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1960-05-26 第34回国会 参議院 本会議 第22号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月二十六日(木曜日)    午後零時四十一分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十六号   昭和三十五年五月二十六日    午前十時開議  第一 運輸省設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二 航空法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 薬事法案内閣提出)  第四 薬剤師法案内閣提出)  第五 医療金融公庫法案内閣提出衆議院送付)  第六 公共工事前払金保証事業に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般の報告は、朗読を省略いたします。      ─────・─────
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、新たに議席に着かれました議員を御紹介いたします。  議席第五十二番、地方選出議員、熊本県選出野上進君。   [野上進起立拍手〕     ─────────────
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 議長は、本院規則第三十条により、野上進君を法務委員に指名いたします。
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、会期延長の件についてお諮りいたします。  議長は、会期延長について議院運営委員会に諮りましたところ、本院といたしましては、会期を七月十五日まで五十日間延長すべきであるとの決定がございました。  会期を五十日間延長することについて、討論通告がございます。発言を許します。加賀山之雄君。   [加賀山之雄君登壇、拍手
  6. 加賀山之雄

    加賀山之雄君 私は参議院同志会を代表いたしまして、会期延長について賛成意思を表明するものでございます。  社会・民社両党の全議員欠席の本会議におきまして、異例の討論を行ないますゆえんのものは、去る十九日衆議院において行なわれました会期延長の強行、並びにその後引き続いて生じておりまする事態について、心から遺憾にたえないと存じますと同時に、わが国民主政治二院制度現状と将来について、憂慮にたえないものがあるからでございます。  自由民主党の一方的行動と、日本社会党暴力行使とは、ともに強く非難されねばならないものだと考えます。わが同志会は、わが国民主政治の健全なる成長のために、また、わが国議会制度の権威を防衛するために、この壇一上より両党諸君の猛省を強く要求いたすものであります。(拍手)  さて、わが同志会が、今回本院において会期延長議決を行なうべきことを率先して提唱いたしました第一の理由は、ひとえにわが国二院制度基本的原理を保持せんがためにほかなりません。すなわち、日本国憲法第四十二条は、「国会は、衆議院及び参議院の両議院でこれを構成する。」とし、衆議院及び参議院が、それぞれ独立の意思決定機関として、その両議院の合致した意思が初めて国会意思となる趣旨を明記しております。しかるに、最近における数国会事例に徴しますると、本院は、衆議院会期延長議決を行ない、そのつど、その旨を本院に通告して参りましたにもかかわらず、本会議を開会して本院独自の立場から会期延長議決を行なうことを怠っております。もとより、われわれも、国会法第十三条によりまして、参議院議決いたしませんでも、衆議院議決国会議決となることを存じないわけではございませんが、もともとこの規定は、参議院衆議院と異なる議決を行なうか、あるいは、不測の事態により、本院において会期延長議決を行ない得ない場合を予想しての規定でございまして、正当なる理由なくして参議院議決を怠ってよいという趣旨のものでないことは明らかであります。不幸にしてわれわれは、過去数国会事例を顧みまして、会期延長議決を行なうために本会議を開くことができなかった何らの理由も発見することはできません。かくて、日本国憲法第四十二条がわが国二院制度を採用した本来の目的も次第に没却され、ひいては、衆議院に対する参議院の独自の機能もようやく抹殺されるに至るであろうことを、われわれは深く憂慮いたすものであります。(拍手)これが第一の理由であります。  第二の理由は、御承知のごとく、今国会は新安保条約承認重大眼目といたしており、それに伴いまして、衆議院における審議も、同条約審議に多大の時間をさかれました結果、今日まで国会に提出されました法律案内閣提出百四十二件、議員提出五十五件、計百九十七件のうち、両院を通過して成立したものは、わずか八十七件にすぎず、いまだ審議中のものは百十件の多きを数えておるのであります。この中には、新安保条約に伴う三十一法律案のほか、ILO条約第八十七号並びにそれに関連する法律案などの重要法案が残存しております。さらにまた、突如、表日本を急襲いたしました大津波による被災者対策も、また緊急を要する重大な問題であることは申すまでもございません。これらの審議のためには、議長より提案された会期延長はぜひとも必要であると考えるものであります。  第三に、ここに私が申しますまでもなく、政局はまことに憂慮すべき段階にあります。国会もまた、二十日以来全くの空白状態を続けております。かかる事態を収拾し、国会運営を正常化し、政局を正しい軌道に乗せることは、われわれ国会議員に課せられた重大責任でございます。(拍手)われわれは、政府与党がかかる事態を招来した責任について、いまだ反省の色が足りないように思うと同時に、また、与党内部を収拾して新安保条約承認をいよいよ強行せんとするがごとき態度を続け、また野党の諸君も、重大なる外交問題を政争の只に供し、倒閣に急にして、いたずらに政情の不安をあおるがごとき傾向にあることは、遺憾のきわみでございます。国民は、今後国会はどうなるのか、政府はどうなるのか、そして国の一番大事な国家国民の将来は一体どうなるのか、深い憂慮を続けておるのが現状であります。一刻も早くこの心配を除き、民心を安定せしむることが、現下最も大切なことであると信ずるのであります。  以上、私は会期延長について賛意を明らかにいたしましたが、この際、特に明らかにいたしておきたいことは、このことが直ちに与党だけの単独審議にわれわれが喜んで協力することを意味するものではないということでございます。われわれが要望いたしたいことは、今なすべきことは、せっかくきょうの議決によって国会延長されるならば、一日も空費することなく、即時政局を安定し、議会運営軌道に乗せ、それぞれ反省の上に立って、三党首会談を開く等、あらゆる手段を講じて国会審議を正常化することであると思うのであります。これに渾身の努力を払うことが必要であると思うのであります。そしてこの混乱の事態を一日も早く収拾し、国民のわれわれに対する負託にこたえるべきであると信ずるのでございます。  これをもちまして私の討論を終わります。(拍手
  7. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて討論通告者発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより採決をいたします。会期を七月十五日まで五十日間延長することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって会期全会一致をもって七月十五日まで五十日間延長することに決しました。(拍手)  議事の都合により、これにて暫時休憩いたします。    午後零時五十二分休憩    〔休憩開議に至らなかった〕      ─────・───── ○本日の会議に付した案件  一、新議員の紹介  一、会期延長の件