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石橋(政)
委員 大臣もこういうやり方にはあまり共感されないようでございますからけっこうだと思います。しかし今後のこともありますし、もう少しこれは明らかにしてみたいのですが、実はこういう意見発表が校内で行なわれたのを見て、塚本という駐屯地司令が、このプリントですが、これを刷って主として
自衛隊の子弟を対象としたとは言っておりますけれ
ども、各家庭にずっと入れているわけですね。ところがこの反論の方がまことにもって政治的な発言をしているのですよ。それから私たちに言わせれば独断に満ち満ちているのです。しかもそこには先入観が入っているのです。子供が平和についてこんなに真剣に考えているというようにすなおにとらないで、これは先生がやらせているのだ、こういう先入観に基づいて
措置をとっているようです。そうだとするならばなおさらのこと、
最初に学校の先生に会って、そして
事情をよく聞くなり何なりすればいいけれ
ども、先生の方が問題にして司令に会見を申し込んで、その結果、どうもその点は自分たちに間違った先入観があったようだ、子供に書かせたと自分たちは思ったからやったのだということを言っているようです。どだいこういう
措置をとる前にそういう先入観を持っておったところに問題があるのです。
あとでまたほかの
事件もありますけれ
ども、どうも千歳では問題が多過ぎる、政治的な動きが多過ぎるのです。十分に注意していただかなければならぬと私は思う。
そこでこの反論でございますけれ
ども、いろいろなことを言っております。これは全部読んでおったら時間がございませんから、ちょっと申し上げますと、
アルジェリヤ、スエズ、ラオス、南米等の紛争は決して単なる共産主義と自由主義国の争いではありません。民族の独立や後進民族の特別の
事情等が原因です。或学者が歴史が始まって以来の戦争の原因を研究して見たら、その原因の数は数億件に達したとのことです。戦争の原因をそんなに簡単なものと考えてはいけません。
こういうような文章が一つ出てきております。
最初に読んだアルジェリア、スエズ、ラオス、南米、こういうものの紛争が、単なる共産主義と自由主義国家の争いではないというのもまた一つの見方でしょう。しかしその両者の対立がまた現在発展しつつあるものもある。こういうものについても見解は当然違ってくるのじゃないかと私は思う。また学者の説だといって、戦争の原因には数億件あるなんて、これは独断ですよ。簡単なものと考えてはいけません。数億件あるというなら、私は数億件もお伺いしようと思いませんが、五十件でもいいですけれ
ども、どんな原因があるのか教えてもらいたいくらいだ。これは
防衛庁からでもいいですよ。この駐屯地司令なる者は数億件あると言っている。私はそんなにたくさん要求しませんから、五十でもいいです。あげてごらんになるならあげていただきたい。子供に対してこんなにめちゃめちゃなことを言っている。しかも学者の説だなんて権威がましいことを言っている。
まだあります。
世界各国は今水素爆弾や原子爆弾をそんなにどんどん作ってはいません。
これも独断ですよ。いかなる
根拠に基づいてそんな独断を述べているのですか。これも
防衛庁の方で、この司令がやったのだとおっしゃるなら、
根拠を示して下さい。
それから軍縮のことについても、
軍隊は世界的に見ますとふやしてはいません。アメリカも、ソ連も、その他の国々にも出来るだけ小さく縮少しようと努力しています。
それではここに書いてあるだけでもいいです。アメリカもソ連も小さく縮小しようと努力しているというならば、ソ連の場合はわかりますが、アメリカはどういう形で縮小しているか、これも
説明していただきたいところです。
それから一番問題なのは、
日本の自衛力は、まだまだ少いので、当分の間信頼出来ると
国民が思っているアメリカと手を結んで力を合わせ、平和をたもとうと考えています。それが安全保障条約というものです。
これは純然たる政治的発言ですよ。あれほど
国民の広い層にわたって安保条約反対という運動があった。これくらいのことは知っているはずです。そういう非常に有力な意見があることを伏せて、独断的に安保条約の礼賛などを一
自衛隊の司令ごときがやっていいのかどうか。こういう政治的発言が許されるのか。この点についても私は見解を聞きたいところです。
それから最もけしからぬと思うのは、
おだやかな話しあいでことを決しないで、
法律を無視した暴力的
行動を平気でしたり、平和平和と毎日さけんでいるだけで、自分の自衛力の
充実をおこたっていると却ってあぶないのです。
これは私たちのことを言わんとしているのでしょうが、こういうことを子供にまともに向かってやることを容認されるのですか、これもお伺いしたい。容認されるならわれわれの立場から有力な反論もあるのです。それでは私たちが意見をどんどん書いて
自衛隊に持っていきますから、それを入れていただけますか。私たちが行って講演してくるのを許してくれますか。あるいは
自衛隊の子弟でもよろしい、私たちの側の子弟でもよろしい、どんどんこういう反論をやることを
内閣として大臣はお認めになりますか。私はこういうことは明らかに法で禁止されている政治的な
行為にも入ると思う。御
承知の
通り自衛隊法六十一条、あるいは施行令の八十六条ですか、こういうもので政治的
行為の制限をされております。施行令の方が明らかですから、そちらの方を引用してみたいと思うのですが、第八十六条五号、「政治の方向に影響を与える
意図で特定の政策を主張し、又はこれに反対すること。」、これは禁ぜられている
行為ですよ。今私が申し上げたようなことはこれに入りませんか。それから八十七条第一号、「政治的目的のために官職、職権その他公私の影響力を利用すること。」十七号にも書いてありますが、「なんらの名義又は形式をもってすると問わず、前各号の禁止又は制限を免かれる
行為をすること。」とありますが、こういった一連の
法律によって規制されておる政治的
行為というふうにも判断できると思うのですが、この点についてはどういうふうにお考えになりますか。
以上各質問についてお答えを願いたいと思います。