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柳田委員 ただいま民主社会党の方から御提案がありました。われわれ社会党として、
国会正常化に関しては、もとより他党に比べて決して人後に落ちるものではなく、むしろ率先してさらにその熱意を強くするのであります。ただ、民主社会党から出されましたこの
決議案の項目を見ますと、率直に言わしていただくならば、あまりにも結果的な——末梢と言うと多少言い過ぎになりますが、現象的な事例にのみ力点を置いておられるのではなかろうか。われわれとしては、
国会正常化ということは、根本的に議会運営全体を通じて考えなければならぬ。議会運営というものは多数党が責任を持つのだ、だから、一切がっさい、
常任委員長もみな多数党で占めるのだというところにもなお問題があろうかと思います。この点は、わが党から今回自民党の新しい三役にも
申し出をして御善処を要請しておるわけであります。参
議院においてもそういうような含みで話を進められておるようです。そういうところにも問題がある。また、事実、民主主義というものは、多数決を原則にしておりますが、多数決だから民主主義だという理論は、すぐには当たらない。やはり立場の違う者あるいは反対の者の
意見も十分に取り入れるという努力、忍耐、寛容も民主主義の一つの要素であるということになってくると、単に
院内の形式的な多数決をもって足れりとするような、従来往々にしてとられたやり方に対しても、なおメスを加える必要があろうかと存じます。さらに、三十四
国会の問題になるならば、総理は人心を一新するといってやめられましたが、やはりそれに全然無
関係であったとは言えない。この問題に関しては、先般この
委員会で
池田委員からも指摘されました
通り、私は、
議長、副
議長の責任問題というものも、これまた等閑に付せらるべきものじゃなかろうと思います。しかし、幸いにして、今回は三党首が会談をいたしまして、今後
院内のことは一つ
話し合いでやっていこうという申し合わせができた。これこそ、私は
国会正常化の第一歩であろうと思う。いかに自粛
決議をしても、また同じことを繰り返したという従来の事例を考えるときに、私たちは、
決議するそのことは決して反対でありません。もとより、ある一定の
基準と、さらに具体的なそういう折衝が行なわれるならば、
決議をしてわれわれみずから自粛自戒の一つの
基準にするということは、非常にけっこうなことでありますが、その前に、今後
話し合いによってやっていくということであるならば、先ほどあげましたいろいろな点をもっと
各党において練って、そうして
お互いに譲るべきは譲って、もっとそれを
各党で一致し得るところにまで持っていく努力をすべきであって、今ここでこの案のままでやるということにはわれわれは
賛成できない。しかしながら、事実、会期もきょう一日でありますし、この問題をさらに練っていこうといたしますならば、かすになお時日もあろうかと思いますから——決して私はこの
趣旨に反対というわけではありませんので、今後も当
議院運営委員会において、あるいは
国会対策
委員長なら
委員長の立場においても、あるいはまた、さらに幹事長、書記長の立場においても、要するならば、さらに最終的には
党首会談の立場においても、もう少し練って、
お互いに単なる
決議倒れでなしに、ほんとうにわれわれが自粛自戒する、いわば
各党間がこれをもって今後
国会の民主化と正常な運営をやっていくというような努力を——私は、決してこの問題はきょう一日でこの会期中にどうしてもやらなければならぬ問題ではない、むしろわれわれ
国会に課せられた大きな義務でもありますから、十分議を尽くして練り上げていくという立場をとられた方が、より一そういいのじゃなかろうか、こういう考えで、決して民主社会党さんの御
趣旨に反対じゃありませんが、今すぐここでこの
決議案に御同調申し上げるというよりも、さらにもっと練り直すということの方がよりよいのではなかろうか、かように考えております。