○中道
政府委員 昭和三十五年十一月二十五日に地盤沈下
対策審議会の会長から経済企画庁の長官あてに「地盤沈下
対策の基本的方策について」という答申が出ておるわけでございます。一応これのおもな点だけ読んでみます。
昭和三十四年八月二十四日付諮問によりまして、地盤沈下
対策の基本的方策につきましては、それに対して検討を加えた結果、次のような答申をする。(1)といたしまして、「天然ガス溶解水の汲上げに基因する地盤沈下の防止及び復旧
対策について」ということで、これは新潟地区でございますが、最初に、「当地区の地盤沈下の防止に関しては、過去三次にわたって天然ガス規制が行なわれた結果、
相当の成果を収めることができたが、いまだに観測井の抜上り」これは収縮でございますが、「抜上りが認められるので、今後地盤沈下の推移を勘案のうえ、必要あれば全層にわたりさらに天然ガス溶解水の汲上げ規制を強化すべきである。」その次といたしまして、「地盤沈下の防止
対策の一環として、大量の水の地下圧入を行なうことを検討すべきである。」その次といたしまして、「市街地における地盤沈下の恒久
対策としての復旧事業の設計条件としては、」水準点の「最終沈下量をとりあえず一二〇㎝とし、その他の地点の最終沈下量はそれぞれの最近の沈下速度と」水準点の「それとの比率により算定して、復旧事業
計画を策定することとする。」その次に、この「最終沈下量とは設計条件であって、これまで沈下することが許される
意味ではない。」さきに申しましたような「手段を尽して沈下を最小限度に食い止めるべきことはもちろんである。」「復旧事業の遂行のため必要な
財政上の
措置については、格段の考慮を払うべきである。」また「工業用水及び冷房用水の汲上げに基因する地盤沈下の防止
対策について」――これは他の地区でございますので、省略いたしますが、新潟地区につきましては、以上のような答申が出ておるわけでございます。