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1960-12-22 第37回国会 参議院 内閣委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年十二月二十二日(木曜 日)    午前十一時十一分開会   ―――――――――――――   委員異動 十二月二十一日委員後藤義隆辞任に つき、その補欠として木暮武太夫君を 議長において指名した。 本日委員木暮武太夫辞任につき、そ の補欠として青田源太郎君を議長にお いて指名した。   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     吉江 勝保君    理事            石原幹市郎君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            横川 正市君    委員            青田源太郎君            大泉 寛三君            大谷藤之助君            木村篤太郎君            小柳 牧衞君            下村  定君            中野 文門君            一松 定吉君            鶴園 哲夫君            矢嶋 三義君            山本伊三郎君            片岡 文重君   衆議院議員            小笠 公韶君            石橋 政嗣君   国務大臣    国 務 大 臣 小澤佐重喜君   政府委員    内閣官房長官  大平 正芳君    総理府総務長官 藤枝 泉介君    総理府総務副長    官       佐藤 朝生君    行政管理政務次    官       西田 信一君    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君    文部省初等中等    教育局長    内藤誉三郎君    文部省大学学術    局長      小林 行雄君    自治省財政局長 奥野 誠亮君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   説明員    宮内庁次長   瓜生 順良君    調達庁総務部長 大石 孝章君    農林省振興局参    事官      橘  武夫君    林野庁林政部長 高尾 文知君    運輸省航空局長 今井 栄文君    建設大臣官房地    方厚生課長   渡辺 成忠君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○継続調査要求の件 ○総理府設置法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○行政機関職員定員法等の一部を改正  する法律案内閣提出衆議院送  付) ○滋賀県の寒冷地手当に関する請願  (第一号) ○公務員寒冷地手当等に関する請願  (第一四号) ○山形県西置賜郡の寒冷地手当に関す  る請願(第三九号) ○広島県呉市東小坪米軍弾薬荷揚場  設置反対請願(第五三号) ○国家公務員寒冷地手当に関する請  願(第六七日号) ○国家公務員給与改定に関する請願  (第六八号) ○軍人恩給加算制復元に関する請願  (第八一号) ○傷病者増加恩給等是正に関する請  願(第八七号)(第一四二号) ○元日赤救護班員従軍期間公的年  金の基礎年限に通算するの請願(第  一一七号) ○厚生省に老人局設置請願(第一一  八号) ○公務員寒冷地手当等に関する請願  (第一二五号) ○福島県船引町旧移村地区の寒冷地手  当に関する請願(第一三四号) ○福島県小野町の寒冷地手当に関する  請願(第一四八号)(第一七一号) ○兵庫県出石町の寒冷地手当に関する  請願(第一四九号)(第一五三号)  (第一七〇号)(第一九四号)(第  二四五号) ○兵庫県但東町の寒冷地手当に関する  請願(第一五〇号)(第一五四号)  (第一九五号)(第二四六号) ○兵庫県浜坂町の寒冷地手当に関する  請願(第一五一方) ○愛知県小牧飛行場騒音防止に関す  る請願(第一五二号) ○軍人恩給引上げ等に関する請願(第  一六一号)   ―――――――――――――
  2. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) これより内閣委員会を開会いたします。  最初に、委員異動について御報告いたします。  昨日、後藤義隆君が辞任され、木暮武太夫君が選任され、本日、木暮武太夫君が辞任され、青田源太郎君が選任されました。   ―――――――――――――
  3. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。国家行政組織及び国家公務員制度等に関する調査並びに国の防衛に関する調査につきましては、会則中に調査を完了することは困難でありますので、継続調査要求書議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、要求書の作成及び手続等は、委員長に御一任敷いたいと存じますが御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。   ―――――――――――――
  6. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、一昨日、衆議院において原案通り可決され、本委員会に付託されました総理府設置法の一部を改正する法律案議題といたします。まず、政府から提案理由説明を聴取いたします。
  7. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) ただいま議題になりました総理府設置法の一部を改正する法律案について、その提案理由を御説明いたします。  この法律案は、総理府に、その附属機関として、新たに、内閣総理大臣諮問に応じて、公営競技に関する現行制度検討を加え、関係者問題を調査審議するため、公営競技調査会を置こうとするものであります。  現在行なわれている公営競技には、競馬法に基づく競馬を初め、それぞれの法律に基づく競輪、小型自動車競走及びモーダーボート競走がありますが、これらの公営競技は、当初より畜産の振興地方財政健全化機械工業合理化機械輸出振興等に寄与するため行なわれているものであり、また一方、国民大衆的娯楽としましても、現在まで大きな役割を果たして参りましたことは、御承知通りであります。しかし、これらの公営競技円民射幸心を刺激し、数々の社会悪の環境となるなどの弊害を生じてきていることもまた否定できない現状であり、これに対する世間の批判も多く聞かれております。  現在の公営競技根拠となっているそれぞれの法律は、昭和二十三年から二十六年に制定施行されたものでありまして、すでにいずれも十年前後の年月を経過しており、その目的の一半が達成されましたこと及び近時の世論にもかんがみますれば、今や現行公営競技制度及びその運営の全般について根本的検討を必要とする時期にあるものと考えられるのであります。政府におきましては、この実態に即応し、本調査会を設けて、利害関係のない公正な第三者の意見を求め、今後の施策に指針を得たいと考える次第であります。  なお、昭和三十四年四月に総理府附属機関として設置されました皇居造営審議会は、内閣総理大臣諮問に応じて、皇居造営に関する重要事項調査審議して参りましたが、総理府設置法附則第四項の規定により、昭和三十五年三月三十一日をもってその存続期間が終了し、また、その調査審議も終了するに至りましたので、ここにあわせて、これに関する規定を削除することといたしました。  以上がこの法律案を提出する理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことを切望する次第であります。
  8. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 以上で提案理由説明は終了いたしました。質疑は後刻行ないます。     ―――――――――――――
  9. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、去る十七日、衆議院において修正議決され、同日、本委員会に付託されました行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、衆議院における修正個所説明を聴取いたします。
  10. 小笠公韶

    衆議院議員小笠公韶君) 修正案はお手元に配付されてありますので、朗読を省略させていただきます。  御承知のように、現在行政機関職員定員法ワク外にある常勤労務者及び常勤的非常勤職員等のうち、その職務の性質及び勤務実態において、定員法上の職員とほとんど異ならないものが多数にのぼっております。これらの定員外職員定員化問題は、去る第二十二国会以来の懸案事項でありますので、昨年に引き続き、今回も可能な範囲で、約五千名の定員化をはかろうとするものであります。  以上が修正案提出理由であります。何とぞ慎重御審議の上、御賛成をお願い申し上げます。
  11. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 以上で説明は終了いたしました。これより質疑を行ないます。政府側出席の方は、藤枝総理府総務長官佐藤総理府総務副長官、山口行政管理局長大石調達庁総務部長高尾林野庁林政部長栃内航空局監理部長でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言願います。
  12. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 まず、質問に入る前提といたしまして、もう一回行政管理庁に確認をしていただきたいのですが、現在定員外職員という人数を、一つもう一ぺんここでお知らせ願いたいと思います。常勤、非常勤合わせて幾らになるか、この前ちょっと聞いたのでございますが……。
  13. 山口酉

    政府委員山口酉君) 先日当委員会の御請求によりまして資料を提出いたしてございますが、常勤労務者の三十五年七月一日現在でございますが、二万五千七百七十三名、これには地方事務官が含まれております。地方事務官相当のものが含まれております。それから非常勤職員は、総数が、これは時点が少し前になりますが、本年の四月一日現在で三十二万四千十六名、その中に、常勤職員に準じた勤務形態勤務した目が二十二日以上である月が引き続き六ヵ月以上にわたった者が二万三千六百十一、かような数字になっております。
  14. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 これ以外に、目々雇用のような形で、相当多く、三十何万という数字が出ておりましたが、それはどういう形態ですか、それをもう一ぺん説明して下さい。
  15. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま申し上げました非常勤職員の三十二万四千の中に全部入っております。
  16. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それで、今度衆議院で五千名の修正をされましたが、それによって行政管理庁として五千を入れた残りで、現在予算関係といいますか、全然関係がないことはございませんが、予算を動かさずに定員内に組み入れてもいいというような人員の見込み数はどのぐらいになっておりますか。言いかえれば、結局定員内職員と同様な待遇を受けておる定員外職員、こういう意味ですから。
  17. 山口酉

    政府委員山口酉君) 常勤職員給与費目で置かれておりますのが常勤労務者でございまして、これが先ほど申し上げました二万五千七百七十三名、現在の時点では幾らかふえておると思います。これにつきましては、定員職員にいたします場合には、費目の流用は必要でございますが、増額、純増というような必要はあまりないものと考えられます。
  18. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そうすると、今度の場合、前の政府提案の七千二十五名と五千名、一万二千二十五名、これを除いてそれがどれだけ残るのですか。算術計算すればわかるのでございますが、行政管理庁として一つ御答弁願いたいと思います。
  19. 山口酉

    政府委員山口酉君) 七千二十五名の方は、職員給与に組んでございます定員内の職員でございまして、そのほかのものは、今度約五千名が入りますと、約二万名ぐらいになるのでございます。
  20. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 数字は大体それではっきり確認されましたが、そうすると、常勤労務者として二万名若干が残ることになると思うのです。それ以外に三十数万という、こういう定員外職員がおられますが、われわれとしては、五千名をこえないということの根拠を聞きたいのですが、これは衆議院修正ですから、行政管理庁としてはそれに答えられないと思いますが、五千名を入れても、なおかつ、二万人というものが、これはもう論理的にいっても、どうも矛盾があると思うのですが、行政管理庁としてはこれに対してどういう見解を持っておられるか、一つ御答弁願いたいと思います。
  21. 山口酉

    政府委員山口酉君) 常勤労務者につきましては、行政管理庁といたしまして、定員職員としての妥当性があるかどうかという審査は、実は従来していなかったわけでございます。これはもっぱら予算編成上、大蔵省で認めたものでございまして、従って、そのうちで今度約五千名くらいが定員職員になるということになりますと、おそらくその程度の者はもちろん問題がないど思われますが、その余の者につきましては、これは常勤職員であるべきものかどうかということを、 一応理論上は調査すべきものであるということになりますので、ただいま、まだ未調査のうちにそれが全部入れることが妥当であるということを申し上げることは、いささか困難でございます。
  22. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私の聞くところでは、各省からこの定員内繰り入れに対する相当強い要求が出ておると思うのです。行政管理庁で把握しなくても、各省では、少なくともこれだけの人数定員内に入れてもらいたいという資料が私は出ておると思うのです。それがいまだ出ておらないのならば、これは定員外職員をかかえておる各省庁の責任が重大だと思うのですが、今行政管理庁ではそういうものはまだ把握しておらないということでございますが、私はそういうことでないと思うのですが、どうなんです。
  23. 山口酉

    政府委員山口酉君) 各省は、来年度から定員内職員の扱いにしたいという要望を出しております。それにつきましての調査は、予算編成までに一応結論を出すということになると思いますが、現在はそういう各省実態検討をしておる段階でございますので、最終結論が出る前に、予測して申し上げることは必ずしも適当でないと存じます。
  24. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 こちらから前に通告をしておらなかったのでございますが、少なくとも、私は、今後の方針を樹立する上においても、代表的な定員外職員を多くかかえておる省庁責任者出席を、時間があるから、差しつかえがあるかどうかしりませんが、これは委員長にも私は言いますが、建設、農林、そういう関係の人に一つ直ちに来ていただくように私は要請いたします。この点どうですか。
  25. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 今すぐですか。
  26. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 できるだけ早く一つお願いしたいのです。委員部の方で一つ連絡をとって下さい。  私は、ほうぼうでそういう厳重な調査はしておりませんが、これによって各省には事務の渋滞を来たしておるところも相当あると聞いております。従って、私は、行政管理庁当局が、予算編成のときに的確な資料が出ると言うておられますが、これはもう早くから要求が出ておると思うのです。そういう概算の数字もわからないということはないと思うのですが、この点ここでその数字が言われたからといって、それを私は言葉じりをとらえて追及しょうと思わないのです。実際各省がどれほど主張をしておるのかということを私は知りたいのです。いろいろ個人的には各省の人から話は聞いておりますけれども、正式な委員会の中で、一ぺん各省要求がどういう実情であるかということを知りたかったのですが、この点把握されておれは――決して対決するとか、そういう意味じゃなくて、適正な定員規定する上においての必要な資料として何らかあれば、一つ大体各省はどれくらいの要求をしておるのか、こういう点を一つお聞かせ願いたいと思うのです。
  27. 山口酉

    政府委員山口酉君) 各省要求は、数字的に申しますと、ほぼ現在の常勤労務者のほかに――これは二万六千くらいございますけれども、そのほかに、さらに三万ぐらいの数を、合計いたしますと要求いたしております。
  28. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私はそうでないと思っておるのです。私は、実際の今の政府機関行政運用上から見て、今言われたように、合わせまして今度の五千名を増加されたものを一応除外しまして、今、局長の言われるのは二万五千ですか、三万足らずになると思うのですが、そういうもので私はないと思っておるのです、実情は。おそらくもっともっと多くの数字を私は要求をされておると思うのです。また現状はそうなんです。従って、私は二万五千七百七十三名、これを基準に考えたらいいという立場をとっておらないのです。従って、この点を私は明らかにされない限り、この法案の賛否は一応別といたしましても、今後の問題の解決の動向はやっぱりはっきり握ってからでなければいけないと思うのです。これは五千名増員したというのは、私は率直に申しますけれども、この法案を通すための一つ政治折衝の方法であったと思うのです。しかし、われわれが実際政府機関行政運用を見まして、今後の見通しをはっきり立てていきたいというのが私の質問趣旨でございますので、この点を一つ行政管理庁として、きわめて私はまじめな方がおられると思いますので、その点を一つ各省要求をしてきて、行政管理庁としてはこの点はどうかという意見を私ははっきり聞きたかったのです。各省要求というのは、必ずしも妥当であるとは私は思っておらない。また、行政管理庁意見もあるから、そういうものを総合して、はっきりと見通しをつけたいという趣旨でありますので、その点で何か答弁ができたら一つ答弁してもらいたい。
  29. 山口酉

    政府委員山口酉君) 先ほど私が申し上げましたのは、二万六千のほかにと申し上げましたので、全体で三万という意味ではございません。
  30. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それじゃ山本委員要求政府委員出席するまでに、大臣並びに官房長官に伺います。官房長官御多忙でしょうから、先に質問を終わりたいと思います。  官房長官質疑をする前に、大前提として、所管小沢国務大臣に二間伺います。その第一間は、先日の委員会並びに本日の委員会質疑が行なわれた結果、あなたの庁の事務当局では、常勤労務者が二万五千七百七十三人ある。これ以外に三万人を加えた、すなわち約五万六千の公務員定員化行政運用のために必要だ、各省庁が行政管理庁当局要求をしておるというこの事実、この事実に基づいてでありますが、行政管理庁長官としては、あとう限りすみやかにこの約五万六千の定員化というものは、行政府行政運用能率化推進のために必要である、その線に努力をするという御心境にあることと思うわけです。先般も本委員会で、誠意をもって努力される、こういうことでありましたが、その結果としてプラス五千が出て参ったと思う。この数字については、必ずしも満足するものではありませんけれども、一応他院の誠意というものを私は認めるにやぶさかでないわけです。しかし、今後の問題として、先刻来明確になりました約五万六千の定員化の問題ですが、これについて所管大臣としてどういう見解を持たれておるか、お答え願いたい。
  31. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 今回五千にしましたけれども、これはごく少数でありまして、今後できるだけ大いに人数をその数字に加えたいと考えております。
  32. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この点は組合とか、あなた方の部下職員が主張しておるということでなくして、各省庁の長が必要だということを政府部内で主張しておるわけなんですから、これは軽視するわけに参りませんので、念のために申し上げておきます。  それからもう一点は、先般来ここで質疑応答がされ、あなたに、就任早々でありますけれども、御研究をわずらわしておいたわけでありますが、それは定員法廃止の問題が、現在政治課題として出てきておるが、現業部門において、定員法廃止は、その弾力的な運用という点からいって、きわめて至当であろう。しかし、一般職公務員立法府審議権からはずして、そうして行政府に一任する。定員法をはずすということは、これは相当問題があるという意見をこちらは表示して、就任早々でありますけれども、大臣の御検討をわずらわしておいたわけです。就任後も、数日たたれて、両院においてそれぞれ質疑に答えられて参られたわけですが、やや進んだところのお考えが固まりつつあるかと思いますが、現時点における所管大臣としての御見解はいかがでございましょうか、伺っておきたいと思います。
  33. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 定員法の問題については、大体来年の三月を限度に再検討される予定になっておりますが、その結果はまだ出ておりません。ただし、五現業だけは大体一致しております。
  34. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 われわれの意見も、必ずしも暴論だと思いませんので、今後も予算編成段階並びに内閣提出法律案立法作業段階において、十分一つわれわれの意見も組み入れて善処していただきたいことを強く要望しておきます。  そこで、官房長官に伺いますが、ただいまわれわれが審議しておるところの法案は、通常国会に提出されたものと、ほぼ同内容です。その国会において予算案が成立をいたし、そうしてこの今われわれが審議しておる法案に関連あるところの、各省庁に属するところの法律案は、通常国会審議成立しておるわけなんですね、従って、今われわれの審議の対象になっておるこの法律案は、当然私はこの特別国会の前の、あの臨時国会行政府国会に提出すべきも一のであったと思うのです。しかし、その後われわれの意見も一部にいれられて、今国会におそまきながら提出されて参った、このことについては私は了といたします。また、あなたが、組閣にあたって、助言者として給与担当相を早たに設けたとか、あるいは科学技術庁の専任相組閣にあたってあなたが助言してやった、その点は長官努力を私は多とするものでありますけれども、この法案臨時国会に出されないできょうまできたということは、次が問題なんです。二つの面がある。一面から見るならば、この増員は不必要なんじゃないか、こういう見方をする人があるかもしれません。通常国会に出されて、臨時国会があるにもかかわらず、提出しないで特別国会が開かれておる。十月の二十九日の閣議でもこれは問題にならなかった。そうして国会質疑があって、そうしてその後追加されて出た。この経緯を見れば、何も知らない国民から見れば、あの七千二十五人の増員というのは、あってもなくてもいいもんなんだ、こういう感じを私は持つ国民があると思う。また、他の面から見れば、立法府は、この定員法審議する立法事項になっているわけですが、立法府を無視して、そして行政府で適当にやっていく、こういう見方がなされると思う。そのいずれかだと思うのですね。これは私いずれの場合にとっても、まことに遺憾なことだと思う。こういう見地からもあわせ考える場合、先ほどいいました現業職公務員定員法ワクをはずすというのは、弾力的な運用上きわめて適切である。しかし、一般職も含めて、全面的に定員法を廃止するということは、今まで行政府立法府にとってきた態度からいって、非常に私は問題点がある、かように思うのです。従って、私の質問は、前段、後段の内容を持っていますが、お答えいただきたい。
  35. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 御指摘のように、予算が成立いたしまして、これに充当すべき定員関係が遷延して今日に至りましたことは、まことに遺憾至極でございまして、御指摘通りでございます。で、今後の問題といたしましては、今御指摘のような懸念のないように、せっかく行政府内に設けました協議会で今慎重検討いたしておりますので、そういう懸念がないように処置すべく努力する決意でございます。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その点は、あなたの誠意と、その決意に私は信頼をいたして次の質問に移ります。そこで、具体的な問題ですが、総務長官官房長官にお尋ねいたしますが、この法案の中には、広報の強化に伴う増として八人が出ています。これは総務長官所管でございます。そこで、私はお二方に伺いますが、広報に従事している公務員は現在何名いるか、また、内閣官房に所属する内閣調査室、この調査室業務に携わっている公務員は何名おられるか、お答えいただぎます。
  37. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 広報室の方を申し上げます。これは御承知のように、この七月に、従来審議室において広報業務を担当いたしておりました者を分離したわけでございまして、現在十名でございます。なお、今御審議願っている定員法によりまして、八名の増加をお願いしている次第でございます。
  38. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 内閣調査室定員は、ただいま四十三名でございます。
  39. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次の質問をするために、前提条件として次のことを伺います。これは通知してありますから、数字はお答えできるはずですから。総理府広報に要する経費、これは三十四年幾らで、三十五年が幾らで、三十六年幾ら概算要求しているか。それから、内閣官房調査室調査活動に必要なる経費が、三十四年、三十五年は幾らで、三十六年幾ら概算要求をしているか、これは御通報申し上げておりますので、お答えできるわけです。お答え願います。そうして次の質問に移ります。
  40. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 広報室の方を申し上げます。もっとも三十四年度は、先ほど申し上げましたように、審議室の中で広報業務を取り扱っていたわけです。三十四年度が九千九百六十八万円でございまして、それから三十五年度が一億七千九百六十六万円、三十六年度の予算要求は十九億余でございます。
  41. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 内閣官房調査室の三十四年度の予算額は二億二千六百八十六万八千円、三十五年度が三億九百七十三万一千円、三十六年度は五億八千九百二十六万七千円という要求をいたしております。
  42. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 次の質問を発する前に、その数字を確めますが、官房長官予算書を見ますと、三十五年度は情報調査委託費というのが二億六千七百五十一万円で、情報収集調査に必要な経費というのが三億九百万円ありますが、あなたは今三億九百万円といいますが、この中に情報調査委託費の二億六千万円というものが含まれている、こういう御答弁だと了承いたしますが、よろしゅうございますか。
  43. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) その通りです。
  44. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで伺いますが、はたしてこれ何ですか。定員法とも関係があり、将来の定員の廃止との関係もあるわけですが、総理府広報活動は十人で、三十五年度予算約一億八千万円、これを処理しているのですか。  それから、また内閣官房において、昭和三十五年度の予算が約三億一千万円、これを四十三人という公務員でこの運用をやっているのですか。これ以外の方は何人働いているか、責任を持ってお答えできますか。これだけの人間でこれだけの金を執行している。
  45. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 広報室の方を申し上げます。三十五年度予算は一億八千万ほどでございますが、その中で一番大きいのは、ラジオ、テレビ等の放送に要する費用が一億一千万円でございます。これはラジオ週一回三十分、全国ネット、それからテレビが週一回、二十分、十局ネットでございます。これが一億一千万円ほどでございます。それから地方公共団体に連絡その他の関係で助成をいたしておりますのが二千万円余ございます。これがおもなものでございまして、これらはあまり人員を要するわけではございませんけれども、それで今は非常にオーバー・ワークではございますけれども、十名で一生懸命やっているような次第でございます。
  46. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 官房長官の方は。
  47. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 御案内のように、委託費が大半を占めておりまして、ただいま四十三名の定員のほかに、各省兼務が二十四名ございますし、あとタイピストその他十六名という陣容で最善を尽しておる次第でございます。
  48. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今定員法にしぼって質疑しますが、私はあまり深追いをいたしませんけれども、私は定員の問題とともに、非常に国費の使途が不明なのが幾つかある。その中には、やはり調査関係のことがある。これは報償費もそうです。それから警備警察の捜査費、公安調査庁の調査活動旅費、こういうものが何億、あるいは何十億と組まれていて不明確である。特にこのたびは総理府広報室を八人ふやして十入人、それから内閣調査室は四十三人ということですが、広報室の方は一億八千万円の予算が、来年度は十九億円になる。これは建築をするということも聞いておるわけですが、十九億になる。それから特に内閣の調査室の方は、私は従来非常に興味を持っているわけなんですが、三十五年度三億九百万円、来年度は五億八千万円概算要求をしているというのですね。この本年度の三億九百万円のうちの二億六千七百五十一万円という大部分は情報調査委託費じゃないですか。この情報調査委託はどこに委託してやるかという細部の資料を出す自信がありますか、ありませんか。出していただけますか。約二億六千七百五十万円という情報調査委託費を、どこの何がしに幾ら委託しているという、その一覧表を資料として出していただけますですかどうですか、お答えいただきたい。
  49. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 三十四年度に一度お出しいたしたことがございますのでございますが、御要求に応じまして、できるだけの資料は出すつもりでございます。
  50. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは本日は間に合わないから、本日出していただかなくてけっこうですから、一つ出していただきたいと思います。  それで時間がもったいないから、私はこれ以上深追いしませんが、他日適当なる委員会で徹底的にやりますけれども、非常に興味を持ってこれを調査している人がおります。その人の調査に基づきますと、たとえばアジア動態研究所、これに八百三十六万円いって、その長は重川という人ですが、この人は電話もないというのです。連絡もつかないというのです。海外事情調査所というのは三千三百四十三万円、この長は三留という人ですね。ここにも電話連絡も十分つかない、そういう情報が私のところにもたらされている。また、国民出版協会というのには三千二百三十六万円というものが委託されている。この長は横溝という人ですが、この人は、かつてはくの政府関係の方々と非常に縁の深い人です。かように、あなたのところは、必要ならば、どうですか、ちゃんとした公務員を置いて、責任ある調査をしてみたらどうですか。そういう考え方があるのかないのか。四十三人で来年度五億八千万円を使おうというわけなんです。そして、そのうちの八〇%という金額は情報調査委託費になっておる。その委託されるところが確実な機関ならばそれでいいでしょう、民間でも。しかし、それが明確でないところに何千万円、場合によれば一億円近くの委託費がいっている。それは防衛庁の研究委託費も同様です。なかなか明確にしない。こういう点は、これから第二次池田内閣がスタートしていくにあたっては、十分検討してかからなければならぬ問題だ、かように思いますので、この点を提起し伺ったわけです。さらに掘り下げた質疑はいずれやりますが、だからといって、私は情報局みたいな、昔のああいう秘密情報機関みたいなものを作ることが適当だといっているわけじゃないですよ。ああいうものは作るべきじゃない。あるいはあなた方はそういう構想を持っているのじゃないかと思うのですが、お答えいただきます。
  51. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) 委託調査をお願いする対象につきましては、よく吟味いたしまして、疎漏のないようにいたしたいと思います。なお、情報局的な機構を設けるなんという気持はさらさらございません。
  52. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 じゃ、もう一問両大臣に伺って山本委員にかわって、あとでまた質疑をいたします。  そのもう一同というのは、官房長官、今度のこの法案の中に、これは提出担当大臣行政管理庁小沢国務大臣ですが、気象庁に六十人ふやした、こういうことは非常にいいことだと思う。なお足りないくらいだけれども、このふえたということは非常にいいことだと思う。しかし、行政事務の状態を、私は大きいことは言いませんけれども、われわれしろうとが各省を回ってみた場合ですね。はたしてその業務量と定員とが合理的に十分とはいわなくても、十分に近い程度マッチしているかどうかという点については、私しろうとが行って疑問を持つのですがね。非常にお忙しいところと、そうでないというところですね、それから業務がダブっているというような面がちょいちょい――私どもしろうとですが、各劣を回ってそんな感じがします。これに対する見解ですね。  それから、御注意を申し上げたいのですが、私はある省、名前は言いませんが、行った場合に、もう二時近くに行ったことがあるのですが、ある劣では課長さんを中心に、皆さんそろって、一方ではトランプをやっている、一方では碁を打っているという姿を二度見ました。参議院の矢嶋ということを知ってから、ちょっと格好悪いのでつくろいましたけれども、それから最近国会が始まって、私はいろいろ問い合わせたいと思ってある省に電話をかけたところが、次官、担当局長がいない。二、三の局長に電話してみたが、いずれもおいでになっていない。それは大体九時三十五分ごろです。私は、国会にいつも九時五分に登院いたします。次官はといったら、事務次官もおいでになっていない。それでは担当課長というので、課長に五、六カ所電話したけれども、いずれもまだ御出勤になっていない。予算編成作業があって、ずいぶん御多忙のことは十分私は承知いたします。予算編成の最終段階になって、徹夜なんかされていますから、朝の出勤がおそくなるということはごもっともだと思いますけれども、しかし、私はやっぱり考えにやならぬことは、大臣諸公みずから率先して、九時という時間にはやっぱり私はお役所に出勤すべきだと思う。そうして空食時間は一時間なら一時間たっぷりとって、そうしてあとは国民のサービスにこたえなければならない。こういう私は綱紀粛正面も考えなくちゃならぬじゃないか。それとあわして官房長官に伺いたいのですが、鳩山内閣が発足した当時、鳩山さんはなかなかいいことをおっしゃいましたよ。公邸の廃止とか、あるいは業者とぐるになってやるゴルフの禁止とかいうような点をやられた。確かに吉田内閣当時うっせきしておったガスを、あの鳩山さんは抜いて明るくした功績は私は大きいと思います。ところが、最近その何は非常にバツクしつつある傾向が私はあると思うのです。で、先般私はある委員会で取り上げたのですが、年末年始に当たるから、特に私は注意いたしますけれども、年末年始は、地方の団体あるいは自治体等が、予算の編成にからんで非常に気を使う。年内には年内の、年末もごあいさつたというので、わざわざ知事や部課長、県会議長等が、与党の首脳部とかあるいは担当大臣にごあいさつに来る。そうして、年が明けると、年初めのごあいさつというので、また上がって来る。こういう点は、私は人間社会ですから、ある程度やむを得ないけれども、やっぱり時折り締めてかかる必要があると思うのです。そうでないと、あなた方はその一兆八千億近くの一般会計の予算の編成権を持っている。また、その七、八千億の財政投融資計画をやられる計画を持たれておるわけですね。そうなりますと、ある団体とか地方自治体というのは、非常に気を使うわけですよ。これを気を使わないようにさせることは、そういう雰囲気を作ることは私は行政にある者としては、十分心掛けなくちゃならぬと思うのです。私は現在の風習、慣行というものが全部いけないと言うわけじゃないのですよ。しかし、このまま放置しては、私は困る事態が起こってくるのではないか。  で、まあさらにもう一つ申し上げますが、先般衆議院で石板委員から、川張旅費を強制辞退させられた問題が出ましたけれども、まあ地方で年末年始等に高級公務員の方が出張されて来た場合、地方の役人は非常に気を使うのです。寝台券も買って差し上げねばなるまいかと、それから旅館の支払いもして差し上げなくちゃなるまいかと、ずい分気を使うのですね。これはお互い人間ですから、おいでになった場合に夜食を共にする、そんなことは私けっこうだと思うのだけれども、しかし、高級公務員に対して、寝台券の支払いから旅館の支払いまで、どうしようかというので、要らない心配をしなければならぬ、こういう実情というものは、私はやはりもう少し明るくしなくちゃならぬ、かように私は考えるわけです。小さいけちなことをで閲するとあなたお考えになるかもしれませんが、私はそうは考えない。先般来給与改正もあって、定員法もかかっておる。ちょうど年末年始でもあるし、第二次池田内閣のスタートでもありますし、最近の池田さんの言動のなにと、なくなられた鳩山総理大臣のそれと比べたときに、私は一言承って警告を発しておく必要があると考えますので、わざわざおいでを倣って伺ったわけです。
  53. 大平正芳

    政府委員大平正芳君) お役所の勤務状況につきましては、政府におきましても、かねがねその簡素化、能率化の検討を進めましておりましたことは御案内の通りでございます。最近行政審議会ですかから御客申がございまして、それを受けまして、今行政管理庁の方で、その具体化について御検討いただいておるわけでございまして、配置の転換を導入し、事務の繁閑に応じて定員を児催して、サービスに遺憾なきを期するように、同時に、行政管理の面は、国民の側から見まして、四民に対するサービスに遺憾があるかないかという視点からとらえなければならぬと、前行政管理庁長官時代からこれを唱道されまして、鋭意その方向に努力中でございます。  それから、第二の官紀の粛正の問題でございますが、矢嶋委員が御指摘通りでございまして、私どもも感覚におきまして全く同感でございまして、なるほどこの現在行なわれておる慣行の中には、日本特有の一つのあいさつ、儀礼もあると思いますけれども、最近の動向を見ておりますと、まことに目に余るものが散見されますことは事実でございます。これに対しましては、政府でもって上からその自粛を要請する前に、私どもの気持といたしましては、総理大臣以下、内閣に列する者からまず姿を正していく方向に持っていくことの方がさしあたってやるべきことじゃないかという気持で、またそれが正しくならないと各機関にお願いするにいたしましても、誠意が欠けるのじゃないかという気持でもって、今せっかく自粛態勢をしいておるわけでございます。なお、私どものやっておりますことにつきまして、なお、こういう点が徹底しないとか足りないとかいう御指摘がございますれば、どんどん御忠告をいただきまして、漸次改善の方向に持っていくべく決意をいたしておる次第でございます。
  54. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務総長御多忙だそうでございますから、二、三点伺います。  ここで審議しておる法律案が通れば、国会職員に対しては定員規程の改正をやられるのだと思いますが、案ができておりますかどうか、お答え願います。
  55. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 御指摘通り定員法国会を通る段取りになりますれば、それに見合わせまして事務職員定員規程も改正をしなければならぬと存じております。その内容にっきましては、大蔵省等と鋭意折衝しておりまして、ほとんど大詰めにきております。本日の午後開かれる本会議までには結論を出して、定員規程の改正を上程さしていただきたいと存じております。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 参議院の事務総長としてのあなたに伺います。あなたは、議長の命を受けてここに御出席になっておられるわけですが、この参議院並びに衆議院国会図書館こういう機関にお勤めになっていらっしゃるいわゆる国会職員の待遇というものは同等であるべきであるという御見解を持たれておりますか。それとも第一院、第二院、さらに国会図書館において、若干の差があってしかるべきだという御見解に立っておられますか、お答えを願いたいと思います。
  57. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 参議院、衆議院国会図書館にそれぞれ奉職しておりましても、ひとしく国会職員でありますので、その待遇等は、原則として均等であるべきものだと思っております。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 伺いますが、参議院には常勤職員が何名いらっしゃいますか。
  59. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 本年度におきましては四十七名でございます。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 参考に伺いますが、衆議院並びに国会図書館に常勤職員が何名おられるということを承知しておりますか。
  61. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 私が承知しておるところにおきましては、衆議院に十七名、国会図書館に八十六名おると存じております。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私の調査では、国会図図書館の八十六名は合っておりますが、衆議院のは実員七名という資料を私は持っておりますけれども、一応あなたの今の答弁を承っておきます、そういたしますと、参議院、衆議院国会図書館の正職員の総数と比較する場合に、衆議院、参議院、図書館において、著しくその常勤職員と正職員の構成比が違っておりますが、これは先ほどの、およそ平等であるべきである、同様であるべきであるという原則論から判断すると、非常におかしいと思うのですが、これを是正するお考えを持っておられるのかどうか、お伺いいたします。
  63. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 現在の数は御指摘のようなことになろうかと思います。そのよって来たる理由についてお尋ねがあればさらに申し上げますが、今のお尋ねは、これを是正する意思がありやいなやということでございますが、これにつきましては、努めて本来あるべき姿に持っていきたいと存じております。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間がないから、簡単にあと一、二点伺いますが、図書館は、参議院議長衆議院議長がこれに当たることになって、お二人を比べると、衆議院議長の方が先任格の格好で図書館に対しておると思う。その国立国会図書館長が長きにわたっておられないということも、こういう事態を招来しておる大きな原因だと思うのですが、第一院の議長が先任格としても、第二院の松野議長も大きな発言力を持っておるわけで、その議長を補佐するのがあなたの職務ですから、この国会図書館――参議院の職員においてもそうですが、国会図書館の六百三十八名の正職員に対して、常勤職員が八十六人、しかも、私がここに持っておる資料によりますと、在職年数が三年以上で常勤職員になっている人が三十二人もおる。大学まで出て、なお常勤職員の人が二十三人もいるというようなこと、これはあまりにもひど過ぎると思うのですね。衆議院と比べた場合に、著しく劣るのみならず、各省庁と比べた場合には、お話にならないと思う。国権の最高機関である立法府国会職員を、こういうふうな処遇をしておって一体よろしいのですかね。議長はどういう御見解を持っておられるのでしょうか。あなたにどういう答弁をしろと指示されたのか、お答え願います。
  65. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 衆議院第一院、参議院第二院、そのことはそうでございますが、国会図書館に関しましては、両院平等な立場にございますし、両院の議決によって、両院議長国会図書館長を任命するわけでありますので、参議院は衆議院とひとしく、国会図書館の運営等については、多くの責任を持っておると存じます。それで、その場合におきましては、国会図書館の常勤職員以外の人が非常に多くの比率を持っておるではないかということは御指摘通りでございますが、それで、それの是正につきましては、図書館の当局においても、非常に努力しておりますし、昨年あるいは本年の折衝におきましても、はばかり多いことでありますが、私としては、図書館のためにも、及ばずながら微力をいたしたと、かように考えております。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 行政管理庁長官、参議院の事務総長の見解が間違っているとお考えになりますか。ごもっともだ、やっぱり国の公務員ですから、そういう事実があるならば、かように是正して参らなければならぬというような御判断をされたでしょうか。念のために御所見を伺いたいと思います。
  67. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) きわめて適切だと存じております。
  68. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 行政管理庁長官としても、今後その是正に努力してもらいたい。国会の事情は、われわれの先輩として最も通じている小沢国務大臣ですから、特に御要望申し上げておきます。  もう一点でありますが、それは先刻給与等についてはアンバラがあってはならないという原則を表明されたわけなのですが、常勤職員の給与一つとっても、衆、参、国会図書館でエスカレーター式にみな差がありますね。これは早急に是正せにゃならぬと思うのです。その点については行政府の協力を得て、衆、参の事務総長が協力して是正しなくちゃならぬと思うのですが、いかがですか。
  69. 河野義克

    事務総長(河野義克君) ただいまの御指摘は、まことにごもっともでありまして、従来とも、これを是正するという格好で検討しておりますが、早晩それを解決いたしたいと存じております。
  70. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記をとめて。   〔速記中止〕
  71. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記を起こして下さい。
  72. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ先ほどの質問を続行します。行管当局との間に、ちょっと数字の方でぼくの方が感違いしておったかどうかわかりませんが、ちょっと確認しておきたいと思います。  常勤労務者非常勤職員の表があるんですが、そのうちに、私最後の質問で、現在この法律案が通らないということ、まだ確認しておらないですから、現在のままで各省庁から定員内に繰り入れてもらいたいという要求の概算の数を幾らかというお尋ねをしたんでございますが、その点何か三万というふうに聞いたんですが、その点ちょっともう一回答えてもらいたい。
  73. 山口酉

    政府委員山口酉君) 三万と申し上げましたのは、常勤職員のほかでございます。
  74. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 その点の理解が、この表に常勤労務者として総計二万五千七百七十三名、それから非常勤職員については総計三十二万四千一六、こうあるんですが、今言われたのはどういうところからの数字でございますか。合の要求されておる数字
  75. 山口酉

    政府委員山口酉君) 常勤職員が約二万六千、そのほかに、いわゆる常勤的非常勤というものの中から、約三万繰り入れてもらいたいという各省要求でございます。
  76. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 わかりました。それでは建設省の官房地方厚生課長見えておりますか。あなたの方で、常勤労務者として四千六百三十二名、非常勤職員として二万五百二十五名というデータが出ておるんですが、現在建設省の各事業運営上、どうしても定員内に繰り入れなくちゃならんという要求数字はどういうふうになっておりますか。
  77. 渡辺成忠

    説明員(渡辺成忠君) 建設省におきます常勤労務者数字と、常勤的非常勤労務者数字を合わせた数字でございますが、約一万五千名を定員化いたしていただきたいと思っております。
  78. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そうすると、この常勤労務者、これは現在定員内職員とほぼ同等な待遇にあるという人が、この表では四千六百三十二名になっておるんですね。それ以外に二万幾らかの非常勤職員がおられるのですが、それを合して一万五千人程度定員内に入れてもらいたい、こういう意味ですか。
  79. 渡辺成忠

    説明員(渡辺成忠君) この常勤労務者の定数四千七百七十七名でございますが、それと定員内職員勤務形態や職務の内容が同一と見られる約一万百五十名ほど、これを合計しまして約一万五千名を定員化していただきたいということであります。
  80. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それじゃ、あとで鶴園君も質問すると思うのですが、農林省関係で林野庁の方見えておるということですが、おられますか。ちょっとまず尋ねておきたいのですが、林野庁関係でも、相当多くの非常勤職員と、それから常勤労務者がおられるのですが、これについて、今建設省にお尋ねしたその趣旨で、現在林野庁では四千三百十八名の常勤労務者、この表によりますれば。現在はまあどうなっておるか知りませんが、非常勤数が一万一千六百二十九名と、こうなっておるのですが、これに対して、林野庁としてはどの程度の定員内職員に繰り入れたらいいという要請をされておるか、ちょっとその数字を知らしていただきたい。
  81. 高尾文知

    説明員高尾文知君) お答えいたします。ただいま提案になっております定員法関係につきましては御指摘通りでございますが、林野庁といたしましては、相当常勤非常勤職員というものをかかえておりますので、三十六年度の要求ということでお願いをいたしておるわけでございますが、現在大蔵と折衝を進めておりますのは、こまかくなりますが、数字を申し上げますと、一万七千九十三人、そのうち、いわゆる常勤作業一員と申しますのが六千七百二十二名、それを差し引きました一万三百七十一名というのがいわゆる常用作業員、林野の用語で申します三七適用者ということでお願いしておるのでございます。
  82. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 ちょっと先ほど私、数字の読み方を間違うたのですが、林野庁では一万一千じゃなくて、十一万という台でございますから、膨大な非常勤職員数をかかえておられるのですが、その点はまたあとで同僚議員が質問いたしますが、その数はわかりました。  これは行政管理庁当局にお尋ねするのですが、例を引いた大きい定員外職員をかかえておる二つの省を見ましても、省といっても、農林省関係は林野庁だけの計算でございますが、相当大きなものが要求されておる。今行政管理庁の言われておる五万程度のもので私はこれは満たされるかどうかということは、非常に疑問があるのですが、行政管理庁としては、そういう程度でいけるという見通しといいますか、そういう確信を持っておられるのかどうか、この点をまず聞いておきたいと思います。
  83. 山口酉

    政府委員山口酉君) 最終的に数字を確定いたしますのは、まだ実態調査が終わりませんので予測できませんけれども、新しく定員管理の方式をどういうふうな方式をとるかということによりましても異同があると存じます。しかし、かりに現在のような態勢のままであるということになりますと、定員に繰り入れし得るものは、それよりもはるかに小さい数字になるのではないかという気がいたしております。
  84. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 そこに僕は大きい問題が残ってくると思うのです。行政管理庁当局はまあそういう考え方でおられますが、各省実情は私はそうでないんじゃないかと思うのです。思うだけでなしに、確信するのです。すでに延長省と、それから農林関係定員外職員定員内繰り入れの要望を聞いても、もう三万以上上回っておるのですね。こういう実情からいうと、来年度定員法を廃止するという意向でありますが、非常に問を含んでおると思うのです。そういう点について、ここでこの定員法を本日ここでどうしても通さなくちゃならぬという意向であるようでございまするが、私の考えといたしましては、これがこういう実情のままで定員法がかりに廃止になるといたしますると、非常に問題が私は残ってくると思うのです。定員法があって国会でいろいろ論議をしておっても、なおかつ、大きい開きができておるのですから、この定員法を廃止して各省の折衝にまかすとなれば、強い省はあるいは右利であるかしれませんが、弱い省というと非常に語弊がありまするが、私はまだ大臣になった経験ありませんけれども、大臣の中にも、相当力のある大臣と、カのない大臣があるようでございまするが、そういうところから、行政機関の運営という失態からでなくして、各省のいわゆる定員の取り合いということが私は露骨に出てくるのじゃないかと過去の経験から思うのですが、その点これは行政管理庁長官の小沢さんにちょっとお尋ねしたいのですが、その点どうでしょう。
  85. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それはどういう場合でもその問題が起こるんですが、でありますから、今度の定員法を改正する場合においては、これにかわるなお強力なものが一つ必要として相談しているのであります。そのかわるものがなかったならば、結局今のような状態になりますから、これにかわる強力なものをどうしても友けたいと思っております。
  86. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 言葉じりをとらえるわけじゃないのですが、定員を規制する法律を立法する権限を持った国会以外に、これにかわる強力な機関とは一体どういうものを想定されておりますか、ちょっとそれを聞きたい。
  87. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) これは、想定はまあ別にしていません。それで、た、だそういうものがあるならはやってみたいというような問題でありまして、別に政令でやるとか予算でやるとかいうような方法は考えられておりますけれども、それでも困難だから、あるいはそれはできないではないかというようなふうで、未知数であるのであります。
  88. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私は、現在定員外職員をこの定員法の問題で審議しておるのですが、この定員法があるという現在でも、私が見た目では、相当職員のほんとうに必要なところと、そうでないところとのアンバランスが私は出ておると思う。これは先ほど申しましたように、やはり力の関係でそこに流れていくというのが現状なんです。従って、私は先ほど林野庁と建設省の方に尋ねましたけれども、まあ非常に失礼な言い方でございますが、省の責任者でなしに、大臣でないものだから、私はこれほど言うと困らすから言いませんけれども、実際この数字自体も、私が各地を歩いた現状から見ると、本省で事務をとっておられる方と思いますけれども、これは相当減数して言っておられると思う。実態は私はそうでない、こういう事実を私はここでこれ以上言いませんけれども、この定員法が、かりに廃止されて、各省の折衝にまかして政令できめても、結局はやはり予算関係に私は帰してくると思う。今日大蔵省の考え方の実態からいくと、ますます私は現在の定員外以上の問題が出てくると思う。行政管理庁の今の権阪からいっても私はそうだと思います。行政管理庁が、それに対して確固たる方針でやるのだ、必要なところには必要な定員を回すのだというだけの権限が私はないのじゃないかと思うのですが、その点どうでございましょう。
  89. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) まあ現在のような制度では、あるいはないということもいえるでしょうが、しかし、その方法によっては、ないことはないと思います。つまり定員というものを破ったものに制裁でも加えるというようなことでもあれば、そういうことが可能だと存じております。
  90. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 小沢さんは、そういう点で相当研究されておると思いますが、なかなかそうはいかない。そういくんだったらこういう定員外がここまで出てこないんです。そのふえてきた事実というものは、決して必要がないものを、政治的にまあ頼まれたから雇うというようなものではないのです、今の国政の諸般の事情から見ましてですね。それが今日この問題になってきておる。従って、当然私は、まあ中には臨時的な事業であって、全く臨時的な採用の方もおられることは事実です。たとえば災害なんかによってやられている場合もありますが、大半は、やはりほとんど常務として、国の機関としての行政事務としてやらなくちゃならぬところにいわゆる定員外の方々がたくさんおられる。そういう実態行政管理庁ではっきり把握されておるかどうか、私は疑問だと思う。私は、言い過ぎかもしれませんけれども、やられてないと思う。また、やられるだけの機能が今日備わっておらないと思う。今、小沢さんが言われましたように、そういうものがはっきりあれば、これは何も国会法律をきめようとも、あるいはどういう機関でやろうとも、やれると思う。そういうものがないのですから、結局大蔵省は予算で引き締めていって、泣く泣くこういうことになっているのが現状なんです。それで一番犠牲を払っておるのは、定員外職員として待遇の悪い実情で働いておる人にしわ寄せをされておる。この事実を私は行政管理庁が今後うまく操作し、持っていけるかどうかということを一番心配しておるのですが、もう一回一つ大臣から、重要な問題でございますから、できれば先ほど申しましたように、こういう方法でやればそういうことがでぎるのだというような具体的な答弁が願えたらけっこうだと思うのです。
  91. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) まあ具体的な方法は今検討中でありまして、もちろんないことは事実でありますけれども、できるだけそうしたような施策に今後持っていきたいと思っております。
  92. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それでは最後、これで終わりまするが、私は、ここでこの定員法法律が決定される前に、特に申し上げておきたいのですが、来年当然この定員法の問題が出てくると思うのです。私は、先ほど言われました確固たる一つの方針が前提でありません限りは、定員法の廃止ということはこれは反対という、そういう言葉ではないのですが、きわめて困難な問題が今後起こってくるという、こういう私は見通しと確信を持っておるのです。軽卒に、ただ定員法さえ廃止すれば、局長がこの問きわめてスムーズにいくような発言をされましたけども、これは逆です。従って、私は、行政管理庁の現在の職制の権限からいきましてもできないと思う。従って、先ほど言われましたように、法律にかわるべき確固たる制度というものがはっきりと浮かび出ぬ限りはこの問題はできない、出すべきでない、こういう考え方でおるのですが、この点についてどうでございますか。
  93. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) 今、行政審議会の答申が出ておりますが、そういう点、たとえばフーバー大統領のやった実例なんかも示してありますが、それ等もあわせ研究してみた.いと思います。
  94. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 要望しておきます。定員法の廃止の問題は来年の通常国会に出されると思うのですが、それに対して、出されてからここで論議をしても、今までの私の経験から言っても、それが何かの間に通っていくという実情です。従って、出される前に、行政管理庁の当局、大臣に私は特に言っておきたいのですが、そういうものを先に、この定員法を廃止する前にやって、それと同時に、各省から要求されておる禀議についてどうあるべきかという資料をはっきり出して、まず定員法において、今日現在において、各省定員外職員をなくしてやれるという実態の数をはっきり把握をして、それを一応定員法のある間に入れてしまう。その上に今後の問題――定員外がどうしてできるかどうかは別といたしまして、その上で廃上するかどうかという問題を検討する、私はこれが順序だと思う。今の定員外職員をこれほど乱雑に残しておいて、そうして廃止してからこれを解決するということは本末を転倒しておる。こういう点を私は特に大臣に要望いたしまして私の質問を終わります。
  95. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) それでは午前の質疑はこの程度にとどめ、午後は一時半再開することにいたしまして、暫時休憩をいたします。    午後零時三十五分休憩     ―――――――――――――    午後一時五十三分開会
  96. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) これより内閣委員会を再会いたします。  午前に引き続いて、行政機構職員定員法等の一部を改正する法律案議題とし、質疑を行ないます。  政府側出席の方は高尾林政部長でございます。  御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  97. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 林野庁林政部長に二つの問題をお伺いしたいのですが、一つは、新規定員増の問題についてであります。もう一つは、定員外職員の問題につきまして……。まず初めに、新規定員の増でありますが、ことし営林署を三ヵ所増設される。それから来年さらに五カ所増設される。次の年、三十七年に七ヵ所増設される。ですから、ことしから十五の営林署が増設されるということになるわけでありますが、ことしの新規定員法案を見ますというと、五つの営林署がふえるのだけれども五人の増、で、二名減で三名実質的な増ということでありますが、これは営林署長だけが増加になった。あとの実際実務に加わる定員内の職員は一名もふえない、こういう実情になっているわけですが、伺いたいと思います。
  98. 高屋分知

    説明員(高屋分知君) 私からお答えいたします。ただいま御指摘のありました営林署の増設問題でございますが、この件につきましては、林野庁といたしましては、計画を立てまして、当初、年々五ヵ所の営林署を北海道に増設する、これを三ヵ年で完了いたしたいということで当初の計画は立てておったわけでございますが、大蔵省との折衝過程におきまして、初年度、つまり三十五年度におきましては、一応三つということになりまして発足いたしたわけでございます。  それにつきまして、営林署は三ヵ所増設いたしますにもかかわらず、定員増が差引三人というような御指摘でございますが、実は、定員法に出ておりまする三名の内訳でございますが、これは、先ほど申し上げました営林署の増設というものば一応関連がないわけでございまして、これは事前の御説明その他が不十分なために、そういう御了解を得たかと思いますが、これは先生御案内の通りに、本年度、国有林野事業特別会計の中に、いわゆる民有林の治山事業というものの特別勘定を設定いたしまして、そのために三人の新規増ということに予算上なっているわけでございまして、そのほかに、国有林野事業特別会計の勘定の中で二人の増が一応予定されているわけでございます。その二人は、福利厚生保の新設に伴いまして、それの課長と、労務課の新設に伴います課長の増、それからもう一名、これは数字上は出て参りませんが、四月一日の時点におりましたところの林政部の調査官を振りかえたという経緯がございまして、差引新規の増は、ただいまの三人と二人を合わせまして五人、これが農林省内の振りかえ減というような事情がございまして、結局差引三人、こういうような数字が現われておるわけでございます。従いまして、御指摘のように、営林署長の定数というわけてでないわけでございます。  そこで問題は、営林署はとにかく三ヵ所ふえたのに、署長以下所要のあれがないじゃないか、こういう御質疑だろうと思いますが、まさにその通りでございまして、その点、われわれ努力不十分であった点は十分痛感いたしておるわけでございますが、これは大蔵省との事務折衝過程においての経緯がございましてさような結果に相なったわけでございます。しからば、現実にどう処理しているかというようなお話であろうかと思いますが…。
  99. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それはいいです。新しく営林署が三ヵ所新設される。それに対しては定員が全くつかない。これから来年さらに五ヵ所、再来年は七ヵ所、こういうことで、十五の営林署ができるわけですが、これからも定員は全く要らないというお考えなんでしょうか。
  100. 高尾文知

    説明員高尾文知君) お答えいたします。増設に伴いまする所要最小限度の定員というものはぜひ必要である、こういう考え方に立っております。従いまして、三十六年度の予算要求、概算要求でございますが、これには一応四十五名の要求をいたしておるわけでございます。これは基幹人員最小限度の要求をお願いしておるわけでございます。
  101. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうももっと正確に定員を算定をして御要求なさらないと、五ヵ所、これから来年新設するというのに、何か四十名くらいだという話では、それはどうしても一つの営林署に四十四、五名の定員というのが要るはずですね。それが五ヵ所新設して四十何人だ、そういうお考えでは、また、ことしのこの三ヵ所営林署を新設しても定員が全然ふえない、こういう二の舞を繰り返すじゃないかという懸念をするわけです。また全体として十五の営林署ができます場合に、定員は全くふえないというような事態になりますと、いろいろな形で、ほかの営林署に影響があるわけですから、もっとこれはやはり科学的に算定をされて、腰を据えてやられるべき問題じゃないかと思いますがね。
  102. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 営林署の増設の問題でございますが、御案内の通り、これは北海道に増設をいたしたい、こういう考えでございまして、北海道の現在の営林署の管轄面積というものが、現在大きいものは内地の営林局の管轄面積よりも大きい、こういうものがございますので、これをせめて内地の程度の営林署の管轄面積に改めたい。そして適正な編成がえをいたしまして管轄をいたしたいということから発したものでございまして、従いまして、現在新しい全然純然たる意味で新規の国有林の事業を始めるとか、あるいは営林署を増設するということではございませんので、現在ありまする既設の営林署を分割していく、そうして適正な管理運営ができるように編成がえをしたい、こういうことでございますので、末端の事業所とか、あるいは担当区とかいうようなところはただ分ければいい。従って、新しく増設される営林署の基幹要員だけは何とかお願いしたい、そういうことで一応積算の根拠といたしましては、五営林署につき、一営林署ごとに九名ずつの基幹要員がぜひほしい、これを強く要望してお願いをしておるわけであります。
  103. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 次に、定員外の問題について伺いたいわけですが、これは問題が非常にたくさんございまして、ですから、きょうはごく限られた問題につきまして伺っておきたいと思いますが、私は初めに、はなはだ恐縮な質問になるようにも思いまするけれども、林野庁というのは企業官庁であるし、現業官庁である、こういうように思うのでございますが、この定員外その他のやり方を見ますというと、非常にその点について疑問を抱かせるような問題をたくさん含んでおるように思いますが、これは林野庁が企業体になり現業官庁になったという歴史がまだ浅いということもありましょうし、あるいは古い長い間の行政官庁的な色彩というのが非常に濃厚だということもありましょうし、それから林野の長い間のおくれた人事の扱い、あるいは人間の管理という問題とからみ合って、非常にこの疑問を抱かせるような点が多数残っておるのじゃないかと思うのです。そこで、そういう前提に立ちまして伺いたいのですが、林野庁の定員外職員というのは、常勤作業員、これが四千三百一名おる。常用作業員、これは二つに分かれておりまして、就業規則の三十七条の適用を受ける人が一万三百十五名、それ以外の常用作業員が一万一千四百二十三名、さらに定期作業員、臨時日雇い、こういうような内容になっておると思うのですが、この内容の中で、まず常勤作業員四千三百一名、これにつきまして伺いたい点が一つあるわけですが、林野庁としてこの四千三百一名の常勤作業員の中に、林野庁としてはできるだけすみやかに退職その他によって消滅してもらいたい、そういう希望を持っておられる人たちがおられるのじゃないですか。どの程度おられるか伺いたいと思います。
  104. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいまの御質疑は、常勤作業員四千数百名のうちに退職を当局として希望する者が相当あるのじゃないか、こういう柳趣旨でございますか。
  105. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうです。退職して消滅していってもらいたいと希望していらっしゃる人たちがいらっしゃいますでしょう。
  106. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 制度的には、常勤作業員ということはわれわれは来年度も引き続き要求を大蔵当局にいたしておるわけでありまして、常勤作業員そのものの制度を消滅するというようなことは考えていないわけであります。ただ定員化の問題ということに関連いたしまして、常動作業員というものを定員の増ということでやっていきたいという考えは持っております。
  107. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私の申し上げているのは、常勤作業員の中に、林野庁としては早く消滅してもらいたい、こういうふうに考えておられる職種の人たちがいらっしゃるでしょう。こういうことを伺っているのです。
  108. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいまの御指摘の点でございますが、ただいまそういうような考えを持っておりません。
  109. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それは確かですか。退職その他によって消滅した方がいいというふうに願っている、そういう職種の人たちはいませんか。林野庁が希望しておるというのですが、そういう人たちはおりませんか。
  110. 高尾文知

    説明員高尾文知君) どうも御指摘趣旨がはっきりいたしませんが、制度といたしましては、現在定員内職長というものと、その次に常勤作業員、こういう制度を設けているわけでございますので、具体的にその中のある職種を全部消滅させるということは私は承知しておらないわけでございます。
  111. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうですか。それでは伺います。昭和二十五年の常勤職員労務者制度ができたときに、その方針に沿って常勤職員にした人たちは、退職等によってなくなることを望んでいるのじゃないか、消滅することを望んでいるのじゃないですか。
  112. 高尾文知

    説明員高尾文知君) どうも御指摘趣旨がはっきりわからないのでありますが、そういうことは今考えておりません。
  113. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 考えていないということであれば……。
  114. 高尾文知

    説明員高尾文知君) お言葉を返すようでございますが、そういう趣旨の林野庁長官の通牒を流したとか、そういうことは全然私存じておりません。私まだ来たばかりでございますので、少なくともそういう具体的なことは承知しておらないわけでございます。われわれは定員化ということに向かって今努力事務当局はいたしておるわけでございまして、その資料の御入手先がはっきりいたしますれば、私の方でもあるいは適切なお答えができるかと思いますが、ただいまのところは何とも申しようがございませんので、御了承を願いたいと思います。
  115. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私の文書によりますというと、昭和二十五年に常勤職員労務者制度ができましたときに、その際に繰り入れられた人たちについては、これはどうも退職その他によって消滅することを望んでいるという言い方をしているのです。私はその点について実はお伺いしたいわけです。そういうふうな考え方を持っておられるということについて伺いたいのです。どうも御存じないというのでは、これは質問の仕方がないのですけれども、そういうことはないというふうに確認してよろしゅうございますか。
  116. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 林野庁の方針といたしまして、さような事実はただいまのところは承知しておりません。
  117. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは文書を読んでもいいのですけれども、そういうことを非常に強く希望しておられるのですよ。退職による自然消滅を待つほかはない、こういう言葉ですよ。こういうことを希望しておられるということはないですか。
  118. 高尾文知

    説明員高尾文知君) どうも押し問答のようになって恐縮でございますが、そういうことを長官名か何かで下部へ出しておるということでございましょうか。
  119. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 いや、そういうふうには言っておりませんがね、ありませんですか。
  120. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 何ともお答えのいたしようがないのでございますが。
  121. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ、そういうことはないというふうに私としては確認をしておきたいと思う。よろしゅうございますね。ちょっとばかり押しつけがましいのですけれども、何回も文書まで読んでも御存じないというのだから、そういうことはないというふうに確かめておきたい、確認しておきたいと思います。  次に移りますが、次は、常用作業員の中の、これは二つに分かれておりますね、三十七条適用一万三百十五名、この点について伺いたいのですが、これは定員内とほとんど同じ条件にあるようですね。給与関係その他昇給昇格もしますし、同じような条件にあるようですが、しかし、給与以外の処遇は全く区別しておられますね。
  122. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいま先生の御指摘になりましたのは、常用作業員の中のいわゆる三十七条適用者というもののことをさしておっしゃっておられると思いますが、それは御指摘のように、その三十七条適用者と申しますのは、定員内職員と職種を限定してございますが、同じような技術の実熊にあるということでさような処遇をいたしておるわけでございます。
  123. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 これは、給与以外の点については別な取り扱いをしておるのですがね。どういうわけで別の取り扱いをしておられるのか。この三十七条適用者の職種を見てみますというと、これは御存じのようにタイピストあるいは計測手、指導員、電話交換手、自動車運転手、守衛、巡視こういう職種の人たちですよ。こういう職種の人たちは、官庁においては行二という形で定員化されておるわけですね。ところが、この人たちが林野庁におきましては、三十七条適用ということで、給与については定員内と同じように、あるいは常勤職員と同じような取り扱いをしておられるが、それ以外の処遇については全く別個の取り扱いをしておられる。どういうわけで別個の取り扱いをしておられるのか、私は職務の系列なり、あるいは勤務の揚所、勤務の態様というのは常勤職員と同じなんだから、さらに給与についても常勤職員と同じ取り扱いをしておられるのだから、同じような待遇をされたらどうかというふうに思うわけです。さらに一般官庁におきます例は、今私が申し上げた通り、こういう職種の人は明らかに定員内に入っているし、何しろ一万という非常に大きな人たちがこういうような待遇を受けておるのですが、同じにするというような方向で検討しておられるのか、そうじゃないのか、その点伺いたいと思う。
  124. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいま先生から御指摘のありました点でございますが、現在の実態におきましては、雇用契約その他から申しまして、給与の点は国有林野労務者就業規則の三十七条によりまして、今御指摘のような処遇関係になっておるわけでございます。休日、休暇等について、定員内職員と差があるというのはその通りでございます。ただ、今御指摘通りに、定員内の職員と同じような事務なり技術の実態にありながら、そういう差があるということ、これは沿革的に申し述べればいろいろございますが、それを省略いたしますと、現在においてさような差があるので、これを定員内職員と同じようなものにかえていきたいという精神によりまして、いろいろ事務当局としても努力を重ねて参っているわけでございます。端的に申しますと、三十六年度の予算要求におきましては、いわゆる三十七条適用者の定員化ということをお願いしているわけでございます。
  125. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ、この三十七条適用の常用作業員というのは、私が今御説明申し上げましたように職務の系列なり、あるいは勤務の場所あるいは勤務の態様というのが、常勤職員あるいは定員内職員とほとんど同じである。さらに給与の面については、常勤常勤作業員と同じような待遇をしている。昇給も昇格もする。こういう態様なんだからして、常勤作業員と同じような、給与のみならず、その他の取り扱いについても同じようにすべきだという点について、そのような方向で努力いたしている、こういうことでございますね。わかりました。  次に、常用作業員の中の三十七条適用以外の人たちですね、これは先ほど私が申し上げましたように一万千四百二十三名もいるわけなんですね、この常用作業員というのは。私はどうも不可解でしようがないのですが、林野庁という企業体あるいは現業官庁というのは、木を切る、それを売る、木を植えるあるいは国有林を管理するというのが私は企業体だと思うのです。一言で言って、そういうものじゃないかと思うのです。その場合に、たとえば郵政省で郵便物を集配するという人たちが日雇い、臨時雇いみたいな取り扱いを受けているというのじゃ非常におかしな話だと思う。林野の場合において、企業体として考えた場合に、この一万千という入たちは、企業体の中で最も欠くべからざる人たちではないでしょうか。その人たちのどうも扱い方が企業官庁における取り扱いになっていないのじゃないか、非常に濃厚な行政官庁的な扱い方になっているのじゃないかというふうに思うわけです。御承知のように、この一万千という人たちは、親子二代あるいは親子三代国有林野事業に生まれて国有林野事業に死ぬというふうな時代がかった言葉でいわれているほんとうに企業官庁における事業をやっている人たちです。しかも、この人たちは無期限の雇用ですよ。親子二代、親子三代という無期限の雇用なんです。その雇用の人たちの取り扱い方が当を得ていないのじゃかいか。PWで賃金をはじいておられる。種々民有林その他との関係もありましょうが、何か失業対策的なにおいが強いのです。企業官庁としてこれが基幹要員じゃないですか。 一体これは林野庁という企業官庁における基幹要員でないかどうか、その点を伺いたい。
  126. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいま先生の御指摘になりました点、われわれとしても多々もっともと思われる点もあるわけでございますが、林野庁のいわゆる現時点におきまする分類別構成と申しますか、これはいわゆる定員内職員が約二万七千名程度、それから定員外として今、先生の列挙されました常勤のほかに常用というのが約一万二千名程度いるわけでございます。そのほかに定期月雇い、日雇いというような形で膨大な労働者群というのが形成されておるわけでございます。今御指摘のいわゆる常用の約一万二千名というものは、その中でもいわゆる労働力の基幹要員ではないかと、こういうことでございますが、これはまさにその通りでございます。ただ、これは常勤あるいは常用の中の三七制度というものができます沿革等もありまして、これが基幹であることを否定するものではありませんが、これが一挙にそういう定員化とか、あるいは常勤化とか、あるいは三七というふうにいき得ないという歴史的な因縁もございまして、かような形で残っておるわけであります。従いまして、今親子数代にわたって無期限的に雇用が継続しておるということは、大体そういうことであろうと思います。ただこれはへ理屈と仰せになるかもわかりませんが、形式的には大体二ヵ月更新というような形をとっておるものが多いように承知しておるわけでございます。もちろん、それだからといって、その重要性を否定したり、あるいは処遇の改善に努力いたさないということではございません。現時点におきましてわれわれのでき得ますのは、まず定員外の中の常勤職員、それから常用の中の三七適用者というものを、まず、とりあえず、定員内職員との事務技術の親近性が非常に強いものでございますから、これをまずやりたい、こう思うわけでございます。それから三七を除きます常用作業員、これは相当長期の、事実上の雇用関係が長く続いておりまするが、どちらかと申しますと、地場的なものに引きつけられやすい、あるいは民間林業労働者の方に引きつけられやすい、そういう傾向があるのでございまして、また、ひるがえって、いわゆる服務の面、そういう面からの規制の仕方等におきましても、若干差異があるのではなかろうか、こういう観点からただいまのところは措置をいたしておるわけでございます。
  127. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 二ヵ月雇用であるけれども、親子二代といわれるほどに長期の無期限の雇用になっておるわけです。しかも、その人たちが林野庁という企業官庁における基幹要員ですよ。三七の適用者は、タイピストとか交換手とか計測手とか、そういう人たちです。実際林野庁という企業官庁においては、これは基幹要員をなしておるわけです。あなたのお認めになる通りです。その基幹要員である人たちが、繰り返すように無期限の雇用だ。それを日雇いみたいに、臨時雇いみたいにしておられる取り扱いは、これは私は林野庁が長い間の古い労務形態といいますか、あるいは雇用の形態といいますか、しきたりといいますか、そういうものにとらわれ過ぎておるというふうに思うのです。同じ現業官庁である郵政省で、集配をやる人々がほんとうに日々の人夫賃だ、人夫だというような形じゃおかしい。同じように林野庁における基幹要員が日々の日雇いみたいな処遇をしておられるということは、非常に大きな問題じゃないかと思うのです。非現業の行政官庁ならともかく、現業官庁ですからね。企業官庁ですよ。もう一ぺん伺いたい。
  128. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 御指摘の点は決して否定するものではございませんが、われわれの事務当局段階におきましては、先ほど申し上げましたように、いわゆる定員内職員と同質の者を定員化するということにまず第一のとりあえずの重点を置いておるわけでございまして、これは林野当局といたしましても、過般の農林漁業基本問題調査会からも、国有林野事業におきます労働の固定化というような問題、あるいは現在の林野庁の国有林野事業自体のあり方につきまして相当示唆に富む答申がなされております。これについて目下庁内にも対策委員会というものを設けまして、おそくとも一年以内にこれに対する対処の方策を具体的に研究しなければならぬ、そういう事態に立ち至っておりまするので、ただいまの御指摘のような線も当然問題として出てくるものでございます。研究の結果を待ちまして、御趣旨に沿うような方向に一つ考えていきたい、こういうように考えております。
  129. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 林政部長のお話の中に、やはり非常に行政官庁的なにおいが強いのですね。それから長い間の林野庁の雇用形態、一番おくれておるといわれる山林における雇用形態、国有林野における雇用形態、こういうものにこだわり過ぎておる点が強いのじゃないかと思う。従って、今私が申し上げましたように、これが企業官庁の場合における基幹的な職員なんだから、これについてもっと基幹なら基幹職員らしく常勤にする、あるいは定員内に入れるという、そういう考慮を検討されるというふうにとってよろしゅうございますか。そういう努力をされるというふうにとってよろしゅうございますか。
  130. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 先ほど私から申し上げました通り、そういう方向に向かって、一年以内という一応の目途はつけておりますけれども、そういう方向に向かってやっていきたいと考えております。
  131. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 林野庁の今の考え方は知りませんが、私の承知しておる範囲では、この三七適用者の人たちと、今私が述べました一万二千名の常用作業員との間に大きな線を引くというお考えがあるのじゃありませんか、今あるかどうか私知りませんが。
  132. 高尾文知

    説明員高尾文知君) それは基本問題調査会の答申の出る前の時点から、いわゆる国有林野事業に従事いたしまする、現在すべて一般公務員ということになっておりますが、それのあり方についてのいろいろな問題が、御承知のように公務員制度調査会その他の問題と関連いたしまして研究せられておりまする際に、林野庁の事務的な一応の意見ということでそういう考え方を出しておるわけでございます。これは基本的に、今の調査会からのああいう示唆が出る前からの考え方でございまして、ただいまのように基本問題調査会の答申が十月十五日に出まして、示唆されたところは、国有林野事業の将来のあり方ということに対して非常に転換を要するような問題を含んでおりますので、それにからめましていろいろ考究をいたしたい。なお、ただいま先生の御指摘になりました点は、林野庁の方で一線を引くという意味でございますが、いわゆる一般職と特別職に切って云々ということだろうと思いますが、その点につきましては、また逐次お答え申し上げたいと思います。
  133. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、十月にあの答申が出る前の状態では、常用作業員の中の三十七条適用者と、それ以外の者と一線を引くという考え方があったけれども、あの答申が出た状態のもとでは、国有林野事業についても根本的に考えなければならなぬので、その中で今の一万二千名という人たちについても、三七適用者あるいは常勤というところと同じようなところへ持っていきたいという方向で検討したいということでありますか。
  134. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 持っていきたいということを特に仰せになりましたけれども、そういうものを含めて検討いたしたいということでございます。くどいようでございますが、われわれ当局といたしましても、労務者の処遇問題ということについて及ばずながらいろいろ研究努力をしているわけでございますが、そのときどきの各種の制約、情勢というものもございますので、まず実現可能なものからやっていきたいという観点に立って、物事を現実的に処理していきたい、こういう点からスタートいたしているわけでございますので、この基本問題調査会のあの答申が出ました今日におきまして、これと今の一般職、特別職というような問題とのからみ合わせ、これは制度自体が変わりますと、そういう区別自体がまた意味がなくなるという点も予想されますので、あるいは非常にあいまいだとおっしゃるかもわかりませんが、大体そういう方向でわれわれは総合的に検討していきたい。かように考えております。
  135. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そうしますと、三七とそれ以外の者との間に線を引いて一般職と特別職にするという考え方も、今の林野庁にはないというふうに考えていいのですか。
  136. 高尾文知

    説明員高尾文知君) そういうことがないということを申し上げているわけではございません。現実にそういう考えはあるわけでございます。ただ、ありまするが、この調査会の答申の出 た現時点におきましては、そういうものを全部含めて、林野庁にいろいろ意見はあるわけでありますが、これを総合的に考えて、どういりふうにやったら一番国有林野事業の将来の発展というものにプラスになるか、そういう点を考えていかなければならぬ、こういうことを申し上げているわけであります。
  137. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 少しばかりくどくなりましたが、それでは、特別職、一般職というふうに区別したいという考え方も一部にある。しかし、それは林野庁の意見ではない。しかし、先ほどの十月の答申が出た現段階においてはまた変わった立場で検討しなければならぬということでありますか。
  138. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 大体そういう趣旨に了解できれば幸いであります。
  139. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 山口行管局長に伺いたいのですが、現状定員法を撤廃するというようなお話が進んでいるようでありますが、その場合に。特別職を作るというようなお考え方が九月にありまして、しかし、それはこの間私、公務員制度調査室長に伺ったときには、今はそういう考え方はない、山口局長もそういう考え方はないというお話だったのですが、そういうふうに理解してよろしゅうございますか。
  140. 山口酉

    政府委員山口酉君) その通りでございます。
  141. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 この一万二千の常用作業員の人たちは。企業官庁という立場から見た場合は、一般の行政官庁とは違った意味でとらえなければならぬのではないかと思うのです。これは私がたびたび指摘した通り、しかも、ここのところが機械の導入や、あるいは技術の練磨、そういうものによって、技能者、技術者として発展していかない限りにおいては、企業官庁としての大きな問題点が出てくるのではないかと思うのですが、その点重ねて私が申し上げましたような趣旨に沿って、一つ林野庁として努力をなさるように要望申し上げておきたいと思います。  もう一つ伺いたいと思うのですが、これは林野庁の考え方によりますというと、この三七の適用者ですね、この三七の適用者というのはこれを残しておくというと――残しておくというのは、早くこれを定員内と同じような、常勤職員と同じようなことにしないというと、どうも同じ常勤職員である一万二千の人たちも、定額日給制なり、そういうものに自然と引きずられるという懸念をしておられるようです。私はこれは自然な勢いではないかと思うのですがね。雇用が近代化していくし、いろいろな問題が近代化していくのですから、当然定額日給というところに引かれていく。自然の勢いじゃないかと思うのですがね。そうでなければ、また林野庁の雇用態勢というもの、これも前進していかないのじゃないかと思っているのですが、何かこれを非常に懸念しておられるようですね。
  142. 高尾文知

    説明員高尾文知君) そういう点も、御指摘のような点もあろうかと思いまするが、先ほど来申し上げておりますように、先般の調査会の答申には、労働の固定化ということを強く出しておるのでございますので、ただいまのような御指摘の点も含めまして、総合的にやはり検討いたしたいということをお答え申し上げます。
  143. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは、これは林野庁が今定員法撤廃にあたってのいろいろなことをお考えになっているようですが、その程合に、定期作業員はともかくといたしまして、常用作業員、三十七条適用者、それ以外の者、これも同じように予算で組みたいというお考えを持っておるのか、あるいはそういう方向へ努力したいというふうに考えておられるのか、その点はどうです。
  144. 高尾文知

    説明員高尾文知君) ただいまの点でございますが、いわゆる三七適用者以上という者につきましては、これは関係方面との事務折衝の段階におきまして、すでに大体きまっておるわけでございます。これは定員化の方向で、それは先ほど来申し上げておりますように、事務内容あるいは技術内容の親近性という点から、そういうふうに踏み切っておるわけでございまして、その他の労務者につきましては、やはり基本的な問題でございますので、これは当面の問題ということではなしに、基本的な国有林野事業のあり方、特に労働の固定化という観点から、やはり総合的に検討して結論を出すべきでなかろうか、こういうふりに考えております。従いまして。ただいまの時点におきましては、三七以上をとりあえずお願いをしておる、こういうことでございます。
  145. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 しかし、続いて三七以下の常用についても、同じような考え方で努力をするという意味ですか。私が口をすっぱくして言っているのは、国有林野事業における基幹要員というのは、何を何と言われても、私はこの一万二千名という人たちだと思うのです。三十七条の適用者というのも、御存じの先ほど私が言ったような職種の人たちですから、国有林野事業が企業官庁であり、木を切る、木を売る、木を植える、管理するという企業官庁においては、やる限りにおいては、これをミットして考えられるというその考え方は、私は企業官庁的な考え方が薄くなって、その場合には行政官庁的なにおいが非常に強くなる、あるいは古い林野庁の労務管理という形のものがここで現われてくる、こういう実情になっているのじゃないでしょうか。従って、私は、先ほど林政部長は、答申が出た以後においては、この問題を含めて続いて努力されるものというふうに理解をしたのですが、違いますか。
  146. 高尾文知

    説明員高尾文知君) 先ほど私が申し上げました通りでございまして、答申が出ましたのは、これは非常に大きな問題でございますので、こういう答申の内容に沿うべく検討を加えて参りたい。こういうことを申し上げたのでございまして、ただ当面の三十六年度予算というものは、すでに概算要求というものは大蔵省へもう出てきまっているわけでございます。従って、この時点におきましては、三七以外の常用あるいはその以下の者につきましてもこれはいわゆる定員化という観念自体が、もうそうなるとおかしくなってくるわけでございますが、官庁会計的な、企業会計的な、いわゆる定員内の繰り入れというようなことで解決すべきものかどうか。あるいは公社と、そういうことがすでにはっきり示唆されておりますので、そういうことを含めて新しい問題として検討いたしたい。従いまして、ただいま従来の経過なり、本年度の時点に立てば、そういう古い労務管理の意識は出ておるじゃないか、こういうことを指摘されますと、それは私としてもその通りでございますと、それを否定するものではございません。
  147. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は、いわゆる林野庁としても、この管理形態や労務形態の、労務管理の前進をやはり一歩々々はかっていかなけれぱならぬのじゃないかというふうに思うのですが、先ほど申し上げているように、企業官庁、行政官庁、さらに古いしきたり、最もおくれた古いしきたりというもの等があって、なかなか思うように前進しないだけでなくして、むしろ古いものを固定化するという考え方が私は、非常に強く出ているんじゃないか、それが三七と、それ以外のものとの間に大きな線を引こう、一般職、特別職と線を引こうというのがこの中に有力に出ているんじゃないか。しかし、特別職を作るということは、今、高尾部長の答弁のようにないと言う。そうなりますれば、これは明らかに、先はど来私が申し上げておるように、企業官庁としては、この基幹要員である一万二千名の人たちについて定員内に入れる、あるいは定員法を撤廃したときに、予算の形で同じようなところに持っていく線を引かないという、そういう考慮なり検討を至急加えらるべきものじゃないかと思っておりますが、そういうことで三十六年度の予算は別にして検討を進められるというふうに理解してよろしゅうございますか。
  148. 高尾文知

    説明員高尾文知君) そういう精神でわれわれは検討を続けたい、こういうように考えており序す。
  149. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 最後に、私は先はど申し上げましたこの二十五年に常勤労務者の制度ができて、そうして林野庁は常勤労務者にしたその人たちの四千六百の中に、今の常勤職員の中にいるその人たちは退職その他によって消滅したいということを希望しておられる。私はこの事実を知らないものたから言えないのですが、これは文書の中に出ているのですから、それについてちょっと申し上げておきますが、この繰り入れをやられましたのは、常勤職員にされましたのは、これは政府の方針に従ってやられたのではないですか。それが誤っておったから、あるいは何か従来の古いしきたりとの間の矛盾が出たから、これは退職その他によって自然消滅することを希望したいということになっているのか。私は、政府の方針がきまって繰り入れたわけですから、これは間違っていないと思う。ただ、従来の林野の古いしきたりからいえば、これは矛盾を起こしてくるので、これはできるだけ退職その他によって消滅することを望んでおる、こういうことになるんじゃないかと思うのですが、こういう考え方は、私は古い林野のしきたりに引きずられ過ぎている、政府の方針でやったものがどこがまずいのか私は聞きたかったのですが、御存じないということですが、まあ最後なので、長くなりましたからここらあたりで終わりますが、なお、種々たくさんの問題をかかえておりますので、答申案ともにらみ合わせまして細目、詳細について伺いたいと思いますが、これで一応終わりたいと思います。
  150. 片岡文重

    ○片岡文重君 行政管理庁長官に二、三お伺いしたい。すでに定員外職員を膨大に持っておりますことは遺憾なことだということはもう議論の余地はないのでありまして、今さらこれを私は繰り返そうとは思いません。で、少なくとも定員外職員のおることは、今日の窮屈なワクの中でなおかつこれだけの職員をかかえておるのですから、これは最低不可欠の要員であるので、できるだけ早い機会にこれらの諸君を定員化して、余分なところのないことを考えると同時に、必要なところは最小限やはり満たされなければいけないという立場に立って私は御質問したいのですが、ことしの三月末でしたか、あの閣議了解で設けられました例の定員外問題の連絡協議会、これの今日までにおける経過と、主としてどういう点に議論が集中されたのか。特に午前中に大臣から言われました同僚の質問に答えられこの中に、別途に機関を想定してということがありました。これはそう強い意味じゃないのだというふうな御答弁でありましたけれども、この連絡協議会の中でそういう機関についても議論がされたのかどうか。そういう点で具体的に進んでおる点をまずこれからの質問の前提として伺っておきたいと思うのです。
  151. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 三月に閣議で協議会が設けられまして、御承知通り、あらゆる角度から検討したのでございますが、大体まだ結論がついておりません。五現業の方は大体ついてあるのでありますが、五現業以外はまだついておりませんから、どうこうと申し上げられないのであります。しかし、検討は十分続けております。
  152. 片岡文重

    ○片岡文重君 この連絡協議会での目標は、三十六年度から具体的に政策を実施するという目途でたしかこの協議会が設けられたと思います。そうすると、今日はもうすでに十二月終わりで、あと三十五年度残っているのは二、三ヵ月であります。しかも、一月というものは実際的にはそう仕事にならぬでありましょう。あと幾日もないというのに、その具体的な結論がまだ目鼻もつかぬという状態でしょうか。
  153. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは一ヵ月でありましても、かりについておりませんものはついておりませんでございまして、従って、その詳細は、私が出席しておるわけでもございませんから、担当の者の意見がありましたらそれを……。
  154. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま長官からお答え申し上げた通りでございます。三十六年度から実施するについては間に合うようにやるということで進めております。見通しといたしましても、そういう予定で行けるのではないかというふうに考えております。
  155. 片岡文重

    ○片岡文重君 それでは御要望を申し上げておきますが、その結論ができ次第、なるべくすみやかに当委員会一つ結論と経過とを資料として御提出をいただきたい。これは委員長にもおはかりをお願いしておきます。  それからすでに二回にわたって定員法が改正をされて、若干の繰り入れがなされたわけですが、その繰り入れましたときの状態、結果について、その後確かに行管としては調査をされたと思うのですけれども、この定員外職員定員内に受け入れるについて、すべてが満足する状態で行なわれておったのか。たとえば学歴とか、その本人の能力であるとか、経験年数、手腕力量等、こういう点を十分勘案してなされたと思うのですけれども、そういう点について、おおむね満足すべき状態でこのワクが広げられておるのか、ないしは人事管理の面からいって何らかの問題を残しておるのか、もし問題があるとするならば、どういう点で問題があったのか、こういう点についてお聞きしたい。
  156. 山口酉

    政府委員山口酉君) 定員法の性格は、雇い入れすることのできますワクをきめておるだけでございまして、それにそのワク内にどういう人を任命するかということは、任命権者の個有の権限でございます。行政管理庁の管理すべき範囲内ではございませんので、その任命権者の任命が妥当であったがどうかということの監督は、これは人事院がすることになっておるわけであります。で、私どもの方から申し上げることは必ずしも適当でございませんけれども、従来繰り入れられました実績を見まして、当初意図しておりました方向に大体行っておって、問題はあまりないように考えております。
  157. 片岡文重

    ○片岡文重君 少し私の言葉が足りませんでしたが、任命権についてはあなたの言う通り、ただ、行政管理庁としていたずらに他官庁の非違を指摘して、これをとやかく批判をしているばかりが私は仕事ではないと思う。むしろ、積極的な指導的なやり方が望ましいのではないか。で、今日定員外に置かれておる職員を全員吸収できるならこれは問題はないでしょう。しかしながら、いろいろな条件の中から限られた人数を採用するわけで、当然そこにいろいろな摩擦も起こり、問題も起こるであろうことは容易に私は想像できると思う。その採用された人たちの中には、たとえば、私の聞くところでは、定員内職員として今まで長く勤務しておられた方が、退職にあたって二号俸も昇給をして退職をして、すぐにまたその定員内職員としてこの中に採用されておるような例もあると聞いております。こういうことでは、長い間定員外職員として不当な労働環境に甘んじて今日まで耐えてきた諸君にとって、それだけさらに門が狭くなる、そういうことが数多く行なわれたのでは困るではないか、こういうことなんです。そういう点について、行管としてはもっと広い立場から、特に定員外調査内容については、確かに行管としては調査されたはずですから、そういう調査の際に、すでに繰り入れられておる実績等についても敷衍して調査されるのが当然ではないかということが私ども考えられますので、今お尋ねしたわけです。
  158. 山口酉

    政府委員山口酉君) 先ほど申し上げましたような事情で、任命権の実際の運用が適当かどうかということは、実は行政管理庁の職務権限にはなっておりませんが、繰り入れをいたします ときのいきさつから見まして、どういうふうな職務については定員内の扱いをすべきであるということは考えなければならないわけであります。そこで、そういうふうな、ポストが新しい定員内のポストとして埋められておるかどうかということは、私どもの方で関心を持っておるところでございます。その点につきましては、当然、定員外職員実態調査につきましても、関連して調査いたしたこともございます。そういう観点から見ますと、従来の繰り入れをいたしました実績は、非常に支障があるというようには考えておりません。ただ、個々の任命権者の具体的な人選について多少問題があったということは、あるいは御指摘のようなことがあったかもしれませんけれども、それらの点については、実は、先ほど申し上げましたように、私どもの方で関与いたしておりませんので、今後そういう問題につきましては、希望といたしまして、人事院あるいは任命権者である各省庁の方に十分御注意いただくように御連絡をいたしたいと思います。
  159. 片岡文重

    ○片岡文重君 あと一つだけ御質問いたします。それは、今は定員ワクを広げる定員外職員の採用についてでありますが、たとえば厚生省の医療機関、保健所等においては、医師とか保健婦、栄養士等が、定員をはるかに下回って、採用することができない、こういう事態について、厚生省としては、もちろん努力しておるでしょうし、きょうも実は厚生大臣にもこの点質問したかったのですけれども、従来、厚生省当局でもこの定員を埋めることについて非常な努力を払っております。行政管理庁としては、そういう医療機関や保健所等における定員不足による業務の不円滑な状況に対して、今後どういうふうにしてこれを指導しようとされるのか、どういうふうにしてこれを、厚生省に対する援助をされようとするのか、これらについて一つ、行管所管大臣としてお考えがあれば伺っておきたいと思います。
  160. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) これは私の所管ではありませんけれども、かりに待遇上の問題なんかも相当考慮しなければならないと思います。
  161. 片岡文重

    ○片岡文重君 もちろん、定員が埋まらないという今日の状態でなお定員が埋まらないということは、もう待遇だけです。従って、この待遇の改善については、歴代の厚生大臣から大蔵省等にもしばしば要求しておる。ところが、この俸給表なり、その他の関係で、その処遇が独自にこの特別な状態に合ったような妥当な措置をとることができない、特に僻陬の地における医療機関、保健所等において。こういう特異な事態に対しては、行管あたりはもっと積極的にこれを取り上げて、そうして、ひとり厚生省の努力にまかせておくというのではなしに、政府としての立場からもっと貧乏追放に乗り出したらどうか。それには、行管あたりはもっとそういう点に熱意を示して、これの問題解決に乗り出したらどうか。今までは厚生省に対してはあまり調査もされておらないようでありますから、こういう点についてはあるいは御存じなかったかもしれませんけれども、しかし、これは調査しなくとももう社会の常識になっておることですから、当然私は了承しておられると思う。従って、今日までそういう措置が考えておらないとするならば、今後のなるべく近い機会において、政府責任において、一つ厚生省だけにまかせないで、早急にこれが解消できるような措置に御尽力をいただきたいと思いますが、所感を伺って私の質問を終わります。
  162. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) この行政管理庁というような、狭い部門だそうでありますけれども、国務大臣としては全般に関与しなければなりません。お話の点を十分注意いたします。
  163. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 個別的な問題について若干伺います。まず、農林省の所管局長に伺いますが、ここに、動植物検疫の強化に伴う増六名というのが出ておりますが、貿易の振興という立場から動植物検疫の強化に伴う増員は強力に推し進める必要があると思いますが、どういう見識を持たれるかお伺いいたします。――早く答弁して下さい、時間がないから。
  164. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) 御質問のございましたように、動植物の検疫の事業といいますのは、最近、ここ数年問特に非常に貿易が進んで參りましたのにつれまして、検疫数量も増加しておりす。そういう観点からも、できるだけ機構、人員ともに強化する必要があるということで考えております。
  165. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 大へん具体的になって恐縮でありますが、当事者には非常に関心事でありますので伺います。琉球貿易を控えて、農産県である熊本県の三角港に門司植物防疫所の出張所をぜひこしらえてほしいというのは、熊本県のみならず、九州全域の希望であるが、農林省の振興局でこれに反対であるということを伝え聞いているのですが、はたしてそうなのかどうか、お答え願います。
  166. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) 熊本県の三角に植物防疫所の出張所を設けることにつきましては、かねてからいろいろ御要望もございまLて、ほかにもいろいろ同じような御要望もございますので、そういうものと彼此考え合わせまして検討して参ったところでございますが、来年度におきましては、農林省といたしましては出張所をそこに新設したいという方針で、それに必要な定員なり予算を現在大蔵省に要求中でございます。
  167. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それは法律事項を要しますか、それとも行政措置でよろしいですか。
  168. 橘武夫

    説明員(橘武夫君) 必要な予算が確保されますれば、措置といたしましては、農林省令の改正で出張所設置はできることになると思います。
  169. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 時間がないからその点質問終わります。  次に運輸省、伺います。運輸省の先般の答弁の保留分があるわけですが、ここに、航空行政の整備拡充に伴う増というのが百二十二名あります。これは私はきわめて重要なことだと思う。近くはニューヨークあるいはミュンヘンでああいう事件が起こっています。日本の国土は狹い、飛行場は狭い、飛行機のスピードは加わって参る、こういう状況も考える場合、航空管制業務は非常に重要になり、その公務員は質的にも量的にも十分確保しなければならないと思うのです。近くはわが国においても名古屋にああいう事件が起こったわけですが、お答え願いたい点は、その前段について運輸省当局としてはどういう見解を持っているのか。  それから第二点については、先般職組から防衛庁の平野二佐を告訴、告発を行なったわけでありますが、これに対して運輸省当局はどういう見解を持っているのかというのが答弁を保留になっているので、お答え願います。
  170. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) お答え申し上げます。まず第一の、管制の諸施設の改善その他の点につきましては、昨年七月一日、米軍から管制業務の移管を受けまして以来、管制施設の整備あるいは航空路上における保安施設の整備等について逐次具体計画を立てて参っておるのでございますが、特に本年三月の小牧における航空事故以後におきまして、早急に管制施設の改善をする必要を痛感いたしました。事故直後に設けました事故対策委員会、これは運輸次官を長といたします省内の対策委員会でございますが、この事故対策員会におきましても一番大きく取り上げました問題は、今、先生の御指摘になっております施設の改善の問題と、それから管制官の待遇その他の職場環境の改善、この二つの問題でございます。まず第一の点につきましては、現在の入間川のジョンソン基地におきますセンターの施設が、米軍の野戦用の施設であります関係上、地下壕の構造になっておりまして、環境も非常に悪いということ。それからまた、施設も、ケーブル、無線施設その他がだんたん老朽化しておるというふうな状況からいたしまして、早急に近代的なセンター施設を作る必要を痛感いたしまして、これをでき得る限り早い機会に他の適地を求めまして、陸上施設としてセンターを作っていきたいと、こういうふうな結論も出しております。それからなお、センターの機能を補充する意味におきまして、特に航空機の錯綜する関東、東京空域におきまして、航空機を十分に安全にさばくために、箱根に長距離レーダーを設けて、これをもって長距離レーダーによります航空機の管制組織を導入する。それからなおこれは直ちに実現できるかどうかわかりませんが、将来は電子計算機等もセンターの中に人れまして、非常に高速化して参ります航空機の管制を十分にやっていきたい、こういうように考えておるわけでございます。  それからなお地方の施設といたしましては、現在のビーコン等によるものより完全なVORをできるだけ早急に重要な航空路のポイントに設置するということ、それから地方の空港等についても、航空機が非常に複雑錯綜して参りますところにつきましては、GCAであるとか、あるいはそれ以外の着陸誘導施設というようなものにつきましてもこれを設備をしていきたいということを考えております。
  171. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 後段の質問に対する答弁をお願いいたします。
  172. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 第二の点につきましては、実はこれは多少経過的なものなのでございます……
  173. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 経過必要なし。この前答弁を保留してあなたお帰りになったわけですからね。運諭省としての見解があるわけでしょう。かわいそうでしょう、あなたの部下はああいう取り扱いをしたら。結論言いなさい。
  174. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) お答え申し上げます。村手君の処分が十一月の三十日に決定いたしまして、私どもとしても、検察庁のこの処分の理由につきましては、十分検討をいたしたのでございますが、当初事故後におきまして、運輸省といたしましては、直ちに局内の事故調査の専門家によります調査をも実施いたしまして、結論といたしましては、管制の過失と同町に操縦者の注視義務を怠ったという過失が存在するということで、この事故の原因といたしましては、二つの過失の競合である、こういう結論を実は持っておったのでございますが、この点につきまして、当時も十分検察庁その他に対しましても、資料、あるいは法律その他の訓令等の資料を携えまして、十分な説明をいたしたのでございますが、今般の検察庁の処分理由の要旨は、やはり同じように、その事実の認定におきましては、管制の指示にミスあり、同時に注視義務による責任を免れないという結論を出しております。
  175. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 よろしゅうございます。伺いますが、それであなた方のその意思は検察審査会に対して何らかの具申なり、意思表示をされましたか、されませんか、結論だけ伺っておきます。
  176. 今井栄文

    説明員(今井栄文君) 役所としてはしておりません。
  177. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は遺憾といたします。運輸省終わります。  次に、国務大臣に伺いますが、今、運輸省当局に求めました前半の第一問についてどういう御見解を持っておられるか、お答え願います。
  178. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それはあまり芳しいことではないと思っております。
  179. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 とんでもないことを言う。前段に対する私の質問に対して、運輸省答弁ありましたね。あの内容に対しては、あなたは好ましいことではないという御答弁ですか。
  180. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) 後段だと思って。
  181. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 後段じゃない。前段です。答弁し直して下さい。
  182. 小澤佐重喜

    国務大臣小澤佐重喜君) それは歓迎すべきことと思っております。
  183. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 防衛庁の長官ないし調達庁の所等大臣まだお見えになっていないのですが、早急においで願いたいと思います。  その間に事務当局に二、三伺います。この内容を見ますと、駐留軍提供施設等の減少に伴う減として七十五名がございますが、これは全部配置転換終わったのか。それともいつまで配置転換終わるのか、お答え願います。
  184. 大石孝章

    説明員大石孝章君) お答えいたします。現在までに配置転換を終わった者約五十名でございます。厚生省二十六、防衛庁五、その他十九、以上でございます。配置転換の終わるなには年度末までかかる予定でございます。大体私どもとしては二月末までに完了したい、こう思っております。
  185. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この調達庁の定員減の問題については、いつも当委員会で問題になって参ったわけでありますが、その要点は、あるいは等級別、あるいは年令別、あるいは地域別に十分配慮して、そして本人の意思を十分尊重しながらスムーズに配置転換が行なわれるようにということは、当委員会が幾度も皆様方に要望して参ったところでありますが、私の聞くところでは、依然としてその配慮が不十分だと承っておりますが、調達庁の事務当局としてはどういう反省を持っておられるか、また、合後これらの点についていかに配慮されようとされておられるか、お答え願います。
  186. 大石孝章

    説明員大石孝章君) 先生の御指摘の点が、私どもでも非常に大事な点であり、かつ、実行上職員の身分安定その他の問題を考えますと、大事なことでございますので、従前から配慮いたしておりますが、ただ、遺憾ながら、私どもの方は、各省中でも減になるまれなる役所でございますので、各方面の御配慮によって、それ以後の転出先を考えてもらうわけでございますが、なにせ売手、買手の関係がございまして、なかなかその間における事情は御推察いただけると思います。しかしながら、私ども事務当局といたしましては、本人の意向その他十分に聴取して、希望通りの線に沿うように努力したい。今後もまたその努力を続けたいという考えでございます。
  187. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなた方の答弁はいつもりっぱな答弁で、それを了とするわけですが、なかなかその答弁の実現率が、相手のあることで骨折れるのかもしれないが、少ない点を私は遺憾に思っております。その主たるものに、年々歳々こう定員減になって参るわけですが、調達庁の将来の恒久的な機構をいかにするかという点については、もう前々々の委員長時代から、国会中に検討して結論を出すようにという要求があっておったのですが、本日までその明確なものが出て参りませんが、立案作業をやっている事務当局としてはどういう見解を持っているのか、事務当局見解を明快に一つお答え願います。
  188. 大石孝章

    説明員大石孝章君) お答え申し上げます。矢嶋委員の御承知のように、調達庁の業務は、広義の防御行政の一翼をになうものであるという見地から、すでに昭和三十三年の八月一日、防衛庁の外局となった次第でございますが、しかしながら、現実すでに問題になっておりますのは、米軍基地の自衛隊による共同使用の問題、返還された米軍基地の引き継ぎ使用の問題、さらに富士演習湯等に予想されますところの自編隊基地の米軍による共同使用、あるいはこれに伴いますところの各種の補償問題等、駐留軍と自衛隊との間におきますところの防衛施設等の円滑、かつ、一元的、立体的な運用が必要であるという見地に立ちまして、すでに当委員会におきましても長官等からお答え申し上げましたように、防衛庁の関係部局と調達庁とを、さらにいっそう有機的に機構的に続編合をする方途を検討しますために、昨年以来、防衛本庁と調達庁との問に連絡協議会を設けて、慎重に事務的な検討を重ねておる次第でございますが、御指摘のように、いまだに具体的な案が成立いたしておりません。しかしながら、結論的に申しますと、安保体制の新協約といったような形で実施されるわけでございますので、この駐留米軍と自衛隊の相互関係は、ますます緊密化するという考えに立ちますので、昭和三十六年度におきましては、私どもとしましては、防衛本庁との間に協議を進めまして、業務調整を実施したいといったようなことを中心としたがら現在検討を進めておる段階でございます。
  189. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 キィ・ポイントを一点伺いますが、業務調整という言葉を使いましたが、あなたの意見を承っておると、自衛隊並びに駐留米軍等の調達業務の統一が、基地周辺を含む総合対策として適当だ、こういう事務当局としては見解を持っているように聞こえますが、相違ないか。お答え願いたい。
  190. 大石孝章

    説明員大石孝章君) その通りでございます。
  191. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その見解に対して、行政管理庁長官、どういう御見解を持たれるでしょうか。
  192. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) その問題については、まだ防衛庁から意見がきていませんで、きてからいろいろ研究したいと思っています。
  193. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務当局は、所管大臣に対して、そういう意見のまとまったものをまだ要請してないのですか。
  194. 大石孝章

    説明員大石孝章君) 事務当局の具体的な案がまだできておりませんから、従いまして、具体的な成案としては防衛長官に報告する段階にはなっておりませんが、本問題については、歴代の長官、現在の西村長官にもいろいろお話を申し上げております。
  195. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内閣改造もあった関係もありましょうが、早急に調達庁当局の意向をまとめて、主管大臣にそれを報告して指示を仰ぐこと。それから所管小沢国務大臣に御要望申し上げてお答えいただきたいのでありますが、長きにわたる問題でありますから、今申したような意見というものは、私はきわめて適切な意見だと思うのですが、出ましたならば、行政管理庁長官としてはこれを十分尊重して処理され、来たるべき通常国会にでもわれわれの審議の対象となるものと私は推測いたします。いかがでございましようか、お答えいただきたいと思います。
  196. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) 承知いたしました。
  197. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に、あと五分ほどで文部省にー、二伺います。局長おみえになっていますね。
  198. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) みえております。
  199. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ここに文部省関係で九百二十九名の増員が行なわれていますが、ここで他の委員からも何度も指摘されました。ことに下級の研究公務員が不足であるという点についてはお認めになっておることと思いますが、あらためてお答え願います。
  200. 小林行雄

    政府委員(小林行雄君) 実は、先日もお答え申し上げましたのでございますが、大学の教官の定数につきましては、昔からの古い基準がありまして、その基準に従って一応組織をいたしているわけでございますが、いろいろ公務員の定数の縮小その他の関係も戦後ございまして、いろいろ振りかえ等の人事が行なわれました関係上、実は大学で幾らかいわゆる歯の欠けたような不完全な講座というようなものが相当ございます。これはやはり教育の充実ということからいいますと、非常に困った実情でございまして、もちろん事務職員にも相当定数が欠けている面もございますが、文部省といたしましては、できるだけ早い機会に、こういった助手あるいは教務職員の充実をはかりたいということで、この方面の検討をいたしております。実は明年の予算等にもそういったものをできるだけ盛り込んでいきたいというふうに考えているわけでございます。
  201. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 初中局長に今度は伺いますが、実習助手あるいは研究助手、養護教諭、事務職員、学校図書司、こういう職員が非常に少ないということは、高等学校以下の各級の学校についても共通の問題だと思いますが、そういう認識に立たれておるかどうか、お答え願います。
  202. 内藤誉三郎

    政府委員内藤誉三郎君) 特に高等学校におきまして、実習助手あるいは事務職員が不足していることはよく承知しております。
  203. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、具体的に最終的に伺いますが、時間がないからこれで終わりますが、まあ小学校から大学まで定員が非常に不十分でもあるが、特に教課課程の改定と伴って、高等学校の定数問題が重大になっていると思う。従って、前国会において定数法たるものを提案されて参りましたが、これが廃案となっております。そこで、今後の高等学校教育を充実して、その完成教育を行なうとともに、大学教育の前提としての高等学校教育の使命を果たすために必要なことは、まず現在の設置基準の引き上げ、現在乙号基準の全国平均約九四%にとどまっておりますが、この設置基準の引き上げをはかることと、それからもう一点は、あなた方の方では、定数を確保するために弱小であるところの市町村には高等学校を設置することはできないという規制をしようとする考え方があるやに承っております。かようなことになりますと、高等学校の統廃合という問題が起こってくるわけで、これは教育の機会均等という原則に反して参るわけでありますから、これらの扱い方については、十分この配慮をしなければならないという反論。  それからもう一点は、そういう定数確保をはかる場合の経過措置として、たとえば法律を作って、三十八年の三月三十一日までは現状のままでよろしい、その後やりさえすればよろしい、こういう経過措置を設ければ、たとえば、法律が通っても、二年後の三十八年三月三十一日までは、財政力の弱い都道府県は何もやりません。それでは三十八年四月の年度からやれるかといえば、やれないわけですから、だから、そういう教育の振興のために定数を確保するというような立法をやる場合には、財政力の弱小なる都道府県においても十分やれるように、法律の施行と同時に、その年次から逐次やれるような義務づけをこの法律の中にしなければ、そして中央においてそれに対応するところの予算を組まなければ、地方財政を圧迫するだけであって、法の精神が生かされない、かような見解を私は持っているものでありますが、要望を含めて、当局の御見解を承っておきたいと思います。
  204. 内藤誉三郎

    政府委員内藤誉三郎君) 高等学校定数の引き上げという点につきましては全く同感でございまして、現在高等学校につきましては、省令で設置基準がございますが、その九四%が充足されておる、こういう状況でございますが、できるだけこれを一○○%引き上げたい。  それから、なお、定数のお話が出ましたが、高等学校の設置につきましては、小中学校は市町村に義務設置を負わしておりますが、高等学校は、市町村、府県、二重になっておりますので、あの流れました法案におきましては、高等学校は県に全責任を負わしていくのを原則にいたしておるのでございまして、弱小町村では小中学校の義務教育を十分にやっていただきたい。しかし、現存されているものを統廃合するとか、そういう考えはないのでありまして、今後の高等学校の計画配置を適正ならしめるという趣旨でございますが、御指摘の点については、十分慎重に措置したいと考えております。  なお、附則のお話が出ましたが、高等学校に定数の基準をきめた場合に、これを三十八年三月三十一日までにやればよろしいのだ、それまではほうっておいてもいいのだというふうに御解釈になっていらっしやるようでございますが、これは私でもとしてはそういう趣旨ではございませんので、形式的な法律論から申しますと、各学校ごとの定員でございますから、一人欠けても法律違反という事態が起きますので、そういう場合には法律違反にならないようにしょうという趣旨であって、あくまでもこの法律が施行されれば、この基準に到達することを目的として、行政指導も十分行なうつもりですし、万全の措置を講じたい。ただ、表現の仕方が多少誤解を招いているのではなかろうかと思いますので、この点については矢嶋委員の御指摘通りでございますので、さらに表現をいかにするかという点については検討してみたいと思っております。
  205. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 要望しておきたいと思います。いよいよあなた方は、この国会閉会と同時に立法作業にかかるわけでありますが、今あなたも私の主張を認められたわけでありますから、作業を続けるにあたりましては、十分私の主張が通るように、それを尊重して作業されることを強く要望いたしておきます。時間がございませんので、これで私は終わります。
  206. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  207. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認めます。ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  208. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記つけて。   ―――――――――――――
  209. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  それではこれより質疑に入ります。政的側出席の方々は、藤枝総理府総務長官佐藤総理府総務副長官、佐橋重工業局長、奥野財政局長、金丸競馬監督課長の方々でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言順います。
  210. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 総理府設置法に関連して、総務長官に二、三お伺いしたいと思いますが、安保国会といわれた三十四国会の最終段階で、安保条約をめぐるああいう混乱の中で、私ども、当内閣委員会では、農地被買収者問題調査会設置法案、これをいまだ本格的な審議に入らないままに、自民党は、単独審議でこの委員会を押し切り、さらに本会議でもこれを一方的に可決決定してしまったわけで、そういう経過から見て、私どもとしては、いまだにまだこの法は無効であると、そういう態度を打ち続けておるわけです。そこでお伺いいたしますが、この設置法からくる調査会そのものは、具体的にその後どうなっておるのかということを、具体的に一つお伺いしたいと思います。
  211. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 農地被買収者問題調査会設置法は、今お話のような経緯をもちまして通過をいたしまして、本年の七月一日から施行されておるわけでございます。それに、この調査会委員になる方々につきましては、この問題の重要性にかんがみまして、慎重に検討をいたしまして、先般、二十名の委員のうち十九名が決定をいたしまして、本日第一回の調査会を開きまして、諮問を出したという経過になっておる次第でございます。
  212. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 ところが、この調査会に関連して、一部の農村では、もう設置法も成立したことであるし、補償も間近に控えておる、そこで一つ資金を出してもらいたいということで、旧地主に向かって一人千円単位で資金集めをしておる、こういう事実があるわけです。そこで、まずお伺いしますが、こういう事実を担当の総理府として承知しておるのかどうかということをまずお伺いします。
  213. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) この農地問題に関連いたしまして、そういう資金を集めておるということについては、政府としては存じておりません。
  214. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そこでお伺いいたしますが、このような事態がありとすればという前提でなくして、現にあるわけです。私どもも、そういう陳情を受けておるわけです。そこでお伺いするわけですが、こういうことをこのままにほうっておくということは、安定しておる農村に非常にまた再び不安を与えるという、いろいろな悪影響が相当強いと考えなければならないわけです。そこで、総理府としては、さっそく厳密に調査して、これに善処する態度をもって臨まれる必要があろうと思われるのです。こういうことについては、いかようにお考えですか。
  215. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) これは、前内閣以来しばしば政府国会において言明申し上げましたように、補償のやり直しというようなことは、政府といたして考えておりません。本日諮問をいたしました諮問事項も、農地改革により農地を買収された者に関する社会的な問題及びこれに対する方策の要否について貴会の意見を求めるというような諮問をいたしたような次第でございまして、このこと自体が、しばしば前内閣時代に政府が言明申し上げましたように、補償ということを考えておるのではないことも明らかであると存じます。なお現在、御指摘の問題につきましては、さらに事情を調査いたして、善処いたしたいと存じます。
  216. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それでは、最後にお伺いいたしますが、今の補償の問題については、これは、言うまでもなく最高裁の判決がすでに下っておりますし、また、前岸内閣当時にも、岸総理を初めとして、当時の政府責任者は、口をそろえて、補償は絶対にいたしませんということを言っておる。今も、池田内閣についても、その態度にいささかも変わりがない、こういうことで私も了解するわけですが、そこで、さらに重ねて要望を兼ねてお伺いするわけですが、そういうことである一方、一部の農村では、補償はもう近いのだ、補償は具体化するという前提に立って、政府の態度と矛盾するような宣伝で資金集めをするというようなことは、善良な農民に非常な不安感を与えるということであるというので、従って、これはほうって貫くことは許されない。至急に調査を進めて、いわゆる資金集めなるそういう行為に対しては、早速中止の措置を講ずべきであろうと思うわけです。これに対する政府のしっかりした態度をお伺いしたい。これで私の質問は終わります。
  217. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) この買収された農地について補償があるであろうというようなことから、資金を集めているということは、政府といたしましては存じないところでございますが、どういう団体がどういうことをやっておりますか、至急に調査をいたして、善処したいと存じます。
  218. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  219. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記を始めて。
  220. 横川正市

    ○横川正市君 長官に伺いますが、内閣委員会では、委員会それから調査会、懇談会等を設ける場合には、本院では、しばしば任意に設けられることについて法律違反であることを指摘いたしているのでありますが、この点について長官として、この委員会の先のいろいろな審議を通じてきめられたことに対してどのようにお考えになっているか、まずその点を伺います。
  221. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 委員会調査会等でございますが、単なる行政部内の連絡調整のためのそうしたものにつきましては、閣議決定あるいは閣議了解等でやっているものもございますが、学識経験者等を入れまする委員会調査会等につきましては、これは、すべて法律事項として今後もやって参りたい、さように考えている次第でございます。
  222. 横川正市

    ○横川正市君 十二月二十一日付の朝刊に発表されております病院経常懇談会、これは、メンバーから見ますと、学識経験者その他を全部含めて、そして委嘱は二十一日に終わっておりまして、第一回の会合は、二十七日に東京プリンス・ホテルで行なわれるというふうに報道されておりまするが、それじゃこれは誤報ですか。
  223. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) ただいま御指摘のものは、おそらく厚生省が民間の意見も開きながらやる一つの懇談会というふうに私は心得ておりますが、いずれにいたしましても、正式に内閣総理大臣あるいは各省大臣諮問に答えて答申を出すような委員会調査会等につきましては、法律をもって今後もやって参りたいと考えている次第でございます。ただいま御指摘のものは、おそらく早急に病院ストに関連しまして経営問題等を懇談するための一種の懇談会ではないかと存じます。
  224. 横川正市

    ○横川正市君 これは、現在国会開会中なのです。それから、大体内容は短期間で持たれる趣旨で作られるようであります。しかも、三十五年十二月十六日に閣議了解ということになっておりますが、趣旨は、病院経営管理改善懇談会という名称です。しかし、事実は、おそらくこれは、現行の制度の中で困難を感ぜられて、そして学識経験者その他を入れて知恵を借りようということでありますから、従来法律事項としてきめられておりました委員会調査会と何らその性格は変わらない。しかも、期間的に短いというだけである。今までは一年とか二年、こういうことだと思うのです。しかも私は、これが国会開会中でないならば、あえて文旬をつける筋合いでないかもわかりません。早急解決を必要といたしますので。しかし、国会開会中であるし、こういう問題が出されるならば、委員会もこれに応じておそらく積極的に審議をして、また、その運営の仕方や人選等についてもいろいろ意見を言う、そういう機会というものがあってしかるべきだと私は思うのですよ。それを今、あなたの言うような懇談会形式だということで逃げて、そうして作って、もうすでに発足をさせてしまう、こういうことは、私は従来からの委員会のしばしば注意を喚起したことに違反をすると思うのですよ。これは、もうすでにそういう意味合いで発足したものでありますかも、今さらどうということもないのでありますが、将来の問題として、この際、総理府総務長官の考え方を聞いておきたいし、また、行政管理庁長官としても、この点について何ら意見を差しはさまないで、閣議了解をいたしたという点については、いささか前例を無視したような気がいたしますので、御所見を一つあわせてお伺いしたい。
  225. 山口酉

    政府委員山口酉君) 私から先にちょっと御説明申し上げますが、厚生省の方で、病院経営についての調査会のようなものを設けたいという意見を出して参りました。私どもの解釈では、行政組織法で、法律でなけれぱ作ることができませんので、そういうものは法案を出せということを申し入れたわけであります。ところが、そういう組織でない、運営としてやるということでございまして、それがかりにその調査会意見をまとめて出してもらうというようなものであれば、これは機関と見なければたらないから、法律違反になる、そういうふうに申しましたところ、そういうものは作らないということになっておったわけであります。従って、あとで新聞で見ましたわけでございまして、どうも新聞の報道が正確ではないように思いましたが、一応厚生省から説明を求めましたところ、これはまとまった意見を求める機関ではない。ただ、個々に厚生省で研究する段階で、個々に意見を求める、意見を参考のために聞くのだということで、その調査会としての、あるいは懇談会としてのまとまった機関的な意思を作るものではない、かような説明でございます。で、もしもそういうものでなく、まとまった意見を作るものであれば、現在国会開会中であるし、至急法案を提出するようにということを申し入れをしてあるのでございます。さような次第でございますから、それは、私どもでは、行政機関として、行政組織法上の機関として作るものでない、行政運営上の一つの方法である、かような取り扱いのものと心得ております。
  226. 横川正市

    ○横川正市君 私は、今これ以上時間をさいて審議をするということでなしに、長官とそれから総理府総務長官意見を伺っておけばよかったわけでありますが、今、山口さんの説明のようなものでないことだけははっきりしています、これは人選からいきますと。ことに十五人の所在地を見てみますと、たとえば十条製紙の常務だとか、東北大の教授であるとか、地域的にも相当広範です。ですから、ちょこっと経営について権威者の諮問を聞こうということならば、実際に研究しておるところに行ってどうだろうかと言って聞いてくる程度のことにたるはずだと思うのです。そうではなしに、これだけの機構を持ち、期間からいっても、当面非常に急がれております病院経営の問題に対しての諮問でありますから、短いのが当然であって、そうして現在国会開会中である。こういうことなんですから、私は、おそらく厚生省は、あなたの方から強い意思表示を受けて、そうして答弁をした内容と作ったものとは違う、こういうふうにおそらく指摘されれば、この点について相当大きく反省することになるのではないかと思うのです。しかし、当面の問題としてはやむを得ないから、私は、将来こういうことのないように、行管とそれから総理府長官として、一体どういう御所見かを聞いて、次の質問に移りたいと思うわけです。この際、これから一つ明らかにしていただきたいと思います。
  227. 小沢佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) この問題は、今、山口行政管理局長が言いました通り、行政の運用だけだというのでこしらえたようなわけでありまして、今後こういう問題は注意して参りたいと思います。
  228. 横川正市

    ○横川正市君 そこで、この総理府設置法内容に入るわけでありますが、私は、この問題は非常に微妙な内容を持っておると思うのです。その第一は、これは、一般世論でどれだけ賛成で、どれだけ反対かという点については、これは採決をとるわけじゃありませんからわからないと思います。そこで反対は、実際上は社会問題やら、その他いまわしい犯罪問題に関連をして、そうしておのずと世論というものは盛り上がってきておるのだろうと思います。かたや、この中にいわれておりますように、産業の振興やら、あるいは地方財政に寄与する、こういう問題で賛成意見と、こうあるわけですね。私は、この設置法というものが出されるに至った政府の考え方というのは、一体存置を主要な目的にして、そのためには反対側に対して、どういうような理由を作ろうとするのか、あるいはまた存置しようとするならば、反対意見に対して、それをいれて、運営等で、どういうふうな運営をしたらいいかをきめてもらおうとするのか、いろいろ設置法の提案については私は問題があろうと思うのです。しかしその場合に、いつも私は設置法のときに思うのでありますけれども、それらの問題を一切含めて、そうして諮問するのでございます、こういうことが答弁として出されるわけです。しかしそれならば、今度は、委員会の構成メンバーである人的な人選は一体どうなるかということになりますと、その点については、もうほとんど国会審議の場所からは遠のいてしまう、こういうきらいがまま見受けられるわけであります。私は、少なくともこの問題は相当重要性がありますので、提案にあたっては、やはり政府の考え方というものを明確にして、その上で、それはいいか悪いか、これの諮問をするという形をとるべきだと、かように私は考えるのでありますが、長官として政府の考え方を一つ明らかにし、将来の運営等についても、この際お聞きいたしておきたいと思います。
  229. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 御指摘のように、公営競技につきましては、一面においていろいろな社会悪の根源にもなっておるというようなことから、相当きびしい批判があります。しかし、また一方、この公営競技に関連して生活をしておる人もありますし、また、地方財政その他の問題もございます。かような点で、政府といたしましては、実は現在廃止の方向か存続の方向かということをむしろきめかねておるという状態でございます。それで、むしろ利害関係のない、公平な第三者の御意見を伺って、それによって施策をすることが妥当と考えて、この改正法を出したような次第でございます。
  230. 横川正市

    ○横川正市君 実は、非常に私はその点は遺憾だと思うのですよ。おそらく政府としては、たとえば地方財政について国がどういうふうに見るとか、それから、産業の振興についてはこういうふうな方法もあるではないかと、現在のような競輪の方法をとっておれぱ、利益の面もあるけれども、きわめていかがわしい不利な面が出てくる。そこで、不利な面をなくすためには、競輪をやめて、そして必要な問題は、地方財政とかあるいは産業の振興とかいう問題、これは別の方法をとりたい、こういうような考え方が出てきて、なおかつ、このいろいろな問題について、政府自身ではなかなかその結論がつかない問題があるから、そこで諮問をしよう、こういう考え方ならば、私はうなずけるのです。なぜなら、全体的にはこの競輪廃止の方向に持っていったのを、この競輪存続の団体から相当大きな圧力がかかってきて、そうしてきめかねるという状態に追い込まれた、こういう過去の例もあるわけでありますから、私は、そういうような実例から推してみて、今回の政府の考え方というのは、いささか私は圧力団体に迎合し過ぎたきらいがあるのではないか、こういうふうに考えるのでありますが、長官としては、私の考え方についてどのようにお考えになっているかをお聞きしたいと思います。
  231. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 政府といたしまして、いわゆる圧力団体からとやかく言われたことがないのでございますが、ただ、何分にも長い間やって参りまして、それによって生活をしておる人もありますし、地方財政関係もございます。さような点からいたしまして、この存否の意見についての公正な御意見を承りたいと考えたのでございますが、もちろん、横川委員が御指摘のように、相当社会悪の根源の一つとも言われておる、世論もきびしいのでございますから、それらの点も十分政府といたしましては考え、また、これに対処する方法も考えていかなければならぬと思いますが、現段階といたしましては、そういうことをくるめて、この調査会の御審査に待つということが妥当ではないかと考えた次第でございます。
  232. 横川正市

    ○横川正市君 この設置法で設ける場合に、私は非常にふに落ちかねるのは、前向きでもってその問題を解決するために頭脳の集中をはかろうと、民間のですね、そういう形で調査会設置がされる、これが従来も私はほんとうじゃないかと思うのですよ。そうではなしに、今あなたの言われるように、賛成になったらいいのか反対になったらいいのかわからないと、しかし、民間の意見は一体どうなのか聞いてみよう、これじゃ調査会の設置の根本的な前向きの姿勢というものを放棄したことになると思う。すでに競輪なんかについては廃止した府県もあるわけであります。廃止したのは、それはそれなりに、財政的にも、あるいはまた産業の振興上から見ても、その県では最も最善な方法として私はとったと思うのですよ。一つの県が廃止に踏み切り、一つの県が廃止に踏み切れない。踏み切れないのは一体どこに原因があるのか。そうすれば、前者はある程度財政的な面でもカバーできたが、後者の場合にはそういう問題がカバーできない、こういうところに社会悪をみすみす見ておりながら廃止のできないという地方団体というものの姿があると私は思うんですよ。ですから、これはまず、いいものか悪いものか、土色をしておるのか、灰色をしておるのかわからないから、これは一つ何色なのか見てくれないかというような、そういうものではなしに、もうすでに世論の中からも、それから現実の問題として、廃止に踏み切ったという実情もあるわけなんですから、そういう意味合いからすれば、私は、政府は少なくとも、調査会を設置するについては、はっきりとした態度をもって、そのことを実施するために、一体どういう方法を選んだら一番いいのか。今言うように、これによって生活をする人もある、あるいは財政的にも依存する、こういう点もあるんですから、本来ならば、政府みずからある程度の考えをもって実施すべき段階なんだが、いろいろな問題があるので、一つ権威者に諮問をしようじゃないか、こういうふうに出てくるのが私は――これは非常に単純に問題を見過ぎると言われるかもしれませんが、この問題に関する限りは、そう見ていいんじゃないか。どういう理由がついたにしても、大半が零細極貧の人たちが一獲千金を夢みて、犯罪すれすれのところで競輪を楽しんでいるというものが、これが大衆娯楽になりますか。私は、大衆娯楽をいうのはそういうものではないと思うんですよ。競輪に行く人の切実な目や、あるいは態度なんかを見ていると、そんな娯楽なんかというようななまやさしい、この提案理由の中に出てくるようなものじゃないと思うんですよ。そういう点から、私は、少なくとも政府の態度が前向きの態度で調査会を作るならば、そういう意味合いで諮問をすべきだと思う。ところが、一歩足は後退させておいて、逃げ口上がなくて、口上を求めてのに諮問をするということでは、この問題は非常に大きな社会悪を内在いたしておりますから、私どもとしては、非常に納得しがたいわけなんであります。この点、一つ重ねて御意見を伺いたいと思います。
  233. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 競輪、競馬その他の公営競技について、ただいま横川委員のおあげになりまするような非常なきびしい批判のありますることは、十分承知をいたしておりますし、政府といたしましては、ただいまお言葉にあったような、何か存続するための理由をこの調査会で求めるというような考えは毛頭ないわけでございます。しかし、これらの廃止された場合のいろいろな影響もございますと思いますので、前向きと申しますか、どういうふうに言いますか、政府としては、非常にすなおな考え方でこの調査会の御意見を伺おう、こういうことでございます。
  234. 横川正市

    ○横川正市君 時間がないので、私もこれについてさらにただすということはできませんが、私の気持をわかっていただくならば、次の、一体この調査会の人選について、これは、生かすも殺すもおそらく人選の中できめられる問題だと思う。ただ政府は、反対側半分、賛成側半分で、ちゃんぽんにすれば、これは結論の出ない問題なんです。ですから、そういう意味合いでは、人選というのはきわめて大切だと思うんですが、これに対して、長官としてどのようにお考えになっているか、お聞きしたい。
  235. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) ただいまお話のありましたように、この委員の人選がこの調査会結論には相当なウエートを持つわけでございます。そういう意味で、十分に慎重に人選をいたしたいと思いますが、目下のところ、委員の数は二十人程度といたしまして、利害関係のない公正な第三者を選びたい。ことに学界、言論界、経済界、スポーツ関係者等の中から利害関係のない人を委員に選ぼう、そういう考え方でございます。
  236. 横川正市

    ○横川正市君 私は要望を申し上げておきたいと思うのでありますが、今の言葉をそのままとって、十分一つ厳選の上で人的構成をしていただきたいということと、もう一つは、大体調査会の設置をされ、あるいは委員会の設置をされ、委員がきまりますと、非常に重任に重任を重ねた人たちが選ばれるというきらいがあるわけです。そのために、出席表をとりますと、ほとんど調査会というものは、一部少数の人たちによって運営され、結論づけられるという傾向が出ておるわけでございますから、この点についても十分配意をされ、選ばれるように、この点を強く一つ要望いたしまして、私の質問は終わりたいと思います。
  237. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それでは、簡潔に二点だけお尋ねしたいと思うんですが、横川委員の基本的な質問で大体尽きると思うのです。ただ私は、政府部内の具体的に論議されている状態を聞きたいんですが、これに対する関係各省相当あると思うのです。特に私の聞いておるところでは、この廃止によって地方財政に及ぼす影響が大きい問題だと言われておりますが、こういう関係から政府部内でも、先ほどの質問に関連性がありますが、政府としては、この調査会を設置する前提として、公営競技というものを廃止するんだというまず前提で調査会を設置するのか、全然そういうことなくして、ただこの調査会の答申によって態度をきめようというのか、その点のいきさつをちょっとお知らせを願いたいと思います。
  238. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 先ほどもお答え申し上げましたように、一方においてこれに対する非常な非難と申しますか、世論もございますが、一方において財政の問題その他生業の問題等もございますので、政府といたしましては、目下その存否についてどちらに傾いておるということではございませんので、この調査会調査にまって参りたい。しかし、この調査会を設置いたしましたゆえんのものは、公営競技に対しまして相当なきびしい世論もあるということは、その前提になっておることは、これは事実でございます。
  239. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 まあ表面の答弁としてそう言わざるを得ないと思うんですが、それは、競輪、競馬とは若干ニュアンスが違いますけれども、これはもう賭博行為だと思うのです、現実の実態は。そういうものを政府が存置していいんだということは、今日の情勢から、そういうことは言えないと思うのです。ただ、これに関しまして、いわゆる利害関係のある団体が、団体だけじゃなく、それに従事する人々の生活をどうするか、こういう問題があるから、非常に悩んでおられると思うのですけれども、廃止するという方向というものは、これは一本筋が入っておると思う。そこで私は、本質のこれの廃止かどうかという問題と、調査会を設置する問題と違いますけれども、この調査会を設置するにあたって、やはり政府としては、そういう前提というものを腹に持っておいてもらいたい。少なくともこういう競輪、競馬というものを廃止するとなれば、大きな政治力が要ります。強い抵抗がありますよ。その抵抗を押し切ってもやろうというのが、この調査会委員の意向ではきまらないですよ。二十人くらいではきまらない。そこに私は今の政府の政治力というものが必要だと思う。その点は十分考えておいてもらいたいんですが、その点について、政府としては、今基本的にはそういう方針はきまっていないと言われますけれども、もう一度、ガンになっているところ、問題になっているところはどこであるかということを一つ知らしてもらいたい。
  240. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 御質問の要旨は、あるいは取り違えているかもしれませんが、そうでありましたら、あらためてお教えいただきたいのでございますが、政府が現在存否について何ら先入観をもっていないと申し上げたのでありますが、一面において、公営競技のかもし出すいろいろな社会悪というようなものに対するきびしい世論、ただ、これらの競技が始められた当時のいろいろないきさつもございますが、それも十年もたっているわけであります。しかし、長い間にわたって、この競技に関連して生活をなすっている方々もあるし、また地方財政その他の関係もございまして、こういう点と、また、先ほど完全に賭博行為だというお話もございましたが、とにかく十年間こうしたものがあった。これが全廃された場合に、一体国民の動向がどういう方向に向くだろうかということも十分考えていかなければならぬと思いますので、そうしたものをあわせて一つ調査を願いたいと考える次第であります。
  241. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 この調査会が設置されて、私はいろいろと注文があるのですが、私の見る目では、こういう公営競技に関心を持ち、またそれによって楽しんでおると申しますか、やっておる人間は、私は国民のほんの少数だと思う。延べは非常に多いけれども、これはもう一つの習慣でやっている人が多いのですから、国民全般の政治を預かる政治家としては、もう廃止するというのは、これは当然だと思うのです。ただ私は、それに従事している人々の生活を今後どう保障するかという問題が、これは一つ問題点であると思うのです。  それからもう一つ地方財政の問題で言っておきますが、そもそもこれを公営に許したというところに、そういう点もあったと思う。しかし、地方財政をまかなうために、こういう賭博行為を公然国が認めるということは、これはもう政治の邪道だと私は思っている。私は、この設置法については、わが党も一応賛意を表しているようでございますから、これに対しては有無を申しませんけれども、その後における政府の態度をここでちょっとただしておきたい。  第二点の、先ほど言われた委員の任命でございますが、これは、先ほどちょっと答弁を聞いておりますると、全然この事業に関係のない人から選ぶと言っておりますが、私は、それでは逆に意味のないものになると思う。全然これに関係のない、そういった方々を入れると、そういう人の考え方というものは、私は出てくるのは当然出てくると思う。従って私は、そう考える方がおられるというところに、政府の一応そういう方針はきまっているけれども、何とか民主的に方針を出したのだという、政府の今後のある一方からの非難を免れる隠れみのにしようという行き方になさるのじゃないかという疑いをもつものです。この点についてどうですか。
  242. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 政府といたしましては、決して政府の施策の弁解のためにこの調査会を作ったのではないのでございまして、いろいろな問題を投げかけているこうした問題につきまして、公平な第三者の御意見を承りたい。そうして政府の施策の指針にいたしたいと考えておる次第でございます。なお、国会等で御論議のありましたことは十分に政府承知をいたして、今後とも当たって参りたいと考えておる次第でございます。
  243. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 重ねて聞いておきますが、今の言われたことは私は信じておりまするが、確かにそういう、この事業に実際直接関係のある人は入れないということは間違いないでしょうな。これを一つ重ねて答弁願います。
  244. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) こういう調査会の性質でございますので、やはり利害関係のある方は入れない方が妥当であると私は考えております。
  245. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 私は、あなたに権限があるかどうか、これは別ですが、妥当であるかということを聞いておるのじゃない。先ほど横川委員質問に対する答弁は、そういう者を入れないということを言われたと私聞いておる。従って、私は入れないということを聞きたいのです。
  246. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 入れない方が妥当であるという考え方でございますので、入れない方針でございます。
  247. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それではもう一点だけ、これが実は三十六年の九月三十日までであるとなっているのですが、もうわずか一年足らずで、総会十五回程度を予定している。これで結論が出るかどうか。私は、この内閣委員で、いろいろその他の調査会審議しておりますが、たびたび延長するという話があるのですが、これはもう一年足らずで結論が出るという見通しですか。その点は一体どうですか。
  248. 藤枝泉介

    政府委員藤枝泉介君) 御承知のように、例の振興費の期限の問題等もございますので、この九月末までには、ぜひとも御勉強を願って結論を出していただきたいと考えておる次第でございます。
  249. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 これ以上総務長官に尋ねることは無理だと思いますので、質問を打ち切りますが、私は言っておきますが、このような重要な問題が、しかも多年問題になってきたやつを、この一年間で、しかも関係のない、ズブのしろうとの人が調査会を十五回程度開いて、一年以内に結論が出る問題ではないと私は見ておる。もしそれが出るというような問題であれば、もっと早く政府が措置をしていると思うのですが、そういう問題でございますので、一年よりもっと短く済んだらいいけれども、一年で上げるというふうに善意に解釈して、私はこれで質問を終わります。
  250. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 数時間政府委員並びに説明員の方お待ち願いましたので、一問だけいたします。  それは、本法律案は、前国会において成立した関連法案とあわせ考えるときに、今日まで立法府で成立さしていなかったことはむしろ立法府の怠慢であって、この点については私は問題はありませんが、ただ、その調査会の公正な運用については、それぞれの委員から強く質疑がされ、要望されましたから、その点を十分提案者側において成立の暁においては配慮していただきたいことを要望し、一つの意思表示をいたし、一点を伺うわけです。それは、この提案理由の中に、「また一方国民大衆的娯楽としましても現在まで大きな役割を果たして参りましたことは御承知のとおりであります。」、もちろんそのあとで、「しかし」云々とありますが、こういう表現の仕方をどなたが起案をし、また主管大臣である池旧総理大臣がどういうお気持でサインをされたかは、はかることはできませんけれども、私は遺憾の意を強く表明いたしておきます。若干ピンぼけがいたしておるということを意思表示いたしておきます。  お伺いいたしたい点は、関連政府委員がおいでになっておりますので、数字だけ伺っておきますが、競馬、競輪、小型自動車競走及びモーターボート競走、これらについて、過去一ヵ年間に動いた金額はおよそ幾らで、関係団体並びに関連産業に流れた金額はおよそ幾らで、また交付金として配分された金額はそれぞれ幾らであるかという点について、関係局長から御答弁いただきます。  それと、皇居造営審議会の廃止がここに規定されているわけでありますが、皇居造営審議会の運営の経過と結果と今後の見通しについて、宮内庁次長から答弁をいただきます。そうして、まことにおそれ入りますが、時間が迫っておりますから、各答弁者は、三分以内に制約して答弁していただきます。
  251. 奥野誠亮

    政府委員(奥野誠亮君) 便宜私から、地方財政に寄与している関係もございますので、申し上げたいと思います。  三十四年度の実績でございます。競輪の年間開催回数は六百九十五回、売上高は七百九十一億円、施行団体の収益金は八十七億円、社会福祉競輪拠出金として拠出された額が四億一千八百万円、振興費に振り向けられましたいわゆる第一号交付金が十億円、日本自転車振興会に対する第二号交付金は二億円、都道府県振興会に対する委託経費が十八億円であります、  地方競馬の開催回数は三百五十一回、売上高は二百六十億円、収益は二十二億円であります。  モーターボート競走は、開催日数が三千五百五十八日、売上高は二百四十四億円、振興費、いわゆる第十九条の交付金でありますが、二億円、競走会への交付金、いわゆる第二十条の交付金でありますが、十億円、地方団体の収益になります部分が十一億円。  小型自動車競走については、開催回数が五十九回、売上高は六十五億円、振興費が八千九百万円、競走会への交付金が三億円、地方団体の収益が五億七千万円となっております。
  252. 瓜生順良

    説明員(瓜生順良君) 皇居造営審議会の設置の経過のことを申しますが、昭和三十四年の、つまり昨年の六月に皇居造営審議会が設置されまして、審議会は七回にわたって開かれました。なお、審議会の中の小委員会というのが数回開かれました。昨年の十月の八日にその答申が内閣総理大臣あてに出まして、この答申を受けまして、政府といたしましての閣議決定が本年の一月二十九日にございました。皇居造営審議会の答申の趣旨を尊重してやっていくというこまかいことは省略いたしますが、そういう趣旨の閣議決定がございました。本年度に入りまして、この皇居造営審議会の答申の御趣旨に基づいて、この御答申の中に、なお専門家の意見を聞いて万全を期するようにということがございましたので、本年に入りましてから、建築の専門の方十人の方にいろいろ御意見を聞きまして、その御意見を尊重しまして、最初の考え方が、設計は二年くらい、工事期間は五年くらいというふうな考えでございましたが、設計はもっと時間をかけた方がよいということで、設計期間を三年に延ばし、工事の方はまあ四年くらいでよかろうということで、これを短縮する。それから、こうした工事をやるには、設計の主任者としてりっぱな人を置かなければいけないということもありましたので、設計の主任者といたしまして、芸術大学の助教授の吉村順三さんを委嘱する。顧問として、学士院会員の内田祥三さん、東大教授の関野さん、それから建設省の建築研究所長の竹山さん、そういう方を顧問に委嘱をして、現在設計の主任者、顧問並びに事務をやる者がいろいろお打ち合わせをしながら設計の段取りに入っておりますけれども、そういう状況でございまして、まだ段取りに入ったという過程でございます。なお一方、御答申の中に、皇居の東側地区、これは、宮中行事に支障ない限りは一般に公開するようにと、そのためには、これはまあ現在のままではいかないので、これを皇居付属の庭園とするように整備をするということがございました。これの実現のためにも、公園、庭園の専門家三名の方に御意見を聞きまして、一応の案を練りつつあるわけであります。これも、来年度の予算から少しずつお願いして整備をやっていく。皇居のできまする前にはその整備ができ上がって、宮中行事に支障のない限り一般に公開するということも実現できるように運びたい、こういうふうに考えております。なお、両陛下のお住居の方は、これは本年度と明年度で工事をするということで、この方は、本年の七月の初めに起工式がございまして、本年度中にこのお住居の主体工事、つまり仕組みの工事、外装工事を終える予定でございます。明年度は内装の方の工事、つまり仕上げの方をやって、来年の暮れぐらいまでには完成をするということでやっておりまするが、現在工事進行中でございまするが、順調に進行いたしております。  以上でございます。
  253. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 一言だけ、質問はいたしませんが、ただ、答申にありました東側地区を一般に公開するというのについて、この公園化について専門家三人を委嘱して云々ということですが、皇居のできる時と時を同じうしてということでございますけれども、皇居のでき上がるのは、あなたの答弁では七年かかるわけですね。従って、東側地区の一般の公開というのは、七年もかからなくても、もう少し早くできそうなものだと思うのですが、いかがなものですか。
  254. 瓜生順良

    説明員(瓜生順良君) 表現がまずかったかと思うのですが、皇居が完成する前にということでありまして、大体四、五年ぐらいを考えておりますから、皇居の完成よりも二、三年早めにということで計画を練っております。
  255. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 他に御発言もなければ、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  256. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認めます。   ―――――――――――――
  257. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) それでは、もとに戻りまして、行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、先刻質疑を終局しておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べ願います。
  258. 横川正市

    ○横川正市君 私は、日本社会党を代表いたしまして、ただいま提案されました行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案に、附帯決議を付して賛成するものであります。以下、その理由を申し上げますが、まず附帯決議を御披露申し上げます。    行政機関職員定員法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   内閣委員会は、次の三点につき今後政府が十分検討を加え適切な措置をされることを強く要望する。   一、政府は本法により定員外職員定員に繰入れるに当り、その者の身分、職種のみによらず、その者の在職期間の長短にも留意して選考せられたい。   二、今回、本法により定員に繰入れられなかつた残余の定員外職員についても、政府は速かに検討を加え、その定員内繰入れが実現するよう予算上及び立法上の措置を講ぜられたい。   三、郵政省に於ては、今回の改正を以ても猶業務の渋滞を来す恐れがあるので、政府は三十六年度に於て速かに業務量に見合う合理的な定員を確保し以て業務の円滑な運営を期するよう善処せられ度い。     右決議する。  この改正案は、業務増加に伴う定員の改定をせんとするものでありますが、現実には、この増員は、多くの委員によって明らかにされました通りで、ことに、五千名程度の原案に対する改定では満足するに足らないものであることは明らかであります。しかもこの点は、担当省庁のそれぞれの方々の立場から、業務運営に支障あることが明らかにされているところで、数の上ではきわめて僅少であり、今までの経過からいたしまして遺憾であると思うのであります。また、身分的には、人権問題も含めて、重要な社会問題が内在いたしております。将来に不安を持ちながら仕事をするという、そういう問題に対する措置が放任されているという点、また、従来臨時に雇用されている者は、臨時雇用の意味から本務者より高い賃金を払われるということが通例になっておりますのに、現在はその逆でありまして、臨時者ゆえに冷遇をされ、日々生計の足しにもならないで、ただ本務化を期待して忍従をいたしている点であります。考えるに、全く論外の措置と言わなければなりません。しかしながら、政府が本委員会審議を通じ明らかにされましたように、次期国会において定員法の撤廃並びに適宜の措置を構ずることによって抜本的に改善する誠意ある約束のあることを了といたしまして、賛成いたす次第であります。
  259. 村山道雄

    ○村山道雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま付議されておりまする行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案に賛成をいたします。  その理由は、本年度の定員外職員定員への繰り入れにつきましては、衆議院修正による増員もございましたので、現在の段階におきましては適当なものであると認めるからでございます。  なお、一言付言いたしますが、社会党の横川君の提案されました附帯決議案に対しましては、この委員会で論議を重ねられました点でもございますので、賛成を申し上げます。
  260. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 他に御意見もないようですが、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  261. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  262. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次に、討論中に述べられました横川君提出の附帯決議案を議題といたします。横川君提出の附帯決議案を本委員会の決議とすることに賛成の方挙手を願います。  〔賛成者挙手〕
  263. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 全会一致と認めます。よって横川君提出の附帯決議案は、全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  264. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、小沢行政管理庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。
  265. 小澤佐重喜

    国務大臣(小沢佐重喜君) ただいま提出されました一項より三項目に至るまでは、すべて適切なものでありまして、政府はつつしんで励行いたします。     ―――――――――――――
  266. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、総理府設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、先刻質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。――別に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  267. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。総理府設置法の一部を改正する法律案を問題に供します。本案を原案通り可決することに賛成の方の挙手を願います。   〔賛成者挙手〕
  268. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例によりこれも委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  269. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。     ―――――――――――――
  270. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 次に、今期国会において本委員会に付託されました請願第一号、滋賀県の寒冷地手当に関する請願外二十六件の請願を一括して議題といたします。慣例により速記を中止して審査いたします。  速記をとめて。   〔速記中止〕
  271. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 速記を始めて。  ただいま御審議願いました恩給関係四件、給与関係十八件、共済組合関係一件、防衛関係二件、合計二十五件の請願は、議院の会議に付するを要するものにして、内閣に送付するを要するものと決定して御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  272. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、報告書については、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  273. 吉江勝保

    委員長吉江勝保君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十五分散会