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政府委員(
福田繁君) ただいま文部
大臣から御
説明申し上げました
公立の
中学校の
校舎の
新築等に要する
経費についての国の
負担に関する
臨時措置法案について、補足
説明いたします。
この
法律案は、本則及び附則二項からなっております。本則の前段においては、この
法律案によって国が
負担を行なう対象及び
負担に関し必要な事項について規定しております。すなわち、まず、国の
負担の対象となるのは、
昭和三十六
年度または
昭和三十七
年度における
公立の
中学校の不正常授業を避けるため、
昭和三十五
年度及び
昭和三十六
年度において
校舎の新築または増築を行なう場合における必要な
経費であることを明らかにしております。
現行法においては、現に不正常授業が生じている
学校について、
年度ごとにこれを解消するために行なう建築に要する
経費のみを国庫
負担の対象としております。しかしながら、
昭和三十六
年度以降の
生徒急増に際しては、現に不正常授業が生じている
学校で、翌
年度以降それがさらにはなはだしくなると推定されるものについては、現に不足する教室に加えて将来不足する教室を事前に
整備する場合にも、その建築に要する
経費を国庫
負担の対象とすることが必要であると
考えられます。また、現に不正常授業が生じていない
学校であっても、翌
年度以降不正常授業が生ずると推定されるものについては、その発生を事前に防止するために
校舎の建築を行なう場合に、これに要する
経費を国庫
負担の対象とする道を開くことが必要であると
考えられるのであります。それゆえ現に不足している教室の
整備につきましては現行法の規定により、建築を行なう
年度の不足教室の
整備として実施するのでありますが、これを除いた翌
年度以降に予測される不足教室の
整備に要する
経費は、すべてこの法律により国庫
負担の対象としようとするものであります。
次に、国が
負担する場合の
負担の要領は、現行法第三条第一項第二号に掲げる
公立の
中学校における不正常授業を解消するための
校舎の新築または増築に要する
経費に対する国の
負担の場合の例によることとし、
負担割合を二分の一とするほか、
経費の種目、工事費の算定に用いる
生徒一人当たりの
基準坪数、一坪当たり建築の単価等国の
負担に必要な事項は、現行法の規定と同じ扱いをすることといたしているのでありますが、例外として、工事費の算定
方法に関する部分については本則の後段に新たな規定をいたしております。すなわち、現行法第五条第一項においては、工事費の算定の基礎となる坪数は、当該建築を行なう
年度の五月一日における当該
学校の
生徒の数を用いて算定することとなっておりますが、この法律においては、
昭和三十七年五月一日において当該
学校に収容される予定の
生徒の数を用いて算出した坪数とすることができることを明らかにしております。この規定によって、一般に
生徒の数が頂点に達する三十七
年度における教室の不足をあらかじめ解消することを目途として、建築を実施することを可能ならしめようとするものであります。
なお、工事費の算定の基礎となる坪数の算出
方法として、
生徒一人当たりの
基準坪数に
生徒の数を乗じて得た坪数から保有坪数を差し引くことは現行法と同様であり、また右の保有坪数としては、原則として、当該建築を行なう
年度の五月一日の保有坪数を用いることも現行法と同様であります。ただ、この法律において、統合
中学校の不正常授業を避けるための
校舎の新・増築に要する
経費も、一般の
中学校の場合と同様、国庫
負担の対象とすることとしておりますので、現行法第五条第二項の統合
学校の
校舎の新・増築にかかる工事費の算定
方法における保有坪数の押え方の例にならい、
学校統合が建築を行なう
年度の五月三日以降九月三十日までの間に行なわれた場合においては、当該
学校の統合が行なわれた日の属する月の翌月の一日の保有坪数を用いることといたしております。
附則第一項は、この法律の施行期日を定めたものであります。公布の日から施行し、
昭和三十五
年度分の国庫
負担金から適用することといたしておりますので、本
年度補正
予算から適用されることになります。
附則第二項は、この法律の有効期限を定めたものであります。
昭和三十七年三月三十一日すなわち
昭和三十六
年度末をもってその効力を失うこととしております。
ただし、国庫
負担金の交付決定が同日までに終了していても、
補助金等にかかる
予算の執行の適正化に関する法律に基づく
補助金等の額の確定その他の事務が同日後となる場合もありますので、同日までに交付決定のあった国庫
負担金については、なお、その効力を有する旨を規定いたしているのであります。
以上この
法律案の概要について御
説明申し上げました。