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1960-05-17 第34回国会 参議院 逓信委員会 第20号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月十七日(火曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————   委員の異動 本日委員光村甚助君辞任につき、その 補欠として永岡光治君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     柴田  栄君    理事            鈴木 恭一君            手島  栄君            松平 勇雄君    委員            新谷寅三郎君            野田 俊作君            最上 英子君            谷村 貞治君            安井  謙君            永岡 光治君            山田 節男君   国務大臣    郵 政 大 臣 植竹 春彦君   政府委員    郵政大臣官房長 荒巻伊勢雄君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君    郵政省電気通信    監理官     岩元  巌君   事務局側    常任委員会専門    員       勝矢 和三君   説明員    日本電信電話公    社副総裁    横田 信夫君    日本電信電話公    社経理局長   山本 英也君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○日本電信電話公社法の一部を改正す  る法律案内閣提出衆議院送付)   —————————————
  2. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ただいまより開会いたします。  委員の変更についてお知らせ申し上げます。  本日、光村甚助君が委員を辞任せられまして、その補欠永岡光治君が委員に選任せられました。   —————————————
  3. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 日本電信電話公社法の一部を改正する法律案を議題といたします。  御質疑の御通告がございますので、順次これを許します。
  4. 永岡光治

    永岡光治君 これは今郵政大臣にまずお尋ねいたしますが、わが党は従来から外資導入については強い反対をとって参っておるのでありますが、電信電話事業に対する外資導入の問題は、今回に始まったことでなく、従来から相当論議された問題でありますが、私たちがそのつど非常に危惧して参りましたのは、外国債によって、普通の道路とかその他と違いまして、特に通信という非常に重要な仕事でありますだけに、外国の資本が入ったことによって、それが経営の面に参与されるということになりますと、非常に大きな問題が生じて参ります。こういうところから反対をして参ったのでありますが、今回これが成立をいたしました暁において、この外国債による外資導入というものが、言うところのひもつき融資として事業の面に悪影響を及ぼすことがありはしないか、この点を一番懸念するわけでありますが、その問題について郵政大臣として、そういう心配はないのだ、万予想され得べき問題に対して、どういう予防措置と申しましょうか、そういう考えを持っておいでになるのか、まず私はその根本的な問題をお尋ねいたしたい。
  5. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) この問題はその懸念がないと考えておりますけれども、万が一懸念のようなことが予想いたされます場合には、そういったような借り入れを、公社自体も十分に自戒しておりますし、監督官庁といたしましてもそういうふうな金融には絶対に依頼しないという方針を堅持いたしております、電信電話公社の結局信用の問題がその御懸念の一番の根幹かと存じますが、幸いに電信電話に対するアメリカの信用状態はきわめて厚く、なかんずく日本電信電話公社に対しまする信用状態から見まして、その点の懸念はないと考えておりますが、詳細は当委員会におきまして全く同じ御質問が反復いたされましたときに申し上げた通り、今日も同じ状態でございまして、将来におきましてもこの前御答弁申し上げましたところと全く同じ態度で、同じ決意監督をいたしておる次第でございます。
  6. 永岡光治

    永岡光治君 今の段階ではそういうことが考えられない、またそういう事態が起こったならば善処すると言うが、かりに外債発行して、向こうがいよいよ引き受けたということになった暁において、そういう徴候が見えた際においては、どういう具体的な措置をおとりになるのですか。
  7. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 私のあるいは申し上げ足りなかったので、その御質問かとも存じますが、ただいまの状態と申しますのでなく、ただいまから現在並びに将来を予測いたしますところが、その懸念がないと、さように思われますけれども、なお万が一の御懸念に対しまして、もしそういうふうな予想がされる場合には、絶対にそういうふうなところから金融をしてもらわないという公社自身の確固たる方針もあり、また監督官庁といたしましても、その点を十分かくのごときことのないように監督いたして参ると、そういう意味でございます。
  8. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと事前に、たとえば引き受ける場合についての相手側調査もされることだろうと思うのでありますが、引き受けた暁において、発行した暁において、もしそういう徴候が見えた場合に、具体的にたとえばこれを解約するとか、そういうことができるのかできないのか、その点をお尋ねするわけです。
  9. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 金融のことでございますから、その懸念は、金を借りる契約のときにその懸念がなければ、条件が伴わなければ、借りた後におきまして条件を改めるということは、借りる方も貸す方もないわけでございますから、債権債務の常といたしまして、借りるときに十分にその点を吟味いたしまして、その条件等をしさいに検討いたしまして契約を結ぶことによって、その御懸念のないようにいたして参る所存でございます。
  10. 永岡光治

    永岡光治君 そうすると発行した暁においては、それを解除するというようなことはなかなか困難だけれども、事前に十分そういう相手側であるかどうかを検討する、これに尽きるようでありますが、その点ちょっと不十分だと思うのでありますが、そうなりますと、非常にこれは事前調査、それからその相手側との調査のみならず、契約する際においての話し合いというものが非常に大切になってくると思うのですが、その準備はお待ちですか、それが第一点。それから不勉強で申しわけないのでのりますが、電信電話事業で他の国において、どこか経営している国、その国がよその外資導入をしておる実際の状況はどうなっておるか、もしおわかりでしたらその状況もお知らせいただきたい。
  11. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 外国の実例につきましては、公社の方からお答えさしていただきます。
  12. 山本英也

    説明員山本英也君) 日本以外の国でもって電信電話事業に対して外国から資金の供給を受けた例があるかというお尋ねだと思いますが、多くの例はただいま聞いておりませんけれども、戦後世銀に対してエチオピアの国、アイスランドの国、それからブラジルウルグァイ、中南米の。そういうものが世銀に対しまして、通信関係として借款を申し込み、それが成立した例があるということを聞いております。
  13. 永岡光治

    永岡光治君 そうなりますと、これは電信電話公社の方の所管になるかと思いますが、本年度の大体資金計画は約一千三百億円でありますが、それに対しまして外資による獲得が二千万ドルとして七十二億という計算になりますが、パーセンテージからいうとごくわずかな額でありますが、しかもすでに四月を過ぎまして、五月ももう——この法律案成立するという見通しを立てますと五月一はいごろではないか、そうすると年間予算で十カ月ということになりますが、今までの千三百億の予算消化についてもかなりの困難があるのではないかと想像されますが、よほど努力しないと完全に消化しきれないのではないかと思いますが、そういうやさきに、たとえば今例にあげられましたエチオピアブラジルウルグァイ等後進国並みに、しかも何百億という、非常に事業にこれなくしては支障を来たすというなら別でありますが、わすか七十二億くらいの予算をあえて外資を仰がなければならぬという理由はどこにあるのでありますか、あまり大した効果はないじゃないかと思いますが、その点一つ積極的な理由ですね、差し迫った理由はどこにあるのか、お尋ねいたします。
  14. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 御承知のように今年度の、予算につきましては、このただいまの外債の七十一億、二千万ドル分につきましては、予算総則の中の弾力としてお認め願ったわけでありますが、この予算総則を除いたものとして、御承知のように三十七万加入前提にいたしましてお客さんの需要に応じていこう、あと三万につきましては、この外債成立すれば、その弾力条項によってお客さんの需要に応じていこうというのでありますが、このお客さんの需要が非常に熾烈でありますので、できるだけお客さんの需要に応じていくのが電電公社の任務だと思いますので、この三万というのもないがしろにできないのでありまして、できるだけお客さんの需要に応じるためにこの資金需要に当たりたいと思うわけであります。  なお、ただいま経理局長から答弁いたしましたのは、世界銀行借款についての例を申し上げたのでありますが、この電電公社のものにつきましては、世界銀行借款、この法律の御審議願っておるものにつきましては、そのほかに外貨電信電話債券というものについてのことのできる根拠についても御審議願っておるわけでありますが、この外貨電信電話債券等になりますと、そういうような国ではおそらく国力からいって、なかなか認めてもらえないだろう。電電公社であればその可能性があると思っておりますが、そういうウルグァイ、そのほかの国につきましては、世界銀行借款ならできても、外貨債券の方ではまず見込みがないのではないか、日本の、われわれの国であるから、電信電話公社であるから、こういう根拠法律的に作っていただきますれば、政府交渉のもとにこれができるのではないかと思っております。  で、なお今のひもつきの問題につきましては、ただいま大臣からもお話がありましたように、電信電話債券の方は、御承知のように不特定の多数の人でありますので、これによってひもがつくということはまず考えられないことであります。政府保証前提にいたしまして電信電話債券発行をいたすわけでありまして、この不特定多数の人からひもがつくことはまず考えられない。あと世界銀行借款ということになった場合の問題でありますが、これも世界銀行が、御承知のように、この貸付の目的は、世銀協定において明らかに示されておりますように、世銀加盟国の繁栄をもたらすために貸付を行なうということになっております。いわゆる植民地的干渉ということはしないということが前提になっておりますので、そういうおそれは、おそらく世銀の場合もまずないかと思いますが、従来の例に徴しましても、まあその契約上に若干の条件がつく場合でも、要するに当該貸付にかかる工事計画というものを完全に遂行してもらいたいということの範囲をほとんど出ていないようであります。そういう例からしましても、御心配のようなことはまずないかと考えております。その従来の例をこえて、たとえばそういう条件があるという場合には、もちろんわれわれとしては、そういう契約はいたさない、こういう覚悟でございます。
  15. 永岡光治

    永岡光治君 今のお話によりますと、三十七万の計画で、あと三万をぜひ追加したいということでこの資金に仰いだというのでありますが、これは郵政大臣にただしたいのでありますが、四十万でも足りないだろうということはわれわれも認めているわけでありますが、そういうときに、わずか七十二億というものが、どうして預金部資金その他からとれなかったか、もう少し理解ある政府態度であれば、そのくらいの予算は何でもなくとれたのではないかと思うのでありますが、預金部資金その他からこちらの電電公社に対する融資状況を見ましても、飛躍的に、その他の国鉄等事業に比べまして、思い切った増額をなされていないように思うのでありまして、これはおそらく従来の当委員会におきましても、その点は強調されたことだと想像いたしますが、なぜこのくらいの金を国内で処置できなかったのか、その具体的な実際の理由一つあげていただきたい。
  16. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) これは、御質問の御趣旨につきましては、全く私たち公社自己資金でもってまかなえば一番よろしい、それでいけなければ、政府財政投融資をもってまかなってもらうべきであり、国の方から出ません場合にはいたし方ない、また一般加入者の御協力も得てやっていかなければならない、さらにまた外国の方からも御協力を得なければならない。そういう順序の段階考えたのでございますが、まず自己資金につきましては、何と申しましても、今度の計画が六千二百三十億という膨大な資金でなければ積滞数の解消ができないわけで、それに対します本年度の、三十五年度財源といたしましては、財政投融資によりますことは、五千九百四十一億しかございませんので、しかもそのうち公募債に関しまする財源としては千百十五億しかないわけで、とにかく電電公社財政投融資につきまして八十億を見てもらったというのは、御指摘の通り大へん数字が少ないという点は遺憾でございますが、しかし前年度と比較いたしますと、電電公社予算としてはこれまでにない多額のものを大蔵省としても承認してくれました次第でございまして、この点は監督官庁として郵政省は、大蔵省の処置に感謝しておるのでございますが、そういったようなわけで、どうしても三十七万加入までは至ったわけでございます。あと、どうしても本年中にも三万加入工事を施工したい、来年になりますと、また四十三万加入くらいはどうしても消化して工事を進めていかなければならぬ、そういうような計画のもとに、その三万増設に対しましては、外資によりますれば金利が安くて長期借り入れができる、そういうところにねらいを置きまして、あと外資に頼るというふうな状態になりましたことを何とぞ御了承賜わりたいと存じます。
  17. 永岡光治

    永岡光治君 御答弁いただきましたが、私はその程度のことでは納得できないのでありますが、もう少し、たとえば電信電話設備の拡充のための暫定措置法律案が、相当の反対がありましたにもかかわらず、国会成立をいたしました今日の状況から考えましても、政府としてはもう少し思い切った預金部等からの低利の融資電電公社に行なうべきだったと私は思うのであります。今後一段とそれは努力を願わなければなりませんが、つきましては、この際、ただしておきたいのでありますが、一応外資導入の道が開かれますが、今回をもって終わりとするのか。たとえば二千万というものを計上しておりますが、将来もまたこれを続けていくのかどうか、この点は重要な問題だと思うので、安易に流れるきらいが非常に強くなって参りましたが、この預金部資金という、公社にとっては適切な資金源があるわけでありますから、それに対する獲得努力が払われずに、また外資の方にさらに二千万から三千万、四千万、五千万というふうに増額されるおそれなしとしないわけでありますが、その辺の決意はどういうふうにお考えになっておりますか。
  18. 横田信夫

    説明員横田信夫君) この世界銀行借款あるいは外貨電信電話債券発行ということにつきましては、御承知のように世界銀行借款というものも相当ワクがありまして、このワクの中でなかなか借り入れたいという希望の方が多いのでありまして、われわれとしては、この世銀借款は、公社としましては、利子も低いのであるし、借り入れたいのでありますが、なかなかそういう事情からいきまして、世界銀行からの借款可能性ということにつきましては、ただいまのところまだ見通しがついておりません。それから電信電話債券外債発行につきましては、続いてこういうものができるかどうかということにつきましては、来年引き続いてということは相当困難じゃないかと考えておりますが、しかしこの外国市場状況によって発行が可能である、しかもその条件が、国内における借入金あるいはそういうものと比べての利子等において、外国の方が有利であるというようなことでありますならば、今後適時発行さしていただきたい、こういうように考えております。
  19. 永岡光治

  20. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 今、横田総裁の述べられた通りでございますが、一応いわゆる計画の中には、このごらんに入れました一覧表通り、今年だけになっておるのでございます。今副総裁の述べられましたように、将来外資によった方がずっと日本の国として長期に、しかも低金利で借りられて金融が楽にいくといったような場合には外資によることもあり得る、こういう次第でございます。
  21. 永岡光治

    永岡光治君 郵政大臣答弁によりますと、金利長期にわたって安いような状態があれば、それは外資によるというお話でありますが、すでに今日の預金部利子と、この外債発行利子とを比較いたしますと、外債発行の方が安いのじゃないかと思いますが、あとで利率は聞いてみたいと思います。これは私の今の判断、想像であります。それによりますと、あなたの説が是認されるとすれば、二千万だけじゃなくして、一億も二億もどんどんやったらいいじゃないかというところに発展して参りますが、私たちはそういうことはやっていけないのじゃないかということで、国内資金を大いに活用しなさい、それが今日あるべき姿じゃないかと思いますが、ちょっと大臣答弁じゃ理解に苦しむわけであります。
  22. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) これはどうも私の述べ方か下手だったのでございまして、先ほど申し上げましたように、ごらんに入れました一覧表通り外資はことしだけの計画になっておりますから、万が一国内市場等いろいろな総合判断のもとに、これは外資によった方がずっと日本の国のためにもいいのだというふうなときには、今横田総裁の述べられました通り、この計画を変更いたしまして、また御審議願うこともあるかもしれませんが、ただいまのところは、今年度だけの計画になっておる次第でございます。
  23. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、当分はまあこの程度でとどめていくのだという答弁のように理解してよろしゅうございますか。
  24. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) その通りでございますが、つまりことしだけのことであって、将来は国内の金繰りによっていくのだ、それを原則にいたしておるのでございますが、何しろ経済界のことでございますから、あまりはっきりした決意を申し上げましても、思いはからざる経済界変動等がございますわけでありますから、その意味万が一の場合を考えましての横田総裁答弁であり、また申し述べましたのは、そこに経済界の万一の変動等考えましての私の答弁の主眼があるわけでございます。
  25. 永岡光治

    永岡光治君 これは五カ年計画も立てられておいでになるわけでありますから、ただ資金の裏づけなしの計画というものは無意味だと思います。これはおそらくそういう御答弁をなさる以上は、そういう計画のもとに、大体さしむき、まあ当分の間という表現がいいかどうかは別といたしまして、原則としてこれにとどめて、まあ当分はないだろう、そういう一つ覚悟予算折衝に当たっていただかないと困るわけであります。だから、それで私念を押しておるわけでありますが、大臣答弁で、まず原則として国内資金に仰ぐ、こういうものは当分ないだろう、やりたくないと、こういうことですから、その通り、御答弁通り受け取っておきたいと思うのですが、ついては、ただいま世銀融資の問題にちょっと触れておりましたが、非常に見通しが困難であろうと、こういうお話でありました。それから、従いまして、これは外債発行の方に期待せざるを得ない、こういうような答弁でありますが、この計画を立てられるにあたりましては、外国資金状況を十分御検討なさったと思うのでありますが、もう一度世銀からの借り入れ見通し、それから外債発行についての見通し、そういう問題についての御調査の結果を御答弁いただきたいと思います。
  26. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 世銀借款見通しでありますが、これもなかなか諸般の情勢で、完全な見通しというものは、なかなか問題でありますが、さしあたりの問題といたしましては、世銀に対しては各方面の需要が相当多いので、その会社等社債の、外貨債発行についてはなかなか資金調達がむずかしかろうと思われる方に先に世銀借款が回っていくということは、ある程度やむを得ないことだろうと思います。そういう情勢からいたしますと、ただいまのところ、世銀借り入れの方は電信電話公社の方はちょっとむずかしいのじゃないかと思われますが、しかし、これも、今度世界銀行貸付側からいたしまして、必ずしも需要者の方の希望通りに応じられない、こたえられないという場合に、日本電信電話公社には貸してやろうかということも起こらないとも限らない。あるいはまた、世銀の方の資金で、電信電話債券外貨債消化との関係を見て、そういうようなこともあり得るわけであります。その辺につきましては、全然世銀借り入れが今後ないとも限らない。しかし、ただいまのところは、世銀借り入れの方はむずかしいのじゃなかろうかというような程度であります。  それから、外貨債の問題につきましては、実はこの法律が通過いたしませんと、外国外貨債発行についての、あるいは代行会社等折衝等もできないのでありますから、確たる今の見通しということについてどうかということについては、この法律が通らないと、それらの折衝ができないために、確たる見通しはないわけであります。また現にそういう折衝もいたしかねておるわけであります。一般的に申しまして、一時ニューヨーク市場におけるこの社債利子というものが、相当高利でないと、むずかしいという情勢があったわけでありますが、これがことしの一月以降においてその条件が、金利の利回りが少し下がって参りました。そういう趨勢を見ますと、そういう不利でない条件発行ということが考えられるのじゃないかというようなことが、一般的にいわれるような情勢にただいまなっております。
  27. 永岡光治

    永岡光治君 この法律が通過いたしまして、この外貨債の募集を行なう場合に、これは念のためお聞きしておきたいと思うのですが、どういう方法でやられるわけですか、具体的な手続ですね。
  28. 山本英也

    説明員山本英也君) 世銀借り入れの方は別といたしまして、外貨債発行いたしますときに、公社は直接にニューヨーク市場において発行をいたすことも一つ方法考えられます。それからもう一つは、日本等でも行なわれておりますように、一括引き受けの形の、いわゆる私募と申しますか、特定金融機関一括外債引き受けてもらうというやり方もあり得ると思います。しかしながら、金額も相当多額でございますので、多くの外貨債が、ニューヨークにおいて発行されます大部分のものはやはり公募によって行なわれる、一般投資家引き受けてもらうという形のいわゆる公募外貨債の起債をいたすわけであります。公社といたしましても、現在のところはやはり公募の形で参りたい。かりに公募の形で参りますときには、ニューヨーク市場においては、証券引き受け専門といたしますところの証券業者は相当多数ございます。従いまして、このうちの有力な、信用等においてすぐれた者を選定いたしまして、引き受け団というものを、いわゆる引き受けシンジケートというようなものを結成してもらいまして、その管理引受業者というものとの間に引受契約を締結するということが具体的な段取りになるかと思うのであります。
  29. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、これが現金化といいましょうか、使えるというような段取りになるのは、大体五月一ぱいでこの法律がかり成立いたすといたしまして、いつごろになりましょうか、見通しは。
  30. 山本英也

    説明員山本英也君) 発行に、かりにこの法律成立いたしまして、直ちに発行に関しますところの事務折衝を行ないまして、どのくらいの月数がかかるかというお尋ねでございますが、これは技術的に申しますれば、おそらく二、三カ月のうちには可能だと思います。ただ発行いたしますにつきましては、発行いたしますときの市場情勢というものによりまして、発行条件等が著しく異なって参りますので、発行の時期といたしましては、必ずしも法案成立直後を発行時期という工合に考えまして折衝いたすのが適当であるかどうかという点につきましては、発行の時期につきましては、さらに慎重な検討を要するのではないかと思うのであります。これらの点につきましては、政府関係の御当局等にも御指示をいただきまして発行の時期を誤らないようにいたしたいと思うのであります。一方、公社の三十五年度予算におきましては、外貨債三千万ドルというものを発行すること、及びその政府保証につきましては、三十五年度中に発行するという一つ条件がございますので、おそくとも今年度内には発行いたしたい。従いまして、五月以降来年の三月までの間において適当なる時期において発行いたすことができるようにいたしたい、かように考えている次第であります。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 そういたしますと、この外債ないし世銀のつまり外資に期待する三万個の分の三十五年度計画の実施の状況ですが、完全に消化できるということにならないのじゃないでしょうか。もちろん、そのすでにきまっている自己資金でやる分があるから、その分をずっと早めておいて、あとのものはその分で年度内に何とかする、こういうような答弁にあるいはなるかもしれませんが、どうも健全な計画ではないのじゃないかと思いますが、その計画との関係はどうなりますか。
  32. 山本英也

    説明員山本英也君) 予算におきましては、三十五年度の建設の総投資額が千二百八十五億でございまして、それで先ほど副総裁からお答え申し上げましたように、三十七万個の加入者の増設を主たる内容といたしますところの建設計画を行なうわけでありますけれども、すでに成立いたしております予算の上において外貨三千万ドル、七十二億というもの、並びに加入者三万名というものから、今度の拡充法によりまして加入者に増設いたしますれば引き受けていただきますところの債券額というものが、約三十億ほどございますので、百億程度工事というものを弾力的に行ない得るように予算でお認めいただいたわけでございますので、公社といたしましては、年度当初から千三百八十五億程度工事年度内に完遂できるような態勢で諸工事計画を進めているわけでございますので、年度後半におきまして外債成立いたしますといたしましても、なお工事の完遂というものは、期し得るものと考えている次第でございます。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 私も善意にその御答弁を受け取りたいと思うのですが、拡充法案が通過いたしましても、これも相当経過しておりますが、そういうことを考えますと、かなりこの消化については、相当の努力をしなければ消化し切れないのじゃないかと考えるわけですが、その点は、まあこの際は一つ論議を差し控えさしていただきますが、いずれにいたしましても、その法律通過の暁は、もう一つ相当の力を入れて計画いたしませんと、せっかくここで成立いたしましても、その効果が先に延びていくというおそれがありますので、その点を要望しておきたいと思うのであります。  次にお尋ねいたしますが、この外債による場合の利子、それから手数料、これは何分何厘に今のところお考えになっておるのか。で、これはどこでおきめになるのか。それからこの内国債ですね、他の内国債との比較ですが、どういう比較で、どれだけの得といいましょうか、そういうのがあるのでしょうか、それをちょっとお伺いしておきたい。
  34. 山本英也

    説明員山本英也君) 公社が今後発行をいたすといたしますときに、その条件等がどうなるかという予想と申しますか、どういう発行条件になるだろうかというお尋ね、あるいはもし予想せられるところの発行条件と、国内におきますところの内国債との比較をどういうことになるかというお尋ねかと思うのでありますが、今後外債発行いたしますときには、やはりその条件等は、引き受け契約成立いたしますまではなかなか確たる見通しというものは持ち得ないのでございます。ただ、アメリカにおきましてもし発行いたしますといたしますれば、日本以外におきましてもアメリカにおいてドル債を発行いたしております例がございますので、その例を参考として考えますならば、大体一九五九年中にニューヨーク市場におきまして成立いたしました社債等が全部で六件ございますが、大体表面利率は五分半から五・七五%、多いので六分に近い表面利率になっております。それから期間等でございますが、償還期間等は日本の場合といささか異なっておりますので、正確には申し上げられませんけれども、大体十五年、二十年というようなもので、六件のうちで十五年のものが四件、二十年のものが二件でございます。それから発行時におきますところの応募者利回りで申し上げますと、日本政府は、昨年一月に発行されました分は、応募者利回りは五分七厘になっております。一番応募者利回りといたしまして高いのは、時期にもよるのでございましょうけれども、ジャマイカの六分二厘二毛五糸というような例もございます。従いまして、大体期間といたしましては十五年以上、利率といたしましては昨年度中ぐらいの金利情勢でございますならば、五分半から六分台というものを予想して間違いはないのではないかという工合に考えております。翻って国内におきますところの現在公社政府保証をいただきまして発行いたしております電電債券は、利率は七分でございます。表面利率七分、発行価格が九十八円七十五銭でございまして、応募者利回りにいたしますと七分二厘三毛ぐらいに相なるわけであります。期限は七年でございます。大体以上でございます。
  35. 柴田栄

    委員長柴田栄君) ちょっと速記とめて下さい。    〔速記中止〕
  36. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 速記をつけて。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 それじゃ、次の御質問者が控えておりますから、私は質問を途中で端折りますが、一括して質問いたしますからお答えいただきたいと思いますが、ただいまニューヨーク市場等の言葉が出て参りましたが、この募集する相手は、アメリカ国を考えておるのか。それとも、ニューヨーク市場といいますと、まあ他の国からもあるんじゃないかと思いますが、どういうものを考えておるのか。アメリカ国だけを対象に考えておるのか、そうでないのか、その点が一つ。  それから、外国の機関に対する受託の問題ですが、まあそういうことがこの提案理由の中にあるようでありますが、その方法と金の受領ですね、それはどういう方法によるのか。それをあわせてお答えいただきまして、私の質問をそれで終わりたいと思う。
  38. 山本英也

    説明員山本英也君) ただいま公社が具体的に考えておりますのは、アメリカでの発行ということであるので、アメリカの資金だけを目当てにしているのかというお尋ねだと思うのでありますが、戦前からもそうであったそうでありますけれども、戦後におきましては、やはり国際的な証券市場というものは、ニューヨークを中心に形成せられておるというのが実情のようでございますので、ニューヨークというものを一つの起債の場と考えておるわけであります。ただ、ニューヨークにおきまして公募等をいたしました場合に、資金はどこから出てくるのか、アメリカの国内資金がおもなるものであるか、あるいはヨーロッパとかカナダとか、南米とかいうところの資金というものがニューヨーク金融市場に集まってくるのかという点でございますが、この点はあまりつまびらかにはいたさないのでございますけれども、ただ、昨年日本政府発行なさいましたところの日本外貨債、公債でございますが、これは千五百万ドル、ニューヨークにおいて公募発行なさいまして、そのうちの、聞いておりますところによりますれば、六割方はヨーロッパ方面の引き受けであったということを伺っております。おそらくヨーロッパの諸国がニューヨークで起債をいたしましても、引き受けるのはヨーロッパの国である。ヨーロッパの資金というものが応じていくということは、割合としては割合に多いんではないかという工合に考えております。  なお、アメリカ以外においては起債ということは不可能なのかという工合にもただいまの御質疑は聞こえるのでありますが、アメリカ以外において外貨債発行することが不可能だとは必ずしも言い切れないと思うのでありまして、ごく最近におきましても、スイスにおいてオーストラリアの国債を発行されたという例もあるそうでございますので、絶無とは申しませんが、戦後におきましては、多くの国際的な証券というものの発行というものは、ニューヨークを中心にして行なわれてきておるというのが実情だと考えられます。  それから、もし、外貨債公募をいたしまして発行いたしますときに、どのくらいの期間のうちに現金が公社の手元に入るかというお尋ねでございましょうか。
  39. 永岡光治

    永岡光治君 はあ、いいです。
  40. 山本英也

    説明員山本英也君) 引き受け契約成立いたしますれば、その後二週間か三週間のうちには、引き受け者の方から、公社の受託いたしますところの、財務代理人と称します者を選任いたしますが、その財務代理人のところにドル建で資金というものは払い込まれるはずでございます。財務代理人に払い込まれますれば、二、三日のうちに日本の方に送金をされますので、まあ長くて半月、短かければ一週間以内には、公社の手元に資金として現金が入ってくるということになると思います。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 最後に要望だけ一つ。  これからまあ金利の問題については、折衝してみなければ確定しない問題になるわけでありますが、まあ国内の内国債の場合と比較いたしますと、かりに先ほど例にあげました、最高の場合は六分二厘二毛ということがありますが、国内の場合には七分、それに若干割引をして売り出しますから七分二厘ということになりますが、まあ一分程度の開きがあるわけでありますが、はたして日本のこの外貨債はどの程度利子になるか、今後の問題といたしましても、冒頭私が申し上げましたように、安易な道を選ぶのでなくて、どうしても国内資金に仰ぐのだということで、今後といえども、これを一応道は開かれたにいたしましても、そういう安易な方法をとるのでなくて、十分に一つこの点は政府当局においても、公社当局においても格段の努力をいたしまして来年度以降には、この資金需要については、思い切った一つ措置を講じてもらいたいということを、特段と要望いたしまして、私の質問を終わります。
  42. 山田節男

    ○山田節男君 今回この電電公社法の一部改正によってこの外貨の電信電話債券発行をする、これについて郵政大臣の許可なくしてやりたい、こういう建前の法律改正と了解するのですが、まず私お伺いしたいのは、第一次五カ年計画、その場合も外資導入することはうたわれておったわけです。そのために前梶井総裁は、数回にわたって外国に行かれた。たとえばワシントンにおいてあるシンジケート団等とも話をされたということを、私も現地に行って聞いております。で、かなり見込みのある——私はシンジケートの人に会ったときに、この日本電信電話公社は非常に経営状態がいい、将来の見込みも非常にブライトだ、こういう意味から、投資についてはかなり好意を持っておったように私は聞いております。しかるに、前梶井総裁努力にもかかわらず、外資が一ドルも入ってこなかった、こういういきさつは一体、簡単にどういういきさつでこれは実現しなかったのか、この点をまずお伺いしたい。
  43. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 前梶井総裁外国へ、アメリカへ行かれたときに、いろいろサウンドされましたことはお話通りでありますが、まだあれもサウンドの段階でありまして、日本政府当局、そのほかの御意向、それから——もっとも日本の国債が出ないうちに保証債というようなものが出るのがはたして妥当かどうかというようなことで、結局、機が熟しなかったと考えられるのでありますが、その後、日本の国債が、終戦後初めて昨年、国債の発行もできたわけでありまして、ようやくこの電信電話債を発行する、外貨債発行するというようなことも、機が熟して参ったのが現状じゃないかと思っております。これがありのままの姿だと思っております。
  44. 山田節男

    ○山田節男君 当時、これはまあ今から五年前、それから現在の国際金融マーケットを見ますとむしろ金利は上昇の形になっておる。少なくとも一九五五年前後においては金利は非常に安かった。ところがたとえば今日指摘されておるように国際復興開発銀行等につきましても、相当にむしろ上がりつつある。非常にあの当時としては私は条件がよかったと思う。しかも第一次五カ年計画では、れっきとした金額はここに私ははっきり記憶しませんが、今度の第二次五カ年計画の百億の半分ぐらいだったかと思いますが、それが入ってこなかったわけです。そうして今度非常に国際金融マーケットという、ことに世銀からすればむしろ窮屈になってきておるというときに、この外貨の電信電話債券消化せしむるということは、私は客観条件が相当違うと思うのですね。単にこれは郵政大臣の許可がなくてできる、フリーでやりたいというならば、なぜそれじゃ世界銀行——国際復興開発銀行だけをノミネートしているのか。私は第一にそういう疑問を持つわけです。そのいきさつはどうなんですか。政府が保証する債券の発行であるから、政府はもう世銀以外にはやらないのかというのですね。むしろこの郵政大臣の許可なくしてやるという場合に、フリー・ハンドでやるならばむしろそういうことをしないで、もっとこう自由な自主的な立場で、外貨の獲得なりあるいは外資導入をする方法があるんじゃないか、その点がこういう一部改正法を出す動機ですね。従来の関係から見てこれは果して有利なのかどうか、私はこれはフリーという形式でやるならば外資は大いに導入すべし、外資すなわちアメリカでたとえば金融を得てもアメリカの外資導入しているのじゃないのですから、たとえば世界銀行の場合にすれば、何もこれは一国に従属するという関係が生ずるわけのものでもない、これは金融関係ですから。ですからそういうもっと自由な立場をむしろ持ったら私はいいのではないかと思うのですが、外国の債券を発行するこのエージェントというのを単に世銀だけに求めるということでは、あまりに狭いじゃないかと思うのですが、そのいきさつはどういうことでこういう結果になったのか、これをお伺いしたいと思います。
  45. 松田英一

    政府委員(松田英一君) 御説明さしていただきますが、実はこの法律は、公社外貨債あるいは外国から借入金をいたします場合の受け入れのために作りました法律の改正でございますので、今山田先生の言われましたような、つまりどこから借りられるかというような問題は、これはこの法律で特に限定をしているわけでもございませんが、これは今後いろいろとそのときそのときの情勢に従いまして、最も妥当な方法によってやり得るということに、実は自由というと変ですが、そういうことになっておるわけでございます。この中に法律として書いてございますのは、実は認可はやはり必要なのでございまして、今度改正部分だけがこういろいろと表に浮き出したものでございますから、これは少しややこしくなるのでございますけれども、本来の規定は、もとの第六十二条という規定で、「公社は、郵政大臣の認可を受けて長期借入金若しくは一時借入金をし、又は電信電話債券発行することができる。」というこの規定は、この文字の関係からいたしまして国内資金国内の債券あるいは国内での借入金のみならず、字の解釈からいたしまして外国外貨債を出す場合に、あるいは外国から金を借りる場合も含み得るように読めるわけでございます。そこでそういうふうに読みまして実際やるときには従って電電公社外貨債を出したり、あるいは外国から金を借りる場合でも郵政大臣の認可は要するわけでございます。従ってまた郵政大臣の認可を受けてやれば、どういうところから金を借りたりあるいは外貨債を出したりということは、いわば自由であるわけでございます。ただ、その場合にいろいろと法律上、その次に書いてありますように、いろいろなことが、たとえば外国でただいまお話が出ましたように、そういった外貨債の募集のエージェントを頼んだり、そのための根拠規定をいろいろと考えましたり、それからまた外貨債を出しますにつきまして必要な外貨送金の問題が起こりましたり、あるいは免税の問題が起こりましたり、そういうことに関することはほかでもやっておることでございますので、いろいろと特別な規定をおいたりしているわけでございます。ただいわゆる世界銀行——国際復興開発銀行の名前が特にここに出て参りましたのは、国際復興開発銀行というのはまあ特殊な、何と申しますか、これは世界全般に対しましてその復興開発のために作られた銀行でございまして、従っておのずから特殊な条件というものをそこに持っておりまして、現在日本でも従いましてその世界銀行からいろいろと金を借りている実例がございまして、その場合にはたとえば、国際復興開発銀行との契約によりますれば、ここに書いてありますように、特別な引き渡し債券と申しますか、そういうふうな制度がそこにございましたり、さらにまた代債券というような特別なやり方というものも考えなければならないというふうなこともございまして、そういうものはそれぞれの特別な性質上、本来の借入金あるいは本来の外貨債券の認可というものの範囲内で、特別に限定されて行なわれる場合でございますので、そういうものは認可を必要としない。むしろ認可をするということによってかえってそういうものが動かなくなるというおそれがございますので、そういう特殊ケースだけを除いておりまして、基本の外貨債あるいは外国からの借入金というそういうものは、認可を受けてやるという建前になっているわけでございます。従いまして、そういった特殊な場合に応ずる特殊な受け入れ態勢の規定、というものだけを整備したわけでございまして、国際復興開発銀行の名前がたまたまここに出て参りましても、それはそういった特別な事情というものをここに書き込まなければ、世界銀行から借り入れられないという状況になりますので、法律規定を改正をいたしましたので、一般外国銀行からの借りる場合にはそういった必要性がないものでございますから、そういうものから借りていいかどうかということはいろいろと具体的に判定しなければならないわけでございますけれども、道といたしましては、この法律の上からは開けているわけなんでございます。
  46. 山田節男

    ○山田節男君 今の松田監理官の御説明だと、この世銀融資政府保証以外には全然やらない、こういう建前だから、法律にそういう国際復興開発銀行という名前を特に入れないと、融資の対象にならないというのですか。そういう意味ですか。
  47. 松田英一

    政府委員(松田英一君) 政府保証の問題も一つの例でございますが、この六十二条のただし書きに書いてあるように、引き渡し債券というふうなこと、これも日本の今までの世銀から金を借りました場合の例に、こういうことをやるということになっておりますので、従って、ほかの場合には法律でこういうこともきめておりますので、それも書いてございますし、それから世銀との関係で、この第五項でございますが、ここで先取り特権のところに世銀をやはり追加してございますが、これもこういう形にしないと世銀からは金が借りられないということになりますので、そのことを追加して書いたわけでございます。
  48. 山田節男

    ○山田節男君 外資導入するルートは、これは単に世銀のみにとどまらず、たとえば低開発地域に対しては特に優先的にしかも低金利で出すという道もある。こういう場合を予想しておることは、おそらくたとえば今回の日米安全保障条約を改定して日米対等の立場でやろうと、しかし、結果はこれは軍事同盟になるということと、この場合は低開発地域の開発資金じゃないんだと、やはり厳然として事業体としてやっている電電公社信用という、クレジットにおいて外貨を導入しようと、まあこういう建前だろうと思うのですが、これは後ほどまた質問にも触れまするが、この外資導入する場合、先ほど永岡君の質問があったように、単なるアメリカの市場を目当てに……、ヨーロッパもよろしい、あるいは東南アジアにもいいと、これはきわめて自由な考え方でいいと思うのですね。そういった場合に、低開発地域の開発としての低金利外資導入するという道もある。それから、ここでおそらく規定しているものは、やはりヨーロッパ各国の非常に有利に経営しておる事業が、たとえばニューヨーク市場において外資導入しよう、債券を発行しよう、こういう建前じゃないかと思うのですが、先ほど申し上げたように、もっと自由に、これはまあ政府の承諾がなくちゃいかんけれども、なるべく低利な、しかも多量な、少なくとも目途とする年間百億円の外資を債券を通じて得るという、このことは、これまでいろいろこの法律の修正案を出す前にはもうすでに経験も持っておられるのですから、こういう形のものにしなくて、もっと自由な、これは単に対象とするこの銀行の問題だけでなくいたしまして、もう少し自由な外資を得られるような道を私は考えるべきじゃなかったかと思うのですが、なぜこの債券発行というだけを電電公社外資導入の道としたのか、その点はどういういきさつがあるのですか、この点、もしわかれば一つ
  49. 松田英一

    政府委員(松田英一君) この法律の建前といたしましては、外貨債、いわゆる債券発行でいくこともできるし、それから借入金でいくこともできる、要するに受け入れ態勢の整備だけであるという観念でございましてどういうところで債券を発行し、あるいはどういう国から、あるいはどこの市場で金を借りるかという問題は、実はこれからと申しますか、内容的な政策問題でございましてその点については今後、電電公社も十分いろいろなことを考えて実行して参ると思いますし、私どももそのつどいろいろの条件を考慮いたしまして考えをきめて参りたいと考えておる次第でございます。ただ、従来からの、あるいは最近の日本が外貨を得ます場合に、大体アメリカからおもに借りていたという実情はございますので、まあそういうことはわれわれが考えます場合にも、一つの客観的情勢として考慮しなければならないわけでございますけれども、法律といたしましてはそういう具体的なことをむしろ限らないで、ただ法律的な受け入れ条件というものを作る方が、ただいま山田先生のおっしゃいましたように将来はどういうことがあるかもしれないのでございますし、自由な立場に残しておいた方がいいということで、そういう建前にしたわけでございまして、従って、外国からの借入金等につきましても、今後外国からいろいろと考えてくれば考える余地は十分あるわけでございます。ただ、世銀につきましては、これは国際復興開発銀行としての特殊な使命と特殊な行き方をやっておりますので、これにつきましてだけはほかの日本の道路公団とかいろいろな例もございますが、そういう点に合わせましてある一つ措置というものをとっておかなければ、それからの借り入れの道が開かれないということにもなりますので、その目的に沿うように特別にここで書き出したようなわけでございまして、そのほかの国から、あるいはそのほかの銀行から金を借りる場合には、これはまあ一般借り入れ条件としてのいろいろ交渉によりまして解決されるということになるわけでございます。
  50. 山田節男

    ○山田節男君 次に、大体年間二千万ドルの債券によっての外資導入しようというのですが、電電公社としては、かりに二千万ドルの外資が得られるという場合に、これはキャッシュで取るのと、あるいは物資、たとえば電信電話関係のある機器の購入、こういうものに私は充てるのが若干あるのじゃないかと思いますが、かりに二千万ドル成功した場合には、これらの外貨とそれから物資との割合はどのくらいな予定に考えておられますか。
  51. 横田信夫

    説明員横田信夫君) ただいま先生のお尋ねの問題につきまして、今回の七十二億円の二千万ドルの外貸借り入れないし外貨債という問題につきましては、直接外国からのものをその中に含めておるということは予想いたしておりません。
  52. 山田節男

    ○山田節男君 この第一次五カ年計画外資導入に非常に努力された、しかし具体化しなかった。これははっきりした結果なんですが、今回の第二次五カ年計画を修正拡大するための、三カ年間続いての二千万ドルの外貨債発行、これは私は、道路公団あるいは国鉄あるいは電源開発等にもいわれたことですけれども、ことにアメリカを対象——ニューヨーク市場を相手としての債券発行ということになれば、これは非常にヨーロッパあるいは中近東あるいは東南アジア等の金融の申し込みが多いわけです。非常に他の諸国と競合するさなかにおいて、債券を発行するのに成巧するには非常な努力が現実問題になるのです。しばしば言われるように、PRということが日本事業として一番足りない。これは話が余談になりますけれども、たとえば日本電気株式会社、あれほどりっぱなものを作りながら、カタログそのものは非常に貧弱である。私は玉川の工場長の小林君に、英、仏、独ぐらいのPRをやらなければだめだ。これは、それこそ数億の金をかけるくらいの気持でやらなければいけないというようなことで、英語で非常にりっぱなものを作った——三年も前だけれども、膨大な数に上る製造品のカタログを作った。これがやはり非常な反響を呼んで、NECのマーケットは拡大されたということは事実です。これは製造会社の場合ですけれども、今度は金融を相手にする場合には、なおさらPRということが、不断に、持続的に、これは誇大にわたってはいけないが、実のあるところを十分周知せしめるようなPRをしなければならない。そのことは、前梶井総裁がワシントンにおいて二回目の交渉をされたあと、私は銀行のシンジケートの一、二の人に会って聞いたのですけれども、とにかくPRが足りない。非常に日本はよくやっておることはわかる、実績も上がっておることはわかるけれども、しかし自分が言っただけで、一つの証拠を見せなければならない。それはやはりPRです。だからこのPRというものは電電公社自体もおやりになるし、あるいは出先の公館の財務担当のアタッシェもいるのですから、そういうものが不断に、たとえば特定の、電電公社なら電電公社に対するPRを一つ遺憾なく、不断にやることが先決条件です。これはもうよくおわかりになっておるのだろうと思うのですが、こういう挙に出られて、また今日出ておられる間において、そういう点についてPRというものを一体やっておられるのかどうか。やっておられれば、どういうことを今おやりになっておるか。少なくとも原則としてこの法律を通してすぐできるわけでもなく、すでにこの法律……電電公社の拡大計画も一カ月おくれておるのですから、しかも金融の何といいますか、シーズンといえばこれは春と秋なんです。そういう点で何か具体的におやりになっておる点があれば少し伺っておきたいと思います。
  53. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 実は先生の今御指摘になりましたことはその通りのことだと思いますが、この法律が通過した後でないと実は具体的な行動になかなか出られないのでありまして、もちろん、こういう外債発行という問題を離れまして、平素からATTとあるいは技術研究の交換をするとか、そういうことは始終やっておりますし、この外貨債発行というようなことに関連してのPRということになりますと、ちょっと問題が変わって参りまして、こういう外貨債発行については、そういう教育宣伝ということも、マネージング・アンダーライターと申しますか、管理引受会社をきめまして、その管理引受会社のもとでそういうことをやる、こういうことが例になっております。また管理引受会社を通ぜずにそういうことをあまりやると、また向こうのちょっと法律にひっかかる点もありまして、やはりそういう行動を起こすためには、この法律が通過いたしましてからでないと具体的にそういうことができないものでありますから、私はまだマネージング・アンダーライター、あるいはコーマネージング・アンダーライターの決定をいたしておりませんし、そういう行動に出るためには、やはり法律が通過後でないとむずかしいと思います。またその行動に出ておりません。
  54. 山田節男

    ○山田節男君 御承知のようにまだ目下滞留中ですけれども、かなり今回大勢の各界を代表した産業資本家、あるいは金融資本家の一部も在日中ですが、こういう機会を利用してたとえば電電公社の最高幹部なりあるいは郵政大臣が、こういうときにはむしろ電電公社のクレジットとしてあぶなげのないものである、むしろ有効なものであるというような何かの私は手を打つ必要があると思います。そういうことをおやりになっておるのかどうか。もちろん今の法律ができるまではそういうことはできないということを言われますが、しかし何といいますか、サウンドじゃない、一つの序曲として一つの道をペイブするという意味で私はやるべきだと思います。そういう点について郵政大臣なりあるいは電電公社の最高幹部なり、そういうことに関心をもって何かの手を打たれておるのかどうか、この点を一つ
  55. 永岡光治

    永岡光治君 関連して。今の点で私は海外の主要取引の通信のアタッシェぐらい置いていいと思いますが、それはおやりになっておるか、あわせて、そういう必要があるんじゃないかと思いますが。
  56. 横田信夫

    説明員横田信夫君) 前から電電公社の駐在員をニューヨークに置こうというようなことも考えられておったのでありますが、現に置いておりません。しかしただいまの問題に関連いたしまして、やはり外貨債発行等になりますと、平素からの連絡等につきましては駐在員は置いておりませんけれども、われわれのところの、ことに技術方面の人は常時何名かはアメリカ、欧州等に出向いておりまして、向うとの間の意見交換をやっております。もちろんしかしそれはどちらかというと電信電話お互いの専門家が多いのでありまして、こういう一般の人に引き受けてもらうような人への宣伝になりますと、そういうところにはまだ及んでないと思います。  なお先ほどちょっと言い忘れましたが、もちろん必要な紹介程度はわれわれの方としてはいたしているわけでありまして、ただいまこちらに見えております投資団の皆さんにも電電公社総裁以下首脳部はお目にかかりまして、日本における電信電話事業の現状並びに将来というふうな問題については十分御説明もいたしました。そのほか個々に私の方をたずねておいでになる証券業者そのほかの会社も多いのでありまして、そういう方との接触はいたしておりますが、先ほど申し上げましたのは、具体的には、こういう外貨債発行等に関連してのPR、あるいは引き受けてもらえる方面への宣伝というようなことになると、やはり向こうの法律もありまして、マネージング・アンダーライターがきまった後に、その人を通じてやるということになっているものですから、そういうことを申し上げました。一般的な連絡あるいは説明等につきましては、機会あるごとにそういうことはいたしております。
  57. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) ただいま副総裁から答えられました通りでありますが、なお、私といたしましてもプレリミナリーのサーベイといたしまして、昨年ニューヨークで測定行為をしましたことは、すでに山田委員のお耳にも達し、また山田委員御自身が電電公社のために御協力下さいまして、滞米中お骨折りいただきましたことも私たちの耳にもまた入っておりまして、感謝いたしているところでございます。また証券投資団につきましても、何回の当委員会におきまして具体的に公社総裁から述べられ、またただいま副総裁からも報告せられました通り折衝をしておられますし、幸いに日米修好百年祭の各種の行事が今始められつつあるわけでございますから、そういうような際にも、私たちといたしましてもできるだけはいたしたいという考えでございますし、また当委員会の皆さん方におかれましても、なにぶんその点御協力たまわりたい、さように思っている次第でございます。御指摘の通りやはり金融を得ますためにはPRが大切でありますので、この点も向後に至るまでさらにPRの努力をいたして参る所存でございます。
  58. 山田節男

    ○山田節男君 時間が制約されておりますので少し飛び飛びになりますが、今の問題に関連して、これは郵政当局なり電電公社の当局が特に考えなければならないことは、先ほども五年前と現在では国際金融市場の主体的条件が非常に変わっているということは、これは最近三十名近くの投資団が来ておりますが、貿易・為替の自由化という問題は、これは非常に金融市場というものが変わってきている大きな原因をなしているわけです。と申しますのは、日本が今日まで財政上また外貨を節約するというような建前で、外国の投資に対してたとえば配当金を送金するとか、その他非常に制約されていたわけです。ところが貿易・為替の市場で自由化ということが進展してきた。一面においてはどこでも有利なところで債券も発行でき、また外貨の借款もできるのじゃないか。そのかわり国際的な競争が非常に激しくなってくるのじゃないか、一方では非常に自由だけれども、それがために従来とは違って、こういう特定世銀というふうなものならよろしゅうございますけれども、そうでない場合から金融獲得しようというふうな場合に、これは従来よりももっと一そう競争が激甚になるがために苦労しなければならない点が出てくると思います。これは当然のことでありまして、たとえば弾丸道路の建設の借款につきましても、今来日している投資団が非常に詳細な調査をしておる、国鉄の弾丸列車の場合を見てもそうなんです。ですから、電電公社としてこういう法律を改正した場合に、非常に自由な建前で外貨を獲得するということはいいのですが、主体条件が数年前と今日では非常に変わってきておるということなんです。これは法律には直接関係はありませんが、こういう法律を一応通してあとのいわゆる電電公社を主体とする借款外資導入ということがはたして今のようなやり方で予期の効果を上げることができるかどうか、これは非常に私は不安に思わざるを得ないのであります。そういう点で、先ほど永岡君からも指摘がありましたように、これはわずか三百億、本年七十二億、二千万ドルと言われますが、私はむしろこれはひもつきのない外資導入であれば、これは導入して、しかも生産的な事業なら大いにやりたい、これは国際的見地から見れば当然なことだと思うのです。そこには政治的な一つの取引といいますか、まじりがない外資導入、これは今日各国やっておるのですから、そういう狭いことではとても日本事業は伸びることはできない。そういうことですから、先ほど来申しあげましたPRの問題、善意のPRの問題、これは電電公社ばかりではありません、他の日本の大産業が一番欠けておるのはPRの問題、これは単に金を借りるだけの問題じゃないのです。日本の国威といいますか、日本の産業の後進国でないということを示すためのPRがしみ渡ってきて、おのずからそこにクレジットというものができるわけですから、こういう点は、私は土台を作るのはいいが、土台を作ってからあとの債券を発行して外資導入する場合に十分考えなければならない。これは、当局も十分私は認識されていることだろうと思う。その方向としては、これは戦前のような大蔵省の財務官という制度は今日ありませんが、大公使館にはいわゆる財政金融のアタッシェがいるから、これは常時、調査研究をしているし、またそれがためにこういう方面のシンジケートの幹部と会う機会もたびたびあるから、日本電電公社というもののPRのエレメントをそこに突っ込んでいくということがなくてはならぬ。そうしてさらにたとえばニューヨーク市場なんか、かりにニューヨークだけでも、電電公社はそれがための一つのアタッシェというものがなければ、一つの出張員でもいいから、そういう素地を作ることを並行してやりませんと、向うが幾らいいと思っても、シンジケートの一員だけで話をしただけでは応じてくれない。そのデリケートな点が第一次の外資導入の場合においても足りなかった。しかも、先ほど申し上げましたように、今日の国際市場は貿易・為替の自由化のために全く自由競争……相手の信用次第でどこでもいいかわりにシビアな調査と、その結果の見込みを立てなければ一ドルでも出さないのですから、そういう現実の問題を十分用意されないと、せっかくこういう法律通りましても、予期の効果が上がらぬのじゃないか、私はかように考えるわけです。時間が何だそうですから、これで一応打ち切ります。
  59. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 速記をとめて。    〔速記中止〕
  60. 柴田栄

    委員長柴田栄君) 速記を起こして。  本日は、本件に関しましてはこの程度にとどめたいと存じます。これにて散会いたします。    午後零時十五分散会