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1960-04-27 第34回国会 参議院 本会議 第19号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月二十七日(水曜日)    午前十時五十分開議     ━━━━━━━━━━━━━  議事日程 第二十号   昭和三十五年四月二十七日    午前十時開議  第一 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第二 日本道路公団法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第三 建設業法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第四 重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第五 中小企業業種別振興臨時措置法案内閣提出衆議院送付)  第六 母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(衆議院送付)  第八 道路整備特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第九 特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一〇 地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)  第一一 臨時地方特別交付金に関する法律案内閣提出衆議院送付)  第一二 地方交付税法等の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)     ━━━━━━━━━━━━━
  2. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 諸般報告は、朗読を省略いたします。      ―――――・―――――
  3. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これより本日の会議を開きます。  この際、お諮りいたします。海外旅行のため、奥むめお君から会期中、永末英一君から二十日間、請暇の申し出がございました。いずれも許可することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よっていずれも許可することに決しました。      ―――――・―――――
  5. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) この際、お諮りいたします。  オリンピック東京大会完遂に関する決議案安井謙君外二十八名発議)(委員会審査省略要求事件)、  本案は、発議者要求通り委員会審査を省略し、日程に追加してこれを議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。よって本案議題といたします。  まず発議者趣旨説明を求めます。安井謙君。    〔安井謙登壇拍手
  7. 安井謙

    安井謙君 ただいま議題となりましたオリンピック東京大会完遂に関する決議案につきまして発議者を代表いたし、提案趣旨説明を申し上げます。  まず、決議案の案文を朗読いたします。    オリンピック東京大会完遂に関する決議案   オリンピック大会は、世界最大のスポ―ツ行事であって、世界青少年スポーツ競技をとおして相互の親交を深める機会であるばかりでなく、世界各国民の国際交流国際親善促進に寄与するところがすこぶる大きいのである。   第十八回大会東京開催されるに当たり、その成功を期するために、競技場その他の諸施設整備交通環境衛生等対策に万全の措置を講ずることはもちろん、国民一般オリンピック精神高揚と、体育特に青少年体育飛躍的振興を図らなければならない。   政府は、これが総合的対策を確立し、国民全面的協力のもとにその推進を図るべきである。  右決議する。  以上であります。  参議院は、さきに第十八回オリンピック大会東京招致に関する決議をいたしましたが、その期待にこたえ、オリンピック東京大会開催決定いたしましたことは、まことに喜びにたえません。かつて東京が一九四〇年の第十二回大会開催地として決定されながら、当時の事情中止のやむなきに至りましたため、アジア地域においては、オリンピック大会は、いまだかつて一度も開かれたことがなかったのでありまして、このたびの東京開催決定は、ひとり日本国民のみならず、アジア国民にとって多年の宿望を実現することができたものというべきであります。オリンピック東京大会は、申すまでもなく、世界最高スポーツ行事であり、また世界民族親善と友好を雪たらす祭典でもあります。国際間の交流を通じ、民族相互の理解を深め、これを機会日本世界に認識せしめるとともに、国民全般モラル向上せしめる絶好機会でもあります。同時に、本大会契機に、おのずから国民体育スポーツ飛躍的振興がはかられ、国民体育向上に資するところが多大であることはいうまでもありません。これらは、これまでオリンピック大会開催した国々がひとしく受けた最大の恩恵であったのであります。以上のような本大会重大性にかんがみ、これが円滑かつ有意義実施を期するためには、大会実施に直接関係する諸団体はもちろんのこと、国をあげて東京大会実施協力しなければならないと存じます。  申すまでもなく、大会実施には各般準備対策が必要であります。まず、大会に直接必要な競技場その他の諸施設整備をはからなければならないことはいうまでもありませんが、これに並行して交通、輸送の整備都市環境の美化、公衆衛生改善等、今後なすべき仕事は山積いたしております。東京都は戦後著しい復興ぶりを示しておりますが、これを上回る人口の激増、交通混乱等はまことに目に余るものがあり、尋常一様の手段をもってしては、これらの諸懸案の解決は困難と申さねばなりません。  他方、このような世界最大スポーツ行事開催されるわが国としては、競技相当の成果をおさめることが当然の義務でもありますゆえ、国民全般に対する体育向上と、特に青少年中心にしたスポーツ技術水準を高めるため、抜本的対策を確立する必要があります。これまた、今日までの実績に徴してみますと、決して十分であるとは申せません。日本民族モラル高揚国民体育向上、諸施設整備、この三者が一体となって、初めて東京大会開催意義は全うせられるのであります。幸いにいたしまして、政府におかれましても、諸般事情を察知され、昭和三十五年度国・地方予算等を通じ、具体的施策を進められてはいる模様でございますが、この際、一段と熱意をもって諸対策推進し、国民の要望にこたえられんことを切望してやみません。  議員各位の満場の御賛同を期する次第でございます。(拍手
  8. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 本案に対し、討論通告がございます、発言を許します。重盛壽治君。    〔重盛壽治登壇拍手
  9. 重盛壽治

    重盛壽治君 私は、ただいま議題となりました東京オリンピック大会完遂に関する決議案につきまして、オリンピック組織委員の一人といたしまして、これに一言賛意を表さしていただきたいのであります。  今、安井議員オリンピック重要性を説かれたのでありまするが、このオリンピックが、かつて昭和十五年に第十二回大会東京開催せられるに決定せられたことは、皆さん御承知通りであります。従って、この当時は、多くの国民がこれを期待し、これの実行にはかなり大きな期待を持っておったのでありまするが、不幸にして、いわゆる日支事変の渦の中に巻き込まれ、第二次世界戦争の緒戦でありましたために、遺憾ながらこれの中止をしなければならなかったのであります。今回の第十八回オリンピック大会は、昨年のミュンヘンにおけるIOC五十四回総会において、ここにおいでになっております津島会長その他関係者の非常な御努力によって第十八回大会東京開催されることになったので、私どもも心からこの開催喜びとするものであります。  ただ、私は、この大会が、今趣旨の御説明の中にもありましたように、非常に重要な意義を持つものである。もちろん国民体位向上をはからなければならぬでありましょう。そうして、また、スポーツの旺盛もけっこうであります。けれども、私どもは、そうした中に、より高度と申しましょうか、広範な多くのものを求めたいのであります。御承知のように、オリンピック世界の八十四カ国が参加をいたしまして、その若人たちが一堂に会して、スポーツを通じて国際関係の融和をはかり、そのスポーツの中には、もちろん争いもなければ、戦争もない。平和な、言いかえますならば、東京におけるオリンピック開催は、平和のシンボルとならなければならない。こうした意味合いから考えますならば、私は、この大会ほんとう日本の一つの、政治的にあるいは外交的に、経済的に、大きな転換期として迎えるべきではなかろうか。私どもは、戦後十五年たって顧みたときに、お互いに十年以上あるいは十五年国会に籍を置いて、国政にたずさわってきたのでありまするが、振り返って、日本のたとえば国土総合開発を顧みるときには、はたしてほんとうに完全な開発ができたのだろうか。あるいは運輸行政の問題を取り上げましても、はたしてほんとう国家の将来を考え、百年の大計を考えながら、この仕事が進められたであろうかということを振り返ってみますならば、私は必ずしもあえて理論闘争に終始したとは言いませんけれども、もっと国土総合開発というようなことが政党政派を超越してでき得ておったはずではなかったか。非常におくれておる現状であります。こうした姿は、やはり何かの動機というものがなければ、ほんとうに軌道に載せることはできない。このオリンピックこそ絶好チャンスである。このオリンピックを通じて、そうしてほんとうにきれいな日本の姿を打ち出していく。言いかえますならば、ただ東京オリンピック整備をして、オリンピック大会を終わらしめれば事足りるということで終わっては、私は意義がないと思う。このオリンピックを通じて東京をきれいにする、あるいはオリンピック施設をきれいにするということではなくて、日本全国をもっときれいにして、平和な日本の姿というものを見てもらう。共産圏からも参ります、自由主義国家群からもたくさん来る、その人たちが見て、日本こそは平和を愛する国である、きれいな国であるという姿をはっきり焼きつけていただいて、いわゆる観光日本の姿を堂々と打ち出し得るところに、私はオリンピック意義があろうと考えるのであります。私はかような見地に立って申し上げますならば、四年後の一九六四年にオリンピック開催される、そのオリンピックだけで使う予算は六十億程度と聞いております。もちろんこれに関連をいたしました道路あるいは交通問題、多くの問題がありましょうが、この大事業をなそうとするときに、今、安井議員の御説明の中には、ことしもかなりの予算が盛られたと聞いておりまするけれども、私が知ります限りにおきましては、ことしはわずか一億二千万円程度であります。しかもそれは三等分されている。国は何と四千万、東京都が四千万、オリンピック委員会が適当にやってくれというのが四千万、一億二千万の金をもってオリンピック準備を四年先に完成するというようなことは、私は、まことに夢のようなことではないか。少なくとも四年先に実行せられるオリンピックに対しましては、本年度から相当程度予算を、しかも今申しますような国家行事としてやろうとするならば、当然国家予算から支出して、特定な人の犠牲や特定りものの支出によってやることなく、国がやはり出すべきではなかろうか。さような意味合いに立つならば、きょうは文部大臣おいでになっておりまするが、私は何としても大蔵大臣にも出てもらわなければならない。建設大臣運輸大臣も出てもらわなければならない。わずか四千万のことしの予算、どうして一体足りるか。これは私はそこまで申したくはありませんが、国民の中にもあるいは若干便乗的な空気があるかもしれませんけれども政府といいましょうか、ものをやる為政者の考え方が、いよいよ押し詰まらないと予算も持ってこない。しかし、いよいよ押し詰まって予算を上程しよういうときには、もし、ことし十億で足り得るものは、来年になれば、こうした四カ年先に必ずやるのだという仕事を、あるいは施設の問題、土地の買収の問題等を考えましても、少なくとも二倍、三倍ぐらいになっていくという、きわめて好ましからざる状態があるのである。真にやっていただくということでありまするならば、ことし多くの予算をとって、すべての施設の敷地ぐらいは、そう御不満の起こらないうちに、やはり買い取っておくぐらいの進め方をやっていただかなければならぬのではなかろうか。私は、それと同時に、ただ東京だけをきれいにしてほしいというのではない。これを契機にして、特に建設部面における大きな役割があるのではないか。建設部面での仕事といいますならば、首都圏における東京中心とした道路完成はもちろん、あらゆる道路完成に力を注がれて、冒頭私が申し上げましたような観光日本の姿にふさわしい日光に行くにも箱根に行くにも、あるいはすべての所に観光道路完成せられるという姿は、この機会を逸しては困難ではないか。中央道路がいいというなら中央道路を一つ作って、信濃平原を一つやる。さらにまた東海道がよろしいということなら、東海道と二本作ることがなぜ悪いのでしょうか。むしろ東北も中央もすべてはこうした機会完成して、国土総合開発をこのチャンスを逸せずにやっていく、いわゆる総合的な施策によらなければならぬのではないか。
  10. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 重盛君、時間が参りました。
  11. 重盛壽治

    重盛壽治君(続) はい。もっと簡潔に言いますならば、従来のいわゆるなわ張り的な考え方をここで一擲してもらって、建設省も運輸省も地方自治庁一体となって、この仕事ほんとう完成させるというように御努力を願いたい。そのためには国家予算も若干使っても差しつかえないのではなかろうか。  最後に私はお願いをいたしておきますことは、ややもすれば従来は、決議案なるものは、国内問題はいわゆる決議倒れに終わったかと考えられるのでありまするが、本件に関する限りは、いわゆる決議をしたからよろしいというのではなくて直ちに実行に移さなければならぬ問題と考えますので、政府責任者は特にこの点に留意をせられ、これらの促進に対して特段の御支援を下さることをお願いすると同時に、議員諸君の絶大な御支援をお願いいたしまして、一言賛成意見を述べさしていただいた次第であります。(拍手
  12. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) これにて討論通告者発言は終了いたしました。討論は終局したものと認めます。  これより本案採決をいたします。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  13. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。  ただいまの決議に対し、文部大臣から発言を求められました。松田文部大臣。    〔国務大臣松田竹千代登壇拍手
  14. 松田竹千代

    国務大臣松田竹千代君) ただいまはオリンピック東京大会準備対策推進について御決議をいただきましたが、これに関して所見の一端を申し述べたいと思います。  御指摘通りオリンピック東京大会は、ひとりスポーツ関係者のみならず、日本国民こぞって多年にわたって翹望して参ったところのものであり、この実現は政府としても非常に欣快とするところでございます。そこで、このオリンピック東京大会成功を期するためには、国民的世論の盛り上がりのもとに、政府関係団体一体となってその準備に当たらなければならないと思います。まず、この機会に、国民一般スポーツを普及奨励し、スポーツ技術水準を高めて、すぐれた選手の輩出するように努力するととは、日本スポーツ界の当然のエチケットでもあろうかと思います。また大会に必要な諸施設の設備は各般にわたり多額の経費を要するものでありますが、国としても相当の援助をしなければならぬと思います。さらに重要なことは、決議に御指摘通り国民一般が十分にこのオリンピック東京大会意義を認識し、オリンピック精神を生かして快く世界各国のお客様を迎え、この機会日本日本人をよく理解してもらうとともに、国際親善の実をあげるよう努力することが大切であります。この大会を真に意義あらしめるためには、体育スポーツに対する国民的関心の高まるこの機会に、国民一般とともに、青少年体育飛躍的振興をはかり、また国民体位向上のために恒久的施策を講ずる必要があることは申すまでもありません。今後政府といたしましては、関係団体と密接に協力し、関係各省施設に対し十分の連絡をはかり、大会の円滑な実施のために諸準備を大いに努力して参りたいと思います。各位のより一そうの御協力と御支援をお願いする次第であります。(拍手)      ―――――・―――――
  15. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第一、原子力委員会設置法の一部を改正する法律案内閣提出衆議院送付)を議題といたします。  まず、委員長報告を求めます。内閣委員長中野文門君。    〔中野文門登壇拍手
  16. 中野文門

    中野文門君 ただいま議題となりました原子力委員会設置法の一部を改正する法律案につきまして、内閣委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、本法律案内容を申し上げますと、原子力委員会委員定数を二名増加しようとするものであります。政府が本法律案提案理由として述べるところによりますと、原子力委員会は、原子力研究開発及び利用に関する国の施策を計画的に遂行し、原子力行政民主的運営をはかるため、昭和三十一年に設置されたものであるが、その後、わが国原子力開発利用は、原子炉開発研究の面においても、核燃料物質開発の面においても、あるいはまた、アイソトープ利用の面においても、わずか数年の間に著しい発展を見ており、また将来における利用を目ざしての各種の試験研究もその範囲を拡大し、かつ内容を高めている。従って、原子力利用について企画、審議決定を行なう原子力委員会の所掌する事務も増大し、かつ重要の度を加えてきたので、この際、委員長及び委員四人をもって組織されている原子力委員会委員をさらに二名増員して、その機能を強力化し、かつ充実せしめようとするとのことであります。  内閣委員会は、中曽根科学技術庁長官その他関係政府委員の出席を求め、前後四回にわたり委員会を開きまして、この法律案を慎重に審議いたしましたが、その審議におきまして、委員増加理由と過去における本委員会の業績、原子力発電実施計画実施後における電力価格の見通し、世界各国及びわが国におけるウラン鉱開発量原子力技術者養成計画、放射線による損害賠償法案の構想、日本学術会議に対処する政府の態度並びに日本学術会議科学技術会議との関係等の諸点につきまして質疑応答が重ねられました。特に矢嶋委員より、現在防衛庁で行なっている兵器の開発原子力開発が結びつくやいなや、また原子力開発利用原子力基本法に掲げる三原則がかたく守られているやいなやの点につきまして、政府所見がただされましたところ、中曽根長官より、前者については全然結ぴつかない。また後者については三原則を忠実に守っていく方針である旨の答弁がなされました。  去る十九日の委員会におきまして質疑を終わり、次いで二十一日の委員会において討論に入りましたところ、自由民主党を代表して増原委員より、本法律案の附則第一項に「昭和三十五年四月一日」とあるのを「公布の日」に改める旨の修正案が提出せられ、修正案及び修正部分を除く原案賛成の旨の発言があり、次いで日本社会党を代表して横川委員より、次の附帯決議案を付して修正案及び修正部分を除く原案賛成意見が述べられました。  次に附帯決議案を朗読いたします。     附帯決議   わが国における原子力平和利用は一応の準備期間を経て今後本格的な研究開発段階を迎えんとするにあたり、政府は特に左の各項につき適切なる措置を講ずべきである。   一、原子炉安全審査に対しては、更に一層公正を確保するため、責任ある審査機関を法制化すると共に、原子力委員会の強化と充実を図り、ますます原子力行政の中核たらしめるよう努力すべきである。   二、原子力運営については原子力基本法を厳守すべきことは勿論、原子力平和利用においては、ひとり原子力発電のみならず、舶用炉アイソトープ産業利用等、ひろく関係分野にわたって、常に緊密なる協力を図ると共に、基礎的研究及び開発分野においても、燃料の生産、再処理、廃棄並びに関係科学技術者養成とその待遇改善等を含めて、それぞれ統一ある総合的計画を策定推進すべきである。  右決議する。  かくて討論を終わり、まず増原委員提出修正案について採決いたしましたところ、全会一致をもって可決せられ、次いで修正部分を除く原案について採決いたしましたところ、これまた全会一致をもって可決せられました。  最後に、さき討論中に横川委員より提出せられました附帯決議案につきまして採決いたしましたところ、全会一致をもって本委員会決議とすることに決定せられました。なお、右の附帯決議につき、横山科学技術政務次官より特に発言を求められ、政府はこの決議趣旨に沿うよう十分努力する旨の発言がありました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  17. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  委員長報告修正議決報告でございます。本案全部を問題に供します。委員長報告通り修正議決することに賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  18. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案委員会修正通り議決せられました。      ―――――・―――――
  19. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第二、日本道路公団法の一部を改正する法律案、  日程第三、建設業法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。建設委員長岩沢忠恭君    〔岩沢忠恭登壇拍手
  21. 岩沢忠恭

    岩沢忠恭君 ただいま議題となりました日本道路公団法の一部を改正する法律案並び建設業法の一部を改正する法律案について、建設委員会における審議経過並びに結果を御報告いたします。  まず、日本道路公団法の一部を改正する法律案について申し上げます。日本道路公団は、昭和三十一年に設立され、以来、有料道路建設管理等を行なって参っておりますが、本改正条は現行理事定数六人以内を八人以内に改め、新たに理事二名を増加しようとするものであります。委員会における質疑のおもなる点は、理事二名を増員する理由でありますが、これに対し、政府並びに道路公田から、最近における名神高速道路建設工事本格化に伴い、二名ないし三名の理事を現地に派遣している状況であり、業務の円滑な遂行をはかるため増員いたしたいとの答弁があり、その他、管理部門の実情、名神国道工事状況等について質疑がありました。  質疑を終了、討論には別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、建設業法の一部を改正する法律案について申し上げます。  本法案は、最近の建設事業発展状況にかんがみ、建設工事の一そうの適正な施工を期すため、建設業者登録要件施工に関する技術検定等について所要の改正を行なおうとするものであります。  その内容の第一は、建設業者登録要件に関するものでありまして、現行法では、学歴、経験年数のほかに建設工事に関する免許または認定を受けた者についても資格があることになっておりますが、これの最近の実施状況にかんがみ、免許等による資格については、建設大臣が適切なものとして指定したものだけに限ることにしたことであります。第二は、施工技術の確保について建設大臣は、建設業者施工する工事に従事し、または、しようとする者について、技術検定を行なうことができることとし、合格者は政令で定める称号を称することができることとしたことであります。  委員会における質疑のおもなるものは、本案により実施しようとする技術検定の職種、職業訓練法による技能士検定制度と本案との関連、建設技能者確保のための養成または訓練、検定合格者の称号、賃金との関係等に関するものであります。なお公務員が本法による資格を取得した場合、勤務評定との関係から、無資格者との間に給与の不均衡を生じ、行政に支障を来たすおそれはないかとの質問に対しては、この資格は勤務評定とは結びつくものではないが、さらにかかることのないよう努力していきたいとの答弁がありました。詳細は会議録でごらんをいただきたいと思います。  かくて質疑を終了、討論には別に発言もなく、採決の結果、全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告申し上げます。(拍手
  22. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  両案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立〕      ―――――・―――――
  23. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。
  24. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第四、重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案、  日程第五、中小企業業種別振興臨時措置法案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上両案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  25. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。商工委員長山本利壽君。    〔山本利壽君登壇拍手
  26. 山本利壽

    ○山本利壽君 ただいま議題となりました二法案につきまして、商工委員会における審査の経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案について申し上げます。  現行法は、重油を使用するボイラーの設置を制限することによって、適正規模の石炭需要を確保し、石炭鉱業の合理化達成に寄与させるため、昭和三十年に制定された五年間の限時法であります。自来、四年有余の歳月を経て参りましたが、石炭産業の合理化は必ずしも所期の目的を十分に達成し得なかったので、政府は、別に石炭鉱業合理化臨時措置法の改正案を今国会に提出して、石炭の合理化を推進し、昭和三十八年度には重油と競争できるようにしようとしております。このためには、さらに当分の間、重油ボイラ―の設置を制限し、一定規模の石炭需要を確保する必要があると考えてここに本法の期限を三年間延長する改正案を提出してきた次第であります。  なお、本法の延長にあたっては、石炭鉱業の合理化達成の障害とならない範囲内において、小型ボイラーを本法の規制対象から除外することとし、中小企業の近代化に対する配慮がなされております。  委員会における質疑に際しては、ボイラーに使用した場合の重油と石炭の経済性の比較、三軍後の石炭合理化の見通し、小型ボイラーを規制の対象からはずした場合の石炭への影響、重油専焼火力発電所の設置の見通し等の問題が取り上げられましたが、詳細は会議録によってごらんいただきたいと存じます。  質疑を終わり、討論に入りましたが、発言なく、直ちに採決の結果、本法律案全会一致をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。     ―――――――――――――  次に、中小企業業種別振興臨時措置法案について申し上げます。  従来とも、中小企業対策としては種々の施策が講ぜられて参りましたが、中小企業は非常に業種が多いため、具体的な問題点も業種に特有のものがありますので、それぞれの業種に応じて実態を把握し、業種別の対策推進しようとするため本法律案が提出されたのであります。  本法律案内容について申し上げますと、第一に、対策を講ずる必要のある業種を逐次指定し、これらの業種について、経営の合理化・競争の正常化、取引関係改善等に関する改善事項を定めるとともに、その要旨を公表し、これに従って中小企業者またはその団体に対する指導を行なうこと。第二に、競争の正常化及び取引関係の改善に関し、必要がある場合には、主務大臣が中小企業者、関連事業者等に対し勧告をすることができること。第三に、諮問機関として中小企業振興審議会を設置すること。第四に、特に必要がある場合には、中小企業者または関連事業者から報告を徴することができること等であります。なお、本法案は五カ年間の限時法となっております。  当委員会におきましては、対象となる指定業種の数、その選定の際の基準あるいは勧告内容の具体例、勧告の効果、調査の内容、中小企業を取り巻く不利な環境の是正の問題等について熱心な質疑応答が重ねられたのでありますが、これらの詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論に入りましたが、発言もなく、採決いたしましたところ、本法律案全会一致をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定いたしました。  右二法案についての御報告を終わります。(拍手
  27. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより両案の採決をいたします。  まず、重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  28. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 総員起立と認めます。よって本案全会一致をもって可決せられました。      ―――――・―――――
  29. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、中小企業業種別振興臨時措置法案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  30. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  31. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第六、母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案内閣提出)を議題といたします。まず、委員長報告を求めます。社会労働委員長加藤武徳君。    〔加藤武徳君登壇拍手
  32. 加藤武徳

    ○加藤武徳君 ただいま議題となりました母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案につきまして、社会労働委員会における審議経過並びに結果を報告いたします。  本法律案は、母子世帯に対する福祉資金貸付の状況にかんがみ、貸付対象及び償還方法に改正を加えんとするものであります。  その要旨は、第一に、母子世帯の福祉増進を主たる目的とする社会福祉法人または民法第三十四条の規定による法人が母子世帯の母を使用して行なう事業について、事業開始資金百万円まで、及び事業継続資金三十万円までを貸し付け得ることとして、母子世帯の母の就職を容易ならしめ、その利率を年五分とすること。第二に、住宅補修資金の貸付について六カ月の据置期間を設けて償還を容易ならしめること。第三に、災害を受けた母子世帯に対する事業開始資金、事業継続資金または住宅補修資金の貸付について、据置期間の延長を二年以内において認めること等であります。  委員会におきましては、母子福祉資金制度の運用については、母子福祉資金団体貸付の限度額の増加、母子相談員の設置活動状況と費用負担、貸付金の償還状況と償還猶予条件の緩和、貸付金の国庫負担率の引き上げと貸付利率の引き下げ等について質疑が行なわれ、まだ総合的母子福祉対策については、現在百十五万世帯もある母子家庭のうち、その一割強が生活保護の被保護者であるという状況であって、その就職状況から見ても、定まった勤労生活につき得ておる者は、わずかに二六%であり、三三%弱は自由労働その他不安定な仕事に従事せざるを得ない者であり、また、これら世帯の月収一つ、て見ても、五千円以下が一七%弱、五千円以上一万円以下が三%強、一万円以上一万五千円以下が二三%弱、一万五千円以上が二九%弱という状況であって、一万円以下の月収の者が実に四八%を占めているという実情からして、これら母子世帯の福祉対策については、あらゆる角度から、たとえば雇用促進、保育対策、母子寮の整備、母子福祉年金の準母子世帯や生別母子世帯べの支給等、大いに研究すべき問題があって、当委員会においては熱心な審議が行なわれ、特に貸付利率の引き下げと母子福祉対策の根本施策については、各委員より強い要望がございましたが、その詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  かくて質疑を終了し、討論採決の結果、本法律案全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  次いで高野委員より、本法律案に対し、各派共同提案にかかる次の附帯決議を付するの動議が提出されました。    母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議  一、母子家族は、本来社会保障施策の重要問題として取扱うべきであり、国がその生活の保護資金の貸付のみでなく、年金その他の支給金の増額によって行うことを建前とすべきであり、政府は此の際母子家族対策をその生活実体に即して立てるべきである。  二、貸付金の徴集については、母子家族の実体を十分勘案して特段の配慮をなすべきである。  三、貸付金の利子については、軽減その他今後特別の考慮をなすべきである。  四、地方財政窮乏の現状にかんがみ、貸付に要する資金は、出来るかぎり国庫負担を増額するよう努めること。  右の決議案について採決を行ないましたところ、これまた全会一致をもって本法律案附帯決議とすることに決定した次第であります。  以上報告いたします。(拍手
  33. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより本案採決をいたします。  本案全部を問題に供します。一本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  34. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ─────・─────
  35. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第七、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件(衆議院送付)、  日程第八、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案、  日程第九、特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)  以上三件を一括して議題とすることに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  36. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず、委員長報告を求めます。大蔵委員長杉山昌作君。    〔杉山昌作君登壇拍手
  37. 杉山昌作

    ○杉山昌作君 ただいま議題となりました三件につきまして、大蔵委員会における審議経過並びに結果を御報告申し上げます。  まず、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件について申し上げます。現在、両陛下の御住居となっております御文庫は、戦時中防空施設として建造されたものでありまして、御住居としては適当でないので、昭和三十五、三十六の両年度にわたって、御文庫に連接して御住居を増築することにしておりますが、これによって新たに一億四千九百八十五万三千円の財産を皇室用財産として取得する必要がありますので、本件は、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき国会議決を求めたものでございます。  委員会審議にあたりましては、皇居造営について今日までいかに検討がなされたか、御住居の位置を吹上御苑内に決定した理由は何か、皇居造営に際しての寄付金の取り扱いをいかにするか、御文庫はどのように改装するのか等の諸点について質疑がなされましたが、詳細は会議録によって御承知を願いたいと存じます。質疑を終了し、討論採決の結果、全会一致をもって異議ないものと議決いたしました。  次に、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案及び特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案について申し上げます。  これら両特別会計において、国が直轄で行なう工事にかかる都道府県の負担金につきましては、地方債証券による納付を認め、これに対する資金的措置として、これらの特別会計の負担において資金運用部から借り入れを行ない、もって事業資金の確保がはかられて参ったのでございます。しかしながら、この地方債証券による納付制度は、国と地方団体との間の費用負担の関係を不明確にし、また地方団体の財政を不健全化する等の弊害が指摘されておりますので、昭和三十五年度以降はこれを改めまして現金納付の方法をとることといたしたことでございます。  本案は、この方針に基づきまして、地方負担金相当額の借入金を借り入れる規定を削除し、また歳入歳出項目を改める等、所要の改正を加えようとするものでございます。  委員会における審議にあたりましては、道路整備五カ年計画の進捗状況はどうなっているか、現金納付制度を実施したあとで事業資金は十分に確保できるかどうか、今後のガソリン税増収の見込み並びにその増収分を地方負担の軽減に充てる考えはないか等につきまして質疑がございましたが、詳細は会議録によって御承知願いたいと存じます。  質疑を終了し、討論採決の結果、両案とも全会一致をもって原案通り可決すべきものと決定いたしました。  以上御報告を申し上げます。(拍手
  38. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三件の採決をいたします。  まず、国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件を議題に供します。委員長報告通り可決することに賛成諸君起立を求めます。   [賛成者起立
  39. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本件は委員長報告通り可決せられました。      ―――――・―――――
  40. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、道路整備特別会計法の一部を改正する法律案及び特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  41. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。      ―――――・―――――
  42. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 日程第十、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案、  日程第十一、臨時地方特別交付金に関する法律案、  日程第十二、地方交付税法等の一部を改正する法律案(いずれも内閣提出衆議院送付)、  以上三案を一括して議題とすることに御異議ございませんか。   [「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  43. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 御異議ないと認めます。まず委員長報告を求めます。地方行政委員長新谷寅三郎君。    〔新谷寅三郎君登壇拍手
  44. 新谷寅三郎

    ○新谷寅三郎君 ただいま議題となりました三法案につきまして、地方行政委員会における審査の経過と結果を御報告申し上げます。  まず三法案内容の概要を申し上げます。  地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案は、長期にわたる健全な地方財政の基盤の確立に資するため、  第一に、地方財政法について地方公共団体における年度間の財源調整に関する規定を強化して、地方公共団体の一般財源が新たに増加する義務的経費の額を著しく超えることとなる場合には、その使途を一定のワク内に限定し、地方公共団体は、その相互間における正常な負担関係を乱すようなことをしてはならない旨を定めるとともに、都道府県またはその機関が行なう一定の事業に要する経費は、これを市町村に負担させてはならないものとし、住民の税外負担の軽減合理化をはかるために、市町村はその負担に属する一定の経費についてはこれを住民に転嫁してはならないものとし、昭和三十四年度において行なった固定資産税の制限税率の引き下げに伴う減収補てんのための起債の特別措置を、昭和三十五年度以降もなお当分の間実施するものとする等の改正を行ない、  第二に、地方財政再建促進特別措置法について、財政再建計画の承認またはその変更の承認を求められた場合、官理的な再建の達成に支障なしと認めりれる限り、自治庁長官はその行政について合理的かつ妥当な水準が維持されるように配慮するものとし、政令で定める年度以降において歳入欠陥を生じた地方公共団体に対し地方債を制限している規定を改めて、その年度を昭和三十六年度以降と法定するとともに、地方債制限の対象を公共または公用の施設建設事業費に限定すること等をその要点とするものであります。  次に、臨時地方特別交付金に関する法律案は、道府県民税及び市町村民税の減税に伴う地方公共団体の財政状況にかんがみて、その財政の健全化に資するため、当分の間、毎年度、地方公共団体に対し臨時地方特別交付金を交付するものとし、臨時地方特別交付金の総額は、所得税、法人税及び酒税のいわゆる国税三税のそれぞれ百分の〇・三とし、臨時地方特別交付金の交付については地方交付税法の規定による特別交付税の例によること等をその要点とするものであります。  なお右の政府原案に対し、衆議院において、この法律は「昭和三十五年四月一日」から施行するとあるを「公布の日」から施行することに修正して本院に送付し来たったものであります。  次に、地方交付税法等の一部を改正する法律案は、国の直轄事業にかかる地方団体の負担金の納付方法としての交付公債制度を廃生することに伴い必要とする財源の付与、住民の税外負担を整理し、道府県と市町村との間における負担関係の明確化を期するために必要とする財源の付与、また最近における軽油引取税、法人事業税の増収の情勢にかんがみ、地方団体間の財源帰属の適正化をはかる等のため、まず地方交付税法について単位費用を引き上げて基準財政需要額を増額し、測定単位の内容を合理化し、基準財政収入額の算定方法について、新たに軽油引取税及び道路譲与税の収入額を算入する等の改正を行ない、また地方道路譲与税法について、地方交付税上の不交付団体に対して譲与する地方道路譲与税の額は、原則として各地方団体について算定した譲与税額から交付税上の収入超過額の十分の二に相当する額を控除した額とし、その控除した額はこれを不交付団体以外の地方団体に再譲与すること等を改正の要点とするものであります。  委員会におきましては以上の三法案を一括して議題に供し、地方公共団体における年度間の財源調整のため一般財源の超過額の使途をきびしく制限することは、地方財政の自主性をそこなうものではないか、また税外負担の解消については、なお一段の考慮と努力が必要ではないか等の問題点、その他各般にわたり当局との間に質疑応答を重ね、慎重審査を行ないましたが、その詳細については会議録によって御了承を願いたいと存じます。  四月二十六日質疑を終局し、まず地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案について討論に入りましたところ、鍋島委員は、本法案賛成の旨を述べられ、なお次のごとき本法案に対する各派共同の附帯決議案を提出されました。    地方財政の状況にかんがみ、本法の施行にあたって政府はとくに左の諸点に遺憾なきを期すべきである。    一、地方公共団体における年度間の財源調整は、本来、当該団体の実情に応じた自主的な財政運営の一がんとして行われるべきものであることにかんがみ、いやしくも財政運営の自主性を阻害し、行政水準向上の意欲をはばむことのないよう措置すること。    一、税外負担の解消については、その実効を確保するよう努力するとともに、さらに法律上、財政上の諸措置を検討し、これが完全解消のために万全の方途を講ずること、   右決議する。  かくて討論を終局し、採決の結果、本法案全会一致をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定し、なお、鍋島委員提出の附帯決議案は、これまた全会一致をもってこれを本委員会決議とすることに決定した次第であります。これに対し石原国務大臣は、決議趣旨を体して最善の努力をいたしたい旨を述べられました。  次に、臨時地方特別交付金に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案の二法案について討論に入りましたところ、鈴木委員は、日本社会党を代表して、臨時地方特別交付金に関する法律案による政府の今回の措置は、少額かつきわめて不完全な補てんであって、減収の影響の深刻な地方団体期待にほど遠いものであり、また、地方交付税法の改正案においては、交付税の率の引き上げを行なわず、これを据え置いているが、これでは政府の標榜する行政水準向上も税外負担の解消も期し得られないと認められるので、二法案には反対である旨を述べられました。かくて討論を終わり、採決の結果、臨時地方特別交付金に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案は、いずれも多数をもって衆議院送付通り可決すべきものと決定した次第であります。  以上御報告いたします。(拍手
  45. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 別に御発言もなければ、これより三案の採決をいたします。  まず、地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  46. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって本案は可決せられました。      ―――――・―――――
  47. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 次に、臨時地方特別交付金に関する法律案及び地方交付税法等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。両案に賛成諸君起立を求めます。    〔賛成者起立
  48. 松野鶴平

    議長松野鶴平君) 過半数と認めます。よって両案は可決せられました。  次会の議事日程は、決定次第、公報をもって御通知いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午前十一時五十二分散会      ―――――・――――― ○本日の会議に付した案件  一、請暇の件  一、オリンピック東京大会完遂に関する決議案  一、日程第一 原子力委員会設置法の一部を改正する法律案  一、日程第二 日本道路公団法の一部を改正する法律案  一、日程第三 建設業法の一部を改正する法律案  一、日程第四 重油ボイラー設置制限等に関する臨時措置に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第五 中小企業業種別振興臨時措置法案  一、日程第六 母子福祉資金貸付等に関する法律の一部を改正する法律案  一、日程第七 国有財産法第十三条第二項の規定に基づき、国会議決を求めるの件  一、日程第八 道路整備特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第九 特定港湾施設工事特別会計法の一部を改正する法律案  一、日程第十 地方財政法及び地方財政再建促進特別措置法の一部を改正する法律案  一、日程第十一 臨時地方特別交付金に関する法律案  一、日程第十二 地方交付税法等の一部を改正する法律案