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1960-04-21 第34回国会 参議院 内閣委員会 第21号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月二十一日(木曜日)    午前十一時十二分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     中野 文門君    理事            増原 恵吉君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            横川 正市君    委員            伊能繁次郎君            大谷 瑩潤君            木村篤太郎君            小柳 牧衞君            下條 康麿君            下村  定君            矢嶋 三義君            山本伊三郎君            向井 長年君            辻  政信君            高瀬荘太郎君   政府委員    人事院総裁   浅井  清君    行政管理政務次    官       新井 京太君    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君    行政管理庁行政    監察局長    原田  正君    科学技術政務次    官       横山 フク君    科学技術庁長官    官房長     原田  久君    科学技術庁原子    力次長     法貴 四郎君   事務局側    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○原子力委員会設置法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付) ○行政管理庁設置法の一部を改正する  法律案内閣提出衆議院送付)   ―――――――――――――
  2. 中野文門

    委員長中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。  原子力委員会設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  本案につきましては、一昨日質疑を終局いたしておりますので、これより討論に入ります。  委員長の手元に増原君から修正案が、横川君から附帯決議案提出されております。本修正の御意見討論の冒頭に、附帯決議案についてその次にお述べを願います。なお、御意見のおありの方は、原案及び修正案並び附帯決議案に対する賛否を明らかにしてお述べを願います。
  3. 増原恵吉

    増原恵吉君 私は自由民主党を代表して賛成討論をいたしたいと存じますが、この際本法律案に対する修正の動議を提出いたします。修正案を申し上げます。   原子力委員会設置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   附則第一項中「昭和三十五年四月一日」を「公布の日」に改める。  修正理由は特に申し上げる必要がないかと存じます。右修正部分を除き、原案賛成をいたします。
  4. 横川正市

    横川正市君 私は日本社会党を代表いたしまして、ただいま増原委員から提出されました修正案並び修正部分を除く原案賛成をいたすと同時に、この際、同僚委員からも関係大臣にそれぞれ各項目について質疑をいたしましたが、ことに科学技術問題等に関連いたしまして、原子力の現在わが国におけるいろいろな利用の問題については各般の分野から期待するところきわめて大なるものがあるわけでありますが、この原子力委員会設置法の一部を改正するにあたりまして、わが党としては附帯決議を付して賛成申し上げたいと考える次第であります。多く申し上げる必要はないと思いますので、直ちに決議案を朗読いたしますのでそれをもって私の討論にかえたいと思います。    原子力委員会設置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議案   わが国における原子力平和利用は一応の準備期間を経て、今後本格的な研究開発段階を迎えんとするにあたり、政府は特に左の各項につき適切なる措置を講ずべきである。  一、原子炉安全審査に対しては、更に一層公正を確保するため、責任ある審査機関を法制化すると共に、原子力委員会の強化と充実をはかり、ますます原子力行政の中核たらしめるよう努力すべきである。  二、原子力運営については原子力基本法を厳守すべきことは勿論、原子力平和利用においては、ひとり原子力発電のみならず、舶用炉、アイソトープの産業利用等、ひろく関係者分野にわたって、常に緊密なる協力を図るとともに、基礎的研究及び開発分野においても、燃料の生産、再処理、廃棄並びに関係科学技術者の養成とその待遇改善等を含めて、それぞれ統一ある総合的計画を策定推進すべきである。  右決議する。
  5. 中野文門

    委員長中野文門君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 中野文門

    委員長中野文門君) 御異議ないと認めます。  それではこれより原子力委員会設置法の一部を改正する法律案について採決に入ります。  まず討論中にありました増原提出修正案を問題に供します。増原提出修正案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  7. 中野文門

    委員長中野文門君) 全会一致でございます。よって増原提出修正案は可決されました。次に、ただいま可決されました修正部分を除いた原案全部を問題に供します。  修正部分を除いた原案賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  8. 中野文門

    委員長中野文門君) 全会一致でございます。よって本案全会一致をもって修正すべきものと議決せられました。  次に、討論中に述べられました横川提出附帯決議案議題といたします。横川提出附帯決議案を本委員会決議とすることに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  9. 中野文門

    委員長中野文門君) 全会一致と認めます。よって横川提出附帯決議案全会一致をもって本委員会決議とすることに決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により、議長に提出すべき報告書の作成につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 中野文門

    委員長中野文門君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。次に、ただいま決定いたしました附帯決議について、横山科学技術政務次官から発言を求められておりますので、これを許します。
  11. 横山フク

    政府委員横山フク君) 一言ごあいさつを申し上げます。ただいま附帯決議に盛られました各条項につきましては、科学技術庁といたしましてもかねがね考え、また努力いたしておったところでございますか、今回の御決議機会にいたしまして、なお一そう努力いたしまして御趣旨に沿うようにいたしたいと存じております。何とぞ今後もよろしくお願いいたします。   ―――――――――――――
  12. 中野文門

    委員長中野文門君) 次に、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案議題といたします。  前回に続いて質疑を行ないます。政府側出席方々は、現在新井行政管理政務次官山口行政管理庁行政監理局長原田行政管理庁行政監察局長後藤行政管理庁統計基準局長方々であります。益谷行政管理庁長官はただいま出席連絡中でございます。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  13. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 資料要求をいたします。本法律案審議資料として、次の資料をできるだけ早急に提出方を要請いたします。  その一つは、過去一カ年に行政管理庁から各省庁並びに政府関係機関に出されました勧告の件名並びにその概要、この資料。  それから他の一つは、昭和三十五年度における行政管理庁の、特に監察事業計画ですね。具体的に言うならば、どういう面に、どういう計画のもとに監察を重点にやっていくかという計画ですね。それがわかるような資料ですね。できるだけ早く出していただきたい。要請いたします。
  14. 中野文門

    委員長中野文門君) 御質疑のおありの方は、御発言を願います。
  15. 横川正市

    横川正市君 前回委員会で私の方から資料要求をいたしましたが、その要求いたしました資料について、まだ届いておらないのでありますが、委員長の方から一つその資料について行管の方からどうしているか、聞いていただきたいと思います。
  16. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて。    〔速記中止
  17. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。
  18. 横川正市

    横川正市君 今の資料に基づいての質問は、後刻いたしたいと思いますので、先に他の部門から御質問申し上げたいと思います。それは行政管理庁設置されております主たる任務といいますか、その持っております官庁の独自な行政上の責任といいますか、そういう点からいきますと、私は内閣あるいはそれに所属する各行政組織の中で、少なくとも機能の能率化、それから重複その他複雑怪奇になっております組織機構簡素化、並びに行政事務その他に対して適切な指示を与えていくという任務を持っておると思うのであります。そういう任務を持っておる立場から一、二お伺い申し上げたいと思うのでありますが、それはたとえば当委員会地盤沈下対策のための審議会が、前国会審議をされました。その審議をされた提案理由と、それから質疑応答を通じて明らかにされました点は、地盤沈下そのものに対して、きわめて喫緊の重大問題として取り上げられ、適切な対策を立てると、こういうことからやられたわけであります。当時も私どもは、その審議の、たとえば日程の問題とか、それから委員任命であるとか、それから早急に結論を出してもらいたいということについては、これは質疑の中で強く意思表示をいたしております。ところが、きのうたまたま本会議の席上で、委員会審査省略をいたしまして、地盤沈下対策促進に関する決議案が上程されてきたわけであります。前国会でその緊急性を認めた国会が、この地盤沈下に対しての審議会を設け、次の国会で今度は促進する決議案を出さなければいけないということは、一体これは国会の方が怠慢なのか、それともこれを担当している行政関係が怠慢なのか、いずれにしても、私は国会審議をする場所としては、いささか問題になる点であろうと思うのであります。そういう面から、こういうこの地盤沈下対策審議会問題等に対して、行管としてはどのように適切な指示を与えられておったのか、この点をお伺いしたいと思うのです。もちろん、おそらく行管監察関係では、そこまで実はやっておりませんということになるのではないか、あるいはそこまでやれないのですというような答弁になるのではないかというふうにも、ちょっと私は憶測はいたしますが、この問題は国会審議会を作り、さらに決議案を次回に出したという例からいきましてきわめて重要だと思いますので、この点について、お伺いいたしたいと思います。
  19. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいまの御質問については、実は最近の状況を承知いたしておりませんので、十分御説明申し上げかねる次第でございます。地盤沈下対策審議会は、たしか三十一国会で成立いたしたと記憶いたしております。目下これは経済企画庁で所管いたしております。おそらく審議会の進行中であろうと思います。さらに促進する決議案が出されました事情等承知いたしておりませんので、あるいは他の政府関係の方から、説明をいたすようにした方が適当ではないかと考えます。
  20. 横川正市

    横川正市君 私は国会立場から、この問題は一つ取り上げられる問題だと思うのですが、続いて、今山口さんの答弁答弁じゃないと思いますから、この種のことについては、質疑の角度を今度は別の方に向けて、後刻質問いたしたいと思います。  もう一つは、競輪関係、これは通産省審議会の中に設置をされているわけであります。ところが、この競輪関係審議会審議状況を、新聞報道で拝見をいたしますと、競輪の各地方機関における財政上の問題から必要であるという結論を出しまして、たしか新聞の報道するところでは、委員の一人だけが反対をして、他は全部賛成をした、こういうことになっております。そういたしますと、その結果というのは、これは審議会そのものは、民主的機関として、行政諮問に応じてそれぞれ最も妥当なる回答を出す民主的な機関として作られているわけであります。しかし、そのきめられた日時から日ならずして、今度は世論からもうきわめてきびしい反対意見が出て参りました。最近では、この審議会結論というのは、まさにこの世論の動向に背を向けた結論ということになっているわけであります。こうなりますと、私はこの民主的にきめられたこの審議会というもののあり方というのは、これはどうも納得しがたい、理解しがたい方向に向かっているということが言われなければいかぬと思うのであります。おそらく私どもが気のついた幾つかの審議会審議状況とか、あるいは設置された理由と相反した内容とか、あるいは審議日程の問題とか、あるいは委員任命について少なくとも公平な立場に立って意見を言わないで、利害得失のある人たち任命されているとか、いろいろな不合理や、それから不審な点が非常に多くあると思うのです。特に競輪審議会というのは、これは設置されて、いろいろ審議をされた結論を出しておりますけれども、この審議会結論に対しては、もう全く世論から非難の的になっておる、こんなものが行政機関諮問機関に応ずるということは、これは行政機関としても全く問題だと思うのですね。そういう世論に背を向けているような審議会諮問に応じて、それでその行政の執行の一助にするなんていうことは、ナンセンスだと思う。そういうようなことも、これは私はいろいろ行政管理庁としては、役所からこれこれの審議会を作りたい、よろしゅうございましょう、こういうことで作られた。あとの問題はすべてそれぞれ各省の問題に所属させておく、あと自分たち責任範囲じゃないのだというので、放任をするのではないか、こういうような顕著な例として上がってきた問題については、もっと的確に行政管理庁として調査をし、そこから適切な指示とか、あるいは勧告をするということもあっていいのではないか、かように思うわけでありますが、その点について一つお答え願いたいと思います。
  21. 山口酉

    政府委員山口酉君) 競輪審議会につきましては、これは単独法で設けられております審議会でございます自転車事業振興に関する法律の中に規定されておりまして、競輪事業全般について重要事項審議をいたしておりますが、お話のございました競輪の存廃の問題というのが、最近非常にやかましくなって参りましたために、その審議会にかけたということでございまして、実はその内容も、通産省で所管しておりますので、詳しくは存じておりませんが、特に存廃問題のために委員構成を変えたりしてやるというようなことはないと存じておりますけれども、あるいはその人選がどうであったかということにつきましての問題があるかもわかりません。実は私ども新聞で、そういう批評が出ておりましたことを承知いたしております。お話しのように、具体的の人事につきましては、これは所属所管庁権限でございまして、行政管理庁では指示をしたり何かするということは適当ではないと考えておりますが、全体の運用としまして、制度趣旨に沿うように人事構成をしなければならないということは、お話し通りであると思います。いろいろな行政管理庁権限の行使の範囲内で、そういうふうになりますように、適切な人事構成ができますように、何らかの形で推進するように努力いたしたいと存じております。
  22. 横川正市

    横川正市君 この二つは、たまたま世論の俎上に上ったものと、国会立場からのわれわれの責任ある審議を通じて作られたものに対して、日ならずしてその審議会審議状況ないしは審議の結果、そういったものがきわめて現地の緊迫した情勢とは合致しておらないし、そういうことから、また立法府が決議をする、これはままあることだと思うのでありますが、ただ、審議会国会に提案したときは、その緊急性やら、緊迫性やら、重要性というものを、いろいろ説明をされて、われわれはそれを信じているから、審議会設置について賛成をする。ところが、その審議会設置されたあと運用その他は、これが思わしくない、こういうことが起こってくるのでありまして、そうなると、これは私は先般も質問をいたしました、行政審議会の中に行政制度及び行政運営に関して重要な事項、あるいは監察の結果に基づく重要な勧告事項を調査審議するという審議会の問題と、それから行政管理庁組織令の中にある組織として持っております行政監理局、それから統計基準局、それから行政監察局、この三つがそれぞれの局の運用そのものについて、いささかわれわれとしては質問しなければならない問題が出てくるのではないか、こう関連として思うわけです。また、当面競輪の問題とか、地盤沈下問題等で、行管はこれこれ、一つ一つに適切な指示やら勧告やらを行なわなかったことはけしからぬじゃないかということを私ども取り上げようとするわけではありませんが、機構上の問題として、この点が根本問題としてあるのではないか、こういうふうに考えるわけでありますが、この点どのようにお考えでしょうか、お答えいただきたいと思います。
  23. 山口酉

    政府委員山口酉君) 審議会というものは、現在の制度上は、独立的な色彩を持った機関として付置されておるわけでございます。政府の通常の組織の中においていろいろ判断をするということが、それだけでは適切でないという場合に、設けられているわけでありまして、審議会運用につきましては、その内容的活動は、その独立性的な性格を尊重して、やっていくというのが当然であろうかと思いますので、その審議内容について、いろいろ意見を差しはさむということはいかがかと存じておりますが、ただ御意見がありましたように、その構成でありますとか、全般的運用管理というようなことにつきましては、審議会設置されました本来の精神が十分生かされるようにしていくことについては、全体の管理的な立場からいって、行政管理庁責任があると存じております。その方法といたしましては、あるいは監察的な手法でこれを監督することもございますし、さらに指導的な方法で協議、連絡打ち合わせ等によって、運用改善をはかっていくという方法もあろうかと思います。実は現在まで審議会そのものを対象といたしまして、お話のようなことを十分行政管理庁がやったかとおっしゃられますと、率直に申し上げまして、実はあまりそういう方面は従来やっておりません。しかし将来は、御意見のありますところを十分尊重して、審議会運用が適切に行なわれるように努力いたしていきたいと存じております。
  24. 横川正市

    横川正市君 これは行政指導で、いろいろ不十分な点を何とかしていきたいという、そういう答弁は、なるほどそういう答弁しかないかなと思うのでありますが、何かおざなりになるのではないかというふうに非常に危惧するわけであります。ですから、これは政治問題かもわかりませんが、政務次官にこの面を一つ答弁してもらいたいのですが、たとえば、行政の補佐的な審議会というのが必要だからといって作られたわけですね。民主的な行政を行なう一助にしてですね。そういう場合にいい例が、競輪のように世論と全然逆な方向審議会結論が出される。こういうことは、一体審議会の存置する理由があるのかどうか。そういうそのものはもっとやはり審議会を作られたら、少なくとも少しくらい世論におくれても、大体歩いていけるというくらいのものが出てくるのが、私は審議会を作った理由でもあるし、まあ一般にこれが政治だと思うわけなんです。行政上の業務を行なっていくためにも、審議会の持っている意味というものは私はそういうものだと思うのです。世論に全然逆行して審議会というものが運営されていいとは思わない。そういう点から考えてみて、競輪審議会のようなものは、一体行政管理庁長官ないしは政務次官としてどういうふうにお考えになっているか、これは存置するとかしないとかいうそんな問題ではなしに、政治的な問題としてどう考えておられるか、一つお答えいただきたいと思います。
  25. 新井京太

    政府委員新井京太君) まことにごもっともな御質問だと思います。世論というものを無視して政治が断じてあるべきものではありません。まあ、私どももこの競馬、競輪等に対しましては、いささか新聞面で見、あるいは実際面のことも考えてみまして、あまりこれは芳ばしくない、全くお説の通りだと思います。しかしながら、これがなかなか私どもがそう思っておりましても、いろいろな実際問題から進んで参りまする姿を見ておりますると、ときによりますると、その御意思にそぐわないような面も絶無でない。やはり行政管理庁といたしまして、ただいま山口さんがお答え申し上げましたように、他省との関係もあり、また本庁といたしましても、これから十分御意向を承って改善すべきは改善をし、また要するにできるだけのことはやっていかなければならない。この問題に対しまして前国会でこうであったが、この国会におきましては地盤沈下の問題につきましても、私ども新潟の激甚の姿をまざまざ視察をして参りましてこれは容易ならぬことであるわいなというようなふうに現情視察もして参っておるのであります。こういう面におきましても、ほんとに真剣に考えていかなければならん。今後の要するにああした大災害はこれを未然に防いでいかなければならない。こういうことを考えまするときに、さらに一つ、思いを新たにいたしましてやっていくべきではなかろうか、かように考えております。しかし、御案内のように私のところもそうでありまするが、みな大臣を上にいただきまして、そうしてその業務をいたしておりまする私どもの局の幹部諸公、また私どもも御意向を十分に尊重をいたしまして、機会のありますときに、横川さんの御意思を大いに打ち出して、そうして御意向に沿うように、十分これから要するに努力をいたす覚悟でございます。どうか一つよろしく、何しろどうもはなはだしろうとでなっておらない答弁ですけれども、どうかよろしくお願いいたします。
  26. 中野文門

    委員長中野文門君) しっかり答弁願いますよ(笑声)。(「いや、しっかりしているよ」と呼ぶ者あり)
  27. 横川正市

    横川正市君 これは、私どもは二百五十幾つかの審議会を、一つ一ついいとか悪いとか言ってやる、そういう所存ではないのです。ただ、前者の地盤沈下の問題は、作られた審議会とそれから促進決議との関係で、企画的にも、またわれわれとしてはどうも国会として少し見識の問題に問われないかと思われるようなふうな決議を、満場一致でわれわれは賛成したわけです。そうすると、これはなるほど審議会の提案されたときの趣旨というものを今度の決議も私は出でておらない。ただ問題は、決議案趣旨促進されておらない、ないしは地元の人たちの満足のいくような結論が出されておらない、こういうところに決議案の出た趣旨があるわけなんです。そうなればおのずと審議会というものも、そのものメスを入れるということになるわけです。競輪の場合も同じことが言えると思う。そこで、これは行政管理庁として、こういった審議会、他にも私は非常に重要な意味を持たせて作られておる審議会ばかりだと思うのでありますが、そういう審議会行政諮問に応じて、きわめて不満足な状態だというようなことを新聞や何かで摘出され、報道されない前に、行政上の問題として取り上げて、それに対してメスを入れるという荒いことをされないまでも、促進をされ、あるいは運営をもっと適切になさしめるという指導があってしかるべきだと思うのですが、そういう点についても行政管理庁としては組織上やっておるのですか、それとも何か都合が悪くてできないでいるのですか、その点をちょっとお聞きしたいと思うのです。
  28. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま御直間のありましたような事柄につきましては、行政管理庁組織といたしましては、一つ監察方法がございまして、実際どういう運営をその省のその審議会が行なっておるかということを具体的に調べて、そうして適切でないならば、所属大臣に対して勧告をするという道があるわけでございます。さらに一般的に非常に問題が多いということになります場合に、これを政府の全体の政策として取り扱いを変えるというような場合にはさらに閣議で、閣議決定をとるとかいう事柄につきましても、行政管理庁が発案をしてそういう措置をするというような道がございます。
  29. 横川正市

    横川正市君 そうだろうと私どもも思っておるわけですが、そういう適切な勧告ないしは大臣で閣内に発言力を持って出席をされておるわけなんですから、その大臣を通じて今までどういうようなことをされておるか、やれるという方法はあるけれども、それは活用されていないということになるのか、十分活用しているということになるのか、その点を説明していただきたいと思うのです。私はこれは行政管理庁の持っております役所としての責務の問題からいいますと非常に重要だと思うのです。大体ほかにないのですからね、各省が気をつけて審議促進をされ、あるいは世論に背を向けないようにするという注意を払う。それと、それができない不備な点は行政管理庁勧告をするとか、適切な指示を与えるとかこういうことをする。それ以外にはこれは実は内閣としてこの種の問題を矯正していく方法はないわけですからね。金の使い道は会計検査院が検査する、行政上の問題としては行政管理庁がやるよりほかしようがないわけです。そういう二つの方法を通じて今まで適切な指示とか、あるいは指導とか、あるいは閣内におけるところの閣議を通じて、そういう場所を通じてこの種の問題について適切な矯正策をとっておる、こういうことならばそれはその通りでいいと思うのですが、はたしてそれが適切に運用されているのかどうか、この点は私たちとしては疑わざるを得ないのです。この点御説明願いたいと思います。
  30. 山口酉

    政府委員山口酉君) 運用の問題につきましては、委員をどういう人選をするかということを一つの問題といたしまして、公務員が非常に多過ぎるというようなこと、それから非常に兼職が多くて困るというようなことがございまして、公務員の問題につきましては、次官会議等で申し合わせをいたしておりますが、さらに閣議にも議案をあげております。しかし、まだ現在これは国会議員を審議会に入れる場合の取り扱いというようなことにつきまして、いろいろと最終的な最高方針がきまりませんために、閣議決定にはなっておりませんが、そういう問題について行政管理庁としては発案をいたしております。それからさらに存否の問題、もう運用上これは要らないのではないかというようなものにつきましては、逐次調べましてこれは行政審議会等の意見もございますが、各省に廃止するようにというそういう懲悪をいたしてきております。だんだんと廃止したものもありますし、現在のやっております当面の審議事項が済んだら廃止するというようなものもございますし、いろいろ事情がございまして一律には参りませんけれども、すでに存在の必要が薄らいだのではないかというものにつきましては、できるだけ強力に廃止方を懲悪いたすというようなことをやっております。具体的な個々の運用につきましては、ほかの政府委員から申し上げます。
  31. 原田正

    政府委員原田正君) 行政監察を行ないまして、その行政に関連しました個々の審議会運営状況等についての調査をいたしたことはあります。たとえば交通行政に関しまして運輸審議会、あるいはたしか社会保険等に関連しました各種の審議会等、そういうものの運営を個々の行政監察に関連をしまして調査をしたことはございます。それらの中におきまして、たとえばその審議会運営において委員出席が十分でないとか、あるいは会議の開催が不十分であるとか、あるいはまたその審議会にかけられる案件が当局の説明に基づいて比較的十分な審議がなされずに結論が出されておるような場合があると、そういったようなことがあったと存じます。具体的なこまかい資料はさしあたり持っておりませんので申し上げませんけれども、そういうことは行政監察に関連しました面につきましては、審議会運用を調査したことはございます。
  32. 横川正市

    横川正市君 おそらくそういうことはあるのだろうという程度に認識をしておったのでは、監察局の任務としてはやはり十分だというふうには私どもはちょっと考えられない。そこで、適切な例としては今の競輪関係審議会があるわけでありますが、社会悪だ、しかし、これは必要悪だ、その地方財政上もこれは必要なんだという結論を最近出しておる。その結論を出したあと世論がほうはいとして袋叩きをいたしておるわけであります。その中で兵庫県だけが廃止をしておる。こういう状況というものを私ども考えるときには、やはりこれは運用上の問題等から監察局としてはどういう結論を持つかは別として、具体的にこの審議内容とか運用とか、こういった問題についてどうされているのか、この点を注意をするというくらいなことはあるのではないかと思うのですが、こういう隅について注意をされてそして具体的に何をされたかということが答弁されれば、一番いいと思います。その点を答そいただきたい。
  33. 原田正

    政府委員原田正君) ただいま御質問のたとえば競輪関係審議会等につきましては、実は今まで調査をいたしたことはないのであります。大体私ども監察といたしましては、政府の重点施策等重要な項目を取り上げまして、計画的に監察をするということが主体になっております。従いまして年間に監察を実施し得ます項目は、大体二十項目ぐらいというふうに非常に限定されたものになって参るわけであります。従ってあらゆる問題のありまするような行政について、十分な監察をあらゆる項目にわたってするということは、なかなかでき得ないような実情にあるわけであります。そのほかの作用といたしましては、各省区地方局が現地にありまして、それぞれの現地の状況行政上の問題がありますような、そういうふうな状況をいわゆる監察条項と称しまして中央に報告いたしているようなものはあります。従って競輪等の問題につきまして、各地で行政上のトラブルが起こる、あるいは問題があるというような場合におきましては、それらに関した情報が参ることはあり得るわけであります。ただ、行政監察立場といたしましては、われわれは現在の法制とか制度、あるいは予算のもとにおいて行なわれております行政の実態を把握して、それが適切に、効果的に行なわれているかどうかということに主眼点を置きましてその監察をしました結果として、制度なり運営改善しなくちゃならぬ、こういうふうな結論が出ます場合におきしてその勧告をいたしますという立場をとっておりまして、政策そのものが、たとえば審議会結論そのものが適切であるかどうかということ、あるいは現在の制度を改正をするということを目標とした意味監察というものには、第一義的にはそこに主眼点を置いた監察は実施をいたしておらぬというような状況でございます。従って競輪の存廃問題のごとき政策的な問題につきましては、われわれのやっている行政監察はこれは正しい、これはいかぬ、そういうふうな結論監察の結果として出すということは比較的困難な状況にある、こういう状況でございます。
  34. 横川正市

    横川正市君 私は今の監察局長答弁は、現行の行政管理庁機構上の問題からぎりぎり一ぱいのことをやっていて、それ以上なかなか手が回らないのだ、こういう問題については現行管理庁の能力といいますか、その点については一応了承できると思うのです。それじゃいかぬという考え方を持っておりますが、その点はそれなりに理解することができると思います。しかし、監察局の使命とか、それから任務とかいう面からいけば、非常にこれは不十分であるという点だけは指摘できると思うんです。それから競輪の問題で、私は何も結論がこういうふうに出されたとか、ああいうふうに出されたとかいうことで、その結論がいいとか悪いとかをあなたに判断をしてくれと言っているわけじゃない。そうではなしに、少なくとも民主的な行政機関諮問機関として出されて作られております審議会の提案されたときの趣旨というのは、私は少なくとも世論と背を向けて独走するような格好のものを、おそらく審議してくれといって提案したんじゃないと思うんですよ。もっとやはり世論行政というものが奉仕をしていく立場に立って、少なくとも一歩や二歩ぐらいおくれても世論とついていける、おそらくまあ世論というものはあとからくるものだと思いますが、そういう内容のものであるべきはずなのに、このような審議会結論に対しては、全く世論と背を向けてしまっているという、そういう状況を判断をして、そういうふうになってくると、競輪審議会というものの今度は運営ですね、おそらくまあ人選の問題もあるのでありましょうし、運営の問題もあるでありましょうし、それから通産省としての競輪審議会に対して出ていっている人たちの、事務当局、おそらく事務上の責任は全部通産省の役人が持っているわけですね、そういうようないろいろな観点から、行政管理庁としては当面監察目標の中に、まあ二十数項目ある中に入っていないにしても、私は重大問題として検討してみる必要はあるんじゃないか、あるいは通常がどうなっておるかを監査してみる必要があるんではないか、こういうふうに考えるわけなんであります。なるほど国家行政組織が膨大でありまし  て、もっと他に重要問題があるんだ、こういうふうに言われることもわかりますが、私はこの種の社会問題を惹起しているような問題というものは、これはやはり国の運営からいきますと重要問題だというふうに見ていいと思うんですね。そういう重要問題の項目に入る入らないという、そういう詮議ではなくして、少なくともこの種の問題に対しては、もっと注意を払っていいのではないか、こう思うのでありますが、局長としてどうお考えになりますか。
  35. 原田正

    政府委員原田正君) ただいま申されたような正規の行政監察項目として取り上げない事項でありましても、そのときどきに起こりまする各種の政治的な問題、特に国民の生活等に非常に密接な関係のありまするような行政、そういう問題につきましては、時々それぞれ関係各省庁に連絡をして、その状況を調査をする、あるいはまた現地にありまする行政監察同等におきましてその実情を調査をして中央に報告をして参る、必要ある場合におきましては各省に連絡して、また参考送付するというようなことをいたしておるわけであります。ただいまの競輪問題等につきましても、だんだんお話しのように、審議会結論というものと、国民の世論と申しますか、そういうものにギャップがあるような状態であるということでありますれば、それらの運営状況を正規の行政監察という格好でなしに、実情を調査をする、あるいは通産省等の意向を聞き、現地の実情を見るということは可能なことと存じます。そういうような点につきましても、今後十分な調査もしてみたい、かように考えております。
  36. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ちょっと関連。局長の答弁を聞いておって、僕は一つ疑問点があるんですがね。それは行政管理庁としては、たとえば審議会、調査会を廃止するとか、新たに設ける場合に、そういうものが適当であるかどうか、必要かどうかというようなことについては、管理庁は当然発言権を持ち、また義務づけられているものだと僕は思うのですがね。それからまた、審議会運営が適当かどうか、その調査もあなたのところの義務であるとともに、あなたとしては権限でもある、かように私は思うのですけれども、あなたの先刻来の横川委員に対する答弁を聞いていますと、何か非常にみずから義務と権限を非常に狭めた立場答弁され、そういうふうに解釈されているような印象を私は非常に強く受けて心外に思っておるのですが、明確に一つ答えていただきたい。
  37. 原田正

    政府委員原田正君) ただいま私の答弁いたしましたのは、行政監察局立場として答弁いたした次第であります。従いまして審議会を新たに設ける、そういうことについての設立の是非とか、そういう問題につきましては、監理局の方におきまして審議をする、こういうことがあり得るわけであります。その点監理局の役割と、行政監察局の役割というものは最終的には相関連しておりますが、常時の業務の分担としてはさように分かれておる、そういう次第であります。
  38. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そうすると、私の伺っているのは、後者の監察の点についてですが、私の聞き落としかもしれないけれども、あなたの先ほどの横川委員に対する答弁からは、審議会運用が適当であるかどうか、その実情等についての調査とか、あるいは勧告等についてはやや消極的な、非常に局限された角度から解釈されているように私は聞き取れたのですが、その点もう一ぺん答えていただきたい。
  39. 原田正

    政府委員原田正君) 前にも申し上げたのでございますが、行政監察行政に関連をしまして審議会等の運営を見る、そういう場合におきまして審議会運営の実態をよく調査してそうして結論を出す、こういう場合におきましては、もちろん今お話しのような限られた立場におきまして監察結論を出すということはございません。
  40. 新井京太

    政府委員新井京太君) 横川さんに一つ……。私はよく横川さんの御意向を承って肝に銘じております。これは私各幹部とも御相談願って、そうしてできるだけこの問題は御趣旨に沿うべく私は調査をやってみることも本意ではなかろうかと思いますので、どうかこれはおまかせ願って、私は役所に参りましてよく皆さんと御相談して、そうして御趣旨に沿うべく努力いたしたいと思います。この辺で御了承願いたいと思います。
  41. 横川正市

    横川正市君 私は競輪の問題は、監察局として行政管理庁として今まで手がけておらなかったというので、行政管理庁の手がけられる範囲においてこの問題について検討してみたいという政務次官意向には、ぜひそうしていただきたいと思うのです。ただ、地盤沈下問題等でも、審議会が提案をされたときの趣旨に従って私は積極的に運営されておれば、もう少し地盤沈下対策について積極的な行政上のいろいろな手段方法を講ぜられるのではないか。ところが、それが行なわれておらないということは、とりもなおさず審議会が動いておらないということ、審議会が動いておらないということは、提案説明されたときの趣旨とこれが違った運営をされているのじゃないかということになる。それが世論からいろいろ要望されて、超党派的に、また再び国会で今度は決議案として出てくる。こういうようなことでは、私は行政管理庁任務というものは、いささか怠慢と言えば、まあ一生懸命やつているんだろうけれども、いろいろ足りないものがあるんだ、こういうことになるかと思いますけれども、これはやはり国会審議会を作るわけですからね。その国会でまた今度は決議案を満場一致で議決するなんということを、あまりこれは権威のあるやり方ではない。そういう観点から、そういうことを再び繰り返さないようにするためには、何といってもやはり私はこの審議会運営そのものに、管理庁としてもう少し注意を払って、そうして大体まあ地元の人たちの要望にこたえられるような結論を早く出してやる。一これがまあ任務なんですから、そういう指導をするということが私は建前だろうと思うのです。それがそういうふうに言われればやりましょうというのではなくて、二百五十幾つあるわけですからね、審議会が。これはやっぱりそれぞれ重要な任務を持って出されているわけなんで、おそらくまあ各省が責任を持ってやっているでしょうが、その不備な点については、やはり管理庁として注意をする、常に注意をしていくということが必要だ。この点については一つ管理庁としては、まあいわばできないといういろいろな理由があるのか。それとも、まあ気がつかないでやらなかったんで、いや気がついていればそれはすぐやれたんだ、こういうふうに答弁されるのか。その点をわれわれとしてははっきり聞いておきたいわけですよ。
  42. 新井京太

    政府委員新井京太君) ごもっともでございます。これからは十分注意を払いまして、御趣旨に沿うべく一生懸命やりますから、御了承を願いたいと思います。
  43. 横川正市

    横川正市君 一生懸命やると言われて満足しないわけはないわけなんですが、(笑声)現在の機構の中で、これはやれるのかどうか。一つ監理局長、監察局長、それぞれお答えいただきたいと思います。
  44. 山口酉

    政府委員山口酉君) 審議会審議内容については、これは独立性を保たしめておりますので、いろいろ行政官庁側から指導的なことはできないと思いますが、しかし、その全体の運用につきましては、管理、運用につきましては、最善の方法をとるように持っていくということはやるべきことであると存じております。それは監察方法もございますけれども、そういう方法によらなくても、全体の問題としまして運用方法改善について連絡協議というようなことでもできるかと存じております。ただ、具体的におあげいただきました地盤沈下対策審議会につきましては、これは横川委員が十分御承知のところでございますけれども、利害関係が非常に錯綜しておるということが、この審議会を特に設けて調整しようということになったのでございまして、おそらくは、その利害関係の調整ということは簡単でございませんので、審議にあるいは手間取っておるのではなかろうかと、かように考えておりまして、はたして直ちにおそいから運営が非常にまずいのだということに言えるかどうか、疑問に考えております。しかし、お話しのように、そのほかの問題でも実は審議会運営としては不適切なものがあると存じますので、今後監理局の方の仕事といたしましても、あるいは監察の方にお願いいたしましても、この運営改善には十分留意して、改善されますように、努力いたしたいと存じております。
  45. 原田正

    政府委員原田正君) 行政監察立場といたしましては、審議会としましても二百五十余ある審議会、これを、常時、運営を注視しておるということは、現在の実情ではとうていできないのであります。行政監察行政分野にわたりましての監察、こういう広い領域を持っておりますので、審議会運営を常時、常に見ておるという格好はもちろんできません。前に申しました通り、重要な施策等に関連しまして監察をやる、その中におきまして、その関係審議会運営監察するということはでき得ると存じております。
  46. 横川正市

    横川正市君 これは各省が独立制でやっているわけなんですが、審議会審議の進捗状況みたいなものを逐次管理庁へ報告をされているのですか。それともそうした点は、全然報告はなくても、何か必要があったときだけあなたの方から自動的に監査をする、こういうふうになっているんですか、どちらですか。
  47. 原田正

    政府委員原田正君) 各審議会の動きその他にしましても、自発的に各省庁から私どものところに報告をするという制度にはなっておりませんです。われわれが必要に応じまして行っていろいろ実情を聞いたり、調査したりする、こういうのが行政監察の今の実情でございます。
  48. 横川正市

    横川正市君 そうすると、先ほど山口監理局長が言われたように、審議会の存続の必要性等について、各省から独自に申し出のあるまで待つという格好になるのですか。それともその他の何らかの方法で存続の必要性あるいは不必要性についてあなたの方で判断するのですか。どういう格好になるわけですか。
  49. 山口酉

    政府委員山口酉君) 審議会の存否の問題につきましては、これは常時調査しているわけではございませんけれども、ある程度期間をおきまして、ときどき実施状況を徴して、全般的に調べまして検討をいたしているわけでございます。最近では、一昨年でございますか、三十三年に一応全部にわたりまして調査をいたしました。これは将来廃止した方がよろしいというようなものにつきまして個々に各省に折衝をいたして、廃止すべきものは、結論を得たものにつきましては、廃止の手続をとって参っております。で、これは定例的というわけではございませんけれども、一応ある程度の期間をおいて今後も整理の意図で調査をいたしていきたいと存じております。
  50. 辻政信

    ○辻政信君 関連。今われわれに配られました「行政審議会(第四次)答申」というものを、この資料をずっと目を通しまして、非常に感心したことがあるんです。同時に非常に不満を持ったのであります。その中に昭和三十三年十二月十五日の第一号という答申が出ております。この第一号答申の第七ページ「審議会等の整理」というところがあります。「審議会等の整理」これを見てみますと、前回の当委員会において超党派で議論された雑多な審議会を整理しろということが実に的確に答申として現われております。しかも、この答申は三十三年の十二月十五日に出されて、審議会長の河合良成さんから行管長官山口喜久一郎氏にあてられたのであります。三十三年こういうりっぱな答申が出ているにもかかわらず、政府はやろうとする誠意がない。私はこれを見て感ずるのは、行政管理庁の仕事は、ことに監察業務は、いいけれども一つのペーパー報告だけに終わっているのではないか。これだけのいい着眼が、われわれに配られるまで気がつかずに机の引き出しに入れておるのじゃないか、こういう感じがする。これが役所の仕事です。これを知っておればもう少しこの前の委員会で的確な質問ができた。きょうもらって、今見て、そうしてそういう感じを持ちますが、ここで政務次官答弁を求めることはできませんから、この次益谷長官にこの点をつきまして、これは岸総理が決断を下し、閣議を経られて決定すればあすにもできることです。予算は減るのですから予算の裏づけは要らない。これだけりっぱな答申を二年間も放って置いたということはなぜか。岸内閣は口には行政整理とか何とか言いながら、やる誠意と勇気がないということが何よりもこれによって証明されておる。超党派の要求ですから、委員長からも特に政府に御注意をなされてできることならばこのりっぱな答申を今国会中に整理をするように事務を促進してもらいたい。これを益谷長官にお伝え願います。
  51. 山口酉

    政府委員山口酉君) 長官に御趣旨を申し上げますが、一応この答申についての取り扱いの経過を申し上げてみます。廃止を適当とするものというものにつきまして、六項目あげてありますうち、四つは廃止いたしました。あと二つにつきましても廃止の予定でございますが、ちょうど審議中のものなどもありましたために廃止の時期がおくれておりますが、これはこの通り実施する予定になっております。それから労働基準監督官分限審議会というのがございますが、これは公務員法で足りるのではないかという意見が出ております。一応そういうふうな見方もできるのでございますが、しかし、これはILO条約の関係もございまして、一応特に国際的に労働基準監督官については、身分保障を厳重にするという形をとるという必要上置いてあるものでありますが、なお検討いたしております。そういう状況でございます。それから顧問会議というものが、通商産業省に顧問会議がございます。これは実際の運用といたしましては、まあ大臣のスタッフ的な仕事をやっておるもので、いわゆる審議会的なものではございません。  それから閣議決定設置されたものはこれは廃止すべきであるというので、これは審議会といたしましては廃止いたしました。今一つ残っておりますのは、労働問題懇談会がこれは廃止の予定でございますけれども、まだ廃止の閣議決定は延びております。それから特殊土じょう地帯対策審議会、離島振興対策審議会、台風常襲地帯対策審議会というようなものがございますが、それからなお急傾斜地帯農業振興対策審議会、湿田単作地域農業改良促進対策審議会、その他特殊地帯の振興対策審議会は、これは期限つきになっておりますので、期限の到来によって廃止される予定でございます。それから引揚同胞対策審議会はこれは廃止いたします。それからなおその他のものにつきましてただいま十分記憶いたしておりませんが、現在動いておるものにつきましてはその一応の審議、答申等が済んだら廃止する、そういうふうなことで大体話がついておりますが、なお一部関係省でぜひ置きたいというようなものもございまして一、二まだ解決していないものもございますけれども、できるだけ解決するように努力するつもりでおります。
  52. 辻政信

    ○辻政信君 私がちょっと一通り目を通して感じたところを先ほど申し上げたのです。あなたの説明を聞きますというと、それに申しわけ的にどれとどれは廃止したとおっしゃるが、これはもう第一項の「廃止を適当とするもの」と、こういう結論を出し、第五項では「なるべく速かに任務を完了して廃止するを適当とするもの」と、たくさんあるのです。五つや六つではないのです。われわれにこの前配られた二百五十幾つ審議会、ざっと見ましたが、半分ぐらい死んでおるような感じがするのです。どうかすると全然手をつけておらない。各代議士が選挙対策で九州開発審議会とか、東北開発、四国開発、国土総合開発とか、これはみな選挙対策からできた審議会が多い。農林省関係も同様です。こういうやつを断を下すのが行政管理庁の大きな仕事と思う。特にその地位に副総理を充てておるということは、これは非常に意義がある。副総理の立場で総理に決断を迫って、勇敢にこの答申を本国会中に出すか出さぬか、それを一つ政務次官から益谷長官に重ねて強くお伝えを希望しておきます。
  53. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて。    〔速記中止
  54. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。  これにて暫時休憩いたします。午後は一時半から再開いたします。    午後零時二十七分休憩    ―――――・―――――    午後一時四十五分開会
  55. 中野文門

    委員長中野文門君) これより内閣委員会を再開いたします。  午前に引き続いて、行政管理庁設置法の一部を改正する法律案質疑を行ないます。政府側出席方々は、浅井人事院総裁山口行政管理庁行政監理局長原田行政管理庁行政監察局長方々であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  56. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは少しお伺いいたします。午前中の辻質問に関連して、私もその点ちょっと意見の違うところがあるから、こういう意見もあるということを聞いておいていただく関係上、関連して一つ伺っておきたいと思います。  この三十四年一月二十二日に、山口当時の長官に対する河合審議会会長の答申案は、その当時からずいぶん論じられたわけですが、この審議会構成そのものに若干偏向性があるがゆえに、この答申は非常に傾聴に価するりっぱな面もある反面、また他面では時代逆行的な答申内容もあると私は当時から判断しているわけです。だから、この答申を全面的に私は支持するものではありません。で、その答申の一部の「審議会等の整理」という第五項の、この中にも非常にりっぱな答申がなされています。この第五項目のところは、他の答申部面よりはこの第五の、「審議会等の整理」のところはよりよくできていると、かように当時から認識を持っているのですが、午前中政府委員から答弁がありましたように、この答申趣旨にのっとって若干の努力をされたようですけれども、辻委員が指摘されるように十分誠意を持って、決断力を持って臨まれていないという点については、私は辻委員と同感です。その点については辻委員と同様に政府に反省を促すものですが、ただ、審議会等の整理については具体的に取り上げて参りますと、必ずしもこの答申を私は適当であるとは考えません。で、要するところ、でき得べくんば、審議会というものは期限を限って設置してその期限内において精力的に調査をして答申をしてもらう、その答申が終わったならば廃止をすると、こういう原則で設置運営をしていくべきだと思うのです。ところが、それがなされていないものですから、中には非常に生き生きと活動している審議会等ありますが、また反面全く有名無実というようなものもあるわけですね。だからその必要性と実態とを十分あなたのところで調査されて、そうしていずれも立法府が審議成立さした法に基づいて求められているものですから、立法府の関係委員会等の意見もしんしゃくして対処されるべきである、かように私は考えます。政府側では審議会の中でも煙たがる審議会があるわけですが、それは非常に強力なる審議会、それから政府の予算編成等に影響を及ぼして参るような審議会は煙たがる。ところが、そういう懸念がなくて大体政府の立案する政策をうのみにして、そうして答申してくる利用価値のあるような審議会は、そう活発に動いてなくてもそれを重要視している、こういう傾向があります。たとえば具体的に言いますと、離島振興対策審議会などというのは、これは大蔵省あたりが最も煙たがっている審議会です。しかし、これは離島僻地の後進性打破はその必要があるし、その点ではこの離島振興対策審議会等はずいぶん実績を残して参ってきているわけです。この答申にはなるべくすみやかに廃止をするのを適当とするというような答申がなされている。こういうものを見れば、大蔵当局は喜んでこれを廃止すると思うのです。しかし、今のこの離島の島民の生活の実態、それから離島を多くかかえている都道府県の財政状況並びに県政一般等を考える場合に、離島振興対策審議会等は政府の一部に煙たがる面がありましても、これらは廃止する段階ではないと思うのです。例をあげれば、また台風常習地帯対策審議会、これも設けられたけれども、大蔵省が予算に影響することをおそれてきてやはり圧力を加える、その鼻下をうかがって所管官庁が積極的に動かないということで冬眠状態を続けている。では台風常襲地帯対策審議会はそれでいいのかというと、日本のこの台風災害国としては絶対それではいけないわけで、しかも、そういう審議会はこの答申によるというと廃止を適当とする、こういう答申がなされている。だから私は冒頭に申し上げましたように、その点で若干午前中の辻委員政府委員に対する要請とちょっと違う面がありますので、こういう意見もあるということを耳に入れておく必要があると思って若干っの意見を申し述べ、質問いたした次第です。御答弁いただきます。
  57. 山口酉

    政府委員山口酉君) 審議会の整理につきましては、御趣旨のような趣旨で努力をして参っているわけでございますけれども、実はまだ十分の成果も上がっているとは思いませんので、一そう今後努力をして参りたいと思います。それからできるだけ時限立法にした方がよろしいという御意見でございますが、これにつきましては、特別の政策の決定のような問題につきましては、できるだけ時限立法にするという方針にいたしておりまして、昨年度からそういう方針で査定をいたしております。ただ、常時起こってくるような問題について審議会制度を設けておりますものがございますので、そういうものにつきましては、時限立法をとつておらないわけでございます。今後もできるだけ時限立法を本則とするように考えていきたいと存じております。それから審議会の答申の中に、これはお話しのようにやはり実際の運営内容から見まして、あるいは行政審議会意見が妥当でないと思われるようなものもあります。これは関係の各省も強くその点を主張しているものでございますので、いずれ廃止ということになれば、これは国会の御審議をいただくわけでございますけれども、各省と実情について十分打ち合わせをした上で、答申にありましても存続する必要のあるものは認めていきたい、かように考えております。
  58. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この審議会等が出た機会に、この委員の件について私も一言伺っておきたいと思います。数年前私は議院運営委員会の理事をやっている当時にこれは論じたのですが、政府から承認人事案件として出て参る、それを見るたびに顔ぶれがきまってしまうというので、先般来本委員会で論じられているようなことが当時の議運でずいぶん論じられ、若干改善されて参ったのですが、一向改善の跡がないのですね。そこで、政務次官責任答弁をしていただきたいと思うのですがね、この常連というのがあるのですね、もう委員になる常連が。そういう全部に近いぐらい、特別な人以外は全部一応常連の人にしばらくお休みいただいてみたらどうかと思うのです。そうして新陳代謝をやりますと、やはり人が違えばものの見方が違うし、またいい意見も出て参りますし、それから先輩の意見、先輩のやられたことは業績として残って参りますし、そこにまた新しい人が出て新しい意見が出て参りますと、さらにプラスの面も出てくるわけですよ。だから若干マンネリズムになっている点がありますから、この段階に思い切って常連の方々にお休みいただいて、そうして委員を逐次一新していく、こういう僕は方針をとられ、そういうふうに私は指導をされたらどうかと思うのです。そうすることによって審議会の動きというものはきわめて活発になってくると思うのですが、でないと僕は六、七年前からわれわれが要望し、主張しておったことを振り返って、百年河清を待つたぐいだとかような今から感じでいるわけですがね。従ってそれを伺っておきたいと思うのです。一つ責任答弁をやってもらいたいと思います。
  59. 新井京太

    政府委員新井京太君) ただいまの矢嶋さんのお説の通り、どうも私どもが五十年も、長い間地方自治に関係をいたして参って見ておりますというと、どうもそういうきらいが多分に私はあるように存じております。確かにたまには更始一新、要するに人を変えてやっていくということも私は悪いことではない。なかなかこれを更始一新ということが、旧来のしきたりから見まして、容易なことではないと存じますが、今のお言葉のように私はできることであれば機会を見て一つ一挙にはできなくても、漸進的に委員の差しかえをしていくというようなことはまことに私はけっこうなことだと、もしそういうような機会がありましたら、私はただいまの矢嶋さんのお趣旨に沿うことがけっこうなことじゃなかろうかとさように存じております。できるだけお趣旨に沿う所存であります。
  60. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、長官お見えになっていないですから、お約束していただきたいと思うのですがね、次官から私の質問趣旨、それからそれに対するあなたの答弁要旨を長官にお伝えいただいて、長官を通じて、閣議によりよき影響が現われてくるように御配慮、措置していただきたいと思うのです、このお約束をして下さい。
  61. 新井京太

    政府委員新井京太君) お説に従いまして、近い機会長官にお目にかかって、矢嶋さんの御趣旨並びに私の気持を長官に伝えまして、そうして何とか一つ趣旨に沿うべく努力をいたすことをお誓いいたします。
  62. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務当局はもちろん異議なく政務次官をその点で補佐いたしますね、事務当局の答弁
  63. 山口酉

    政府委員山口酉君) 御趣旨のようにいたします。
  64. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 今度違う面から承りたいと思うのですが、私は、この行政管理庁という役所は相当広範でずいぶん大切な仕事をされておられるにもかかわらず、さすがは管理庁だけあって定員化が思いのほか少なくて、管理庁全体の予算額も予算書を例年見るたびに、こんな少なくてよくやると、こういう感じを持っておるわけです。今度の予算書を見ても定員が千六百十八人わずか、そうして行政管理庁の要求予算額は約十七億六千万円にすぎないわけですね。そうしてこう行政管理庁と出ておりますから、転流用をこれは大蔵大臣の了承を受ければできるわけですから、そうやられるつもりかと思われるけれども、転流用する余裕のある予算額というものはない。しかも、私が一番疑問を持っておるのは、行政監察旅費というのが約三千九百万円しか組んでない。この三千九百万という行政監察旅費で十分やれるのかどうか、いつでも私は疑問を持っておる。それでは、予算書が行政管理庁でこう一本になっているから、流用は大蔵大臣の了承を得てできるだろうけれども、しかし流用しようにも他にそんなものはない、定員は千六百十八人、ところが今度の法案を見るというと、こういう改正案にもってきて、予算及び定員の増減はないと、こうしてあるのですが、監察業務のほかに行政監理局及び統計基準局の事務の一部が加わるということになると、監察業務を従来通り推し進めていこうとすれば、どうしてもその方面の定員というものは不足してくるのではないかと、かように感ずるのですが、これは事務当局の見解を開きたいと思いますが、今度はこの法律を通していただいておいて次の国会で定員増化を御審議願おうというような考えなのか、どういうおつもりでいられるのか伺っておきたい。
  65. 新井京太

    政府委員新井京太君) まことに今の矢嶋さんのお言葉ありがたく感謝いたします。昨年、私がずっと中国地方を回りまして各県の役所に参りまして承りましたところ、どうにも予算が間に合わないので思うように仕事ができないで、実に悲しむべき姿だというようなことを聞きましたので、私は、益谷長官に向こうの事情も、いろいろ聞いてきたことを申し上げまして何と、九牛の一毛という言葉がありますが、御案内の通り、たった百万円予算を増額をしてもらったという始末であります。従いまして、こうもしたい、ああもしたいといって、なかなか印刷の費用さえ満足に間に合わない、方々視察に回るにも旅費も足らぬというようなことを、各所で悲鳴を上げられていることを聞き及んで参ったのでございますが、ほんとうにただいま矢嶋さんから、予算どうするのだ、これくらいの僅少の予算で何ができるのだ、というお言葉をいただきまして、ほんとうに私はかたじけない、このお言葉をいただいただけで、いかに、まず、庁の公務員諸君が喜ぶことかと思います。ほんとうに涙の出るような思いをして一生懸命協力をしているという話を聞いて参っておるのであります。どうか一つ、今年はただいまのお説のようにいたし方ございませんが、来たるべき明年度の予算には、ぜひ御増額に御同情、御協力を矢嶋先輩に一つ切にお願いいたしておきます。どうぞよろしく。ほんとうにあまりうれしいので悪きわまって一言感謝の意を申し上げます。
  66. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 事務当局はどのように考えておりますか。
  67. 山口酉

    政府委員山口酉君) 統計基準局並びに行政監理局の仕事につきましても、出先機関で取り扱い得ることができるようになったわけでございますが、本体は、やはり監察局は監察をやるというのを本体にいたしておりまして、今度こういうふうな改正をいたしましたのは、従来、行政監理局統計基準局で、地方でものを調べたいというような事案がありました際には、監察局に依頼をしておったわけでございまして、監察局がこの調査活動の一部として調査をしておりました。しかし、これは本来の筋からいいますと、やはりほんとうの行き方ではないのでございますから、この際、あらためて行政監理局の事務を分掌できるということにいたしたわけでございます。しかし、この場合にも、常時やることにしますと、行政監察の機能を弱化させるおそれがございますので、長官が特に必要と認めた場合にだけその事務を臨時にやらせる、こういう制度にいたしたいということでございます。従って、監察業務状況を勘案いたしまして実際には命ぜられることになると存じます。できるだけ監察業務の弱化を来たさないようにいたして参りたいと存じます。ただ、でき得るならば、お話しのように、人員も予算もそのためにふやして、十分に活動できるようにいたしますと、それにこしたことはないわけでございます。ただ、行政管理庁では、実は、この機構や定員の問題につきましては、できるだけ能率的にして、そうして他の行政機関の定員や予算を査定する上につきましても、十分範となり得るようなやり方をしたいというので、できるだけ圧縮して考えておるわけでございます。将来、業務実施の状況にかんがみてどうしても増員の必要があるということになれば、あらためて御審議をいただくつもりでおります。
  68. 原田正

    政府委員原田正君) 行政監察旅費が十分でないという点につきましては、ただいま政務次官からお答え申し上げた通りでありますが、行政監察範囲あるいは奥行き、これは申し上げればきりもないというほどで、どれだけの旅費をもって十分にその目的を達成し得るか、これは陣容と旅費によりまして相当その成果の面におきましても違いが出てくるわけであります。われわれとしましては、できる限り現在の旅費を十分に活用してりっぱな成果を上げるように努力はしておりますけれども、何と申しましても旅費上の制限というものがございまして、そのために、たとえば、必要な一調査個所を十分に調査することができない、あるいはまた、適当な対象個所でありましても、それが遠方である、そのために旅費を要する、こういうことのために十分なそういう面の調査ができないとか、まあいろいろそういうような欠陥があるのでございまして、それらの点から毎年監察旅費の増額をお願いいたし、多少なりともその実現を見ておるのでありますが、必ずしも現状をもちまして十分でないということは、ただいま政務次官から御答弁申し上げました通りでございます。
  69. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これは、先ほど、私午前中昭和三十五年度の業務計画資料提出をお願いしましたが、それを見ればわかると思うのですよ。結局、こういう面から制約されて参ると思うのですね。それで、監察業務というのは、必要にして十分なだけの業務計画をすみやかにやって、そうしてその結果が各行政官庁によって活用される、そうして行政の事務能率の向上、合理化というものがはかられなければならない。そういう角度から考えますと、非常に重要な仕事であるとともに、使命は、大きいと思うのですよ。従って、そういう質問をしたわけです。  で、その質問はそこで切りまして、実は、きょう私は浅井人事院総裁にもおいで願ったわけですが、行政管理庁長官であり副総理でもある益谷さんを中心に緊急な案件として機構の問題を承りたいと思ったのですが、御病気で益谷国務大臣はお見えになっていないので、一、二点政務次官にかわってお答えいただき、おもなる点は、浅井人事院総裁にこの際緊急な案件として承っておきたいと思うのです。で、まず政務次官にちょっとお伺いしますが、昭和三十五年度の予算編成作業の最終段階に入る前に、私は、この委員会で、益谷国務大臣に対して、昭和三十五年度において機構改革はどういうことをやるつもりかということを若干意見も加えて伺ったところが、昭和三十五年度においては、この通常国会には行政機構の改革というものは各省庁希望もあるようだが、御遠慮願うつもりで、一切やらぬつもりだと、かように答弁されたわけです。それは昭和三十五年度の予算が確定までにいかなくても大筋のきまる直前ですよ。十二月に入ってからの質疑だったのです。ところが、その後若干機構改革の案が出て参った。特に自治庁を自治省に昇格させる、そういうものも出てきているわけですが、それは他日論ずる機会があるから、そのときにしますが、最近人事院の改組という問題がクローズ・アップしてきているわけですね。これは非常に大きな問題だと思う。今、国会は安保条約の審議に耳目が集中されているから、そう多く取り上げられていないですけれども、この人事院の改組という問題ただ一つ、これは非常に大きな問題だと思うんですがね。長官きょうもお見えになっていないのですが、行政管理庁として、長官としてはどういうお考えでおられ、また人事院の改組というものがどういう方針でなされようとしていると政務次官は了解されておられるのか、それを政務次官からまず伺いたいと思います。
  70. 新井京太

    政府委員新井京太君) それでは私から申し上げなければ相ならんのでありますけれども、この問題に詳しいのは山口さんでございます。山口さんから特に応答を申し上げたいと思います。
  71. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その答弁のある前に伺いたいんですがね。各紙にも報ぜられたのですが、事務次官会議で内定をしてその後方針が大体決定されたというようなことを報ぜられているんです。そうなりますと、おたくの事務次官、これは必ず出ているんですね。また、出なければならんと思う。そうなりますと、当然、先ほど私が申し上げましたように、昨年末の本委員会における長官答弁からしましても、また、行政管理庁という立場においても、行政管理庁の庁内会議で十分ディスカッスされたものをもって事務次官はその会議に出られていると思うんですね。従って、私は、政務次官もこの重要な問題だったら、大体骨子というものは御把握になっておられると思うんですがね。だから、詳しい事務的なことは局長から承るとしても、政務次官としてはその経緯をどういうふうに了承し、どういう御見解を持っておられるのか、あとう限りのことをお答え願いたい。
  72. 新井京太

    政府委員新井京太君) 毎週私どもは次官会議を開いておりますが、こういう大きな問題に対して次官同士の間で検討論議をしたことはないのであります。いろいろ問題について御説明を承ったことはありますけれども、これに対してわれわれの意向をこれはこういうほしい、ああしてほしいといって、その意向に基づいて一つの案を要するにこしらえ上げたというようなことは、まだ私は一度もございません。はなはだ不勉強のようでございまするが、そういうわけで、この問題につきましても次官会議で当然検討をしてこういう結論が出てこうだという御答弁を……これは事務次官のほうの会議で検討御決定のことと思いまして、政務次官の方は……。
  73. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 だから、おたくの事務次官が事務次官会議に出るにあたっては、事前におたくの役所で、庁議で十分デスカスされてなければならんものだと思う、されたはずだと思う。だからおたくのお役所でどういうことが討議されどういうふうにお考えになっていらっしゃるのかですね、政務次官としてもどういうお考えを持っていらっしゃるのか、その御所見を承りたい。
  74. 新井京太

    政府委員新井京太君) 行政審議会の答申に基づきましてそしてそれをああいうふうに決定したのだということであります。それに私はなはだ申しわけないようでありまするが、ただいま申し上げましたように次官会議ではそういうふうに踏み込んでいろいろな案件について検討調査をして結論を出したというようなことは、まだかつて出つくわしておりませんで、この問題につきましては要するに人事行政機構……。
  75. 中野文門

    委員長中野文門君) 落ちついてしっかりやって下さい。
  76. 新井京太

    政府委員新井京太君) 「憲法第73条第4号の趣旨を考慮し、人事院を分割して総理府に人事局を設け、人事行政に関する企画、立案、国家公務員全般にわたる人事行政の実施、及びその総合調整等に当たらせる。国家公務員の給与、待遇の改善等に関する勧告行政部内の特別職を含む。)及びその研修、採用試験、公平裁定等、人事行政の公平の確保及び公務員の福祉、利益の保護は、従来どおり人事院につかさどらしめる。」こういうことになっております。
  77. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 これはこの三十四年一月二十二日にいただいた河合審議会会長から山口長官への答申の第一項を読まれたわけです。これが出ているということは去年からわかっているわけですね。だから私は昨年の年末に益谷長官に伺ったわけですよ。その当時益谷長官がそういう答弁があったからね。その益谷さんが私に答弁された後にこういう文書が出てきたわけじゃない。だからそれらの関係を聞くつもりなんですけれども、まあ益谷さん本人がおられないと意味をなさないので、あなたへの質問はやめて人事院総裁質問して参りますが、その前にちょっと山木さんから関連質問があります。
  78. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 今矢嶋委員からこの問題についての質問がありましたが、関連がありますので、一つその点について行政管理庁長官まあおられませんが当局に一つお伺いしておきたいと思います。われわれは実はこの人事院の組織についてはいろいろ問題点があります。すでに三十三年の十月九日に行政審議会が一応答申しております。今政務次官はこれを読まれたのですが、これは三十三年の十月にすでに出ておる。しかも唐突としてILO条約の批准にからんでこの問題がこの国会に出すべく人事院の分割案が出されてきた。しかも、先ほど答弁を聞いておると、行政管理庁においては事前この三十三年出た当時からこれは検討されておると思いますけれども、これはすでに閣内で問題になったときに、行政管理庁としてはたしてこれがどういう審議をして三十三年十月出たやつをこの国会に出さなくちゃならんというところまで行政管理庁踏み切ったその理由一つ聞かしてもらいたい。  それと同時に、人事院総裁一つ尋ねますけれども、この前の委員会、日にちはちょっとはっきりいたしませんけれども、この前人事院総裁答弁では、これについては何ら人事院に相談がなかった。こういう御答弁だと思う。もちろん、法律上の権限あるなしは別としまして、重要な戦後できた人事院の組織をこれを変える場合に、現在その責任に当たっておる当局の意見も聞かずにこの国会に出そうという政府の意図がどこにあるか。この点をはっきり御答弁願いたい。そうでなければ、この法案は本日議題になっておるこの一部設置法の改正の問題とは関連直接ないといたしましても、われわれ行政管理庁の職権、機能から申しましても、この法案の審議に今後当たる場合におきましては、今後この答弁がはっきりしない限りにおいては、この法案の審議にわれわれ参画するということについては、若干考えざるを得ないという点もつけ加えておきたいと思う。
  79. 新井京太

    政府委員新井京太君) はなはだ申し訳ありませんが、山口局長から御答弁願います。
  80. 山口酉

    政府委員山口酉君) 人事院の改組の問題につきましては、これは第三次行政審議会でもほぼ同趣旨の答申がございまして、ただ、その場合には人事院を廃止する。そうして総理府に人事委員会設置する。そういう趣旨でございました。しかし、その後これをもとにしました法案を提出いたしまして、国会では継続審議になってその後廃案になっておりますが、第四次の行政審議会においては従来の経過にかんがみて人事院は存置する。そうして人事院の公平維持、公務員の利益保護というような立場における仕事は、第三者的機関として認めよう。しかし、人事行政そのものの実施の責任者としては、政府自体が責任を明確に負うという体制にしようというような趣旨で、第四次の答申がなされておると思うのです。それにつきましては、この答申は昨年の一月二十二日になされたわけでございますが、直ちにこれは総理府の方に人事局を設置するという問題になりますので、人事院の現在行なっている分掌事項をそちらに移すということで、人事院と総理府と折衝をいたしたというように聞いております。しかし実は私はまだその当時の事情は詳しくないのですが、人事院総裁の御病気か何かで、なかなかお打ち合わせが具体的にできなかったということで、三十一国会には提出するまでに至らなかった。しかし、この政府の第四次の答申を受けた処置というものは捨てておりませんので、その後も検討中であったわけでございます。  それから今年度は内部機構の増設はやらないという方針であるということを申し上げたことがあると存じますが、それは従来すでに閣議決定等できまりましたり、それから一たん政府の方針として国会提出したりしたものは、応三十五年度の予算編成の際にも認めておりまして、たとえば栄典法というものがもしできれば、栄典局というものを作るとか、そういうふうな、前に一応きまったものにつきましては、三十五年度の予算編成の際の審議としても一応認めておりますが、全然新たに四部部局の増設をはかったものは、予算の段階では一応行政管理庁といたしましては、これを全部認めないということにいたしたわけでございます。その点を申し上げたことと存じます。
  81. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 管理庁長官が来てないから、ちょっと局長に聞いてもしようないと思うので総裁に伺いたいと思うのですがね。伝えられる内定内容というものは、今まであなた方と協議してやられたものかどうかですね。昨日の各紙は、小笠内閣官房副長官が古岡事務総長に会って政府の改組方針に助力してほしいという申し入れがあったということが伝えられているんですが、その小笠副長官から吉岡事務総長に話があったという内容は、あなたは全部承知しているでしょうか。吉岡総長出席願ったところが、総裁で全部答弁できるから総裁だけ出席します、こういう連絡です。従ってあなた承知していると思うのですが、それはどういうものか、お答え願いたいと思います。
  82. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これまで人事院の機構改革は、たびたび出ておりますのですが、その場合はいつも相談を受けております。私は矢嶋さんにいつぞやの委員会で申し上げたのは、今回です、今回の機構改革については相談を受けていなかったということを申し上げたのであります。ただいま行管の監理局長が言われたのは、そのもう一つ前の話でありまして、これは私病気ではないので、その協議した結果、意見が合わずに、そのままになってしまったというのが実情でありまして、私の申し上げたのは今回の、ということでございます。それでそれは一昨日までのことを申し上げているので、一昨日官房副長官から事務総長に対してメモのようなものを渡されて、そうして連絡をする、こういうことでございました。
  83. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そのメモのようなものを渡されて、連絡するということだというのですが、そのメモとはどういうものなのか、それを伺っているわけです。
  84. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これはやはり人事院の改組に関するきわめて簡単なる素案でございますが、その内容につきましては、これは政府内部の文書のやり取りでございまするから、これは私からこの席上で申し上げることはどうかと思います。これは内閣の方から、もしもこの席上で発表されれば別でございますけれども、私から申し上げることは差し控えたいと思います。
  85. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その連絡するという言葉は、まあこういうことを考えているが、人事院の意向を承って協議しようと、そういう趣旨のものではなくて、政府の方針に従ったと、まあ通告というような立場で、吉岡事務総長と小笠官房副長官は会われたと、こういうことなんですか。
  86. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは通告とか連絡とか協議とか、それはいろいろ言葉によってあやがございまするけれども、これは連絡を初めて受けたわけでございまして、こちらから意見を言うとかいうような余地はあるように思います。
  87. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 人事会議を開いて検討なさったか、なさらないか。
  88. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これはもう人事官は、御承知のように常勤のことでございますから、いつでも会議は開かれるのでございます。
  89. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いやすでに検討されたかされてないかということです。
  90. 浅井清

    政府委員(浅井清君) ただいま検討中でございます。それでなぜそう申しますかと申しますと、これはきわめて素案でございまして、われわれわからないこともございまするから、向こうへ尋ねたりするような手続もとっております。
  91. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは現在の時点は、人事院としては、そのよく内容がわからない素案、メモを検討してそうして不明な点を伺って、そうして人事院としての態度を決定して何らかの意思表示をすると、こういうお考えだということですか。
  92. 浅井清

    政府委員(浅井清君) その通りでございます。
  93. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 その手続をいつごろまでにやられるつもりですか。
  94. 浅井清

    政府委員(浅井清君) いつごろまでとはきめておりませんが、何しろ二十八日云々という話もございますから、なるべくすみやかにやりたいと思っております。
  95. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 まことに失礼ですけれども、浅井総裁は、もう勇退の時期が近づいたので、この自分で苦楽をともにして育てて参った人事院の危急の時に対して元通りの熱意が見受けられないようだといって懸念している向きがあるのですが、これは失礼な質問かと思いますが、あえてお伺いいたします。これは時間の問題ですから、検討検討やっていれば、二十八日という日はすぐ来るわけですからね。心がけの問題だと思うのですけれども、あなたの決意を承っておきたい。
  96. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは全く反対でございます。私は人事院創設以来、この仕事をやっているのでございまするから、私の在任中において、この人事院の運命等に関することがあれば、これはかえって一生懸命にやるのがほんとうでございますから、これは巷説であろうと思っております。さようでございまするので、それは二十八日云々の話はございまするけれども、どのようにやるかということは、これはおまかせ願うより仕方のないことだと思います。
  97. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あなたは今まで国会において、あるいは投書、投稿等において、人事院に関する所見をあらゆる機会に述べられているわけですが、そういう筋からいって非常にあなたと意見の違うようなものが出てきて、人事会議であなた方の意見が決定した場合には、納得できないものに対しては、相当抵抗力を示す、レジスタンスをするという腹がまえと決意がありますか。
  98. 浅井清

    政府委員(浅井清君) レジスタンスということは、どういう意味かわかりませんのでございますけれども、われわれとしては、一生懸命にやるつもりでおります。
  99. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それではちょっと具体的に聞きますがね、ILO条約の批准と人事院の改組は結びつくべきものでない、条約の批准によって公務員に団交権を与えるならともかく、依然として団交権、争議権を与えないのならば、人事院を改組する必要はない、かように思うのですが、あなたの所見はどうですか。
  100. 浅井清

    政府委員(浅井清君) 第一点といたしまして、私どもはこのILOの条約の批准と人事院の改組というものが、必然的に結びつくかどうかということに疑問を持っていることは事実でございます。それから第三点といたし、寂して、公務員に団交権をここで与えるならば、人事院という制度は百要らないかもしれません、これは団交でやりますから。そうでない限り、やはりこの中立性を持った機関が要る。それからなお公務の官僚的な反動ではなくて、民主的な進歩の機関として、やはり中立性を持つ機関が必要であろうと考えております。
  101. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そういう角度から、この小笠官房副長官から示されたメモなんかは論議の余地のあるものではありませんか。
  102. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは素案でありまして、その中に疑問の点もいろいろありますから、われわれといたしましては、これをよく検討してやっておるところでございます。
  103. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、大体作品の読売の夕刊に出たこの記事というものは、相当信憑性のある記事ですね。あなた、これを読んでいますか。人事院の態度として、読売の夕刊に報ぜられていますが、それを主に今私が質問をしましたところが、大体あなたの意見は肯定されているから、これは信憑性のある記事だと、かように私は判断したわけですが、お読みになられましたか。
  104. 浅井清

    政府委員(浅井清君) 新聞の記事はいろいろありますので、それを直ちにここで確認せよと仰せられましても、それはあれでございますけれども、ただいま私の申しましたことは、これは国会の席上で申し上げましたことでございます。
  105. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、もうちょっと総裁の意見を聞くために、そのメモなるものの内容なんですがね。でないと、総裁の意見を聞くのに工合が悪いわけですが、次官会議で内定、あるいは次官会議の段階においては決定されたもの、それが人事院にメモとして呈示された以上は、行政管理庁は当然知っているはずです。これは人事院総裁としては立場上、ちょっと述べられることを差し控えるというのを私了としましょう。しかし行政管理庁としては答弁すべきです。答弁要求します。どういうものだと了承していますか。了承していなければ推察しておりますか。御答弁願います。
  106. 山口酉

    政府委員山口酉君) 次官会議というものは、これは連絡機関でございまして、ここで決定するとか何とかということは、新聞あたりには書いておりますけれども、そういうものではございませんので、決定は……。
  107. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 意思の統一をはかる、法律的な決定でなくて。
  108. 山口酉

    政府委員山口酉君) それで今おそらく人事院にいったものと同じものじゃないかと思いますが、非常に基本的な線だけしか出ておりません。それで、その趣旨は大体第四次の行政審議会の答申の線に沿っておるように見ております。ただ、いろいろ技術的の問題もあると思いますし、具体的にどういうふうな仕事の内容が分かれるのか。これは人事院とも打ち合わせをしておるのではないかと思いますが、現在関係の事務当局が集まって作文をしておる段階でございます。
  109. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内容少し触れて下さ
  110. 山口酉

    政府委員山口酉君) ただいま手元に要綱がございませんので、詳細申し上げることもできませんが、大体のところは勧告権のうち、従来給与待遇の改善等につきまして持っておりました人事院の勧告権はそのまま認めております。それから試験、公平裁定、職員団体に関する事項というようなものは人事院に入っております。それから人事局を総理府に設置するということにいたしまして、そこで紋別定数の問題、職階の問題、それから総合調整と申しますか、人事行政の総合調整というようなものを人事局に入れる予定になっております。
  111. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 人事院総裁。大体メモの内容はそういうものですか、上げい違いますか。
  112. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それはちょっとここで私から申し上げかねるのですが、これは官房副長官から私の方へ渡されました政府部内の文書でございますから、これをすぐ国会で発表することは、人事院の立場としてできないのであります。どうぞその点は御了承願いたいと思います。
  113. 横川正市

    横川正市君 関連して。私は非常に不思議に思って、機構上の問題でいろいろ検討する要素があると思うのでありますが、この図解でいくと、内閣内閣官房、法制局、人事院、閣僚審議会、国防会議、憲法調査会というものがありますが、その中の法制局、閣僚審議会、国防会議、憲法調査会というのは大体内閣にそれらのものを設置し、あるいは置くとかはっきりいたしております。それから人事院の場合には内閣の所管のもとにというふうに、設置しとか置くとかいうはっきりしたあれはなくて、所管のもとにという言葉を使ってあるのですが、その内閣との関係については、これは実は法制局や閣僚審議会、国防会議、憲法調査会と、人事院というのは並列に置かれるものではなくて、会計検査院の場合には、内閣に独立の地位を有すると出ておりますけれども、これに属する程度の私は独立機関としての人事院というものがあってしかるべきじゃないか、こういうふうに考えるわけなんですが、その観点から、今の次官会議結論によって内閣から人事院に、人事院改組についての文書が渡されたということになって、総裁としては、それは内閣が発表するのであればかまわないけれども、私から発表するわけにはいかない。こう言っておりますけれども、それはこの図解からいきますと、全く並列の中で政府としては内閣から人事院に文書を渡したのだ、それから総裁としては、もっと違った形で、内閣との間の信義上の問題で、そういう形で同列ではないのだ、こう考えて別項の意味から次官会議結論を待って、人事院改組の文書というものを理解して、それで発表できないのだ。こういうふうに言われているのかその点の関係はどうか、私は大体この図解からいけば、内閣の中でことに行政部門関係の次官会議結論、それから内閣結論というものは人事院に渡されたということはこれは一般の文書であって別に取り立てて秘密にしなければならないものでもないんじゃないか、ことに新聞がこのことについて明らかにしているのに、あなたから特別何か発表しがたいものだというような外交文書のような格好でやられる必要のないものだとこう考えるのですが、御見解を承りたい。
  114. 浅井清

    政府委員(浅井清君) 従来も人事院と内閣とはいろいろ文書をやり取りすることもございますけれども、これを国会で発表するかどうかということは、これは別問題でございます。別に外交上の秘密文書ではございませんけれども政府内部の交換しました文書を発表するということは、私としては差し控えたいと思っております。ただ、内閣の方からこれを発表するというのなら、これはまた別だろうと思います。
  115. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 だから、まさかあなたがそんな答弁をするとは思わないから、私はきょうは小笠さんを呼ばなかった、事務総長を呼べば足りると思った。だからあなたがそう言われるから、あなたの立場を一応尊重して、それでこっちが遠回りしたわけですよ。それで行政管理庁からそう答えられたので、メモというものはそういうものでしょうということを伺っているわけです。では、重ねて伺いますが、あなた不明な点があると言われましたね、たださなくてはならぬ点があると言いましたね、それはどういう点が不明で、どういう点がただしてみる必要があると判断されたのですか。それは答えられるでしょう。
  116. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは全体について、あるわけでございます。それは、一体一つの官庁を二つに分けまして事務を分掌させるということになりますと、これは実際に法案を事実作成してみないと、どのような事項人事院の所管に残って、人事院規則でやるのか、どういうふうな事項が、これは総理府の人事局にいって、政令または総理府令でやるということになるのか、これはなかなかわかりにくいのでございます。それで不明な点があると言ったので、われわれとしては、これをまずただしたいと思っております。
  117. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 成文化が終わらなくても、法律案の概要を見れば大体わかりますよ。
  118. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは、法律案にはなっていないのでございます。
  119. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 出されるであろう法律案のその概要ですね、その項目に書いてあると思うのですよ、持っていったメモには、それを見れば、この改組によっては、現在の人事院と、改組された後の人事院はおよそどういうものになるという骨子はわかるはずですよ、それで、その骨子について、非常に不明で、疑問を持たれてこれはたださなければどうなるのかはっきりしないという点は、どういう点がありましたか、ということをお尋ねしているのです。
  120. 浅井清

    政府委員(浅井清君) まず第一に、人事院というものはどういうふうになるのか、それもわからないのでございます。ただいま人事院は内閣の所轄でございまするけれども、これは総理府の外局になるのか、内閣の所轄になるのか、そういうことはメモに書いてございません。そこで新聞等に発表されたというものもございまするが、われわれは内閣と折衝いたしまする場合に、内閣から渡されたメモによって、これはやはり交捗するのが当然でございますから、いろいろそういう点がございます。たとえば試験は人事院でやると申しましても、試験制度人事院でやるのか、試験の実施を人事院でやるのかわからないのであります。だんだんそういう点があると思います。
  121. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでは、ちょっと私具体的に伺いたいと思いますが、今内閣のもとに置くのか、総理府の外局になるのかはっきりしていないと言ったのですが、人事院としては、そういう総理府の外局になるといったようなことは了承できないわけでしょうね、どうでしょう。
  122. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは現行が内閣の所轄になっておりますから、これはやはり一つの独立性を持っているということの重要な柱になっておるわけでございます。
  123. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 この点は、人事院としては譲れないわけですね。
  124. 浅井清

    政府委員(浅井清君) さように考えております。
  125. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それから先ほど行政管理庁からお答えになったのですが、たとえば人事局を設けて、職階制をここでやられるとか、任用権を人事局でやられようとする。それから紋別定数、それから冬行政官庁の人事の総合調整をやる、こういうものは人事院から分離されて人事局に参ったならば、人事院は骨抜きじゃないですか。かりにそうなったとした場合、これが了承できますかどうですか。今仮定の問題ですが、任用権、職階制、級別定数、人事総合調整、給与、こういうものを分離して人事局に持っていったならば、公務員を保護するとか、行政の中立性を保つというようなことは、今のわが国の政党政治の実情から、不可能でありますね。それは行政の中立が保てませんよ。公務員の保護はできませんよ。戦前、政党政治のはなやかなころは、内閣がかわると、知事はもちろんのこと、私の生まれた大分県なんか、駐在巡査までかわったのですからね。だからその後、日本の政党政治というものは変わって、進歩してきているけれども、なお今の実情では、とても公務員の保護とか、行政の中立性はできない。それからいつぞやあなたにも要望しましたが、人事院は派閥人事行政の排除というような大きな使命がある。ところが、最近各官庁でも、大蔵省、あるいは通産省、こういうところをトップに、派閥人事というものは非常に、もう戦前にほとんどバツクしてきております。先ほど伝えられたような人事局というものができたならば、そういうこともできなくなる。官僚独善主義というものは急速に復活して参る。これらは、今までの人事院の努力したこと、人事院の使命遂行という立場からは反対方向ですね。だから先ほど行政管理庁の方で一部答えられました、そういうものが、かりに改組の骨子として入っているとすれば、今までのあなたの主張からして人事院としては、これは了承することができないと思うのです。あえて御所見を伺いたい。
  126. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは仮定の上に立ってのお話でございまするから、私は矢嶋さんの御意見は尊重いたしますけれども、これに対してどういうふうにやるかは、これは全くわれわれとしては、態度はきめておりません。
  127. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ずいぶん奥歯にものがはさまったことを言っている。あなたは先ほど勇ましそうな、ある程度抵抗するという意思を確認したわけですが、これはそういうことになるとすれば、納得できないのでしょう。どうですか。
  128. 浅井清

    政府委員(浅井清君) 納得できないというのは、どういう意味ですか私は存じませんが、矢嶋さんのお立場からはそうでございましょうけれども、われわれとしては、われわれの考えているように、人事行政構成が保存せられ、公務員の利益が保護せられれば、私はそれでいいと思っております。ただし、私は内閣に何でもまかせてやる、こういう意味ではございません。
  129. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 ではここはちょっと具体的に聞きますが、あなたは頼りないところがありますよ。具体的に聞きますが、近ごろ検察行政を預かっている検察官の人事さえ、政党、はっきり言いますが、与党の力が非常に加わっていますよ。検事諸君が言っている。今度どこの検事正になった、次席検事になった、あれは、あのコースで、あの手づるからなったのだと言っていますよ。こういう検察官の人事行政まで、政党の息がかかって参っておる。他の一般行政官庁はもちろん。だからある場合には、二段階も三段階も特進をして、そうして栄転とか、人事行政が行なわれるような場合、そういう場合には、人事院にしても、あるいは地方の人院委員会にしても、承認が要るから、異議の申し立てがよくありましょうが、最近大分県あたりではある問題が起こっていますけれども、何かの思惑で特進して、級づけを特に優遇してやろうという場合、人事委員会に承認を求めて、人事委員会は、それは適当でないと、こういう抵抗を示して、そしてそういうような片寄ったへんぱな人事行政がなされないささえになっているわけですね。これは公正という立場で公務員を保護しているわけです。そういうものが、今のようになったら全然できなくなりますよ。内閣には人事局というものができて、そして人事の総合調整から、人事行政の企画面まで持つちゃったら、任用を持ってしまったら、それに対していささかも人事院が今までのような抵抗ができないということになれば、公平な、あるいは中立性、それから民主的な人事行政というものは、後退せざるを得なくなる。こういう傾向については、人事院の使命からして、賛成いたしかねることだろうと思うのです。その点を伺っているわけです。
  130. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは、お説の通りでございます。私は、総合調整とか、企画とか、そういう事務の配分において、人事院がどれだけの、矢嶋さんの言葉をもってすれば、チェックができるようになるのか、その辺がまだきまっていないのでございますから、この段階では、もっと具体的な御答弁はいたしかねると思います。
  131. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 そこで、もう一つ確認しておいて終わりたいと思うのですが、あなたのところでは、要するに、こういう考えなんですね。ILO条約と人事院の改組を結びつけるということについては、了解しがたい、これは別個のものなんですね。それから、小笠官房副長官から示されたものは、内容が不明確であるから、早急にその点を問い合わして、そして人事会議を開き、人事院としての態度を決定し、意思表示をする。それが従来の人事院の使命としたところの民主的な公正な人事行政、公務員を保護し、行政の中立性を確保すると、こういう線からもしはずれるような内容のものについては、人事院としては賛成いたしかねる、こういうお考えだと了解してよろしゅうございますね。それから、事は非常に急いでいるわけですが、小笠官房副長官とメモの内容について十分意見の交換をして人事院の態度を決定するのは、時間的に言うていつになるのか、それを私は聞いておきたいと思うのです。でないと、一部新聞にも出ておりますが、さっきもまことに私は失礼なことを申し上げましたけれども、あなたの部下の中には、今度はあまり人事官もわれわれのためにがんばってくれないのじゃないだろうかと、こういう危惧を抱いているあなたの部下もおられますので、緊急に伺ったわけです。
  132. 浅井清

    政府委員(浅井清君) 一番最後に問題がありますけれども、そういうことは私はないと思っております。これはもう人事院改組の問題は、昭和二十七年来たびたびのことでございまするから、そのたびごとに、われわれとしては十分やってきたつもりでございまするから、それはないと思います。  第一のILO条約との関係でございますが、われわれとしては、人事院改組の問題とILO条約批准の問題とは、どういうふうに必然的に結びつくかに疑いがあると思っております。しかし、政府与党のお考えとしては、それが結びつけると、こう思っておられるようでございます。これは意見の相違だろうと思っております。  それから第二に、団交権が返れば別でございますが、そうでない限り、民主的な中立的な人事院の機構というものは必要であると、こういうことは、さいぜんも申し上げた通りでございます。  それから、小笠官房副長官から事務総長にもらいましたものは、ただ単なる簡単な項目書きでございまするから、これについては、もうすでに一部お尋ねもいたしましたし、今後も連絡をいたしたいと思っております。
  133. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 矢嶋委員質問継続中でございますが、これに関してもうつだけ、これは行政管理庁にお尋ねしておきたいのですが、現在ILO批准に伴う国内法の整備で人事院の改組がとうとうと出てきております。もちろん、行政審議会の答申は出ておりまするけれども、問題が提起されたのは、われわれの感覚では、ILO条約の審議に関連しておると思うのです。そこで、この問題は、法律案が出されればもっと追及いたしますが、このILO条約八十七号批准による国内法整備について、行政管理庁の管轄として法律案の問題のあるのはどれとどれか、人事院の改組ももちろんそうだと思いますが、その点をちょっと確めておきたいと思います。
  134. 山口酉

    政府委員山口酉君) ILO条約と人事行政機構との関係につきましては、実はこれは政府の方針として、政治的にもいろいろ考えて政策決定をされると思いますけれども、ILO条約の批准の問題が当面の問題にならない前から、この人事院の改組の問題はあるわけでございます。現在私ども行政管理庁としまして審査いたしております段階では、これは行政審議会の答申を基準といたしまして審査しておるわけでございますけれども、これとILO条約とを結びつけて審査はいたしておりません。  それから、ILO条約の関係行政管理庁の方で直接今法案として出すということを考えておりますものは、ほかにはございませんが、今の問題をILO条約の関係として提出することにしますると、総理府設置法を改正する、そうして人事局を設けるということが起こって参ります。それからさらに、現在人事院は定員法の規制を受けておりません。予算だけで頭数がきまっておりますが、定員法の規制を受けるものが分かれて幾らか来るわけであります。それを同時に、ワク内に入れなければならないというような問題が起こって参るかと存じております。
  135. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 今冒頭に行政監理局長は、ILO条約と関係がなく行政管理庁では考えておると、こういう答弁だと思いますが、もちろん、この人事院の改組の問題については、だいぶ前から論議になっておることは、これは事実なんです。しかし、実際これが国会に、しかもこれは二十八日までにやるというようないわゆる政府与党の意向らしいのですが、おそらくもしその行政審議会の答申を尊重してやるというならば、もっと早くにこれは問題化しておらなければならぬ。と同時にまた、この国会にやるとすれば、もっと早くから法律案の整備がされなくちゃならぬ。ところが、すでにILO条約の批准がどうしても追いつめられた形になってから出てきたのです。これが今問題になっている。行政管理庁がどう否定されても、その事実は言い逃れはできないと思う。そこで、総理府の設置法の一部改正でやると言われますが、これは人事院の改組は、他の設置法の一部改正と違って、相当大きな問題を含んでいる。従って、おそらくこの内閣委員会の問題になってくると思うのですが、そういう重大な問題を控えて、非常に政治問題となっているのですが、行政管理庁としては、今人事院総裁矢嶋委員への答弁を聞かれたら十分わかると思うのですが、この重大な問題を行政管理庁としては、この法案を出す場合、十分人事院の意向を節電する意思があるかどうか。それはきょう御出席の方には御答弁はちょっと無理かもしれませんが、幸い行政管理庁政務次官がおられますから、政府を代表して、浅井人事院総裁矢嶋委員に対する質疑応答の、あの中のあの趣旨を尊重されるかどうか、それを聞いておきたい。それで私の質問を終わりたいと思います。
  136. 新井京太

    政府委員新井京太君) お答えいたします。この問題は、人事院の仕事で、行管の方は関係しておらないそうです。専門家に一つ……。
  137. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて……。    〔速記中止
  138. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を始めて下さい。
  139. 新井京太

    政府委員新井京太君) お答えいたします。人事院は内閣所属行政が行なわれております。行政管理庁内閣のもとにおける行政機構を管轄していますので、現在審議しておりますのは、総理府に置かれまする人事局の機構でございまするので、行政管理庁の所管でございませんから、どうか人事院との打ち合わせ等内閣の方とお願いしたい、こういうわけで、私どもの方はこの機構の問題に対して関係がございませんから、さよう御了承を願いたいと思います。
  140. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 いや、それはさっきからの監理局長あたりの実は答弁でわかっておるわけです。ただ、この政務次官として、政府の代表として、先ほど人事院総裁が今度の機構改革に伴ういろいろの意見矢嶋委員質問に対して答えられたそういうものについて、今後機構改革において政府として責任をもってやれるかどうかという質問ですが、行政管理庁政務次官としてはそういう答弁はできませんと言われるならば、だれか適当な人を呼んできてその答弁ができるかと、こういうことなんです。
  141. 新井京太

    政府委員新井京太君) お答えいたします。みんな先輩、御懇意を願っておりまするので、私がここで大言壮語はとても吐くだけの勇気がございません。で、どうかこの問題はただいま私が申し上げたような次第でございまするので、その点御了承を賜わりたいと存じます。
  142. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 もう二点伺いたいと思いますがね。まず政務次官一つだけ伺っておきたいと思うのです。今山本委員政府を代表してと言われたので、御遠慮なさったと思われます。無理からぬと思うのです。政府を代表してと言われるから御遠慮なさったものと思いますが、きょう私、益谷国務大臣質問しようと思ったのですが、益谷さんがお見えになれないというので、政務次官は益谷国務大臣のかわりにおいで下さっておるわけですわね、きょうはそうでしょう。それでその立場でお答えいただきたいと思うのですがね。益谷国務大臣にかわってお答えいただきたい。それは先ほど来行政管理庁の関知している範囲内でお答えをいただき、また人事院総裁の御意見も拝聴したわけです。そしてはっきり出ている点は、ILO条約の批准と、この人事院の改組の問題というものは結びつくものではないと、これは別個の問題だと、こういう意見が述べられておるわけなんです。この点については国務大臣にかわって御出席になっておるあなたも御異存ないことと思いますが、お答え願いたいと思います。
  143. 新井京太

    政府委員新井京太君) 矢嶋先輩、どうも……。……。
  144. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 いや、先輩じゃないですよ。
  145. 中野文門

    委員長中野文門君) 先輩、後輩、そんなこと言わないで、本論を言いなさい。
  146. 新井京太

    政府委員新井京太君) まあ一つこれは事重大でありまして、私がここで要するに益谷先輩のかわりにしかじか云々とどうも申し上げることは、私はちょっと差し控えたいと思います。ただまあ先ほどから矢嶋さんからいろいろお説を承りまして、ことごとくごもっともでありまして、その点は先生がからだの調子がよくて御登院なされるようになりましたら、きょうの御意向をつぶさに申し上げまして十分御意思に沿うように先生にも一つ御配意をたまわるよう私から印し添えたいけれども、私ははなはだお恥かしゅうございますけれども、ここで内閣を代表してとか、長官のかわりにお前の意向はどうかと尋ねられましても、どうもここで私が申し述べるということは、いささか差し控えるべきだと思いますので、どうか一つその点で矢嶋さん御了承を願います。
  147. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官内閣を代表してという点は山本さんも譲ったし、私も譲っていいと思うのです。しかし、行政管理庁長官のおかわりをして行政管理庁の最高責任者として委員会出席されておられる以上、行政管理庁立場から政務次官はそれは答弁できなければいけないと思うのです。答弁しなければいけないと思うのです。
  148. 新井京太

    政府委員新井京太君) なかなかこれは私にとりましては重要なことであります。と申しますのは、私もほとんど次官会議にもそれから庁内のいろいろな会合にも欠席なしに出ておりまして、各局の担当局長等の御意向も承っておりますけれども、まだこうしてこの地位を授けていただきましても、各省のいろいろなつながり関係、あるいは各省のそれぞれの意向、そういうようなことは、まだすべてをのみ込み切っておりません。ですから、これは一つはなはだ申しわけないことですが、担当局長の方から一つ答弁をしてもらうように願いたいと思います。
  149. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 政務次官、今おっしゃったことですね。これは今この内閣委員会では行政管理庁設置法の一部改正をやっておるわけです。これは責任者は益谷さん。しかし、大臣に事故があるときは、政務次官がこれにかわられるわけでしょう。そういう立場に立って確信を持って来られなければ、内閣委員会ではこの法案を審議するわけにはいかない、審議できない。しかし、あなたが大臣にかわって来られるというので審議を始めておるわけです。そういうことでは、もう直ちに審議を打ち切るより方法はありませんよ、責任を持てなければ。そこのところをはっきりしていただきたい。
  150. 新井京太

    政府委員新井京太君) あまりにもお説のように無責任のそしりは免れないと思います。けれども各位にこの重大の問題に対しまして、この問題はしかじか云々という御答弁を申し上げるのに、私で理解のつかないことは各局長等いられるのでありますから、その担当の局長から申し上げて、一つそれで御了承を賜わりたいと思うのであります。
  151. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 あと時間がありませんから、これは局長はよろしいです。政務次官のお考えだけを一つ伺っておきたいと思うのです、あなたのお考えを。それは問題を広げないで一点にしぼって伺っておきたいと思うのですが、さっき申し上げましたように、浅井人事院総裁も、このILO条約の批准と人事院の改組とは直接結びつかないと、かように述べられて意見一致しているわけです、私と。それで先ほどから政務次官矢嶋のおっしゃっていることは一々ごもっともで云々とおっしゃっておられますので、その点御了承を得られたと思いますが、その点政務次官のお考えでよろしいですから伺っておきたい。
  152. 新井京太

    政府委員新井京太君) お答えいたします。このILOの問題は、これは内閣の問題であって行管の方の……。
  153. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 内閣のあなた一政務次官ですよ。あなたの御意見伺っているわけで、所管はどこかということを聞いているのじゃない、あなたは岸内閣の輝ける政務次官です。だからあなたの御所見を伺っておきたい、それだけですよ。
  154. 新井京太

    政府委員新井京太君) 先ほど申し上げましたように、はなはだ何だと、それだとあまりにも無責任じゃないかと仰せられるかもしれませんが、新井京太といたしましては、どうぞ一つ聞いて干さい、この重大な問題に対しまして、新井京太はかくかくしかじかな心組みだと、それを一つ私から……、ただ要するに、要は、この問題は内閣でやっているのだという、それじゃお前は内閣の一員じゃないかと言われればごもっともでありますけれども、どうかその点は追及を御勘弁願いたい。
  155. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 政務次官お疲れのようですからけっこうです。  最後に、人事院総裁に簡単なことを承って、私のところは緊急議員総会もありますので、打ち切りたいと思います。あなたはかって本委員会で、国家公務員の専従制限の問題は必要を認めない、やれ人数がどうの、年数が云々とあるのですが、国家公務員について、そういう専従制限等の問題は必要を認めない、こういうことを答弁されましたですね。その点は、現在なおお考えは変わっておられませんですね、お答え願います。
  156. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは、私が申し上げましたのは、人事院所管の公務員についての、私の所管だけの公務員でございます。これは組合の数が、その登録団体が八百あり、その七百二、三十は専従職員を持っていないのでございます。そういうふうな組合のものは、一目ないし二口くらいの専従休暇をとって大会に出たり交渉に当たったりするのでありますから、そういうような制限というようなものは非常にささやかなことになってくるということでございます。
  157. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 それでもう一つですがね、専従制限の問題とILO八十七号条約とは直接結びつかない、関係のない別問題だと、かように思うのですが、その点であなたの見解はどうですか。
  158. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これは、私もちょっとどっちとも言いかねるのでございます。というのは、ILO条約の解釈権というものは、人事院にないのでございます。これは内閣の方にあるものでございまするから、われわれとしては、その点、この条約の解釈に関しましては、内閣の見解に従わざるを得ないと思っております。
  159. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私が伺っている点は、これは内閣と解釈しますがね、条約に入って確定解釈したら、あなた方それに従って人事院の運営をやっていかれなければならぬことは当然ですが、しかし、ILO条約の精神並びに八十七号条約の批准、そういう点からこの専従制限の問題とはこれは関係ないことで直接は結びつかない、こういう見解は、かつて人事院側からも申し述べられたことがあると思う。人事院としての、それは内閣はどう解釈するか知らぬが、人事院としてのILO条約の条約解釈からはそれの方が正しい、より正しいと、こういう見解に立たれているものと私は思うのですが、いかがですか。
  160. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは矢嶋さんの御見解だろうと思います。私はさようなことは申し述べたことはないのでございます。これはやはりその専従制限の問題が便宜供与とか、そういう問題とからんでILO条約の精神に反するかどうか。これは条約の解釈権の問題でございまするから、これは内閣の方から御答弁を申し上げるより仕方がないと思います。
  161. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 最後に承っておきますが、それではILO条約と専従制限とは別のものだ。無関係でないとすれば、そのILO条約のどのところと専従制限の関係があるというふうに条約解釈をされておられますか。
  162. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは私はわからないのでございます。これは内閣が条約全体の解釈から出てきているのだろうと思うだけでございます。
  163. 矢嶋三義

    矢嶋三義君 私は人事院総裁のあなたの見解を承ってるわけですよ。浅井さんでもあるし、人事院総裁でもあるあなたに。りっぱなあなた見識を持たれ相当の処遇を受けておられるわけですからね、見解を持っておられるはずです。それを私は求めているわけで、かつて人事院側からそういうことを承ったことはあるし、非公式ですが、承わったことがあるし、私ども当然そうだと考えておりますので、内閣の条約解釈は別のとき聞きますよ。浅井さんとして、人事院総裁として解釈はさような解釈を持っておられるのだろうと思うのです。そのような点を御確認を願いたいということで伺ってるわけです。
  164. 浅井清

    政府委員(浅井清君) これはちょっと私として確認はできないのでございます。私はここで発言をいたしますることは、これは政府委員としての発言でございますから、人事院総裁として、公人として発言をいたすのでございますから、それで条約の解釈権は内閣にあるのでございますから、これは人事院から御答弁すべき問題でないと思います。
  165. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 人事院総裁、これは議事録を見ればわかると思いますが、多分本年に入ってからの内閣委員会で、あなたに私が質問したことがあるのです、この問題について。議事録を見てもらったら、あなたの言われた答弁というのは載っていると思うのです。その場合に、人事院総裁は、あなたの人事院として所管する管轄の国家公務員の現在の組合の運営からいって、在職専従については運営上差しつかえないと考えると、こういう答弁があったと思うのです。それはすでに私どもILO条約の批准に伴った質問に関連してやっておりますから、その点はあなたの考え方は今も変わらないということだけここで一つ言明してもらいたい。
  166. 浅井清

    政府委員(浅井清君) それは前の速記録に述べた通りでございます。
  167. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それでいいんですね。
  168. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて。    〔速記中止
  169. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。  本日の委員会はこれをもって散会いたします。    午後三時三十六分散会