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木村禧八郎君 簡単に。私も速記録は見ております。前の、藤山外務
大臣の御
答弁につきましては、そういう
政府の方の記録でしょうが、客観的に見まして、そうでないことをわれわれはいろいろな
資料から推測できるのですが、これは議論になりますから、私はそういう
書簡を持っているわけではございませんから、証拠というものを持っているわけではないのですから、その当時の事実をここで一々例証していきますと、時間もございませんから、今の御
答弁では納得できないのですけれ
ども、一応
政府の方から
資料に基づいて御
答弁がありましたから、その御
答弁があったということだけは了承しておきます。
しかし、池田通産
大臣の御
答弁は不満であります。非常に何か責任を回避するような、ただ「今」という言葉を使ったからといいますけれ
ども、私はこう
質問しているのです。私の
質問の個所を全然おっしゃらないで、御
答弁のところだけを言われたのです。私は、こういうふうに
質問したわけです。今まで
財政法では継続費というものを認めてなかったわけですね。なぜ認めてなかったか、これはもう御承知だと思うのです。
財政法四条、五条でも、公債の発行について厳重な制限をしたり、継続費
予算というものを認めなかったのは、日本が、防衛費が継続費とか公債費という形でふえて、再び軍国主義化する危険がある、そういうのを
財政面で押えるという
意味を持っていたと思うのです。そこで、
昭和二十七年に
財政法に継続費
予算を認めるにあたりましては、われわれ非常に慎重な態度をとったわけであります。私はこう
質問したわけです。「一番今我々問題にしておるのは、軍事費的なものですね。軍事費的なものについて今後継続費的なものが多く出て来るのではないかという心配がありますが、例えばアメリカのように軍事
予算については、継続費的なものを最長二年の期間に制限しておる。その他のものについては多
年度予算とか、或は無期限
予算とかありますが、軍事費については、わざわざ継続費的なものについて最長二年の期間に制限しております。で繰越費を仮に認めても四カ年、従ってこういうものについてはやはり今後濫用される弊害があるようなものについては、やはり事前にそういう機械的にではなく制限を設けるのがいいのではないかと思うのですが、その点は
大蔵大臣どうお考えになっておりますか。」、こういう
質問なんです。今後、軍事
予算として継続費がふえるということが非常に心配である。これに対して
大蔵大臣は、「継続費の期間の問題で、」——今
お話のように、「まあ昔は軍艦を造る場合が一番多かったと思うのであります。併し我々は今軍艦を造ろうなんていう気持は全然持っておりません。」さらにまた、「今軍艦の
お話が出ましたが、軍艦陸奥、長門を造ろうと思えば、五百億円ぐらい一艘で要るのですが、とても継続費にしましてもたくさんなことだと思うのです。而して私は継続費の今後設けようとする
趣旨をお考え下されば……、」、そういうことはないではないかという御
趣旨の
答弁なんです。現在は継続費はほとんど大部分——全部とは言いませんが、大部分が継続費です。防衛費は継続費なんです。ですから、ただ「今」という言葉をちょっと入れたから、その当時は思っていないが、今はそういうことを考えても食い違いじゃないじゃないかという御
答弁は、これはもう非常に無責任だと思うのです。大体、継続費というものがなぜ認められて
いなかったか。それは二十七年に継続費が出てきたことについては、現在のようになるから、そうして、これがだんだん軍国主義化するにつれて臨軍的なものになるということを、
財政法で継続費を認めるときに、われわれは一番憂慮したのです。そのときに池田当時の
大蔵大臣は、そういう御心配はないという
趣旨のこれは御
答弁です。「今」という言葉があるから、また、その当時は軍艦について継続費がなかったから、
予算がなかったから、自分はその食い違いがない、こう言っておりますけれ
ども、このことは、非常に言いのがれのように思います。私の
質問の
趣旨は、何も池田現通産
大臣の言動を責めようというわけじゃない。今後、こういう形で臨軍的に防衛費が継続費としてますますふえていく
傾向は憂慮すべきことです。
財政法の精神を踏みにじっていくものである。なるほど、継続費を
財政法で認めましたけれ
ども、しかし、こういう臨軍的な継続費
予算が、ふえることを
財政法の精神は許していないと思う。そういう
意味で、この際、はっきりしておきたいという
趣旨で私は
質問したわけですから、その点、池田通産
大臣も私の
質問の意図するところを——この点については、おそらく池田通産
大臣も反対じゃないと思うのです、根本の考え方につきましては。ですから、もう少し誠意のある、責任のある御
答弁をわずらわしたいと思うのです。