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1960-03-01 第34回国会 参議院 内閣委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月一日(火曜日)    午前十時四十五分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     中野 文門君    理事            増原 恵吉君            村山 道雄君            伊藤 顕道君            横川 正市君    委員            伊能繁次郎君            大谷 瑩潤君            木村篤太郎君            下條 康麿君            下村  定君            一松 定吉君            鶴園 哲夫君            松本治一郎君            矢嶋 三義君            山本伊三郎君            辻  政信君   国務大臣    国 務 大 臣 益谷 秀次君   政府委員    人事院総裁   浅井  清君    人事院事務総局    給与局長    滝本 忠男君    内閣総理大臣官    房公務員制度調    査室長     増子 正宏君    行政管理政務次    官       新井 京太君    行政管理庁行政    管理局長    山口  酉君    行政管理庁行政    監察局長    原田  正君    文部大臣官房会    計課長     安嶋  弥君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    常任委員会専門    員       杉田正三郎君   国立国会図書館側    国立国会図書館    副館長     岡部 史郎君   説明員    文部大臣官房人    事課長     宮地  茂君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○行政管理庁設置法の一部を改正する  法律案内閣送付予備審査) ○国家公務員制度及び恩給に関する調  査  (国家公務員給与に関する件)  (国家公務員定員に関する件) ○国家行政組織に関する調査  (行政監察に関する件)   —————————————
  2. 中野文門

    委員長中野文門君) これより内閣委員会を開会いたします。  去る、二月二十六日予備審査のため本委員会に付託されました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案議題といたします。政府から提案理由説明を聴取いたします。
  3. 益谷秀次

    国務大臣益谷秀次君) ただいま議題となりました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案提案理由について御説明申し上げます。  今回提案いたしました行政管理庁設置法の一部を改正する法律案は、行政監察局所掌事務のみを分掌いたしております地方支分部局に、必要に応じて、行政監理局及び統計基準局所掌事務の一部をも新たに分掌させることができるようにいたしますとともに、管区及び地方行政監察局名称変更及び北海道所在地方行政監察局管轄区域変更等を行なうものであります。  次に、法律案内容につきまして、その大要を申し上げます。  当庁の内部部局には、官房のほかに、行政監理局統計基準局行政監察局の三局がありますが、地方支分部局であります管区行政監察局及び地方行政監察局は、設置法上、行政監察局所掌事務だけを分掌するように規定されております。一方、行政監理局所掌事務のうち、行政機関の機構、定員及び運営に関する調査、企画、立案及び勧告等事務には、各行政機関の中央及び地方を通じて、その実態を十分に把握して初めてその全きを期し得るものがありますので、これらに関する調査事務を必要な場合に、地方支分部局をして行なわしめることができるようにいたします。また、行政監理局及び統計基準局の所掌する事務を一そう円滑、適正に遂行するために、両局の所掌事務に関する資料収集事務をも、必要な場合に、地方支分部局をして行なわしめることができるようにいたします。  また、管区行政監察局の個別の名称には札幌仙台等都市名を冠しておりますが、この都市名称広域名称に改める方が、管轄区域を明瞭ならしめて、より適切であると存じますので、管区行政監察局には広域名称を冠するように改めます。  また、地方行政監察局名称は、地方自治行政監察機関であるかのような誤解を与えますので、地方行政監察局個別名称から「地方」を除きます。  次に、北海道における各支庁所管区域内に市制が施行されますと、その区域支庁所管区域から除外されますので、新たに市制が施行されましたときには、その市を当庁地方局管轄区域に編入する必要がありますこと及び、現在札幌管区行政監察局管轄しております後志支庁所管区域を、函館地方行政監察局管轄に移すことが、業務運営上正そう適切でありますので、北海道所在地方局管轄区域変更をいたします。  なお、内部々局の組織を定める長官の権限が、設置法規定されておりますが、国家行政組織法規定との関係誤解を生ぜしめ、無用と思われますので、この際この規定を削除いたします。  次に、この改正法律は四月一日から施行することといたしております。  以上が、本改正法律案のおもな内容であります。何とぞ、慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  4. 中野文門

    委員長中野文門君) 以上で提案理由説明は終了いたしました。自後の審査はこれを後日に譲ります。
  5. 中野文門

    委員長中野文門君) 次に、国家公務員制度及び恩給に関する調査議題として、公務員給与に関する件の調査を進めます。  政府側出席方々は、浅井人事院総裁滝本人事院給与局長宮地文部大臣官房人事課長岩間文部省初等中等教育局財務課長方々であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  6. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 人事院勧告関係をいたしまして、三つほど伺いたいと思っております。それは国公法の三十八条、この間山本委員からも御質問があったわけでありますが、この国公法の二十八条の問題と、それから、三月末の期末手当特別手当と申しますが、その期末手当の問題と、それからその額の問題、この三点にわたりまして、質問をいたしたいわけでありますか、その前に、浅井総裁要望いたしたいわけでありますが、それは昨年の二月、人事院民間給与調査の仕方につきまして、私どもの非常に疑問といたします点、問題にいたします点等指摘をいたしましているわけでありますが、さらに前々回の本委員会におきましても、民間給与調査のやり方につきまして、三点ほど総裁質問をいたしまして、それらについては、総裁としては、十分慎重に検討していきたいという答弁をなさっておられるわけであります。しかし、今人事院としましては、今年の民間給与実態調査をやられる調査案を作りつつある。従いまして、ぜひ、その調査案要綱、これがほんとうの活版印刷になる前に、五十万枚や六十万枚刷る前に、草案をぜひ本委員会に御提示を願いたい。できましてからこれを御批判をいたしましたり、あるいは疑問の点があるということで御指摘いたしましてもあとの祭りになる。また結果が出て、勧告が出て、いろいろ御質問をいたしましても、意の足りない点がたくさんあるわけでありまして昨年から問題になっております民間給与実態調査要綱案ですね、今御討議になっておられます要綱案一つ提示をいただきたい。これを一つ要望申し上げたいと思っております。これは何も秘密になさるような問題でもなくて、すぐ活版に回されて、五十万枚、六十万枚お刷りになってみんなにさっと配られる問題でありますので、ぜひ一つ提示を願いたい。委員長の方からもよろしくお願いいたします。よろしゅうございますか。
  7. 浅井清

    政府委員浅井清君) 前回鶴園委員から御要望の点は、われわれは十分研究いたしたいと思いますが、どういうふうに調査をいたすかということは、これは一つ人事院におまかせ願いたいと思います。御要望の点は、われわれといたしましても十分研究いたしますということは、この前申し上げた通りであります。要綱案を事前にここにお諮りするというようなことはいたしたくないと考えます。
  8. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 要綱案をここで審議するとかなんとかいうことではなくて、この会のために御提示を願いたいということであります。人事院はあまり秘密主義にするとまずいじゃありませんか。この三十四年度調査にあたっても、いろいろ秘密になさったりして、県の人事委員会等においては相当不満があるんじゃありませんか。何もここで審議するというのではなくて、いろいろ私どもがここで問題点等について指摘をいたしておりますので、さらに先回私が申し上げました点については慎重に検討いたしたいということでありまするからして、要綱案を御提示いただいて、私の方としては検討いたしたい、かように思っているわけですから、差しつかえあるものじゃないと思います。特に秘密にしなければならぬ問題でもないと思います。ですからぜひ印刷にされる前に要綱案を御提示願いたい。おそらくもう近々各県の人事委員会人たちをお集めになって説明会等もやられると思いますから、何も国家の大きな秘密でも何でもないわけでありますから、ぜひそういう点は一つ率直に、あるいはフランクに御提示をいただきたい。そうでありませんと調査が始まってから、あるいは終わってから御批判をいたしましても、なかなか能率的にもまずいことでありますから、よろしく一つ御配慮いただくように要望申し上げたいと思います。よろしゅうございますか。
  9. 浅井清

    政府委員浅井清君) 御意見は承りますが、ここで提示するかどうかは、ちょっとまだ申し上げることはできないと思います。
  10. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それじゃ重ねてその点について御要望申し上げておきたいと思うのです。  それでは第一問の国公法二十八条につきまして、これは大和委員も先回浅井総裁質問をいたしたわけでありますが、この二十八条は言うまでもなく国公法の非常に大きな特色をなしておるわけでありまして、人事院勧告をいたします場合には、この二十八条に基づいて勧告、あるいは報告をなしておられるわけでありますが、この第一項と第二項でございますね。この第一項はここにはっきりありますように、法律で定められた給与、それから勤務条件勤務時間、これについて人事院としては随時変更ができる、それについて人事院としては勧告を怠ってはならない、随時変更ができる。それに対して人事院としては勧告を怠ってはならぬというふうに規定をしてあるわけであります。この怠ってはならぬということは、これは勧告をしなければならぬということではなくて、必要がある場合にはいつでも誠意をもって勧告をしなければならぬということを強調したものだと思う。第二項はこれは給与の適否、少なくとも年一回以上国会並びに政府に対して勧告しなければならないという形になっておるのですが、この第二項は第一項の最低限の規制をしたものだというふうに私どもとしては解釈をしているわけです。総裁の、大きな本でありますが、国家公務員精義というものを読んでみますというと、今私が申し上げましたようにほぼなっております。ただ総裁のこの著書の中では、一条と一項と二項との関係は明確を欠いておりますけれども、そういうふうに考えますし、また、この条項ができましたのは従来公務員給与政府と、それから政府職員組合との間の交渉によってきめられておった、それは問題があるというところから、この二十八条の勧告というものが取り上げられたわけでありますし、また総裁のこの本の中にも出ているのですが、これは二百八ページに出ておりますが、給与問題については内閣政府と、政府職員組合とが鋭く対立する。その間に人事院勧告権を擁して立っておるのだ、こういうような説明もしてあります。従ってこの二十八条の特に第一項、これはもっと生き生きとしたものに解釈しなければならぬのじゃないか。年一回というだけじゃなくて、必要に応じては随時勧告をするということを指し示しているのじゃないかと、こういうふうに思うのですが、従来人事院は年一回というような形に立っておられるのですが、ここら辺について総裁の御意見を承りたいと思います。
  11. 浅井清

    政府委員浅井清君) 大体お説の通りだろうと私も考えております。第一項の方は昭和二十二年に公務員法が作られました当時からあったのでございます。第二項は二十三年の改正あとからつけ加えたものでございまするから、私も前に書きましたように、指摘しておりますように、第一項と第二項との関係がどうなるかということはちょっと不明確なところがあるのじゃないかと思います。しかし今、鶴園さんの仰せられたように、第一項は非常に抽象的に規定されておりますが、つまり公務員の利益のために人事院が随時に勧告を怠ってはならないという道義的な責任を人事院に着せておるということは、全くお説の通りだと思っております。第二項は報告勧告俸給表云々のことがつけ加わったのでございます。この第二項のつけ加わりましたときに、労働三法の適用からはずされたわけでありますから、今、鶴園さんのおっしゃったように思っております。
  12. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 それでは次に伺いたい点は、労働省が三日ほど前でありますか、三十四年度の、つまり三十四年の一月から十二月までの賃金等発表をいたしました。非常に公務員の間でもセンセーションを起こしておるわけでありますが、この労働省の二月二十六日発表民間賃金等について、人事院としては検討をなさっておられます
  13. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 労働省発表されたことは承知いたしております。で、これは新聞紙上で伝わっておりますところは、部分的でございまするのでわれわれはさらに労働省に確かめまして、現在研究中でございます。
  14. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 少なくとも研究中であるということは、すでに手に入れて研究しておられるわけですか。
  15. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) われわれは労働省から資料の提供を受けて、研究することにいたして、この部下にそういう指令をしておるのでありまするが、おそらく現在手に入れておるかどうかということは、そこまで確証をもっておりませんけれども、すでにおそらく手に入れて研究しておると私は思っております。
  16. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 はなはだ遺憾だと思うのですが、今回労働省の重要な発表について人事院総裁等検討なさっていらっしゃらないということは、非常に遺憾だと思うのです。私なんかすぐいただきまして検討いたしております。これは公務員給与並びに期末手当等について勧告なさっていらっしゃるそのさ中でありますからして、当然すぐでもお取り寄せになって、御検討あってしかるべきではないかというふうに思うわけです。給与法の二十四条にもはっきり指摘しておるじゃないですか。人事院は、総理府統計局労働省その他の政府機関から提供された資料について検討しなければならぬというふうに、どうも発表後園、五日たっても見たこともないという話では、はなはだ遺憾だと思うのです。この点について、ぜひ私ここで申し上げたい点でありますが、これは労働省発表は、発表しましたのはここにあります、非常に短いものであります。これを見ますというと、昨年人事院民間給与について、あるいは民間期末手当等について調査をして勧告しておられるわけですが、その後の非常に詳細な事実が発表されたわけであります。労働省のやつは、御承知通り、三十人以上の事業所人事院の場合は五十人以上というふうになっておりますから、その違いは相当あるわけでありますが、このきまって支給する給与人事院でいうベースであります、この民間のきまって支給するべースというものは、労働省発表によりますと、前年度、三十三年度に比べましてはるかに上回っておるというふうに指摘をいたしております。はるかに上回っておるというのは労働省表現です。どれだけ上回っておるかというと、昨年の一月から三月の平均と昨年の十月から十二月の平均、これを見ますと、実に六%上がっておる。ですから人事院が昨年の三月末の調査勧告されたわけですが、それからこの昨年の十月——十二月という間に六%上がっておる、こういう事実です。大へんな事態だと私は思う。いかがでありますか。
  17. 浅井清

    政府委員浅井清君) その数字については、給与局長から答弁申し上げさせますけれども、一番初めに鶴園さんが、どうもわれわれはそういうことを知らないと仰せられましたが、そうではないのでありますが、新聞に出たときに、われわれの方でも問題にいたしまして、給与局でよく調べておくようにということを言っておるわけでございまして、まだ、その結果がわれわれの方に来ていない、こういうことでございます。そこで、民間が上がっておるということを御指摘になっておるのでありますが、これは上がり方がいろいろあると思いますペースアツプで上がっておるのもございましょうし、定期昇給もその中に含まれておる、そういたしまして、今度は公務員の方もまた給与法改善によって上がっておる部分もあれば、定期昇給で上がっておる部分もある。これは両方を対比してみて問題になるように思います。なお給与局長から補足させます。
  18. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 今、労働省資料のお話が出たわけでございますが、私の記憶では、それは年間平均のことを主として出しておったように発表では、新聞で見ましたところでは、そういうようであったように思うのであります。なお、今この総裁が申し上げましたように、われわれとしましては、その問題について検討しておるの、で、発表が二十六日でございますので、ほんのこの間のことであった。その間多少時日を要しておるということであります。その資料について今私は申し上げられませんが、労働省で出しております毎月の勤労統計、これは常時見ておるのであります。それによりますと、現在、昨年の三月から昨年の十一月までを発表されております。それでこの間どれだけのベース、べースといいますか、平均賃金が上がっておるかというと、これは七%という数字が出ております。ところがこの七%の中には、いろいろな要素があるのでありまして、たとえば昇給によって上がるのもありましょうし、新陳代謝ということで高い給与職員が退職いたすという場合には、これは全体として低まるというような問題、いろいろな問題があるのでありますが、それらを総合いたしまして、七%ということになっておるわけでございます。同様の意味におきまして、公務員は昨年の三月からその後どのように動いておるであろうかということを見てみますと、この四月に約三%の初任給改善ということがあったわけでございますが、その後年間平均四%くらいの昇給をいたしておるというふうに相なるのであります。これを見てみますと、民間も上がっておりますけれども公務員平均給与では上がっておる。こういう事情も一応判明いたすのでありますが、これだけでは実はわれわれが問題にする賃金の高さということは、これで直ちに判断するということはできないのであります。ただ、現在得られます資料によりまして、大体どういうふうに推移しておるかということは、以上のように判断いたしております。
  19. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 先ほど給与局長のおっしゃるように、月平均年平均は出してある。毎月の数字は出ておりますから、一月から三月にかけての月の平均も出しております。それから十月から十二月の二カ月間の平均も出ておる。それを比率で割りますというと、すぐ何パーセント上がったかがわかる。そういうふうに労働省は出しておる。御記憶違いであろうと思う。今ここに問題になっております特別手当あるいは期末手当の問題について、労働省が同じように発表の中に申しておるのであります。これは特別に支払われた給与ということで出しておりますが、三十三年は三千五百八十九円、三十四年は四千七十二円。大きく上回っておる。のみならず、期末で支給される給与に対する比率は戦後最高比率を示しておる、こういう表現をしております。戦後最高というのは労働省の言葉。戦後最高比率を示しておる。これを見ますと、二一%上がっております。三十一年度と三十四年度と比べまして、期末手当ですよ、二一%増、こういうふうになっておる。このことはもちろん御検討になっていらっしゃると思いますが、非常に重要な労働省発表なんかを浅井総裁御存じない、あるいは給与局長御存じないというのじゃまことにたよりないと思う。いかがですか、二二%増……。
  20. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 先ほども申し上げましたように、まあ、こういう追い打ちをかけての御質問でございまするが、現にわれわれはそのことにつきまして十分調査をいたし、分析いたすために、部下にそのことを話しまして、現在研究さしております。ただいま私はその資料を持ち合わせていないということにつきましては、おしかりを受けるに値すると思うのでありますか、しばらく時間の御猶予を願いたいと、このように思います。
  21. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は今申し上げたような労働省発表等から考えまして、特に期末手当については一二%も上がっておる。戦後最高だと労働省指摘している。この二二%というのは約〇・四月分になります。こういうふうに、顕著に、戦後最高に上がっておるという発表をしているにかかわらず、いまだに人事院がこれについての検討を加えていない。いかに公務員給与について冷淡であるかというふうに私は思わざるを得ないと思うしかし、いずれにしましても、この問題は公務員の間に大きな反響が及んでおるわけでありまするから、今後おそらく人事院としては何らか考えをなさざるを得ないじゃないかと、こういうふうに思います。これはいずれ時の推移とともに、人事院に対しまして御質問申し上げ、あるいは御要望申し上げたいと思います。  次にお伺いいたしたい点は、人事院は、三月末の特別手当は現在一般職公務員にはないのでありますが、この三月末の特別手当について勧告をなさったことがある。その勧告基礎、それは私の聞いたところでは、三月末は普通の月よりも若干金の要る月だ、もう一つは、長い間、官吏の時代に三月末に若干の手当が出ておった、最も大きな理由にしておられるのは、勧告の中にも出ておるのですが、これは主公社現業との関連で、一般職公務員期末手当勤勉手当については、六月、十二月についても三公社現業の方か高いのみならず、三公社現業には一月末に特別手当が出ておる、公務員には出ていない、これが大きな基礎になって勧告をされたわけであります。その場合に問題になったのは、三月末の五現業公社に出る業績手当というものはこれはやはり特有なものだ、しかし一般的に見て、一般職公務員の間にこれだけの差が出てくるのはよくないという観点に立って、人事院としては特別手当制度勧告された。これは勧告されたのでありまして、事実であります。否定されるも何もない、これは総裁も御承知通り。私ここで伺いたいのは、この特別手当勧告された基礎、これは今日その基礎はなくなっているのかどうかという点について伺いたいわけであります。私、先ほど三つほどあげました勧告の中に出てくるのは、三公社現業との関連で出しておられるのですが、勧告の中のその三つ条件というものはなくなったのかどうかという点について伺いたいと思います。
  22. 浅井清

    政府委員浅井清君) その前にちょっともう一言、例の労働省統計云々ということでございますが、これはわれわれ二十六日に初めて見たのでございまして、そんなに長い時間はたっていないのでありますが、これは決して怠慢と言われるほどのものではない、これはなるべくすみやかにわれわれの方としても結論を得たいと思っております。  それから年度手当の問題でありますが、これはただいまあげられました理由よりも、むしろ三公社現業とあの情勢のときの違いであろうと私どもは考えております。ところが、勧告いたしましたけれども、これは政府の方では認めなかった、認めなかったというのは期末手当の引き上げを認めなかったのじゃないのでございまして、つまり年度末にあらためて支給されることを認めずに、これを十二月の期末手当の方で上げたのでございます。だから人事院期末手当勧告はいれられたけれども年度末の方はいれられなかった、こういうわけでございます。これはつまり手当というものをなるべく簡素化したい、またそこで出すということと、それから業績というような観念が、どうも一般職公務員にはないというふうな考えでございますから、今の状態におきましてそういう事情がなお継続しているかどうかは別といたしまして、人事院といたしましては、あらためて年度手当勧告をする考え方はただいまのところ持っておりません。
  23. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私は政府がこの特別手当についてどういうことを考えているかという点を御質問申し上げているのじゃなくて、この特別手当勧告された基礎、これは今日はあるのかどうかという点を御質問申し上げているわけであります。これは総裁も御承知通り、その基礎は全然変わっていない、今日といえども厳然として存在をしている。にかかわらず、今総裁がおっしゃったような言葉が出るというのはこれはどういう理由に基づくのか。政府の見解は聞きました、しかし総裁人事院の見解を伺いたい。人事院が正しいと思って出した勧告政府にけられたから、それっきり忘れましたということであるのかどうか、あるいはこの特別手当勧告したのは間違いであったというふうに考えておられるのか、二つ。要するに勧告基礎がなくなったのかどうかということと、人事院の考え方が間違っておったのかどうかということであります。
  24. 浅井清

    政府委員浅井清君) 三公社現業業績手当はあると思うのでございます。鶴園さん、今そういうような条件が変わっているかと仰せられれば、変わっていないと思います。ただ、人事院といたしましては、その後いろいろ考えましたけれども、やはり一般職公務員は事情が違っている。これは年二回の期末手当でいきたい、こういう考えでただいまおります。
  25. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 勧告基礎は変わっていない、厳然として存在している、こういうふうに言われておりますが、ただ総裁としては業績手当がどうだということで、今のところはそういう考えはないとおっしゃられるけれども、それを勧告に出されるときにはそういうものははっきりしている、三公社現業業績手当は特有のものだ、しかし一般の公務員との間にあまり均衡を失することはいけない、こういう立場で勧告されているのでありますから、これも変わっていないはずじゃないのですか。そうすると、そのときの勧告は間違いであった、政府がこれを実施しなかったがゆえに総裁としてはこれは間違いであったというふうに感じられておりますか。
  26. 浅井清

    政府委員浅井清君) そもそも勧告のことでございますけれども、これは人事院といたしましてもいろいろ考えは変わって参ります。勧告を一度やりましてそれに対する反省を加えて、そしてさらに次の勧告を考えるということは、これは私は進歩であって決して悪いことじゃないと思っておる。現に調査の方法につきましても、鶴園委員からいろいろお話がありまして、われわれはこれをいろいろ検討いたしまして研究をし直そう、こういうことはあることでございます。それでこの三月末の勧告の増加分というものは十二月の期末手当で認められているわけでございます。決して、ただその支給を十二月にしただけであって、三月にあらためてしなかったというだけのことでございまするから、一ぺん年度末の手当勧告したからもうそれをやめちゃいけないのだ、こういうことにはなるまいと思っております。現に調査の方法でも、一度三月にしたからもう四月にすることはできないのだ、そういうふうにはわれわれは考えておりませんので、これはいろいろわれわれとしては、一度勧告をやれば十分に研究し、反省をいたすべきことは反省いたして変えることはあり得ると思います。
  27. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 勧告をなさったときの基礎は全く変わっていない、というふうにお考えの通り変わっていない。しかし、政府がこれについて受け入れなかったという意味から、総裁としては、人事院としてはまたそれなりの理屈を立てておられる。しかし、これは公務員一十六万の問題であります。一ぺん正しいということで勧告されたものが、何かすぐあくる年からこれは間違いであったというふうな、そういう態度をとられちゃこれは困ると思うのですよ。共済を一部修正をするというような問題じゃないと思うのです。正しいと思って勧告されたものを、あくる年から間違いであったというようなまでは言わないけれども、そういうような言い方をされるのでは、非常にこれは、腰がはっきりすわっていないのじゃないでしょうか。のみならずこの勧告をなさる前に、浅井総裁給与担当大臣に対して文書で三月末に特別手当を出すべきだという文書の申入れをなさっておられる。これは望月の末になさった。そして七月に勧告を出しておられる。そういう手順を踏んできまったものだ。三月の末には政府に対して文書を出している、三月末は出すべきだといって文書を出しておる。さらに勧告を念を押して七月に勧告を出しておられる。そういう念を押したものを何か間違いであったという話では、どういうものですか、これは理解に苦しむですね。もう一ぺん回答を願いたい。
  28. 浅井清

    政府委員浅井清君) 公務員諸君の立場も、いろいろ鶴園さんによって代表される御意見もございましょう。しかし、われわれは政府の方からもいろいろ批判もございまするし、それから国民全体も納税者としていろいろ批判もいたしましょうから、われわれとしてはいろいろの批判を考えなければならんと思います。それから初めに文書を出した話、これは御指摘通りでございます。それで七月に勧告をしておるのでありますが、これは十二月にその勧告はいれられて十二月に増加されておるわけでございます。ですから増加が認められないのじゃなくて、年度末に別に手当を起こすことが認められなかった、こういうことでございます。
  29. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも総裁、そういうように妙な言い方をされると困ると思うのです。とにかく三月末に特別手当を出せという文書を政府に出されて、さらに念を押して勧告を出されておられる。それは年末手当加わりました。しかし同時に三公社現業は〇・一五ふえたのですから、不均衡は依然として存在しているのですよ。だから勧告基礎は変わっていないにかかわらず、そういうようなお話をなさるということは、これは公務員三十六万の給与を預かっておる総裁としては、私どもは理解しにくいのです。  この問題はこれくらいにいたしまして、次に期末手当の額についてでございますが、これは先ほど労働省の二月二十六日の発表を見ますと、三十三年度と三十四年度を比べますと実に一三%上がっている。月にいたしますと約〇・四月分近く上がっているわけですね。これは言うまでもなく三十人以上の企業です。ですから人事院が言う五十人以上の企業というふうに見ました場合にはこれは〇・四月分をさらに上回った額が出ておるに違いない、というふうに類推されるわけです。そういう事態の中で人事院としては〇・一という勧告をなさっておられる。さらに先ほど私十八条の問題を取り上げまして、浅井総裁質問いたしましたところが、私の見解とほぼ同じだという見解です。ですからこういう事態の中で、今日政府職員組合政府との間では、この期末手当の問題について、あるいは給与の引き上げの問題について交渉を持たれておる。公務員法九十八条に基づいて交渉を持たれておる。そういう中で二十八条というものをもっと生きた解釈をなさって、なんらかのやはり措置を考えられるような段階に来るんじゃないだろうかというふうに思っておりますが、これらの点について伺いたいと思う。
  30. 浅井清

    政府委員浅井清君) その労働省数字は、われわれとしてもう一ぺん検討してみたいと思います。ただ、最近において民間のそういうその種の給与はふえておるであろうとわれわれも思っておりますが、ただし、人事院として勧告いたしまする場合は、これは団体交渉を妥協せしめるとか裁定するとかという態度ではちょっとないのでございます。でありますから、やはり納税者たる国民に納得してもらうためには、相当精密な調査をしなくちゃいかん。でございまするから、今度また比較調査をするのでございますが、その結果がどうなってくるかということを、私はしなければならんと思っております。
  31. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 そういうお話しですと、これはもっと根本にさかのぼりまして、人事院は二十八条の第二項「毎年、少くとも一回」あるいはその第一項の「随時」行なわなければならんということをどういうふうにお考えになっておられますか。予算としては年に一回調査されるような予算しかございませんでしょう。人事院はその予算編成権があるのだから、二回なり三回なり必要に応じて調査されるよう予算を獲得されるような、あるいは予算編成権を発動されるくらいのお気持があってしかるべきだと思う。今岩戸景気だ岩戸景気だと言っております。しかし、ことしの中ごろになったらどういうことになるのか。寒い風が吹くのかあるいは停滞するのか、いろいろ論議もあると思います。そういう中でこれはもっと機動性を持って、随時勧告できるような態勢をおとりになるべきじゃ、ないでしょうか。なおこれに関連して申し上げますが、私先ほど申し上げたように、三十一年の三月末には浅井総裁は、給与担当大臣に対して、文書で三月末に手当を出すべきだという文書も出しておられる。そういうお気持から言ってこれはやはり考えなければならん段階に来ておるんじゃないだろうか。来つつあるんじゃないだろうかというふうに思うわけです。
  32. 浅井清

    政府委員浅井清君) 二十八条一項の「随時」にというのは、それ全部を受けておるんでございますから、要するに給与といわず、勤務時間といわず、すべて勤務条件に「随時」ということが結びついておるんでございます。だから勤務条件のうちでただいま問題に取り出されておるのは、給与の問題でございます。この給与の問題につきましては、随時にさような勧告ができるかどうか、これはやはり人事院が大規模な調査というものを基礎にしてやっておりまする関係上、そうたびたびできるものではないのでございます。ですからこの「随時」というのは、おのずから限界があるように考えております。随時にできる勤務条件のものもございましょう。しかし、全国的な調査基礎にいたしますると、どうしてもその「随時」ということは限られてくる。これはやむを得んことだろうと思います。
  33. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 私先ほどこの二十八条について申し上げましたように、第一項は随時いつでも勧告できるのだという建前ですね。第二項はこれは最小限度の義務を負わしておる。少なくとも年一回というような最小限度の義務を負わしておるというふうに申し上げたところが、その通りだというお話しです、ところが、第一項も第二項も同じような解釈をなさっておる。おかしいではないか。総裁もかつては必要があれば政府に申し出もなさっておる。勧告なり、申し出なりをなさっておられるのです。もっとこういう岩戸景気だ何だといわれて、特別手当期末手当について戦後最大のものが出されておる。労働省発表している。そういう中で何かこれから調査をして七月ごろだという話では承服できない。しかも、政府機関人事院よりもさらに大きなたくさんの人員を擁して調査をしている数字が出ているのです。すみやかに検討をなさって、これについての善処方を要望いたしたいと思います。かつて、人事院は三公社現業との年末手当を比較されて出されたこともある。今や労働省がこんなりっぱな資料を出しておる。すみやかに検討をなさって善処されるように要望いたしたいと思います。
  34. 浅井清

    政府委員浅井清君) 人事院といたしましては、随時ということを決して忘れてないのでございます。ただ、ただいま申し上げましたように、おのずからその対象によって随時といいましてもそうたびたびできないものがある。それから第二は労働省調査によって人事院は直ちに措置をするということはやっておりません。これはやはり人事院は自分で調べたい。これは公務員法の建前からいっても、さようだろうと思います。なおただし、鶴園さんが御指摘になりました労働省数字については、至急に検討いたしたいと思います。
  35. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも総裁に私先ほど申し上げましたように、三月末の特別手当勧告される、あるいは三月末の特別手当を出すべく政府に申し入れをなさったときは、労働省資料で出しておられるでしょう。三公社現業の年末手当期末手当業績手当については労働省資料でなさっておられる。労働省資料で出ているのです。そういうあいまいな御答弁では困るのです。  最後に伺いたいのは、人事院が昨年の三月末の調査で、昨年の四月勧告をなさいました。その勧告の中の今、問題になっております期末手当については、職員が三・四月分、工員が二・一二月分、それを総平均して、人事院としては民間は二・九一月分だというふうに出しておられる。だから二・九一月分から現在の二・八月分を引いて、〇・一月少ないから〇・一月出すべきだというお話しです。しかしこれは昨年の十二月も私お聞きをいたしましたように、なぜ公務員職員と比較をなさらないのか、民間職員と比較なさらないのか。しかも、人事院が言っておられる職員という中には相当に工員が入っておる。従業員あるいは社員という名前で工員が相当入っておる。とするならば、これは三・四月分というものと公務員と比較をしてしかるべきじゃないかということを私は十二月も申し上げた。再度この点の見解を伺いたいと思います。
  36. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 人事院が昨年の勧告の際あわせて提出いたしました給与勧告資料の中に、ただいま御指摘の特別給の支給状況では、職員と工員とを分離した数字を掲げておるのでございます。ただここで申し上げたいことは、特別給は俸給表における給与というものを調べますために、これは個人票を用いてやっておるのであります。これは三月という時点をとらえまして、その賃金締め切り期間一月分ということで調査いたすのでありますから、個人票においてもやり得る。ところが、こういう公務員の特別給に相当いたします給与は、十二月あるいは場合によっては十一月、あるいは年を越して一月になるときもありましょうし、また夏季の部分につきましても、必ずしも六月とは限っていないというようなことで、そういうことを個人票でこれを調査いたそうと思いますと、調査の荷が非常に勝ち過ぎる、通常三月分支払われる給与を調べますときに比べて非常に勝ち過ぎるということがございますので、われわれは非常に取り急ぐ調査でございますから、そういうことを個人票で調べることができない、こういう現状にあるわけであります。従いましてこの特別給につきましては、いわゆる制度票という事業場全般の支払い状況を知るための調査票によりまして調べておるわけでございますが、その際におきましても職員、工員というものは、事業場におきまして呼称しておるところで書いておいてもらおう。職員とか工員という定義は、なかなかむずかしいわけでありますし、また公務員につきましても、どれが一体職員職員はいいとして工員に該当いたすかということになると、これはなかなか判別しがたい。従いまして現在われわれが資料的に得ることができます限度というものは、事業場全体において支払われたものがどれくらいの率になっておるか、この点ははっきりしておる。ただ職員、工員と便宜書いていただきまして、一応その分類を調べておりまするけれども、これは事業場によりまする事情によりまして工員といい職員といっておる向きがあるかわかりませんが、一応工員、職員別の数字は掲げておりますけれども、これはわれわれがむしろ参考程度に出した数字であります。一番確かなものは二・九一という事業場全体において支払われておる特別給がどれくらいの月分になっておるか、この二・九一というものは確かです。従いまして現在われわれは二・九一というものに着目をいたしておる、こういう次第であります。
  37. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 発表された数字の中で、職員の三・四月分は不確かだ、工員の二二二月分も不確かだ、確かなのは、その平均の二・九一月分だ、まことにおそれ入った御論議です。不確かなものを勧告の中になぜ出されるのです。おかしいじゃないですか。私の言っているのは、職員というものと公務員というものを比較すべきじゃないか、こういうことを申し上げておるのです。ところが、その数字は不確かだ、こういう話では、どうも私は納得できないわけですが、しかしこれ以上時間の関係もありますので、ここで端折ります。
  38. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 質問の冒頭に、去る十六日に実は本委員会給与担当の大臣を早急にきめるということの了解があったと思うのですが、いまだ担当大臣がきまらぬ、また総理大臣の出席もない。本質的な質問は、実はみな保留しておるのです。この機会に一つ委員長並びに与党の皆さんにお願いをしておきたいのですが、もちろんこれは大臣というものは、政府の権限でございますから、委員会の審議が進捗しないという責任を今後われわれに課されては困る、そういう点はよくこの機会に私は発言しておきたいと思います。従って権限外といえども一つ委員長は何とか努力をされて、早急に担当の大臣をきめてもらう、そういう努力を委員長並びに与党の皆さん方にお願いをしておきたい。  そこで人事院に対しては、これはほんとうに参考的な質問以外に出せないのです。それに法案が提案されておるのですから、いわゆる内容に対して質問せざるを得ないのでありますが、特にきょうは緊急的に質問しておきたい。これは浅井人事院総裁に対して各国の公務員組合運動についての知識も相当持っておられますので、専従問題について一つお伺いをしたい。先ほど新聞で、松田文部大臣が、いわゆるILO八十七号批准によって公務員の専従職員についても相当問題があるやに新聞で語っておられます。私は、松田文部大臣自体、教組の人々にそういうものを言うんならいいけれども公務員全般にああいうことを言うことは権限を逸脱しておると思う。しかし、個人で言っておると思って私は了解しておりますけれども……。そこで、浅井人事院総裁に尋ねますけれども、ILO八十七号批准によって、いわゆる公務員の身分なり、あるいは不当処分についての監督の立場にあるあなたとして、そういうことができるかどうか。フランスあるいは西独あたりのいろいろの文献を見ましても、そういうことは、なるほど専従役員ということは使っておりませんけれども、一定期間、組合に対する休暇を与えておることは、もう各国その例を見るところでございます。従って、浅井人事院総裁としてそういうことが妥当であるかどうかということをはっきりここで一つお答え願いたいと思う。
  39. 浅井清

    政府委員浅井清君) 専従職員の問題についてのお尋ねでございまするけれども、私のお答えし得るのは、人事院所管の公務員の専従職員の問題でございます。で、これは実は率直に申しまして私、問題にしていないのでございます。というのは、人事院に登録されておりまする職員団体は、これは八百ぐらいあるのでございます。そのうち、専従職員を持っておるものは非常に少ないのでございます。つまり、専従職員になりますと給与がもらえませんものですから、これはどうしても組合費をもってまかなわなきやならん。小さい団体では持てませんのが現状でございまして、そのうち七百二、三十は専従職員を持っていないのでございます。それで、専従職員を持っているのは、比較的大きな組合でございます。これが専従職員を持っておるということが第一点。それでは、その専従職員を持っていない組合はどうしておるかといいますると、組合の大会がございまするとか、交渉をいたしまするとかいうときに、一日ないし数日の専従休暇をとる。そこで人事院では、人事院規則で、専従休暇は一日以上ということをきめて、一カ年をまず区切りまして、そうして更新し得るということになっておるのでございます。そこで、専従職員の数は二千五百人に一人ぐらいなのでございます。ですから、これは私どもあまり問題にしておらんのでございます。それから次に、この専従職員は非常に回転が私どもの方では早いのでございます。大体一年ぐらいでみんな役所へ帰ってしまうのでありまして、非常に長い期間持っているものはないのです。おそらくその六〇%以上は二年以内である。そういう状態でございまするから、私どもとしては、国家公務員の専従職員制度、つまり人事院所管の、これはもう私は現在のままにしておいていただきたいと思っております。また、現在のままにいたしましても、これは非常に弊害が出ているようには私は見ておらんのでございますから、そこで、ILO条約との関係云々ということは結びつけて何も別に考えておらん次第でございます。
  40. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 よくわかりました。それではもちろん、松田文部大臣は単に国家公務員を含めて言っておりますので質問したのですが、浅井人事院総裁の所信は、かりにILO条約が批准されても、国家公務員人事院管轄内に関する限りは影響がないということでございますね。
  41. 浅井清

    政府委員浅井清君) 影響がないということではございませんけれども、これは何か専従職員を全廃するということを画一的に立法でもあれば、それは影響するだろうと思っております。ただし、私といたしましては別に、今、人事院所管の国家公務員に専従をやめるということは必要はないので、ことに、多くの組合というのは一日ないし数日の専従休暇でしかやっておらんのでございますから、でございますから、あまりその点を重要視していないことは事実でございます。
  42. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 その点を僕は、現在の段階でそれを重要視するとかそういう問題でなくて、先ほど最後に言われたように、現在の実情では国家公務員、いわゆる人事院管轄内においてはそういう必要も感じない、こういうことに私はとっておるんですが、それでいいですね。
  43. 浅井清

    政府委員浅井清君) かつて松野労働大臣の方でもって、この国家公務員の専従職員制限の問題が出たことがあります。しかし、そのときに人事院といたしましては、ただいま申し上げたような意見を述べたように記憶しております。
  44. 山本伊三郎

    山本伊三郎君 それで了解しました。
  45. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 滝本給与局長にまず伺います。香川県警は、警察職員給与費の一部を捜査費に流用するような給与行政をされるというのですが、給与行政という立場からいって、そういうことは妥当と考えますか。御見解を承りたい。
  46. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) ただいまの問題は、これは地方公務員の問題になりますので、われわれが所管いたしておりまする国家公務員の問題でないわけであります。従いましてそのことを端的にわれわれの方で意見を述べることは差し控えたいと思うのでありますが、国家公務員の場合にそういう問題があったらどうだろうかという問題に置きかえてわれわれが一応考えてみました場合に、やはり給与の一部が他に転用されるということは、これは好ましいことではない。まあ、しかしそれも本人の自発的意思で、給与としていただきましたものの中から出すという場合は、これはまた別でございましょうが、給与というものはまず通貨で、一定時期を限って本人に対して支払われる、これはそういうことが当然のことであると思っております。
  47. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 県の警察職員地方公務員で、直接あなた方の所管でないということは当然わかっておるので、だから前提として、給与行政としてそういうことは好ましいかということを伺っておるわけです。まあ否定的な発言があったわけですが、そこで総裁に承ります。地方公務員給与はおおむね国家公務員に準じてやる。それから地方自治体の人事委員会はあなた方の人事院に準じて、まあ大体条例、規則等をこしらえてやっておるということは慣例になっております。国家公務員の場合に行なわれた場合は、給与行政としてかくかくだという見解を表明されたわけですが、私は総裁意見を承るとともに、こういう問題については、人事院としては都道府県の人事委員会に助言と指導を私は与えるべきものだと思うが、いかがですか。
  48. 浅井清

    政府委員浅井清君) 私その実例を全然知らないのであります、これは地方公務員のことでございますから。ただし、国家公務員の場合でございますと、そういうことは起こらないのでございます。これは給与の全額支払い、それから差し引きます場合には、法律の根拠、あるいは人事院規則のいろいろそこのところがきまっておりますから。でございますから、そういう給与の差し引きということは、これはできないであろうと思っております。これは国家公務員の場合、はっきりと人事院規則で全額支払いの原則ということが確立いたしております。  それから第二点、助言を与えるということでございますが、これは公務員法では、初め附則のところにございました、そういう規定が。ところが、それはもうただいま削除されてしまいました。つまり、地方の人事行政がすでにちゃんとでき上りましたので、これは削除されておるのでございますから、正式に助言を与える権限はないように思っております。ただし、自治庁においてはあるのじゃないかと思っております。
  49. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それじゃ逆な立場から聞きましょう。事態は、薄給の警察職員が、みずから寄付するはずはないのです。捜査費が不足したというところで、半ば強制的に給与費の一部を捜査費に回したということです。そこで香川県の人事委員会から、こういうことは給与政策上妥当か妥当でないかという問い合わせが人事院にあった、人事院意見を参考に聞きたいということになったら、あなたはどういう回答をいたしますか。
  50. 浅井清

    政府委員浅井清君) 地方人事委員会からいろいろそういう回答を求められる場合がある。それに対しましては、拘束力はもちろん持ちませんけれども人事院の見解を表明しておることもしばしばございます。それはただいま申し上げましたような、国家公務員の場合はかような給与の支払いというものはない、ということであろうと思っております。
  51. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 地方公務員も準じてやるわけですが、そういうやり方というのはおもしろくない、適当でないということは、あなたとして御見解を持っておられますね。
  52. 浅井清

    政府委員浅井清君) お説の通りであります。
  53. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 人事院総裁も都合のいいときは助言と承認を与えたが、ときによると逃避的な答弁があるのですがね。もう少し公務員の身分と生活を守る立場から人事院ができたのだから、その点は私は公務員の身分と生活を守るという立場においては常に積極的に動きもし、また発言もしていただきたいことを要望申し上げておきます。答弁は要りません。
  54. 浅井清

    政府委員浅井清君) ちょっとつけ加えておかねばならぬのですが、実はこの問題のみならず、さような問い合わせはいろいろございますのです。非常におもしろからざる事例もございまして、適当に指導はいたしております。指導という言葉がいけなければ、助言はいたしておるのであります。ただ、これは拘束力のある法律の根拠に基づいた助言ではないのであります。それだけ申し上げておきたいと思います。
  55. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 次に、比較的緊急のことだけ、きょう承っておきます。給与の問題出ましたから、いずれ私は人事院当局並びに担当大臣と十分ディスカッスしたいと思っているのですが、そのうちの一つとして、今の公務員の初任給というものが、戦前のそれと比する場合に非常に低きに失する。昨年から若干初任給の引き上げが行なわれたけれども、私ここで相当詳細なデータをこしらえてみたのですが、そのデータにはっきりと出ています。非常に低過ぎる。この点は人事院としては認識しておるかいないか。それからそれらの初任給の不当なのを是正すべく現在給与局事務当局で検討がなされているかなされていないか。それだけきょうは承っておきましょう。いずれ内容についてはしかるべき機会がたっぷり与えられると思いまするから、政府給与担当当局、並びに人事院と私論戦したいと思います。先ほど質問に対してお答ええ願います。
  56. 浅井清

    政府委員浅井清君) ごもっともでございまして、戦前との比較はおそらくお説の通りだろうと思っております。人事院といたしましても、優秀なるこの学校の卒業生を民間に取られることは、これは困りますから、優秀な人材を豊富に誘引するためにも、この初任給のことは問題だろうと思います。ことに最近に至りまして科学の振興に伴いまして、そちらの方面に優秀なる者が得られないということは、これはあり得るものと思っておりますので、それは人事院としても十分考えておることでございます。ただ、具体的にどうやるかということは、またこれからの問題であると思います。
  57. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 給与局長に伺います。なぜそういう点について果敢に勧告をするように人事官を補佐しないのですか。
  58. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) 人事院内部におきまする問題は、ここで申し上げられないのでございまするが、御承知のように一昨年の勧告におきましては、これは初任給に重点を置きまして、この引き上げをやる。で、それに伴う是正をある程度行なうということで重点的にやったのであります。で、昨年の勧告におきましては、いわゆる中だるみ是正という点に重点を置いてやるということになりましたので、まあ昨年は初任給問題が一昨年のままに据え置いたということはございます。しかし、全体的に給与を適正にするということにつきまして十分研究をいたし、それからまた人事官を補佐するのがわれわれの職務でございます。そのことは従来とても十分やっておるつもりでありますけれども、今後におきましても十分いたしたいと思っております。
  59. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 きょうはあまり時間がないから内容に入らない前提で質問しているのですが、ただいま人事院総裁の言葉にありました例をとってみても、大学を卒業して大学院に残るのは、改正されて一万五百円。ところが他の民間に就職する場合、最低一万四千円から一万七千円です。大学の研究陣では後継者を大学に食いとめようと思っても食いとめることができない。約五千円ぐらい違うのですね。こういうことはあなた方は数字の上で承知しているはずです。ところが、それについて若干人事院はその使命を十分果たさずに、大蔵省等に、内閣官房等に必要以上に気がねをされて敢行されない点は、私は職務に忠実でない、遺憾に思います。いずれは内容的にあなた方と論戦をやりますが、これは真剣に取っ組んでやらなければならない。勧告を果敢にやることによって、人事院の使命を十分に達成していただきたいことを、特にこれは要望いたしておきます。  次に、文部省の人事課長に伺っておきます。やがて内閣提出の法律案を次官会議でまとめる期限が迫りつつあるようでありますから、どういうお考えか緊急に承っておきたいことがあるのです。それは昭和三十二年の三月に学歴是正というのを給与の面でやられましたね。その際に落ちたのがある。すなわち昭和十八年以降師範学校は専門学校となって修業年は三カ年になられたわけです。それからまた三十二年の三月に学歴是正に関する給与調整をやられた後に中免とか実免とか、そういう上位の免許状を取られた方がそのままに放置されている。従って昭和三十二年の三月に行なわれた学歴是正の趣旨にのっとって修業年限三カ年以上の専門学校卒業生あるいはその後研修することによって上位の免許状を取得した公務員に対しては、当然学歴是正に伴う給与の調整がなさるべきであるにかかわらず、今日までなされていない。これをなすにあたって私は立法を伴うだろうと思うそれで伺いたい点は、立法事項でやれるのか、あるいは行政事項でやれるのかということ。もし立法事項ということになるならば、内閣提出にかかる法律案はすでに収集段階に入っていると思うのですが、その用意があるのかどうか。これは私は当然あなたの方で早急に準備されるべきであるという要望も含めて、その二点を伺いたいと思います。お答え願います。
  60. 中野文門

    委員長中野文門君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  61. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を始めて。
  62. 宮地茂

    説明員宮地茂君) ただいまの矢嶋先生の御質問でございますが、おっしゃいましたように三十二年三月三十一日に今おっしゃいましたようなものが、法律給与法改正で附則のところにそういうことが入れられ、またそれに基づきましてたとえば大学令とか、あるいは大学令による大学とか、あるいは新制大学とか、あるいは中等教員免許状を持っていた人とか、そういった者に対しまして、別途人事院がこれらの者と同等以上の資格を有すると認める者については俸給の是正というものが行なわれておるようでありますが、そしてまたそれに基づいてなされた人事院指令には、旧制のいわゆる中等程度の師範学校も落ちております。まあその点に関しまして……。
  63. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 中等でない、専門学校……。
  64. 宮地茂

    説明員宮地茂君) 今の御質問の点は、今のあとの専門の方でございますが、その点も落ちておりますので、御趣旨の点もよくわかりますが、ただそのときに人事院、文部省だけでなくて人事院と相談してこれはなされた問題でもございますので、御趣旨の点はよくわかりますが、一応私の方単独でこうしたい、ああしたいということも申し上げかねますので、政府部内といたしまして人事院とも十分検討いたしまして、早急に御返事できるだけの検討をいたしたいと思います。従いまして、法律問題であるか、あるいは行政措置でできるかということもあわせて検討させていただきたいと思っております、
  65. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 いつごろまでに検討してお答えいただけますか。
  66. 宮地茂

    説明員宮地茂君) この場で直ちに、いつまでと言明申し上げかねることを非常に遺憾に思いますが、御趣旨もよくわかりますので、早急にいたしたいと思います。
  67. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう三月の声を聞いたのですからね、急がないと間に合いませんのでね。この点について人事院としては文部省側と協議をする用意はございますね。給与局長、御答弁願います。
  68. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) ただいま問題になっておりまするものは、むしろ議員修正で附則に入った事項のように心得ておるのでございます。この問題につきましては、御指摘のような問題点もあろうかと思いまするけれども、まあ、これは人事院だけの話でございまするが、むしろ人事院はもうこれで一応問題は打ち切られているのではなかろうか。これをもし同様のことを繰り返していきますならば、常時まあやらなければならぬというようなことになるのでありまして、こういう問題につきましては、ある時点を限ってやるという附則の趣旨が一応そのときの事情としては適当であったのではなかろうか。この問題は、人事院として考えまする場合には、教職員のみならず、ほかのバランスということも考えてみなければならぬのじゃなかろうかというふうに思っております。それで人事院といたしましては、一応この問題につきましては考えを持っておりまするけれども、文部省の方で、またお話がございまするならば、十分一緒に検討してみたいと思っております。
  69. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 これは時間がないからいずれまたやりますが、人事行政上非常に教育界では困っているのです。滝本さん、従ってこういう声が出てくるわけなんですね。従って文部省と十分できるだけ早く協議していただきたいことを要望しておきます。  それからもう一つ、この国会の進行と関係あることですがね。安嶋会計課長お見えになっておりますね。四、五分間お伺いします。文部省の安嶋会計課長はよく通じていることですから、お答え願いたいと思います。いわゆる僻地手当ですね、隔遠地手当、僻地手当、これの支給基準その他についての決定は、教育公務員という特殊性が認められて、政府部内の協議の結果、ああいうことになったと、かように私了承しているのですが、そうでありますか。
  70. 安嶋弥

    政府委員(安嶋弥君) お尋ねの僻地手当でございますが、これは実は御承知通り議員立法でございまして、政府部内の打ち合わせの結果ああいう結論が出たものではございません。
  71. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 私の伺っているポイントは、その後支給基準とか、支給地域の指定等についての話し合いが政府部内の事務局で行なわれましたね。そのときには、教育の特殊性というものが認められて、ああいう支給地域の基準等がきめられたと私は了承しているのですが、これ否定されますか。
  72. 安嶋弥

    政府委員(安嶋弥君) それは御指摘通りでございます。
  73. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 しからばお伺いしますがね。すでに内閣提出にかかる法律官房への提出期限は押し迫りつつあるのですが、次の用意があるか。なかったらおかしいと思うのですね。と言うことは、べき地教育振興法に基づく僻地手当ですね。これは僻地教育振興法の母法が小、中と限定をして作りましたから、商は落ちている。従ってあの僻地手当の支給は、同じ教育公務員で、同じ地域に勤めている場合に、小、中に対しては僻地手当があなたの骨折りによって支給される。ところが、同じ公務員地方教育公務員で高等学校の定時制とか、あるいは分校とかなるがゆえに、同じ地域に勤めておっても支給されないというのは、趣旨から言って非常に矛盾がある。従ってこれは教育公務員という立場から、僻地手当の支給については、同じ指定された地域に勤めているなら、小、中、高にかかわらず同じように支給されなければならぬというのは、これはもう理の通ったことだと思うのです。従ってそれに伴う改正措置が当然なされなければならない。なされないのは私は怠慢だと思うのです。そこで、これは立法措置でなくてはいかぬか、あるいは行政措置でやれるかやれないかということと、その用意をしているのかしていないのか。今あなたは会計課長になって、直接担当じゃないでしょうが、しかし予算を伴うことですから、どういうお考えかお答え願いたい。
  74. 安嶋弥

    政府委員(安嶋弥君) 高等学校教職員の僻地手当の問題でございますが、国立学校には何と申しますか、僻地あるいは隔遠地に所在する高等学校が現実にございません。従いまして政府職員給与に関する法律関連といたしましては、政府からその関係法律案を提出する必要はないというふうに考えております。そこで問題は、公立の高等学校の問題でございますが、これにつきましては、小、中学校とアンバランスが生ずることは適当でないということは、これはまあ御指摘通りでございまして、私どもといたしましても、そういう方向の措置は、これは行政措置で可能だ、その行政措置の根拠は、教育公務員特例法の二十五条の五だというふうに考えております。二十五条の五に基づきまして、公立学校の教育公務員給与は、これは国立学校の例によるわけでございますから、よりがたい場合には、これは論理上べき地教育振興法に基づきます小、中学校の僻地手当を基準として支給すべきものだ、教育公務員特例法の二十五条の五をそういうふうに理解しておるわけでございます。そういう解釈に基づきまして昨年の十一月の二十日ごろでございましたか、初中局長から教育委員会に対しまして指導通達を出しております。このことは御承知かと思いますが、その内容は、高等学校の教員の僻地手当については、小、中の教員と同じ僻地の指定基準を適用してもらいたい。これはそのまま適用することは実際上困難な部分がございますので、従って、もよりの小、中学校の給地で高等学校の給地をきめてもらいたい。そうしてべき地教育振興法に基づくあの定率で高等学校の教職員に対しましても僻地手当を支給してもらいたいという通達を出しております。そういう方針で文部省は行政指導をしておるわけでございます。それで十分かと思います。
  75. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一点緊急のことを伺います。今の問題は、あなた方、勤評なんかは非常に強力な行政指導をやるが、こういう方面の行政指導は不十分ですから、あなたは会計課長になった機会に公務員が喜ぶようなことについても、強力なる行政指導を特に要望しておきます。  それからもう一点は、きょうは具体的な問題だけ聞いて終わりますが、学年末で人事異動期に入っているので、非常に緊急を要するので、もう一点伺いますが、それは「い」「ろ」と二つに別かれる。「い」は、これもあなたは通じている。海外から引き揚げた場合の公務員の通算の問題、あの場合に外国で視学であった人は当然通算されますね、教育公務員だから。外国で視学であった人、それが内地に帰って教育公務員になった場合ですね、視学は教育に従事しているのだから当然通算されますね。お答え願います。
  76. 安嶋弥

    政府委員(安嶋弥君) ただいまは、通じているというおおせでございますが、実は私そちらの方、あまり通じていないのでございまして……。
  77. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 いや、あなたは大蔵省とずっと交渉してやられたのだから。
  78. 安嶋弥

    政府委員(安嶋弥君) それはそうじゃございませんで、人事課長がずっとその関係の交渉をやっております。昨年の暮れ、たまたま私この委員会に出ておりまして、矢嶋先生から御質問があったものでございますから、御指示に従って検討しますということを申し上げまして、その旨、所管の人事課長に引き継いでございます。従いまして、その後の大蔵省との折衝は人事課長としてやっておるはずでございまして、私その後まあ職も変わりまして、その後の経過は詳しく承知いたしておりません。
  79. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それは御迷惑かと思うが、緊急なことなんだから、もうよけいかからぬですが、聞きますが、あの趣旨からいって、あの視学というのは教育公務員ですからね、だから当然これは通算されるのは——あなた非常に警戒しているけれども、これは常識だと思って聞いているんですが、趣旨からいってそうでしょう。引き揚げの時間その他の条件さえそろえば、外地で視学であったというのは当然連続されるものでしょう。
  80. 宮地茂

    説明員宮地茂君) 今安嶋会計課長が言った人事課長とは違いまして、私ごく最近部署のかわりました者で、あまり通じていませんが、今の視学とおっしゃいます点十分はっきりはわかりませんが、今おっしゃる点は、いわゆる外地官署の所属職員という中に入るのではなかろうかというふうに、今ここで感じておりますが、もし余裕を与えていただけば、もう少しあと調べてみたいと思います。
  81. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それは余裕を与えましょう。  それから最後に伺いたい点は、この点に対する「ろ」ですが、これは給与局長に伺いたいと思うんです。こういうケースがこの人事異動期の前に起こっているのですが、どういう見解を持つか。それは公務員法の本人の意思いかんにかかわらず国の制度の変改のためにある事態が起こると、そういう場合は私は公務員に有利なような解釈をすべきじゃないか、原則的にね。本人の意思いかんにかかわらず国の制度が変つたことによって公務員に不利がおとずれるような場合には、公務員に有利な解釈をとるべきだと思う。それだけではわからぬかもしらぬですから、具体的に一つあげますが、それは昔この師範学校というのは県立だったですね。地方公務員だった。それが昭和十八年に国立になったんですよ。国立師範にね。だからもと県立師範に勤めるときは地方公務員だった。ところが十八年に国立の師範になったから、国家公務員になっちゃった。それでその教員は師範を卒業してその付属に行くわけですね。そうすると最初は県立、公立学校、それが十八年に国立になる。国の制度の変改によって国立になる。そして今度は附属から公立の学校に出るわけですね。そうする場合に国立の方で切れちゃって、そして退職するときの退職金を計算する場合に、同じに師範を出て一方は国立附属におってそうして公立に行った場合には、この国立の方で切れて、これからあとしか退職金に通算されない。ところが同期生でも卒業して同時に公立学校に行ってずっと通したのは、卒業したときから全部通算される。そうすると前者と後者では退職金が百何十万円違うというのが起こってきているんですね。今そういう年配の人が、ことしあるいは来年あたり卒業しようというのですが、そういう場合は本人の意思いかんにかかわらず起こったことだから、全部同じように通算さるべきものだと思うんですが、原則論として給与局長どういうようにお考えであるか、その点だけ伺っておきたい。
  82. 滝本忠男

    政府委員滝本忠男君) ただいま具体的にお出しになりました問題は、退職手当の問題でございますが、この問題は大蔵省が所管いたしておりまするので、その問題につきまして現実の取り扱いがどうなっておるか私十分詳しいことを存じませんので、私見を述べるのははなはだ危険だと思うのでありますが、ただ給与法関係におきまして、そういう本人の意思によらないで国の制度が変ったというようなことによって身分が変更されたというようなのは、国の措置としてはできるだけこれは有利に、考え得る限度において有利に考えてやっております。
  83. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 文部省の人事課長の見解もそうでしょうね。
  84. 宮地茂

    説明員宮地茂君) その通りでございます。
  85. 中野文門

    委員長中野文門君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。
  86. 中野文門

    委員長中野文門君) 次に、公務員定員に関する件、及び行政監察に関する件を議題として調査を進めます。関係当局より出席方々は、佐藤参議院管理部長、山口行政管理庁行政監理局長、原田行政管理庁監察局長、増子内閣総理大臣官房公務員制度調査室長、稲木行政監察局監察審議官、以上の方々であります。御質疑のおありの方は、順次御発言を願います。
  87. 横川正市

    ○横川正市君 まず、公務員制度調査室長の増子さんと、それから行管の監理局長の山口さんにそれぞれ同じ質問をいたしたいと思うのでありますが、これは国家公務員定員について、毎回の国会で、政府としては、増子さんの方では、公務員調査室の作業の進捗状況から、一つの結論が延びているという状況がありますし、監理局長の方では、それらの関連から実は今国会では定員関係について結論を出すと約束をされておるのであります。その二つの重要問題と関連してですね、まあ、この国会ももうすでに三月を迎えておるわけでありますが、どういう進捗状況にあるか、両者関連の立場に立ってそれぞれお答え願いたい。
  88. 山口酉

    政府委員(山口酉君) お答えいたします。定員職員定員繰り入れの問題につきましては、数年来国会でいろいろ御議論がございまして、行政管理庁といたしましても、現在のやり方には不備な点が多いということを認めておりますので、何とか解決方法をはかりたいと存じまして、継続的に関係方面、関係機関とも協議いたしまして審議いたしておりますが、今国会におきましては、少なくともどういうふうにあるべきかということの結論を出したいということを、今もってその方向を捨てておりませんで、努力いたしております。しかし時日が非常に切迫しておりますので、政府部内の意見をとりまとめをするということに、実際問題として非常に困難を感じております。御承知のごとく定員法は各省の定員でございまして、行政管理庁でそれをまとめて国会に提出する手続を進めておりますけれども内容につきましては、各省が一番詳細にわかっておるのでございます。それで、どうしても各省と協力していかなければならない立場にありますものですから、その連絡協議に非常に手間取っておりますことは、まことに申しわけなく思っております。早急に結論を出して国会の御審議をいただくようにいたしたいと努力いたしております。
  89. 増子正宏

    政府委員(増子正宏君) お尋ねのいわゆる定員職員の問題の解決とそれから公務員制度改正との関係でございますが、この関係は、実は今までの関係を申し上げますと、二つの段階があるわけでございます。まず最初の点を申し上げますと、御承知のように公務員制度改正につきましては、公務員制度調査会の答申が出ておるわけでございますが、この考え方におきましては、いわゆる現在の国家公務員のうち単純労務等に従事するものにつきましては、国家公務員の範囲外とするというような趣旨になっておるわけでございます。私ども公務員制度改正は一応こういうような思想をもとにいたしまして、いろいろな角度から検討して参ったのでございますが、私ども検討の結果におきましては、その答申の趣旨をそのまま実現することにつきましては、いろいろと困難な点、あるいは支障があるという考え方で、今日におきまして、この線に沿った改正を行なうということは考えていないわけでございます。ただ、従来そういう形で検討いたしておりました関係もありまして、定員制度の合理化あるいは定員職員定員化という問題を解決する場合には、もし公務員制度調査会の管申のような措置が行なわれるものと前提いたしますと、これがきまらない限りは、定員制度ないしは定員外の職員定員繰り入れということもできないということが一応言えるわけでございます。すなわち現在定員外におります職員をそのまま定員化いたしますと、別途国家公務員法の改正によりまして、単純労務は国家公務員でないというような改正が行なわれることになりますと、せっかく定員化した者のうちから、また定員外といいますか、国家公務員でない範囲に出すことになるのでありまして、そういう意味でまあ無用の混乱を起こすということから、まず公務員制度改正して、その上で定員外の職員の問題を解決するというような考え方が従来とられておったわけでございます。ところが、われわれといたしましては、単純労務というような形で公務員外にするというような措置は、いろいろ検討の結果きわめて困難であるという結論に達したわけでございます。で、そういう意味において公務員制度改正しなければ定員化の問題はできないということは、今日の段階では言えなくなっておるということでございます。しかしながら、一方でいわゆる定員外の問題を解決するということを行管中心でいろいろ検討された結果、かりに現在おります定員外の職員を、そのまま全員定員化いたしたとしても、将来同じような定員職員が次から次に発生するようでは、問題の解決にならないという意見が出て参ったわけでございます。そこで、そういう面からつまり今後定員職員というようなものがいたずらに発生しないというような意味で、公務員制度として何か方策がなかろうかというような点が新しい問題の観点として出て参ったわけでございます。で、そういう角度から、私どもとしましてはいろいろ検討いたしたのでございますが、それはあくまでいわゆる常勤職員定員内の職員と同じような勤務状況、勤務関係にある者については原則として定員化するということが望ましいと私ども考えたわけでございます。それならばいわゆる臨時職員とか、あるいは日雇い職員等におきましては、ほんとうに常勤職員としての実態を備えているものと、それからそうでないものとをどのようにして区別するかという問題があるわけでございます。そういうことで私どもとしましては、いわゆる定員外の職員をその実態によって定員化すべきものはきちんと定員化するということを前提にして問題を考えたのでございます。しかし、先ほど山口監理局長から御説明がありましたように、こういった取り扱い方につきましては、各関係省におきましていろいろと御意見、御議論もあるわけでございまして、それらの調整ということにつきましては、現在まで最終的な段階に至っていないということでございます。まあそういうことを背景にいたしまして、行管の方では、先ほど監理局長から御説明あったような意味で、まあ根本的な面から定員制度検討しているという状況と私承知しているわけでございます。
  90. 横川正市

    ○横川正市君 時間がないのが残念ですが、私は、この速記録は三十四年の四月のときの、山口さんが行管のときの速記録なんですが、それによると、山口さんは国家公務員法の改正というものとにらみ合わせなければならないけれども、その責任の大半は自分が負わなければならないので、大体三十五年度には趣官に沿うて結論を出したいという、こういう答弁をやっているわけであります。そのほかに各所にこれと類似の答弁がありますので、私は少なくともこの国会にはその方向に向いて努力した結果が当然出てくるものと、こういうふうに考えておったのでありますが、それがまだ今いわれたような段階だ、今、室長とそれから局長から答弁のあったような内容で私はここでやりとりすることは、時間がありませんから省きたいと思う。そこで第一点は増子さんのこの結論は、大体まあ答申と内容は違いますけれども、この結論はどういうふうな経過を経て、しかも時間的にどう落ちつくものか、その見通しについてお聞きしたいと思うのであります。そうでないと、この結論は、大体私もそれほど異論をはさむ内容のものではないと思いますが、こういったことがはっきりしないと、行管としても、おそらく行管独自で独走するわけにいかないという考え方も、私はある程度持つ結果になるのじゃないかと、こういうように思うわけでありまして、公務員制度調査室としては、今のいわゆる単純労務と複雑な内容を備えた業務に携わるものを分けたいというような答申から離れて、そうして当面差し迫って全体的な公務員制度についての結論を持たないが、定員の問題と関係してこの程度のことならばやってもいいのじゃないかという結論が出るならば、これに私は越したことはない。今いった内容であれば、ある程度私どももそれほどむずかしい内容だとも思いませんし、それから一般にこれは受け入れがたい内容だとも思わないわけですから、そういう点で見通しですね、これに一つ明らかにしていただきたいと思います。
  91. 増子正宏

    政府委員(増子正宏君) 先ほど申し上げましたように、私どもで考えております案は、いわゆる常勤職員としての勤務態様といいますか、勤務条件を具備しておるものは定員化するという前提での考え方でございます。で、もちろん全員を定員化するということは、実は私どもの方の所管でございませんので、これは行政管理庁で検討していただいておるわけでございます。この点について最終的な見通しが立ちさえすれば、それと合わせまして私ども改正も行ないたいというふうに従来考えてきておったわけでございます。しかし、この全員定員化という問題につきましては、なおいろいろと検討すべき問題が残っておりまして最終的な結論まで得ていなかったのが、今日までの状況でございます。従いまして私どもの方の改正作業も一応進行をそこでとどめておるという状況でございます。
  92. 横川正市

    ○横川正市君 監理局長にお尋ねいたしますが、まあ前任の山口管理庁長官は、国会の答弁では、まずこの定員法によるワク内操作というものが非常に現実に沿わないという点は、これは明確に認められて、ただ、その予算その他から定員法をはずすか、はずさないかについての結論は、まだ検討の段階だという答弁をいたしております。しかし、それは合わせて三十五年度においては必ずこれを実現するようにいたしたいと思います。というのは、その非常勤や常労なんかのワクをかかえ、実態もきわめてその定員法のあることによってそぐわない内容になってきているから、こういうことも含めてこれを検討したいということと、もう一つは、定員法施行当時の実情と現状とを合わせて見ると、定員法を施行した当時とはいささか内容も変わっているので、この点についても検討してみたい。そしてその結論は大体三十五年度以降は一応一切のものを定員内に繰り入れて定員費のもとにおいて処理していくべきであったか、あるいは定員法と予算の問題とをにらみ合わせながら行政の運営というものを正しく運営しなければならないという方向で定員のワクをはずしていくか、いずれにしてもこれを明快にするということを約束しているわけなんです。それがまだ本日に至ってもあなたの方から何らの意思表示も国会にはされておらないわけでありますが、その進捗状況といいますか、その点についてどういうふうに進んでおられるのか、お尋ねしたい。
  93. 山口酉

    政府委員(山口酉君) 前行政管理庁長官が、三十五年度には何らかの結論を得るようにしたいという意見を申し上げておりますことは承知いたしておりますが、この問題は各省に関連いたしますし、予算には非常に大きく影響いたします関係上、行政管理庁におきましては、長官の御方針に従いまして解決をはかるべく努力をして参りましたのでございますが、関係各省間における意見の調整がいまだ十分に行なわれません現在の状況といたしましては、前長官も申されておりますように、定員法そのものについての疑義もございまして、定員法というものの存在意義を再検討いたしておるわけでございます。で、これらの点につきまして関係行政機関と数回にわたって協議いたしておりますが、完全にはまだ意見が一致いたしておりません。大体の方向といたしまして定員法というの石どうも運営上非常に困難があるし、これは再検討すべきものであるということにつきましては、意見が大よそまとまっておりますけれども、最終的段階にはなお数目を要するのではないかと考えております。
  94. 横川正市

    ○横川正市君 私はこの定員法の持っております使命というものは、大体これはもうその使命を果たしてしまって現在無用化しつつあるのではないか、こういうふうに見ておるわけであります。この定員法施行のときに私どもはまっこうから反対いたしました。それはこの定員法を根底にして、業務に忠実でないとか何とか、何らその理由をつける必要のない者まで、定員の法があるから何名まで人員整理をするのだというので、ワクに入れた者をほとんど一様に何名までというものを首切りをしたわけなんです。ですから首切りをするために必要な法律としては、この定員法というものは当時必要な法律案だったのです。ところがその後日本の経済情勢も安定し、それからサービスも逐次戦前に向かって復活してくる。業務量は増大をする。そうなって参りますと、先ほど増子さんの言うように、定員法のワク内で常在員と同一業務をしておる者が定員法のワク外で非常勤とか常労とかいう形になって仕事をしておる。本来ならば私は公務員のワクというものは、この非常勤も常労も含めてワクと称すべきものなのに、定員法があるために身分上の差別を受けて働かざるを得なくなってきておる。ですからその情勢の判断からいたしますと、これはもうすでに定員法というものの政府が考えてこれを実現した役割は全部果たしてしまって、今はもうじゃま者になってきておるのだと、殊に現業関係の業務をどんどんやらなくっちゃならないところは、このことによってサービス改善がおくれたり、業務の進捗がおくれたり、作業の当然やるべきものがどんどんあとに残されたり、しかも内部には不平不満が内在してきてそして能率が上がらないと、こういう点でまさにこの法律というものは悪法になりつつあると、運営上からいってそういうふうに考えておるのです。聞くところによれば、今も縮小作業のような格好になっております一部の小さな、職能的に言いますとそういうものの中に、定員法があるから、仕事がなくてもその官庁にいつまでも在籍することができるのだと、まあ例にとると非常に微々たるものであるし、それからあまり歓迎すべからざる理由によって定員法の存置を願うなんという向きがあるかのごとく聞いておるのであります。それは私はいささか理論的に言っても間違いだと思うのですよ。そういう現状判断をして私どもは考えた場合には、定員法のワクを払ってもう近々の要務として要望されておる人員の配置とか、あるいは業務の処理とか、こういったものが並行して行なわれることが正しいと思うのでありますけれども、行管としては、普通の行政管理庁の問題から各省を見てみて、その点はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょう。ただ今聞いたところによれば、各省が一番よくその業務の内容を知っておるのでありまして、行管としてはどうもその実務に携わっている各省の実力者の方が何か優先するような意見を吐かれておったようでありますが、その点私としてはきわめてふに落ちかねるものです。まあ、あなたの意見に反対するということになれば、一部小さなところで仕事がだんだんなくなるが、定員だけを置いておきたい、いやまた、そこにいれば安泰だというところだけが私は反対をするのじゃないかと思うのでありますが、その他にも事情があるとすれば、その事情も一つ明らかにしていただきたい。
  95. 山口酉

    政府委員(山口酉君) 定員法のワクをはずす問題につきましては、国会の論議といたしまして従来現業官庁については定員法でしばるということについては合理性がないという御意見がございまして、政府側の答弁としても、そういう関係の大臣からその趣旨を了解したような御答弁がなされているものもございます。その理由といたしましては、企業の経営について人数を限定するという必要はないというようなことで、私どももそういう一つの理論があり得ると存じておりますが、さらにそれと同じ趣旨をほかの公共事業でありますとか、その他の業務の中に広げて考えてみるということも必要でございますので、単に現業関係のみならず、現行の定員法というものはただいまお話のありましたような歴史的経過をたどっておりますけれども、これは特殊のものでございまして、他国の例等に見ましてもあまりないものでございますので、実は定員法というものの存在そのものの意義が果してあるのかないのかということについて検討いたしました結果、一応定員法をはずすという線が出せるのではないかということで、一つの案といたしまして各省とお打ち合わせをいたしておる次第でございます。しかし、何にいたしましても十年間この制度を実施いたしましたために、自然にこういう制度にたよって運営している業務が各省の関係であるようでございます。従ってその方面からいろいろ意見が出ております。しかし最終的には、定員法そのものに対する再検討をすべき時期であるということに落ちつくのではなかろうかと実は観測はいたしておりますが、そういうことで目下せっかく関係各省の間の意見調整に努力いたしております。現業官庁の間におきましても、実はその現業を管理いたします所管の各省といたしましては、まだ明確な態度を表わしておりませんので、行政管理庁で一応考えました一案につきまして、さらに実現可能かどうか、さらに一歩突き進めた意見調整をする必要があると考えております。
  96. 横川正市

    ○横川正市君 時間がないので……、私は山口さんの意見をここへ引っぱり出したわけで、現在の益谷管理庁長官に意見が全然ないかというとそうではなしに、お年もお年でありますから、現役の長官にここで過去のあれを引っぱってどうこう言うのもどうかと思いまして、きょうは今までの経過を十分知っておられますし、それから政府はもう前々から何回にわたって、このことは国会で山口さんと同じような約束をして答弁をされていることなんであります。それが今もって実現されないというところに私は問題があろうと思う。ですからその点を十分一つ考えていただきまして、この定員法の不必要性というものは、もうだれが見てもその点は指摘できる点でありますから、その点を是正する方向に向かって定員の処置が正しく講ぜられるように努力していただきたいと思うのであります。時間がないので私はきょうもっと詳細お伺いしたいと思ったんでありますが、そういう要望をいたしてやめておきます。
  97. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 今全国で教職員定員が非常にやかましく論議されておりますが、これに関連して二、三お伺いしたいと思いますが、その前に行管の監察について基本的なことを一、二お伺いしておきたいと思います。  まず、行管の監察については、行管の設置法の第二条第十一項ですか、ここに任務が明確になっておりますのでその点は理解できるわけですが、大体監察の過程において個々の上不正あるいは、不当が出てきた場合は、それは監察の目標でないにしても一体どう扱うのか、ここに疑義がございますのでまず伺っておきたい。
  98. 原田正

    政府委員(原田正君) ただいま御質問のありました監察の過程において出て参りました個々の不正、不当等の事案についての取り扱いの方針でございますが、行政監察といたしましては、その最も大きなねらいをそういうふうな不正、不当等の起こります根源でありまする行政上の制度、あるいは運営等の根本的な改善是正をはかるということを目的といたしておるのであります。しかしながら、監察の結果出て参りました個々の不正、不当事案をそのまま放置をいたしておるのではございません。現地におきまして調査しました管区行政監察局あるいは地方行政監察局におきましては、相手方に連絡をして是正を求めることができる。こういう事案につきましては相手方に連絡をしまして是正を求めております。それからそれを中央に報告をいたしまして、中央としまして相手方省等に連絡をして是正をしなくちゃならん。こういう問題につきましては中央に報告して参りまして、中央といたしまして、相手方の各省に連絡をして是正を求めております。われわれ行政監察局が直接個々の不正、不当事案を直ちに是正せしめるということではなくして、監察をしました対象でありまする相手方に連絡をして、相手方の是正措置を求める、こういう方針でやっておる次第でございます。
  99. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 行管が監察して、監察の結果勧告を出す。その場合当該官庁が勧告に対する回答書を出す。そしてさらに何らかの措置を講じなければならない、こういうことになっているようでありますが、その際勧告通り忠実に運営面の改善をはかれば、これは問題がないわけです。ところが、省庁によってはなかなか成果が上がらないで、何ら勧告をしても意味がなかったというような事態も考えられるわけです。そういう場合は、一体どうするのか。勧告しっ放しで行管としては拱手傍観するのか、何らかの手を打つべきであろうと思うのであります。その際の措置を承っておきたい。
  100. 原田正

    政府委員(原田正君) 勧告しました結果につきましては、相手方の省庁はそれに対しまして回答をしなくてはならぬということになっております。従いまして、勧告しました結果については、すべて相手方から回答が参っております。しかし、その回答の来ました場合におきまして、その内容が必ずしも具体的にこういうふうな改善が行なわれたという、そういう程度に達しておらぬ、そういう場合もありますし、また中には、われわれの勧告した事項につきまして、必ずしも全面的に受け入れることができないというふうな回答の場合もあるわけでございます。そこでまず最初の相手方の回答について今後十分検討するとか、あるいは考慮するとか、そういうふうな回答のある場合がございます。そういうものにつきましては、私どもといたしましては、そういう回答を受けました後、さらに六カ月を経ましてその後の措置がどうなっておるか、こういうさらに回答を求める、こういう措置をとることにいたしております。そういうふうな結果によりましても、まださらに改善が行なわれない、こういうものについては、われわれはさらに次の監察計画、あるいは勧告の結果を推進すると申しておりまするが、それを推進せしめるような意味の新しい監察もやる、こういうこともいたしておるような次第でございます。
  101. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 そうしますと、一応勧告しても成果が上がらなかった場合には、さらに六カ月たって勧告する。それで成果が上ればいいわけですが、なかなか勧告くらいでは、省庁によっては成果が上がらない場合が今までもあったろうと思います。そういう場合に、監察局に勧告以外に何らの権限もないのかどうか、もうそれを繰り返す以外には権限がないのか、そういうことであるならば、なかなか行政運営改善をはかるべき監察局の任務としては、なかなか弱体で成果を期しがたいのではないか、こういうふうに考えられるが、こういう点どうですか。
  102. 原田正

    政府委員(原田正君) 現在の設置法上の権限といたしましては、勧告に対しまして回答を求める権限があるのでございます。それ以上に勧告を強制する権限、これはもちろんございません。従って勧告した結果の実現を期するということは、まず監察のその内容というものが十分に充実しておる、具体的なしかも実証的な裏づけがしつかりしておる、そうして相手方を納得せしめて実行に移していく、こういうことが最も必要なことと考えておる次第でございます。そういうことにわれわれといたしましては十分に努力を尽くさなければならぬ。しかも、現在の状況から申しますると、われわれ行政監察のねらいというものが、単なる不正、不当等の指摘ではなくして、相手方と相協力して、国の行政を改善していこう、こういうふうな意図でやっておるということが各省にも十分徹底しておりまして、今までのところ、われわれが合理的な実証的な積み上げの上にやった勧告に対しまして、非常なる反対をし、それが実現がはばまれておるというふうな実情は、ほとんどないような状況でございます。
  103. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 それでは具体的な問題についてお伺いしますが、昭和三十三年十二月に、行政が文部省に対して、義務教育費国庫負担に関する勧告をして、その中で教職員の定数に関連した監察をし、勧告をしておると思うわけです。それからだいぶ日時もたっておるし、先ほど来の御説明で、相当成果が上がらなければならないはずですが、はたして文部省がこの勧告に対して、十分趣旨を尊重して、勧告の趣旨に従った改善をはかっておるかどうか、こういう点を行管の立場からお伺いしたい。
  104. 原田正

    政府委員(原田正君) 三十二年に行政監察の結果に基づきまして、義務教育費国庫負担に関する行政監察の結果に基づきまして、文部省に勧告をいたしております。その内容の重点と申しまするものは、業務運営の基本的事項といたしまして、府県における学級編成の基準並びに教職員配置基準というものが各県まちまちである。こういうことではいかぬではないか、文部省としまして適正なる基準を設定するように、こういう意味の勧告をいたしておるのでございます。これにつきましては、文部省としましては、この監察の結果というものは、まことにごもっともなことであるということで、さっそく各府県における学級編成基準の改善及び教職員配置基準の不均衡の是正については、目下その改善検討中であるという回答を、三十二年の六月二十二日によこしまして、その後鋭意基準の策定に努力をして、昭和三十三年の正月には、公立学校義務教育諸学校の学級編成及び教職員定数の標準に関する法律というふうな法律が制定されたようないきさつもあります。かように勧告の結果というものが、あるいは法律の制定とか改正を要するとか、あるいは予算を要するとか、こういう問題につきましては、相手省だけで簡単に直ちに改善することのできない場合もありますが、われわれの勧告の線に沿って、鋭意そういう方面に努力し、ただいま申しましたように、文部省は勧告に対しましては法律の制定も見た、こういうふうに実効が上がっておるような次第であります。
  105. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 教職員の定数決定の基準は、言うまでもなく学級数と一学級に対する教員数と、こういうことで算定しておるわけですが、これが現在非常に今まではまちまちであった、そういうところに大きな問題があったわけけです。行管の監察によって、こういう点は是正されたのかどうか、現在は是正されておるかどうか、そういう点をお伺いしたい。
  106. 原田正

    政府委員(原田正君) ただいま申しました通り、私どもとしましては、勧告をしまして、その結果法律が制定されました。その後の実施状況につきましては、ほかの監察項目等がありまして、実は実情を見ておらない次第でございます。
  107. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 学級編成については、私が言うまでもないのですが、学校教育法施行規則に、一学級の生徒数は五十人以下でなければならないという意味の規定が明確にあるわけですね。ところが、その当時の監察によりますと、小学校については最高が愛知県の六十四名、実に六十四名。それから和歌山が最低であっても五十三名、なお大体五十八人から六十四人が大多数の県であると、こういう監察をしているわけであります。なお、中学においては五十五ないし六十人が大部分である、こういう監察をしているわけであります、ところがこういうことについて、一学級五十人以下でなければならないという、文部省のそういう取りきめがあるにもかかわらず、これが依然として現在もこれは是正されておれば別ですが、この実態は現在どうなっているのか、あれからもうだいぶ、三年以上たっておりますが、相当成果は上がったと思うのですが、この点を伺いたい。
  108. 原田正

    政府委員(原田正君) ただいま申し上げました通り、新しい基準の法律ができまして以後、その面の監察をやっておりません。従って私どもとしますれば、もうそろそろその新した法律に雄づく基準というものが、励行されているかどうか、こういうものを監察すべき時期に来ているのではないか、適当な時期に、それを実施をいたしたいということを、実は考えているような次第でございます。
  109. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 ここできわめて遺憾な点は、その監察当時、文部省のいわゆる学校教育法施行規則に明記のある五十人以下でなければならないと、こういう点が、例外としても一県もないのですね。全然五千人以下の編成をしている当該県がなかったという事案。その当時はそうであったわけであります。現在はそういう県が若干できているわけでありますか。
  110. 原田正

    政府委員(原田正君) 今答弁申し上げました通り、実はその後の実情を監察いたしておりませんので、答弁いたしかねますが、今申しました通り、必要な時期に、そういうことの監察もやってみたい、かように考えている次第であります。
  111. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 文部省は口を開けば、教職員に対して、法規、法律を守れということを強調しているわけであります。その最もいい例が勤務評定で、これも法律にあるのだからということで、非常に強硬にこれを実施してきた、これはもう明らかな事実である。ところが、一面手のひらを返すと、文部省自体はそうやって、他には法令、法規の厳守をさせて、自体においては、みずから作った施行規則自体が何ら守られていない。そこでなおこの学校教育法の施行規則を見ますと、五十人以下でなければならぬと言っておきながら、願い出があれば五十五人までは許可する、こういうばかげた規定まであるわけですね。そういうことだから、なかなかこれは守られぬと思うのです。これは非常に重大な問題だと思うのですけれども、行管においては、その後どのようにこれを把握しておられるか。
  112. 原田正

    政府委員(原田正君) 前にもお答えいたしました通り、その面の実態は、その後監察いたしておりませんので、実は十分把握しておらない次第であります。
  113. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 これは一度監察し勧告して、それに対する回答、さらには何らかの措置を講ずると、目標は、やはり行管の監察局の存在の意義は、行政運営改善にあろうと思うのです。ただ通り一ぺんに勧告だけにしておけばいいと、そういうことではなかろう、そういう点については、先ほど指摘があったわけです。まさにその通りだと思う。そうだとすれば、そういう国の大事な問題が、いたずらに何ら改善されていない、それでは監察局存在の価値がないじゃないか。やはり一たん監察した以上、あくまでも所期の目的を達成させなければならないと思うわけです。ところが、文部省の例のすし詰め学級解消の政策をみても、非常に遅々として進んでいない。試みに本年度の計画を見ますと、こういうふうになっておる。三十四年度は、小、中、五十八、五十四、三十五年が五十六、五十四、三十六年が五十六、五十三、三十七年が五十四、五十二、まだこの段階でも解決されない。こういうことでは、監察局存在の意義はないと思うのですが、これに対して強く、これは監察に対する勧告しかないということであるので、これはもう何回でも繰り返し監察することが必要であろうと思うのです。この点いかがですか。
  114. 原田正

    政府委員(原田正君) 法律が制定されましても、それが励行されなければ、法律の価値というものがないわけです。私どもといたしましては、三十三年五月に新しい基準が設定されまして、もう二年ほどたちまして、そろそろその実施の状況というものを見ることも必要かと存じておる次第でございます。行政監察につきましては、ただ単に一片の監察をもって能事終われりとせず、その後の実施状況についても、あくまでも推進していきたいと考えておる次第でございます。
  115. 伊藤顕道

    ○伊藤顕道君 御承知のように、世界教育憲章というのがございますが、これによりますと、世界の各国、いずれも一学級四十人以下でなければならないと、そういう意味のことが明記してある。これは各国の統計を見ますと、はっきりしておりますように、いずれも日本以外の先進国は一学級の内容はほとんど四十人以下になって、日本だけが飛び抜けて五十人以下、事実は六十人前後が現状です。こういうことではなかなか教育の成果は期しがたいのです。  そこで最後に資料の提出をお願いしますが、三十三年度の監察計画の中で、これは後にも関係があるので、ついでに、直接今お尋ねしておることに関係ございませんけれども、他に関係がありますので、この際合わせてお願いをするわけですが、三十三年度の監察計画の中で、防衛庁の業務監察の結果の勧告、回答、その後の措置、これはできておると思いますので、それを御提出いただきたいということ。それから、三十四年度の監察計画要綱を提出いただきたい。そして、その監察の結果の勧告、それに対する回答、何らかの措置、こういう資料は、すでに作成されておれば即刻出していただきたい。もし作成されていない場合には、でき次第一つ提出いただきたい。以上、二つの資料の提出をお願いして、時間の関係で、本日は終わります。
  116. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  117. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記をつけて。
  118. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 先ほどの横川委員質問に対しまして、山口局長、公務員制度調査室長の御答弁を伺っておりますと、若干食い違っているような印象を受けるわけであります。それで、もしそうでなければ恐縮でございますが、その点から一つ伺いたいわけですが、室長のお考えは、全員定員化をする、若干いろいろ問題があろうけれども、問題があるのは全員定員化をしてみたが、しかし、次から次へ、また定員化しなければならぬものが出てくるという点と、もう一つは、ほんとうに日々雇い入れるような人たち、ガラスふきあるいは若干掃除をするとかいうことで、日々雇い入れる人は、これは問題外というふうな印象を受けるわけですが、そうしますと、室長としては、定員法をなくするということについては問題があるというふうにお考えでいらっしゃるのかどうか、どうもそのように受け取れるわけですけれども、その点についての室長のお答えを伺いたい。
  119. 増子正宏

    政府委員(増子正宏君) 私どもといたしましては、定員法がなくなれば非常に困るというふうには必ずしも考えておりません。定員法はそれなりの目的があって現在まで行なわれておるわけでございますから、もし目的を達成しておるということであればやめることも可能であり、そのために公務員制度上非常な支障が起きるというふうには必ずしも考えておりません。ただ、定員法は、御承知のように、一応職員のワクを示しておるものでございますが、現行制度上は定員法ばかりでなくて、予算上のワクもございます。それからまた給与制度の上では、いわゆる級別定数というワクもございます。いろいろなワクがございますので、そのうちの一つ定員法のワクがまあはずれるというように私ども考えておるわけでございます。しかし、それかといって、今後全然何にも影響がないかというふうにも必ずしも考えていないわけでございまして、たとえば予算の組み方が今後一体どうなされるかという問題、あるいは期限付きの職員等の任用上の扱いがどういうふうになるかということは、現在では人事院規則の段階で処理されておりますけれども、それらの問題がどうなるかということは、実際の動いている公務員制度としては非常にやはり重要な問題であろう、かように考えております。
  120. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 山口局長は、定員法の存在意義が検討されて、その結果定員法というものはなくするというお考えに立っておられるように思うのです。そこでこれに関連しまして二つほど伺いたいのですが、従来政府は、定員外常勤職員の処遇改善のために、定員内に繰り入れるということによって処遇改善を行なってこられた。今回定員法をはずすというお話しでありますが、それによって定員内に繰り入れたと同じような処遇改善が行なわれるものかどうかという点が一つであります。  もう一つは、定員法をはずすが、国家行政組織法の第十九条にありますところの職の定員はおきめになるのかどうか、二つを伺いたい。
  121. 山口酉

    政府委員(山口酉君) かりに定員法をはずしました場合に、常勤職員の処遇改善の問題はどうなるかというお話しでございますが、これは定員法というものが処遇を改善するとかしないとかということの問題になります点はどういうことにあるかと申しますと、一つ定員法から直接起こる法律的な効果がございます。もう一つは、定員法というものに一応基準を置いて法律的ではないけれども、実際の取り扱いとして予算措置等の、予算の組み方等において差別をつけておるという問題があるわけでございます。そこで、この前者の問題はどういうことかと申しますと、定員法におきましては、二カ月以上の雇用をする者は定員法に入れる建前をとっておりますので、常勤している職員であっても二カ月の雇用にしておるわけでございます。で、事実上は継続するようなことになりましても、これは期間更新ということでやっておるのでございまして、二カ月ごとに首を切られる状況になるわけでございます。そのことは各省がそれぞれ人事の運営といたしまして、長期に雇おうとすれば予算もございますし、定員法のワクがはずれますと二カ月で首を切る必要の現実にあるものはそういう取り扱いをするし、そうでないものにつきましては、各省の人事方針で長期雇用ができるということになりますので、その面につきましては、従来の定員繰り入れと同じ効果があるわけでございます。でもう一つの問題につきましては、これは定員に繰り入れましても繰り入れなくとも、実は法律上の効果として何ら異ならないのでございますが、従来の慣例といたしまして定員に繰り入れましたものは、予算上現員現給で組んでおるというふうな点がございます。でその取り扱いにつきまして定員に繰り入れれば、直ちに当然現員現給になるのだということは、必ずしも今後の予算方針としてとられるかどうかということは、定員に繰り入れることでは当然に起こって参ります。しかし、この処遇改善ということで定員に繰り入れろという要求として起こりました裏の実情と申しますか、希望といたしましては、定員に繰り入れしておいて、長期の雇用ができるようにしておいてそうしてその上で予算措置も講じてもらおう、こういう含みでやっておることはほぼうかがわれるところでございます。そういう点につきまして、定員法自体の事実上の常勤職員について、その取り扱いの障害になっております点は、繰り入れた場合と、それから撤廃した場合と、その法律上の効果については同様でございます。
  122. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 もう一点。国家行政組織法の第十九条にいいますところの職の定員は、おきめになるんですか。
  123. 山口酉

    政府委員(山口酉君) 組織の問題といたしまして、現在職がきまっておりますのは、組織法を御審議いただきまして、その範囲内で職の定数はさまって参っておりますけれども組織法にありませんその他の全体の職の定数というものは、今はきめてないのでございます。しかしながら、職の組織上、職の規模をきめるということにつきましては、やはりそういう必要性があるという議論が政府部内でもございますので、その点について目下研究しておりますけれども、まだ早急に結論が出せる状況にございません。
  124. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 定員法をなくした場合と、それから定員法の定員の中に繰り入れていった場合と比較をいたしました場合に、おっしゃるように、同じような効果を生む面もあります。ですけれども、そうでない面があると思うのです。それは、撤廃はしましたが、人夫賃、常勤給与、これが職員給与になるのかどうかという点については、非常に大きな問題がありますし、今局長がおっしゃいました定員内に繰り入れてみても、今後の予算編成との関連で、なかなか定員内になったと同じような効果を生まない場合もある、そういうお話しですと、これは大へんな問題のように思うんですがね。これはいずれ今後の成り行きを見なければならないと思いますが、これは非常に大きな問題だと思う。それから、十九条にいう職の定員をきめるという考え方が有力だというふうにおっしゃるわけですが、これは局長何名、課長何名、課長補佐何名、それに係長何名というふうにおきめになるんじゃなかろうかと思うのです。そうしますと、それは一体どういう意味を持っておるのでございましょうか。行政機関定員はわからない。なくなる。しかしそういう係長とか、課長補佐という数はあるんだというお話しですね。従来各省の中でも、特別調整額、予算の上では管理職手当というふうにいわれておるわけですが、その管理職手当を係長まで拡大をしたいという意見があるわけであります。これは非常に大きな金額等にもなります関係もあって、実現をしないでいるように思っておりますが、何かそれとの関連等があって、これはやはり職の定員じゃなくて、何か労務対策的な考え方がにじみ出ているような印象を受けるわけですが、そういうふうな考え方があるんでしょうか。
  125. 山口酉

    政府委員(山口酉君) 将来の予算編成の問題につきましては、これは三十六年度以降の予算でどういうふうな組み方をするかということについては、今後関係の各省の常勤職員実態とにらみ合わせて、その組み方をきめていかなければならないと思います。現在は、定員職員定員職員とについて、組み方を変えておりますが、この定員法がなくなりますと、なくなったあとを予想いたしますと、あとの組み方はどういうふうにするかということが、当然これは問題になってくると思います。で、予算編成の先の問題、三十六年度の問題になりますので、今、私どもがこの場合にこうなるのだということは、公式に申し上げられないことを御了承いただきたいと思います。いずれ各省の実情に応じて、それぞれ具体的に折衝してきめることでございますけれども、しかし、今の私どもの考え方といたしましては、これは各省に共通した面がございますので、大蔵省とそれから各省、それに公務員制度とかあるいは人事院とか、私どもも参加いたしまして、一つ共通の協議する場を持って、そこでこの問題を解決していきたい、かように考えております。  それから職の定数の問題でございますが、今議論にあげております点は、実は早急に結論が得られそうな見通しにありませんので、まだ申し上げる段階ではございません。
  126. 鶴園哲夫

    鶴園哲夫君 どうも長くなって恐縮ですが、一つだけ。職の定員をおきめになるというようなことになりますと、これは公務員法を施行する前の官吏制度に非常に類似した形になるような印象を受けるのです。十分一つ先ほど来申し上げたような点等も御勘案の上、慎重な御配慮を願いたいと思います。以上で終ります。
  127. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 ただいま質疑応答が行なわれています定員法の存廃の問題並びに常勤職員の問題については、重要な要素を持っていますので、私はまた他日ゆっくり質疑いたしたいと思いますが、その解決する、あるいは質疑するときまで待てない問題がありますので、わが立法府に限定して、しかも立法府の中の国立国会図書館に限定して、この定員の問題をちょっと質問いたします。まず、事務総長に伺いますが、国立国会図書館の予算編成の際に、大蔵事務当局と折衝するのは、参議院事務総長がやるのか、衆議院事務総長がやるのか、あるいは両院の事務総長が相談してなされるのか、どうなっているのか、それをまず伺いたい。
  128. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 国立国会図書館の予算につきましては、主として責任を負うのは、国立国会図書館長、図書館長は現在おられませんから、副館長でありますが、図書館の責任者がなされまして、これを両院の議院運営委員会、衆議院には図書館小委員会というのもございますが、両院の議院運営委員会、あるいは衆議院の図書館小委員会あるいはその長が、側面からいわば援助すると申しますか、支持をするといいますか、そういうことをいたしますが、主としてするのは、図書館長がするべきことでございます。
  129. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 現在、図書館の定員は何名ですか。
  130. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 総定員六百二十八名でございます。
  131. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 それには図書館長が入っていませんね。
  132. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 除いております。
  133. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 図書館長が長く欠員ですが、図書館長いなくてもやっていけそうですが、どうですか。
  134. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) まことに国立国会図書館長の地位というものは重要な職責を持っておりますので、私ども事務当局としては、一日も早く選任していただくことをお願いしたい。
  135. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 いい機会だから参考に伺っておきますが、図書館長は、両院の議長が議運の協議を経て任命することになっているのですが、議長を補佐する事務総長は、図書館長の候補選考等について諮問を受け、補佐しているのか、いないのか、内容を言わないでよろしいですから。副館長としては早急に必要だということなんですね。どういう事情か簡単にお答え願いたい。
  136. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 図書館長は両院の議長が任命をいたしますが、議長は両院の議決に基づいて任命をいたします。いずれにいたしましても、参議院であれ、衆議院であれ、図書館長の任命については、ハウス自体としても、議長としても非常な権能と責任を持っているわけであります。従いまして、現実にこの問題を心配いたしておりますのは、議長及び議長の諮問を受けてもろもろのことを議長に答申していく立場にある議院運営委員会でありますが、議院運営委員会の理事会におきましては、昨年金森館長がやめられまして以来、数次にわたってこの問題は相談をいたしております。また、衆議院ともいろいろ意見の交換等もいたしております。それで議長といたしましても、議院運営委員会の理事会といたしましても、最も早い機会に図書館長の選任をなすべきだということは考えておりますが、それにつきまして図書館長の任命の形式等、現在の図書館法の内容自体でよろしいか、また内容自体でよろしいとしても、実際の問題として両院あるいは両院議員の多くの人の意見が一致しなければなりませんので、そういうことには、どういう方面の方がしかるべきかというようなことで、種々相談はいたしておる現状でございます。
  137. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 図書館長は国務大臣待遇であり、特殊な権能を持っているし、また、図書館自体、国会議員へのサービス機関であり、一般国民に対してのサービスの使命を持っている。従って、やや事務総長に対しては無理かと思うが、あえて伺っておきたいのですが、図書館長の選任にあたって、何回も当選して、落選した議員を救済するような立場でこの選考が行われる傾向がある。これらの点については、私は議長を補佐する事務総長としては、そういう方向は好ましくないという見解を持っているのかどうか。落選した議員を救済するような格好になるということは、私は好ましからざることだと思うのですが、あなたはどうお考えになられているか、お答え願いたい。
  138. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 国会図書館長は、御指摘通り国務大臣と同等の待遇をするということが法律でも規定されておりますし、最も重要な職責をになう方でございます。従って、国会図書館長を両院が選任する上において、いやしくも今おっしゃいましたある個人を救済するとか、そういう意味で選任すべからざることは、当然のことと思います。私といたしましても、議長なり、議院運営委員会なりの仕事を補佐していく上において、今申し上げたような気持を持っておることを申し上げます。
  139. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 その答弁を了といたします。  そこで、定員ですが、昨年も私は予算委員会のときに質疑をして要望もしました。その後、参議院の事務総長の努力によって参議院の定員関係、若干解決好転した点は、敬意を表します。しかし、同じ立法府関係でも、衆議院と参議院で常勤職員等の比率において差があったのです。また国立国会図書館ですね、これはさらにひどい。これは立法府関係みずからこういう事態があるということは、私は非常に遺憾なことだと思うのです。考えようによっては、労働法、労働関係法の違反だと思うのです、精神的には……。同じ勤労条件でありながら、多数の常勤職員をかかえておる。なぜこういうアンバランスができるかということは、私が冒頭に質問しましたように、やはり衆参の力関係とか、あるいは国立国会図書館が衆議院と参議院の両方に乗っかっていますから、そこに僕はこういう事態が起こるのだ、それを遺憾に思いますが、内容から伺いますが、副館長に伺いますが、あなたのところの常勤職員の構成は、定員内と大体何対何ぐらいになっていると承知していますか。
  140. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 国立国会図書館の常勤職員定員は、現在八十六名おりますから、総定員に対してほぼ一側三分の率を示しております。
  141. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 正職員六百三十八名、それに常勤職員八十六、こういう構成比の官庁は他にないと思うのですが、あなたはどうお考えですか。
  142. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 常勤職員は、各省を通じまして現在約三万名、二万八千名くらいいると思います。これは各省によりまして事情がいろいろ異なりまして、数年前におきましては、建設省のごときは定員職員よりも常勤職員の方が多いような状態でございました。これは、ここ数年来の諸先生の御努力によりまして、相当是正されましたが、まだそのような事態が各省を通じまして残っておるところも相当あろうかと思っております。
  143. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 あなたは今図書館の副館長ですが、行政管理庁を詳しく知っている。あなたが副館長になってこれは適任者を得られたと私は思っていたのです。ところが、来年度の予算案を見ても解決されていない。非常に図書館が冷遇されている。これは一つあとでまとめますが、もう一つ伺いたい点は、常勤職員給与水準ですね、これは人事院に常勤職員の一般基準というものがございますね。それよりもあなたのところの常勤職員給与水準は商いですか、低いですか。あるいは高低があるならば、何号俸ぐらい高低がありますか。
  144. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 常勤職員定員化につきましては、私も最大の努力を払っておるつもりでございますが、その努力が足りませんので、十分所期の目的を達し得ないことにつきましては、まことに申しわけなく思っておる次第でございます。  それからなお、常勤職員の単価につきましては、私ども国立国会図書館職員の単価は、十四万七千円になっております。それで、これは各省を通じての共通の単価と私は承知しておりますが、ただ、いろいろな機関におきまして、職員の構成、資格その他がいろいろなために、それぞれの影響があるわけでございますが、お尋ねに対しまして率直にお答えを申し上げますと、人事院の高低の基準に対しまして、大体二号差がございます。
  145. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 高いですか。
  146. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 二号差低いのでございます。それでこれをできる限り縮めたいと存じまして、ごく最近の機会にこれを一号差だけ縮めたい、こう今考えております。
  147. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 最近一号差縮めたいというのは、最近とはいつですか。
  148. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) できれば新年度から実施したいと今計算しております。
  149. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 もう一つ、次に伺いますが、それは、あなたのところは図書館ですから、公務員としては特殊なところがあると思うのですね。常勤職員には超過勤務をさしていますか。させていませんか。
  150. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 常勤職員には超過勤務をさせております。
  151. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 させておりますね、じゃあ常勤職員が超過勤務した場合の超過勤務料の予算は、別個に組まれておりますか、組まれておりませんか。
  152. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 常勤職員の超過勤務は別個に組まれておりません。常勤職員給与原資の中から支給されておるのであります。
  153. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 超過勤務は組まれていなくて、給与の原資の中から超過勤務手当を出すとすると、常勤職員給与はますます下がって参りますね。
  154. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 従来超過勤務を命じ、超過勤務手当を支給していたということが、二号差を生じていた一つの原因なのでございます。
  155. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 事務総長に伺いますが、参議院の事務総長だけお呼びしたのですが、衆参と国立国会図書館を比べる場合に、常勤職員の構成並びに給与に差があることは事実です。たとえば常勤職員が正職員六百二十八人に対して八十六名という数がある。そして図書館だから時間外勤務をしていた、時間外勤務をしていて、時間外手当がないから、給与原資を食うから、だから給与も下がってくる、二号も低くなって参っておる。こういう事態は、立法府の中で、こういうアンバランスがあるというのは非常に遺憾だと思うのですね。で、これらの解決は副図書館長みずからも努力するでありましょうが、衆参の事務総長においても私は協力して解決すべきものだと思うのですが、御所見を承っておきます。
  156. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 何と申しますか、一つの官庁としてそれぞれ独立している立場もございますが、ひとしく国会の中の機構でございますし、国会議員、参議院議員を含めて、そのサービスに非常な力をいたしていただかなければならない図書館のことでございますから、図書館の運営あるいは予算の獲得等について、私といたしましても側面からできることはいたしたいと存じております。
  157. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 具体的提案をして伺いたいと思います。二点、その一つは副館長に伺いますが、常勤職員に、どうしても図書館の業務運営上超勤をしていただかなければならぬとあらば、超勤をしていただいて、その手当を予備金から支出するように要求したらどうかと思うのですが、いかがですか。
  158. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 図書館の常勤職員は、常勤職員の本来の意味、すなわち二カ月以内の期間を限って臨時の仕事に雇用されるような性質のものではないのでございまして、全く図書館活動を継続的に維持するために必要な要員なんでございまして、本来定員の中に入るべき性質のものでございますので、ただいま矢嶋先生が言われたような方向ではなしに、この常勤職員をすみやかに定員内の正規の職員に入れていただいて、この問題を根本的に解決することが私の切なる念願でございます。
  159. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 名答弁。その通りです。しかし、それができなければという次善の場合を私は予想して質問している。それをお答え願いたい。
  160. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) この点につきましては、今期国会におきまして、私はこの問題が相当解決されるものと期待しておるわけでございまして、そういうことがない場合におきましては、今お話しのようなことも考慮しなければならぬかと存じます。
  161. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 そういう点については、事務総長も協力しますね。
  162. 河野義克

    事務総長(河野義克君) 超勤云々ではございませんが、常勤職員定員化の問題は、御指摘通り、ただに図書館の問題ではなくて、私ども参議院職員としての非常に大事な問題でございますので、私自身の問題としても、当然懸命に解決をしたいと考えておるわけでございます。
  163. 矢嶋三義

    ○矢嶋三義君 最後に御要望申し上げておきたいのですが、実際図書館は、立法考査局なんか、特にわれわれはいろいろと議員はごめんどうかけているわけですよ。何日間でこの資料をこしらえてほしいとか、どれを出してほしいとか、ずいぶんわれわれもサービスをお願いしているわけです。一般国民に対してもそういう建前になっているわけで、副館長が言われた通りですから、これは事務総長も、特に館長が今欠員で、副館長しかおられないわけですから、やはり両院の事務総長でお手伝いして、協力して、そうして定員化するについては解決していただかなければならないのです。もしそれができなくて、常勤職員があった場合は、図書館の特殊な業務運営上困るかもしれませんが、かりに超勤をさしたならば、常勤職員給与原資を食わないで、別途予備金の支出を要求すべきだと思う、立法府の職員だもの。それができぬのであれば、常勤職員を超過勤務に使わない。そうして常勤職員給与原資は食わない。それを食うから二号も低くなってくるわけですから、そのいずれかしていただかなければならぬ。一番ベストな方法は、副館長みずから申し述べられたように、早急にこの国会中に定員化するということだと思います。それに努力いたしますね。
  164. 岡部史郎

    国立国会図書館副館長(岡部史郎君) 今矢嶋先生から仰せられましたこと、まことに私ども感銘にたえないと存じまして、その方向に最大の努力をいたしたいと思いますから、何とぞよろしくお願いします。
  165. 中野文門

    委員長中野文門君) 他に御発言もなければ、本件はこの程度にとどめます。   ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  166. 中野文門

    委員長中野文門君) 速記を起こして。  本日は、これをもって散会いたします。    午後一時三十七分散会