運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-11-30 第36回国会 参議院 農林水産委員会 閉会後第2号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年十一月三十日(水曜日)    午前十時十九分開会   —————————————   委員異動 本日委員亀田得治辞任につき、その 補欠として江田三郎君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     藤野 繁雄君    理事            秋山俊一郎君            櫻井 志郎君            大河原一次君            東   隆君            森 八三一君    委員            青田源太郎君            石谷 憲男君            植垣弥一郎君            重政 庸徳君            田中 啓一君            田中 茂穂君            高橋  衛君            仲原 善一君            堀本 宜実君            北村  暢君            戸叶  武君            中田 吉雄君            藤田  進君            千田  正君            北條 雋八君   事務局側    常任委員会専門    員       安楽城敏男君   説明員    食糧庁長官   須賀 賢二君    食糧庁業務第一    部長      諫山 忠幸君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○農林水産政策に関する調査  (米穀事情に関する件)
  2. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ただいまから農林水産委員会を開会いたします。  委員異動について御報告いたします。  本日亀田得治君が辞任、その補欠として江田三郎君が選任されました。   —————————————
  3. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 米穀事情に関する件を議題とし、本年度産米の収穫予想予約申し込み集荷実績及び今後の見通し、十一月から始まった本米穀年度米穀需給計画食糧管理特別会計状況等米穀事情に関し農林省当局から説明を聞くことにいたします。須賀食糧庁長官が出席されております。
  4. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) ただいま委員長から御要求のありました三十六米穀年度の米の需給事情等を中心といたしまして、当面の食管状況につきまして簡単に御説明を申し上げたいと思います。  ただいまお手元資料を差し上げましたが、これによりまして御説明申し上げますと、第一枚目が昭和三十六米穀年度内地米需給でございます。それから一枚めくっていただきまして、二枚目が三十五年産米予想収穫高、それからその次の三枚目が最近の集荷状況でございます。これで二枚目からごらんをいただきますと、三十五年産米予想収穫高は、これはすでに十分御承知のことでございますが、十月十五日現在で統計調査部が公表いたしましたものが、これが最近のものでございます。予想収穫高は、石数に換算いたしまして八千五百七十五万九千石ということになっておるわけでございます。前回の予想よりちょっと下っておりますが、これは主として西日本の方で若干当初の予想より収穫が下回ったというような点がございまして、現在の予想収穫高は八千五百七十五万九千石、これはもう申し上げるまでもなく史上最高の作柄でございます。去年の八千三百五十万よりも二百万石以上上回っておる記録的な豊作になっておるわけでございます。それで集荷の方は三枚目にございますように、予約は三千九百万石がちょっと切れるところまで予約申し込みがあったわけでございます。三千八百九十四万三千石の予約申し込みがあったわけでございます。大体予約最終段階では三千九百万までは大体いくのではないかという見込みでございましたが、結果はやや下回りまして三千八百九十四万三千石、そういうことになっております。それから政府買い入れ数量は、これは十月末、いわゆる早期格差がついておりました時期の末期までの集荷数量が今政府にまとまっておるわけでございますが、これが十月末現在で二千百四十五万四千石。ことしは九月十月の天候が概して順調でありましたような関係もありまして、早期格差がついておりまする期間の出荷が非常に好調であったわけでございます。十月末日現在の政府買い入れ数量は、事前売り渡し申し込み数量に対して六三・一%、六割三分が早期格差がついておる期間に出ておるわけでございます。昨年以来、早期格差の問題がいろいろ問題として取り上げられておるわけでございますけれども、ことしの実績等を見ましても、非常に早期格差がつきます期間中に出て参ります数量がふえておるわけであります。非常に買い入れの成績は順調に伸びておるわけでございます。ことしの米の最終買い入れ見込みがどのくらいになるであろうということにつきましては、私どもも末端の機関等を通じまして取りまとめをいたしておりますが、まあ私ども見込みでは四千百万石ぐらいにはいくのではなかろうか。四千万石から四千百万石の間に見込みを立てておるわけでございまして豊作の結果、相当の量の集荷になる見込みでございます。  それでただいま申し上げましたような生産状況集荷状況裏づけといたしまして、三十六米穀年度需給見込みを立てて見ますると、これが第一枚目に、三十六米穀年度内地米需給見込みということになるわけでございます。この需給見込みは、ことしの十一月から来年の十月末まで、いわゆる三十六米穀年度年間需給見込みでございまして、内地米買い入れ数量は、先ほども申し上げましたような見積もりによりまして四千百万石、この買い入れ合計五百五十九万六千トンという数字は、これは四千百万石を前提としておるわけでございます。それでまず供給の面から見ますると、古米持ち越しでございますが、このことしの十月末までは古米持ち越しが合わせまして三十九万九千トン、この表の合計欄の一番上でございますが、約四十万トンこしとの十月には米を持ち越しておるわけでございます。それが来年の十月末は、この表の右側の合計欄の一番下になります最下欄古米持ち越しでございまして合計いたしまして七十六万トン、大体去年からことしの持ち越しに比べまして三十数万トンふえる勘定になるわけでございます。この米穀年度は、私どもといたしましては、大体、米はもう一般消費者に対しまして、現在の食生活で食えるだけ食べていただく、もう米につきましては十分食べていただくという考え方配給操作をやっておるわけでありまして、現在、一般消費者に対する配給基準量は全国一律に一人一カ月八キロの配給をいたしておるわけであります。昔の日数換算にいたしますと二十二日分くらいになるわけでございます。八キロ配給にいたしておるわけでございます。これは、この三十四米穀年度中に配給基準量を数回にわたって直しまして、当初、まあ六キロ配給で出発をしたのでございますが、集荷状況また政府手持ち状況等から順次増加をして参りまして最初は六キロ、それから四月から七キロ、九月から八キロということにいたしたわけでございます。現在は八キロ配給にいたしております。ただここにもありますように、それでもなお政府手持ち相当残る見通しでございますので、来年一月からはさらに二キロ増配いたしまして、来年一月からは十キロ配給にいたしたいと思っているわけであります。いろいろ総理府等でも最近の米の受配状況はどうなっておるかということを先般調査をしてもらったわけでありますが、まあ家庭受配状況と申しますものは、それぞれ家庭事情によりましていろいろあるわけであります。きわめてわずかしか政府米を買っていない、配給米を買っていないという家庭もありますが、一面、八キロ以上現に米の配給所から米を買っておるというような世帯も相当あるわけでございます。それで十キロにいたしましても、その程度配給を受ける家庭というものはあるわけでございますので、一月からはさらに増配をいたしたいと思っておるわけであります。そういたしますと、食用の一般うるちの来年度におきまする消費量は四百四十四万一千トン、そういうことになる見込みでございます。それから、その他酒米でありますとか、そういう原材料用需要が三十五万四千トンあるわけでございまして、合計いたしまして四百七十九万五千トン。それで、差引四十三万一千トン余るわけでございますが、早食いがありますので、それを引きまして古米持ち越しが、来年度の十月末には五十六万九千トン、一般うるち米については五十六万九千トン程度持ち越しになる予定でございます。  なお、なるベく米の持ち越しは、私ども、多く持つという考え方でなく、できる限り米の消化をはかるという考え方でやっておるわけでございまするが、たとえば原材料用等につきましても、まあ酒米等も数年前までは酒米に幾ら出すかということは非常に大きな問題であったわけでありますけれども、ことしの場合は、大蔵省の方から要求がある数量だけは差し上げますということで、酒米数量等も制限をしないで、大蔵省の方でおきめになる数量を差し上げます。大体ことしの酒米は百九十万石ぐらいになる見込みでございます。たくさんお使い下さいということにしましても、あまり実際はふえない。去年に比べまして十万石から二十万石足らずしかふえない見込みでございます。  それからもちでございますが、もちはことしの買い入れがどのくらいになりますか、これはまだ、今私ども手元でも十分確実な見通しがつきかねておるわけでございます。御承知のようにもち米につきましては、三十五年産米では生産者価格加算額を二百二十五円、いわゆる前年の半分にいたしましてもち米調整をはかったわけでございます。一応ここでは全体の四千百万石の集荷見込みの中におけるもち米割合は三十四年産米割合で見ているわけでございます。もうしばらくたちますと、もち米の実際の集荷見込みがわかるわけでございます。おそらくまだことしはそうもち米は減らないであろう、もち米につきましては政府売却の仕方は、正月用もち米はこれは従来通り十キロ八十円の加算をつけて売ります。しかし、正月過ぎますと、もち米加算額はこれをはずしまして、一般うるち米と同じ価格で売るようなふうに考えておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、もち米消化も極力促進をして参りたいと考えておるのでありますが、現在の需給見込みは、極力販売に努力いたしましても、一般もちについては来年十月末に六万トン程度手持ちが残るようなふうに一応考えられておるわけでございます。  それから徳用米でありますが、この徳用米といいますのは、大きく分けまして陸稲もちとそれから陸稲のうるち、それに水稲の五等米といったようなものが徳用米になるわけでございますが、この中で最も問題になりますのは、陸稲もちでございます。これがことしの集荷は大体十一万トンぐらいの見込みでございますが、前年度から持ち越しましたものが七万八千トンありまして陸稲もち合計は十八万九千トンが供給に立っているわけであります。これに対しまして需要の方は十三万トンぐらいが一応見込まれますので一ちょっと数字が間違っているようでございますのでもう一度申し上げますと、供給の方は十八万九千トンでございます。これは持ち越しが七万八千トン、買い入れが約十一万二千トン、それで十八万九千トン。需要の方は五万八千トンでございまして、差引十三万一千が残るわけでございます。陸稲もちの方は十三万一千というような相当多量のものが残るわけでございます。来年度以降におきましても、陸もちについては非常に問題があるわけでございます。  それからその他といいますのは、先ほど申し上げましたように、これは陸稲のうるち、それから水稲の五等米といったようなものでございますが、これが二十万トンくらい供給に立っておりますが、これはできるだけ私の方でも、外国産のブロークン・ライス等と抱き合わせて原材料用に売るというような、相当消費者側から見るとやっかいな売り方をしておるわけでございます。そういうふうにいたしまして、これは極力その消化をはかるということで、一応これについては、そういう抱き合わせ販売というようなことをやりまして消化をして参るということで、これは持ち越しはゼロというふうにしております。それで、合計いたしまして来年の十月末におきまする古米持ち越しは七十六万トン、約八百万石近いものになるわけでございます。  それからその次に、食管会計収支見込みでございますが、これは目下三十五年度補正予算、三十六年度本予算作業中でございまして、三十五年度補正、また三十六年度予算ともにまだ刷りものでお目にかける段階までに至っておりませんので、ただいまの段階で計数的にまとまっておりますものを口頭で申し上げますので、その点は御了承いただきたいと思います。  それで、この刷りものになっておりますものの四枚目でございますが、食糧管理特別会計損益、ここに三十四年度の決算と三十五年度予算に組みましたものを一応刷りものに出しておりますが、食糧管理勘定のみについて申し上げますと、三十四年度は、これはもう決算が確定をいたしておるわけでございます。食糧管理勘定においては、三十四年度は百一億の赤字になったわけでございます。これは三十四年度期末にありました調整資金を取りくずしまして、この百一億の穴埋めはすでにいたしたわけでございます。それから三十五年度は、三十五年度予算をきめます段階におきましては、百八億という赤字見込みであったわけでございます。国内米管理勘定が百九十八億の赤字、それから国内麦管理勘定が百十六億の赤字、それから輸入食糧で二百六億の益、それで差し引きいたしまして百八億の赤字を三十五年度予算には見込んだわけでございます。ところが、その後いろいろ要因の変化がございましてただいまちょうど三十五年度補正作業中でございますが、現在の見込みでは、大体食管の三十五年度の収支は、二百九十億に近い赤字になる見込みでございまして、それに合わせまして三十五年度の補正を目下要求いたしておるわけでございます。それで二百九十億ということになりますと、当初予算より百八十億近い赤字増加になるわけでございましてどうしてそういう大きな狂いが出たかということにつきまして、おもなる要因を御説明申し上げたいと思います。  その点を申し上げますと、ただいまの資料にちょっとお書き加えをいただきますとおわかりいただけるかと思いますが、三十五年度予算では、国内米管理勘定赤字が百九十八億ということになっておったのでございますが、これが現在の見込みでは、まだ最終的に数字がきまりませんが、大体三百十数億でございます。それから麦の百十六億という赤字であったわけでございますが、これが、麦につきましては百六十五億、そういう赤字になる見込みでございます。それから輸入食糧は、二百六億の益を見込んでおったわけでございますが、これが百八十九億程度黒字になるわけでございまして、黒字額が若干減少をするわけでございます。それで、それを合計いたしますと、三十五年度予算段階では百八億の赤字でありましたものが、大体今の見込みでは二百九十億をやや下回る……、大体二百九十億程度ということになる見込みでございます。  それでこの米、麦及び輸入食糧について、そういう大きな変動が出ましたのは、第一に、米は、これは非常に当初の見込みと変わって参ったわけでございましてその変わりましたのは、第一点は、米の買い入れ価格が、予算見込みましたものよりも上がって参った。現在の米の買い入れ価格は、今までの実績、今後の見通し等を入れまして、大体ことしの石当たり単価は、一万四百二十四円くらいになる見込みでございます。これは米審できめましたときは、一万四百五円、それから予算米価は、一万三百三十三円ということになっておるのでありますが、米審決定段階ですでに、予算米価を上回っておりまするし、さらに実現米価は、米審米価よりも上回りまして、一万四百二十四円くらいになる見込みでございましてこれだけ政府買い入れ価格が上昇いたしたわけであります。一万四百二十四円になりますおもなる理由は、期別のいわゆる早期格差が、初めに申し上げましたように、早期格差のつく米が、予想外に多く出たわけでございまして、期別単価が、米審のときでは、これは二百三十円に見ておったのでありますけれども、現在の見込みでは二百七十九円、ここで四十九円米審当時の織り込みよりも上がっておる。それから等級間格差実績が、かなり変わって参っております。これは、米審段階ではプラス二十円ということであったのでありますが、現在の見通しでは、逆にマイナス四円くらいになる見込みでございます。そういうことを全部織り込みますと、大体現在の見通しでは、ことしの米の政府買い入れ石当たり単価は一万四百二十四円、これが予算米価一万三百三十三円との差額が、これがやはり赤字増加要因になる。  それからもう一つは、米の集荷量が大幅に狂って参ったわけであります。予算編成段階では、三千四百万石に米の集荷量をみておったのであります。これが先ほど申し上げましたように、本年産米実績としては四千百万石の集荷を見込んでおるわけであります。非常に大きく集荷量がふえて参ったわけでございます。そういう点がありまして、国内米赤字が先ほど申し上げましたように、予算段階では百九十八億であったものが、三百十数億ということになるわけでございます。  それから次に国内麦でございます。これはことしの麦がやはり三十四年、三十五年と連続豊作でございまして当初の予算見込みました買い入れ数量よりも、非常にふえて参った。予算では大体平年作を前提といたしまして、それに最近麦の政府買い入れ割合が、いわゆる農家が手放す割合がふえておりますから、それを織り込んで百三十万トンとみたのでございますが、ことしの麦の実際買い入れました数量は、百六十五万トン程度になっておるわけであります。予算よりも三十五万トンばかりふえまして、これは麦は御承知のように、買い入れがふえますればふえましただけ逆ざやになっております関係で、赤字がふえて参るわけであります。その結果、麦の赤字は、当初百十六億と見込みましたものが、百六十五億にふえて参っておるわけであります。  それから、輸入食糧につきましては、これは原因が二つございまして、一つは当初の見込みでは外国産の大麦を六万トンくらい輸入をする計画になっておったのであります。これが大、裸麦が御承知のような状況でございますので、輸入をいたしません。これによって益が減少する。それから外米売れ行きが非常に悪いわけであります。外米売れ行き低下に伴う利益の減少、その二つを合わせまして、輸入食糧の益が十七億ばかり減ったわけであります。そういうような関係になりますので、先ほど申し上げましたように、ことしの赤字が約二百九十億をちょっと下回るくらいのところに、現在予想されます。それで食糧管理特別会計食糧勘定に対する調整資金は、現在百五億、これは三十五年度予算で百億新たに繰り入れいたしまして、百五億あるわけでございますが、二百九十億近い赤字予想されまするので、三十五年度の補正では、新たに食糧管理勘定において百九十億の調整資金繰り入れをいたすべく、目下補正予算に織り込んでおるわけでございます。大体百九十億入れますと、現在予想されておりまする赤字は、これを埋めまして、なお若干の余裕がある。調整資金赤字と完全に見合うわけではございません。財政事情の許す限り、多少の余裕をもって調整資金繰り入れをしてもらうように従来からなっているのでございます。大体ことしの赤字は、先ほど申し上げましたような見積りに基づきまして、それらを裏づけといたしまして、百九十億の補てんをしてもらうつもりでございます。  それから農産物安定勘定でございますが、これは澱粉の手持ち等相当ふえておりますような関係で、この年度内に十九億円を新たに安定勘定赤字補てんとして、補正予算で入れてもらうように目下交渉いたしております。十九億入れますれば、安定勘定の方は、三十五年度につきましては、とんとんになるような計算になっております。  それから、以上が三十五年度でございますが、三十六年度につきましては、これはまだ作業中でございまして、あまりはっきりとした数字を申し上げられないのでございます。まだ三十六年度予算編成については、麦勘定の問題その他いろいろ未決定の要素もございまして、全貌をはっきりとした数字を申し上げる段階に至っておりません。一応の概算をいたしてみますると、特に問題の大きい麦につきましては、これは私どもで、目下麦対策協議会等を開きまして、いろいろ今後の麦の扱い方を検討いたしておりますが、いずれにいたしましても、麦の管理制度手直しをいたすにいたしましても、当分の間、従来政府が麦について負担をいたしておりまする程度財政負担は、財政支出の形がある程度変わって参りましても、負担額としてはこれを大幅に変えることはできないという考え方に立ちまして、従来麦管理に使っておりました程度財政負担を一応予定をいたしまして、計算をいたしてみますると、三十六年度の食管会計のごく大まかな見通しは、三百二、三十億になっているわけでございます。しかしこれにはまだこれからいろいろ検討をしてきめなければならぬ問題がございましてたとえば公務員給与改訂になりました関係で、米屋の手数料も、これはどうしても三十六年度からは、ある程度手直しをしなければならぬというふうに考えておりますが、これなども公務員ベース改訂に合わせますと、相当の額になるのであります。これらを織り込んでおりません。それから現在政府で大、裸麦過剰在庫相当抱えております。これはいろいろ売却には努力いたしておりますが、来年の端境期あたりには、過剰在庫と考えられますものが大、裸麦について五十万トンぐらいはあるわけであります。これをどうしても消化をはからなければならないわけでございます。かりに飼料用等売却をするということを考えますと、これはやはり相当財政負担になるわけでございます。その他いろいろまだこれから検討いたしまして詰めなければならぬ要因相当あるわけでございますが、こういうものをいろいろ入れますと、先ほど申しました三百二十億に、それが相当額加わるわけでございます。まあ食管の三十六年度は、相当赤字になるわけでございます。目下それらの点につきまして、鋭意検討を進めておりますような関係でございます。  一応簡単に概況を申し上げまして、あと御質疑によりましてお答え申し上げます。  なお、ちょっと資料に間違いがございまして、本年産米政府買い入れ数量でございますが、これは、今資料の差しかえをいたしますから、差しかえた資料でごらんいただきたいと思います。三枚目政府買い入れ数量二千百四十五万四千石というのはこれは間違いでございまして二千四百五十五万石でございます。前年より約三百万石多い実績になっております。
  5. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) ただいまの御説明に対し、御質疑のおありの方は、順次御発言をお願いします。
  6. 田中啓一

    田中啓一君 食糧長官にお伺いしたいのですが、三十五年産米政府の今までの予約は三千九百万石、そこで大体買い入れ数量はおよそどれくらいになる見込みになりますか。つまり、この三十六米穀年度を通じてどれくらいになるか。三十五年産米がどれほど政府の手に集まるかということ。それから、やみ米がどれぐらいになって、農家自家用消費と思われるものがどれくらいのものになるか。これはまあ概数といいますか、ほんの見込みといいますか、そういうのを大体推定ができれば数字をお聞きしたいと思います。それから、この三十五年産米供給量をもってして、三十六米穀年度は大体需給均衡と考えられるか、あるいはまだ供給が足らぬと考えられるか、むしろ多ぎみになったと考えられるか、そこらのおよその感じを伺いたい。以上でございます。
  7. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 三十六年産米集荷見込みは、これは私ども末端機関、出先を通しましていろいろ見積もりを立てておるんでありますが、大体四千五十万から百万の間、その辺のところじゃなかろうかと思っております。それで、予算その他には現在四千百万石を使って計算をいたしておるわけであります。四千百万石までいくかいかないか、これはまだ現段階ではっきり見通しはつきませんけれども、大体四千五十万から四千百万の間、従いまして、予算ベースには大体四千百万石を使っております。  それから、自家用、やみというようなものがどういうふうになるかということでございますが、ここ数年の傾向を見ますると、大体農家が食う量というものも、これは量的には大体固まってきたといいますか、大体農家が食う量というものも、そう総量において大した変動はないようでございます。それから、やみ米として出回っておりますものも、これが数量的に総体で幾らであるかということは、これはなかなかむずかしいのでありますが、達観的に見ましてやみ米として出回っている数量もそう大きな変動はない。それで、結局、増産になりましたものは、その増産分だけ政府買い入れがふえるという形になっておるのが、ここ数年来の大体の傾向であります。ことしは、統計調査部収穫見込みで見ましても、大体去年より約三百万石生産量が多いわけであります。それがそのまま政府集荷へ回る。去年の政府集荷は三千七百五十万でありましたが、それへ三百万加わったくらいのものが大体政府集荷になるという感じで、そう大きな狂いはないというのが最近の実態でございます。  それから、これで一体三十六年度の米穀需給はどういう感じかということでございますが、これは、先ほど需給見込み数字で御説明申し上げたんでありますけれども、私どものほうでは、もうお米は一つたっぷり食ってもらう。十キロ配給ということに対しては、見方によっては多少批判があるのでありますけれども、現に八キロ以上の米を米屋から買っておる家庭もあるわけですから、十キロ配給にして、お食べにならない方は、それはもうお買いにならなければいいわけです。しかし、八キロ以上のものは中にはやはりやみ価格で買っておられる家庭もありますから、それはやはり普通の配給米価格で買っていただくということにした方が、消費者にも都合がいいだろうということで、一月から十キロ配給にしたいと思います。そういうふうにいたしまするし、また、先ほども申し上げましたように、酒米ども、従来は大蔵省と農林省との間に酒米を幾ら出すかというのは相当もめたわけです。ことしは大蔵省でほしいだけ一つ酒米をお使い下さいということで、数量については私の方からしぼるようなことはしないで、十分使ってもらうような態勢でやっておるわけであります。それでも、ことしの酒米は何ぼになりますか、私どものあれに入っておるのでは百九十万石か百九十五万石とかいっておりますが、これはまだよくわかりませんけれども、そのぐらいにしましても、去年に比べて十万石か二十万石しかふえないわけですね。だから、酒米をフルに使ってもそれくらいのものだ。そういうふうにいたしますと、ここにありますように、来年の端境の古米持ち越しは七十六万トンになるわけです。ことしが約四十万トンですから、約三十六万トンくらいふえるわけですね。だから、大体ことしの八千五百七十万という豊作は、これはおそらく今の水準としてはやっぱり豊作でありまして、毎年この程度の水準というわけにはいかんでしょうけれども、八千五百七十万と去年の豊作と、そういうのが今積み重なっております。三十六米穀年度はこれはもう非常にゆとりのあるものになって参る、さように考えております。
  8. 田中啓一

    田中啓一君 今、やみと自家用とを一つにしてお話しになったんですが、分けると、一体どんなことになるのですか。
  9. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 部長から……。
  10. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) なかなか推定困難な問題でございますけれども、私ども、今のところ、さきほど長官が言われましたように、政府用を除きましたものが、やみと自家消費との加えたものになるというふうに考えておるわけでございますけれども農家の自家消費というのは、私ども考え方では、従来から三千五、六百万石であるというふうに踏んでおるわけであります。そうしますと、やみというものがほほ一千万石、これはまあ私どもで直接やみの調査もやっておりますが、その数字も大体一千万石近いというのが出ております。これは家計の方から見るものとかいろいろのものがございますけれども、やみも農家の自家消費もあまりそう大きな変動をしていないのじゃないかというようなつもりで、大体今の状態では三千五、六百万というものが自家消費で、やみにある程度その程度のものは出ておるのじゃないかというような推定を一応いたしております。
  11. 田中啓一

    田中啓一君 もうちょっとそこのところを突っ込んでいきたいと思います。自家消費が三千五、六百万石前後だろうと、こういうお話ですが、おそらく従来そういう計算をしていなかったと思うのです。供出のやかましかったころ、自家消費を押えてそれ以外は全部出せということでしたから、いろいろ苦心して計算をされたと思います。それが続いておるのだと思いますが、きのう発表された統計調査部農家人口は三千四百五十万人、早い話が一人一石とこういう勘定になるわけですね。ところが農家人口は二百万以上もこの五年間に減っておる、こういうのが出ておるわけですから、一体供出のやかましかった時代の三千五百万石を、そのままに踏襲されておるというのはおかしいじゃないかと私は思いますが、だからやみの分はもっと多いのじゃないかとこう思うのです。  それからもう一つ実例を申しますと、私の村は中に農協が三つあって、米屋は一軒もありませんから、巡査、学校の先生、その他非農家の米の配給をしておったわけですが、最近は米一粒もだれも配給を受けに来ぬ、配給はゼロでございますが、こういう話なのです。と見ると結局これは隣から隣へ、まあ政府への販売価格もやみ価格も同じになったものだから、自然に適正価格で流れておる、こういうことに思われるのですね。そうしてみると、自家用というふうに勘定された分も、実はそういうものを含んでおるものもあるのではないかというようなことも考えられまして、どうも私はほんとうに農家の自家消費米の分量と、やみの分量とは少しこの際再検討されて、今後の食管制度の改善やなんかについても数字をお作りにならなければいかぬじゃないかというような気がするわけです。極端な人は半々だという人もあるんです。それもちょっと極端だと思いますけれども、まあしまいは意見にわたりましたが、今の農家人口が二百万以上減ったということと、自家消費米がそれに比例して減っておるということは認められますかどうですか、その点だけ。
  12. 諫山忠幸

    説明員(諫山忠幸君) 私からお答えいたしたいと思いますが、おっしゃる通り農家人口がある程度減ってきておりますので、自家消費というものは停滞と申しましたけれども減りぎみの停滞である、こういうふうに考えております。その分だけやみがある程度、一年で三、四十万のものじゃないか、そういうふうに考えております。そのくらいは片一方がふえるというような計算の方がどうも実態に合っているような気がいたしております。
  13. 森八三一

    ○森八三一君 二、三の点をお伺いいたしたいと思いますが、第一に今の御説明で、今年度の政府買入価格決定のときは、反当標準で一万四百五円ということが告示をされました。その中に含まれておる各種のファクターの中で等級間格差が二十円でありましたものがマイナス四円という実績に変わってきておるという理由が一体どこにあるのか、常態で参りますれば、いろいろな詳細な資料によって見込まれた二十円が、そう大きく変化を及ぼすような事態というようなものはなかったのじゃないかというふうに理解されるのでありますが、検査標準をお変えになったのか、今年も天候不良等のためにそういうような結果が生まれることになったのか、どういうふうにそれを観察していらっしゃいますのか、その点をまずお伺いしたい。
  14. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 等級間格差が、米審で米価の積算をいたしましたときとかなり変わっているわけでございますが、これは別に私どもの方で検査の等級基準はこれは変えておりません。ただ、今年の実際の検査の実績を見ますと、これは先般の統計調査部の実収高を発表されましたときの説明等も、その点に触れているわけでございますが、量としては今年はまさに記録的な豊作であるのでありますけれども、米の品質の面から見ますと、特に西の方、それから最近私も北海道へも参って現地でよく聞いたのでありますが、思ったより米の質が悪い。それで四等の割合割合に高いのでございます。従いまして、これはまだ十一月以降の実際の実績等もはっきり出て参りませんと、この等級間格差が実際にどういうことになるかということは確定いたしませんが、今まで出ましたもの、それからこれから出ますもの等の一応の予想をとりまして、それで積算いたしますと、マイナス四円という見込みになるわけでございます。主として作柄が、量的には非常によかったわけでありますけれども、品質の面から見ますと、それほどでもなかったというようなことがこの原因になっているわけでございます。
  15. 森八三一

    ○森八三一君 もちろん、食管会計赤字であるということが先入的に頭にあって、肉眼で検査をする検査のことですから、少しのさじかげんで、どっちにもこっちにも上げたり下げたりすることができるという筋合いのものでございます。そこで、そういうような意識が働いた結果こういうものになったとは私は思いませんけれども、きわめて公正に行なわれた結果だろうと思いますが、そういたしますと、今お話しのように調整段階関係とか、あるいは天候の関係とか、そういうような他の条件によって、予定いたしました等級よりは下等級のものが多くなってきたというふうに理解しなければならないと思います。といたしますれば、当然それに取り組んでいく対策というものが考慮されなければならんと思うのであります。端的に申しますと、私の県でも、昨年の伊勢湾台風の結果、今後の農業経営を考えまして共同作業化していくということが非常に大切だということで、政府の方で非常に手厚い保護をいただきまして、火力乾燥その他の施設をいたしましたところでは、かなり品質は向上しております。そういうようなことを考えていかなければならんと思うのですが、そういう点について食糧庁は一体どういう企画を持っていらっしゃるのか。現実に出ている事態から、そういうことが当然対策としては考えられていかなければならん筋だと思いますが、どう考えているのか。ただ、伺いますと、来年度予算には振興局の方で特別な指定県を作りまして、早期栽培地点九県ですか、取り上げまして、その対策を考えるというようなことも承わっておりますが、このことは私は特定県だけではなくて産米の品質を改良するという非常に高度な要請にこたえて参りますためには、全国的にそういう施策が進めらるべきものであるというように私は考えておりますが、食糧庁としては一体どう考えているのか。
  16. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) なお、先ほど等級間格差の御説明のときに説明を漏らしたのですが、この一万四百五円という米審米価のときには、これは一—四等の等級間格差計算をいたしております。一—四等の平均価格が一万四百五円ということにこれは積算をいたしておるわけであります。先ほど申し上げましたマイナス四円といいますのは、五等米及び等外等のものも見積もりまして、そういう下等級のものも織り込んでおりますので、そういう点の狂いも出ておりますことをつけ加えて申し上げておきます。  それから米の品質改善の点につきましては、こういうふうに米の需給が全体として非常にゆとりを持って参りましたので、品質面については、これは今後大いに品質の改善に努力をいたさなければならぬ。具体的な問題といたしましては、西南暖地の早期栽培米等が去年の冬から非常に問題になってきた。ことしの三月に大阪で、西南暖地関係の生産者、消費者一堂に集まりまして、今後の品質改善についていろいろ相談をいたしたのであります。そういう効果も現われて参りまして、ことしの早期栽培米は、去年に比較いたしますと、生産地方面の非常な努力によりましてかなり品質の改善が行なわれておる。高知県の米なども、ことしの米は、去年に比較いたしますと、大消費地においても割合と、まあ比較の問題でありますけれども、去年ほどは評判が悪くない。産米改良全体につきましては、われわれの方でもそれぞれ県段階に産米改良協会等を作りまして、そういう筋からいろいろ推進をいたしておるわけであります。これは役所の中では、主として振興局が産米改良の面についていろいろ工夫を現在講じておるわけでございますが、御注意を受けるまでもなく、産米改善に対する全国的な推進につきましては、食糧庁の方では、振興局と一緒になりまして、いろいろ工夫を講じて参りたいと、さように考えております。
  17. 森八三一

    ○森八三一君 各府県に、産米改良協会というような、名称は多少違うかもしれませんが、漸次自主的にも生まれておりまするし、あるいは府県庁なり政府の勧奨によって生まれてきておるものもあろうと思います。非常にけっこうな方向と思いますが、先刻具体的に申し上げましたように、三十六年度の政府の施策として伝えられておりまするところでは、特定の府県だけにそういうことを考えるというようなことを承わっておりますが、それでは非常に不十分じゃないか、全国的にそういう施策が当然進められてしかるべきではないか、こう私は考えております。その点について、食糧庁は一体予算の編成期でございますので、どういうふうに省内関係局と連絡を取られてお進めになっておられるのか、その構想があればお伺いしたいし、私の申し上げることにどういうような感覚で臨まれるかということをお伺いしたいのです。
  18. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 振興局の予算が現段階においてどういうふうになっておりますか、私手元資料を持っておりませんが、この産米改善事業というものは、これは現段階におきましては、全国的に推進しなければならない問題でございます。従いまして、振興局が企画いたしておりまするその事業の推進につきましても、なるべく広い範囲において産米改善が進められますように、私の方の側からもいろいろ御協力したいと思っております。
  19. 森八三一

    ○森八三一君 振興局の方で構想されておるものを御承知ないということでありますれば、さらに突っ込んだ質疑をいたしますることは他日にいたしたいと思いますが、これはもう当然食糧庁と合議の上で進められなければならぬはずだと私は思うのであります。そういう趣旨から、十分一つ御連絡を願いまして、私の申し上げましたような、全国的に産米改善の実が上がりますような施策というものを、昭和三十六年度にはとっていただきたいということを希望いたします。  その次にお伺いいたしますのは、先刻来御説明もございましたし、私どもさよう考えておりまするが、最近における配給の実態というものは、食糧の困難なときとは相当変わってきているという事実は、これは否定できないと思う。そこで現在の食糧管理制度というものが続けられておりますといたしますれば、また続けていくという政府の方針であるといたしますれば、配給の実態が非常に変わってきているという事態に即応した機構の整備をしなければならぬと思うわけであります。それに関連して、小売制度の登録問題、これが昭和二十七年という非常に食糧の困難な時代に決定せられたままで今日まで推移してきておる。これは食糧の受配の実態の非常な大幅な変革という事態には即さないというふうに私は見ているのでありまするし、関係者の間でもそういうことが論議されておることは、食糧庁の方でも御承知と思いますが、この事態に即応して、配給面における登録制度というものを直ちに更改をすべきである、そうしなければ、配給の実態とその機構とがマッチしないということになると思うのでありますが、どうお考えになるか。
  20. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 小売の登録がえの問題でございますが、これは三十四年の終わりに制度を直しまして、年二回登録がえの機会を作るようにいたしたわけでございます。現在それで行なわれておるわけであります。さらにこの機会をふやすというような考え方でいろいろ検討いたしたのでございますが、その後いろいろな方面の意見を私ども聞いてみたわけでございます。あるいは主婦連等の消費者団体でありますとか、いろいろなところの意見を聞いてみたのでありますが、大体二回程度年に登録がえを行なうチャンスがあれば、一応消費者としても米屋の自由な選択をする機会がある、あまりこの機会をふやすということについてはそれほど強い希望を持っておらないというような御意見等もありまして、いずれまた米の配給機構の問題はいつかの機会に根本的に考えなければならないというふうにも考えますので、目下のところでは、登録の機会等をふやすというような方向において米の配給機構といいますか、現在の配給制度を直すというふうには現在考えておりません。いましばらく現在の方向で継続をして参ったらいかがあろうかと、そういう考えでおるわけでございます。
  21. 森八三一

    ○森八三一君 まだその説明が少し不十分であると思いますが、消費者と配給業者との関係はお話しの通りでございますが、その配給機構内部における卸と小売の関係については、昭和二十七年から更改をされておらない。これが配給の実態が非常に変革をされてきておる現段階にはマッチしない、これはすみやかに更改をすべきである、こう考えますが、その点はどうお考えになるか。
  22. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 卸と小売との関係は、これはただいま森委員の御指摘になりましたように、相当の長い間これは固定をいたしておるわけでございまして、これは現行食管関係法規の中では、小売業者が卸の選択がえをするような機会があるような制度になっておるのでありますけれども、実際には運用上はなかなかうまくいかないような実態になっておるわけです。従いまして卸と小売の関係は、自由なる結びつきということは現在できません。これはもうその通りになっておるわけでございます。この問題も一両年来いろいろ検討をいたしておるわけでございますが、実際にこれは消費者と小売との関係と違いまして、いわゆる企業間におきまする自由選択という問題になりまするので、相当これを実施いたします場合には、いろいろな問題があるわけでございます。具体的に申し上げますれば、過当競争等のために相当の出費も予想されるわけでございまして、そういう弊害といいますか、欠点と、登録がえをいたします利点等を、いろいろ彼此勘案いたしてみますると、なかなかわれわれの方でもきめかねるというような点もあるわけでございます。しかしこの問題は非常に長い間の問題でありますので、いろいろ関係各方面の御意見もよく承わりましてどうしても登録がえをやる方が筋であるというような御意見が強いようでありますれば、私どもの方でもさらに検討していきたいと、まあ今のところでは、ごく近い将来にこれを大幅に直すというふうには、目下の段階では考えておりません。
  23. 森八三一

    ○森八三一君 先刻のお話しのように、公務員給与ベースの改訂等に伴って、機構管理の手数料等も更改をしなきゃならぬという情勢に追い込まれておるんだといたしますると、必然的にこの問題に手をつけていかなければ、最終消費者価格に私は相当の影響を持ってくると思う。現在の段階では、最終消費者価格というものを変えますることは、これは非常に大きな問題に発展するわけですから、おそらく手は触れ得ないと思います。最近のエンゲル係数その他から理論的には考えられるものがあるといたしましても、政府としてはおそらくそういう結論は導き出されないと思う。選挙の前にも農林大臣はさようなことをおっしゃったということで、総理大臣がこれを取り消したというような事態すら発生しておるのですから、おそらく困難であります。そういたしますれば、そういうような差し迫った問題をどっかで吸収していかなきゃならない。それには配給の実態というものが非常に変わってきておる、その事態に即応する卸、小売間の問題を、実態に即するように変えることによって吸収するという面も出てくると思うのです。これは今考えておりませんというのじゃなしに、考えなきゃ私は管理制度というものをうまく運営していくためには、非常に不都合が起きてくる。その間には非常に経済的にむだが存在するということに私は相なると思うのでありますが、そうはなりませんものでしょうか。考えないということじゃおかしい、こう思うのですが、どうでしょう。
  24. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 公務員ベース改訂に伴いまして、卸、小売のマージンにある程度手直しをするということになります場合は、これはどこへしわが寄るかということになりますと、これはただいま森委員からも御指摘がありましたように、消費者価格の方へしわ寄せをするということは、これはおそらく事実上私は困難であろう、消費者価格を引き上げて調整をするということは、事実問題といたしましても非常に見込みの薄いことであると考えております。従いましてそういうことになりますと、しわは政府負担と申しますか、食管赤字の方へしわが寄るわけであります。そういう点もございますので、マージン改訂等につきましても、いろいろ慎重に検討いたしておるわけであります。ただそういうこととのかね合いにおいて、直ちに今米屋の企業の合理化といいますか、そういう面にまで手を触れて参るということが、筋合いとしては当然考えらるべき問題ではあるかと思いますが、しかしながら、これはやはり食管制度全体を通じましての検討の結論に基づきまして手を加えていくということにならざるを得ないわけでございます。単に米屋配給機構だけにマージン改訂の問題等もからんで直ちに手をつけるというわけにも実際問題としてはなかなか参らない。私ども何もこれに対して用意はないというふうに申し上げることは大へん恐縮でございます。米の管理制度全体の問題について、今それだけの問題とのかね合いにおいて政府考え方を申し上げるというような段階になっておりません。さしあたりは、現在の配給機構をもとにいたしまして、それに基づいてやっていくという考え方に立っておるわけであります。
  25. 森八三一

    ○森八三一君 現在、食管制度の根幹は変えないということは、歴代の大臣もしばしば言明されておりましたので、私はそのことに意見は持っておりません。そういう前提に立って考えます場合に、集荷関係につきましては、更改が行なわれてきております。配給の内部的段階における問題については二十七年から手を染めておらない。そのことが私はわからぬ。非常に変わってきておる実態に即応したことを考えなければおかしいじゃないか。そのために配給内部における経済的ないろいろな問題を不合理に存在せしめておるのだということ。お話しによりますと、こういうことを考えることによって、業者間に非常に営業の経済観念が変わってくるので、非常に問題がむずかしいというふうに説明されるのですが、そういうことを食管会計が背負っておることは、むしろ不合理だ。実態に即応する機構に整備をすべきである、こう私は考えます。そのことがどうしていかぬか。もっと端的に申しますると、卸と小売りとのつなぎ方について、ここで実態に即応するように自由選択による登録がえをすると、現在、相当広範な権益を持っている人が小さくなる。その人の営業に非常な影響があるからそういうことを考えてはいけない、こういう卸売業者の実績を温存するために、食糧特別会計の中に不合理が生まれようと、あるいはどこかに過当なしわ寄せが行なわれようと、それは別問題だ、こういうことなのです。それではおかしい。実態に即応するように改訂することが当然じゃないか。集荷の面では行なわれておる、配給の面だけでこれが取り上げられないということは、私は不合理だと思うのです。
  26. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) これはいろいろ御意見もある問題でございますが、私どもいろいろ卸と小売りの登録がえの問題を検討しておりますときの感じといたしましてこれは現在卸業務の行なわれておらない側から見ますれば、新しい申告の機会等も当然与えらるべきだという主張は十分わかるわけです。いろいろの利害得失を判断してみまして、あえてこの際、卸、小売りの登録がえを行なうというところまで踏み切るまでには至っておらないわけでございます。しかし、これは両方からのいろいろな意見がございます。なお、それぞれ各方面の御意見も承わりまして、どうしても登録がえをすることの方が妥当であるというようなふうに御判断になりました場合には、私の方でこれをやらないという理由はないと思います。なお、よく検討してみたいと思います。
  27. 森八三一

    ○森八三一君 十分検討して、実態に即するように、改めることがあれば改めるということでありますれば、非常に私は抽象的には了解されますが、前段の方で、必ずしも現在の登録が不合理だとか、非常に不便だとかということは考えられない、各方面の意見を聞いてという前提がある。私はその前提が非常におかしいと思うのです。配給の実態が変わってきておるのですから、変わってきておる実態に即応するように登録制度というものを更改するということは、食糧管理制度というものがあるという限りにおいては、当然な私は行為だと思うのです。理論的にどうしていかぬのか。ただ業者の利害関係が移動することによって摩擦が起きる、だから困るというだけだとすればおかしい。その辺の、理論的にそういうことは考える段階でないということをもう少し私の理解のできるように御説明をいただきたい。私はそういう段階に来ていると、こう思いますが、どうでしょうか。
  28. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) これは理論的に絶対登録がえがいけないということは、これはもう現在原則として一般の企業につきましては、企業自由の原則に基づきまして卸、小売の結びつきというものは自由に行なわれておるわけでございますから、米だけに限ってどうしてもその制度を継続しなければならぬという理由は、私はないと思います。しかしながら、これはその現実に今結びつきのもとにおいて動いておるわけでございますから、それを変えます場合には、それを変えることによって現実に出て参りまするいろいろな現象があるわけであります。そういう場合にいろいろ予想されまする問題等もございまするので、それらを十分検討いたしましてなおそういう予想される弊害等も考慮に置きながら、なお卸、小売の登録がえはこれを行なうべきであるという判断が出て参りますれば、私はやった方がよいと思うわけでございます。別に理論的に卸、小売の登録がえといいますか、自由な結びつきはできないという理由は、私は今のようなもうお米全体の需給が以前のように非常に窮屈な姿で、いわゆる計画的に米を消費者に流していくということに徹したような時代とは変わっておりますから、そういう点では森委員御指摘のように理論的には不可能だという筋のものではないと思います。
  29. 森八三一

    ○森八三一君 理論的には不可能ではない、またやらなければならぬことである。ところがそれによって生ずるいろいろの経済関係を考えるというと、必ずしも今直ちにやらなければならぬわけではないというような結論のようにお伺いするのです。が、その経済的に変わるところに問題があるので、そうすることによって、食糧の配給操作を経済的に円滑にするということに私はつながってくると思うのです。そのことを現在の権益というものを温存するということのために曲げていくということは、これはおかしいじゃないか。理論的には考えられることである、そうして配給の実態というものは相当変わってきておるという現実があるのだ。その現実に立って昭和二十七年にきめられた姿をそのまま温存しておるところに問題があると思うのです。当然これは更改をすることが食糧の管理制度から配給まで一貫した能率を上げていくゆえんになると思うのですが、理論的にいいことで、そう考えられることが、どうして権益を保持しなければならぬというところに優先されるのか、その辺をもう少し何か納得のいくように御説明を願いたいと思うのですが、どうしてもわかりません。
  30. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 別に私ども現にやっておる米屋さんの既得権益の保持温存ということを考えておるわけではありません。まあ具体的に申し上げますれば、現在かりに登録がえをやりますと、これは米屋の業界あたりでもいろいろ見通し見込み等に基づいて状態を予想しておるわけでありますから、相当登録がえのために、ばかにならない出費等も予想されるわけでございます。これは全く自由な企業ベースで登録の取りかえをするわけでありますから、相当これは激しい争奪になる。そういうことの結果が消費者にとってどういうふうに回り回って利益になってくるか、やはり企業でございますから当然出費が伴いますれば、それは何らかの形において回収せなければならぬわけでありますし、いずれ何がしかの機会においては、配給制度全体について十分検討をしなければならない時期もあるわけでございますから、目下のところは、そういう予想される弊害をあえて、そういういろいろな弊害が一応現実の場面からは予想されるにかかわらず、あえてこれを強行するという必要もなかろうという考えでございます。
  31. 森八三一

    ○森八三一君 もちろん、それは登録がえするときに利害関係が結びつくわけですから、いろいろな争奪といいますか、競争の起きることは当然と思います。競争の起きる結果は、配給の面で合理化されるということであれば、そういう摩擦というものは当然乗り切っていかなければならぬことじゃないでしょうか。そのことのために、配給の実態が非常に変革されている事実をおおっていくという考え方の方が、むしろ長い目で見ていけば問題が残るのだ。競争があっても、経済関係ですから不利益なところに結びつこうはずはない。より経済的に合理化された姿というものが出てくると思うのです。それを阻止しようとするところに、いろいろな不純な競争が起きる、争奪が起きると思う。そのことを先に考えるということの方が、むしろ長い目で見て参りますための管理制度というものをゆがめていくということにつながっていくのではないかという感じを持つ。これは議論しておりましても、なかなか簡単にほぐれるようにも思いませんので、この辺で私はこの問題を一応打ち切っておきますが、どうしても最近における実態に即応する機構を整備しなければ食糧配給の面におきましても、あるいは管理制度のもとにおける経済関係にいたしましてもすっきりしないという感じを強く持ちますので、これはいずれ通常国会なり特別国会が始まりますれば、さらに詳細に一つ質疑をいたしたいと思いますので、十分御研究願いたいと思います。  その次にもう一、二点お伺いしたいと思うのですが、だんだん食糧が増産をされ、御説明にもありましたように、政府手持ち数量というものも増大の一途をたどっております。このことは非常に私は国民生活を考えますればありがたいことだ。しょっちゅう政府の倉庫がからっぽになっているという不安な状態が解消されることはけっこうだと思います。そうなりますと、管理のために要する施設というものが非常に不足を訴えてきているという現状にあるのではないか。端的に申しますれば、農業倉庫の収容力というものが非常に不足してきておるという状況が現実化してきていると思います。これに対してどういう対策をお立てになろうとしておるのか。  もう一つ、それに関連してお伺いしたいことは、生産者なりあるいは集荷業者なり、そういう関係の諸君がそういう事態に即応して倉庫を充実しようという場合に、政府資金を借りて建築する場合には不動産の取得税はかからない。自分の金で作った場合には地方税である不動産取得税百分の三がかかるという事実を食糧庁は一体どうお考えになるのか。今お伺いいたしましたのは、私の聞いているところでは、現時点においても収容力百万トン近いものが不足しているという状況のように聞いております。その対策はどうお考えになるのかということが一つ。  それに対して整備をしようとする場合に、政府資金を借りてやります場合には不動産取得税はかからない。自分の金で作った場合、あるいは内部の系統金融を利用した場合には税金がかかる。この不合理を一体どうして解決されないのか、その点をお伺いしたい。
  32. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 食糧関係のいろいろな物資が非常に供給がふえて参りました関係で、倉庫は全体として窮屈になっておりますことは、特に今年の秋あたりから目立って参っております。地域によりまして事情が違いますが、特に関東地区あたりの麦と米とが競合いたしますような地区では、非常に倉庫は窮屈になって参りました。これにつきましては私どもやはり農業倉庫の整備充実をいたすべき筋合いと考えまして、現在農林漁業金融公庫から融資をいたしておりますが、今後も引き続きその額等もできるだけ多く回すように努力いたして参りたいと考えておりまして、主として公庫融資の面から、その面の建設の促進をして参りたい、さように考えております。  不動産取得税の関係について、公庫資金が出た場合と出ない場合と取り扱いに違いがあるというお話でございますが、これは私大へんうかつかもしれませんけれども、そういう事実を現在のところ承知いたしておりません。どういう事情でそういうふうになっているかよく調べまして……。大体これは自己資金でやります場合は、これはかかるのは当然でございますが、政府資金でやります場合かからないようになっているということであれば、大へんけっこうだと思います。
  33. 森八三一

    ○森八三一君 政府資金でやった場合にはかからないのはけっこうで、自己資金でやった場合にかかるのはあたりまえということは、これは一体どういうことなんですか。食糧管理法によってそれを運用するに必要な倉庫を整備しようとするような場合に、政府資金を借りた場合は無税だ、自己資金なりあるいは系統金融なり銀行の金を借りてやった場合にはそれは税金がかかる。どうしても私はその合理性がわかりませんのですが、これはむしろ、そういう自己資金等による場合といえども、免税の措置を講ずるという平等の取り扱いに踏み切らなければいかぬというように思いますが、それに対するお考えはいかがかということが一つと、それからもう一つは、政府資金で今後もやっていく、そのワク等についても大幅に確保するように努力したい、けっこうです。けっこうですが、その場合における現在の公庫の融資利率は七分五厘ということになっております。そこで、現在の物価の情勢から考えまして、七分五厘の金利を負担することによって政府から与えられる保管料というものとの関連において倉庫運営というものが経済的に成り立つというようにお考えになっているのかどうか。私ども計算によりますると、古いものは別です。今ここに百万トン近く不足をしておる。そこで政府に協力して建てようとする場合に、政府資金七分五厘というものでは、現在の保管料では赤字運営にならざるを得ないというような計算になるように私は承わっております。もし私の承っておるのが間違っておるということでございますれば、その点をお教えいただきたいし、もしそれに肯定だということでございますれば、七分五厘の金利というものを下げていくという努力が払われなければならぬと思いますが、そういうことについての御意見……。
  34. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) 不動産取得税の問題は、これはどういうわけでそういうふうになっておりますのか、私の方もよく調べまして、その結果に基づきましてあらためて別の機会にお答えいたします。  それから公庫融資の金利の問題でございますが、これはもうだいぶ前から公庫資金の農業倉庫向けの金利につきましては問題があるわけでございます。ただ、現在までの段階では、現在の公庫金融の体系からいたしまして、倉庫の建設資金を七分五厘くらいにするということは非常に困難な問題になっているわけでございます。これは一般的に考えまして、倉庫業というものは現在の建設資金で通常の金利を払ってはなかなかやりにくいということは、これはもう一般的に認められておるわけであります。七分五厘以下の金利にするという問題については、私どもも今後引き続き努力をいたしたいと思っておりますが、さしあたりは七分五厘の金利で建設をしなければならぬわけでございまして、そういう金利で建てました倉庫の運営につきましては、政府貨物等の保管につきまして、倉庫の採算等も十分考えまして、私どもの方でできるだけの配慮はして参りたいというふうに考えております。
  35. 森八三一

    ○森八三一君 最後に希望しておきますが、今長官も七分五厘の金利の資金を使って農業倉庫を新しく建設するという場合には、現在の保管料等から考えれば、経営的には赤字経営になるということをお認めになった。それを認めておきながら、現段階では七分五厘の金利を云々することは非常に困難性があるということで押し切っていくということが、私はどうも納得ができないのです。一般の営業倉庫でございますれば、これは何を保管いたしましても自由でございますが、農業倉庫ともなりますれば、これは保管する貨物というものについての非常な制約がある。そういうような特別な任務を負わせながら、政府の施策に協力をするために作る倉庫が赤字経営であるということが初めからわかっておるのに、それは現段階でやむを得ないということは納得ができない。これはむしろ金利を下げるということについて努力をなさるのか、あるいは保管料を上げるということに努力なさるのか、どっちにいたしましても経営の成り立つように最小限度のめんどうはみてやるという努力がなきゃならぬと思いますので、そういうように御努力を願いたいと思うのであります。そういうことになって参りますると、一番最初に申し上げました、どっかでしわ寄せをかぶらにゃなりませんから、そのかぶっていくためには、現在二十七年から据え置かれておる配給機構の内部における不合理性というものを是正することによって、食糧会計の中に多少でもプラスというものが出てくるということも考えられるのじゃないかというように私は考える。でございますから、各方面の意見を聞いて、登録がえの問題について考慮をしよう、考慮については、私はそういうものとの関連においても当然早急にこれは実施されるべきであると考えますので、そういう点あわせて一つ十分御検討いただくことを希望いたしまして、きょうの質問は打ち切ります。
  36. 千田正

    ○千田正君 端的に一点だけ聞きたいのですが、予算の、来年度予算を作成する前に私は伺っておきたいのですが、このように国内産米が非常に好成績だ、それに伴って外米輸入の問題が当然必要じゃなくなってくる。しかし、実際から言えば通産省としては貿易上の関係上ある程度輸入をしたい。こういう要望をしておるようでありますが、この点においては政府間において、通産省と農林省の間において外米輸入の点においては調整されておるのかどうか、その点を一つお伺いしたいと思います。
  37. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) こういうふうに内地米需給が非常にゆとりが出て参ったわけでございますので、来年度の外米輸入の問題というものは、これは大問題であります。それで、私どもの方では、かねて外務、通産各省との間で意見の調整を行なっておりますが、農林省としては需給ベースに基づきまして必要な数量以上のものは、これは農林省としてはどうしても買えない、それ以上のものを買うわけには参らない。去年あたりいろいろな理由で調整をして買ったわけでございますが、とても去年のような調子にいかないということを強く主張いたしておるわけでございます。もしどうしても通商上その他の理由によりまして需給ベースを上回りますものを買い入れなければならぬというような事態が起こります場合は、これは一つそういう性格の米として食管会計赤字計算とははずして別に勘定を立てるような一つ考え方で処理をしてもらいたいということを、今強く申し入れをいたしておるわけでございます。まあこれからの問題でございますが、相当ことし外米輸入は問題になるわけでございます。農林省の考え方としては今申し上げましたような趣旨で目下各省と検討いたしておるわけでございます。
  38. 千田正

    ○千田正君 長官の言うことはよくわかりますが、実際国際貿易の立場、日本のいわゆる現池田内閣の方針として東南アジア、あるいはその他に対する貿易政策の立場から、どうしても外米輸入しなければならないというような段階に入った場合に、農林省としては強くそれを拒否する、拒否するのだが、どうしても入った場合における一体その米の処置をどうするのか。これはあなたの方としては実際入れないということをあくまでもがんばるのでしょうが、同じ政府部内において外務省、通産省において、入った場合の米の処置をどうするか、これは当然今日配付されたのにある古米手持ち、あるいは国内におけるところの農家経済の立場におけるやみ米の方面、いろいろな方面において影響してくるのでありますが、かりにそういうものが入った、こういうような場合にはどういうふうになるのか。この点も、入らないということをあなたはおっしゃいますけれども、かりに入った場合はどうなるのか、この点をあらかじめお伺いしておきたいと思います。
  39. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) これは農林省の考え方といたしましては、かりに入れましても、それを値段を安くして売るというような方面のことは考えておりません。どうしても通商政策その他いろいろな角度から、需給上必要な数量を上回って輸入をされるというようなことがございますれば、これは大へん申しわけない話でありますけれども、やはりこれは倉庫に寝かしておくより当分の間しようがないのではないか。従って倉庫に寝る金は、これは一般の本来の赤字とは違うのだから、その赤字分は、そういう通商政策上の外米輸入によって生じたそういう赤字であるということをはっきりして積算するようなことにしてもらいたい、そういう話をしておるわけであります。
  40. 千田正

    ○千田正君 そこはきわめて重大な問題でありますから、いずれ予算委員会その他においても論争の焦点になりますけれども、長官としては、今までお答えになられましたように、あくまでこれは食管特別会計とは別個の面で処置してもらいたい。そういう意思を貫かれるという御決心でありますね。
  41. 須賀賢二

    説明員須賀賢二君) ただいま申し述べましたような考えでございます。
  42. 藤野繁雄

    委員長藤野繁雄君) 他に御発言もなければ、本日はこの程度にいたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後零時二分散会