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田中一君 これ今、
内村君からるる御
説明があったのですが、率直に申しますと、今回の今、審議会の専門部会に諮ってあるものが、二十八
年度に策定した
治山治水の基本的な要綱ですね、これから見ると、現在までの間の伸び率というのは、砂防は非常に低いということなんです。低いものの現実から、今の追加工事とか情勢の変化というものを織り込んだものが、このパーセンテージがそこに示すように一・四二%になるのじゃないかというような
数字の面の
説明、
ところが実態というものは何か、実態というものは砂防の
施設をしない川と、した川との災害から受ける
ところの影響というものは、これはもう目で見てみんな知っておるわけですよ。まあいろいろここには三人の
建設次官がおられて、われわれ、当
委員会には
建設省の
意向というものは、
相当もういい面も悪い面もあらゆる面というものが当
委員会にはこの三人のベテランから教育されておるのです、われわれは。従って、もう河川
局長の方でいろいろな案が
考えられておるというものの是非というものも、われわれは同僚の
委員から十分
承知しておるのです。そこでそのわれわれが、当
委員会が、砂防
事業の伸びが少ない、
一つの砂防をしたならば、それほど大きな効果が上がるのではないということでもって、昨年、一昨年、二回にわたって当
委員会は
政府に対して決議をしているのです。そうして多少は伸びて参っております。他の河川その他と比較して、伸び率はふえてきております。暮れになっても、野党のわれわれが、
予算の編成期というよりも、ぎりぎりになって、大蔵
大臣と廊下とんびをしながら砂防
予算というものを伸ばそうとして努力しているのです。これは何かというと、
一つは大てい夏になりますと砂防調べを行なっているのです、災害がありますから。これは
一つ今、策定している
ところの十カ年
計画の
内容については、むろん皆さん方が
相当な全体的な大きな見地に立って策定したものと思いますけれ
ども、しかし砂防に対する
ところの
関心というものは、まだ薄いのではないかというような印象を受けざるを得ないのです。そこで前
建設大臣に対しては十分にわれわれの希望というものを申し上げておりまして、これは今の河川
局長も知っていれば、山本技官もよく知っております。どうしても今のような計算では災害待ちのような状態なんですよ。それで河川の場合には、たとえ災害がありましても、災害復旧の
予算は
治山治水十カ年
計画の別
ワクでございますから、これは
仕事はどんどん進んで参ります。しかし砂防には割合に被害が少ないのです。砂防
施設には被害は少ないということです。緊急砂防
予算というものを立てておりますが、これは砂防のない
ところに災害を受けた。しかしこれには砂防
施設をやったならば、これが
相当守れるというので、緊急砂防
予算というものから支出をして、応急的な砂防を
年度内にやっているのが緊急砂切なんですよ。これは砂防工事じゃないのです。そこに砂防を施すならば災害から守れるであろう。これは災害を受けたためにそういう結論になるのです。しかし、それは事前に砂防があったならばどうかというと、これは
相当な災害を守れるということになるのです、言葉をかえてみますと。そこでこれは河川
局長もよく知っている通り、せめてこの十カ年
計画の中に——十カ年
計画きめますと、これはちょうど新安保と同じようにわれわれは強制されるのです。あなた方も強制されるのです。従ってこの策定にあたっては、砂防
事業費を少なくとも十カ年でもって三百億
程度のものを増額してくれという陳情をるる申し上げているのです。われわれは砂防の個所というものは、人口のまばらな、直接利害
関係のある
国民はおりません。少ないのです、割合に。われわれが自分の政治的な
関心でもって砂防をやれというのでなくて、実際の
国民を災害から守ろうという熱意に、ほかならないのですよ。従って私は休会になりました
ところの
国会を通じて何としても——
河川審議会において論議がある中に、論議の
内容を聞いておりますけれ
ども、専門部会においてだれ一人として、砂防
事業を増すべきであるというような議論を出した者は、砂防協会の常務
理事の赤木正雄君以外にないのです。今日、
日本の砂防学といいますか、砂防
事業というものを伸ばしたのは、全く赤木正雄君なんです。一人として耳を傾ける者がなかったそうです。こんなことでは昨年、一昨年とも、長い間当
委員会で要求しておる砂防
事業の緊急性と申しますか、砂防
予算をうんとつけろという要求に対しては、全く
政府はこれを無視していることにならざるを得ないのです。橋本さんに私はいよいよこれで
閣議決定しなければならぬという問題をここであなたに追及するわけじゃございません。実態をお調べになり、かつ審議会に付議されておる
ところのこの
計画のまま——あなたはお国が近いのですから、いつでも帰れますから、どうか山梨県でも長野県でも岐阜県でも、山を歩こうじゃございませんか。私いつでもお供いたします。そうして実際にほんとうの地元の……。人口はまばらで、選挙民は少ないのです。従って山の中に
関心を持たないのです。また変な言葉を使いますけれ
ども、災害にあって初めて県が楽になるというような県も往々にしてあるのです。政治家もやはり災害によって
仕事がふえる、災害によって栗が集まるというようなこともあり得ると思うのですよ。そういうことであっちゃならないのです、実際を言うと。そこでわれわれは再三決議をしているわけなんです。私はこのままでもってこれはむろん行政の面にまかした
ところの
治山治水特別会計、これはそういう前提、災害を守るための
特別会計であるという認定のもとにわれわれは賛成しているのです。これは
政府、与党側でもいろいろ議論があったでしょう。われわれの方にも議論があった。しかしながら根本的に長期
計画を立てて、災害を守る、
国土を治めるのだという
観点から欣然とわれわれも賛成して、この推進の努力をしてきているわけなんです。このままの形でもって
国会でわれわれが、あなた方の
仕事を
調査するような機会もなくてこのまま審議会を通すならば、ほんとうに残念でたまらぬのです。またそういうことがあっちやならぬと思うのです。あなたの方の、
大臣の方の選挙区は、これは下流も下流ですから、ことに砂防なんというものはあまり直接の影響はない。しかし今度
一つ夏、暑いでしょうけれ
ども十分に、この
治山治水十カ年
計画というものは十年を約束されるものであり、いやおうなしにこれに従わざるを得ないということに思いをいたしまして、どうか十分に現地をお調べ願いたいと思うのです。そうしてこの
計画だけではわれわれは不十分でございます。どうしても砂防には最低二百億
程度のものを増額してもらわなければ、
建設省は災害待ちの
計画を立てている、災害を待っているのだというような批判を受けます。
一つ、おれはしろうとだからわからぬというようなことをおっしゃらないで、あなたは
建設大臣ですから、どこまでも
決定的な権利をあなたは持っているのですから、砂防
事業を伸ばすことについて、政治家は今日の段階においてだれ一人としい反対する者はないと思います。それは自分の選挙区の堤防のかさ上げ等はしてほしいけれ
ども——これは当然してほしいと言うでしょう。しかしながら、今日の常識では、年々歳々の災害によって、ここに砂防
施設があったならばという声は、地元、それからわれわれもよく知っております。
一つそれについて、当
委員会は八月三十一日に今度の
委員会を持つということになっておりますが、おそらく八月三十一日までには
河川審議会の方の答申が出るかもわかりません。
建設大臣の
意見として、あなたは十分実態をお調べになって、二百億
程度の
予算の増額というものを、まあ
計画の組みかえと申しますか、将来の問題ですから、将来災害を守れるのだというのならば、二百億
程度の砂防費の増額は
閣議でおそらく認めていただくだろうと思うのです、
年度年度の
予算でございますから。そういう地点というものは河川局はよく知っているはずです。当
委員会は今までも歴史的にこの問題について与、野党ともに全部総員が熱意を傾けている。砂防によって
国土を守ろうというこの
考え方に対して、
建設大臣はどういうお
考えをお持ちになろうとするか、それに対してどういう対策を立てようとするか、そうしてこの
計画はいつごろまでにそれをまとめようとするか、そうして審議会に対してこれは
建設大臣の諮問条項です、諮問案ですから。これにプラスして、実情に即した
大臣の意思表示をなされるかどうかという点について御答弁願いたいと思います。