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冨樫政府委員 本年の秋のいわゆる
銀行の
賃上げ争議につきましては、いわゆる
地銀連三十五
組合のうち二十六
組合がこれに参加したということは、今までの実績から見て相当の大規模なスケールを持ったものと私も考えております。
労政局といたしましては、
医療ストと同じようにこれを
カンフル注射ですぐおさめるといったような
立場にはございませんが、一応今度の経過を今後さらに掘り下げて検討して、今後の
対策を作り上げたいと思っておりまするが、ともかく一応の感覚といたしましては、中には
労使とも
労働委員会に対する
不信感といったようなものがありましたけれ
ども、地労委が、
銀行業務の
公益性にかんがみまして、相当積極的に乗り出し、それによって
解決し、これによってまたさらに
労使の
信頼感を得たというようなことで、その面においては非常ないい経験であり、前進であった、こう思っております。しかしさらに
言葉を飾らずに申しますれば、
銀行に関する
ストは、ちょくちょく相当深刻な
ストが従来起こりましたけれ
ども、全般的には依然としてこの近代的な
労使関係、
労使関係に関する
労使の理解が十分でない。その間に、話によれば
トラブル・
メーカーといったものがおるといったようなことも聞きます。従いまして今後一段と
労使は、
言葉で言いますと、
良識を発揮してでございまするが、つけ加えて言いますれば、
経営者側におきまして、さらに、常に平和になれるということでなく、平常時から、
労務管理、
労務対策というものに一段と力を入れていただかなければならぬのではなかろうかというように感じております。