運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-03-03 第34回国会 参議院 地方行政委員会 第6号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月三日(木曜日)    午前十時五十一分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     新谷寅三郎君    理事            西郷吉之助君            鍋島 直紹君            鈴木  壽君            基  政七君    委員            郡  祐一君            館  哲二君            西田 信一君            湯澤三千男君            占部 秀男君            木下 友敬君            松澤 兼人君            松永 忠二君            米田  勲君            中尾 辰義君            大竹平八郎君   国務大臣    国 務 大 臣 石原幹市郎君   政府委員    内閣官房内閣審    議室長    兼内閣総理大臣    官房審議室長  大島 寛一君    警察庁長官   柏村 信雄君    警察庁刑事局長 中川 董治君    警察庁保安局長 木村 行藏君    運輸省自動車局    長       國友 弘康君    建設省道路局長 佐藤 寛政君   事務局側    常任委員会専門    員       福永与一郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○参考人出席要求に関する件 ○連合審査会開会に関する件 ○地方行政の改革に関する調査  (横浜公園体育館の問題に関する  件) ○道路交通法案内閣提出)   —————————————
  2. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ただいまから委員会開会いたします。  まず、参考人出席要求についてお諮りいたします。  道路交通法案審査のため参考人から意見を聴取したいと思いますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、参考人人選等につきましては、委員長及び理事に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  4. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。  なお、先刻理事会における申し合わせによりまして、来週火曜日三月八日の午前中に参考人出席を求めて意見を求めたいという予定でおりますから、申し添えておきます。   —————————————
  5. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 次に、連合審査会の件についてお諮りいたします。  去る二月二十五日運輸委員会から、道路交通法案について連合審査会開会されたい旨の申し出がございました。右の申し出に応じまして、運輸委員会連合審査会開会することにしたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  6. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 御異議ないと認めます。  なお、運輸委員会との連合審査会日時等につきましては、運輸委員長とよく相談をいたしました上できめたいと存じますが、これも一応委員長に御一任願いたいと存じます。   —————————————
  7. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) それでは、前回に引き続き、道路交通法案を議題として質疑を行ないます。質疑のある方は、順次御発言を願います。
  8. 松永忠二

    松永忠二君 道路交通法の問題でありませんけれども、昨日起こった横浜公園体育館の問題について、大臣が来ましたら、大臣からも少し伺いたいと思いますが、よろしゅうございますか。
  9. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止
  10. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) それでは速記を始めて下さい。
  11. 松永忠二

    松永忠二君 昨日の横浜市の中区の横浜公園体育館における惨事については、いろいろ各新聞報道されており、私たちも、そういう報道に出ているものを総合して、いろいろその状況等を調べたのでありますけれども、その中には、やはり報道機関によってはその状況のばらばらなところもあるので、そういう点で、一応正しいところを一つお聞きをしておきたいと、なおかつ、まあこういう問題についての長官としての考えというようなものについてお聞きしたいと思うのであります。  予定もありますので、私は簡単にお聞きをするわけですが、当日の警備状況というようなものについて、警察側警備状況、なおそれから、主催者側警備状況というようなものについては、どういうふうな状況であったのか。また、こういうことについて事後において何らか調査の上で、問題があるというふうにお考えになっておられるのか。こういう点についてまずお尋ねしたいと思います。
  12. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 昨日横浜公園体育館におきまして、ラジオ関東主催ショーが行なわれる予定でありまして、これに関連しまして、多数の死傷者を出した事態は非常に遺憾に存じており、また、犠牲者に対しては非常にお気の毒に思う次第でございます。当日の詳しい状況につきましては、私まだ報告に接しておりませんが、今までに入りました報告に基づいて概略を申し上げますと、この公園体育館は、大体三千名の客席があるそうであります。正確にどの程度無料招待券を出したかということは確実にわかっておりませんが、大体七、八千名に招待券を出していたのではないかというふうに思われるわけでございます。午後五時半に会場に入れるという予定のところ、五、六千名の者がすでに集まってきて、早い者は、午前中から来て待っておるというような状況であったようでございます。主催者側の方の準備が十分整わないので、五時半を若干時刻がおくれて入場をさせるということになったのでございますが、当初は、一つ入口から入れるというつもりだったようでございますが、非常に聴衆が多く集まっているというので、二カ所からこれを導入するという計画に変えたようでございます。その際、入口に殺到いたしました群衆に押されて、初めに入りかけたものが転倒する。それに折り重なってああいう大きな事故を起こすに至ったわけでございます。  警察警備は、警部補を隊長とします一個分隊十一名を体育館の外に置いて、整理に当たらせたわけであります。元来こうした催しものにつきましては、原則としては、部隊警備ということはいたしておらないのが普通でございます。整理に若干数名を出すというようなことはもちろんでございますが、警部補以下の一個分隊を出すというようなことは、あまり例はないのでございますが、何分にも相当聴衆が蝟集いたすという状況でもありますので、管轄の警察署からそれだけのものを出して、一応警備に当たったわけでございますが、入口におきまするそうした殺到ということから、ああいう事態が起こったことを非常に遺憾に存ずるわけでございます。振り返ってこうした問題を考えますと、主催者側におきまする歩どまり考えたことでありましょうけれども、最近のいろいろの状況から見まして、ああいう人気的な歌謡ショーというようなものについては、無料招待というようなことになりますれば、相当歩どまりが高いと申しますか、大勢来ることが予想される。そういうことについての注意も必要であろうと思いますし、また、入口等につきましても、転倒するようなことのない十分の注意と、あるいは柵を結って列を作らせるというような配慮が、あとから考えれば、そういうことがあってしかるべきではなかったかというような点も考えられるわけでありますが、ともかくも、とっさの場合でありますので、警察も、大部隊をもって制止するというような時間的余裕もなかったようでございます。入口付近整理に当たっておりました警察官も、やはりその群衆に巻き込まれて、転倒して重傷を負ったというようなことも聞いておるような状況でございまして、瞬間的なできごとで、あとから考えれば、こうすればよかったというようなものもいろいろあると思いますが、事前措置として十分のことがなし得なかった、とっさの場合には力が及ばなかったということが実情のように聞いておるわけであります。  一応事件の概要、私ただいままで聞いておりますことを申し上げると、かようでございます。
  13. 松永忠二

    松永忠二君 部隊が出られて、十一名という今お話があった。新聞等によりますと、これは私服だというようなことも出ておったのでありますが、やはり制服を着てそういうものが出られたのか。また、新聞等では、内部にも私服を入れておられて、整理をするというようなことについても配意をしておったということも聞いておるわけです。これについては、いろいろ新聞記事等によると、二十五日に所管の警察署との間に連絡をして、そうしてそのときに、先ほどお話のありました入場券発行等の問題についても、一応ここで連絡をしているという話が出ておったわけであります。従って、定員以上の人が当日来るだろう、そしてまた、相当歩どまり考えるとしても、補助席を入れて約三千五百、椅子席が約二千五百だ、こういうことでありますから、大体三千五百程度のものが補助席を使ってのものであった。そういうようなことで、実は定員過剰のことについても、相当たくさん出したことについても、まあ相当連絡済みであったというようなことのように聞いておるわけです。そういうこともあって、おそらくたくさんの方が警備に出られたのじゃないかと思うのでありますけれども、こういう今話しました警察側警備としては、制服を着て出られておったのか、それからまた連絡にあたって、事前にこういうふうな連絡があって相談をされておられたのか、こういう点についてはいかがでありますか。
  14. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 詳しいことは私も承知いたしておりませんが、事前連絡があったことは事実のようでございます。  なお、外に警備のため、整理のために派遣された警察官制服でございます。私服が若干おりましたというのは、別の——たとえば島倉千代子氏に対して、いろいろ今までも強迫とか、あるいは加害のおそれがあるというようなことから、また前に美空ひばり氏に対して硫酸をかけたというような事件もあったり、とかくああいうときに、熱狂した者の中からとっぴな行動に出る者がないとも限らないので、そういうもののために二、三名の私服を中に入れるというようなことはあったようでございますが、外部の警備に当たった者は、制服警察官でございます。
  15. 松永忠二

    松永忠二君 事前連絡があったということについて、やはりこれは届出があったと思うのでありますが、こういう点については、具体的にやはりどういうふうな届出を受けて、これについてまあ書類的な整備もされておると思うのであります。こういう事前届出、許可、連絡というものについての内容は御存じでありますか。
  16. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) その点、まだ私詳細に承知いたしておりません。できるだけ正確に調査をいたしたいと考えておるわけであります。なお、警察署におきましては、この事件事後措置としては、各種の調査捜査を進めているというふうに聞いております。
  17. 松永忠二

    松永忠二君 現在のところ、警察のこういう調査をされている問題を通じて、ここにやはり主催者責任というようなものについて、その所在を明確にすると、こういうふうな態度をもってこの調査に当たっておられるのではないかと私たちは思うのですが、こういう点についてはいかがですか。
  18. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) これは、こうした重大な事件につきましては、当然その責任所在を追及することに相なるわけでございまして、県警察としましても、業務上過失という観点に立って捜査を続けていることと存じておるわけであります。
  19. 松永忠二

    松永忠二君 それからもう一つの点は、この十一名の警察官が出ていたということになりますと、普通のこうした集会としては、まれなやはり私は警察官の動員だと思う。で、やはりこういう、御承知のように、警察官職務執行法にも、相当はっきりと明確に、こういう警告というような問題については出ておるわけであります。とっさのことであって、非常に機に応じたことは容易でないということもあると思うのでありますが、そういう点から言うと、やはりそういう点についての考え方観点というものも必要ではなかろうかと思うわけであります。まあ具体的には、特に先ほどお話のあった、正面入口から入れるのを二カ所の所から別に入れた。それについて、時間的に非常に切迫したときに入れたということ。それについては、報道機関によると、警官連絡をして、指示を得てやったというような記事も載っておるし、あるいは全然打ち合わせがなくてやったというようなことを書かれておるものもあるわけであります。この辺は、私たちも明確にしておらないわけであります。そうなって参りますと、その辺のところも非常に注意を要するし、特に、お話のように、十一人の制服警官がそこに出ていたということになりますと、まあ普通の集会としては十分な警備態勢をとっているのであって、ここまでのいわゆる問題の起きるということについては、やはりその辺の問題も十分に調査をしなければできないのではないかということを強く感ずるわけであります。こういう点については、やはり非常な御苦労をなさっておられる警官方々について、あるいは署の方々について、非常に定員の少ないことで御苦労をなさっておられることでありますが、惨事惨事だけに、やはりこうした方面について、主催者責任を明確にして、今後のこういう問題についての主催者としての準備態勢というものを整備するとともに、やはり警察としても、そういう点についても十分に明確を期するということが必要だと思うのでありまして、こういう点についてのお考えを聞かしていただきたい。  なお、もしわかっておりますならば、新聞ではまちまちでありますので、一体移動するにあたって、事前打ち合わせをしたのかどうかという点、この点を一つお聞かせをいただくとともに、今後また明確になりましたなら、御報告をいただきたいということを要望しておきます。
  20. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 十一名の制服警察官を出しまして警備に当たっておるという、警察としてはかなりの用心深さを、注意をそこに払ったわけでございますが、あとから考えますれば、それだけの注意があれば、さらに主催者側に対して、先ほど私申しましたように、そうした群衆に対して、もっと整理方法等について、綱を張るとか、いろいろのことについても要望すべきであったのではないかというような点も反省されるわけでございます、詳細は目下正確に調査を遂げてからでないと申し上げかねると思いますが、たとえば、入口を変更するというようなことについても、常識的には当然現場警察官打ち合わせが遂げられてなされているべきであると思いまするし、そうであったのじゃなかろうかと思いますが、その点もまだ確認をいたしておりません。新聞報道によりますると、お話のように、まちまちな話が出ておりますが、そういう点も正確を期して参りたいと思います。要は、事前警察への連絡があった際に、ああいうふうな催しをされて、相当多数のものが集まるということについて、警察としても、できるだけ懇切に主催者側に対しても注意を喚起し、主催者としても、それを十分に励行していくというような態度がなければならないと思いまするし、現場におきましても、十分に主催者警察側との連絡を遂げ、事態を未然に防止するような方策については、慎重にも慎重を重ねてやるべきものであるというふうに考えるわけでございます。詳細正確に調査をいたしまして、この貴重な実例を通して反省をいたして参りたいと思います。また、お尋ねの件につきましては、わかり次第御報告申し上げたいと思います。
  21. 鈴木壽

    鈴木壽君 審議室長の方に二、三お伺いしますが、交通事故瀕発に備えてだろうと思いますが、内閣事故防止対策本部というものが置かれてある、こういうことを承知しております。そこで、ここでは一体どういう問題を取り上げておられるのか。それから、この本部構成といいますか。どういう方面関係者をここへ集めて、そういう会議をなさっておるのか。現在までのところを一つ御説明いただきたいと思うのですが……。
  22. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) お答え申し上げます。  御質問は、内閣交通事故対策本部というものが設けられておりまするが、どういう問題を取り上げておるか。また、どういう構成であるかという御趣旨と存ずるのでございますが、前後いたしますが、まず構成から申し上げますと、内閣交通事故防止対策本部というものがかねて設けられておる次第でございまして、本部長といたしましては、総理府総務長官がその本部長になっております。副本部長は、総理府総務長官でございまして、部員といたしまして、関係のありまする各省庁の局長、部長あるいは官房長級が多数参画しておるわけでございます。具体的に申し上げますと、総理府警察庁自治庁、法務省、文部省、通産省、運輸省、海上保安庁、気象庁、労働省、建設省等でございます。なお、部員のほかに、これを補佐いたします幹事がそれぞれ関係各省から任命されて出ておる次第でございます。  次に、どういうことを取り上げておるかという点につきまして御説明申し上げます。この対策本部は、設立趣旨から申しまして、関係行政機関の間における交通事故防止に関する事務の緊密な連係をはかりますとともに、これが総合的対策を推進することを目的としておるものでございまして、この趣旨に沿いまして、設立以来交通事故防止の全面的な問題についての考え方でございますとか、あるいは特に問題になりまするタクシー事故防止でございますとか、踏切事故防止でございますとか、そういう問題を取り上げまして、まとめて実行の推進をはかるというようなこともしておる次第でございまするが、また、そのときの情勢に応じまして、最も緊要な問題は何であるかというような点も、各省から意見を持ち寄りまして、相互に十分連絡をとりながら検討いたしておる次第でございます。最近、この二月に入りましてからも、対策本部会合を開いておりまするが、その会合におきましては、たとえば、タクシートラック等事故防止対策の最近の状況はどうなっているか、さらに今後推進すべき問題は何であるかというようなことを討議しております。あるいはまた、道路専用工事の調整を強化するという点は、かねてから各省連絡しながら実行に努めておる点でございまするけれども、さらに改善する点につきまして、これは主として建設省関係するところが多い次第でございまするが、そういう問題も取り上げております。あるいはまた、駐車対策車両制限、後者について申し上げますと、警察庁建設省運輸省と、それぞれ関係があるわけでございます。そういう問題も取り上げておる次第でございます。ただいま申し上げましたのは、おもな若干の例でございまするが、このような角度から、関係各省またがります点も多い次第でございます。本部といたしましては、これらの連絡をますます緊密にいたしまして、事故防止に遺憾のないように努力するという考え方で運営されておる次第でございます。
  23. 鈴木壽

    鈴木壽君 今あらましお聞きしたわけなんですが、これは、現在まで取り上げられている問題、あるいはこれから取り上げようとする問題、そういうものについて、何か整理なさって、まとまったのができておりますか。たとえば、今のお話の中のタクシー事故防止対策なり、あるいは長距離トラック事故防止対策について話し合いが最近行なわれておる。そういう対策等が取り上げられておるようでございますから、こういうものについてのまとまった何か文章にしたようなものとか、また、実際そういうものに基づいてどのような措置をとりつつあるのか、あるいは将来とっていくのか、そういう事柄につきましての何かこうまとめたものがございますか、あなたの方で。
  24. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) ただいま申し上げましたような点、相談の途中にある問題も多いわけでございまするが、対策本部といたしまして、最初に申し上げましたような要綱的なものは、とりまとめたものがございます。その他につきましては、そのつど各省庁からの報告資料提供等を求めまして、それによりまして協議をするという建前でございます。全部をまとめて一括した形のものは、目下のところは用意したものがないような次第でございますが、それぞれの資料は、それぞれの官庁から提出されたものがあるわけでございます。
  25. 鈴木壽

    鈴木壽君 それでは、本部構成なりあるいは仕事の目的等についてのことは、まとまったのはございますね。
  26. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) 本部構成等につきまして、まとめたものはございます。
  27. 鈴木壽

    鈴木壽君 それをあとでほしいと思いますが、それからもう一つは、各省庁から出ました資料、今のお話タクシー事故防止対策について、どういうことが運輸省の方から、あるいは警察庁の方からということもありますが、いずれそういう方面からの討議のもとになる資料とか、それから長距離トラックについての事故防止対策について、どういうふうなことが話し合われたのか、そういうことのまとまったのは、これは各省の方からあなたの方に出る、会議に出る、関係するところからですね。それのプリントとか何とかいうのは、あなたの方からもし私がほしいということであればいただけますか。それとも、関係するところでないとそういうものがないわけですか。どうですか。
  28. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) 各省庁からどういう資料をお出しいただくかということも、よく調整しながら重点的にやっている次第でございまして、各省資料も、問題によりましては、細部にわたる、かなり膨大なものもございますので、それを要点のようなものにまとめてお出しするという御要望でございますれば、さよう取り計らうことができると思います。ただ、若干まとめますために時間がかかるかと思うわけでございます。
  29. 鈴木壽

    鈴木壽君 そうすると、運輸省あたりで、たとえば、長距離トラック事故防止対策なり、あるいはタクシー事故防止対策というようなものは、そういう会議に出していると思いますが、局長、あれですか。そういうものについての、あまりもし膨大なものであって、大へんだというぐらいの資料であればちょっと困るのですが、要綱について、何かまとめたプリントのようなものはありますか。
  30. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 簡単に取りまとめましたものはございます。
  31. 鈴木壽

    鈴木壽君 実は業界新聞なんかで、簡単な、こういう問題が取り上げられたというようなことについての報道がありますから、簡単なことは承知しておりますが、今の局長お話で、もしまとまったものがありますれば、あとでいただきたいと思いますが、この点、一つお願いしておきたいと思います。  そこで、そういう資料をいただいてからいろいろお尋ねするのがほんとうだと思いますが、その前に、もう一つ室長の方にお聞きしたいのですが、今後こういう会議を持って、いろいろ問題点になるようなところ、あるいは対策として考えられるいろいろな問題についての御検討をなさると思いますが、それをどういうふうな形で、事故防止のために具体的な措置として、対策として、今後それを実現するというふうなお考えを持っておられますか。一つその点について……。
  32. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) お答えいたします。  交通事故防止対策につきましては、御承知のように、非常に問題が広範でもあり、また多岐にわたる点もございますので、対策本部としての進め方につきましてのお尋ねでございますが、そのときの問題の性質によりまして、それぞれ運び方を本部として協議をしてきめていくということにならざるを得ないと思っている次第でございます。従いまして、どういう問題についてはどうということも、その問題にもよる次第でございまして、一がいにこういうふうにということは申し上げかねると思います。本部として取りまとめまして、本部の決定という形で、行政運営上の指針として、関係各省がそれに沿って、おのおのの持ち分によって実行を推進していくというような形のものが多かろうかと思うわけでございます。
  33. 鈴木壽

    鈴木壽君 もちろん、あなたのお話のように、本部でどうするこうするというような、具体的な措置についての権限なり、あるいは能力なりというものは、これは私ないと思うんですが、少なくともそこで結論の出たものについては、私、やはり内閣責任として、今後どういうふうに具体的にそれを現わして、事故防止のために効果をあらしめるかということが最終的な大きな目的でなければいけないと思うので、そういう面について、そこでいろいろな問題のただ資料として出され、討議された。たとえば、タクシー事故防止対策についての、運輸省から、現在までこういうふうにやっているとか、いろいろなことがあるようでございますね。あるいは長距離トラックの問題等につきましても、現在はこうだし、あるいは従業員の労働条件はこうだし、いろいろなことがあるようでございますが、それは一体具体的に、もし悪いものがあったら是正をする、さらによい対策を立てていくというようなことについて、はっきりそれぞれのもちろん所管の官庁によっての責任のもとにやられていかないと、これは、会議は何べんやっても、いろいろな対策についての話し合いが出ても、さっぱり事故の方は減ってこない。あるいは改善されるべき事故を起こすについての条件となっているようなことも排除できないと、こういうことが私起こるのじゃないかと思うわけなんですね。そういう意味で、何かもっとそれぞれの役所によって、関係官庁によって適切な措置がとられるべきだというようなことだけでなしに、やはり内閣一つ責任として、そこまで強く推し進めていかなければならないものだと思うんですが、その点について、まあ室長さんのところでは、いわば会議の主宰者みたような格好で、そこで所管してやっているということでございましょうが、もっと何かほしいと思うんですが、その点、どうでしょう。
  34. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) ただいまの御質問でございますが、対策本部趣旨等につきまして、先刻御説明しました通りでございまして、その線に沿いまして、当本部としましては、強力に事故防止に向かって推進していくということで努力しておる次第でございまするので、ただいまの御質問は、資料の交換等だけでは足りないのではないかという御趣旨のように承りましたけれども、もちろん、対策を樹立しまして、推進する上におきましては、最近の現状を情報交換をしましたり、問題がどこにあるかということを討議したりすることがまず前提であると存じまするので、本部会議におきましても、そのようなことをしょっちゅうやっておるわけでありまするけれども、本部としましては、それにとどまっておるだけではないわけでございまして、現に、先ほど申し上げましたような、事故防止対策の要綱というようなものを決定してもおりまするしさらに、その後の状況の推移と問題の所在に応じまして推進しておる次第でございます。
  35. 鈴木壽

    鈴木壽君 運輸省の方にお聞きしたいのですが、現在交通事故で、まあ全般的に非常にふえておるということはもちろんでありますが、特に最近長距離トラック等による事故について、いろいろやはり問題になっておると思うんですが、これに対して、事故防止のためにどのような措置をおとりになっておるわけですか。
  36. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 最近トラック関係事故防止対策といたしましては、長距離トラックに関しまするもの及び砂利トラック等関係を取り上げられておりますが、長距離トラックの面におきましては、昨年東海道線及び山陽線につきまして、自動車に関しまする事業監査をいたしまして、その調査の結果、いろいろ是正すべき点がございましたので、たとえば、適正な乗務交換を実施しなければならないとか、また、乗務状況の適正な把握をしなければならないとか、あるいは勤務の状態その他に関しまして是正すべき点を通達いたしました。そういう通達をいたしましたのは昨年の末でございますが、その通達に基づきまして、現在陸運局で、事故防止観点から指導を強く強めておるという状況でございまして、今年におきましても、このトラック事業者に関しまする監査は、事故防止等を重点といたしまして強めていき、その出ました結果について改善措置を講じていくという方法をとっていきたいと思っております。
  37. 鈴木壽

    鈴木壽君 監査をなさって、その結果、是正をすべき点については通達をもって指導をやっていくと、こういう考えのようでありますし、それをおやりになってきておるようでありますが、お話のおしまいの方にありましたように、やはりこれは、事故防止対策のためのそれだと思うのです。従って、特に事故防止のためには、どういう点をどう改めなければならないのか。現状は従ってどうなっているのか。こういうことについて、あなたの方でいわゆる重点としてやられるそういう措置でございますから、何点かについておあげになって、もっと具体的に一つお示しいただきたいと思うのです。
  38. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) ちょっと時間が長くなるかと思いますが、従来とって参りました手段その他について、及び今後指導していきたい方向について申し上げたいと思います。  昭和三十年に、今お話のございました、内閣交通事故防止対策本部が設けられたのでございますが、ここで事故防止に関しまするこれは全般的な問題を打ち合わせましたが、その結果に基づきまして、運輸省の自動車局といたしまして措置し得るものにつきましては、道路運送法の一部改正及び自動車運送事業等運輸規則の改正をいたしまして、この際には運行管理者の選任を義務づけたこと、それから乗務時間及び勤務時間の適正化をはかれという規定を入れました。それから、長距離または夜間運転に対する交替運転手の配置をせよという規定を入れ、またそれから点呼の実施等、安全運行の確保に関する規定を加えた次第でございまして、またさらに、三十三年に休養施設の整備と事業遂行に必要な運転者の確保と、運行管理者の資格を明らかにする、こういう規定を入れまして、この規定に基づいて指導をして参ったわけでありますが、私どもが見ておりますと、やはり勤務の態勢におきましても、事故防止観点から考えなければならぬ点かあると考えまして、乗務時間等運転乗務の適正化をはからなければいけないのではないかということ、それから、長距離トラックにつきましては、適正な運行ダイヤの確立をしなければならないということ、それから、折り返し運行の際の休養の確保をしなければならないというようなこと、これらに関しまして、陸運局長がよく指導するようにという通達をいたしておるわけでございます。こういうふうに指導して参りましたが、やはり問題は解決いたしませんので、先ほど申し上げましたように、昭和三十四年度の監査の重点といたしまして、やはり事故防止に重点を置いて、東海道、山陽道の主要幹線に路線を持っております三十六業者について監査をいたしました結果、指導すべき点として七項目ほどをあげておるのでございます。  この項目について申し上げますと、第一番目に、適正かつ計画的な乗務交番の実施をすべきであるということでありまして、これは、長距離にわたる路線トラックの現在の運行模様から見まして、乗務員の過労防止には特に万全の措置を講ずる必要がありますので、適正かつ計画的な乗務交番を実施させる。そうして自動車運送事業等運輸規則の関係規則を順守させる、計画的な勤務の割り振りをするということをまずせよということを申したわけであります。  それから第二番目に、乗務状況の適確な把握をしておけということを指示したわけでありまして、これは、いわゆるトンボ返りと称しまして、発地から出まして、一応着地へ着きまして、さらにすぐ荷物を積んでまた発地へ戻ってくるというような、直ちに引き返し運転をするというようなこと、これらを防止する。それから、神風運転を防止するということのため、計画的な乗務交番を実施する。こういうことのために、まず運転者の乗務実態の適確な把握が必要でありますので、運輸省としましては、運転日報の作成を命じておりますが、運転日報の作成にあたりましては、運転者ごとに、主要地点の発着時刻、走行キロ及び運転交代状況等を必ず記録させるとともに、これによりまして乗務状況を管理すること、これらを指示しておるわけでございます。  それから第三番目に、適正な運行基準の整備をすべきであるということを申しておるのでございますが、これは、神風運転を防ぐとともに、休憩を適切な時期にとらせるために、運行系統ごとに適正な運行ダイヤを作成して実施させることが必要でありますので、運行系統ごとに、主要地点間の標準走行時間、それから休憩時間とか休憩場所、交代運転者との標準運転交代区間あるいは中間営業所における荷扱い時間等につきまして、標準的な運行ダイヤを整備せよということを申しておるのでございます。  第四番目に、出発前の勤務時間を適正化すべきであるということを指示しておりますが、これに関しましては、監査の結果によりますと、一般に、運行開始の相当時間前に乗務員が出勤しておるというような事情が見られましたので、これら出発前に、相当長時間前に出勤させるようなことでは、運転時間中に疲労が増すのではないかということを考えまして、特に出発前の待機時間を短縮するように、作業内容を合理化するように命じております。  それから第五番目に、事故原因の調査事故防止対策の樹立促進を指示しておりますが、この事故の原因調査に関しましては、事故運転者の単なる責任追及のみに終わることなく、類似事故の発生防止のために、間接原因にまでさかのぼって十分な検討を加え、対策を立てる必要がありますので、事故の実態及び原因を完全に把握して、適正な対策をすみやかに樹立するように、これは、指導の面と業者自体考えてくれ、なお、居眠り運転等によります事故につきましては、その発生時刻、発生地点がほとんど一定の傾向を示しているような例が少なくありませんので、このような場合には、運転交代の時期もしくは方法または休憩場所等について検討を加えることが必要であろう。それらの点についても十分考えるようにということを申しております。  それから六番目に、安全管理体制の強化をはかれということを申しまして、運行管理体制の充実といたしまして、運行管理者の権限を明確にし、点呼を確実に実施する。あるいは乗務員の服務の厳正をはかる等、運行の安全管理体制の充実強化、これが事故防止上最も基礎的な対策でありますので、これらを強化いたしますとともに、運行管理者の研修等によりまして、さらに運行の安全管理の徹底をはかることを指示しております。それからさらに、定期整備及び車両点検の安全実施をせよということを申しまして、車両を整備するという点に重点を置いて、点検時期、段階、項目及び点検票等の一これは点検をこういうふうにしたというしるしの紙でございますが、それらの点すべて、車両点検の実施体制につきまして、十分に実施の確認をするように、これらについてのまた部内監査を充実するようにということを申しているのでございます。  それから七番目に、これはやはり間接原因として、給与体系が問題であると考えられます点もございますので、給与体系の適正化をはかるように、すなわち、固定給額の著しく過少な給与体系を持っている事業者に関しましては、歩合給額の適当額を固定給化する等の方法によって給与体系の適正化をはかれということも指示し、こういう方面の指導をせよということ、それから、超過勤務の基礎となる基準賃金が調査の結果不明な事業者も見受けられましたので、これらを明確にせよというような、給与体系の適正化の点につきましても、十分税地において指導せよというようなことを指示いたしまして、塩花監査の結果出ましたものに、われわれが感じられましたものにつきましては、以上の点について指導をいたしているという状況でございます。
  39. 鈴木壽

    鈴木壽君 今お話しになられました事柄につきまして、いろいろもっと聞きたいことがありますが、時間の関係もありますから、あと一つ資料として、そういう現在指導をなさっているような今の七つの項目等につきまして、プリントしたものでもいただけるならば、それを出していただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
  40. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) はい。
  41. 鈴木壽

    鈴木壽君 いろいろそういう七つの項目にわたっての指導がなされているということでございますが、監査の結果は、これはまだ、十分これでいいのだということにはもちろんなっていないと思いますが、こういうことについて、今後随時しかも強力にこれは監査をし、指導をすべきであるというふうに思うのでありますが、その点は、どういうふうにおやりになっているのですか。
  42. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 昭和三十四年度におきましても、三十六事業者について監査を実施いたしましたが、これは、確かに監査に関しましては、十分徹底的にやるべきだと考えております。また、問題のあるところを重点として随時監査をする必要もあると考えております。その方向で指導いたしておりますが、本年におきましては、実はこれらの点に関しまして、自動車行政をやっております要員が非常に少ないので、まあ要求をいたしまして、現在審議を受けております点では、監査に関しまする要員を認められましたので、それら要員を現地へ配置いたしまして、十分にとまではいきませんかもしれませんが、われわれとしては、できるだけの監査をし、改善措置を講じさせるように指導していきたいと考えております。
  43. 鈴木壽

    鈴木壽君 たとえば、運転者の休憩の施設であるとか、あるいは運転者が一カ月どのくらい、何日くらいの休みを取っておるのか。何か、今までお調べになったことからしますと、一日も休みのない者が相当ある。あるいは一日しか休めない、二日しか休めない、こういうふうな者が相当の数出ておるようであります。さらに、一カ月どのくらい走っておるのか。これは、走行距離というようなものも一つの非常に大きな問題になると思うんですが、こういう問題等について、あるいはまたさらに付随的なものとして、走行間におきますところのスピードの問題、いろいろあると思うんですが、そういうものについて、これはまあ人手も足りないというような現在までの状況であったかもしれませんが、やはり監査の結果明るみに出た、そういう是正をしなければならぬものにつきましては、やはり私は、強く是正のための指導なり、そういうものがぜひ行なわれなければならないと思うんですが、これは、今できるだけ努力をなさると、こういうふうなお話でございますから、今後に期待をしまして、十分一つやっていただきたいと思います。いずれあとで、先ほどお願いしましたように、こういう問題につきまして、それからもう一つは、タクシー等につきましても、資料として、指導の重点としておるような問題等につきまして、それから、あるいは現況がどうなっておるのかも、こういうことにつきましての資料をいただきたいと思います。  それから、直接局長さんの方にお尋ねすることはまあそれでございますが、これは、局長の方と建設省にわたることだと思うんですが、いわゆる車両制限の問題について、何か、建設大臣も運輸大臣も、必ずやるんだ、こういうようなことを衆議院の方で答弁あるいは説明があったやにも聞いておりますが、具体的には、どういう今検討をなさって、もしおやりになるとすれば、いつごろにそういうものをやることをめどにして作業を進めておられるのか。この点を一つ局長からそれぞれお答えをいただきたいと思います。
  44. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 車両制限でございますが、これは、道路法によりまして、「道路の構造を保全し又は交通の危険を防止するため、道路との関係において必要とされる車両についての制限に関する基準は、政令で定める」ことができると、こういうことに相なっております。つまり、道路が非常に狭いとか、橋などが非常に破損しておりまして弱いというようなときには制限ができる、そういう政令が作れるということに相なっておるわけであります。建設省といたしましてはここ数年来道路交通の激増にかんがみまして、実は数年前からこの問題を取り上げて、研究いたしておった次第でございます。しかしながら、この問題は、事故防止の見地からは非常に重要であると同時に、また、もう一方交通事業という面から考えますというと、需要者にとっては、いささかそこに制限が加わることに相なるわけであります。従いまして、そういうような利益の立場もまた考えなければならない。従来まあその問題についていろいろ研究いたしておった次第でございますが、最近の交通状況にかんがみますというと、これはどうしても、必要最小限度のやはり制限はつけなければなるまいという観点に立ちまして、ただいまこの政令の内容を検討いたし、関係各省庁と御相談をいたしておる段階でございます。  その内容をごく簡単に申しますというと、まず、道路の幅員等に対します車両の幅の問題でございますが、これは、まあごく一般の場合を申しますというと、原則として、車道の上で二台の車両がすれ違いができる範囲でなければならない。これは、二台がすれ違って、若干余裕がなければならないわけでございます。これは、こういう狭い道路の引き続いている長さだとか、あるいはその狭い道路がどういう地区にあるのか。商店街であるとか、あるいはまた、比較的閑散なような所、現状によりまして、余裕、幅等は若干違えて参ることが必要かと存じますが、原則といたしましては、車両がすれ違いができて、若干の余裕を持たせるようにしなければならぬ。従いまして、狭い道路にはそれだけの幅の車両を使ってもらいたい、こういうことを考えております。それからまた、そうした幅の取れないような所では、一方交通、往復をさせないというようなことも考えて参りたい。その場合には、全然一方交通の場合と、それから、それと同時に、それが非常に長さが狭い場合には、その途中に待避所のようなものを作らせて、そうしてまあこの両方から交通させてもよろしいかもしれない、そういったことも考えております。  それから、車両の重量でございますが、これは、道路の路面構造、それから、先ほど申しました橋梁の構造等に応じまして、車両の重量を制限いたすことが必要かと存じます。  それからまた、よくキャタピラのあります車に舗装個所などを通られますというと困る。そういった制限なども考えたいと存じます。それらにつきまして、ただいま詳細にわたって研究をいたしていくつもりでございます。できるだけ早く研究を終えまして、御関係方面とも御相談いたしまして、これは一つ政令として出すつもりで、準備を急いでいる状況でございます。
  45. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 道路を通行します車両の制限に関しまする政令は、建設省の方から、昭和二十九年ごろから協議がありましたわけですが、ただいま道路局長からお話がございましたところですが、双方交通の場合は、道路の幅員が、私どもとしては、五・五メーター以上必要だと考えておりますのですが、まあこれは、実は私どもとしては、道路建設予算あるいは改良予算をもっとつけていただいて、道路を改良していただきたいと思っておりましたんですが、五・五メーター未満の国道、都道府県道が非常に数が多いのです。その実はパーセントを持っておりますけれども、非常に五・五メーター未満の道が多いので、実はこれを形式的に当てはめて参りますと、現在通行しておりますバスでもまあ通せなくなる。あるいは一方交通の場合でも、三・五メーター以上必要であるということになりますので、これらの点につきまして、私どもとしては、道路と自動車輸送の現況をよく考えまして制限をし、事故防止観点から車両制限を行なうべきであるということは、私ども考えておりますのですが、その道路と自動車輸送の現況を十分に当てはめまして、できるだけ事故防止観点にも即し、自動車輸送の観点にも即した道路に関します制限令を作り上げたいと思いまして、建設省とその措置について打ち合わせをしておる段階でございまして、私どもとしましても、そういう車両制限が行なわれるように、十分に建設省協議をし、できるだけ早く結論を得たいと考えておる次第でございます。
  46. 鈴木壽

    鈴木壽君 これは、運輸省の方にお聞きしたいのですが、現在バス等の通っておる所で、とてもすれ違いどころか、大へんな所がたくさんあるわけですね。これは、あなた御承知だろうと思うのですが、この東京都内にもありますし、いなかの方へ行きますとざらにそういう所がある。あるいはすれ違いのできるような所は、少なくとも五・五メーター以上でなくちゃならぬ、一方交通でも三・五メーター以上なければならぬ、こういうふうなことなんですが、せいぜい三・五メーターか四メーターぐらいのところにバスを通している所が私はあると思うのです。人すらたんぼのあぜ道によけなければ車を通せないという所にバスが通っている。こういう所があるのですが、これは、路線の認可という場合に、一体道路の管理者との間にどの程度の話し合いをし、どういう打ち合わせ等をやっておるのか、私非常に疑問じゃないかと思うのですがね。確かに、先ほど道路局長お話の中にありましたように、これは、人間なりあるいはまた貨物の場合でも言えると思うのですが、ともかく人間が乗って便利な、あれば都合がいい、こういう問題でございますから、なかなか一がいにきちっと割り切るというのはむずかしいと思いますが、しかし、少なくとも現在交換が不可能だとか、あるいは待避所がないとか、人すらあぜ道へおりて寄らなければいかぬ。あるいはよそのうちの軒先へ隠れなくちゃならぬというような所にやはりバスを通したり、あるいは一方交通でない、車が双方から入ることができるようなことをすることは私困ると思うのですが、そういう点について、現在どういうふうに道路の管理者との間にやっておられるのか。一つお話しを聞きたいと思うのです。
  47. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 現在の協議の模様等についてまず申し上げたいと思いますが、道路管理者に対しましては、免許申請がございました場合に、陸運局長から当該道路管理者に、その道路の状況、通行の可能性等について照会いたしまして、意見聴取をいたしまして、相当詳細に意見をこちらにいただいて処理をしておるわけでございます。さらに、公安委員会に対しましても、その道路通行保安の面から意見を聴取いたしまして、その道路管理者及び公安委員会意見がついております場合には、その意見の通りに処理しております。このことは、道路管理者なり公安委員会なりは、ここは通行不能であるという意見が参りましたら、それはもうその通りにわれわれとしては措置しております。それから条件として、ここはこの程度の幅員のものであるから、この程度の幅の車両というような条件がついて参りました場合には、そういう小型でなければならないというような条件も付して現在は措置をいたしております。まあ、従来ありましたものにつきまして、古く免許をされましたものにつきましては、そういう道路管理者なり公安委員会への協議がなかったわけであります。それらの点に関しまして、現在東京の郊外等においても問題があるわけでありますがこれらの点に関しましても、やはりわれわれとしては、事故防止観点からも相当考えなければいけませんので、具体的な道路をとらえまして、そういう一方交通にするとか、あるいはここはこういうふうにせよとかいうようなことを、警察当局と陸運局と打ち合わせて、現在改善策を講じております。東京の郊外におきましても、相当現在改善されて参っておる所がありますが、何しろ東京の今の中央線沿線なんかにつきましては、駅へ来ます道路というのが、ほとんどバスが通らなければ1郊外が発展してきましたので、バスを通しておったわけでありますし、今もおるわけでありますが、これを急激に廃止するわけにもいきませんし、具体的に解決するためには、個個に指導していかなければなりませんので、陸運局としても、実は今、タクシーの問題で忙殺されておりますが、タクシーの問題が幾らか小康を得ましたら、今後そういう現地の指導の面に積極的な力を注ぎまして、警察当局とも打ち合わせ、道路管理者とも打ち合わせて、問題を個々に解決していきたいと考えております。
  48. 鈴木壽

    鈴木壽君 今の車両制限の問題は、この内閣事故防止対策本部で取り上げて検討をしておるものですか。それとも、まだその段階には至っておらない問題ですか。これはどうです。
  49. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) お答えいたします。  問題点として取り上げました。幹事会あるいは関係の官庁の連絡会というような形ででもこれを取り上げて進めたいと考えておるところでございます。
  50. 鈴木壽

    鈴木壽君 別に具体的にまだ検討はしておりませんね。話題といいますか、一つこういう問題もあるというような程度の取り上げ方なんですか。
  51. 大島寛一

    政府委員大島寛一君) 問題として取り上げており、これから具体的に解決をはかり、また推進したいという段階でございます。
  52. 鈴木壽

    鈴木壽君 車両制限の問題、なかなか、利用者側からすれば、今道路局長がおっしゃったように、また私が先ほどちょっと申し上げましたように、問題がやはりあると思うのですが、しかし、現在こういうものによって起こる事故、しかも、それが人命に関することというようなことになりますと、やはり私は、どうしても放置できない問題だと思うので、まあとりあえず、その車の大きさの制限とか、何かそういう比較的手のつけやすいといいますか、これは、あるいは事業主にとっては、いろいろまた車を新たにしなければならぬというような問題が出てくるかもしれませんが、しかし、現在の道路を全国至るところきちっと整備することも直ちには望めないでございましょうし、とすれば、とりあえず車の大きさ、幅とか、長さとか、あるいは場合によれば重量というような問題もあるかもしれませんが、いずれそういうふうな点からでも手をつけるべきじゃないかと思うのですが、そういう点についてどうでしょう。まあ先ほど道路局長の方からはお話もございましたし、また自動車局長の方からも、これから手をつけてやっていきたいというようなことがございましたが、問題をそういう点にしぼって考えていった場合に、やはり早急にこれはその点に踏み切らざるを得ない段階にまで来ているのだと、私はそういうふうに考えますが、この点どうでしょうか。
  53. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 車両の大きさにつきましては、道路運送車両法に基づきまする省令で規定しておるわけでありますが、運輸省できめておりますのは、車両輸出等の関係考えまして、最大限の車両の大きさをきめておるわけであります。これに基づきましてメーカーが製作をしておるわけでありますが、今後確かにこの道路に見合う自動車というものを考えていかなければならないと思いますが、ただ、現在やはり輸送の頻度、それから、どれだけの輸送需要がありますか、その人を何回の回数でどれだけ運ぶかということが問題になりまして、たとえば、非常に車両を小さくすれば、それは、道路の幅員との関係からはいいと思いますが、そうすればその場所しか使えない。そして何回も往復をしなければならないので、車両はたくさん要る。そしてそこの交通はもっと輻湊するというような状況になりますので、それらを勘案いたしまして、できるだけ妥当な結論を出したいと考えて、先ほど申し上げましたように、私ども今やりますことは、個々の具体的な場所について、運輸当局と警察当局と、それから建設道路当局とでよく打ち合わせて解決していくという方向へ指導しておりますので、今後の免許の際等につきましては、十分それらの点を勘案しながら免許をやっていくように、道路管理者及び公安委員会意見も聞いておる、そしてそれを尊重して措置をしておるという現状でございます。
  54. 鈴木壽

    鈴木壽君 道路局長にお聞きしますが、あなた、衆議院の方で、道路と車両の制限の問題で、車両の幅なり長さなりあるいは重量なりを規定するようにしたい、それから道路の幅員等についても、四メーター以下の所では、そういうバスを通させないようにしなければいかぬのじゃないかということをお答えになっておるようでございますが、これは事実かどうか。確かめながらお聞きします。  それからもう一つ、運輸大臣と建設大臣が、この問題について、三月中に必ずめどをつけてやるのだ、こういうことをはっきり言っておるようでございますが、あなた方の御答弁を聞いておりますと、これから手をつけて、いつになるかわからぬというようなふうに聞こえる御答弁ですが、大臣は、今申しましたように、早くやれと言われたことについて、三月中にもこの問題についてはめどをつける、こういうふうに言っておる。そこら辺の関係はどうでしょうね。あなた方は、それについて御存じございませんか。
  55. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 先ほども申しましたように車両制限の政令の内容につきましては、建設省では、以前から研究をいたしておりました。自動車局長からお話がございましたように、昭和二十九年ごろに運輸省に御相談したことがございます。そういうふうに、ずっと研究いたしておりますから、大体考え方は、かなり研究を進めて、内容ができておるつもりでございます。しかしながら、先ほど申しましたように、たとえば、車両は二台通れて若干余裕を持たせるようにする。しからば、その余裕をどのくらいにとるかというような点について考えてみますと、たとえばそれを五十センチにするか、七十センチにするか、あるいは一メーターにするか、その辺が、現在の道路状況を見ますと非常に狭いものですから、その辺で非常に影響が多いわけであります。これを五十センチ、七十センチ、一メーター、どういうふうに押えるかというような押え方などにも非常に問題があるわけでございます。理論的にこうすると申しましても、なかなか理論ばかりでは、計算の上ではこういうものは出て参りませんので、諸般の事情を考慮いたしまして、また、その道路々々の現況によって、これはある程度適切な判断が下されなければならないというようなことを考えますというと、こうしたちょっとした数字を出しますにも、なかなか根拠を求めますのにむずかしい問題があるわけでございます。それらの点について、いろいろ研究をいたしておるという状態でありまして、私どもとしては、できるだけ早くこれを一つ、今回はもうこれは猶予しているわけには参るまい、何とか早くまとめなければならないのではないか。実は、私ども道路側といたしましては、こうした交通の需要を制約することを考えなければならないことははなはだ残念な次第でございますが、道路の整備の速度が交通に間に合わない現状におきましては、こういうこともまたやむを得ない、今回はどうしてもこうした措置を講じなければなるまい、こう考えまして、実は急いで始めるように努力いたしておる状態でございます。
  56. 鈴木壽

    鈴木壽君 國友さん、どうも、あなた方のお話を聞いていると、少し慎重過ぎるような、これはいろいろな問題がありますから、直ちにすぱっと結論を出す、結論と言うよりも、あるいは車両制限をするのだ、こういうことにはいろいろな問題があると思うのですが、それにしても、道路局長お話相当、何と言いますか、先へ進んだようなお話でもございまするし、これは早急に一つ、先ほども申し上げましたような点について検討を終えられてやらないと、たとえば今度の新しい道路交通法なんかに規定していることと皆ちぐはぐになってくるわけですね。一本に道路交通法、たとえば、一つの例として申し上げますが、駐車する場合に、道路の側端から〇・五メーター離れなければならないということがある。そうすると、車の幅というものは一メーター五十センチか、正確には私わかりませんが、いずれ車によっても違うでしょうから、ある。そうすると三メーター五十センチだの四メーター以下の道路だったら、他の車は通れない。そうすると、そういうものがもし今度の新しい法によって規定されているそういうことに違反した場合に一体どうなるかというようなことで、なかなか問題はこんがらがってくると思うのですね。ですからこういう問題を——実は私こういうことをお聞きするのは、今の新しく私ども審議しております道路交通法考えていく場合に、単なる法規としてだけでなしに、その他のいろいろな要件といいますか、そういうものをぜひこれはやはり整えられたような形で法規というものが作られなければならぬと思う。取り締まりの法規というものは、また一挙に今道路の構造等に関し、あるいはその他の施設等に関して完全なものはできないでしょうし、だから、そういう現状に合ってなければ、それならば交通の事故等を防ぐために一体どうしなければならぬのかというようなことを考える場合に、あまり私はのんきなことは許されないと思います。もちろん、業者の問題もあり、製造のメーカーのこともありますし、それから利用者のこともあり、あるいは交通の頻度、いろいろな先ほど申しましたように関連する問題はありますけれども、やはりある程度のところで一つポイントをしぼってでも、踏み切るところは早く踏み切らなきゃならぬと、私はそう思うのですが、最後に、今の車両制限等の問題については、私、別の問題に移る前にその点だけ一つ局長からあらためて態度についてお伺いしたいと思うのです。
  57. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 建設省とも十分に協議をして、できるだけ早く結論を出すようにいたしたいと思います。が、この点は、実は道路法に基づく政令でございまして、私ども、今、国会の方でだいぶ忙殺されてもおりますので、政令は三月というお話が先ほどございましたけれども、できるだけ早くわれわれ協議をしてまとめるようにいたしたいと考えております。ただ昭和二十九年のときのことを先ほど申し上げましたけれども、当時——まあ当時の問題について申し上げた方がいいと思うのですが、その昭和二十九年当時の政令のときにも問題になりましたことは、国道、府県道の中で、バス路線が通っておりますものについてだけ調べまして、幅員五・五メートル未満のものが七四%、それから三・五メートル未満のものが二六%という状況でございまして、実はこれで行きますと、もう今の通っておりますバス路線の非常に多くのものが制限にかかってしまう。こういうような形になりまして、それじゃそのバスを全部とめてしまっていいのかという問題がございまして、実は私どもとしてはどうも、この点で何らかの調整策を講じなきゃならないんじゃないかということを考えておりましたわけです。まあしかし、今後、先ほど道路局長も申しましたように、われわれとしても、この制限令に関しましては、何とかとりまとめて具体的な措置を講じていきたいと考えておりますので、十分できるだけ早く協議をいたしたいと思っております。
  58. 西田信一

    ○西田信一君 関連してお聞きするのですが、ただいまの鈴木委員との質疑を聞いておりまして、道路構造との関連において、運行制限の問題が取り上げられておる。これは、私はもちろん必要なことであろうと思いますが、私がお聞きしたいのは、この問題とまたからんで参る問題でもありますけれども、車の数の問題ですね。これも一つ問題点であろうと思うわけです。最近のことに都内におきまする交通、車の輻輳しておる状況というものは、場所によっては非常にひどいものがあると思う。そこで、これはまあいろいろな条件が考えられるわけでありまして、ただいまの交通制限という問題もからんで参るでありましょう。それから、道路の将来の整備計画ということにも関連を持って参るでありましょうけれども、この登録、免許という問題、つまり自動車の数の問題、道路全体の自動車の収容力、これは数だけではいけない、結局、その自動車の使い方にもよると思いますけれども、そういうことを全部総合して、つまり免許とか登録とかいう問題、こういう問題について何か考えられておるか。つまり、さっきの協議という問題の中にそういう問題が考えられておるのかどうか。その必要がないのか、また、将来についてどういうふうにお考えになっておるのかというようなことを一つ建設省からも運輸省からも、あるいはまた取り締まりの関係警察当局からも、お考えをお聞きしておきたいのですが……。
  59. 國友弘康

    政府委員國友弘康君) 自動車が非常にふえて参りまして、東京都内においては、だんだん運行時間がよけいかかるような状況になって参りまして、もう場所によりましては、自動車を利用して行くよりは、地下鉄等を利用した方が早いという状況になっておる所もありますが、そこにおいて、今、先生のお話のございましたのは、免許とか登録とかの場合のお話が出たわけでございまするが、これが今一番問題になっておりますのは、自家用の場合だろうと思うのでございます。自家用等につきましては、私ども、登録という制度はとっておりますが、これに関しまして、今直ちに車両の使用について規制するとかなんとかいうようなところまで、まだ私どもとしてはちょっと踏み切れないのでございます。それは、世界各国で、一台当たりの人員数を調べた数字があるわけでございますが、このことは、今おっしゃいましたように、道路の幅員の問題、道路の面積の問題とも関連がございますし、人口の棚密度との関係もございますので、この数字は、これだけで論ずることはできないと思いますが、一台当たりの人員を、これは四輪以上の自動車について見てみますと、昭和三十三年現在でありますが、アメリカは二・六人、カナダは三・七人、スエーデンは七・五人、イギリスで八・六人、フランスが九・〇人、スイスが丁〇人、西独が一七・〇人、イタリアが三〇・ ○人、ソ連が六一・〇人、それから日本は一三一人、一台について一三一人ということになっておりまして、これらで比較してみますと、日本では人口が非常に欄密であり、都市に集中しておりますので、事情は違いがございますが、そうしてアメリカは非常に保有台数が多いものですから、世界の全平均では、一台について二五人、二五人に一台持っておるという状況のときに、日本におきましては一三一人に一台というような状況でありまして、これらの状況を見ますと、まだ日本において全体的な車両制限をするというような時期ではないと思っておりますので、これらの点に関しましては、おのおのの地域におきまして使用の制限なり何なりをするということが、まだ現在の段階においては必要なのではないかと、こういうふうに考えておる次第でございます。
  60. 佐藤寛政

    政府委員(佐藤寛政君) 建設省といたしましては、元来車両の制限をいたして、交通輸送に御不便をかけないで済むようにいたさなければならぬわけでございます。このために、御承知のように、最近道路事業につきましては、相当大きな計画を持ちまして道路整備事業をやっておるわけでございます。地方の非常に悪い、いわば前時代的なものを改良いたしますと同時に、また一方、交通の多い所では、一応道路が整備できておりますが、しかし、交通輸送能力がもうないというようなものに対しましては、再改良というようなこともいたしておりますし、それから、御承知のように、高速自動車道路あるいは東京都内の高速道路というようなふうに、全国にわたって道路整備を急いでおる状態でございますが、今日の交通状況、また近き将来を見渡しますというと、とうていただいまの整備では追っつかない状態でございまして、従って、こういう車両制限という問題も起こるわけでございまして、私どもといたしましては、そういう制約的なことをなるべくしないで済むように、むしろ道路整備をもっと大幅に進めて参りたいという観点に立って、ただいま検討いたしております。
  61. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 運輸省並びに建設省からお話のありましたことと、特に加えて申し上げるほどのことはございませんが、いろいろ最近の交通事情、やはり自動車が非常に多くなって、たとえば、二十二年と比較いたしますと、十一・五倍という増加率になって、これに対して、道路の整備ということがこれに伴わないというような状況が非常に交通の困難ということになっておると思うのであります。ただ、大都市等において、利用者が非常に多いということから、直ちにこれを抑制するということも非常に困難なことかと思いますが、客観的に考えまして、東京都あたりにおきましては、道路の容積というものと車両というものとの関連を見ますと、もう飽和点に近い状況ではないかというように思うわけでございます。それでもなおかつどんどんとこれを増加することを手放しにしておいていいかどうかという問題は確かにあるかと思うのであります。われわれとしましては、東京都等につきましては、路面電車の廃止と地下鉄の整備というようなことと相待ちまして、そういうようなことも考慮していただきたいということを申しておるような次第でございますが、少なくとも現在早急にやはり解決していただきたいのは、先ほど来鈴木委員からもお話のありましたような、非常に狭い道路において自動車が輻輳し、もう交通の危険あるいは非常な妨害というような状況に立ち至っていることは、ぜひとも改められなければならぬ。これは、われわれとしましても、建設省運輸省等と緊密に連絡をとりまして、できるだけ善処して参りたいと考えます。
  62. 西田信一

    ○西田信一君 ただいまのお答えで、大体私は理解ができるのでございますけれども、先ほど自動車局長のお答えの中に、各国との比較のお話がございましたけれども、これは、私もそのように理解いたします。しかしながら、ただいま私は特に東京都のことを申し上げたのですけれども、東京都でも、特にある地域におきましては、ほとんど例外なしに自動車の交通麻痺という状態、行き詰まってしまって動けないという状態が繰り返されておる。そのことがただ単なる交通事故とか、あるいはまた、交通が麻痺しているということは不便だというだけでなくして、不幸なことを想像したくないのですけれども、もっと不幸な事態が起きるという心配も私は絶無ではないと考えるのです。ですから、そういう点も、私はなにも制限することが好ましいという意味じゃないけれども、やむを得ない状態もときには考慮されなければならぬのではないかというふうに考えます。非常な何か不幸な災害その他のことを、想像することは好ましくないけれども、そういうことを考えるというと、非常に慄然たるものがあるというふうに考えるわけでして、そういう点は十分お考え願えればけっこうなんですが、一応伺ったわけです。
  63. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記をとめて。    〔速記中止
  64. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 速記を始めて。
  65. 米田勲

    ○米田勲君 それでは、長官に質問をしたいと思いますが、この法案をずっと見せていただきましたが、こういうような法律案は、非常に一般の国民に関係が深いわけです。生活に直結している。だから、この法律案のねらっている交通の安全とか、事故をなくしたいということの成果をあげるためには、国民が十分これを理解し、協力するという態勢ができない限り、法律ができてもなかなか成果はあがらぬということは、だれも考えるのです。そこで私、この法律案に手をかけたのは去年の八月ごろではないかと思うのですが、それ以来——それ以来か、それ以前でもいいのですが、国民の世論を起こし、あるいは国民の世論の反映をこの法律案作成の過程においてさせるというような配慮で、何か啓蒙したり、あるいは意見を広く国民に徴するというようなことを考慮されて本案を立案されたかどうか。関係者だけが部内で検討をして出したものか。本案の立案過程に、その点どういう配慮をしたかということをまずお聞きしたいわけです。
  66. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) その点につきましては、昨日もちょっと私申し上げたのでありますが、米田委員は昨日はおいでになっていなかったように存じますが、それで、今お話しになったように、全く一般大衆に一番密接する法案でありますから、この立案するにあたりましては、特に学界、財界、評論界、それから自動車業界、労働界、婦人層、これらからいろいろの代表に出てもらいまして、道路交通取締法改正についての検討懇談会というものを組織いたしました。これは何回ぐらいやりましたか、おそらく五回、ずっと会合を重ねまして、常にこういう意見を徴しつつ立案してきたのであります。それからまた、一般世論の動向等も察知したいと思いまして、そのほかにも、各新聞社の代表等にも何回かお集まりをいただきまして、新聞の方の意見も聞き、あるいは新聞にもいろいろ書いてもらったと思うのであります。そういうでき得る限りの配慮をしたつもりでおります。
  67. 米田勲

    ○米田勲君 先ほどから、鈴木委員の方からいろいろ御質問があって、答弁をいただいておったことでありますが、私、この法律案をずっと読みながら考えたことは、なるほど事故をなくして交通を安全にしたいというねらいについてはいいのだけれども、国民の行動をできるだけこまかく厳重に縛っていく方だけはたんねんにやって、先ほどもお話があったように、道路を広げたり、曲っている道路をまっすぐに改良するとか、路面を改良するとか、あるいは車がだんだん超近代的に大型化されて、道路は徳川時代式であるというような状態だったりして、なかなか私は、総合的な交通政策というか、そういうものが並行して進んでおらぬような気がするわけです。罰則や取り締まりの方の法律だけがどんどんどんどん先に行って、そして国民は、安全にしてくれるのはいいのだが、非常に縛られてしまって、そして窮屈になるだけであって、全体にみんながまあ安心して生活できるといったような状態にならないような、逆な現象が起きはしないかということを感ずるわけです。これは大臣にお聞きしますが、こういう法案を考えるときには、制定しようと考えているのですから、これと並行して、国民がもっと日常の生活を安心して、楽にやっていけるように、総合的な交通政策というもの、そういうものを考えてもらわなければ私はいけないと思うのです。取り締まりだけが強化されていっているというのがちょっと今の状況です。先ほどからの応答を聞いていると、こういう点について、石原国務大臣は、どんな努力をしながら、この法律案を今国民に押し付けようとしているのか、あなたのその考え方をちょっとお聞きしたいわけです。
  68. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) これも、米田委員の言われる通りでありますが、その道路その他も徳川時代式というのは、ちょっと表現がきついかと思うのでありますが、御案内のように、政府も、一昨年からでありまするか、道路整備五カ年計画を立てまして、一兆億円予算を投じて道路の整備に当たろうとしておるわけであります。それから、運輸省においても、鉄道の建設を初め自動車行政等についても非常な力を入れておられるわけでありまするが、全体を総合したものとしましては、内閣の方に、交通事故防止に関する対策本部でありますか、これが設けられまして、これは率直に、昨日も言うたのでありまするが、それほどのまだ大きな効果はあげてないと思いまするけれども、そういうふうに、関係各省の相互連絡もはかるというような組織も一応はできておるわけでございます。今回の立案にあたりましては、先ほど来からいろいろここで御論議もあったと思いまするが、運輸省建設省、こういう方面とも緊密な連絡をとりつつ、私どもの理想からいえば、まだ不十分な点は、これは多々あると思うのでありまするが、一応現在の行政機構がこういうふうに分かれておりまする以上、一足飛びなことはできないのでありまするけれども、そういう点に十分意を用いつつ本法の立案に当たったということを申し上げられると思うのであります。
  69. 米田勲

    ○米田勲君 これは私、交通政策といいますか、各省間になわ張り争いがあって、これはおれの領分だから、お前らは知ったことはないのじゃないか、口ばしを入れるなといったような傾向が多少あるのじゃないか、だから総合的な政策が並行的に進んでいかないのだ、もっと、こういう事故防止対策本部のようなものをせっかく設けているのであったら、お互いにもう少しなわ張り争いをやめて、総合的な交通政策を立てていただきたいということを強く要望するわけですが、道路整備五カ年計画、一兆億円、なるほど大した政策ですが、ぜひ考えていただきたいのは、日本国中、いなかまで今バスが走っているのです。先ほど自動車局長の話だと、三・五メートル以下の道路が二六%もあるというのです、バス路線に。だから、私は北海道ですが、本州の非常に交通の整備した所へまた徹底的に広いりっぱな道路をつけて、これで道路交通の政策が前進したという考えではなしに、もう少し日本国中に目をみはってもらいたいと思うのですよ。そうでないと、幾ら金をかけたって、重点的に東海道線だけがよくなるのでは、これはどうも政策としてはおかしい。それはちょっと批判になりますから……。  それから、その次にお聞きしたいのですが、私まじめにたんねんに読んでみましたが非常にこまかくこの法律案は規定されておって、感ずることは非常に罰則がきつくなっているという感じです総体的に。この案を立案するときに、その点をどういう配慮をされたか。お互いに事故を起こしたいと思う者はいないわけです、傷したり、死んだりするのは、お互いにいやなんだから。従って、この交通事故には、相当善意の過失というものがある。また、道路の状況だとか、あるいはその他の、自分以外で、自分では何ともできないいろいろな条件が総合されて事故が起こってくるわけです。そういう状況考えてみますと、この法案全体に非常に罰則がきつくなっているが、刑罰を強く加えれば事故防止され、交通の安全が期せられるという考え方がどうも強く打ち出されてしまったのではないか。善意の過失といったようなことについて十分な配慮が払われているのかどうかということを多少疑問に感じながら私は読んでいるわけです。そういう立案の際の基本的な態度は、どういう立場でお考えになったかをまずお聞きしておきたい。
  70. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) 罰則が強化されるのじゃないかというお話は、これは昨日も出たのでありまするが、総体に申しまして、やはり罰金が十倍くらいになっております。体刑関係のものは二倍前後から、例外としては三倍、四倍くらいもあるのでありまするが、これは、昨日警察庁長官からもいろいろ御説明したのでありまするが、物価関係等から考えましても、ちょうどこの法律が制定されたときから見れば、十倍あるいは十数倍ということになっておるのであります。罰金がそのくらいまで伸ばされたということも、これは、その比率から見ても当然じゃないかと思います。それから、他の法令との関係において、特に痛感されますのは、メートル法であるとか、あるいは建築基準法なんかの罰則も、これは、今度道路交通法の罰則を改正して、どうやら均衡がとれているという状態でありまして、こういうことから考えれば、メートル法を順守するということももちろん大切なことでありますけれども、この錯雑した交通で、人命の保護に当たらなければならないこの道路交通法がこの程度の罰則を持っておるということは、私はむしろ当然じゃないかと思うのであります。  それから、交通ということの性格上から、比較的過失というか、ほとんど無過失に近いような場合でも、たとえば免許証を忘れておったとか、あるいはスピードを無意識に超過しておったというような場合でも、これはやはり形によって、結果によってこれを処罰していかなければならぬのでありますから、そういう意味の罰則の体系も、今回の法律にはやや織り込まれておると思います。そういう意味で、米田委員が指摘されたような、具体的な事例によって、非常に酷ではないかというようなことは、それぞれの裁判なり検察の際における情状によってこれは酌量されていったらいいと思います。法の体系としては、この程度の罰則の体系をとっておるということは、何ら酷でもなければ、このくらいにしておかなければ、他の法律と比較しておかしいのじゃないかというくらいに考えております。
  71. 米田勲

    ○米田勲君 私、この法律案が出てから、タクシーの運転手だとか、トラックの運転手だとか、そういう働いておる人たちからいろいろなことを言われるわけですね。そういう人たち意見を聞くと、非常におそれている。今度のこの道路交通法の改正を、非常に自分たちは、ひどい目にあう法律が出されておるそうだが、反対ですと、こう言ってくるわけです。だから僕は、むやみに反対だということではうまくないのじゃないか。ほとんど毎日のように事故が起き、人が死に、傷ついておるのだから、国民が安全に暮らさなければならない立場からいって、そういう改正はある程度必要じゃないか。ただ、あなた方が心配しておるようなその点については、提案をしておる側も、いろいろ話し合いが行なわれて、十分に理解がいけば、原案をしゃにむに固執して、一字一句訂正してはならぬという安保のようなものでもないと思うのです。私は特にここで例をあげると、逐条審議のようなことになるのですが、たとえば、過労しておって運転をするというと違反になるのですね。過労で、正常な運転ができないおそれのあるときに、車両を運転してはならないという個所をあげてお話してみますと、これはタクシーの運転手の側の言い分だと、過労して運転に耐えられないような状態になってまで運転をしていたい者はだれもおらぬ。みんな自分の予供や家内を養うために、生活のためにそういう条件に追い込まれておるのだと訴えておるのです。ところが、こういう個所へくると、私は、そういう過労になっても運転をさせる使用者側に法的な規制が全体として加えられていない。それは、場所によっては多少ありますよ。しかし、全体の法案の印象からいうと、働いているその個人がいつでも責任をとらされて、使用者の命令通り働かなければ首にされてしまう。運転手をやめさせられて、つまらない仕事に配置転換になるという立場で毎日の生活を働いておる人たちだけが自分で責任をとらなければならない個所がたくさんあるのですよ。どうして、そういう条件に追い込ませないために、同時に使用者側に対しても、そういう過労の運転が行なわれるような、そういう就業規則やあるいは就業の状態、労働の状態を規制するような法の体系にしなかったかどうか。こういうようなことを私は全体として感ずるわけです。何も好んで、先ほども言ったように、事故を起こそうとしていないのだが、やむを得ないそういういろいろな条件のために事故の起こるような状態においても、なおかつ運転をしているということがあるのです。最後にお聞きしたいのは、そういう点についてどういう考え方に立つたものか。過労運転をした者だけが処罰をされる。その処罰規定ができるならば、交通の安全と事故防止ができるというふうなものの考え方は、私はどうも法律としては十分でないといった感があるわけです。総体的にそういう感がしますので、一つ立案の立場をお聞きしたいわけです。
  72. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) 米田委員の仰せられましたことはもっともでありまして、われわれの方で今回この法律を立案制定していくにあたりましては、そういう趣旨のことを相当むしろ織り込んだつもりでおるのでありまして、今の過労運転云々のことは、何もこれが事新しく特に取り上げられたわけではないのでありまして、従来の現行法におきましても、正常な運転ができないおそれがあるにかかわらず諸車の運転をするという、非常に不明確な表現をされておりますのを、今回過労であるとか、病気であるとか、その他の理由によってというふうに、正常な運転ができないおそれというのを特にはっきりしておるということであります。しかも、そういう過労な状態に追い込まれておる現在の社会組織というか、状態をいろいろ御指摘になったのでありますが、今回は、そういう点も特に取り上げまして、七十五条等におきまして、運行の管理者がそういうことを知りながらそういう運転をさした、これを容認しておったというようなことがわかって参りました場合には、運行管理者の責任も問うて、さらに場合によっては雇用主の責任も問うていく、こういうふうにむしろ御指摘になったようなことを強く念頭に置いて、そういう点まで配慮しつつ今回の法案ができておるように私ども思うのであります。御意見ごもっともと思います。
  73. 米田勲

    ○米田勲君 あなたは作った方の側だから、自分で作ったものは相当考えたと思われるのは当然ですよ。しかし、僕は第三者としてこれを公平に見ていって、あなたのような判断にならないのですよ。先ほど自動車局長から、いろいろそういう所に、経営者に対して指示、通達、監督などをされておると言いますが、それは法に基づくものではなく、指導の面が大方なんですね。だから私は、そういう配慮をするというなら、そういう配慮が各所にあってしかるべきだ。そういう働いておる人たちが押しかけてきて話をするのは、知らないで来ているのじゃない。やはり見てきている。そうして私も一方的にそれらの人たちの話を聞くのじゃなしに、自分も法律案を全部目を通してみて、やはりそういう感じはぬぐい切れない。今大臣は一カ条あげましたけれども、これは抜け道がたくさんあって、問題にならない、そういう条文では。そんなものは何ぼでも抜けられるのです。そうして各条にあるその責任をとらされる者は、すべて働いている者だ。こういうものがこの法律案全体でありますので、もうここでこの論議を繰り返しませんが、各条に行ったときに、そういう点について配慮が欠けておる点があったら、積極的に、一つこの法律案をりっぱなものにするために、雅量のある態度でお互いに審議をするように、今から強く希望しておきます。
  74. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 大体米田委員の質問と重複いたしますので、私も、実は罰則の点について大臣にお伺いしたいと思いますが、本法の目的というものは、言うまでもなく人命の保護だと、それとまあ交通整理、交通秩序の確立だと、ですから、どこまでもこれは処罰が目的でないのであって、事故防止にある。そうすると、当然これはまあ事故防止対策とか、そういうものが浮き上がってくるわけですが、これもいろいろと、本法の対象の構成要素といいますか、そういったものは人と車と道路である。まあ総合的な対策も必要である。先ほど事故防止対策の概要を私も拝聴いたしましたが、ただ一点だけ、今の米田委員の質問に関連して、罰則の件でありますが……。  これも、昨日の長官の説明を聞きますというと、昭和二十二年の物価指数と今日の物価指数とを比べた場合に、大体十倍ぐらいになっておると、だから三千円の罰金が三万円になり、五千円のところが五万円、それならまあ妥当ではないか、こういったような説明でございましたが、この点が、一方においては、交通事故、違反を起こした、そうした場合に運転停止になる。免許が一時一カ月なり——まあ最大六カ月以内となっておりますが、これが停止になるというと、そうすると運転手は、これは商売を休まなければならない。勤務であっても、自己営業であっても、相当な減収になる。一カ月休むと三万円の減収だ。片方において三万円の罰金だ。そうすると罰金が二重になりまして、計六万円になる。そうすると、まあ罰金は払いたいけれども商売はできない。どうしたらいいんだと、こういったようなところに非常に運転手諸君の悩みがあるように思うんです。この点どうですか、当局のお考えとしましては。
  75. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) これは、罰則の方は刑事罰ですね。それから、免許を何日間か取り上げるとか、これを停止するとかいうのは、これはやはり一つの行政処分で、目的がそれぞれ違うわけでありまして、いろいろ違反を起こしたというようなことについては、場合によれば未熟の点もあったんではないかと、いろいろの問題がありまするから、そういう場合には、さらに再教育もしなければならぬ、こういうこともある。しかし、事故を起こしたことについては、やはり一つの刑事責任を負わにやならぬことも、これはもう法秩序の建前から当然なことである。御指摘のように、非常に酷だと思われるような場合も、場合によっては生じるかもしれませんが、これは、刑事罰と行政処分というもののおのおの筋の違ったことで行く建前でありまするから、これはもうはなはだやむを得ないのじゃないかと、かように私は思います。
  76. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 取り締まる方といたしましては、そういう見解が出てくるわけですが、取り締まられる方としましては、そういうことは全然考えてないんですからね。まあ非常に罰がダブルプレーだと、片方だけにしてほしい、どうだろうかと、こういうような意見もあるわけなんです。そうして非常に生活に関係いたしておりますし、いろいろとこういう規則が煩瑣になってきますと、それがために神経質になったり、ノイローゼになったり、まあ事故を起こさないところでも気を使って、やつちゃうと、こういったような副作用も出てくるわけですからね。そういうような点も一つ御考慮いただきまして、まだ審議の時間もありますから、一つよろしくお願いをいたしたいと思うのです。
  77. 石原幹市郎

    ○国務大臣石原幹市郎君) これは、誤解があったらいかぬと思いますから、一言申し上げておくのでありまするが、先ほどから、運転手の方から非常に不平があるとか、反論があるとかというお話も出ておりまするが、もちろん、運転手の立場ということも考えなければならぬと思いますが、しかし、むしろ大衆の立場ということもまた大いに考えなければならないのです。まあ昨日どなたかのお話に、走る凶器だというというようなお話すらあったくらいでありまして、最近悪質な運転手の中には、罰金さえ払えばいいんだというようなことで、平然として法を犯すというものも一方にはたくさんあるのでありまして、われわれは、やはり大衆の法益を守ってやるという意味で、ある程度の罰則を整え、強化していかなければならぬということも、これは当然と思うのであります。もちろん、先ほど来米田委員、中尾委員御両氏から申されましたようなお気持はわれわれも十分体しまして、今後この法案を論議する上において、非常にいい名案が出て参りましたならば、それらを入れていくことにわれわれは決してやぶさかではありません。その点をお含みおき願いたいと思います。
  78. 中尾辰義

    ○中尾辰義君 簡単なことですが、歩行者のことですね。人は右側通行、車は左側通行だ。この点が、年輩者といいますか、四十才ぐらい以上の方は、どうしても昔風で、まだ左側を通っている方が相当おるのじゃないか。これは統計をとってみれば出ると思うのですが、そういったような、簡単なことですけれども、指導ということを今後一つ徹底してもらいたいと思うのです。
  79. 松永忠二

    松永忠二君 ただ一つ資料の点です。資料をいただいておるわけですが、道路管理者の意見聴取というのは昭和二十六年七月の一日、それからここに出ているのは昭和三十年十一月の一日、これが実行されていれば問題はないわけなんです。私の言っているのは、こういうことではだめなんで、この法律案を作るにあたって、警察庁責任を明確にしたわけだから、各省責任も明確にする覚書というようなものを考えていくのだというような長官の御答弁のように聞いたわけなんです。それだから、そういうものがあるならば、覚書を出じてもらいたいと言ったならば、昭和三十年のこういう古い覚書なんです。これではなくて、そういうことはまだ全然形に整えられておらないのか。おるならば新しいものを出してもらいたいと思うのです。
  80. 柏村信雄

    政府委員柏村信雄君) 大へん不行届のあった点をおわびいたします。現在といたしましては、先ほど道路局長から話がありましたような趣旨の申し入れと、それから運輸省については、まだわれわれ相談程度でございますが、三十年のものは、最初認可をするときのものなんであります。もちろん、さっきお話のありましたように、これ以前のものには何の相談もなかった、これ以後のものについても、最初だけ相談があって、その後いろいろ許可の変更や何かがあった場合については、こちらの意見を求められたということはないわけで、運航回数にいたしましても、バスの大きさにいたしましても、そういう問題については相談を受けないというような状況でございますので、最初いいと思ったものが、だんだん状況が変わってくるということもございますので、そういうことは、変更のつど相談をしてもらいたいというようなことを申し入れたいと考えておるのでございますが、今お話のように、まだ案として文書にしてつきつけておるという状況には至っておりませんので、その点を申し上げておきます。
  81. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) 本案に対する質疑は、本日のところこの程度にとどめます。
  82. 新谷寅三郎

    委員長新谷寅三郎君) この際、御報告いたしておきます。  去る二月二十六日、杉山昌作君の委員辞任に伴ない、新市町村建設及び地方公務員給与に関する小委員が一名欠員となっておりますので、委員長において、その補欠として大竹平八郎君を指名いたしましたので、御了承願いたいと存じます。  本日は、これにて散会いたします。    午後一時十一分散会