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石橋(政)
委員 日本社会党を代表しまして、ただいま議題となっております三法案並びに修正案に反対の
意見を申し上げたいと思います。
まず反対の第一は、
実施期日の問題でございます。
政府は常に
人事院の
勧告は尊重するということを申しておりますし、最近は特にこれを完全に実施することが法の精神にもかなうものである。すなわち
人事院の
勧告の実施、公労委の調停案、仲裁裁定の実施等は、ぜひ
政府としてもやらなくてはならない問題であるから、これは今後ともやっていく。ただし組合の方の十分に違法なる行為などはやらないようにしてくれということを言い続けておったわけでございますけれ
ども、今度の
人事院勧告については、残念ながら完全実施が
政府において行なわれておらないと思うわけであります。その最たるものが
実施期日で、
勧告通り当然に五月一日にさかのぼってこれを行なうべきであって、これをやらないということは
政府みずから労働法規なり
公務員法規を破るものであるし、
公務員法の精神をふみにじるものであるというふうに私
ども考えておりますので、反対いたします。
第二番目は
内容でございますけれ
ども、先ほどからいろいろと論議されておりますように、非常に
上厚下薄という
言葉の一語に尽きる
内容だという点が、私
どもの反対の理由の第二であります。試みに若干の
数字をあげてみますと、平均一二・四%、二千六百八十円引き上げるのだといいながら、上級職においては三七・五%、二万三千七百円も上げる、そのかわり下級の
職員においては行一の場合でも八百円、今度修正が行なわれましても九百円
程度しか上がらない、非常に不均衡でございます。こういう
上厚下薄を手直しするということであればまだわかるのでありますけれ
ども、この点についても私
どもはどうしても納得できない。最近の物価の高騰というようなことは、十分に皆さん方も
御存じの
通りであろうかと思いますし、このような下級
職員の改定では、現在の生活苦と戦っていくことが非常に困難だと私
ども思うわけであります。特に初任給については
政府も認めておりますように不当に低い。従っていい
公務員を集めることができないというような点を、この際
指摘しておきたいと思います。
第三番目は、いよいよ職階、
職務給的な性格が強化されてきておるということです。私たちの不満に思う第三の理由はここにあるわけです。特権上級官僚を優遇しておるということもその現われでありましょうし、下級
公務員に対しては分裂支配を強める、あるいは競争を激化させるというような形が非常に強く出てきておる、こういうものを私
どもはのむわけには参りません。絶えず申し上げておりますように、この際通し号俸制を復活するというようなことを考え、
俸給表の
統合をはかるというような点で、この性格を弱める方にむしろ向かうべきではないかというのが反対の第三の理由であります。
第四は
期末手当の面であります。今度〇・一カ月分の増額を
勧告したわけでございますが、この点については
政府がそのまま採用したというでありましょう。しかし
人事院の
勧告を実際に検討してみると、民間は三一九カ月分であるということを
人事院みずから認めておるわけです。ところが〇・一ふやしましても三カ月分にしかならない。
人事院勧告においてすら〇・一九の差がここに厳然としてあるわけでございますから、こういう点も十分
政府は考慮して、この際二・五カ月分の
期末手当を年末に支給するのが妥当であろうというふうに考えておるわけであります。
こういったいろいろな角度から言いまして、どうしても賛成することはできない。なお修正案についても今度の改定の引き上げ額が非常に少ない八百円未満の者について、百円ずつ上げるというのでありますが、これはこの所要経費を見てもわかりますように、実に微々たるもので、スズメの涙というにも値しない、このようなもので私
どもは納得するわけには参りません。
以上申し上げた理由で原案並びに修正案に、いずれも反対という態度を
示したいと思います。(拍手)