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1960-07-15 第34回国会 参議院 商工委員会 第36号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年七月十五日(金曜日)    午後九時二十六分開会   —————————————   委員異動 六月二十一日委員小林英三君及び斎藤 昇君辞任につき、その補欠として後藤 義隆君及び最上英子君を議長において 指名した。 七月九日委員最上英子君及び後藤義隆辞任につき、その補欠として斎藤昇 君及び小林英三君を議長において指名 した。 本日委員上原正吉君及び小林英三君辞 任につき、その補欠として近藤鶴代君 及び佐藤芳男君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     山本 利壽君    理事            川上 為治君            古池 信三君    委員            赤間 文三君            井川 伊平君            上原 正吉君            岸田 幸雄君            近藤 鶴代君            斎藤  昇君            佐藤 芳男君            鈴木 万平君            高橋進太郎君   衆議院議員            始関 伊平君   国務大臣    通商産業大臣  池田 勇人君   政府委員    通商産業政務次    官       内田 常雄君    通商産業政務次    官       原田  憲君    通商産業省軽工    業局長     秋山 武夫君   事務局側    常任委員会専門    員       小田橋貞壽君   説明員    通商産業省公益    事業局長    大堀  弘君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○火薬類取締法の一部を改正する法律  案(内閣提出衆議院送付) ○電源開発促進法の一部を改正する法  律案衆議院提出) ○電気工事士法案内閣提出衆議院  送付)   —————————————
  2. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより商工委員会を開会いたします。  まず、火薬類取締法の一部を改正する法律案議題といたします。  これより質疑を行ないます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  3. 川上為治

    川上為治君 火薬爆発の問題につきましては、最近、数回にわたりましてこの事故がありまして、これに対しましては、当委員会においてもいろいろその検討をいたし、また同時に御質問を申し上げ、また決議もいたしておるような状況でございまして、私から特別にこの際質問すべきような点もないのでありますが、この際、一、二この改正法律案につきまして質問をしておきたいと思います。  その第一点は、この法律案によりますというと、第三者災害、すなわち爆発工場周辺におきます住民等に対しまする被害につきまして、その補償方法等につきましては取り上げていないのでございますが、その理由並びにこれらに対する対策につきましては、どういうふうにお考えでございますか。この点をまず御質問申し上げておきたいと思います。
  4. 秋山武夫

    政府委員秋山武夫君) 昨年来、たびたび災害を起こしまして、第三者に甚大な被害を与えましたことは、私どもといたしましても、その被害救済措置につきましていろいろ検討いたしておるのでありますが、何分、実はこの法律自体取り締まり法規でございまして、そういう事後の被害救済ということよりはむしろそういう事故を起こさせないということをもつばら規定した法律でございます。この法案の中にそういう救済関係のことまで入れるということは、実は法体系として非常に問題があるというようなことで、今回の改正案にもその点法案としては入れてないのでございますが、実際問題といたしましてああいう状態を放置できませんので、目下業界指導いたしまして、共同負担によってある種の基金のようなもの、あるいはこれに法人格を与えることもあろうかと思いますが、さような形で、まあ完全な補償ということはとうてい不可能でございますけれども、とにかくも業界として負担し得る範囲で被害者の損失を何がしかでも補うというようなことをするということで、ただいまその協議を進めさせているのでございます。いずれ近くその成案を得る段階に至ろうかと考えております。
  5. 川上為治

    川上為治君 この問題につきましては、参議院の決算委員会におきましても、再三これに対しまする対策質問をされているようでございますが、ただいまの御答弁によりますというと、いろいろ現在検討中であるというようなふうに承りましたが、これはこの法律案とは別途にすみやかに対策一つ立てていただきたい、こういうことを特に要望しておきたいと思います。  その次に、最近住宅がどんどんできますというと、結局火薬工場地帯がこれが人家密集地帯の中に入ってしまうというようなことになってくるわけなんですが、この保安距離と申しますか、そういう点につきまして、非常にこの短くなった場合の措置につきましては、これは省令か付かで特別にその措置をとるというようなふうに開いておりますけれども、本法の改正にあたりまして、この問題につきまして、どういうようなふうにお考えになっておりますか、この点を一つお伺いしたいと思うのであります。
  6. 秋山武夫

    政府委員秋山武夫君) これまた実は過去のいろいろの実例を積み上げまして、これは日本のみならず、諸外国に、機能的に一つのルールのようなものができております。一般に使われておりますのはリューデルベルグというものでございますが、実は現在まで使われておりましたすなわち現行法規定は、これはすべて省令保安距離は具体的には定めるのでございますけれども、諸外国に比べますると、いささか距離的に不十分の点があったということは認めざるを得ないと思います。ただ過去に、最近起こっておりますいろいろな例では、実は保安距離の問題もさることながら、その距離に比例をして限定せられておらなければならなかったはずの停滞量、すなわち火薬工場なり火薬庫なりに存在を許される量というものが、実は法規規定に違反しておったという例が実はほとんどの例でございますので、この面の取り締まり強化は、もちろん厳重にいたさなければならぬと思いますが、同時に距離自体規定も、今回改正に際しましてあわせて省令改正いたします。先進諸国例等も十分参酌いたしまして、万一災害が起こりましても、最小限度被害をとどめ得るという程度まで延長しようということでただいま準備をいたしております。大体のところイギリスが非常に厳重でございますが、イギリスアメリカの中間、距離と量に多少変化はございますが、アメリカにやや近い程度まで強化をする。現在の規定はそれにも及んでおらぬのでございますので、最小限度その程度強化しなければならぬというふうに考えております。
  7. 川上為治

    川上為治君 この点につきましても、いろいろ問題がありますので、今御答弁のありましたように、十分一つ今後対策強化していただきたい、そういうふうに要望いたします。  それから第三の問題なんですが、これは花火工場、こういう中小企業が主としてやっておるような工場につきましても、しょっちゅう問題を起こしておりまして、この委員会におきましても、昨年の十二月でありましたか、特別な決議をいたしておるのでありますが、その後技術向上なりあるいは設備改善につきまして、どういう積極的な対策を今日まで講じて参られましたか、その点につきましてもお伺いしておきたいと思います。
  8. 秋山武夫

    政府委員秋山武夫君) お説のように煙火関係はほとんど零細企業でございます。従業員を使っておる企業というのはきわめてわずかなものでございます。すなわち大工、左官というふうなものに類するような若干の徒弟は使っておるといたしましても、いわゆる親分式やり方でございまして、従って非常に危険度も高いわけでございます。前回の決議がありまして以後も、また実は埼玉県で煙火工場事故を起こすというようなことでまことに申しわけないと存じております。幸い本年度予算にはある程度予算、三千万円でございますが、国の負担分として三千万円、これを所管の管内の都道府県で同額、すなわち三千万円、さらに業者自身が全体の半額、すなわち六千万円、全額合わせますと一億二千万円でございますが、これだけの資金を投じまして、煙火工場のうちの特に人家に近い、あるいは保安距離が若干不安だというようなところにバリケードを工場のまわりに作らせるということで補助金を計上いたしまして、これはすでに工事にほとんど全部着手をいたしておるような次第であります。御承知のように夏がシーズンでございますので、このシーズン中に事故を起こさないようにするということで、早い工場はすでに完成いたしております。現に工事が進行しておるものもたくさんでございます。そういうことで今後はかりに花火工場事故を起こしましても、周辺被害を及ぼすということは、従来よりは被害を減少させることができると確信いたしております。実はただいま申し上げましたような煙火工場中小企業者でございますし、特に夏場を控えて非常に作業を急いでいるというようなことで、臨時工をふやすとか、不なれな者を使うというようなことで、いろいろの原因から事故を起こしがちでございます。ちょうどただいまやりそうな時期でございますので、あらかじめこの春各都道府県に厳重な通達をいたしまして、昨年も同様なことをいたしておりますが、本年はさらに過去の例にかんがみて厳重な監督をするようにということで、臨検、その他の現場の検査強化するというような指導をいたしております。幸い本日までのところ煙火工場事故埼玉県以後起こっておりません。
  9. 川上為治

    川上為治君 こういう工場に対して、この設備改善については特別な助成金を出すというようなことになっておるようでございますけれども、しかしそれ以外に、たとえば金融面について中小企業金融公庫とか、あるいは商工中金、こうした方面から特別なワクを設けて優先的にこうした工場に対する金融措置をとるというようなこともやっておるのでありますかどうですか。その点も一つ伺っておきたいと思います。
  10. 秋山武夫

    政府委員秋山武夫君) 確かに補助金だけではなかなか実行できませんので、そういう具体的な場合、ことに、県を中心といたしまして、実情に応じた指導あるいは援助ということに努めているのでございまして、ただ、実は、煙火業者は、何と申しますか、職人はだでございまして、なかなか組合組織というようなことに親しんでこないというむずかしい問題がございます。やや目立つところでは、中小企業金融公庫あたりから若干融資をさせている例もございまするが、私どもはできればこれを協同組合組織に固めまして、商工中金等から一括した共同融資を受けるというような、これは必ずしも設備資金のみでなしに、運転資金等についてもそういう指導をいたしたいと考えているのでありますが、実は、協同組合組織という点では、必ずしもまだ満足すべきような結果を得ていない状態でございます。
  11. 川上為治

    川上為治君 私は、そうした点につきましても、通産省におきましては、今後積極的に一つ指導のほどをお願いしたいと思います。  最後に申し上げておきたいのですが、今度通産省に新設いたしました火薬類取締官というのができているのですが、この職能について、どういうような仕事をされるのですか、これを具体的に一つ説明をしていただきたいと思います。
  12. 秋山武夫

    政府委員秋山武夫君) 従来のやり方から申しますと、私ども通産省の軽工業局にもちろん監督官はございましたのですが、これは県の係官を指導するというような形で、すなわち通産省としては本省だけに監督官的なものがあるのですが、これではなかなか、ことに遠くの府県等では日が行き届きかねるということでございますので、本年度予算及び定員法改正におきまして、またこの法案の附則にも通産省設置法改正を含んでおりますのでございますが、通産局にそれぞれ人員を配置するというやり方をすることに改めておるのでございます。すなわち、従来は、都道府県は一々東京の通産省本省まで連絡をとっておったのでございますが、今後はそれぞれブロックごと通産局本省にかわって府県との連絡指導というようなことをやり、またいわゆる直轄工場につきましても、通産局の職員が、すなわち手近なところから、できるだけ回数を多く検査に回るというようなことも可能になろうと思います。人員的にはそう大きくふえるわけではございませんが、予算面に盛られております定員は五名、全局を通じて五名でございますが、そのほかに事実上他の業務から転換をさせる者、あるいは業務を一時兼務させる者というようなことで、実働人員としては十四、五名まで各通産局に配置をするという予定にいたしております。
  13. 川上為治

    川上為治君 私は、この法律案改正して火薬短取締り強化するということはまことにけっこうなことだと考えておりますが、どうも予算方面を見ましても、まだまだ十分ではないと思いますので、これからさらに予算も、もっとふやして、そしてほんとうに取締りが十分できるように、また特に、中小企業関係工場につきましては、設備改善なり、あるいは技術向上に対しまして、極力一つ、努力を通産省においては、していただきたいということをお願いいたしまして、私の直明を終りたいと思います。   —————————————
  14. 山本利壽

    委員長山本利壽君) この際、委員異動について御報告いたします。  本日、委員上原正吉君が辞任され、その補欠として近藤鶴代君が委員に選任されました。   —————————————
  15. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御質疑はございませんか。    〔「なし」と呼ぶ者あり〕
  16. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  本案を可決することに賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手
  17. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、原案通り可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認めます。よってさように決定いたしました。   —————————————
  19. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 次に、電源開発促進法の一部を改正する法律案議題といたします。  まず、提出者より提案理由説明を聴取いたします。衆議院議員始関伊平君。
  20. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) ただいま議題となりました電源開発促進法の一部を改正する法律案提案理由につきまして、御説明いたします。  御承知のように電源開発株式会社は、電源開発促進法に基づいて設立されて以来、もっぱら国内の大規模開発困難な地点電源開発を行ない、佐久間、田子倉、奥只見御母衣等史上に残る大規模地点開発に大きな業績を着々上げて参ったのでありますが、この間における同社技術水準海外諸国のきわめて高く評価するところとなり、最近、東南アジア、南米等開発途上にある者国から同社に対しまして、技術援助を要請する傾向が次第に高まってきております。  これに対しまして、電源開発株式会社といたしましては、国内電源開発をもっぱら行なりという同社法的性格から、これまで直接海外技術援助を行なうことはできなかったのであります。申すまでもなく、これら開発途上にある諸国に対する経済技術上の国際協力は、世界的にも今後ますます盛んになる傾向にありますが、このような海外経済提携技術協力は、わが国としても重要国策一つとなっているのでありますから、この際、電源開発株式会社海外から特に要清があった場合には、これに応じ得る体制を整えておくことが必要になったと存ずる次第であります。  このような最近の情勢にかんがみまして、現行法に所要の改正を加え、電源開発株式会社海外経済協力の一翼をになわせようというのが、今回この法律案を提出いたしました当的でございます。  次に、改正法案の骨子を御説明いたしますと、電源開発株式会社は、国内電源開発その他の事業の円滑な遂行支障のない限り、委託を受けて、外国における電源開発等及びこれに関連する大規模土木工事に関する調査、設計及び工事監督その他の技術援助に関する事業を行なうことができることといたしております。  これによりまして、同社は、今後海外から要語がありました場合には、政府の認可を受けて電源開発等についての技術援助を行ない得ることとなりますが、電源開発株式会社が九電力会社補完的役割をになって、国内の大規模、困難な地点等についての開発に従するという会社度立の本来の趣旨は、従来と何ら異ならないのであります。その点を申し上げておく次第であります。  なお、これに加えまして、これまで電源開発促進法にいう「電源開発」の定義におきましては、原子力による発電も、「火力」に含まれると解釈されておりましたが、さきの国会におきましても、機会を見て明確に規定することが望ましいとの御意見でございましたので、この際、あわせて火力原子力とを併記することにより、これを明確化することとしております。  以上が、電源開発促進法の一部を改正する法律案の概要でございますが、今後、ますます重要性を加えてゆくであろう海外経済協力に、将来電源開発株式会社が果たします役割は、少なからざるものがあると信じますので、何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことを切にお願い申し上げます。
  21. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  22. 古池信三

    ○古池信三君 この際、若干の質問をいたしたいと思いますが、まず第一に、電源開発株式会社は設立以来、電源開発促進法趣旨に従いまして、着々内地各方面における開発を進められ、相当な成績を上げておられるように聞いておるのであります。まことにけっこうなことと存じますが、しかし、今なお考えてみますると、わが国内における未開発水力地点というものは相当残されておる。さらに、今後技術の発達するに従って、未開発地点というものは相当に増加するものと見なければならぬと思うのであります。そこで今回、このような改正によって、海外技術援助ということを行なうということになりました場合に、現在電源開発会社が行なっておる、いわゆる継続中の工事遂行、あるいは将来における未開発水力地点開発というようなことに、今回の改正のために、支障を来たすようなことがないかどうか、こういう点について一つ、御説明を願いたいと思います。
  23. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) ただいまの御質問でございますが、今回、電源開発株式会社海外技術援助という形で出ていこうというのは、国内における電源開発で、この会社の担当すべきものがだんだん減って参ったというような考え方では、実はないのでございまして、今後におきましても、大きな容量の新鋭の火力発電所と並びまして、調整機能を持った大きな水力発電所の建設が重要でありますし、またそういう資源的な余地も、きわめて多いということは申し上げるまでもないのでございます。  ただいまの御質問は、海外に出ていくことによりまして、国内のそういったような開発支障を来たすおそれがないか、こういうことでございますが、御承知のように、電発におきましては、当初、鴨緑江水力電気開発株式会社等から引き継ぎました相当優秀なスタッフがおりますほかに、その後、だんだん新しい技術者を養成して参りまして、ただいま土木電気方面にわたりまして、それぞれ七、八百名くらいずつの優秀な技術者を擁しておりますので、海外に一カ所や二カ所のコンサルタント団を派遣いたしましても、本来の業務遂行には何ら支障がない。一つコンサルタント団が、大体、土木電気合わせまして四、五十人くらい要るだろうというふうに考えておりますが、二つくらい参りましても、本来の業務遂行には何ら支障がない。このように考えておりますので、そのように御承知を願いたいと存じます。
  24. 古池信三

    ○古池信三君 次に、お尋ねいたしたいことは、電源開発促進法の第二条におきましては、電源開発定義として、「水力又は火力による発電のため必要な」工作物を設置し、あるいは改良する、こういうことが目的であるわけでございます。今回の改正によって、これにさらに原子力発電を追加しようという趣旨であると考えますが、これは昭和二十七年に電源開発促進法が立法された当時においては、原子力発電というものは、今日のごとく具体的に実施の段階になかったわけでありまするから、当時として、原子力発電ということを、ことさら取り上げて規定しなかったという意味は十分に了解できるわけでありまするが、さて、今回、この原子力発電促進法の中に加えるといたしました場合に、現実の問題としては、どうなるか。これは申すまでもなく、先般、日本原子力発電株式会社が設立されまして、もっぱら原子力発電を行なうという趣旨のもとに、この会社が着々実行に踏み入っておるように承知しております。さらにまた、九つの電力株式会社におきましても、それぞれ原子力発電の研究を相当な程度にまで進めておられるようにも承知しておるのであります。こういうような場合に、日本原子力発電株式会社なり、あるいは九電力株式会社なりの原子力発電実行と、そうして、合同この電源開発株式会社において原子力発電を行なうということとの間に、無用な競合を来たすようなおそれがないか。これは、将来、原子方発電というものが、急速なる進歩発展を遂げるであろうということは、当然われわれも期待するところでありまするけれども、今日の段階において、そういうようなおそれはないかということは、一応、これは考えていいところであろうと思うのでありまするが、こういう点について、提案者として、どういうお考えを持っておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。
  25. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) 簡単にお答えを申し上げますが、これは、ただいまのお話の、日本原子力発電株式会社に対しまして、いわゆる電発が出資をいたしておるのでありますが、その際に、一体、電発というのは原子力発電に関する事業を行ない得るかということが問題になりまして、その当時、火力の中に原子力を含んでおる、こういうことであったのでございますが、原子力重要性にかんがみ、また事柄がはっきりするという意味で、当時から、そういうお話もございましたので、この機会に、火力原子力とあわせて法律規定いたしまして、疑義をなくする、こういう趣でございまして、実は、特別に法律の内容を変更したと、こういうつもりではございません。  九電力なり原子力発電なりとの事業調整の問題は、これは役所の監督なり、あるいは総理府の電源開発調整審議会における調整なりで、政府監督によりまして、適当に調整できると、このように考えておる次第でございます。
  26. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に御質疑はございませんか。
  27. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 私も、この法案改正につきましては、根本精神において、日本技術海外に進出することと思いますし、また内外の技術提携において、きわめて有意義と考えますので、本案に質感でございますが、二、三この改正法案中で、提案者にお伺いしたいのでございます。  それは、この改正法案によりますると「会社は、前条第一項の事業の円滑な遂行支障のない限り、委託を受けて、」とありまするが、この委託者は、外国政府に限るのであるか、あるいは外国民間事業者も含んでおるのであるか、その点、どういうふうにお考えになっておりまするか、ちょっとお尋ねいたします。
  28. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) お答えを申し上げます。  委託がございました場合にやるわけでございますが、委託の相手方は、民間でもどちらでも差しつかえない、このように考えております。
  29. 岸田幸雄

    岸田幸雄君 その場合に、いずれにいたしましても、相当大きな事業でありまするから、もちろん政府監督もございましょうしいたしまするが、委託者の資力、あるいは委託国の政府の政治状態の安定、また、今後のその国の発展状況等についても、十分の調査が行なわれることは必要だと思いますので、その点を特に希望しておきます。
  30. 始関伊平

    衆議院議員始関伊平君) お説の通りでございまして、出て参りましたために、何らかの外交上の不利な点等があっては困るわけでございますので、それらの点につきましては、主務大臣が認可をするという形におきまして、十分な注意を加えて参りたい、このように考えておる次第でございます。
  31. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に、御発言はございませんか。——御発言がなければ、質疑は終局したものと認め、これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に、御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  本案を可決することに賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手
  32. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。よって、本案全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  33. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないものと認めます。よって、さように決定いたしました。   —————————————
  34. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 次に、電気工事士法案議題といたします。  まず政府より、提案理由説明を聴取いたします。
  35. 池田勇人

    ○国務大臣(池田勇人君) 電気工事法案について、その提案理由を御説明申し上げます。  最近における家庭電化の普及は著しいものがございますが、これに伴いまして電気による火災等の災害の発生も漸増の傾向を示しております。その原因につきましては、電気工事の欠陥、使用者の取り扱い不注意等いろいろのものが考えられますが、なかんずく電気工事の欠陥に起因すると考えられるものが相当数見受けられる実情でございます。  このような情勢にかんがみまして、政府といたしましては、まずもって実地に電気工事の作業に従事する者の資質の向上をはかることが緊要であると考えまして、このたび電気工事士法案を作成して国会に提出し、その御審議を仰がんとするものであります。  次に、この法案の要旨について御説明いたします。  まず第一に、この法案は、他の法令で電気保安に関して特別の規制のない一般家庭、商店等に設置する電気施設に関する電気工事を主として対象とするものであります。  第二に、この法案の対象となります電気工事につきましては、電気工事上免状の交付を受けている者でなければ、その工事の作業に従事してはならないことといたしますとともに、電気工事士に対しましては、一定の義務を課しまして、いやしくも不良電気工事による災害の発生することのないよう措置いたしました。  第三に、電気工事士免状は、電気工、事士試験の合格者、特定の養成施設の修了者及びこれと同等以上の資格があると認定された者に対して交付することといたしました。  最後に、以上のほか、電気工事士の監督上必要な諸規定を設けますとともに、本法の施行に伴う過度的な影響を考慮いたしまして、とりあえず資格付与に関する規定のみを施行し、義務に関する規定につきましては、体制の整備状況を勘案いたしまして、別途施行することといたしました。  以上、本法律案提案理由の概略を申し述べましたが、何とぞ慎重御審議の上、御賛同あらんことをお願いいたします。
  36. 山本利壽

    委員長山本利壽君) これより質疑を行ないます。御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  37. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 ただいま御提案になりました電気工事士法案につきまして、一点だけお尋ねをいたしたいと存じます。  この法案を、どうして今、会期末でございますが、事務的にみまして、公益事業局長にお伺いいたしたいのでありますが、どうしても、この法案を急いで成立させなければならぬという、この緊急性につきましてお伺いをいたしたいと思います。
  38. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) ただいま、大臣から御説明いたしましたように、最近の火災の、災害の原因につきまして、電気工事の欠陥によりますものが非常に多いことがございますので、特にその関係の御要望がございまして、電気工事に関する工事人の資格を限定いたしまして、この面からの欠陥を防除することが特に緊要になったわけでございます  その点で、本法案の立案を急いだわけでございます。
  39. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 その次に、実は参議院の民主社会党の向井君などが非常に心用しておるのですが、この法案が実施されますと、従来こうした工事に従事しておったところの技能者が、それによって、その職が失われ、生活上非常な影響があると、こういうような一とを大へん心配しておるのですが、そういう技能者に対して、この法案が非常な、そういう生活上、あるいはそういったような面について、影響を与えるということは非常に困ると思うのですが、この点についての、取り扱い、あるいは救済方法、そういうものについて、事務当局の御説明を願います。
  40. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) ただいまのお尋ねの点につきましては、第四条二項の三号に特に、試験に合格した者と同等以上の知識技能を有していると認定された者につきましては、その資格を与えることにいたしておりまして、現在工事をやっております、現にやっておる方につきましては、取り扱い上この認定によりまして、御心配のないようにやって参りたいと、かように考えております。
  41. 高橋進太郎

    高橋進太郎君 それでは、最後にお伺いいたしますが、そうしますと、この法案は、消防その他そうした関係の方から、非常に強い要望があって、一日も早くこれを成立しなければ、そういう面について非常に影響がある、こういうので、この法案の成立を急がれておるということ、それからそういう関係の技能者の救済については、政令その他において、そういう認定基準の際に、十分御考慮を願う、こういうふうに了解してよろしいわけでございますか。
  42. 大堀弘

    説明員(大堀弘君) 今、御指摘の通りでございます。   —————————————
  43. 山本利壽

    委員長山本利壽君) この際、委員異動について報告いたします。  本日、委員小林英三君が辞任され、その補欠として、佐藤芳男君が委員に選任されました。   —————————————
  44. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 他に、御質疑はございませんか。——他に御発言もなければ、質疑は終局したものと慰め、これより討論に入ります。  御意見のある方は、賛否を明らかにしてお述べを願います。——別に御発言もなければ、討論は終局したものと認め、これより採決に入ります。  本案を可決することに、賛成の方は、挙手を願います。    〔賛成者挙手
  45. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 全会一致と認めます。よって本案は、全会一致をもって、可決すべきものと決定いたしました。  なお、議長に提出する報告書作成等につきましては、慣例により、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 山本利壽

    委員長山本利壽君) 御異議ないと認めます。  本日は、これにて散会いたします。    午後十時五分散会    —————・—————