○長谷川(保)
委員 よくわかりました。
そこで、昨日お伺いいたしました私学の授業料の値上げの問題でありますが、また同志社大学でも値上げが昨日決定をいたしまして、そうして学生が不満を持ってハンスト等を始めたという記事を拝見したのであります。この私立大学の授業料等を値上げする問題は、職員の給与の引き上げ問題とともに、下手をまごつくとまた病院ストのような泥沼に入るようなことになりはせぬかと私は心配をするのであります。ただいまお話いただきました資料等によりましても、国立大学の学生に支出いたしまする国の費用というものと、私立大学に出しまする国の
補助金学生一人当たりの費用というものがあまりにもひどく違い過ぎておるということを
考えるわけであります。もちろん、国立大学は国立であり、私立大学は私立でありますから、それを全部国が
負担するということはあり得ませんけれども、あまりにも大きく開き過ぎているではないか。十二万四千五百四十七円、四千六百五十七円という違いでありますから、一人についておそろしく違っておるわけであります。新聞の報ずる
ところによりますと、多分これは間違いない数字だと私も思うのでありますけれども、中央大学におきましても、あるいは慶応大学におきましても、同志社大学におきましても一律に引き上げがなされるようでありますし、その引き上げられまする額から申しまして、たとえば中央大学では、入学時に必要な金は、文科で六万七千四百円、工学部で八万三千四百円、また、授業料は、法経商文学部等で一万一千円引き上げられて三万五千円になる、工学部では一万四千円引き上げられて四万円になる、こういうようなことであります。この間私はある女子医科大学の経理の書類をちょっと拝見いたしました
ところが、あるいはその数字の違いかもしれませんが、一人当たり入学に要します金が数十万円、その額はあまり大きいので、私も疑いを持っておりますから、今その額を申し上げませんけれども、私の受けとりました書類によりますとずいぶん大きなものです。多分
寄付金だと思いますけれども、数十万円を要しておるのであります。これはその大学の書類であります。でございますから、一人当たりそれくらいの平均の入学金を要するということになっております。そういうことは、医科大学等を除きましては、あるいは工学部等においては相当あるかもしれませんけれども、まれな例だと思いますけれども、いずれにしても、今日こういうような国立大学と私立大学とに学ぶ学生がこれだけ大きな違いをしなければならぬ、それを
父兄が
負担しなければならない、あるいは本人がアルバイトしなければならぬ、こういうことはしておくべきことではないと私は思う。これはやはり今日この問題が社会問題として大きくなって参りません先に相当な手を打つべきではないかというように思うのであります。あまり大きな問題でありますから、もちろん一挙にどうするということは困難であろうと思いますけれども、私は、こういうようになって参ります大きな原因は、昨日ちょっとお伺いしようとしたのでありましたが、私立大学が最近
施設、設備、建物等を非常に大きなものを作っていったその借金の問題、その
施設費あるいは設備費の問題が大きな問題だろうと思うのです。私立
学校振興会の方へは国の
補助が五十億円か幾らか出ておるようでありますけれども、それくらいではとても足りないのであって、もっと大きな金を出し、あるいは適当な方法、——昨日
西村委員からお話がありましたような、こういうような教育
事業、公共的な
事業に対しましては
寄付金等を無税にするというような方法、その他ずいぶんと
努力すればやれる方法があるのではないか、ことにこのようなある意味では景気のいい時代にはそういうことに着手する絶好のチャンスではないかというように思うわけであります。前にも一度申し上げたことがあるかと思うのでありますけれども、私も、アメリカへ参りましたときに、あまりアメリカの大学がりっぱでありますから、その
財源についていろいろ調べたことがあるのでありますけれども、ことに相続税などを、相続いたします財産あるいは遺産を寄付した場合には相続税を出さなくてもよろしいというようなことになりますれば、ずいぶん違ってくるんではないか。アメリカにおける相続税の税率というのは非常に高いのでありますが、それだけに大学あるいは病院、慈善
事業等に対する遺産の寄付ということが非常によく行なわれる。それがアメリカの大学や図書館、研究設備というものを非常にりっぱにしておる。私が当時調べた
ところの記憶によりますと、そういうような公共
事業に遺産を寄付します場合には、遺産をそういう
ところへ寄付してもよし、あるいは税金として納めてもよし、どっちでも本人が選択してよろしいのだというように伺いまして、なるほどと思ったのでありますが、こういうように日本のような勉強をしたい学生が非常にたくさんあり、これは私は決して悪いことではないと思うのです。駅弁大学とかなんとかずいぶん悪口を言うのでありますけれども、青年諸君が勉強をしたいという意欲を持っておることは何よりけっこうであります。そういう学生諸君の意欲を十分に満たしてやることは、やはり政治を担当する者がほんとうに真剣にやらなければならぬ。私、カリフォルニア州の
法律を調べたときであるかと思いますけれども、カリフォルニア州では、いわゆる日本で言えば短大あるいは専科大学と申しますか、二年もしくは三年制の大学を
公立のものは全部無料でやる、また、大学キャンパスを入学の
希望者があれば無制限に広げなければならぬというような
法律ができております。やはりそれだけの学生諸君に対する深い配慮というものを文化国家というようなことを
考えるたらばすべきであり、また、日本の将来の国運ということを
考えるならば、そういうことに十分力を尽くすべきであると思うのです。
いろいろ申し上げましたけれども、まず最初に私が申し上げました私立大学の負債、そういうような
施設、施備を新設、拡張して参りますための負債槻いうものが一体どんな事情になっておるのか、また、その利子等にどうなっておるのか、その点を昨日お願いしておきましたが、お調べになってきておりますかどうか、お調べができておれば伺いたい。