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1960-05-19 第34回国会 参議院 法務委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月十九日(木曜日)    午前十一時七分開会   —————————————   委員異動 五月十八日委員笹森順造君、鍋島直紹 君、西田信一君及び久保等辞任につ き、その補欠として、植竹春彦君、前 田佳都男君、平井太郎君及び江田三郎 君を議長において指名した。 本日委員津島壽一君、植竹春彦君、前 田佳都男君、宮澤喜一君、衆山三六 君、後藤義隆君及び江田三郎辞任の ため、安部清美君、鍋島直紹君野本 品吉君、北島教真君、武藤常介君及び 久保等君を議長において指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     大川 光三君    理事            井川 伊平君            高田なほ子君    委員            安部 清美君           大野木秀次郎君            北畠 教真君            鍋島 直紹君            野本 品吉君            林田 正治君            武藤 常介君            久保  等君            千葉  信君            赤松 常子君            片岡 文重君            市川 房枝君            辻  武寿君   政府委員    法務省司法法制    調査部長    津田  實君   最高裁判所長官代理者    事 務 次 長 内藤 頼博君    人 事 局 長 守田  直君    経 理 局 長 栗木 一夫君    総務局総務深長 長井  澄君   事務局側    常任委員会専門    員       西村 高兄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○裁判所法の一部を改正する法律案  (内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 大川光三

    委員長大川光三君) ただいまから法務委員会を開会いたします。  まず、委員異動について御報告申し上げます。  五月十八日付、久保等君、笹森順造君、鍋島直紹君西田信一辞任江田三郎君、植竹春彦君、前田佳都男君、平井太郎君選任。  本日付、津島壽一辞任、以上であります。   —————————————
  3. 大川光三

    委員長大川光三君) 次に、裁判所法の一部を改正する法律案を議題に供します。  質疑に入る前に、裁判所から提出されました資料について御説明を願います。  なお、当局として裁判所から内藤事務次長守田人事局長栗本経理局長長井総務課長法務省から津田司法法制調査部長が出席されております。
  4. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 資料の御説明を申し上げます。  まず給与ベース等比較表という半枚の紙がございます。これは一般職職員裁判所、それから裁判官を含むと、三項目に区分されて、職員数、それから総平均、内訳、参考というふうに分けて書いてございます。  まず一般職職員につきましては——一般職職員というのは、これは一般政府職員のことでございますが——三十八万三千四百七十六人で、その関係のある部分だけを説明しますと、俸給平均は一万六千七百六十二円でございます。扶養手当が千七円でございます。断定手当が二千百四十五円となっておりまして、暫定手当率は〇・一二八、平均扶養家族は一・九五となっております。  それから裁判所の方は、これは職員数は一万九千六百二十五人でございます。俸給の総平均は一万四千四百五円となっております。扶養手当は八百七円、暫定手当は千八百六十五円となっておりまして、断定手当率は〇・一二九、平均扶養家族は一・五六というふうになっております。  なお、この裁判所とある項は裁判官を含んでおりませんが、裁判官を含めますというと、俸給単価は一万八千四百二円、扶養手当が八百六十円、それから、暫定手当が二千四百二十二円、暫定手当率が〇・一三二というふうになります。そこで、この表からおわかり願いますように、一般政府職員裁判所一般職との関係で、俸給単価裁判所の方が低いということがはっきりわかるわけでございます。暫定手当率は、これはほとんど変わりがない。ただ、平均扶養家族数が、裁判所の方が低い。これは、結局裁判所職員が若いために家族数が少ないということが、ここでわかる一つ資料かと思います。俸給の低くなっているのも、そこに多分の関係を持っているわけでございます。  その次は、また半枚の紙でありますが、扶養親族数別人員分布比較表というのがございます。これは上欄二つ一般政府職員、下欄二欄が裁判所職員になるわけでございます。もちろん裁判官秘書官は除いております。まず合計欄に、各政府職員及び裁判所職員総員数が記載され、そうして構成比を一〇〇といたしまして、以下扶養家族が全然ない人、独身、それから一人、二人、三人、四人、五人、六人以上というふうに分けて、掲げたわけでございます。これによりますというと、まず単身の、扶養親族のない者は、一般政府職員では三二・六%でありますが、裁判所におきましては、四五%でございます。それから一人の扶養親族を持っている者が、政府職員では一三・二%でありますし、裁判所職員におきましても二二・二%で、同数であります。それから二人の扶養親族を持っている者が、政府職員では一六・一%、裁判所職員では一三・五%であります。三人の扶養親族のある者が、政府職員ては一七%、裁判所職員では一二・一%であります。四人の扶養親族を有する者が、政府職員では一二・一%、裁判所職員では九・三%。五人の扶養親族を有する者が政府職員で六・一%、裁判所職員で五・一%。六人以上の扶養親族を持っている者が政府職員では二・九%、裁判所職員では一・八%。こういうふうに構成比がなっております。扶養親族二人までの比を計算してみますというと、このパーセンテージの合計でありますが、一般政府職員では六一・九%になりますし、裁判所職員では七一・七%ということになります。これは結局裁判所職員が若いために扶養家族が総体的に非常に少ないことが、ここからもおわかり願えるかと思います。  それからその次は、行政職(一)職員学歴別経験年数別人員構成比較表がございます。これは横書きの一枚の大きいものでございます。これは高小卒中学卒高校卒短大卒大学卒という学歴別に、各政府職員員数、それから裁判所職員員数をそれぞれ掲げまして、そうしてこの左の方にその経験年数別に一年未満の者から三十年以上の者というふうに刻みまして、そうしてそれぞれ人員構成比がここに記載されておるわけでございます。この点線による区分は、上欄政府職員でありますし、下欄が裁判所職員となっておるわけです。これは刻みが大きいものですから、総体的に上がった分も下がった分もございますが、これはこの経験年数のどこに主として職員がいるかによって変わって参ります。ただ、大体の標準がここでおわかり願えようかと思うのでございます。  それから次に、学歴別平均賃金表という半枚の資料がございます。これは高小卒から大学卒まで、裁判所裁判官秘書官を除いてありますけれども、裁判所職員の各学歴別人員、それから総人員に対する割合、それからその平均賃金、それから一番最後の欄は、一般公務員平均賃金額との差額というものを表わしておるわけであります。この三角印は、これは一般公務員平均賃金額よりも裁判所職員平均賃金額が低いことを示しておるわけでございます。  結論を申しますならば、高小卒では六十九円高い。しかし、中学卒では千七百五十四円、高校卒では二百五円、短大卒では九百十二円、大学卒では三千七百四十六円で、合計いたしまして、七百六十五円ほど一般公務員に比較して低いことになっております。これは、中卒以上の学歴を有する者の裁判所職員の低くなっておりますのは、結局経験年数、言いかえれば、年令が若い者が多いために、平均いたしますというと、裁判所職員の方が給与が低くなっている、平均賃金が低くなっているというために、こういう結果が出ているものとわれわれは解しておるわけでございます。  次に、経験年数別平均賃金表というのがございます。これも半枚の資料でございます。これは大きい表の中にあるものを抜き出したことになりますが、結局、一年未満から三十年以上までの経験年数を刻みまして、その経験年数に応ずる人員がどういうふうになっておるかということを員数のところで表わし、総員数に対する割合というのは、これを百分比に換算いたしまして、その構成を示すわけでございます。そうしてその経験年数別平均賃金を表わしたのが、この平均賃金欄に掲げたものでございます。最後の欄が一般公務員平均賃金との差額でございます。これで見ますというと、この三角は、裁判所職員が低いことを意味するわけでございます。経験年数別に比較いたしますというと、裁判所職員給与は比較的高い。しかし、経験年数の少ない者が裁判所には多いために、これはこの一枚の表をごらん願いますとわかりますが、経験年数の少ない者が裁判所には多いために、全体を平均しますというと、裁判所の方が平均的に低位にあるということを、この合計欄で表わしているわけでございます。  それから、書記官書記官補定員、現在員、欠員状況調というのがございます。これは、昭和二十五年以前の実員というものがよく把握できませんので、昭和二十六年四月からの分によらざるを得なかったので、御了承願いたいと思います。昭和二十六年四月一日現在では、裁判所書記官予算定員は二千三百六十一でございました。前回申し上げましたように、裁判所書記官は、以前は裁判所書記と申しておりましたが、それを選考いたしまして、裁判所書紀官裁判所書記官補に分けたのでございます。その書記官に選考されて、任命された者は六百八十四名程度でございました。書記官定員から千六百七十七名欠員になるわけでございます。  それから書記官補は二千百二十六人でございまして、書記官補の現在員が三千三百八十三人、欠員が千二百五十七人ということになっております。ここから始まりまして、二十五年からは裁判所書記官研修所が設立されまして、大学法学部卒は一年、その他の職員は二年という養成部の課程を経て、出てきた人たちがそれぞれ書記官に任用されていく制度になったわけでございますので、順次現在員がふえて参りまして、大体の見当は、これは書記官研修所から百二十人、それから昇任試験が大体五十名前後、それから事務官書紀官有資格者との交流の関係で、ここに現在員に表示されましたような状況で順次増加いたして参りまして、昭和三十五年二月一日現在におきまして、書記官予算定員三千百九十九名、そのうち現在員がへ二千五百八十五名、欠員が六百十四名というふうになりました。全体としての書記官欠員は十九名ということになるわけでございます。なお、昭和三十五年二月一日現在で書記官の数は大幅にふえておりますが、これは前回申し上げましたように、特別研修という制度昭和三十四年に実施いたしまして、うち四百六名程度書記官に任用されておるわけでございます。結局三十四年四月と三十五年二月一日の間には六百十七名ほどの差がございますが、これは書記官研修所養成部の卒業生百三十名、昇任試験八十一名及び特別研修終了者四百六名というのがこれに該当するわけでございます。  なお、その間におきます書記官年度別退職者数はその次の表にございます。  八%調整に伴う号俸別増加額については、これは前回、調整によりまして月額としてどのくらいふえるかというお尋ねがございました。その結果を表わした表でございます。左の欄に二等級から六等級まごの数字を掲げまして各等級別の号を刻んだわけでございます。なお一等級につきましては、一等級の五号以上がごいませんので、これは三等級五号までを掲げたわけでございます。その号俸別俸給月額は、俸給月額Aとありますところに掲げた額でございます。調整額はその八%でございまして、これをかりにBと表示するといたしますと、八%の調整額が次の欄の額になるわけでございます。  それから調整額というのは俸給でございますので、超過勤務と違いまして、俸給自体でございますので、調整額に対する暫定手当というものが出るわけでございます。これはCという欄にずっと掲げてあるところの数になるわけでございます。六等一号で百二十九円、一等五号で五百七十六円ということになるわけでございます。  その次は調整額調整額に対する暫定手当をプラスいたしましたものに対する特別手当というのは、勤勉手当とかあるいは期末手当をいうわけでございます。それの月平均額を算出いたしますというと、六等級一号の場合は二百八十八円、二等級の五号の場合千百七十四川、その岡にずっと掲げた額が各等級に見合うものでございます。そこで、これらをプラスいたしまして調整に伴う増加額月平均で出してみますというと、大等級一号で千四百八十一円、二等級五号の人は六千七十円の平均月額ということになるわけでございます。  なお、説明を漏らしましたが、半枚の紙に、旧勤務地別人員及び平均暫定手当比校長というのがございます。上欄には一般政府職員人員数構成比指数が響いてございます。下欄に裁判所人員数構成比指数が若いてございます。まず旧勤務地別人員という欄では、結局零級地すなわち勤務地手当暫定手当のついていないところの者の割合は、比較的政府職員に多く、裁判所職員には比較的少ないということが、これでおわかり願えると思います。平均暫定手当一級地から四級地までそれぞれ掲げました。そして、その比率をとってみますというと、暫定手当率政府職員では〇・一二〇に当たります。裁判所職員では〇・一二一に当たります。暫定手当率におきましては、これは大した差異はないということが、おわかり願えると思います。
  5. 大川光三

    委員長大川光三君) 以上をもって資料説明は終わりました。資料並びに法律案に対し、御質疑のある方は御発言を願います。
  6. 高田なほ子

    高田なほ子君 資料についてちょっと補足的に説明していただきたいのですが、書記官並びに書紀官補定員現存員欠員状況を今御説明いただきましたが、この剛の資料説明のときに、裁判官一に対して書記官は大体三というのがきわめて妥当であるというような御発言であったので、裁判官詳記官の現在員と欠員というものについて資料を要求したわけですが、裁判官の場合を、そこにお手持ちでしたらちょっと数字をあげていただきたい。私このあとにずっと書いていきますから、裁判官の数を。それが一つ御用意ができます間に、もう一つお尋ねをします、資料について。  八%調整に伴う号俸別増加額一覧表の今説明されたこの増加額は、なるほど増加額でいいのですけれども、ほんとう増加額というのは、ちょっとこれと違うのではないかという疑問を持つので、お尋ねしますから、補足的に説明して下さい。たとえば四等級の一号、これは調整に伴って、調整額とそれから暫定手当調整額、こういうものを加味して、額で言うと二千五百九円、これだけ四等級の一号俸の方がふえることに数字はなっております。けれども、共済組合掛金というのはどういうふうになっているのか、それから従来の土曜日の事件当番等によって支給されていた超勤、これは月〇・五ぐらいの割合で今まで支給されておったように承知しておりますが、おそらく調整額がつきましたから、従来までの土曜日の事件当番で支給された超勤いうものは削られてくるのではないか。  それからもう一つ。従来支給されていた月八時間大体平均超勤手当、こういうものが相対的に減ってくるのではないか。なぜならば予算のなにを見ますと、大体三千万円ぐらい超勤手当予算から減額されている。従って、今、私が申し上げた土曜日の事件担当の場合に、従来支給されてきた月〇・五の金額とそれから月八時間従来支給されてきた超勤手当というものが、これが減額されるのではないか。だからほんとう増加額というのは、たとえば四等級の一号俸の場合に二千五百九円となっているけれども、共済組合掛金と、それからもう一つ、今言う土曜日の事件担当の場合支給されておったものと、それから月八時間の従来支給されていた超勤と、この三つのものが、従来よりは減額されるはずだと思う。だからこの増加分は、ただ増加分として私は受け取ることができない。減額される分を増額分から引かなければ、今回の調整による手取り増額ということには私はならないと思うのですが、この点はどういうふうになっているか、これを一つ説明して下さい。
  7. 片岡文重

    片岡文重君 関連して。今の質問に関連をして、この合いただいた資料俸給月額というのは、現に実施されておる八%の調整号俸を言っておるのか。それともそうではなしに、純然たる基本額を言っておるのか。つまりこの今審議しておる法律案が可決された場合には、この一般職職員給与に関する法律に定められておる等級に対する号俸基本とすれば一六%の増加になるのでなければならぬ。その点について、これはその最低のものを言っておるのか、現行の是正されたものの上になお八%を加えたものを言っておるのか、その点も一つ加えて説明して下さい。
  8. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) それでは、まず資料関係がありますことから先に申し上げますと、俸給月額というのは、これは裸の俸給月額でありまして、現に支給されている八%の俸給調整額は入っておりません。それは、今度出ます八%の調整額というのは、やはり裸の俸給月額にかけるのでありまして、八%調整したその上にもう一ぺんその八%をかけるという性質ですから、今度幸いにして御承認を得ましたとして八%の調整がつくものとすれば、合計一六%の調整がつけられるわけでございます。その一六%が俸給月額につけられまして出てくるわけであります。で、一番最後調整に伴う増加月額というのは、これは現在の八%調整されているものを考えますと、この二倍になるわけでございます。  それからこの調整額は、結局八%の調整をいたしますというと、大体超過勤務手当に見積もりまして十五時間程度になります。それからそのほかに書記官、調査官には超過勤務手当として五時間分が入っておりますので、約三十時間、ちょっと足りないのですが、二十時間程度合計いたしましての超過勤務予算に見合うことになるわけでございます。現在は平均いたしまして八時間程度でございますので、超過勤務手当に見積もりましても、年間を考えますれば相当上になるというわけでございます。  令状当番などでどの程度超勤手業を支給しておったか、その点、私は資料を持ち合わせませんので、ちょっと答弁をいたしかねるわけでございます。
  9. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちょっともう一つ聞かして下さい。今の御答弁でちょっとまだ疑問が残っていますが、あとでまたこれは質問に譲りまして、御説明いただいた分についてだけ……。これはどうなっていますか、書記官書記官補の現在員のところで、昭和三十三、三十四、三十五、この三つ年度は、いずれも予算定員がずっと減らされてきておるようですが、昭和薫十三年度以降はいずれもこれは中外の受理件数が非常にふえてきていると思います。あとでこれは詳しく聞きますけれども、なぜ事件件数がふえたのに、三十三年、三十四年、三十五年と書紀官並びに芦紀行補合計した予算定員というものはこういう工合に減ってきたのか、数字の間違いじゃないかと私は思いますけれども、間違いじゃないですか、これは。
  10. 内藤頼博

    最高裁判所長官代理者内藤頼博君)  これは裁判所が今日書記官制度を採用して参りましたので、書記官が増員されますのに応じまして、書記官補定員が減ってくるのでございます。これは法廷におきまする供述の録取という仕事が従来書記官補にあったのでございますけれども、これを書記官制度によりまして供述の録取を書記官の方に移しまして、書記官補の方からそういう手を省くことができるようになりましたので、そういう意味の減員でございます。それに見合って書記官が増員されておるわけでございます。
  11. 高田なほ子

    高田なほ子君 裁判官の数を今言っていただけますか。
  12. 内藤頼博

    最高裁判所長官代理者内藤頼博君)  この資料に見合いまする裁判官定員が、ただいま手元にございませんので、後ほど調査して申し上げます。
  13. 千葉信

    千葉信君 資料関係ですが、給与ベース等比較表というのは三十四年一月一日現在、それからその他の資料が、大体そうですが三十二年七月一日現存平均家族構成等関係も、その表で見ますと、三十二年の場合には一・九七、三十四年の場合には、一・九五と一般職はなっております。同様に裁判所の方の関係数字が違っているのは、これは年度が違っている関係でこういう変動が起こっていると見ていいかどうか、その点が第一点です。多分そうだと思うんです。  それからこの給与ベース等比較表では、裁判所と、裁判官を含むと、三つの表が掲示をされていますが、その他の場合の裁判所とあるのは、裁判官並びにその秘書官を除いたものか、あるいはそれを含んだものであるか、その点の説明がこの表ではないので、その点をはっきりしていただきたい。
  14. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) これは、まず第一の家族構成の問題でございますが、これはその資料によってやったのでありまして、年度が違うからそういう結果になっているというよりほかに、ちょっと説明のしょうがございません。  それから給与ベース等比較表の中に、裁判官を含むとありますが、この裁判官を含むという欄以外は、裁判官及び秘書官関係しておりません。
  15. 千葉信

    千葉信君 御提出願った資料、これは私以外の方の要求によって出された資料が一、二ありますから、この資料に基づいての質疑は、また機会をあらためてやりたいと思うのですが、ここで私どもこういう具体的の内容について、法案審議関係上、質疑応答が必要なことと、同様に、さらにもう一つ重要なことは、今回の法律案の問題、法律案に関連する問題等について、抽象的な論議ではなくて、具体的な法律解釈等をめぐって、やはり相当突っ込んでお尋ねをしなければならぬと思います。そこで、どうしても出してもらわなければならない資料と、それからこれは最高裁の方の任意でもいいというものに分けてここで申し上げますから、そこで行き違いが起こらないようにメモをしておいてもらいたい。  どうしても出してもらわなければならない、法案審議上どうしても必要だと思うものは、まあ法律案関係のものはあと回しにして、たとえば今回の勤務時間の延長の問題、調整号俸の扱いの問題等についての具体的な規則指令があります。ところが、そのほとんどは六法全書に載っておりません。従って、今ここに衆参両院法制局で編集しました「現行法規総覧」がありますが、これには出ております。しかし、これは私がせしめてしまったばかりに他の委員あとから追いかけてもないし、借りることができない。借りても早く返してくれという矢の催促を受ける。こういうことでは、一人の手で問題を論議しているのでは、これは委員長初め他の議員諸君の迷惑でもあるし、的確にその問題の内容の把握が困難だという条件が出て参りますので、ぜひ出してもらわなければならないのは、人事院規則の九—二、俸給表の適用に関する第五条、これはぜひ出してもらいたい。それから俸給調整額という人事院規則九—六、三十二年八月一日付、これは法律条文と別表とを含めてプリントしたものをお出し願いたい。それから人事院指令の十五—一、昭和二十九年三月十日人事院指令、これは例の検察事務官及び公安調査庁の職員勤務時間の延長に関する人事院承認の問題、これはぜひ出してもらわなければ、あわてて手元に入る資料じゃありませんので手配を願わなければなりません。  それから次は、できればついでだから出してもらいたいと思う資料——これは簡単なプリントでけっこうです。裁判所法第六十五の二です。裁判官以外の裁判所職員に関する事項については法律で定めるというこの条文。これがぜひというのではない、任意でもよろしいというあとの方に入る資料です。それからその次は、国家公務員法第六十二条、六十三条の技粋のもの。同じく附則第十六条——第十六条というのは、国家公務員法によりますと、国家公務員法の第一条による一般職に対しては、労働組合法、労働関係調整法、労働基準法、船員法及び最低貸金法等の法律は適用しないという明確な規定があります。この条文からいいますと、最高裁の職員に対しては、この附則の第十六条は適用されていないという見解があります。さらに、これを採用するようないかなる措置も最制裁でとったという形跡は、今日まで幾ら調べてもありません。従って、その措置がないということになると、一般職職員の場合とは違った関係がこれらの労働関係法規と最高裁の職員とは出てくるという解釈が出て参ります。公務員法の関係は以上です。それから職種の変換、勤務時間の変更等が当然の措置として給与法上の措置を伴なわなけりゃならぬという見解が一方には現存する状態ですから、従って一般職職員に対する裁判所職員臨時措置法を援用している給与法第四条それから最高裁の何か有力な資料であるかのようにしょっちゅう委員会で言われている第十四条の——第十四条全部でもいいし第十四条の第三項だけでもけっこうです。それからその次は、先ほどの附則第十六条の関係で出てくる労働法規の関連の問題がありますから、労働基準法の第一条、第八条適用事業の範囲、それから第三十二条の労働時間、それから第三十三条の三項特別条項、それから労働基準法施行規則の二十六条、特に二十六条の第二項が必要です。それから第二十七条、二十八条、二十九条、以上の抜粋。それからこれは最高裁と御相談みたいな格好になる話ですが、最後資料は、最高裁の方針として、今回この法律案の提案が行なわれて、この法律が通ることによって今度は規則の改正が行なわれて、勤務時間の延長がくっついてくるわけであります。そこで、私どもこういう法律改正案の提案を行なった最高裁の方針等を見ましても、その説明におきましても、「政府におきましては、最高裁判所とともに慎重検討の結果、裁判官について任用資格等の関係からその大福な増員が期待できない現状のもとにおきましては、」この状態は私もわかります。しかしそのための「事件の審理及び裁判の適正迅速化をはかり、人権保障の実をあげるための方策の一として、素質、能力の向上した裁判所再認官をして、その従来の職務に付随して、事件に関し、」云々とある。この後段の措置をとる場合に、最高裁としては、もっと適切な根本的な方策を考えるべきだったというのが、質疑応答も、最高裁もその点は否定しておりません。つまり言えば最高裁としては、今の急場を救うための方法として、私の見解では、一番愚劣な方法を選んだという見解です。勤務時間を延長した、まあ書紀官の職務権限を広げるということについては、私はあえて反対とは言いません。十分これから審議の過程で考えます。しかし、世界の趨勢とか何とかいう大だんびらを振りかざすまでもなく、労働基準法にさえこれが最低限度の保障だと言っている問題を突き抜いて、最高裁みずから憲法とまでは言わなくても、労働関係法の精神を泥足で踏みにじるような、こんな愚劣な行為をとる前に、こんなやり方をきめる前に、最高裁としては、前段の最高裁判所としても慎重検討の過程の中で、本格的には、一体最も好ましい根本解決の方針としてはどういうものが必要かということが考えられたに違いないし、当然その点はあなた方の頭の中にあると思います。その点をここで一々聞きながら質疑応答をやって明らかにするという手もありますが、私は時間の経済をはかるため、最高裁の方からその根本的な問題の処理という方針に関しての、方針を資料として出してもらいたい。いろいろもちろんあるでしょう、方針は。まず第一番には、裁判官の確保という問題、確保するためにはどういう方法を講じなきゃならぬか。当初他の職員に比して四割程度有利であった裁判官優位の原則は、今日完全にくずれてきた。そういう点にも問題があります。最高裁としては、その問題の処理の復元等によって裁判官の確保ということは可能になるのじゃないか、同時にまた、裁判官を初め書記官書記官補あるいは調査官等の関係についても、裁判の適正迅速処理という命題に沿うための要員の確保という問題等については、どういう方法が一番好ましい妥当な方法であるか、そういう点を考えているのかどうか。建物の問題、設備の問題、そういう問題をここに検討し解状するためには、さしあたって予算が一体どれくらい必要か、そういうことについても、ざっくばらんな最高裁のほんとうの腹を資料として出してもらいたい。  二つに分けての資料の要求です。ぜひ出してもらわなければ、法律案の審議ができないという条件のもとにある資料、それからあとは最高裁の考慮いかんによってその最高裁の方針を、私は妥協してもよろしいという考え方の後段の方の資料、これを一つ最高裁どうですか。
  16. 大川光三

    委員長大川光三君) ただいま千葉委員から御要求のありました各種資料については六法全書あるいは現行法規総覧その他の法規によって委員みずから研究し、調査する余地があると思いますから、せっかくでございますが、御要求の点は保留いたします。
  17. 千葉信

    千葉信君 それはどういうのだ、一件。おかしいじゃないか。
  18. 大川光三

    委員長大川光三君) ただいま言った通りです。
  19. 千葉信

    千葉信君 ただいま言った通りということは何だ。今までの委員会でも、この委員会だけじゃなく、法律案審議にあたって、委員会で法令なんかについてはプリントを出してもらうことは、慣例上普通でしょう。それをだ、最高裁の方で事情があるとかあるいは支障があるというなら話はわかるけれども、委員長、最初からそんなものは要らないというのはどういうのだ、しかもだ、委員長自身今あわてて法規総覧等を取り寄せて開いて見せてもらったかもしらぬけれども、委員長自身だって一体それを検討していますか。他の諸君は一体どうだ。
  20. 大川光三

    委員長大川光三君) それは別に資料として要求しなくても手に入るものばかりですから……。  他に御質疑のある方は御発言を願います。
  21. 千葉信

    千葉信君 そんなばかなことがあるか
  22. 高田なほ子

    高田なほ子君 ちょっと速記をとめて下さい。懇談しましょう。
  23. 大川光三

    委員長大川光三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  24. 大川光三

    委員長大川光三君) 速記をとって下さい。
  25. 片岡文重

    片岡文重君 私は久しぶりにこの法務委員会に入ったばかりです。かつて破防法の審議のときにも法務委員であった。そのときには法務省から出された資料というのは、各委員が読み切れないほど出された。しかもその資料というものは、ほとんど調べることのできないものじゃなくてやはり今、千葉君が言ったように、六法全書全般にわたってひっくり返したり、委員がそれぞれのつてを求め、あるいはそれぞれの考えに基づいて資料を集めて歩くことも必要でしょう。しかし、やはり会期中に十分な審議をしようと思えば、議案を提案した方から、責任ある官庁から、審議に必要だと思われるものはそろえて出すべきですよ。それはほかに調べればできるのだから要らないというのなら、今ここに出された資料だって委員みずから調べればできる資料なんです。今の委員長のお取り計らいは、失礼ですけれども、いたずらに議事を混乱させるだけで、最高裁だって、法務省だってこれを調べるのに、あるいは作るのに、そう大して手間ひまの要ることではないのですよ。簡潔に、それでやれば、それで全委員に配付できるのですから、そういういたずらに議事を混乱させるようなことでなしに、私はすなおに聞いてやっていただきたいと思うのです。特に私はきょうの質疑の第一番に、法務省にも少しそういう点について注文をしたいと思っておったわけなんです。あまりにも法律案の提出にあたって、この法案ばかりじゃないけれども、最近における法務委員会に提出されておる資料というのは、少し私は不足過ぎると思う。そういう点も、他の委員会におけるあるいは他の官庁のやっておる立案措置についても、少し意見を徴されるなり、あるいはお聞き合わせになって、この程度のことは必要であるということは、私はお認め願えると思うので、少なくとも今の委員長のお計らいは、お取り下げいただいて、すなおに責任ある担当の個所に命ぜられるなり、どうしてもそれができないとおっしゃるなら、少なくとも理事会にはかるくらいの措置は、私はあってしかるべきだと思う。
  26. 大川光三

    委員長大川光三君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  27. 大川光三

    委員長大川光三君) 速記を始めて、先ほど千葉委員から御要望の資料で保留いたしましたうちで、人事院規則九—二、九—三、九—六、一五—一及び国家公務員法附則十六に関する資料を、急遽当委員会に御提出を願います。   —————————————
  28. 大川光三

    委員長大川光三君) この際、委員異動について御報告申し上げます。  本日付、江田三郎君、前田佳都男君、宮澤喜一君、植竹春彦君、泉山三六君、後藤義隆君が辞任せられ、久保等君、鍋島直紹君野本品吉君、安部清美君、北畠教真君、武藤常介君が選任されました。  以上であります。   —————————————
  29. 高田なほ子

    高田なほ子君 質問に入る前に、ちょっと委員長に希望しておきたいことがございます。  一つは、法務委員会の国会における立場から考えて、私は、非常にこれは重要な委員会だということにいつも責任を痛感しておりますが、これは各位とも同じだろうと思います。しかし実際問題として、従来からこの法務委員会の運営状態など見ましても、必ずしもその重要性に比べて活発に行なわれるということが少なかったように思います。私、第二十四国会に不肖法務委員長としてこの委員長の席を汚したときにも、そのことを痛感したわけでございますが、今回、私は、初めてこの裁判所法の改正等の問題について活発な議論がかわされてきているということに非常に喜びを感じておるわけです。従いまして、活発な論議がかわされるということは、即審議権が尊重され、即われわれの使命の重要性を自覚したと、こういうふうに考えたいと思うわけなんです。いろいろただいま資料等の問題について議論はあったわけでございますが、円満にこれは解決いたしました。どうか一つこの機会に、法務委員会が根本からここに出席される各議員が一生懸命になって審議ができるように、これからもこういう活発な議論が展開されるように、いろいろ御苦労はあるかと思いますけれども、特に一つ委員長において御精励、御努力をお願いしたい。こういうことを委員長に希望条件として申し上げます。
  30. 辻武寿

    ○辻武寿君 私から少々お聞きいたします。  昇任試験を受けて書記官になるのと、それから研修を受けて書記官になるのと、書記官になり方が二通りあるわけですか。
  31. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 今おっしゃいました通り、二通りあるわけであります。なお、昨年度からは、さらに研修所による特別の研修という道を開きまして、あわせて行なって参っております。
  32. 辻武寿

    ○辻武寿君 そうしますと、研修所に入るのに、また試験があるわけですね。それからそれとは別に、書記官になる昇任試験を受けてパスする、こういうふうになるのだと私は思いますけれども、その昇任試験を受ける人たちの合格率はどんなふうですか。
  33. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 合格率は、今手元にございませんが、大体順次多くなりまして、四十人くらいから漸次五十人というふうに進みまして、昭和三十四年度におきましては、大体八十一名ぐらい通っておるという状況になっております。その率というのは、今手元にございませんので、御説明いたしかねます。
  34. 辻武寿

    ○辻武寿君 何人受けて何人ぐらい合格したかということをちょっとお聞きしたいのです。今でなくてもいいけれども、あとで知らせて下さい。  次に、この前の会議録を見ましたところが、書記官の方は、大体今度の法案が通ることを望んでおられると、八三%は賛成で、調査官の方は六八・五%が賛成であるということをお聞きしたのですが、それに間違いありませんね。
  35. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) その通りに私どもの資料ではなっております。
  36. 辻武寿

    ○辻武寿君 そういたしますと、書記官の方の残った一七%、調査官の三一・五%は、これは賛成しないことにばるのですが、その賛成しない人たちは、みんなが賛成するのに賛成しないという理由は、どのような理由で賛成できないのか、それを調査になりましんか。それはどんなふうな見解を持っておりますか。
  37. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 書記官の権限拡充という意味におきまして、本改正法律案のような権限が付加されるということについては、だれも反対はありません。ただ、勤務時間の延長ということがありますので、その点で、勤務時間の延長がないということを条件として賛成するという者及び本改正は書記官をして裁判官に従属させるものだから、改正自体が反対だというような趣旨から反対といったような者が、ただいま申し上げました反対者の全部でございます。
  38. 辻武寿

    ○辻武寿君 これには必ず勤務時間の問題が出てきておりますが、この勤務時間が週八時間延びるという、その延び方ですね。毎日々々きまって一時間なり二時間なり必ず延びるのか、あるいは特別に込み入った大事な用件ができたときにはうんと延ばして、そうでないときには、きょうはもう早く帰っていいと、こういうようなことになるのか、融通性があるのかないのか、その点をお聞かせ下さい。
  39. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 裁判事務あるいは調査事務の執務状態というものは、各裁判所によりましていろいろと異なっておるわけでございます。たとえば、東京地方裁判所にいたしますれば、非開廷日におきましては、裁判官は自宅で記録の審査あるいは判決の起案をやっており、地方によりましては毎日勤務しておるといったように、いろいろ違ってくるわけであります。裁判所書記官も、裁判官の執務体制に即応してそれぞれ勤務することになりまするので、各裁判所のやり方によって、必ずしも一致しないわけでございます。従いまして、週五十二時間の勤務時間というのは、これは各裁判所において書記官の意見を参酌しながらきめていく、割り振りは各裁判所できめていくということが妥当じゃないかということで、そういった方法でこの勤務時間の割り振りを考えたいというふうに現存は思っておるわけであります。
  40. 辻武寿

    ○辻武寿君 そこでお聞きいたしますけれども、各裁判所ごとに自主性を持ってやっていくというのですが、私が聞きたいのは、ある裁判官は、今大事な裁判を控えて忙しいから、書記官に命令してもっとやってもらいたい、ある裁判官は、きょうは大したことないから早く帰ってもよいと、こういうふうなことが、同じ裁判所においても裁判官よって仕事が違うので、従って書記官もそういうふうに違ってくる場合があるのか。それとも、一つ裁判所は九時から五時なら九時から五時まではほかの裁判官書記官の手前もあるから、全部用がなくても残ると、こういうふうに一律になるのか。裁判所ごとに自主性があると今あなたはおっしゃったけれども、個人々々の裁判官の命を受けてやるわけでしょう。そうなった場合に、それだけ融通がきくかきかないか。
  41. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 各裁判所書記官、調査官の属する裁判所が実情に応じて定めるといいますのは、その裁判所裁判官限りで定めることになるわけでございます。従いまして、裁判事務の運営というものは、当該裁判所における裁判官会議によって運営をきめてやっておるわけでございまして、その裁判官会議のきめた裁判事務の運営に即応して妥当に考えられるものと思料いたしております。
  42. 辻武寿

    ○辻武寿君 書記官、調査官の大部分の方がこれを通してほしいという御意見であれば、今度の法案は、労働基準法に逆行するような行き方であるけれども、私は、まあやむを得ないような気もするのですけれども、このまま通ることによってかえってマイナスになるというようなことができると思いますか思いませんか。
  43. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 私どもの考えといたしましては、書記官及び調査宜は、大体においてみな希望しておるものと考えております、従いまして、その他の職員との関係におきましていろいろ問題もあろうかと思いますが、その点につきましては、十分そういう摩擦の起こらないように処置していくつもりでおります。
  44. 辻武寿

    ○辻武寿君 書記官勤務時間が延長されて居残るけれども、書記官補はこれに当てはまらないから、書記官補だけがどんどん早く帰って、書記官だけ残るという場合が多々あるわけですね。また書記官補も、書記官が急がしいのに、自分だけさっさと帰ってしまうわけにいくかどうか、一緒に残るという場合が、自然そうなってくると思うのですよ。その場合は、超過勤務手当で補うわけですね。
  45. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 本改正法案によりまして、ふやされまする書記官の権限は、これは相当の能力を備えておかなければいけないというような関係から、裁判所書記官に命ずるわけでございまして、書記官補、あるいは書記官補書記官の事務を行なうように指名されておる人たちには大体行なわせないような考えであります。従いまして、勤務時間も、書記官補につきましては延長しないことになります。もしそういった、ただいま御指摘のような関係で、勤務時間が多少でもふえるというようなことになりますれば、それはいずれも超過勤務手当によって、不利を来たさないようにするという考えでございます。
  46. 辻武寿

    ○辻武寿君 実際問題としては、書記官補だって手伝うように当然なってくると私は思うのですが、その場合、今あなたがおっしゃったように超過勤務手当を出してそれを補う、超過勤務手当に対しては、これ以上超過勤務手当は出せない、幾らやってもだめなんだという限界点があるわけなんですか。
  47. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 今回書紀官にさせようといたします法令、判例等の調査その他は、これはいずれも自己の手持ちの事件につきまして書記官が調査することになるわけであります。従いまして、今御指摘のような、書記官補にさせる、事件に灯接触れてない書記官補に調査させるということは、まずないものとわれわれは考えております。従いまして、超過勤務手当も、もちろん超過勤務不当が多いことはわれわれは望むところでございますけれども、現存超過勤務手当で一応まかなっていけるというふうに考えております。
  48. 辻武寿

    ○辻武寿君 もし超過勤務が自由にきくなら、私は書記官はこれを望んでいるのですから、自由に、これだけ超過勤務していきたい、あるいは私は帰りたいから超過勤務したくない、全部超勤手当制度にすれば、こういう法律を作らなくてもいいような気がするのですけれども、そこにやはり超過勤務手当なんかの制限というものがあるからこういう法律が出てきたのじゃないですか。
  49. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 書記官の職務の中に、やはり恒常的に勤務時間の延長というものが考えられますならば、それは例外的な勤務に対する給与上の手当として考えられている超過勤務手当でまかなうべき性質のものではない。むしろ俸給でやっていかなければいけない。そういう観点から裁判所書紀官にこの八%の調整をして、俸給と同じものにする。すなわち超過勤務手当は例外的に支給される手当でございますが、これは俸給それ自体になるわけでございます。従いまして、そのために、たとえば期末手当であれ、勤勉手当であれ、あるいは退職手当であれ、すべてこれが基礎になって、書記官のために利益になって働いてくるという関係にあるわけであります。そういう関係で本俸の調整ということにしたわけでございます。
  50. 赤松常子

    ○赤松常子君 きょういただきましたこの資料の第一でございますけれどもね、前々回の委員会で私ちょっと質問いたしましたのと比較いたしまして私の質問のときに、町長さん、少しそれは筋が違うのじゃないかという御答弁であったようでした。それは政府の一般職員の平均裁判所の皆さんの平均割合を尋ねたときに、非常に私の方の言い方が、違う資料のように御答弁があったんでございますね。そのとき、私政府の一般職員の平均が二万四百四十円と申しまして、きょうこれを拝見いたしますと、まあこれは三十四年の一月一日現在でございますので、少し日にちがずれているからちょっと金額が違うのだと私思うのですが、これでは一万九千九百十四円でございます。で、私申しましたのは、二万四百四十円でございます。裁判所一般平均がこれでは一万七千七十七円、私の調べましたのは一万七千六百五十二円で、ほぼそう高低はございませんでした。そのときに、今申しました数字を私お聞きしたわけです。それは大へん違うように、あまり低過ぎるようにおっしゃったんですね。けれども、この第一表を見ますと、総平均一般職員が一〇〇%である場合、裁判所の方は八五・八%で、だいぶ低いと、これがはっきり出ておりますですね。何かちょっと食い違いがあるように思いますのですけれども。
  51. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) 私のその当時における説明があるいはまずかったのかもわかりませんが、御指摘のように、一般政府職員俸給平均額は、裁判所職員平均俸給額よりは上になっておることは間違いございません。ただ、昭和三十四年一月一日現在をとりましたのは、全部の政府職員俸給等が確認せられて公表せられておるものが、この資料しかないものでありますから、昭和三十四年一月一日付で資料を作ったわけでございます。その当時における裁判所職員平均単価政府職員平均単価より低いことは、私もその通り認めたことは紀隠しておりますが、ただ、単に低いということは、この表だけでは言えないのだと、これはそれぞれ各職員構成がどういうふうになっておるかということを調べなければならない、そういう点から、年令が若いということ、あるいは裁判所職員の昇給率というものが非常にぐんぐん上がってきているということ、それから裁判所職員の折れ曲がり率と一般行政職員との折れ曲がり率から比較すると、裁判所職員のは非常に低いと、そういった点、すなわち裁判所職員は年令が非常に若い、経験年数は若い、そういった関係で、給与が、平均すると低くなっておるけれども、各経験年数等によってならして計算比較してみれば、決して低くはなっていない、こういうことを申し上げた次第でございます。
  52. 赤松常子

    ○赤松常子君 そういたしますと、さっき申しました資料の中の経験年数別平均賃金表最後に、三角じるしがついておりまして、七百六十五円低いということは、これはどう解釈したらよろしゅうございますか。
  53. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) これは経験年数から申しますというと、各政府職員俸給と比較しまして、裁判所の方が比較的高い。しかし経験年数の多い人がたくさん各省にいます関係で、総平均をいたしますというと、若い職員の多い裁判所職員の総平均よりは高くなっておる、裁判所の方が低いということであります。
  54. 赤松常子

    ○赤松常子君 年令層と経験年数と、いろいろ項目が違いまして、また人員数も違いますから、実際は高い人もあるが、高い人が年の若い人の方に削られるから、結果はこう出る、こういう御説明ですか。
  55. 守田直

    最高裁判所長官代理者守田直君) そういうわけです。
  56. 大川光三

    委員長大川光三君) 本件に対する午前中の審査は、この程度にとどめ、午後二時まで休憩いたします。    午後零時五十三分休憩    —————・—————    午後二時五十二分開会
  57. 大川光三

    委員長大川光三君) これより休憩前に引き続き委員会を再開いたします。  まず、資料の請求をいたします。本日午前の委員会において保留いたしました資料のうち、左の資料、すなわち、裁判所法第六十五条の三の規定、国家公務員法第六十二条、第六十三条、給与法第四条、第十四条の三項、労働基準法第一条、第八条、第三十二条、第三十三条、同法施行規則第二十六条の第二項及び第二十七条ないし第二十九条の各資料を急遽水委員会に御提出を願います。  ほかに御発行もなければ、本件に対する本日の質疑はこの程度にとどめたいと存じます。  以上をもって本日の審議は終了いたしました。  次回の委員会は明五月二十日午前十時より開会いたします。  本日はこれをもって委員会を散会いたしまふす。    午後二時五十三分散会