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政府委員(高田正巳君)
坂本先生の御指摘は、おそらく将来にわたってのいろいろな計画であろうかと思います.その一部として三十五年度はこういうふうにいたしますということを、全貌の一部として関連をつけて
説明せよという御質問でございまして、まことにごもっともな御質問だと思います。ただ、提案理由
説明のときの補足
説明でも御
説明をいたしましたように、実は精神薄弱者につきましての
基礎的な
調査といいますか、そういうふうなものにつきましても、提案理由で
説明をいたしましたのは、ある精神衛生
実態調査で推計をいたしました数字を申し上げましたので、実は率直に申し上げまして、明確な
実態というものをまだ把握いたして
おりません。従って、結論的に申しまして、今先生御指摘のようか、将来計画というふうなものを、今直ちにこういうふうでございますというて御
説明を申し上げるほどのまとまったものを持って
おりません。ただ、これもよくおわかりをいただきまするように、この分野の
仕事というのは非常に未発達でございまして、まだ処遇の
方法等につきましても的確にこういうふうにしたらいいというふうな
専門家の定説というようなものがまだ確立されておるわけでもございませんし、従って、たとえば
施設の計画を立てまするにいたしましても、分類収容というようなことがいいのか、あるいはそういうふうなことでなく、
やり方がいろいろあるのじゃないか、さような細部の
取り扱いの点につきましても、もう率直に申し上げて、私どもまだ定見を持っておらないわけでございます。しかし、そうは申しましても、とにかく
施設に例をとってみますれば、こういう
施設が今日もう非常に足りないということは、絶対的な客観情勢でございます。しかも、児童福祉
施設の方につきましては、御存じのように、すでに多年の努力によりまして百以上もできて
おります。ところが、十八才以上の者につきましては、これは全く今日までできておらない。全然ないとは申しませんけれども、ほとんど見るべきものがない。やっと三十四年度から、手をつけて、三ヵ所できるようになった。こういうふうな
状態でございますので、従って、とにかくいろいろ細部の
取り扱い等の点については、今度できまする審議会で
専門家の御
意見を十分に拝聴して、いろいろと検討していくにいたしましても、この際、
施設を例にとって申しますれば、とにかく、このままの
施設じゃいけないので、どんどんふやしていかなければならない.また、公けの
施設を持つにも
限度がありますので、民間の
施設があれば、これも収容委託というようなことで、お金を差し上げて、この
施設の力を拝借していかなければならない。それについてどういうふうな財政援助をしていくかというようなことを、
法律として、まず骨格のレールだけでも
一つ、早急に
法律を御制定を願いまして、これをもとに、さらにいろいろな
専門冢の御
意見なり、あるいはより正確な
実態の把握なりというようなことを並び行ないまして、御指摘になりましたような将来計画というようなものも、だんだんに作って参りたい、かようなつもりでおるわけでございます。直ちにお示しをできませんことは、はなはだ申しわけないのでございますが、大体以上のような状況でございます。