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池田(禎)
委員 あなたのお答え方を見ておると、
紋切り型で、法に準拠することがどこが悪いか、それでは、もう一ぺん申し上げましょう。
釜谷衆議院議長は、
議長就任最も長き
議長でありましたが、一回も
混乱はありません。私
どもは、五月十九日の
事件以来、
国会の
正常化なしということで、
出席をいたしておりません。公式にはきょう初めてこの公開の席においてあなたと質問をかわすわけです。過去の
議長の中で、
混乱が未然に防げるというなら
自分のからだを張って、
議長の職権、
議長の英知をもってこれを防止し、ついに
混乱なきを得た人が、三年数ヵ月の長きにわたって
議長の
職責にあった。
反対党の人といえ
ども、その
議長の
識見と努力に対して深く敬意を表しておる。あなたは法の一点にのみ準拠して、人情も涙も、あるいは
話し合いの
誠意もない。あの十九日の
事態におきまして、私
どもはあなたに対して五回も六回も申し入れをし、
最後にはあなたは
面会を拒否されたじゃありませんか。
最後の
手段として三
党首会談を開け、三
党国会対策委員長会談を開け、そうしてこの
混乱した
事態を防ぐべきであるということを私
どもは言った。
誠意を披瀝して、
委員長みずからも使者を立てて
——私も行ったが、
最後にはあなたは
面会を拒否されて、
議長室のドアにかぎをかけて入れない。しかもあなたは、兵に告ぐのようなつもりで、十五分間以内にのかなければ、
警察官を導入してあなた方を実力をもって排除する
——これが
国権の
最高機関の
議長のとるべき
最後の
手段でありましょうか。かりに私が
議長なりせば、これほどの
混乱であるならば、きょうの本
会議は開かない、翌日開く、翌日がだめなら、その翌日と、もう一日延ばし、少なくとも三日間たって、それでもできないというなら、あなたがかりに
警察官を入れたとしても、世間は非難するにしても、これはあなたに対して許す道も出てくるのではないか。一片のあなたの通告、
マイク放送をもってあなたは事足れりとするところに、千思万考したとか、苦心惨たんしたということがいずくにありましょう。私は何ら認められないと思う。しかも、あなたは今、
議長が
責任をとるほどの問題ではないと言うが、かつて
星島二郎さん、かつて
加藤鐐五郎さんが、あの
混乱の
責任をとってお
やめになった。今回の
事件はそれに数十倍まさるとも劣りません。しかも
議長は、何ら
法規に違反するものにあらず、
議長の
職責に欠くるところあらずと、
てん然としてその
地位に晏如としておる。一言あなたがあの
事態というものをわびる姿はどこにもない。今、
国会の機能は、
事務的にいっても幾多の支障を来たしていることは事実じゃありませんか。三十五回
臨時国会の
召集にわれわれが応じても、エレベーターが動かないというような状態で、これは
事務的なことで
議長は知らぬといえばそれまでですが、
事務的のことも全部停頓しているじゃありませんか。あなたがその
地位に恋々たるあまり、すべての
事務が停滞している事実を何と見るか。それでもあなたは
国権の
最高機関の
議長としての
職責を全うしておると
国民の前にぬけぬけと言うなどということは、あまりにもあなたは無礼千万な人だと思う。しかし私は、あなたが
最後に言ったように、どうしてもいけなければ、
不信任を受けるなら、いつでも
やめるということを申された。
政治家というものは、法によって指弾をされて、
不信任を突きつけられて、多数によって採決を受けて去られるというのは、
政治家のとるべき道じゃないのです。
政治家としてもっと広い角度に立って、
国権の
最高の
機関であるところの
国会の
運営を
議長は考えなければなりません。それをあなたは、
不信任案が通過すれば
やめるという、そういう
紋切り型がどこにあるのです。すなわち、法に違反するにあらざれば、道徳上のいかなる罪を犯しても、道徳的には違反してもかまわぬというような言い方が許されますか。(「そんなことは言ってない」と呼ぶ者あり)私はあなたに質問して、おるのじゃない。
発言するなら
委員長に
発言を求めてやりなさい。私はあなたの
発言は妨害いたしません。
——あなたの首に綱をつけて、懲役十年にするという
法規はありませんけれ
ども、あなたのような
議長のもとに私
どもはこういうことをしなければならないということは情ない。実は
社会党の諸君とも、
清瀬議長のもとに
委員会に
出席するかどうかということも、話には出た。心情においては、あなたのもとにおいて私
どもは出たくない。けれ
ども、
首班指名の
選挙ということは、
国民から
議員に負託された
最高の義務である。この
職責を果たし得ないということは
国民に相済まぬから、きょうは一切この胸をなでおろして、この
委員会に応じようということで出た。それほどまでにして出ておるということをあなた自身はお考えにならないのか。私
どもは、
岸内閣の
責任を追及するあまり、あなたにはかまっておらぬけれ
ども、あれだけの大
混乱を起こした重大な
責任があなたにあると思う。私の考え方が間違っておるかどうか、これは
国民に聞く以外にない。
裁判所に行って争うわけにいかない。
国会は
裁判所以上の権能を持っておる。従って私は、あなたのような、とうふにくぎを打ち込むような人間に、これ以上は申しません。あなたのような
議長のもとに
諮問機関の
委員として参画しなければならぬということは、私は
政治家として良心に対して大いなる恥を感じております。このことだけを申し上げておきます。