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1960-03-08 第34回国会 参議院 商工委員会 第12号
公式Web版
会議録情報
0
昭和
三十五年三月八日(火曜日) 午後一時四十一分開会
—————————————
委員
の異動 本日
委員大森創造
君辞任につき、その 補欠として
吉田法晴
君を議長において 指名した。
—————————————
出席者
は左の通り。
委員長
山本
利壽
君
理事
川上 為治君 古池 信三君
栗山
良夫
君
委員
井川 伊平君 岸田 幸雄君 斎藤 昇君 阿
具根
登君 阿部 竹松君 近藤 信一君 椿 繁夫君 島 清君
国務大臣
通商産業大臣
池田
勇人
君
政府委員
法制局
第三部長 吉国 一郎君
通商産業政務次
官 原田 憲君
通商産業省石炭
局長 樋詰
誠明君
特許庁長官
井上
尚一
君
中小企業庁長官
小山 雄二君
事務局側
常任委員会専門
員
小田橋貞寿
君
—————————————
本日の会議に付した
案件
○
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣提出
) ○
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する
法律案
(
内閣送付
、
予備審
査) ○
中小企業業種別振興臨時措置法案
(
内閣送付
、
予備審査
)
—————————————
山本利壽
1
○
委員長
(
山本利壽
君) これより
商工委員会
を開会いたします。 最初に、
理事会
において申し合わせました本
委員会
の
審議予定
について御報告いたします。 お手元に印刷物を配付いたしてありますが、本日は
弁理士法
の一部
改正案
外二案の
提案理由説明
を聴取し、引き続き本
院先議
の
弁理士法
の一部
改正案
の
審議
を行います。 明日は
定例日
でありますが、
委員会
は開会いたしません。明後十日は、午前中に
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
の
質疑討論
、採決の後、
日本産業等
の海外啓発宣伝問題に関する
質疑
を行ない、午後は
海外啓発宣伝用フィルム
の鑑賞を行ないます。 以上御了承を願います。
—————————————
山本利壽
2
○
委員長
(
山本利壽
君) それでは、
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
、
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する
法律案
、
中小企業業種別振興臨時措置法案
、以上三案を便宜一括して議題といたします。 まず、
政府
より
提案理由
の
説明
を聴取いたします。
池田勇人
3
○
国務大臣
(
池田勇人
君) ただいま
提案
になりました
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
の
提案
の
理由
及びその
概要
を御
説明
いたします。
弁理士
は、
工業所有権
に関する出願、請求その他の
案件
についての
代理等
を
業務
とする者でありまして、本
制度
は、
工業所有権制度
の円滑な
運用
をはかり、広く
産業
上の創意および活動を助け、ひいては
産業
の発達に寄与することを
目的
とするものであります。
わが国
における
弁理士制度
の歴史は古く、明治三十二年
特許代理業者登録規制
が制定されて以来今日まですでに六十余年の歳月が
経過
しております。しかして、現在
施行
されている
弁理士法
は、大正十年に制定され、
昭和
十三年に比較的大きい
改正
があったほかは、大幅な
改正
をみることなく現在に至っているのであります。 しかしながら、最近における
工業所有権制度運用
の実情にかんがみるとき、
弁理士制度
についても根本的に
検討
を要すべき点があるように考えられるのであります。この点につきましては、なお将来慎重な
検討
を続けて参りたいと存ずるのでありますが、今回さしあたり緊要な点につきまして
関係
各方面の意見をも聞き、ようやく成案を得るに至りましたので、ここに
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
として提出するものであります。 次に、本
法律案
の
概要
を御
説明
申し上げます。 第一は、
弁理士
の
資格
の
特例
についてであります。
弁理士
の
資格
を取得するためには、原則として
弁理士試験
に合格しなければならないことになっておりますが、特別の場合にはこの
試験
によらしめることが必ずしも適当でないのでございます。従って、
現行法
におきましても、
弁理士
となる
資格
の
特例
といたしまして、二、三の
例外
を
規定
しております。その
例外
の一は、
弁護士
たる
資格
を有する者であり、その二は、
高等試験
の
行政科試験
又は
司法科試験
に合格した者であり、その三は、
特許庁
において
高等官
に在職して二年以上
審判
または
審査
の
事務
に従事した者ということになっております。このうち二と三につきましては、
高等試験制度
および
高等官制度
が今日すでになくなっており、
規定
の意味は失われているわけでございます。そこで今回の
改正案
におきましては、
高等試験
に関する
規定
および
高等官
に関する
規定
を削り、これにかわって「
特許庁
において七年以上
審判官
または
審査官
として
審判
または
審査
の
事務
に従事した者」は
弁理士
となる
資格
を有する旨を
規定
したのでございます。このような
規定
を設けることといたしました
理由
は、
審査官
、
審判官
に優秀な人材を集め、かつ、これらの者が
専心仕事
に従事することができるようにしようというものでございます。これがひいては
審査
、
審判
の
事務促進
に役立つものと考えたのでございます。 第二は、
弁理士
の
登録事務
を
弁理士会
に
移譲
することについてであります。
現行法
におきましては、
弁理士
の
登録事務
は、
特許庁
において行なっておりますが、
弁理士会
の
自主性
の
強化
に資するため、その
登録
を
弁理士会
になさしめることとしたのでございます。
弁理士会
の
自主性
の
強化
につきましては、このほかにも問題はございますが、この
登録事務
の
移譲
は、その一環として大きな意義を有するものと考える次第でございます。なお、
弁理士会
に
登録事務
を
移譲
した場合において、その
登録
を拒否されたことに不服がある者には
通商産業大臣
に
異議
を申し立てる
機会
を与え、
救済
の道を設けてあるのでございます。 第三は、
弁理士
の
業務
についてであります。すなわち、新たに「
特許
、
実用新案
、
意匠
または
商標
に関する
訴願
または
裁定
に関し
通商産業大臣
に対しなすべき
事項
」について
弁理士
が
代理等
の
業務
を行なうことができるようにするとともに、他方、
弁理士
でない者は、これらの
業務
を報酬を得る
目的
をもって行なうことができないようにした点であります。
現行法
におきましては、
特許
、
実用新案
、
意匠
または
商標
に関し「
特許庁
に対しなすべき
事項
」についてのみ
弁理士
が
代理
その他の
業務
を行なうことになっているのであります。しかし、
特許法等
新
工業所有権法
の制定に伴いまして、
行政庁
がした
処分
に対する
訴願
の道が広く認められ、また、
特許発明等
の
実施
が公益上特に必要な場合は
通商産業大臣
に
裁定
を請求することができるという
制度
が認められましたので、これらの
事項
に関する
代理
その他の
事務
を業として行なう際は、
専門的知識
および経験を有する
弁理士
をしてこれを行なわせようとするものであります。 なお、このほか、
弁理士会
の
目的
を現在にふさわしいものとする等若干の点において
現行弁理士法
の諸
規定
を
改善
、補完いたしております。 以上が、本
法律案
の
概要
であります。何とぞ慎重ご
審議
の上、可決せられますようお願い申し上げる次第であります。 次に、
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する
法律案
につきまして、その
提案理由
及び
法律案
の
要旨
について御
説明
申し上げます。 御承知のように、
わが国
の
石炭価格
は、これと
競合関係
にある重油に比べて相当割高でありますが、これに加えて、近年の著しい
技術革新
にともない
流体エネルギー
に対する
需要
が増加する傾向にありますため、
石炭需要
は減退しつつある状況で、このような趨勢に対処して
石炭鉱業
の安定をはかるためには、その
抜本的体質改善
を行ない、すみやかに
石炭
の
生産費
及び
販売価格
を大幅に引き下げる必要があると考えております。 なお、最近の
石炭需給
は、貯炭の減少のため好転のきざしを示しておりますが、これは
昭和
三十四年度に入ってから
生産数量
の制限に関する
共同行為
が行なわれていることによるものでありまして、
石炭鉱業
の
合理化
の
必要性
はこれによって何ら影響を受けることにはならないと考えております。 今回の
改正案
は、右のような考え方にたって昨年十二月
石炭鉱業審議会
から提出されました
答申
に基づきまして、
昭和
三十八年度の
石炭販売価格
を
昭和
三十三年度に比較して千二百円程度引き下げることにより、
競合エネルギー
に対し
経済性
を回復させることを
目標
とし、
石炭鉱業
の急速な
合理化
のために必要な
助成措置
として、
石炭坑
の
近代化等
に必要な
設備資金
の貸
付け
及び非
能率炭鉱
の
買収ワク
の拡大を行なうこととしたものであります。 次に、本
法律案
の
要旨
について御
説明
申し上げます。 第一は、新しく
昭和
三十八年度における
合理化
の
目標
及び、
石炭坑
の
近代化
に関する
事項
を
基本計画
に定めることとしたことであります。これは
石炭鉱業審議会
の
答申
にありますように
昭和
三十八年度までに
石炭鉱業
の急速な
合理化
を遂行するためには、従来の四十二年度の
合理化
の
目標
にとどまらず、三十八年度の
目標
をより具体的に定めて、
政府
、
業界一体
となってその
達成
に努力することとし、あわせて急速な
合理化達成
のための主要な
条件
の一つである
石炭坑
の
近代化
に関する
事項
を
基本計画
に定める必要があるからであります。 第二は、
石炭鉱業整備事業団
を改組して
石炭鉱業合理化事業団
とし、これに二十一億四千万円の
政府出資
をすることとしたことであります。
石炭鉱業整備事業団
は非
能率炭鉱
の
買収
を
目的
として設立された
特殊法人
でありますが、このたび従来の
買収業務
に加えて
石炭坑
の
近代化等
に必要な
設備資金
の
貸付業務
を行なわせることといたしましたのでその名称を変えるとともに、
貸付業務
に必要な
資金
にあてるため
政府
から二十一億四千万円の
出資
を行なうことといたしました。
石炭鉱業合理化事業団
の
設備資金
の
貸し付け
ば、
石炭坑
の
近代化
及び
石炭
の
流通
の
合理化
のため行なうものでありまして、
石炭坑
の
近代化
のための貸
付け
は
石炭坑
の
合理化投資
を極力推進するため、
合理化
により高い
生産能率
と低い
生産費
で
石炭
の
生産
が行なわれることとなるものを
対象
とし、
石炭
の
流通
の
合理化
のための貸
付け
はその
設備
が多数の
石炭業者
に利用されるものであって
合理化
の効果の大きいものを
対象
とすることといたしております。 なお、
貸し付け
の
条件
はその趣旨にかんがみ、無利子とし、
貸付期間
は最長十五年とし、
償還
は半年
賦均等償還
の
方法
で行なうこととしておりますが、これらの
事項
のほか、
貸し付け
を受けた会社が多額の利益を計上した場合には繰り上げて
償還
せしめること、
貸し付け
を受けた者が災害などのため
償還
することが著しく困難であると認められる場合には
償還金
の支払いを猶予すること等、
貸付金
にかかわる
事項
を
規定
することといたしました。 第三は、非
能率炭鉱
の
買収
の
ワク
を拡大するための必要な
規定
を設けることとしたことであります。
石炭鉱業整備事業団
の非
能率炭鉱買収ワク
は
石炭鉱業合理化基本計画
で四百三十万トンと定められ、このために必要な
費用
にあてるため
昭和
三十六年八月末日まで
石炭業者
から
納付金
を納付せしめることとなっておりますが、
石炭鉱業
の急速な
合理化
をはかるためさらにその
買収ワク
を拡大することとし、このために必要な
費用
とあわせて
炭鉱離職者援護会
に対する
交付金
の
交付
に必要な財源にあてるため
石炭業者
の
普通納付金
の
納付期間
を
昭和
四十二年度末まで延長することといたしました。 なお、
納付金
のうち、従来日本開発銀行及び
中小企業金融公庫
に対し借入金の債務を有している
石炭業者
からその
借入残高
に応じ納付せしめることとしている
加算納付金制度
は、
合理化投資
を促進するため
昭和
三十五年度から廃止することといたしました。 以上簡単でございましたが、この
法律
の
提案理由
及びその
要旨
について御
説明
申し上げた次第であります。 何とぞ慎重御
審議
の上御賛同あらんことを切望する次第であります。 次に、
中小企業業種別振興臨時措置法案
について
提案
の
理由
を御
説明
いたします。
日本経済
は、戦後高い
成長率
で伸展してきたのでありますが、今後その一そうの
発展
をはかるためには、大
企業
と
中小企業
との
経営格差
を早急に
改善
し、
産業
の均衡した
発展
をはかることが最も緊要であることは申すまでもないことでありますが、特に
技術革新
の急速な進展、貿易及び為替の
自由化等
に伴う
経済情勢
の変化が行なわれつつある現段階においては、これがための適切な
対策
を促進することが必要とされて参ったのであります。 このためには、従来とも、
政府
において講じて参りました
中小企業
のための
金融措置
、
組織化対策
、
診断指導等
の
対策
をさらに推進すべきことは申すまでもありませんが、同時に
中小企業
は多種多様の
業種
を含んでおり、具体的な
問題点
はそれぞれの
業種
に特有なものがありますので、
業種業態ごと
に
改善
を必要とする
事項
と
改善
のための
方法
を具体的に明らかにし、いわゆるきめの細かい
対策
を
業種別
に推進することが最も肝要と考えられるのであります。 このような見地から今回本
法律案
を提出いたした次第でありますが、次に本
法律案
の
概要
について申し上げます。 第一に、前述のごとき
業種別対策
を講ずる必要のある
業種
を逐次指定し、これらの
業種
について
経営
または
設備
の
合理化
、
技術
の向上、品質の
改善
、
競争
の
正常化
、
取引関係
の
改善等
に関する
改善事項
を定めることとし、これを定めようとするときは、その慎重を期するため、
中小企業振興審議会
に諮問しなければならないことといたしますとともに、
改善事項
が定められた場合は、その
要旨
の公表と
中小企業者
またはその団体に対する必要な
指導
を行なうことを
規定
いたしております。 第二に、この
改善事項
の円滑な
実施
をはかるためには、
中小企業関係
諸法規の
運用
を効果的に行なうことはもちろんでありますが、なお、
競争
の
正常化
及び
取引関係
の
改善
に関し必要がある場合には、
主務大臣
が
中小企業者
、
関連事業者等
に対して勧告をすることができることを
規定
いたしまして
改善事項
の円滑な
実施
をはかることといたしております。 第三に、さきに述べました
改善事項
の諮問のほか、
中小企業
の
振興
に関する
重要事項
を調査
審議
させるため
通商産業省
に
中小企業振興審議会
を置くことを
規定
いたしております。 第四に、
業種
の
実態
に応じた
改善事項
を定めるため、または
改善事項
の円滑な遂行を確保するため、必要がある場合には、
中小企業者
または
関連事業者
から報告を徴収することができるように定めまして、
中小企業
の
業種別
の
実態把握
に万全を期した次第であります。 なお、
本法
は、五カ年の
臨時立法
といたしまして、この
期間
内に、以上述べました
業種別振興対策
の推進をはかることといたしております。 以上本
法律案
の
提案理由
の概略を申し述べましたが、何とぞ慎重御
審議
の土、御賛同あらんことをお願いいたします。
山本利壽
4
○
委員長
(
山本利壽
君) ただいま
説明
を聴取いたしました三案のうち、
石炭鉱業合理化臨時措置法
の一部を
改正
する
法律案
及び
中小企業業種別振興臨時措置法案
の
審議
は後日に譲り、これより
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
について
事務当局
より
補足説明
を聴取いたします。
井上尚一
5
○
政府委員
(
井上尚一
君)
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
の
内容
の
概要
につきましては、先ほどの
提案理由
の
説明
中で大体尽きておるのでございますが、その言及しなかった点につきましてのみ、ここに補足的に御
説明
申し上げたいと存じます。 この
法律案
につきまして申し上げたいと存じますが、第
一条
は先ほどの
提案理由
の
説明
に尽きておりますが、第
一条
はこれは
弁理士
の
業務
の
範囲
に関する
規定
でございます。ここに特につけ加えて申すことはございません。 第三条の第一号は、「
弁護士法
」という文字の下に「(
昭和
二十四年
法律
第二百五号)」を加えるだけのことでございます。 第五条でございますが、この第五条は
弁理士
の
欠格事由
をきめた
規定
でございますが、今般の
改正
は、
懲戒処分
による免官という
制度
が現今では
法制
上存在しないわけでございますので、この
関係
を本条から削ることにしたいと存じます。なお、
懲戒処分
によって税理士の
登録
の
抹消
があったような場合につきましても、
弁護士法
による
弁護士
の除名あるいは
公認会計士法
による
公認会計士
の
登録
の
抹消
と同様に、この
弁理士
の
欠格理由
にこれを加えることとした次第でございます。 第六条は、全国の
登録事務
を
特許庁
から
弁理士会
に
移譲
するという
規定
でございます。 第七条は、これは
弁理士
の
登録
の
申請
があった場合の
弁理士会
の
登録
に関する
決定
と、それからその
決定
に伴いましての
申請
に対する
通知
について
規定
したわけでございます。 次の、第七条ノニ及び七条ノ三、七条ノ四、七条ノ五の
規定
は、今般の
弁理士
の
登録事務
の
特許庁
から
弁理士会
への
移譲
に関連しまして、従来同種の
規定
が、
特許庁
の
登録
について
規定
があったわけでございますが、今回これを
弁理士会
への
事務
の
移譲
に関連しまして、ここに
規定
を設けた次第でございます。すなわち、第七条ノ二は、
弁理士
の
登録
の
抹消
に関する
規定
でございます。第七条ノ三はこの
登録
の
抹消
があった場合の
通知
に関する
規定
でございます。七条ノ四は
弁理士会
の不当な
登録
の拒否ないしは不当な
登録
の
抹消
の場合の
救済措置
をきめたものでございます。すなわち、
通産大臣
に対しまして六十日以内に文書をもって
異議
の申し立てができるという道をここに設けたわけでございます。七条ノ五は、これ以外に関する
登録
についての
事項
は政令をもってきめるという
規定
でございます。 第十
一条
は、従来の
弁理士会
の
目的
に関する
規定
でございましたが、従来の
法文
がやや調子の低い
文言
でございましたので、最近におきまする
弁理士制度
の
重要性
という点にわれわれとしては考えまして、この際この
弁理士会
の
目的
に関する
法文
の
規定
に
改善
を加えたわけでございます。 それから十四条は、
弁理士会
の
会則
の
必要記載
時項に関する
規定
でございますが、今回この十
一条
の
法文
の
改正
に関連しまして、この
記載事項
の
文言
を
改正
した次第でございます。 第二十二条ノ二の
規定
は、
弁理士
でないものは
弁理士
の行なう
業務
を行なうことができないという第
一条
に該当する
規定
でございますが、第
一条
の今回の
改正
に関連しまして、第二十二条ノ二の
規定
を
改正
を加えたわけでございます。 その次の
付則
以下は
経過規定
でございまして、
付則
の一によりまして、
本法
は公布の日から起算して三カ月をこえない
範囲
内にこれを
施行
するという
規定
でございます。これ以下、第二項から十項までは
法律改正
に関する
経過
について
規定
したわけでございます。 簡単でございますが、以上つけ加えて申し上げます。
山本利壽
6
○
委員長
(
山本利壽
君) これより
質疑
を行ないます。御
質疑
のある方は順次御発言を願います。
栗山良夫
7
○
栗山良夫
君 私、
内容
につきましては、次回にいたしたいと思いますが、
形式
の点で一点伺っておきたいと思います。それはどういうことかよくわかりませんが、
改正法律案
の
かな
の使い方ですけれども、主文の各条は、全部
かたかな
を使って、
付則
はひらがなになっているんですね。これは一体どういうわけですか。これは何とか
統一
をして、ひらがなでも━━ひらがなの方が最近流行しているようですから、そういうことにしたらいかがですか。昔の
法律
の一部
改正
だからひらがなにできないと言われるならば、今度の
改正
で、
弁理士法
については、
かたかな
を全部ひらがなに変えるのだということを、
付則
かどこかに
一条
入れて置けばそれで全部変わってしまうのじゃないですか。そういう必要はありませんか。
井上尚一
8
○
政府委員
(
井上尚一
君) これは単に
弁理士法
の一部
改正法律案
だけの問題ではないと思いますが、
かたかな
でかつ
文語体
の従来の
法律
に部分的な
改正
を加えます場合には、普通こういうようなやり方をいたしておるようでございます。今後、もし
全面改正
という
機会
には、もちろんこれを
口語体
に直す、ひらがなにも直すということになるわけでございますが、この点につきましては、
法律一般
について、
法制局
としましても、こういう
統一
的な
方針
で進めておる次第でございます。
栗山良夫
9
○
栗山良夫
君 たとえば、
付則
の二ですね。「この
法律
の
施行
の際現に
従前
の
規定
により
弁理士
となる
資格
を有する者は、この
法律
の
施行
後も、なおその
資格
を有する。」と改まっていますね。これは
現行法
の
付則
に「
本法施行
ノ際現二
従前
ノ
規定
二依
リテ弁理士
タル
資格
ヲ有
スル者ハ本法施行
後
ト錐モ伍其
ノ
資格
ヲ有ス」とある。これは同じことですね。そうすると、これは
部分改正
ですな。だから
付則
のところだけ全部こういう工合にひらがなの
口語体形式
にして、
本文
の方は
かたかな
で昔の
文語体形式
にする。こういうことになっている。何か
統一
がとれているようでとれてない。やっぱり
特許庁
の
法律
ですから、その辺はきちんとしてもらわなければならない。
井上尚一
10
○
政府委員
(
井上尚一
君) 御指摘の点につきましては、われわれとしましては、
法律
の
内容
につきましては、
十分責任
をお持ちするわけでございますが、
立法
の
形式
につきましては、
法制局
の方で、
内閣
で、これを
統一
的な
基準方針
を持っているわけでございますので、われわれとしましては、その従来の
方針
にこれもよったわけでございますので、何とぞ御了承願いたいと思います。
山本利壽
11
○
委員長
(
山本利壽
君) ちょっと
速記
をとめて下さい。 〔
速記中止
〕
山本利壽
12
○
委員長
(
山本利壽
君)
速記
を起こして下さい。
井上尚一
13
○
政府委員
(
井上尚一
君) 今の
付則
の第二項の点は、
現行法
は
昭和
十三年の
法律
第五号の
付則
ということでございますから、
文言
はなるほど同じでございますけれども、その
規定
しております実体的な
内容
は、「この
法律
の
施行
の際」という点ももちろん違うわけでございますから、この点はやはり
付則
の
改正
ということになるかと存じます。
阿具根登
14
○阿
具根登
君 ちょっと、この
内容
に触れるのじゃないけれどもね、わからぬところがあるのですがね。七条ノ四ですな。これは今
栗山
さんから言われたこの
付則
のひらがなの中に、また七条ノ四というのが「三千円ノ
登録税
ヲ
納ムベシ
」とあるのですね。これはどういうふうになっているのですか。
井上尚一
15
○
政府委員
(
井上尚一
君) 「第七条の次に次の四条を加える。」という今回のこの
法文
の結果としまして、七条ノ二及び七条ノ三、七条ノ四及び七条ノ五が新たに現在の
現行法
の
弁理士法
中にこの
規定
が加わるわけでございます。ですから今度の
改正弁理士法
として
法文
をまとめて作りました場合には、
かたかな
でもってずっと
本文
の方は
統一
されるということになるわけでございます。
阿具根登
16
○阿
具根登
君 そうすると、このあとのやつですな。「第七条ノ三の次に次の
一条
を加える。」、第七条ノ四でしょう。「
弁理士登録簿
二
登録
ヲ
請フ者ハ金
三千円ノ
登録税
ヲ
納ムベシ
」と、そうすると、こっちの第七条ノ四はどうなるのですか。
井上尚一
17
○
政府委員
(
井上尚一
君) どうも失礼しました。
本文
第七条ノ四と誤解をしまして恐縮でございました。こっちの
付則
の方は、
登録税法
の第七条ノ四でございます。ですからこの
付則
の第九項に「
登録税法
の一部を次のように
改正
する。」というのが、「第七条ノ三の次に次の
一条
を加える。」といいますのは、
登録税法
のこれは
規定
でございます。
阿具根登
18
○阿
具根登
君 それでわかりました。そうしますと、旧七条は
登録
であったのがこれが違ってきたというわけですな。旧七条と新七条はどういうふうにこれは違ってきたのです
かな
。旧七条では
登録料
として三千円を出しておった。今度は
税法
として
登録税法
の方へ持ってきた、こういうことになるわけですな。
井上尚一
19
○
政府委員
(
井上尚一
君)
現行法
の第七条の
規定
は、
弁理士
の
登録
を
特許庁
でいたしておるわけでございますが、その場合に
登録料
としまして三千円を納付するということになっていた次第でございます。そのいい方も
登録料
と称していたわけでございます。で、今回は
登録事務
を
弁理士会
に
移譲
するわけでございますので、
弁理士会
が
登録
に関する何らかの手数料をもし取るということでございますれば、これは
法律
の
規定事項
ではなく、
弁理士会
が
会則等
において
規定
を設けてよいわけでございますが、今回は
登録
の
事務
を
特許庁
から
弁理士会
に
移譲
をしたわけでございますけれども、なお、
弁理士
につきましては、この三千円の
登録税
を、これを納付を要するという
規定
を設けたわけでございます。言いかえますれば、
登録料
としまして三千円の納付を
規定
しましたのを、今回は
登録事務
の
移譲
というにもかかわらず、やはり
登録税
として
政府
にこれを納付する必要があるという
規定
を設けたわけでございます。
栗山良夫
20
○
栗山良夫
君 これも従来の
法律改正
で、われわれうかつにしておりましたがね。
付則
は
現行法
で四つありますね。これを今の御
説明
のように全部廃棄するということになれば、
現行法
の
付則
というものを廃棄して、新たにこういう
付則
を、一から幾つまでですか、十まで設けると、そういうような工合にこれはほんとうは断わらないといけないのじゃないでしょうか。
本文
の方は全部
改正
、削除と書いてありますね。一つずつ断わってある。
井上尚一
21
○
政府委員
(
井上尚一
君)
付則
としては前のも残るわけでございます。と申しますのは、
昭和
十三年
改正
当時を基準としましてそのときに必要な
経過規定
、言いかえれば
昭和
十三年
改正
の当時を基準としての既得権等についての
規定
がこの前の
付則
に入っているわけでございます。で、今般のこの
改正
の結果としまして必要な
経過規定
というものを
付則
としましてここに
規定
を、第一項から第十項まで設けたわけでございますので、この今回の
経過規定
が従来の
法律改正
の場合における
経過規定
に加わって
法律
としては引き続いて残るということになるわけでございます。
山本利壽
22
○
委員長
(
山本利壽
君) ではちょっと
速記
をとめて。 〔
速記中止
〕
山本利壽
23
○
委員長
(
山本利壽
君) では
速記
を起こして。
原田憲
24
○
政府委員
(原田憲君) 皆さんのお手元に配付してある資料の中に、訂正してある分としてない方があると思いますので、ただいまからその正誤を申し上げます。
弁理士法
の一部を
改正
する
法律案
中の、一ページの六行目に、そこに「
弁理士法
」とあるのは「
弁護士法
」の誤りでございます。第三条第一項中「
弁理士法
」とありますが、これは「
弁護士法
」の誤りでございます。それから同じく九行目に「又ハ
弁理士法
」とありますのは「又ハ
弁護士法
」の誤りでございます。それから末行に同じく「
弁理士法
」とあるのも「
弁護士法
」の誤りでございますので、正しておきます。
井川伊平
25
○井川伊平君
業務
に関しまして、ちょっとお伺い申し上げますが、旧条文
一条
及び新条文
一条
は、その
規定
でございまして、いずれもこれらの
事項
に関する鑑定その他の
事務
を行なうことを業とする、「鑑定」という言葉がありますが、この鑑定ということについてお伺いします。 鑑定を一つの面から見れば、新しく
特許
、
実用新案
、
意匠
、
商標
登録
、これをしようとする者が、これらのことはすでにこういうような
登録
を得た者がある
かな
いかということを鑑定してもらうという鑑定の場合もあろうと存じますし、またすでに
登録
をしております者が、類似のものを使用します者について、あれは自分の
特許
権を侵害しておることである
かな
いかを調べてほしいと、こういうことの両方面からの鑑定の観念があろうかと思いますが、そうであるか、またそれ以外の鑑定の観念があるか、こういうことについてお伺いいたします。
井上尚一
26
○
政府委員
(
井上尚一
君) お答え申しますが、井川
委員
から申されました通りに、この
特許
、
実用新案
、
意匠
、または
商標
に対し、
特許庁
に対しなすべき
事項
に関する鑑定と申しますこの場合の「鑑定」は、例として申し上げますれば、ある甲なら甲という発明が
特許
になるかどうかという鑑定、判断と申しますか、あるいはまた甲の発明は乙の
特許
権の
範囲
に入るかどうかというような鑑定、判断、そういうような問題が通常かと存じます。 で、第二の御指摘のございました侵害かどうかという点は非常に微妙な問題でございまして、ある
技術
が、二つが抵触するというような
技術
的
範囲
に関する判断というものは、
弁理士
として当然これは行ない得る
業務
でございまして、第
一条
の鑑定にこれは該当するわけでございますが、この場合いわゆる不法行為が成り立つというような判断ができるかどうかという問題になりますと、これは単なる
技術
的
範囲
に関する認定ということから一歩越えまして、故意、過失等の、いわゆる不法行為の他の要件に関する判断がそこに必要になるわけでございますが、そういう場合は、この第
一条
にいう、
弁理士法
第
一条
にいう「鑑定」の
範囲
を越えるものであろうと考えております。
井川伊平
27
○井川伊平君 重ねてその点に関しましてお伺い申しますが、すでに
特許
なり
実用新案
、
意匠
または
商標
に関しまして
登録
をしております者が、自分の権利が第三者によって侵害されていると思うとき
弁理士
に鑑定を求める、そうして鑑定の結果、それが侵害しておるものであるという鑑定になったといたしますれば、既存の権利者は、第三者によって、自分の権利が侵害されている事実が明らかで、それが故意に基づくか過失に基づくかは別として、少なくとも司法上の
関係
においては権利が侵害されていることは事実でありますが、そこまでの鑑定ができるという御趣旨のようでございましたですね。してみますれば、そこまでやってきたならば、引き続き侵害が継続しては困るというのは権利者の立場である。ゆえに権利者としては侵害を今後引き続きしないでほしいという気持になるのは当然です。またもう一つは侵害せられることによって損害をこうむっておる、この弁償をしてほしいという観念も出てくることは当然でありますが、こういう場合において、特殊の技能によって鑑定をいたしました
弁理士
に対して、一つあなたの方から、あれは向こうの方は侵害になっているのであるからやめさせてほしい、そういうような手紙を出してくれないか、あるいは交渉してくれというようなことを依頼される場合も多々あろうと存じます。同時にまた損害の方も若干損害があるということは言える、とすれば、その損害を弁償するというふうにあなたの方から交渉してくれというような、便宜な処置として依頼を受ける場合が私は実際はあると思うのであります。過去にそういうような例がある
かな
いか、あるとすれば、その例は今後も存続せしめてしかるべき例ではないか、かように考えますが、御意見、御所見をお伺いいたします。
井上尚一
28
○
政府委員
(
井上尚一
君) 御指摘のような実際上ケースは多かろうと存じまするし、また担当の
弁理士
としましては、そういう場合に、その侵害をなしている相手方に対しまして、いわゆる差しどめ請求をし、あるいは損害賠償請求をするというところまでの行為をなし得るようになることが、
弁理士
としましての非常に強い希望であるということも、
特許庁
としては承知をいたしておるわけでございます。しかしながらこの
弁理士法
第
一条
では「鑑定」と言っているのでございまして、その差しどめ請求、損害賠償請求をなし得るということは、何としましても鑑定という行為、
業務
のこれは
範囲
外で、一歩鑑定というこの行為の
範囲
内に、これを考えるということはとうてい無理であろうと存じます。で次にまた、そういう侵害、
技術
的な抵触ということは、同時に多くの場合は侵害の成立ということにつながるものとわれわれも考えるのでございますが、厳密に申しますれば、たとえば今度の
改正
法では、
特許
権は業としてある
技術
を専有する権利であるというふうな
規定
がございますが、業として行なう場合には侵害になりますが、業としてでなく行なう場合には
特許
権の侵害にならないわけでございます。また今度の
特許
法中の
規定
に、
特許
権の効力は
試験
または研究のためにやる
技術
を使う場合にはこれは効力の
範囲
外であるという
規定
がございます。その場合に、
試験
、研究用としてその
技術
を用いているかどうかという認定、これは非常にむずかしいわけでございますが、そういうような、業としてか、業としてでなくやっている行為であるか、あるいは
試験
または研究用であるか、あるいはそうでないかというような判断は、これは非常な、
法律
的な判断ということになってこようかと存ずるわけでございます。そういう点から申しまして、結局侵害が成立しているという判断は、普通多くの場合は、
技術
的に抵触しているということが、すぐそのまま侵害につながるということは言えようかと存じますけれども、厳密に
法律
的に申しますれば、今申しましたような点についていろいろ判断を加える必要がございます。そういうような問題について考えます場合、そして先ほどの鑑定という言葉から一歩進みまして、いわゆる差しどめ請求をする、損害賠償請求をするということになりますれば、
弁護士法
の七十二条に言いますところの一般
法律
事件に関する鑑定云々の「その他の
法律
事務
」という、この
規定
に抵触することになるというのが
特許庁
の考え方でございます。結局、われわれとしましては、そういうような点から、今回の根本の問題としましては、今後
弁護士
の
業務
の
範囲
と
弁理士
の
業務
の
範囲
をどういうふうに調整していくかという非常にむずかしい大きな問題がございますけれども、その点につきましては、
弁理士制度
を今後どういうふうに持っていくかというあり方について、大きな問題、一例を申しますれば、現在は同一
弁理士
が
特許
も
商標
も行ない得るということでございますが、
特許
弁理士
、
商標
弁理士
というふうに専門化を今後は考えた方がよいのではないかというような問題も実はございますが、そういうような事柄をも包含しまして、今後慎重に
検討
したいとは考えておりますけれども、さしあたっての
法律改正
の問題としましては、
弁護士
の
業務
範囲
と
弁理士
の
業務
範囲
というものは、現在の限界というものを前提としまして、その上に立ってわれわれとしては今回の
法律改正
を考えた次第でございます。
井川伊平
29
○井川伊平君 現在までの、本人に
代理
いたしまして
弁理士
が侵害の排除、それから損害の賠償等の請求、こういう
代理
をした者があるだろう、そういうことが多いだろうという御趣旨でございましたが、過去において、そういうことをしたことによって
弁理士
が何らかの法の制裁等を受けた事実がある
かな
いか、このことを一つお伺いします。 次には、侵害行為は、業としてやる場合でなければ侵害にならない。
試験
的に行なうごとき場合のそれは侵害にはならないというお話は私もわかりましたが、しかし、そういうような侵害となる
かな
らぬかということは、法的なものであって
技術
的でないと言うけれども、これはあなたのお考え違いじゃございませんか。
試験
的にやっておるがごときは、
法律
的なことじゃなくして
技術
的な判断である。業としてやるか、業としてやらぬかということは
法律
的の解釈でなくて
技術
的のことである。私はこういうふうに考えるが、
試験
的にやるとか、業としてやらないとかということの判断が法的であって
技術
的でないという、この点についてもう少し
説明
を承らぬと了解がしにくいのであります。 それから、かりに既存の権利者が侵害をされておるというような観点に立ち、その観点が
弁理士
の鑑定の結果であったといたしまして、その
弁理士
の方から本人に
代理
いたしまして侵害の排除を求め、あるいは損害の賠償を求めたといたしましても、自分の方では侵害をしておらぬという御主張になりますれば、それ以上は訴訟になるわけでありますから、当然に
弁理士
の仕事の
範囲
外であることは言うまでもない。だからして、そういうような請求をさすだけならば、何も違法な事実、あるいは不相当な事柄が起こるとは考えられない。それでもやらしてはならないのだという特殊の事情があるか、あるいは特殊な事情はないのであるか。そういう点をお伺いいたしたいと考える次第であります。 それから、鑑定というこの言葉の中には、私が先ほど申しましたようなことが入らないという事実、これは私もよく了承しました。しかし第
一条
を見ますと、「鑑定其ノ他ノ
事務
ヲ行フコトヲ業トス」という「鑑定」の次の「其ノ他ノ
事務
ヲ行フ」、この中に入るのではないか。入れても差しつかえないのじゃないかというように考える。この点の御意見を聞きます。 それからもう一点は、
弁護士法
七十二条との
関係
でございますが、これはまあ将来に向かって非常な大きな研究の課題であるという点私も了承します。しますけれども、実際の
弁護士
といたしましてはこういう特殊な
技術
に関しますことは、かえって
弁理士
の
説明
なり、鑑定なりを聞
かな
ければわからないという点が非常に多いと思いますから、
弁護士法
第七十二条の
例外
として、こういう問題に限っては、訴訟ではありませんよ、
弁理士
に請求するまでのことは認めて差しつかえないのではないかと思いますが、いかがでございましょうか。 以上数点お伺いをいたします。
井上尚一
30
○
政府委員
(
井上尚一
君) 第一点につきまして、従来その例が多いと申しましたのは、私の言葉も不十分であったかと存じます。依頼者からの要求によりまして、
弁理士
としましては、侵害行為等があった場合に、これに対して相手方に対しまして差しどめ請求あるいは損害賠償請求をすることを希望をすることができるような根拠があった方がいいという、そういうことを痛感するケースが多かったであろうと思うわけでございます。そういうような行為が現にあったかどうか、あるいはまたそれに対する制裁があったかどうかという点につきましては、そういうような
弁理士
が行為をやりました場合に問題になったことは、地方の裁判所……従来地方ではあったという例は聞いておるのでございますが、これに対しまして制裁があったという点につきましては、われわれ承知をしておらないのでございます。 それから第二の
試験
用であるか研究用であるかは
技術
の問題ではないかという御指摘でございますが、その点につきましても、たとえば実際問題としまして
企業
が実験をやる。そうして中間
試験
をやる。そうして実際の製造販売に入るという場合に、真に中間
試験
であるかあるいはそれが業として行なわれておる、
企業
化されておるかという限界は非常に微妙でございまして、そういうような場合には、つぶさにそれらに関する実情等を考えつつ、やはり
法律
的な判断をそこに加えざるを得ないのではないか、
企業
として行なわれるか
試験
として行なわれるかということは、一見
技術
問題のように見えまして、具体的な実際の問題について考えますというと、非常に
法律
的に微妙な問題がそこにぶつかるようにわれわれは考える次第でございます。 それから第
一条
の最後の「鑑定其ノ他ノ
事務
」という中で、これは読むことはできないかというような問題があったかと存じますが、これはわれわれは「其ノ他ノ
事務
」は書類の作成等の付随的な事柄と解釈いたし、またそういうふうに
運用
いたしておるわけでございます。この「
事務
」というその中に損害賠償請求、差しどめ請求というようなことはやはりその行為の性質が違いますので、その中に包含させて読むことは困難ではないかというのがわれわれの考えでございます。 それから
弁護士法
第七十二条の問題としまして、井川先生のような非常に
弁理士
につきまして御理解のある今は御発言であったように承知をしたのでございますが、先ほど申しました
弁護士
の
業務
範囲
と
弁理士
の
業務
範囲
、
弁理士制度
と
弁護士
制度
との
関係
調整その分野という点につきましては、この
業務
範囲
以外につきましてもな
かな
かいろいろな問題がそこにあるようでございます。先ほど申しましたように、今後の
弁理士制度
のあり方という問題について根本的に考える、また今後研究、
検討
を加えます場合に、この
弁護士
、
弁理士
両者の
業務
の
範囲
につきましても、
関係
方面の意見等も十分聞きまして、慎重にこの点は
検討
を加えたいと考えておるわけでございます。
井川伊平
31
○井川伊平君 大体御
説明
は私も了承いたしましたが、今回の
改正
はさしあたっての
改正
であり、将来慎重な討議を続けて参りたいと存じます、という御
説明
でありましたから、将来のことに備えて申し上げますが、結局既存の権利だから、その権利が侵害されておるということに気つきまして鑑定を受けた、そして
弁理士
がそれを鑑定した結果は、確かに権利の侵害であるというようなことを認めたような場合に、それをやめてくれい、あるいは損害を払ってくれいと言うのは、本人━━権利者側としては当然の御主張であります。だから本人自身ができることである。
弁護士
を頼んでもできることである。第三者のしろうとを頼んでもできることである。いわんや鑑定してもらった
弁理士
に頼んでもできることである。それは言うまでもないことであります。ただ業としてやる場合には、そこに一つの取り締まり
規定
が生まれてくるわけです。そうしますと、
弁護士法
七十二条との
関係
がきわめて密接な
関係
になってくる。ところが、こうしたものの鑑定、真実に権利が侵害されておるだろうという正しい主張をするのには、これは、そういう鑑定をする力のあるものに、請求までは認めさしても、言いかえれば、裁判外の請求までは許さしても、弊害はないように考えられますが、これは将来にまかせまして、御
検討
をお願い申し上げておきまして私の質問を終わります。
岸田幸雄
32
○岸田幸雄君 この
付則
の第二項の解釈についてなんですが、「この
法律
の
施行
の際現に
従前
の
規定
により
弁理士
となる
資格
を有する者は、この
法律
の
施行
後も、なおその
資格
を有する。」と書いてありますけれども、そうすると、現行の
規定
する
高等試験
の合格者とか、あるいは
高等官
の
資格
を持つというような者も
弁理士
となる
資格
があるということになっております。これは今後もやはりそうでございますか。
井上尚一
33
○
政府委員
(
井上尚一
君) 今の御意見の通りでございます。すなわち従来の第三条第二項に該当するような場合は、今後も
弁理士
としての
資格
を有する者というふうに御了承願ってけっこうでございます。
岸田幸雄
34
○岸田幸雄君 そうすると、つまりこの際
改正
される場合に、現在では国家
制度
の面から、すでに
高等試験
の合格者とか
高等官
というものがないから、これを削除したのであって、実質的には何ら変わりはないということですね。それと、これもついでに伺うのですが、第三条には「
弁理士
タル
資格
ヲ有ス」という言葉を使っておるが、この
付則
の方には「
弁理士
となる
資格
を有する」という言葉を使っておりますが、これはたまたま用語の都合でこうお書きになったのですか。
井上尚一
35
○
政府委員
(
井上尚一
君) これは
文語体
か
口語体
かという違いであって、実体は変わりはございません。第三条第二項につきましては、先ほど申し上げた通りでございます。
近藤信一
36
○近藤信一君 これは
説明
書の中にございますように、今度の
改正
のねらいというものが、従来の
例外
規定
としてあるところの
弁護士
たるの
資格
を持っておる者とか、それから
高等試験
の
行政科試験
または
司法科試験
に合格した者、それから
特許庁
において
高等官
に在職して二年以上
審判
または
審査
の
事務
に従事した者というふうに従来はあったと、それからこの
制度
がなくなって、これは現在認められていない。そこで
改正
の問題が出てきたわけなんで、そこでそういう
規定
が失なわれて、
特許庁
に長く務めていても、
弁理士
としての
資格
がないことは、もう将来の励みがないと思うのですよ。そこで今度そういう
改正
が出てきたと思うので、私は
法律改正
はいいと思うのですけれども、そこで問題は、こういうことになるとやはり今井川先生も言われましたように、
弁護士
、それから現在の
弁理士
、こういうところの反対というようなことが出てくるのじゃないかと、こういうような心配がされるわけなんですが、この点いかがですか。
井上尚一
37
○
政府委員
(
井上尚一
君) 第三条の
弁理士
の問題に関連しまして、弁別士会方面の反対ということはないかという御質問でございますが、この点につきましては、当初
弁理士会
の中では、こういう
特例
を設けることは感心しない、
特許庁
の官吏であっても、国家
試験
としての
弁理士試験
を当然受験すればいいではないかという議論が一時ございましたが、この点につきまして、われわれとしましては、次のようなことを述べたわけでございます。 すなわち第一には、何としましても、今日の
特許
行政の実情から申しまして、
特許庁
の
審査官
、
審判官
の増員が必要でございます。この増員の予算的措置等を講じましても、な
かな
か実際問題としまして、優秀な人材の充足をはかることがむずかしいわけでございます。やはりわれわれとしましては、一定年限
特許庁
において経験を持つことによって、
弁理士試験
を要せずして
弁理士
になることができるというような
特例
を設けておくということは、今後の
特許庁
に来るべき新人に対しましては、新たな大きなこれは魅力であるわけでございまして、そういう点から
特許庁
の要員充足という点から申しましても、非常に効果が大きいと考える次第でございます。 次にまた現在の
特許庁
の
審査官
、
審判官
等について申しましても、現行
規定
では、こういう
高等官制度
の廃止が
昭和
二十五年にあったわけでございますが、以来十年間、現在の
特許庁
の職員、
審査官
、
審判官
というものは、何年勉強しましても
弁理士
になることはできないというような不安な状態が続いているわけでございます。この点につきまして、われわれとしましては、こういう特典と申しますか、
特例
を復活することによりまして、実際上
審査官
、
審判官
が安心して
業務
に専念し得る、従ってひいては、これが
審査
、
審判
の迅速化、
特許
行政の
改善
ということに大きく寄与するということを考えた次第でございます。なおまたこういうような
規定
はかつてあったわけでございまして、既得権という言い方は語弊があるかと存じますが、かつてあった特典でもございまするので、こういった点をこの際十分考慮をして、こういうような
規定
の復活をぜひ考えてもらいたいということで、いろいろ
弁理士会
当局とも話し合いを続けた次第でございます。 で、その結果としまして、
弁理士会
の方では、では十年ならばよろしいという結論に達したのでございます。
特許庁
としましては、できるだけ短かいことを希望し、
特許庁
の案としましては、実は五年ということで考えたわけでございます。従来の
高等官
として二年という
規定
の場合には、
高等官
になりますのに、三、四年を要しますので、その三、四年プラス二年としまして、五、六年ということになるわけでございますが、
審査官
としまして、かりに
特許庁
の最初の希望のように五年としましても、
審査官
になりますまでに、大体五年を要しますので、五年プラス五年で十年ということで、この
規定
を五年と
改正
しましても、従来とはだいぶこれが延長になるのでございます。で、いろいろ勘案
検討
し、また
弁理士会
の幹部の方とも協議を続けました結果、五年と十年というその間の妥協の線としまして七年ということで、この原案を作った次第でございます。われわれとしましては、そういう、この
規定
を設けることによって、
審査
、
特許
行政の
改善
、ひいては
特許
制度
の
運用
がうまくいくということで、
弁理士会
、当局としましても、大きな観点からこれを見る場合には必ずいい効果がある、こういうふうに考えているわけでございます。
近藤信一
38
○近藤信一君 今長官も言われましたように、これは従来
審査官
それから
審判官
は非常に不足しておる。こういう点で昨年だったかと記憶しておるのですが、
栗山
委員
それからほかの
委員
からも、盛んに
特許
関係
のマンマンデーを、うまく早くできないか、二年も三年も、
事務
が複雑で長引いて困ると、こういうことで、盛んに増員の問題で長官にも言ったことがあるわけなんです。そこで、私はやはりまあ今年は若干人が増員されたと聞いておりまするけれども、やはりそれでも
審査官
、
審判官
が非常に不足すると、そういう現状であれば、やはり私は
特許
関係
をすみやかに国民の期待にこたえるようにやるには、もっと本来ならば増員して、そしてこたえなきゃならぬと思うのです。そういう
関係
からも、今度こういう
資格
、
審査官
、
審判官
の
資格
を与えてカバーしていこうと、こういうことにも相なろうかと思う。そういたしますると、これ今最初は五年というのを、
弁理士会
の方が十年ということで、その中をとって七年と、こういうふうになったらしいんですけれども、やはり私はそういうことにそうこだわらずに、ほんとうに
特許
関係
をすみやかにやっていこうということになれば、そういう優秀な人はどんどんと
資格
を与えて、そして早く
特許
関係
を処理していくような
方法
が私は望ましいと思うんですがね。そういう点で、私はやはり七年という期限がここに出ておるけれども、できれば、私は五年でもいいんじゃないかと、こういうように私思うのです。この点交渉の結果、妥協案として七年ということになったように言われるわけですけれども、やはり
特許
関係
が私は一番おくれているんじゃないかと思うのです。
申請
してから許可になるまで、早くても一年、一年半、おそいのになれば三年くらいかかると、こういう状態では非常に国民にも申しわけないんじゃないかと思うのです。そういう点で、私はこの
改正
点については賛成なんです。しかし問題は、話がついたというものの、
弁理士会
にとってみれば、やはり自分たちの仲間がふえるということはあまり望ましくないんじゃないか、こういうふうに考えられるわけなんです。そこで私はそういう点を十分に了解されて、そうして
改正
されるということで今度出たのだと思うのですけれども、
弁理士会
、
弁護士
会等とも十分一つ連絡をとってこれを進めていただきたいと考えます。
斎藤昇
39
○斎藤昇君 近藤
委員
から、
工業所有権
の出願をしてから
登録
されるまで非常に日数がかかるというお話がありましたが、最近少しでも日数が縮まるような傾向にありますか。どういう傾向でございますか。最近早いものはどのくらい、おそいものはどのくらい、平均どのくらいになっておりますか。その傾向をお伺いしたいと思います。
井上尚一
40
○
政府委員
(
井上尚一
君)
技術
の分野によって凹凸がございますが、平均して申しますれば、
特許
の場合には、
特許
実用新案
といいまして、出願から権利の設定まで、言いかえれば、
審査
の終了まで二年六カ月くらいを要しておるという実情でございます。で、これは平均でございますので、最近出願の減っているような分野につきましては、一年数カ月で処理が完了しておりまするし、また反対に有機合成化学、電子工学、そういうふうに最近非常に出願が増加しておる、特に外国出願が増加しておるような、そういう分野につきましては、三年、三年半というふうな非常な長年月を要しておる次第でございますが、こういう点につきましては、われわれとしましては遺憾に存じておる次第でございます。この
改善
につきましては、いろいろ努力を続けて参りました。今回ようやく予算の面でも相当大幅の
改善
をみることになった次第でございます。三十五年度以降には、よほど
審査
の促進が可能であろうと存じているわけでございます。具体的に申しますれば、われわれとしましては、三十五年度は、
政府
としましては九十名の増員を
特許庁
について予定をいたしておるわけでございます。この一両年やはりある程度の増員を続けるという前提で、
審査
の処理の五ヵ年計画を今作って、この計画の実行に関しまして、いろいろ努力を集中したという実情でございますが、五年以後には、これを一年二ヵ月にまで短縮するということを
目標
にいたしておるわけでございます。ついでに申しますが、一年二カ月と申しますと、まだ長いという感じをあるいはお持ちになるかとも存じますが、実は
工業所有権
に対します保護同盟条約で優先権主張という
制度
がございまして、ある一国に
特許
の出願をしましてから一年以内に同盟国に出願しました場合には、その第二、第三、第四の各国に対しても、最初の国に出した日、同年同月同日に出願したものとみなすという
規定
がございます。その結果、これがもし一年以内に
審査
が終了するということになりますと、優先権主張のついた出願が後に出て参りまして、これが一年さかのぼることによりまして、ある権利が設定後すぐまたそれがくつがえるというようなことになりますので、かえってこれでは
特許
権という独占権の効力等から考えまして、かえって問題が大きいというふうに思っておるわけでございます。われわれとしましては、一年二カ月というところを大体の
目標
として考えて、また各国も
特許
の
審査
の促進計画としましては、自伝としましては、その辺を理想といいますか、
目標
として考えておるわけでございます。
斎藤昇
41
○斎藤昇君
目標
はよくわかりましたが、各国の、各国というのはそう多くなくてもいいのです。アメリカとかイギリスとか、そういう国の現在の実情はどのくらいの
期間
になっておりますか。
井上尚一
42
○
政府委員
(
井上尚一
君) これは二、三年前までは米国、英国、ドイツ等も非常におくれていたようでございますが、最近各国とも人員の増加、その他の
審査
促進につきまして、着々手を打って参りましたので、最近は、日本よりもだいぶ短縮になっておるような状況でございます。大体のところを申しますれば、英米独等でも数年前までは、やはり三年、二年半以上要しておったような状況でございますが、最近急速にこの
期間
が短縮されておるものと考えます。
斎藤昇
43
○斎藤昇君 人員の増加その他
事務
処理の
方法
御勘案いただいて、
目的
をなるべく
達成
せられるようにお願いをしたいと思います。 次に、
弁理士
の数が非常に減ってきておりますが、これはどういうわけでしょうか。一番多い
昭和
十年の初めごろから比べると、三分の一になってしまっておる、あるいは四分の一にもなっておるというようなこれはどういう
理由
からこんなに減ってきておるのですか。
井上尚一
44
○
政府委員
(
井上尚一
君) この点につきまして、私ども必ずしもその間の原因を把握していないのは遺憾でございますが、かつては、やはりいわゆる
資格
を持った人が一応
登録
はやっておくというような風潮が多かったのではないかと思います。が、しかしながら最近は、先ほど申しました第三条の
特例
によって、
弁理士
としましての
資格
を持っている方でも
登録
しない方が多いように存じます。ですから、
弁理士
としての
資格
を有するという問題と
登録
になっておる数ということとは、もちろん違うわけでございますが、まあもっともそういう
登録
の数ということに問題を限って考えましても、戦前と比べまして非常に
登録
の数が減少いたしているのでございますが、まあ当時は
弁理士
につきましての
試験
制度
、それから選考
制度
というのがあり、また
特例
としましても、今日よりはやや
範囲
が広かった、寛大でございました。そういうような
資格
を有する人、そういう
特例
に該当する幅がかつては現在と比べて大きかったということも、こういう数字の原因ではないかと考えます。
斎藤昇
45
○斎藤昇君
弁理士
の数が非常に少なくなって、みなが不便しておる、そういうようなことはないのですか。
井上尚一
46
○
政府委員
(
井上尚一
君) 最近出願件数は非常に大幅に年々増加を続けて参りました。で、この出願します場合には、
弁理士
を通してもよし、通さなくてもよしということでございますけれども、やはり発明者の利益の確保あるいは
特許庁
としましての
審査
の便宜と、その両面から考えまして、なるべく
弁理士
の手を通すというような率が大きくなることは望ましいであろうと、われわれは考えておるわけでございます。そういう点から申しますればただいま御指摘のように、よい
弁理士
の数がもっと増加するということが望ましいことと考えております。毎年国家
試験
としましての
弁理士試験
を行なっておりますが、大体志望者も増加するようでございまするし、まあ増加すると申しましても、質の低い
弁理士
ということでは、依頼者に対しまして、一般国民の点から申しまして、必ずしもその利益に合致しないということにもなりますので、
弁理士
の
試験
制度
の
実施
につきましては、厳正公平に行なわざるを得ないこと当然ではございます。全体の出願件数と比べてみて、
弁理士
の数が今多いか少ないかという点につきましては、むしろ少ないといわざるを得ないと思っております。特に東京等では、一部の
事務
所には非常に事件の数が多くて非常な繁忙を続けておる現状でございまするし、また地方の都市では非常に
弁理士
の数が少なくて、出願人としましても非常に不便を感じておるという点も確かにあろうと存じます。そういう点から、繰り返しになって恐縮でございますが、よい
弁理士
がもっと数が増加することをわれわれとしても期待いたしておる次第でございます。
斎藤昇
47
○斎藤昇君 最近、
弁理士
を
登録
される方が五十人前後となっておりますが、これらの人の
資格
は、
試験
でなった人が多いのですか。内訳はどういうふうですか。
井上尚一
48
○
政府委員
(
井上尚一
君)
試験
によるのが最も多いわけです。続いて選考というような
制度
もございます。
栗山良夫
49
○
栗山良夫
君 今の斎藤君の御質問は、
昭和
十三年ごろと比較すると四分の一程度に
弁理士
が減っておって、発明考案者が不便をしていないかどうか、こういう御質問なんですが、この表で見ると、直感的にそういうことが言われるのですが、問題は、不便しているか不便していないかの判断は、最近のいろいろな出願が、ほんとうに個人で出願しているのでなくて、その権利がもし設定された場合には、自分の奉職しているところの
企業
に帰属してしまう、そういう工合に、各法人として出願しているものが、総数の何パーセントくらいに及んでいるか、
昭和
十三年ごろに何パーセントか、これを一ぺんチェックすれば、大体町の
弁理士
の仕事が、数が足りないとか足りているとか、こういう御見当がつくのじゃないかと思う。法人等は、
特許
部長などというものを持っているような大きな会社もありまして、大体
弁理士
を通さなくて、その会社で、自分で出願手続をしてしまうわけですから、従ってそこのところを少し
検討
していただければわかると思うのです。
井上尚一
50
○
政府委員
(
井上尚一
君) 出願中大
企業
の方からどのくらい出ておるかという点につきましては、ただいまちょっと的確な数字が手元にございませんので、できるだけ調査してみたいと考えております。 なお、先ほどこちらから申しましたことに対しましてつけ加えたいと存じますが、他方、発明協会、地方の商工会議所、あるいは通産局、県庁、そういった方面でもだんだん発明相談所というような施設も普及して参りましたし、また出願の便からといいますか、簡単な解説書のようなものもだんだん頒布の
範囲
が広くなって参りましたので、そういった面から、地方の
弁理士
を利用し得ないような地方では、そういうような
方法
でいろいろ出願の知識といいますか、実際上出願についての不便があまりないように行政上の措置といいますか、相談
業務
等を通じても
かな
りやっておるということだけを申し添えておきたいと思います。
栗山良夫
51
○
栗山良夫
君
法制局
からおいで願ったそうですからちょっと伺いますが、私大へんうかつで、今まで気づ
かな
かったのですが、
法律
の作文を、ひらがな、
口語体
に直すこの基準というのはどういう工合になっていますか。
吉国一郎
52
○
政府委員
(吉国一郎君) 実は、戦後、新憲法が
施行
になりましてから、あとは
法律
、政令、省令等はすべてひらがな、
口語体
をもって制定するようにいたしておりまして、
政府
から
提案
いたします
法律
もそうでございまするが、国会において御立案になるものも、すべてそういう格好をとっております。ただ戦前の
かたかな
、
文語体
をもって制定されております
法律
を
改正
いたします場合、ほとんど全文について手を入れなければならないという場合には、これを廃止して新しく制定するとか、あるいは全文
改正
するという格好をとりまして、全部新しくひらがな、
口語体
でもって書き直すわけでございますが、たとえば戦後商法の一部
改正
でありますとか、刑法の一部
改正
でありますとか、まだ全体として改めるには至らないが、一部分は
改正
しなければならないという場合には、依然として
文語体
、
かたかな
書きの文体をもって存続いたしております。この
弁理士法
につきましても、今回あるいは全文
改正
というようなことも一時は考えられたかもしれませんが、最終の段階におきましては、お手元にございまするような部分を
改正
すれば、
弁理士法
として現段階においては十分であるという判断に立ちまして、部分的な
改正
をいたしましたものでございまするので、このような形で依然として
文語体
の
かたかな
書きという姿を残しておるわけでございます。
弁理士法
につきましては、
昭和
二十三年に一部
改正
をいたしました際も、同様に
文語体
の中に一部
改正
の形で
改正
文を挿入いたしたようなわけでございます。 なお、本国会に
提案
をされておりますもので、この
弁理士法
のような姿をとっておりますものは他にもございまして、たとえば不動産登記法の一部
改正
、これは不動産登記法と土地台帳、価格台帳の統合を企図する
法律
でございますが、不動産登記法の全体の体系はそのままにいたしておきまして、その一部について
改正
をいたしますものでございますので、
弁理士法
と同様な
方法
をとっておりますこともつけ加えておきます。
栗山良夫
53
○
栗山良夫
君 そこで、大体建前はわかりましたが、この
付則
だけ新しい
口語体
、ひらがなという扱いにされるのはどういうわけでしょうか。
吉国一郎
54
○
政府委員
(吉国一郎君)
文語体
の
法律
を
改正
いたします場合でも、この「
弁理士法
の一部を
改正
する
法律
」というものは、新憲法
施行
後の全体の姿にならいまして、ひらがな、
口語体
をもって書いておるわけでございます。
改正
される部分は、
改正
後の姿を見ますと、
かたかな
、
文語体
でちょうど全体が合うようになっておりますが、そのように
改正
をするための一部
改正
の条文そのものはひらがな、
口語体
によるというのが建前でございます。従いまして、たとえばこの
弁理士法
の第
一条
の
改正
の中で、何々を何々に改めるという文章そのものはひらがな、
口語体
をもって書いてございます。で、このように、何々を「何々」に改めるという
改正
文が
施行
になりますと、現在の
弁理士法
の第
一条
の中の、この「何何」という文句のところが、「何々」に改めるという、その何々に置きかえられるというのが一部
改正
法律
の力でございまして、その結果として一部
改正
が実現するわけでございます。そのように
弁理士法
の一部を
改正
する
法律
そのものは、全体としてはひらがな、
口語体
をとっておりますので、
付則
の部分はこれは当然ひらがな、
口語体
をもって書く方が全体としては体裁が整うという考え方でございます。
栗山良夫
55
○
栗山良夫
君 わかりました。
川上為治
56
○川上為治君
登録
手数料の問題ですけれども、
現行法
によりますというと、
弁理士
の
登録
を受けようとする場合は、
登録料
として三千円を国家が取る、今度は
改正
しまして
登録料
を国家にやはり同じように三千円納めるということになっておりますけれども、
登録
のいろいろな
事務
につきましては、今度は
弁理士会
にやらせるということになっているのですが、
弁理士会
の方では強制的に何か手数料みたいなものを取り得ることになっているのでしょうか。その点を一つお伺いします。
井上尚一
57
○
政府委員
(
井上尚一
君) ただいまの点は、
弁理士会
の
会則
できめることになろうかと存じます。
川上為治
58
○川上為治君 そうしますと、何か強制的にそういう手数料を取り得ることになりますか。
井上尚一
59
○
政府委員
(
井上尚一
君) そのようなことになろうと思います。
川上為治
60
○川上為治君 もう一つ。さっき近藤
委員
からお話があったのですが、この
資格
の
特例
の問題については、どうも私も七年というのは長過ぎるのじゃないかというような気持がするわけであります。
審査官
なり
審判官
になるまで少なくとも五年ぐらいはかかる。それからさらに七年ということになりますというと、都合十二年になる。現在におきましては大体六年か七年くらいだということになりますというと、非常に私はやはりこれは長いのじゃないかと思うのですが、いろいろ
弁理士会
の方その他の方と御相談をされて苦心してこういう妥協の線が出たと思うのですけれども、私はやっぱりこれはなるべく適当な
機会
に、これをもっと短縮するようなふうに持っていくのが妥当じゃないか、そういうふうに考えますので、これは一つ十分これから研究されて、なるべくもっと短縮するような措置をとっていただきたいということをお願い申し上げておきたいと思います。
山本利壽
61
○
委員長
(
山本利壽
君) そのほかに御
質疑
ございませんか。 なお、御
質疑
もございましょうが、本案の
質疑
は本日はこの程度にとどめたいと存じます。 これにて散会いたします。 午後三時十七分散会