○横川正市君 私はこの
定員法の持っております使命というものは、大体これはもうその使命を果たしてしまって現在無用化しつつあるのではないか、こういうふうに見ておるわけであります。この
定員法施行のときに私
どもはまっこうから反対いたしました。それはこの
定員法を根底にして、業務に忠実でないとか何とか、何らその
理由をつける必要のない者まで、
定員の法があるから何名まで人員整理をするのだというので、ワクに入れた者をほとんど一様に何名までというものを首切りをしたわけなんです。ですから首切りをするために必要な
法律としては、この
定員法というものは当時必要な
法律案だったのです。ところがその後日本の経済情勢も安定し、それからサービスも逐次戦前に向かって復活してくる。業務量は増大をする。そうなって参りますと、
先ほど増子さんの言うように、
定員法のワク内で常在員と同一業務をしておる者が
定員法のワク外で非常勤とか常労とかいう形になって仕事をしておる。本来ならば私は
公務員のワクというものは、この非常勤も常労も含めてワクと称すべきものなのに、
定員法があるために身分上の差別を受けて働かざるを得なくなってきておる。ですからその情勢の判断からいたしますと、これはもうすでに
定員法というものの
政府が考えてこれを実現した役割は全部果たしてしまって、今はもうじゃま者になってきておるのだと、殊に
現業関係の業務をどんどんやらなくっちゃならないところは、このことによってサービス
改善がおくれたり、業務の進捗がおくれたり、作業の当然やるべきものがどんどん
あとに残されたり、しかも
内部には不平不満が内在してきてそして能率が上がらないと、こういう点でまさにこの
法律というものは悪法になりつつあると、
運営上からいってそういうふうに考えておるのです。聞くところによれば、今も縮小作業のような格好になっております一部の小さな、職能的に言いますとそういうものの中に、
定員法があるから、仕事がなくてもその官庁にいつまでも在籍することができるのだと、まあ例にとると非常に微々たるものであるし、それからあまり歓迎すべからざる
理由によって
定員法の存置を願うなんという向きがあるかのごとく聞いておるのであります。それは私はいささか理論的に言っても間違いだと思うのですよ。そういう現状判断をして私
どもは考えた場合には、
定員法のワクを払ってもう近々の要務として
要望されておる人員の配置とか、あるいは業務の処理とか、こういったものが並行して行なわれることが正しいと思うのでありますけれ
ども、行管としては、普通の行政管理庁の問題から各省を見てみて、その点はどのようにお考えになっていらっしゃるのでしょう。ただ今聞いたところによれば、各省が一番よくその業務の
内容を知っておるのでありまして、行管としてはどうもその実務に携わっている各省の実力者の方が何か優先するような
意見を吐かれておったようでありますが、その点私としてはきわめてふに落ちかねるものです。まあ、あなたの
意見に反対するということになれば、一部小さなところで仕事がだんだんなくなるが、
定員だけを置いておきたい、いやまた、そこにいれば安泰だというところだけが私は反対をするのじゃないかと思うのでありますが、その他にも事情があるとすれば、その事情も
一つ明らかにしていただきたい。