当務者はよく条件がわかっておると思います。皆さん方の考えておられることとは私は違うのです。線路保守がよくなれば、列車はもっと静かに安定した状態で走れると私らは思っておりますけれども一つ振動計のようなもので実際を見ていただいて、線路保守状態をよくしていただく必要があると思います。私が言うのは、線路保守状態がよくなれば事故の大部分を防ぐことができます。車両から起こる事故は割合にまれです。多くの場合に線路状態に基因しますから、これを特にやっていただくようにお願いしておきます。  それからこの際お願いしておきたいのは、この前にも常務にちょっとなにしたように、施設関係については、少なくとも人手不足で作業ができない状態がないように、作業をする時間がないのと、いつでも作業が完全にできるような状態人員の配列が置かれておるということとは、これは問題が別ですから、この点は十分配慮していただきたいと思います。そういうことが、言うところの、一部に問題が起こったとしても、片一方での責任を果たしたということになるでしょうから、この点に十分の配慮をしていただきたいと思います。  それから本質的には、私らが聞く声では、いわゆる新幹線方向国鉄重点を置いておる。それからまた、言うように、あまりありがたくもない政治路線の方に気も散らさなければならぬ。そういうことのために、現実的には既存の路線保守がどうも思うようにいかない、こういう声も聞きます。ですから、この声を聞くということは、現場というのですか、いわゆる計画部ではなく、実際に作業しておる面に、上と下との意思が欠けておる面もあるのじゃないか、こういうことを感じますから、少なくともこういう声が私らの耳に入らないように、意思の徹底をはかってもらう必要があるように思います。そうしないと、下の方の声を聞くとなるほど心配だ、あなた方の話を聞くと大丈夫かいなということにもなる。こういうことでは不安心きわまりないと思いますので、その点は十分配慮していただきたいと思います。
  44. 中村卓

    中村説明員 ただいまの先生お話はよくわかりましたが、ただ私の方といたしましては、普通の保守工事をやります人間と、それからいわゆる改良工事をやります人間は、一応組織的にも分かれております。従いまして、改良工事が忙しいからといって保守工事の方から人手を回すということは、原則としてはやっておりません。ただ軌道を敷きかえるとか、改良工事に関連をいたしまして、そういう場合には保線区の人がある程度お手伝いをするということはありますけれども、原則的には改良工事保守工事は全然別な組織で、別な人がやっております。お互いに独立して、影響が比較的少なくやっております。しかし御趣旨はよくわかります。
  45. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 今の肥田委員質問に関連して、どうも私は技術面で納得のいかない点があるのです。列車振動動揺とは、技術的にどういう工合に区別されておりますか。
  46. 石原米彦

    ○石原説明員 振動動揺の区別というお話でございますが、大体動揺というのは少し大きい周期の、振幅の大きいのを申しますし、振動というのは、びりびりといいますか、びりびりとなる、振動周期の少ない、そのかわり振動の幅の少ないというのを普通に言っております。乗り心地にはむしろびりびりの振動の方が相当大きく響くかと思いますけれども、危険の方の問題につきましては、動揺の方が問題が大きいのであります。それから動揺もさらにいろいろな種類の動揺がございまして、危険な種類の動揺と、それから比較的乗り心地は悪くても危険度の少ない種類の動揺とがございます。
  47. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 今の御答弁で私はまず安心をしましたが、先ほどからの答弁を聞いていて、振動動揺というものを同一に考えられておるのではないか。そういう大ざっぱな考え方で鉄通技術というものを取り扱われたのでは、これは大へんなことになると思います。それで今御答弁にありましたように、主として車両の機械的な故障というものは、たとえば制御面の故障などについては、資材等による、あるいはその資材損耗によるものが一つ原因になるということは言えますが、しかし車軸の折損、タイヤの破損等は、これは主として軌道の整備に原因するものが多いと私は思っております。そこでそれを考えますと、線路状態においては、いわゆる振動動揺とを同一に考えるわけにはいかない。小振動を起こす場合においては、その原因はいろいろありますけれども、その主たるものは、いわゆるまくら木の下に入っておるバラスとまくら木の間に間隔ができている証拠です。一本のまくら木のところには非常に大きな間隙がある、一本のまくら木のところはきっちりしているということになりますから、振動が非常に大きくなって参るわけです。上下振動は非常に強いのです。それから動揺の場合には、これは私の経験によれば、まくら木が腐食しておる場合、犬くぎとレールとの間に間隙を生じておる場合、こういう場合においては大きな動揺を生じてくるわけです。この動揺は車軸の損耗等に大きな関係を持ちます。ですから、私は常に肥田委員とも一緒に東海道線にも乗りますし、各線にも乗りますが、どの辺が悪いか、どの辺の線路がどういう状態になっておるかということは、私はつぶさに知っております。一ぺん乗ったらすぐわかるです。でありますから、今日の東海道線に限らず、国鉄ではそういう個所が非常い多い。こういうものを、ただ人手不足だとかなんだとか言って、そのときに事故が起きたからといって申しわけにはならないのです。これはきわめて重要な保守の原則と申せるものだと私は考えている。そういうことではこれは申しわけになりません。ですから、これについて人手が足りないというならば、やはり従前の人を入れて、そしてだんだんスピード・アップいたしてきます今日においては、もしこの動揺によってそういうような列車事故が起きたとすれば、これは人命に対して非常に大きな損害を与えることになりますから、この点について私どもは非常に心配をしておるわけです。これは容易なことじゃないのですから、万全の措置を講じられたいと思うのだが、今東海道線に限らず、こういった点についての調査並びにその調査に基づく保守重点作業というものをどうしておられるか、これは私はぜひとも聞いておきたいし、今後、そういうことが気づかれていないとするならば、これは十分に調査をした上で重点的にそれらの点に対しては保守を万全にしていただきたい。その上でスピード・アップの措置をとってもらい。いたずらにスピードだけを上げて、そういった点に手抜かりがあるということになれば、将来国鉄の信用についても非常に大きな影響を与えると思いますから、私はあえてこれを質問いたしたいと思います。
  48. 中村卓

    中村説明員 お話の点、ごもっともでございまして、われわれの方といたしましては、保線区にモーター・カーで引っぱる検測車というものがございまして、あれによって絶えず定期的に線路検査をいたしまして、ひずみなり何なり、そういうものを見た上で、どういうところを重点的に保守しなければいけないかということを一つ保守作業の目安といたしましてやっておるわけでございます。ただ、これはモーター・カーで引っぱりますとスピードが出ませんので、必ずしもハイ・スピードにおける列車振動状態動揺状態とかいうのをはっきりつかめないという欠点がありましたので、先ほど申し上げましたように、昨年でしたか、相当ハイ・スピードでそういう軌道の検測ができる新しい車を作りまして、これによって、重点的に大事な線から実地検査をいたしまして、保守を万遺漏のないようにしていきたいということでやっておるわけであります。
  49. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 私は、これについては警告的に質問したのですけれども、要は技術の運営にあるのですから、これには慎重な態度でやってもらいたいと思います。私も三十年近く鉄道におって、技術屋ではないのですけれども線路保守あるいは建設等に対するものについては、いささか経験を持っております。今日の状態を見て、私はスピードとの間連において非常に今日の線路状態というものを憂うるわけですから、十分にこれは考慮していただきたい。  その他、関連質問としては、営業面では、最近非常に列車が込みますが、込んでいるはずの列車が、乗ってみると込んでいない。しかるに切符は買えない。これは一体どういうことかといろいろ聞いてみると、公社とかそういうところでは、大きな会社とちゃんと何枚かの契約をすでにしていて、そうして実際には会社からの招待客が乗らないために、からの列車が走っている。しかるに一般の者は、切符を買いに行けば、全然切符がないという。しかも、発売をする一週間も二週間も前、発売の時期になったと思って行っても、もうない。今発売した切符がないというはずはない。すでに発売以前、もう一カ月も二カ月も前から大きな会社とちゃんと予備契約をやってしまって、そして、もう売れました、ありません。そうして、からの列車を走らせているというありさまです。これは私はもっと信用のあることをしなければいかぬと思うのです。こんなことで国鉄の信用なんか回復しようたって、できませんよ。緊急やむを得ない者が、それっといって切符を買いに行った。何もありはしない。二週間も前に切符の予約をしようと思って行っても、もうないという。聞いてみたら、ちゃんと一カ月も二カ月も前から大きな会社であらかじめ予約をしていて、その方に大量に流してしまう。それがやみに流れてしまう。こんなことをやっていて国鉄の使命を果たせるわけはないし、信用はがた落ちだと思う。それらのことを聞いて、こういう運営についてはやはり厳重にやる必要があると思うのですけれども、一体国鉄はどういう営業のやり方をやっているのですか。むちゃくちゃじゃないですか。国鉄は運賃の値上げでもすでに先頭に立ってやっている。それも無理押しにやってしまっている。それだけ強大な背景を持って国鉄はやっている。それならば、大衆に対してもっとサービスのある営業をやったらどうであるか。大衆に対するサービスなんてちっともありはしない。大会社の方にもう二カ月も一カ月も切符を売り出さぬ前からちゃんと予約をしてあって、いざ乗るとなったら、からで走らせている。それにもかかわらず、切符を買いに行けばないというありさまである。こんな営業のやり方なんてありはせぬと思う。一体どうなっているのですか。
  50. 中村卓

    中村説明員 今おしかりを受けましてまことに申しわけないのでありますが、われわれといたしましても、できるだけ公平にやりたいと思っております。ただ、実際問題といたしまして、一カ月も二カ月も前か存じませんが、若干予約的なものを優先的に販売している面がなきにしもあらずというふうに考えられます。その点につきましては十分取り締まりたいと思いますが、ただ問題は、やはり何と申しましても輸送力が足りないというところに根本的な原因があるわけでありまして、われわれといたしましては、どこまでも輸送力増強ということに努力をしていきたい、これが根本的な問題解決のゆえんではないかと思っております。なお、先生がよく言うのでありますけれども特急で名古屋—大阪間は、名古屋でおりられる方のためにかなりすいた席が見受けられるところがあると思いますけれども、これはある程度やむを得ないというように御了解願いたいと思います。
  51. 山口丈太郎

    ○山口(丈)委員 途中から乗る人があるとしても、もう少し弾力性のある営業のやり方をやったらどうなんです。名古屋から乗るからといって東京から名古屋までからっぽで走らせる必要はない。名古屋でおりる人がある。そうすれば、もっと弾力的に、あいた席へかわってもらうなりなんなり、そういうことはあらかじめお客さんにちゃんと告げてやればいいじゃないですか。この五月、私、東京から大阪まで帰ろうと思って乗ってみたら、がらすきである。なんも乗っていない。五割も乗車率がないが、それなのに座席がないというのです。私は心臓が強いから乗って行ってしまったが、たれも来やしない。聞いてみると、もうすでに予約していた。ところが、発車する間ぎわに取り消しになっているのが車掌にわからない。こんなことをやって、国鉄に不足言うな言うなと言っても、言わぬでおれませんよ。大会社に対して、これは国鉄にとっては大切なお客さんですが、一般乗客というものは一年に一ぺん乗るか乗らぬかわからぬようなお客さんもおるのですから、常連のお客さんの方にはサービスをして、そして一ぺんや二へん乗るようなものにはもう冷たい扱いをする。金もうけ第一主義ですからと言われればそれまでかもしれませんけれども、それではあまりむちゃくちゃではありませんか。しかも、何かといえば輸送力が足りないからと言って、その方にばかりしわ寄せをしていく。そして輸送力増強のために運賃値上げをして下さい、そんなことを言ったってこれは私は聞こえないと思うのです。そんなことで国鉄の信用なんてできません。これは皆さんでも地方へ帰って説明してごらんなさい。だれも信用してくれるものはありはしません。私はもっとそういう点について、そんな機械的なことではなくて、弾力性のある営業指導をやるべきだと思う。改正する意思があるかどうかということです。
  52. 中村卓

    中村説明員 先ほど私がちょっと申し上げましたのは、東京から名古屋までお客さんで込んでおりまして、名古屋からあと大阪まですいておる、あるいは逆に大阪発の上りが大阪—名古屋間が割にすいていて、名古屋から相当乗る場合があるという意味で申し上げたのでありまして、東京—名古屋間のお客さんがなくて、名古屋から大阪間のお客さんを乗せるために、東京からからで走らせるという方針はとっておりません。こういう場合につきましては東京—名古屋間のお客さんを考えましてできるだけそういうものを消化するように、そういう方針でやっております。ただ私たちの気持が必ずしも交通公社なり何なりに徹底しないので、先生のおっしゃったようなまずい事例が間々発生するのじゃないかということは遺憾に存じております。できるだけ矯正していきたいと存じます。
  53. 關谷勝利

    ○關谷委員 ちょっと関連して。今、山口委員の御質問を聞いておりますと、いろいろな特急券とかなんとかいうものは二週間前から売るということになっていますね。予約というものはその二週間よりもう一つ前なのですか。その点はっきりと伺っておきたい。
  54. 中村卓

    中村説明員 正式なものは何もございません。ただ交通公社が実際問題としてそういうやり方をやっておると申しますか、そういうのがあるやに聞いておるわけでございます。発売行為そのものはもちろん二週間前でございます。
  55. 關谷勝利

    ○關谷委員 そうしますと一般は二週間前からでしか申し込めませんね。そうすると交通公社は特別な人にはそれより以前に受けておって、その日に交通公社が言えば交通公社の言う通りに渡す、こういうことになるわけですか。
  56. 中村卓

    中村説明員 私も先ほどから何もそうはっきりやっているのだと申し上げたわけではございませんけれども、何かそういうこともかすかに流れて聞こえてくるという程度で、実際これは私も御承知のように営業担当ではございませんのであるいは思い違いかもしれませんが、その点につきましては後ほどよく調べまして責任のある答弁をさしていただきたいと思います。
  57. 關谷勝利

    ○關谷委員 それはよく御調査を願いたいと思います。先ほど山口委員が言っておられたように二週間、十四日前に、きょうから発売だというその切符を買いに行って、私たちの手では買えないのですが、これはそうすると、それ以前に予約を受け付けておってその日に買い占めにくる。そうすると交通公社と国鉄のことだからすっとそちらに渡すのだ、そしてわれわれの方が抜かされておるのだ、こういうことが現実に現われておるが、そうであろうという今の山口委員の御発言、私はそれは真実だと思います。将来もそんなことがあるのならこれは大へんなことで、一般の者は迷惑を受けて、そして最初から全部、二十日前であろうが、一カ月前であろうが、大体見当がつけば交通公社へ申し込んでおかなければならぬ。申し込んでおくとそれがその日に買えるということになると、二週間という日をきめたということは、一般大衆、交通公社等を利用しない人に対しては非常に不親切なと申しますか、不公平な扱いになってきますね。こういう点一つよく御調査の上で、交通公社も十四日より前には申し込みを受け付けないのだということにしなければ、私は不公平だと思います。私たちも一般の人は十四日前に全部並んでこれは買っておるんだろうか、そのためにわれわれがいつ申し込んでもないんだということに了解しておったのが、今のお話を聞いておりますと、そうでない。予約した者が楽にとっておるのだ、ほかの十四日ということをきちっと守っておる者は迷惑を受けておるのだということは許せないことですね。これはよく御調査の上で、もしあるのなら——うわさを聞いておるのならば事実あるんだと思います。そういうことならばこれだけはやめていただかなければならぬと思いますから、これは真相を御調査の上で次の委員会にでも御報告願いたいと思います。
  58. 肥田次郎

    肥田委員 それでは私の方の質問のケリをつけておきたいと思います。国鉄関係については先ほどからくどく言いましたけれども、われわれも振動動揺というものは区別をしておりますから、ぜひ動揺についての調査をされて、それについての報告をお願いしたいと思います。できれば私らもそういう動揺の調査には一ぺん参加してみたいと思います。お互いに会期でも終わって適当な日にちがありましたら、私らも真剣にそういうものと取っ組んでみたいと思います。  もう一つ強く要望しておきたいのは、一般から出てくる声として、これをオーバーに聞くわけではありませんけれども、少なくとも新幹線あるいは新線、こういうものと一緒くたにされたような印象の中で、既設路線保守経費の面だとか、人員の面だとかいうもので、将来の計画のために犠牲になっておるということのないように、この点については一つ十分配慮を願いたいと思います。そうすることによって現在の運行状況を最大限に能力を発揮していただく、こういうことでなくてはならないと思います。  それから運輸大臣にちょっと概念的にお伺いしておきたいのですが、先ほどから私はちょっと触れましたが、私は鉄道の新線というものはあまり歓迎しない考え方を持っています。将来鉄道が必要になるという場合は、よほどの特殊な事情を除いて以外にはバスで十分じゃないかという考え方を持っています。けれども現実に行なわれる新線というものはやはり計画をされておりますし、たといわずかながらでもそれぞれ予算をとってやられるということになります。いろいろな事情があるだろうと思います。そういうことになって参りますると、私らが若いときによく経験しておりましたような、村から村を縫っていく新線建設というものがあります。これを政治路線と言いました。人のいないところを走って早く目的地へ達しようというのではなしに、おれの村へ汽車を引っぱってこい、おれの村へ汽車を引っぱってこいというので、有力者が引っぱり回していって、そして蛇行した線路を作っていくのがたくさんあります。今後はそういうことはないと思いますけれども、しかし大なり小なり政治路線のくさみというものは抜けないと思います。今、政府が補助を出して新線建設をやる、それは政治路線であって、だからこれがいつの日にいわゆる赤字が解消されて、そうして黒字路線として国鉄の言うところの企業の本質を全うするような状態になってくるかというと、なかなかこれは疑わしい。私は国鉄当局にとっては、あまり新線を作れ、新線を作れと言われることはありがた迷惑じゃないか、こういうふうに考えております。運輸大臣の方ではどういうお考えを持っておられるのでしょう。新線というものは、もちろん区別はありますけれども、やはり大いに必要だというふうに考えておられるのか。そうすると私たちの考え方相当大きな開きができて参ります。新線というものはやむを得ない条件のときに、真に鉄道以外によるべきなにがないという条件においてのみこれが設けられるということになるのが、私たち、将来の交通政策上の一つのポイントじゃないかというふうに考えておるのですが、一つこの際大臣のお考えを承っておきたいと思います。
  59. 木暮武太夫

    ○木暮国務大臣 お答えを申し上げます。  日本の交通網を完全に作りますために、鉄道予定線がきまっておりまして、いわゆる地方の産業を振興するとか、あるいはまた地方の開発のためとか、地方の資源を開発するとかいうことのために、一方におきましては交通系絡を作り上げまして、鉄道網というものを完璧にするという意味を含めまして、まだ日本には新線建設が必要であるというのが今日常識のように思うのでございます。ただ御指摘のように鉄道ばかりの時代と違いまして、いろいろバス、トラック等の新しい交通機関ができ、また道路の舗装等の技術も進歩して参りますから、鉄道建設を着手するにあたりましては、鉄道によらなければならぬ、鉄道をもってただいまの私が申し上げた目的を達成するのに有利なるものというものを考えて、新線建設ということに着手すべきもののように考えておるわけでございます。鉄道の建設審議会などにおきましても、そういうようなお考えのもとに、二十七名の委員の方々がいろいろ考究研さんを加えまして、そうして予定線の中から鉄道の調査線を選んで、さらに調査線の中から着手する順序をきめることに今日なっておるようなわけでございます。国鉄といたしましては迷惑がっておるのではないかというお話がございましたが、これは国鉄の、いわゆる委員会などにおきましても御議論のありました公共性と、それから一方独立採算制という、この二つを見合いまして、営利社団法人専門でない、国民の福祉を増進して、社会公共のために仕事をするという国鉄の高い公共性から見ますれば、鉄道建設審議会というようなところで公正、適正妥当な新線建設を決定した場合には、この意見を尊重してやるべきが、国有鉄道の特別な使命の上から見て当然のことであると私どもは今日考えておる次第でございます。
  60. 肥田次郎

    肥田委員 御意見を聞いておりますと、そういうことになるだろうと思います。しかし新線建設という概念的な問題はさておいて、おこがましい言い方ですけれども、鉄道建設のこの委員会のこういう構成そのものについても、私らはやはりこれにはもっと何らかの手を加えるべきものがあるんじゃないかという考え方も持っています。これは場所が違いますから、これ以上は申し上げませんけれども、鉄道建設審議会というものが出した結論については、これが正しいものだ——形の上ではなるほど正しいかもわかりませんけれども、しかし私は必ずしもそうではないと思います。要は、もっと鉄道建設審議会というものが経済的な関係と、それから交通政策の将来というものに対するほんとうの権威を網羅をして、そうして立てられる形が適切じゃないか。いわゆる政府の一つの機関としてある鉄道建設審議会というようなものは、どちらかというと政府の方策に同調する使命を負わされておる、こういうことになるのですから、本質的な任務がやはり違います。私の言うのは、間違っておると言うのではなしに、政府の意図を体して機関を作るというのは、政府としてはあたりまえだろうと思います。ところが公正妥当だという立場に立ってみると、こういう機関ははたしてこのままに置いておいていいのか、こういう議論はやはり出て参ります。ですから私たちとしては、やはり鉄道建設審議会の結論というものは正しいものであるからといって、そのまま国鉄に押しつけるというのはこれは考え直す必要があるのではないかという考え方を持っています。  いずれにしましても将来の交通の本筋というものは、やはり基幹として鉄道というものが重要な位置を占めるけれども、しかし今新たに特殊な条件が生まれてこない限り、工場の誘致だとか、ここに大工場地帯を建設して大都市を作る、こういう計画がないのにここからここをつなぐというそういう意味の新線建設については将来バスをもってかえる、こういう方向にいくべきが適当なんではないかという考え方があります。道路は道路で五カ年あるいは十カ年の計画があるようでありますから、道路と鉄道とそれぞれみなまちまちの形で計画を立てるということになって参ると、交通関係は輻湊矛盾する形が生まれてくるだろうという考え方も生じてくるだろうと思います。どうか一つそういう点については、おそらく何らかの形で条件もつけられるだろうと思いますけれども、慎重なる対策を立てて、しかも二審、三審の機関がこの中に取り上げられるような、そういう姿の中においてこれからの新しい新路線の設定については計画の審議に幅を持たす、こういうことが私は必要ではないかと思います。そういう意味で新線建設というものは、とにかく作るということが任務じやなしに、どうにも必要でやむを得ない場合にこれを作っていく、こういう方向にならなければいけないだろうという考え方を持っておりますので、この点については一つ十分なる認識をしていただきたい、このことを申し上げまして、私の質問を終わります。
  61. 關谷勝利

    ○關谷委員 関連して。先ほどの大臣の御答弁を聞いておりまして、私はその通りだろうと思います。肥田君のように恵まれた環境におられると、あのような議論も出て参りましょう。私たちのように四国の循環線一つないようなところは、承服は相ならぬということになりますので、私は先ほどの大臣の御答弁のように、循環線一つないようなところは早急にこの新線建設を終わっていただきますよう、この点重ねてお願いを申し上げます。
  62. 三池信

    三池委員長 久保三郎君。
  63. 久保三郎

    ○久保委員 時間がだいぶ詰まって参りましたから、簡単に大臣にお尋ねをしたいと思います。  まず第一に、先般大臣が旅先で談話を発表されまして、その中で、たしかいわゆる踏切法案、これを今国会へ提出するということを強調されたようでございますが、会期も、御案内の通りもう幾らもございません。しかも三年越しかかっておりますこの踏み切り改善といいますか、これが出て参りますれば、あらゆる角度からやはり審議をしなければならぬと思うのです。でありますから、今の時期にまだ法案が提案されておらないのでありますが、これはどういうお見通しでございましょう。これをまずお尋ねしておきます。
  64. 木暮武太夫

    ○木暮国務大臣 踏み切りの問題は、最近におきまする一般交通保安の上から見ましてきわめて重大な問題でございます。当委員会あるいは決算委員会におきまして国鉄の決算等を御審議になる場合にも、強く委員の方々から御指摘を受けた問題でありますので、運輸省といたしましては、道路の方面を担当いたしまする建設省と緊密な連絡をとりまして、今国会においてぜひとも成案を得て、一日も早く出したいという考えで進んでおるわけでございまして、今建設省とは話し合いがほぼ、といいますよりも建設省との話し合いは完全につきまして、ただこれが建設に当たりまする国の補助というような問題につきまして大蔵省と折衝をいたしておる段階でございますので、今御指摘がございましたように今国会も会期余すところ少ないときでもございまして、皆様方に御迷惑とは存じまするが、今国会中にぜひ私の考えとしては踏切法案と申しますか、いわゆる鉄道と道路の交錯する方面を改善いたしまする法案を出したいというので、せっかく今努力をいたしておるのが実情でございます。
  65. 久保三郎

    ○久保委員 ちっとも具体的でないので大へん申しわけありませんが、われわれの審議する立場として大よそ今週とか来週とか、会期も詰まって参りましたから、その辺の見当はどうなのでしょう。
  66. 木暮武太夫

    ○木暮国務大臣 御指摘を受けましたようにまことにばく然といいますか、空漠として、時を指定することができませんことを申しわけないことと思うのでございますが、御承知の通りいろいろ省の間の折衝などに手間取っておるのが今日の実情でございますので、御注意を受けましたように一日も早くこの法案を出すことに努力いたしたいと思っております。
  67. 久保三郎

    ○久保委員 大へん見通しがなくて大臣答弁できないだろうと思うのでありますが、いろいろな法案が本委員会にもかかりましたけれども、国民大衆に一番問題になるのは踏み切りの事故の問題でございます。これは今さら言うまでもないのでありまして、これは大臣、ほんとうにその気ならおそくも来週には出てこぬとせっかくな法案が流れてしまってまた一年間空白ということになりまして、政府の熱意のほどを疑われますので、これは私から要望しておきますが、少なくとも来週初めくらいにはお出しになるように要望しておきます。  次にもう一点お伺いしたいのは、私鉄の運賃の値上げの問題でございます。現在、大臣並びに政府はどういうお考えでおられるのでありましょうか。
  68. 木暮武太夫

    ○木暮国務大臣 幾度か本委員会委員各位の御質問のありましたときにもお答え申し上げましたことを今日でも変えておりません。国鉄運賃改定に便乗して一斉に私鉄の運賃を値上げをするというようなことに対しましては、私どもはとうてい考えられないわけでございます。ただ個々の地方の鉄道とかあるいはバスというようなもので、とうてい給与のベース・アップもできないとか、内容が経理上から見て非常に行き詰まっているとかいうものにつきましては、個々別々によく研究をいたしていきたい。しかしながら過去におきまする閣議の了解といたしまして、今日の物価の趨勢にかんがみまして、当分の間は公共料金の引き上げを抑制することに相なっておりますので、これを尊重いたしまして当分の間さしあたって私鉄とかバスの運賃引き上げは、いやしくも利用者の利便を無視して断行すべきものでない、こういうふうに今日でも考えておるわけでございます。あるいは二、三の私鉄などで運輸省の方に運賃値上げを申請したのがあるかとも存じますが、私どもはまだよく聞いておりませんけれども、しかし申請がございますれば運輸省で働いている公務員としては、今日の建前としてこれを拒否するわけにいきませんから、これを受けて検討をいたすことは当然でございますが、この値上げも決定いたしますのにただいま申し上げました通り閣議の決定によります当分の間公共料金を引き上げない、抑制するという建前がございますので、行政指導におきましてそういうものに対しましても、しばらく国策に協力していただく意味において遠慮してもらいたいと今日は考えている次第でございます。
  69. 久保三郎

    ○久保委員 時間もありませんので、いずれまた機会を見てお話を伺いたいと思うのでありますが、当分の間というのは巷間伝えられるところによりますれば、国会が開会中はというお話も聞いておりますが、これは聞くだけやぼでありましょうが、当分の間というのは物価値上げが落ちつくまでということでございましょうか。
  70. 木暮武太夫

    ○木暮国務大臣 いろいろの委員会で、当分の間という言葉の意味を御質問を受けましたわけで、そのときにも私どもの乏しい知識で御答弁を申し上げておるわけでございますが、当分の間というのは、お互いの間でも、しばらくとか、当分の間とか、さしあたりとかいうような言葉を使ってそれが通用しておるのでございます。これは日本ばかりでなく、どこの国でも当分の間という言葉はございますわけで、当分の間というのを暦日をもっていつからだというようなことはどうも御説明しにくいのでございますが、物価値上がりのムードというものが社会通念上おさまった、大体物価値上がりムードというものが一ころのようではなくなったというようなときになりましたら、これはいわゆる当分の時期を過ぎたものと考えていいと思うのでございます。国会の会期とからんでというお話がございましたが、そういうような具体的なことは少しも考えておりませんでございます。
  71. 久保三郎

    ○久保委員 当分の間の御解釈はいろいろお聞きしました。いずれにしても、当分の間は、国会の会期中は考えておらぬというから、そのあとのようでありますが、これはまたあとでお聞きいたしましょう。  次に国鉄当局にお尋ねしたいのは、先般、今年度時刻改正、いわゆる列車増発について御発表がございましたが、これによりますれば、大体十一万キロを増設する、その重点は優等列車である、こういうふうなことであります。われわれも資料をいただきまして、なるほど優等列車についてはわかりましたが、全体的なダイヤ改正の方針はどういうことなんだろうか。優等列車に限らず、今日汽車は込んでいるということでありまして、特に通勤地帯におけるところの列車混雑は昨年暮れからことしにかけて非常な殺人的混雑だといわれておりますが、そういう点についてはあまりお触れになっておらないようであります。具体的にお尋ねしますが、優等列車のキロはどの程度なのか、あるいは普通列車のキロ数はどのくらいか、電車キロは幾ら、普通の貨物列車のキロは何ぼ、特急貨物は幾ら、こういうような数字をお持ちでありましたら御発表いただきたいと思います。
  72. 石原米彦

    ○石原説明員 お答え申し上げます。  まずダイヤ改正と通勤輸送の緩和の問題でございますが、まず通勤輸送で一番問題になりましたのは、東京付近の電車輸送、特に中央線がひどかったのでございますが、この間の発表は十月一日を予想しております時刻改正の発表でございましたので、優等列車重点を置くということにいたしました。それから通勤電車の改正は大体十一月の半ばにいたしておりまして、一番込みますのは十二月の末から一月であります。それはすぐ追っかけてそれの方の車両製造その他に全力を注ぐことにいたしております。従いまして、この間のは十月を予想しております時刻改正のことで、通勤輸送の方をほっておくわけではございませんで、本年度中にはこれにも十分重点を置いて解決することにいたしております。  それから列車キロにつきましては、なお細部につきましてこれから識者の意見なども聞いて作業していきますので、確定はいたしておりません。大づかみな予想で申し上げますと、旅行列車で現在の設定キロの九%くらい増加する、それから貨物列車で七%程度増加するというようにいたしたいと考えております。  そのうちで優等列車を申しますと、優等列車は四〇%程度現在の列車を増加するつもりでおります。優等列車と申しますと、準急行、急行、特急でございまして、現在全旅客列車キロの一八%くらいを占めております。それを今度の改正によりまして全旅客列車キロの二四%ぐらいまで上げてくるということになります。
  73. 久保三郎

    ○久保委員 この優等列車と普通旅客列車のダイヤというか列車キロの比重をここでにわかに、これが妥当の線であるということには参らぬと思うのでありますが、今度のダイヤ改正は今御発表の通り、比重からいけば優等列車重点というふうにこれは相なるわけであります。もちろん優等あるいは普通を問わず、輸送力増強は国民大衆から要望されているところでありますから、今回の運賃値上げ重点もそこにあったのだろうと思いますけれども、とにもかくにも日常汽車に乗らなければならぬという点からいくならば、やはり普通列車にも優等列車と同じ比重をかけなければいかぬとわれわれは考えておる。もちろん車両増備の関係もあるでしょうが、しかし御発表になったことでは、単なるPRには大へんいいのです。いわゆる声の出る方、われわれ国会議員を初め、大体優等列車に乗ります声の出る方のPRはこれでいいです。一八%から二四%に増すということはけっこうです。そうすれば先ほどのようなお話はある程度解消します。二週間以前に行っても買えなかったという苦情は出なくなる。しかし声なき声は実際これでは救えないと私は思うのです。この点の配慮はすべきだと思うのでありますが、今のお話の通りならばどうもわれわれは納得しがたい。さらに新設車両は全部優等列車に投入するでありましょう。そういたしますと、車両一つをとりましてもこれは大へんな格差がついておるわけですね。こういう点についてこそやはり国民大衆の国鉄だということに考えを及ぼさぬと、なるほど声が出る方にはそれはあと押しがあるかもしれないが、国民大衆からは置き去りを食うのではないかという心配が私はします。さらに優等列車を増発するには、この発表に基づいてももう線路容量は一ぱいだ、あとは線増その他の方向にいかなければいわゆるダイヤは入らぬ、こういうことを言っています。そうだとすれば、これを逆にすればこれで一ぱいなんだからもうあとは聞かない。特にここで指摘したいのは、いわゆる優等列車を増発すればするほど普通列車はいわゆるスピード・ダウンする。これは私が言うまでもなく御存じの通りであります。たとえば今まで一時間かかったところが、優等列車がそこに一本しかなかったのを倍の二本にすると、十五分なりそこらはおくれてくる。電車区間は別としまして、そういうことがありましてますますサービスが低下してくるのが普通列車の傾向ではなかろうかと思う。そういう人は特急なりあるいは急行なり準急の料金を払ってどうぞ優等列車に乗って下さいということであるかもしれないが、しかしそれではあなたの言うところの運賃値上げの目的にも合致しないのではなかろうかと私は思う。こういう点についてダイヤ設定は間違っているのではないかと思うのですが、中村さん、どうです。
  74. 中村卓

    中村説明員 あるいはいろいろと御意見があるかもしれませんけれども、われわれの方の今までの経過から見ましても、準急以上の列車というのは非常に利用度が高いわけであります。やはり国民経済の伸長あるいは国民生活の向上というようなものも反映しているかもしれませんけれども、いわゆる中都市間を結ぶ準急というものは、作れば作るほど、どんどんお客さんがふえてくるということもありまして、こういう点からは、やはり国民の相当広い層で御利用願っておるのじゃないかと考えるわけであります。一方、通勤その他につきましては、先ほど運転局長が申し上げましたように、一番問題になります東京付近におきましては、冬場で問題になりますので、それに対しまして相当車両をつぎ込んでやっていこう。それ以外のところにつきましても、決してないがしろにしているわけではございませんが、ただ重点の置き方を、優等列車の方に少しよけい置いているということでございまして、決して一般国民大衆に、これがために逆に御迷惑をかけるというような結果が出るとは考えておりません。
  75. 久保三郎

    ○久保委員 優等列車の大半は座席指定ということでありまして、定員以上は乗らぬものが多いのです。座席指定なり寝台ですから……。準急以上にはそういうものが多い。こうなりますと、あなたが込むと言う限度も、これは普通列車との対比においてはだいぶ話が違う。さらにもう一つ申し上げたいのは、今、政府の言う所得倍増論では、地域の所得格差をなくそうというのが一つの大きな柱になっています。そうだとするならば、準急や特急、急行の停車駅と、停車しない駅との格差はどうするのか。いわゆる大都会地と大都会地の結び工合はいいだろう。しかし、置き去りにされようという区間の問題が解消できないのじゃないかと私は思うのです。私は別に優等列車を否定いたしません。スピード時代だから、スピードを落すということでなくて、スピードがうんと上がるということはいいです。さらに座席が確保できる、これも理想です。だけれども、その陰に隠れてますますそういうおくれた層が、いわゆる輸送機関に恵まれない層が出てくるということは、国鉄のやることではないだろうと私は思うのです。私の言いたいのは、それだけです。さらに、貨物の増発もけっこうです。ところが貨物の方は七%の増キロだそうでありますが、おそらくこれも今まだ国会開会中であるから伏せておると思うのでありますけれども、貨物の集約によってこれを補おうということでありましょう。そういうことをやれば、これも地域格差ができるということであります。だからそれらの基本方針はどうなんですか。あなたのおっしゃる通り、優等列車は非常に込んでいるからこれを救済するのが先だ、さらに運転局長がおっしゃるように、電車の方は十一月にやる、この二つさえやれば大体いいんだと言っては語弊があるが、それが大きなねらいであるというふうにとっていいのですか。
  76. 中村卓

    中村説明員 大体大きなねらいといたしましては、そういうことだと思います。ただ先ほど運転局長が申し上げましたように、本社で設定いたします大きな数字は一応きまりましたが、あと支社計画以下のこまかい補足的な、そういう列車網の設定につきましては、ただいま研究中でございまして、詳しいことはまだはっきりわかっておりませんので、ここで申し上げることができないのは残念でありますけれども、そういう点におきまして、いろいろと地方的な実情に即したダイヤができることを私たちとしても期待しておるわけでございます。  なお地域格差の問題につきましては、私ども若干先生と意見を異にしておるわけでございます。たとえば今度特急をふやすということになれば、裏日本とか東北地方とか、全体としての格差というものは解消する方向で進んでいくのじゃないか。一つ一つ小さな町とか村をとってみれば、そういうところにとまらなくなるということはあるかもしれませんが、全体の地域としては格差がなくなっていく方向に進んでおるのじゃないかというふうに解釈しているわけでございます。
  77. 久保三郎

    ○久保委員 だから、あなたがおっしゃる地域格差の解消法も、一つの方法です。しかし、それは完全でないということです。完全でないというより、さらに地域格差をこしらえる方向にいくわけです。準急にすれば、大体五十キロ単位ぐらいにとまっていく。それでは五十キロ以内はどうするのか。今までの普通列車を準急に格上げすれば、五十キロ以内の者は乗れないということであります。しかも先ほど申し上げるように、準急列車なり優等列車がたくさんできれば、その間のお客は、全部時代に逆行するということがございますので、こういうことを考えてダイヤは作るべきだ。ダイヤ技術としてはよくわかりませんけれども、たとえば準急列車に接続させる中間の普通列車とか、そういうものの組み合わせをどういうふうに考えるのかという問題が一つあると思います。時間がありませんからそれはあとにしますが、少なくともあなたがおっしゃる方針には、私は賛成しかねるということであります。これははっきり申し上げます。  それからもう一つ伺いたいのは、このダイヤ改正で大体十一万キロふえるということは、いまだかつてない増キロなんです。これに対する要員はどうなんですか。車両について資料をいただいておりますが、しからばこれを運転する要員は、どういう形でやっていくのか。現有勢力でまかない切れるとは思われない。この要員対策はどうなのか。
  78. 中村卓

    中村説明員 大体本社では、ただいま申し上げましたような優等列車を中心とした全国的なダイヤ改正による要員が、三千人くらいと一応計算しております。これにつきましては、昨年来あるいはまた本年に入りましても、いろいろと合理化をやって捻出するということで進んでおるわけでございます。なおこれ以外に、先ほど申し上げましたように、支社計画以下のダイヤの増設があると思いますが、これにつきましては、支社以下でいろいろと要員を捻出する考えでやっておるのでありまして、全体としては、従来の要員規模をふやさずやっていく。予算でそれが認められましたのは、東海道新幹線関係に若干認められただけでありまして、われわれとしては、そういう方針でやっていきたいと考えております。
  79. 久保三郎

    ○久保委員 時間がありませんから簡単にしますが、合理化によって三千人ひねり出すということでありますけれども合理化の大筋は、どういうふうにおやりになりますか。こまかい点は別として……。
  80. 中村卓

    中村説明員 これにはいろいろとやり方があると思いますが、一つには、設備投資をして設備近代化というようなことをやります。たとえば電車運転にすると動力車の乗務員が一人で済むというような点、あるいは自動信号、そういう設備投資による合理化要員を捻出するということが一つと、もう一つは、いわゆる施策によりまして、業務をある程度部外に委託いたしまして、要員を圧縮していくと申しますか、大体そういうような方向で考えております。
  81. 久保三郎

    ○久保委員 本会議だそうで、時間がないからいずれまたお尋ねしますが、今の合理化の大ざっぱなお話で大体推測するのでありますけれども、最近国鉄では、自分のやっている仕事を委託制とか、あるいは下請に出すとかいうようなことで、いろいろやっておるようであります。実際言うと、これは必ずしも全体的にプラスになるとはわれわれは考えておらない。しかも、急場に間に合うかどうかわかりませんが、三千人を運転の方に転換するということは、私は非常な問題だと思います。これはあとでよくお尋ねしますけれども、相手方ともよく話を詰めていかないと、さて列車キロはできたが列車は走らぬということも考えられます。さらに民間委託というか、これも大へん問題があります。これも、形の上では人間はふえないが、国鉄経理全体から見れば、必ずしもプラスになっていない面があろうかと私は思います。そういう点、あなたは最高幹部として考えるべきじゃなかろうかと私は思います。さらに支社以下の列車増キロの方は、要員はふやさぬでやりくりでやってもらうのだということでありますが、これしも問題は非常に多いかと思います。でありますから、私が先ほど申し上げたように、この列車増キロに対しては——それは増キロ全体に対しては私も賛成です。賛成ですが、中身については幾多の問題があると思います。それは時間がありませんからこの程度にしますが、合理化の方針を資料によってお示しいただきたい、こういうように思います。今のお話では少し足りないように思います。  それからもう一つ合理化の問題にからみますが、これは非公式に先般中村常務のところでお伺いした問題でありますけれども、いわゆる室蘭桟橋の問題はその後どういうふうになっておりますか、一つ簡潔にお話を願いたいと思います。
  82. 中村卓

    中村説明員 その後いろいろ二十回ばかり組合と団体交渉を持とうとしたのでありますが、必ずしも十分な交渉はできなかったわけでございまして、結局四月の下旬に至りまして、一応交渉を打ち切りまして、船は係船命令を出すということをやりました。なお、委託経営につきましては、三月三十一日で打ち切っております。これに対しまして組合の方では二十五日——翌日に一応調停委員会にあっせんの申請をしまして、五月二日に第一回の事情聴取が行なわれました。われわれの方といたしましても何とか穏便にこの問題を解決したいと考えております。
  83. 久保三郎

    ○久保委員 何とか穏便にという言葉じりをつかまえるわけではありませんが、今までの経緯から見れば、ちっとも穏便でないと思うのです。これはあなたの方でも言い分はあると思うのであります。たとえば、当時協定というか、覚書が取りかわされましたが、それには民間委託業務という形があるが、これじゃない。今度は係船命令だからお前らに関係ないのだというようなこと自体にもあるし、それからもう一つ、処分の問題もございます。なるほど処分の問題も、お立場上からいえば相当な理由もあったことでありましょう。しかしながら、問題の本質を解決せずして、それを先行させることに、私はどうも非民主的なことがありはしないかと思うのです。  さらにもう一つは、この係船命令というのは、事業をやめたということになりますか。係船命令を出して第八鉄栄丸を係船させたということは、その事業をやめさせたということになるのでしょうか。いかがでしょうか。
  84. 中村卓

    中村説明員 一応、少なくとも休止をしたということになると思います。
  85. 久保三郎

    ○久保委員 そうしますと、これは休止という文句をどういうふうにとっていいかわかりませんが、これは開始する場合もあるということでしょうか、いかがでしょうか。
  86. 中村卓

    中村説明員 何と申しますか、手続的には再開することが不可能ではないと考えております。
  87. 久保三郎

    ○久保委員 そうすると、労働法でいうところの事業所の閉鎖ということには、ロック・アウトということには、今のところあなたの方の解釈ではならないわけですね。
  88. 中村卓

    中村説明員 さようでございます。
  89. 久保三郎

    ○久保委員 いずれにしても、労働関係委員会にかかっている問題でもありましょうから、私は多くを申し上げません。少なくとも今までのやり方を見ていますと、どうも詭弁というか、ペてんにかけた問題も一つありはしないか。それから、あまりにも高姿勢でやることが最近のはやりであって、何でもよいから押しつぶしていこうというような気がまえがあったではなかろうか。むしろ本社というか、トップ・レベルにおいてはそういう考えがなくても、下がその上の意思をそんたくして先行したやにも聞いております。そういう下級幹部といっては語弊がありますが、出先第一線の幹部のそういうものの扱いに対する考え方を、この際はよほど慎重にやるようにあなたの方から指示するなり御指導をいただくことが適切ではないかと思います。  先ほど要求をいたしました資料の中には出てくると思うのでありますが、工場その他の問題も、地方産業の観点からいろいろな問題が起きております。こういうものも、今までのやり方では完全にいかない。これはいずれ資料をもらってから申し上げます。  さらに資料の追加は運転局長から先ほどパーセンテージだけの御説明がございました。詳細な線別の列車キロの数、こういうものと、要員についても、三千人というのはどの運転部門であるかわかりません。大へんこまかい要求でありますが、資料を御提出いただきたいと思います。  以上で終わります。
  90. 三池信

    三池委員長 ほかに御質疑はございませんか。——ほかにないようでございますので、本案に対する質疑はこれにて終了いたしたいと存じます。  次会は来たる十六日午前十時より理事会、午前十時三十分より委員会を開会することとし、本日はこれにて散会いたします。    午後零時五十五分散会