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千葉信君 私は、
考えとしては、今御答弁があったように、必ずしもこれがりっぱなものではないから、
裁判所の職員にふさわしい立法を
考えているということについては、この点は私は了承します。しかし、たとえば公務員法の
改正の問題等があるから、それを横目でにらんで、その点も考慮の中に加えて今日まで来たということですが、そういう考慮を加えつつ、八年間も今日まで時日を経過して、なお
調査中で、立案にも着手していないということは、私は怠慢しごくだと言わなければならない。同時に、今の言葉にもあったように、この臨時措置法から来る
裁判所職員の不利益があるとか、あるいは他の公務員に比べて遜色を来たすような待遇や取扱い等については、最
高裁としても、十分その救済の
方法なり、緩和の
方法を
考えなきゃならなかったはずです。ところが、私の知っている限りでは、ほとんどそういう点についての考慮が払われておらない。しかも、今回の予算の関連する問題として私が今御
質問申し上げている問題のごときは、この臨時措置法の
不備欠陥をねらって、それを利用して、職員に対する待遇の改善どころか、劣悪な待遇に追い込もうとしている。あなたは、さっき答弁の中ではっきりとおっしゃらずにお茶を濁したけれ
ども、私は、この八%の号俸調整を計画するに至る経過を全部知っております。あなたの方の最初の
考え方、大蔵省との折衝それから大蔵省との最終的な妥結。なるほど、あなたの方は、最初は、待遇改善とか、あるいは職務権限の拡充というような問題を
考えられたことは、私、承知いたしております。しかし、あなたの方で待遇改善の一環だとして出してきているこの
説明書によって見ても、待遇改善ではなくて、具体的に言うなら、この待遇改善の第二項として取り上げている八%の調整号俸というのは、厳密に計算をすると、あなたの方では、書記官とか、あるいは
調査官の勤務時間を、一カ月三十二時間以上延ばそうとしている。一週五十二時間というべらぼうなその勤務時間を、これによって
規定しようとする。しかも、三十二時間の勤務片岡の延長をしながら、実際上は、八%の調整号俸による待遇改善というのは、時間に直すと、十三時間ぐらいにしか当たらないじゃありませんか。こういう不利益な待遇を、あなた方は平気でやろうとしている。しかも、あなたの方では、その勤務時間の延長という問題を、この臨時措置法の
不備欠陥を利用して、たとえば、一般の公務員の場合には、勤務時間の延長等については、人事院の承認を得なきゃならないということに
規定されている。あなたの方の場合には、この臨時措置法で、その人事院の承認というその言葉が、最
高裁の承認と読みかえられておることを利用して、何らの第三者のこれに対する考慮も加えないで、勤務時間の延長というやり方を平知でやろうとしている。しかし、この臨時措置法の中身なり、あるいは国家公務員法、あるいは公務員に対する一般職の
給与法等の
関係では、最
高裁の承認があれば、最
高裁の職員の勤務時間を四十八時間以上延長することができるというふうに
理屈はつけることはできるけれ
ども、最
高裁みずから労働基準法を破ろうとしておる。これは一体どういうことですか。最
高裁では労働基準法なんかは認めないで、そんな、その法律の
不備欠陥を利用して、五十二時間などというべらぼうなその勤務時間を強要しようとすることが、正しいと
考えておいでですか。一説によると、あなた方は、
地方裁判所の職員等に対して、こそこそと本人の承諾書を取ったりする。少なくとも、最
高裁としてやるべきものじゃないと思うのです、そんなことは。人に隠れてこそこそと、職員一人々々呼んで、承諾書を取る。あなた方は、全員から承諾書を取れば、これでもう承諾したからいいのだということに持っていこうという
考えかもしらんけれ
ども、そんな汚いやり方が許されますか。一体、あなた方は、今でもその方針は変更しないでやろうというお
考えなんですか。あなたに聞くのは少し酷かもしれない。これは最
高裁の長官を呼んで聞くべき筋かもしらんけれ
ども、きょうは気の毒だけれ
ども、あなたしかいないから、あなたに聞かなくちゃならん。少し気の毒だと思うが、少なくとも問題は重大ですから、かなり性根をすえて、そこで答弁してもらいたい。どうですか。