運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-06-09 第34回国会 参議院 建設委員会 第32号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年六月九日(木曜日)    午前十時四十八分開会   —————————————   委員異動 五月三十百委員横山フク君、大谷贇雄 君及び上林忠次君辞任につき、その補 欠として田中清一君、稲浦鹿藏君及び 小山邦太郎君を議長において指名し た。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君    委員            小沢久太郎君            太田 正孝君            河町 謙三君            田中 清一君            吉江 勝保君            米田 正文君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長    建設省住宅局長    事務代理    鬼丸 勝之君    建設省河川局長 山内 一郎君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○理事補欠互選の件 ○派遣委員報告建設事業並びに建設計画に関する  調査  (チリ地震津波による災害対策に関  する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  初めに理事補欠互選についてお諮りいたします。  去る五月二十八日の委員異動に伴いまして、理事が一名欠員となっておりますので、この際その補欠選挙を行ないたいと存じます。選任は前例により委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 御異議ないと認めます。それでは委員長から稲浦鹿藏君を理事に指名いたします。   —————————————
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次にチリ地震津波災害対策に関する件について調査を行ないます。  初めに本件災害状況調査のため、先般東北南近畿地方委員派遣を行なっておりますので、その報告を聴取いたしたいと存じます。それではまず東北派遣委員米田君の御報告をお願いいたします。
  5. 米田正文

    米田正文君 私は三陸地方津波災害実情調査を命ぜられましたので、去る三十日出発をいたしまして五日に帰京いたしますまで一週間にわたりまして、現地調査をいたしております。ちょうど他の社会労働及び運輸の委員会からも委員派遣がございまして、一緒に視察をして参ったのでございます。報告書はお手元にお配りをいたしておきましたが、その内容の概要について御説明を申し上げたいと思います。  被害調査概要をまず申し上げますが、私どもの参りました宮城岩手青森の三県で、いわゆる三陸地方と称せられる地域でございます。この地方は御承知のように、過去において明治二十九年の非常な大津波がございました。その後、昭和八年の三月にまた大津波がございました。そして、各地で非常な被害を受けたのでございますが、今回の被害は、さらにそれらの二回の大津波被害を上回る被害を生じたのでございます。三陸地方は御承知のように、海岸リアス式と申しまして、非常にのこぎりの歯のようになった海岸でございまして、ちょうど津波を受けると、その湾に入ってさらに波の高さが高くなるというような地形のところでございまして、宿命的に津波に対して非常に弱い性格を持っておる地域でございます。今回の災害におきましては、不幸中の幸いと申しましょうか、非常に被害が大きかったのにかかわらず、人命に関する被害は比較的少なくて済んだということでございます。これは一に地元民の過去二回の非常に尊い体験が津波の来襲を予測いたしまして、そうして適切な措置をとったからでございます。地元をずっと回って見ますと各地石碑が立っておりました。昭和八年直後に立てたものでございますが、各地に見られましたがその石碑には、地震があったら津波と思え、それから潮が異常に引いたら津波と思え、というようなことを書いてあるものがあり、かつはそういう逃げるときの心得も書いてありました。そういう避難をするときには物を持つな、物は全部家に置いて行け、というようなこまかいことまで石碑に彫り込んで、もう村民、部落民が毎朝毎晩その石碑を見るようにしてありまして、私は非常な感銘を受けたのでございますが、そういう地帯でございまして、従って、今回の災害についても、漁師は朝の三時ごろから海に出ていくわけですが、出ていってみたところが非常に潮が引いておって、非常に異常な引き潮だというので漁夫がびっくりして市役所、あるいは部落あるいは市町村の長にそれぞれ朝早く連絡をした。従って、市町村は半信半疑ながらその報告を受けて手配をして、避難の命令を出したということが、今回の人命に関する被害を少なくしたゆえんであったのでございます。  まあ、そういうような現地における人たち予報によって処置がとられたのが、今回の特徴であったように私は感じて参りました。残念なことには、気象庁の警報が非常におくれて、もう津波の来たあとに通知があったというようなことでございます。この点は将来の問題でございますが、予報の総合的な対策を立てて、予報が早くできるような措置を、これを契機にして確立をする必要を痛感いたして参りました。  今度の被害は三県を通じまして見まして、いわゆる個人被害が非常に大きいのでございまして、建物住宅あるいは非住家、そういう建物が非常に大きな被害を受けて流失全壊半壊というようなものが非常に多かったのでございます。  それに、あそこは漁業地域でございますので、漁船被害、漁具、漁業施設等被害がまた非常に大きな額を示しておりました。公共施設災害が非常に金額あるいは数量ともに僅少でございます。その理由の一つは、これらの地域についてはまだ公共施設が完備されておらない、公共施硬の非常に少ない地帯であるために、公共施設被害が非常に少なかったという結果になっております。  そういう現状でございましたが、その被害の現況は、私どもが参りましたときは官民一体になりまして善後処理をいたしておりまして、ようやく復興の途上にございました。特にまた今回も機敏な自衛隊活動によりまして地元民は非常に感謝をいたしておりました。なお、復旧も非常にそのために手ぎわよく処置をされておったのでございます。自衛隊倒壊家屋の整理、施設補修あるいは鉄道の復旧にも出て、それから防疫、給水、入浴に至るまでの仕事に携わっておりました。各市町村においても、市町村民は非常にその労に対して感謝をいたしておりました。  それから、被霊地に発生しがちな赤痢発生の予防のための屎尿処理等も専門的に防疫活動が行なわれておりましたし、日赤及び県市町村の努力と相待ちまして、患者の発生を最小限度に食いとめておりました。現在、宮城県で当初、真性赤痢患者が三名、擬似患者が二十数名、岩手県下で真性が十一名、擬似が十名程度出ました。これらはすべて隔離をいたして適切に処置をいたしておるように見て参りました。  それから救援物資が続々と現地に届いておりますが、これも非常に順調に支給されておりまして、民心もようやく落ちつきを取り戻しておるという状態でございまして、それらの処置についての不満がほとんど聞かれなかったということは、これらが非常に順調にいっておる、適切に行なわれておると言うてよかろうと思うのでございます。  次に、三県についてごく概要を申し上げたいと思います。  宮城県の被害概要でございますが、宮城県下は、二十四日の未明四時ごろから潮が高くなって参りまして、波高が三メートルないし四メートルの津波が四時を前後にいたしまして数回にわたって襲来をいたしまして、津波による損害を生じた。死者が四十二名、行方不明十二名、家屋全壊が千四十五戸、家屋流失が四百九十五戸、被害総額八十六億七千九十八万四千円という数字を県庁において報告を受けました。  被害の甚大であった地点は、志津川あるいは女川、塩釜、石巻等でございました。これらの地域においては非常な被害を受けて、特に志津川のごときは非常な被害でございました。一見したところでは全町全壊というような感じを受ける所でございます。町長は率先して先頭に立ってその復旧に涙ぐましい努力をいたしておりました。その中でこの委員会関係のあります土木関係被害といたしましては、総額四億四千三百万円で、河川が二千八百九十三万、海岸が四千八百二十三万、道路が六千七百五十四万九千円、橋梁が七千七十万円、港湾が五千万円という内訳になっております。  次に、岩手県を申し上げたいと思います。岩手県は、土木施設農林業施設及び漁業施設、並びに家屋等の全被害額被害総額九十八億三百十八万七千円になっておりました。人命の損傷におきましては、死者五十五名、行方不明六名、並びに重軽傷者三百七名というような数字になり、罹災者総数三万五千二百七十九人を数えるに至っております。岩手県内におきましても自衛隊活動は活発でございまして、非常に適切に行なわれておりました。特に米軍の三沢基地軍用機及び航空自衛隊の飛行機による食糧の投下等が行なわれたりいたしまして、非常に活発でございました。本県内における主要な被害、特別な被害と申しますのは、陸前高田市の防潮林がその中央部において決壊をいたしておりました。そうしてそれから津波が入って参りまして市街地に浸水をいたしというのでございまして、この陸前高田市の防潮林と申しますのは、昭和八年のあの津波あと、すぐに町の前面に、前面と申しましても相当距離がありますが、二キロぐらい、半道ぐらいありましょう、その前面の海の中に防潮林を作って、ちょうどそれから三十年近くたっておるので、ちょうど松も相当に伸びて繁茂いたしており、防潮林の効果を発揮いたしたのでありますが、残念なことに、なお弱い部分があったためにそこから決壊を始めて津波が入ってきたというような実情でございました。あの昭和八年の当時には、最近のような特別立法は行なわなかったんですが、そういうような防潮林をやったり、あるいは防潮堤をやったりするような、施設をするようなことが行なわれておりますが、各地昭和八年後の対策事業が残っておる実情を見て参りました。それから山田町も前面防潮堤がございました。それからの越水被害もありましたが、織笠川以南防潮堤のない部分から津波が侵入いたして参りまして、木材工場がやられましてその貯木してあった木材が流れ出して、そして市内の町の建物木材の衝撃によって破壊をいたしたという実情でございました。  そういうような、私どもはこの岩手県におきましては、昭和八年のときの教訓を非常に感銘をいたして見て参ったのでございますが、なお、田老町というところがございますが、ここは昭和八年後にすぐ大防潮堤を町の前面に築きまして、それをさらに昭和二十九年から補修をいたしまして、前面、りっぱな防潮堤で町を囲んでおります。たまたま、ここには今度は大きな水がこないで、二メートルぐらいな高さの津波しかこなかったので、ほとんど問題にならなかったのですが、まあしかし住民は非常に安心をいたしているということで、全然被害はなかったということで、この三陸地方の人は、その田老町の提防を見て、ああいう堤防をやってくれというのが、どこに行ってももう——いろいろな説明をしないで、田老町のような防潮堤をぜひ頼むというのが、合い言葉になっておるという実情でございます。  岩手県の総額は九十八億三百十八万七千円の被害総額報告をされましたが、その中で土木関係のものといたしましては九億千三万七千円ということになっております。これらも河川が八千四品七十一万、海岸が六千八百十万円、道路が四億二千三百四十一万八千円、橋梁が九百七十五万円、港湾が二億八千七百七十八万五千円、都市計画が、千六百二十七万四千円という内訳になっております。  主要な被害を受けた地域は、陸前高田市、大船渡市、釜石市等でございました。その他ございますが、主要なるものはそういう地域でございました。それに宮古市、普代村という地域でございました。それに久慈市でございましたが、久慈市は比較的被害は軽少でございます。  次に青森県の被害概要でございますが、これは潮位が一番大きかったのでございまして、潮位最高は五メートル以上にも達しておりました。特に八戸市の被害が著しいものでございまして、八戸市にはもちろん災害救助法が発動をされました。自衛隊及び航空隊の出動によりまして人命救助道路維持給水等事業が実施をされておりまして、また三沢の空軍による食糧投下の協力もあったのでございます。  今のところ判明をいたしております死者は一名、行方不明が三名、重軽傷四名というような、比較的人的被害は少なくて済んでおりました。  住家被害流失家屋が二十四戸、半壊は三十四戸という数字でございました。ただ御承知のように、八戸はいわゆる水産関係漁船の大集結地でございます。漁船の七、八割までがもう漁に出るというので、出漁の体制ができ上がって勢ぞろいをしておるところにこの津波が来たというので、その集結をしておった半数にわたる漁船被害を受けた。動力船で三百七十三隻、無動力船で百八十四隻というようなものが被害を受けたのでございます。こういう水産基地であるだけに、水産関係被害が非常に甚大であったのでございます。土木関係といたしましては、八戸港の工業港の防波堤が決壊をいたしております。及び、商港の泊地が埋没をいたし、浚渫船——これは直轄工事の運輸省の浚渫船が流されて座礁をしておる、ほとんど使いものにならなくなっておるというような被害もございます。土木関係全体といたしましては五億四千万百、全部では五億七千万円に被害が及んでおります。で、青森県の被害総額といたしましては四十六億九千万円でございます。大部分水産関係被害でございまして、水産関係がほとんどを占めておりまして三十二億六千万円がその中に水産関係として含まれておるのでございます。八戸港湾施設が非常に進んでおりまして、それからいろいろな工場施設等も最近非常に著しく伸展をいたしてきておる所でございましたので、その被害の額が非常に上っておるのでございます。地域の狭かった割に非常に大きくなっておるというような実情でございます。最近でき上がったばかりの魚市場の前面が今度の津波で足が洗われて、まさに倒壊をしようとしておるような実情でございます。その対策を非常に急いでおる現状でございます。  以上大体申し上げましたような現地実情でございましたが、詳細は報告書の中に各主要市町村別に書いてございますので、あとでお読みを願いたいと存じます。  で、最後に各県でいろいろと要望がございます。今回の被害復旧に対する要望がございました。その点をまとめて書いてございますが、そのうちのおもなるものを申し上げてみますと、宮城県におきましては、公共土木施設災害復旧に関する特別立法をしてもらいたいという点がございます。  それから第二は、住宅工場等立地条件の改善のための特別措置をしてもらいたい。これは被災地区における住宅工場等立地条件を改善するために土地区画整理事業及び宅地造成事業について、高率の国庫負担をする特別立法をしてもらいたいという要望でございます。  それから、公共土木施設単独災害復旧事業に対する起債並びにこの元利補給についてでございますが、これは今回の災害に関連する単独復旧事業については起債を全額してもらいたい。そしてこの元利については、全額を補給してもらいたいという趣旨でございます。  それから失業対策事業でございますが、特別に今回の津波対策として各地失業者救済事業をやってもらいたい。そのためには現在行なわれておる失業救済事業のほかに、一般公共事業としてやれるような事業を起こして吸収をしてもらいたい。というのは今回の災害に限らずそうですが、失業者として安定所に登録をして、そうしてその登録を受けた者を失業救済事業に使うという制度のほかに、自分らは安定所に行って失業救済の手続まではするのではない、しかし現在非常に何もかも流されて困っているからして、工事に出てその日の賃金をもらいたい、現金収入を得たいという趣旨でございます。失業救済としての安定所に届出をして、失業救済事業に吸収されるというのではない措置をお願いしたいという趣旨でございます。  それから災害復旧事業費国庫負担対象限度額の引き下げについての要望もございました。これは現行法令による国庫負担対象限度額は、県の工事で十五万円、市町村工事で十万円を限度としておりますが、それぞれそれを五万円、三万円に下げるように措置をされたいという要望でございます。  災害住宅適用基準緩和建設基準引き上げ等についてでございますが、これは公営住宅法第八条による災害住宅適用基準を緩和するとともに、その建設基準を、県下全域における滅失住宅戸数の二分の一以上に引き上げてもらいたい。そうしてその建設費及び既設公営住宅補修に要する経費は、高率国庫補助とし、その他は全額起債によって充当できるような特別措置をはかってもらいたいというのでございまして、なお災害公営住宅については、今回の経験にかんがみまして、なるべく耐火構造とする、これはおそらく永久構造という意味でございましょうが、特に簡易耐火構造の二階建並びに中層耐火構造を考えてもらいたい、これは各県でございましたが、津波が来たときに一番最前列の家がみなやられて、それがまたうしろの家をこわす、次々にこわしていく状態になっておりますので、海に面する最前面建物永久構造物にして、津波がきてもこわれないような家を最前列に建てたいという希望でございます。これは各県を通じての希望でございます。  それから住宅金融公庫融資ワクの拡大と融資条件の緩和でございます。一般被災住宅の修繕及び復旧等に、住宅金融公庫融資ワク大幅増加をしてもらいたいというのと、融資条件を緩和し、かつ貸付手続簡素化をはかってもらいたいという趣旨でございます。  それから津波及び高潮防災施設についてでありますが、これはしばしば津波及び高潮被害を受けておる地域では、この根本的な対策として現地では防浪堤とさかんに呼んでおりますが、いわゆる防潮堤あるいは防波形式のものを全額国庫負担一つ至急にやってもらいたいという要望が、これも各地を通じての要望でございます。  各県とも大体今の宮城県の要望のような点をそれぞれ要望いたしておりましたが、それらはこの報告書に書いてございますので、これでお読みとりを願いたいと存ずるのでありますが、要するにこの災害復旧は比較的土木関係金額は小さい、その復旧金額も小さいのでございますが、現地としては、今後また津波が来てこういう被害を受けることのないような、予防的な措置の方に重点を置いていただきたいというのが現地の強い要望でございますので、この点を力説いたしまして私の報告を終わらせていただきます。
  6. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 次に同じく南近畿班田中清一君に御報告をお願いいたします。
  7. 田中清一

    田中清一君 私は南近畿地方におけるチリ地震津波被害状況調査のために、同僚の運輸委員会理事天埜良吉君、及び農林水産委員植垣弥一郎君とともに、五月三十日の夜九時に東京を出発いたしまして、和歌山県及び三重県の順に現地をたずね、罹災関係者をお見舞申し上げるとともに、被害状況を視察いたしまして、六月三日帰京いたしました。現地におきましては、可能な限り広範囲にかつ詳細に被害状況応急措置及び復旧対策等について調査を行ない、また現地要望、陳情を受けて参ったのでございます。  まず和歌山県について申し上げますと、本県は津波の当日午前四時過ぎから十時ころまで五回にわたりまして二メートルから五メートルの津波に襲われ、海岸地帯における道路堤防橋梁、特に水産関係真珠養殖、その施設資材等に莫大な被害を受けておったのでございます。和歌山県の被害総額は約十四億三千五百八十万円でございまして、そのおもなものを申し上げますと、家屋の全半壊床上浸水床下浸水二千百五十余戸、罹災者は一万人余でございます。田辺市、白浜町、海南市、及び和歌山市に災害救助法が適用されましたが、死者のなかったことはまことに不幸中の幸いであったのでございます。農耕地関係は約一億六千七百万円であります。土木関係では道路流失路側欠壊九ヵ所、河川護岸欠壊十二ヵ所、港湾では護岸欠壊樋門倒壊物揚場欠壊等十三ヵ所、橋梁流失欠壊が二ヵ所、海岸一ヵ所の被害で、その額は約一億二千万円でございます。農林畜産関係被害は約二千万円でございます。水産関係被害は県全体の被害額の半ばに達する約七億手品余が円であります。そのおもなものは真珠養殖関係被害であります。商工関係被害製材工場施設浸水と約八万石に及ぶ木材の流出がございまして、約三億一千八百万円。また商業関係被害額は約六百万円であります。その他公共施設建物住宅等被害額約四千万円余となっております。  このたびの災害の特質は、被害地域とその対象が比較的限定されておることであります。リヤス式海岸線港湾がそれでありまして、そのおもなものは海南市、田辺市、白浜町及び勝浦町等の各地区でございます。勝浦町のうちには串本も入っております。被害はそれに伴う諸施設水産関係、特に真珠養殖木材とでございました。  以上の被害に対しまして県当局から要望のありました点は、昭和二十八年及び昨年九月の台風に続く今回の被害県財政の立ち直るひまもなく、苦しい財政事情のもとで早急に復旧せねばならぬ必要に迫られておりますので、昨年の伊勢湾台風被害復旧に際して講ぜられましたと同様な措置をされたいとのことでございました、  次に現地を視察いたしました順に申し上げますと、海南市は当時最高潮位が三メートル三でございます。日方川及び山田川上流部及び琴の浦地区浸水し、家屋、田畑が被災いたしました。その後大小数回にわたる津波によりまして日方川及び山田川護岸は約五十メートルが決壊いたしまして、海南港、琴の浦海岸決壊築地樋門倒壊いたしました。これらの被害額は約九百万円であります。海南港は昭和二十一年南海地震によりまして六十センチ地盤の沈下があったのでございます。同二十六年のジェーン台風高潮によりまして多大の影響を受けまして、全市に浸水相当被害を受けたのでございますが、この対策として同二十五年度から工費一億九千余万円をもって護岸高潮工事着工、同二十九年度に完成、さらに同二十六年度より工費八千七百万円をもって防潮堤工事着工、現在延長五百九十七メートルが完成いたしておりますが、なお北防潮堤三百六十三メートル、南防潮堤百二十メートルが未完成となっております。しかしながら今次の津波に対しまして多大の役割を果たしており、この際未完成部分を一気に完成されたいとの強い要望がありました。なお国道四十一号線は今度冠水いたしましたが、これには大した被害はございませんでした。  次に田辺市に参りましたが、当地区においては道路流失路側決壊及び護岸決壊並びに橋梁流失決壊等二十一ヵ所、被害額は約三千万円に達しております。文里港は当時最高潮位は三メートル七十を記録し、同港物揚場及び護岸九ヵ所が決壊いたしております。その被害額は約七百四十万円であります。護岸工事別により強弱及び高低があり海水の侵入がありました。これが災害復旧原形復旧ではなく、改良復旧として万全を期されたい旨の強い要望がございました。  次に白浜町堅田に参りましたが、海岸線一帯に侵水を受け真珠養殖関係について大きな被害がありました。ついで那智勝浦町に参りましたが、今合併して那智勝浦町となっておるのでございますが、津波による被害は、水産関係家屋の侵水に限られておりました。ここは大したことはございませんでした。  次に三重県について申し上げますと、本県は津波の当日、午前四時十五分津波の第一波が尾鷲湾に来襲いたしましたのを初め、県南部地方に数次にわたって津波があり、特に四時四十五分、五時十五分、五時五十分の津波潮位が最も届く、伊勢湾南部から熊野灘沿岸にかけて、波の高さは二メートルから三メートルに達し、尾鷲市、北牟婁郡、海山町、長島町、度会郡紀勢町、南勢町、南島町、志摩郡一帯はもとより、伊勢湾南部一円にわたる広範囲な地域に大きな被害を与えたのでございます。今次の災害の特徴といたしましては、津波の急激なために、真珠養殖施設や漁業関係被害の大きいこと等でございますが、ここも死者のなかったことは不幸中の幸いでございます。三府県の被害総額は五月三十日現在で約四億四千八百万円でありまして、その中でおもなるものを申し上げますと、全半壊、侵水七千戸以上に及びました。家屋建物関係が約三十八億一丁が円で、農地農林関係が約二億六千七百万円、水産関係は総被害額の半ば以上の、約五十九億五千七百五十万円に達しておるのでございます。その他畜産開拓関係約一千万円、商工関係が約一億七千二百万円となっております。土木関係につきましては河川九ヵ所、海岸五ヵ所、砂防二ヵ所、道路八ヵ所、橋梁六カ所及び港湾十二ヵ所、合わせて四十二ヵ所、被害額約一億一千八百万円でございます。なお被害地の尾鷲市、海山町、南島町、長島町、紀勢町及び南勢町に対し、災害救助法が適用されました。  次に視察いたしました順に申し上げますと、尾鷲市は当時の午前三時四十四分津波第一波がきております。しこうして八昨十分ごろの第七波をもって終わっておりますが、五時二十分ごろの第三津波が最も大きく潮位三メートル三十六を記録しております。  被害は主として旧町内で、海岸一帯に侵水いたしましたが、市内海岸正面の防潮堤が大きな効果を示しました。被害総額は約四億一千万百で、そのうちおもなるものは家屋の約二億七千万円、商工業関係の約七千二百万円であります。水産関係は約三千二百万円でございます。土木関係は約八百五十万円で、矢の川堤防約百メートルが流失いたしました。また矢の浜海岸護岸が同じく百メートル決壊いたしましたほか、木造仮橋三綱が流失いたしました。市は災害救助法を適用するとともに、事後の措置の適切なため伝染病の発生もなく、また被害者に対する見舞金も伊勢湾台風当時と同額の配分がされておりました。要望といたしましては、伊勢湾台風に対すると同様の措置を講じられたいこと。災害復旧をすみやかに行なわれたいこと。また海潮対策として防潮堤護岸の新設及び既存の強化、かさ上げが強く要望されておりました。  次に海山町に参りまして引本地区及び矢口地区を視察いたしました。両地区はそれぞれ最高潮位四メーター七十、五メーターという記録を示しておりました。そのため引本港の護津が百メートル及び矢口漁港の樋門前後等二百メートルの護岸決壊を初め、河川道路及び橋梁九ヵ所の被害があり、それらの総額は約三千五汗七十万円であります。同町の被害の額は約三億二千四万円でありますが、住宅関係が最も大きな被害を受けておりました。同町といたしましては昨年に続き今回の災害は個人の被害が特に甚大で、海岸地区に対する高潮対策の強化を切望されました。  次に志摩郡阿児湾に参りまして賢島から船に乗り込みまして、湾内、帯の真珠養殖いかだの被害実情を見て回りました。当時は水産関係被害が大きく、それ以外のものは被害はほとんどない状態でございます。現地及び県当局要望されましたところを申し上げますと、今回の被害に対しては昨年の伊勢湾台風と同様の措置を講ぜられたいということでございます。被害市町村に対してはその資金繰りに必要な緊急融資を配分されたい。また収入減に対する財政措置並びに公共土木施設の早急な復旧を講ずるため、元利補給づき起債を認められたい。災小復旧住宅建設資金の災害融資については、住宅金融公庫のワクの拡大について措置せられたい。公共土木施設災害については伊勢湾台風と同様の措置を講ぜられたい。また伊勢湾台風による災復旧事業として工事中に今回の被害を受け、再び復旧を必要とするものは、特に緊急を要するので手戻り工事として取り扱われたい。また伊勢湾高潮対策海岸復旧事業に対する現地査定は現在再調査の段階にあり、いまだ最後的決定に至っていないので、大部分堤防は構造、断面、高さ等がきまらず着工できない現状にあるが、今次の災害等にもかんがみ、すみやかに決定されるとともに災害復旧費については、工事の進捗をはかるため必要な事業費を確保されるよう予算の増額をはかられたい等でありました。  以上をもって報告を終わりますが、今次の災害の特徴は比較的に公共土木関係被害額は少なく、個人の被害額が大きくなっており、また水産関係被害が両県を通じてそれぞれ総額の半ばを占めております。また高潮、特に津波に対する認識を改め、これが対策を講ぜられ、政府において有効適切な措置をとられんことを切望いたすわけでございます。特に私の聞きましたところによりますと、伊勢湾台風と同等のすべての措置をしていただきたいということが論旨のおもなるものでございましたが、その上特に伊勢湾台風のときは真珠のいかだが十台以下の小企業者に対しましては、補助その他非常な便宜を与えられたけれども、十台以上のものには与えられなかったと申します。御承知のように真珠のいかだは約十八メートルの長さで据え口二寸五分ぐらいの材木—杉、ヒノキでございます。それが十八本ないし二十本をもって並べていかだ一台としております。これが四万五千円ぐらいの原価でできるそうでございます。それに真珠のかごを八十ぐらいつって、そしてそれに養殖することになっておるのでございますが、このさきに伊勢湾台風のときに復旧に対するその資金をお借りするワクはありましたけれども、五億もあったそうでございますけれども、五千万円ほどしか借りられぬでまだそれが復旧できないのであったということでございます。それは家屋とか田地田畑の抵当でなければ貸せぬということでありましたので、それでは小企業者はとうていそういうことはできないから、どうかこのいかだというものも一つそれを担保のなにに見ていただくように特に措置を願いたい、こういうことが要望のおもなものでございました。  以上御報告申し上げます。
  8. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 以上をもちまして派遣委員方の報告は一応終了いたしましたが、引き続いて建設大臣から本件災害に対する建設省の方針をお示し願いたいと思います。
  9. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 今回のチリ地震による津波災害施策のために、当委員会におきましてせっかく委員派遣を行ないまして、ただいま御報告のような詳細にその実情を御報告いただきましたことはまことに感謝にたえない次第であります。建設省におきましても直ちに係官を派遣し、また私自身も各地の視察を終わったのでありますが、局部的ではありますけれども、非常にはげしい被害についてこの被災者に対してまことに御同情にたえないところでございます。対策といたしましてはそれぞれ現地の機関を指揮して応急緊急の対策はいたしましたが、どうしても恒久的な措置によって再びかような災害を繰り返すことのないような抜本的なことを考えなければいかぬので、各方面と十分ただいま検討いたしております。特に与党の政調会との緊密な連絡によりまして、これらの被害に対してのこの復旧のためには、どうしても一部特別立法による措置がなければとうてい抜本的な対策を講ずることができない、かように考えまして引き続いて協議をいたしておりますが、大体きょうは結論が出まして、各関係方面との話し合いを終わりました上で、ぜひ特別立法の御審議を願いたいということにいたしております。つなぎ資金とかあるいはまた公営及び民間の住宅被害に対するあらゆる融資、あるいは補助の措置につきましては万全を期すようにいたしておる次第であります。
  10. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまの大臣の御説明に対して御質疑のおありの方は順次御発言願います。
  11. 米田正文

    米田正文君 特別立法をしなければならぬ問題がいろいろあろうと思うのですが、これらについての私どもも意見もございますが、今のお話のように与党の政調会とのお話を進めておるということでありますが、これはまた一つこの次ぐらいの機会にいたしたいと思うのでありますが、事務的にできる問題としてお伺いいたしたい点は、災害査定の日程を一つまず伺いたいと思います。
  12. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 災害の査定の問題でございますが、被害の激甚でございました県に対しましては緊急査定をやるべく現在準備いたしております。大体の目標といたしましては北海道、岩手宮城、これらにつきましては今月の大体十日に準備ができるという県の報告もございまして、十日を目標にいたしましてわれわれの方は準備でき次第手がけると、こういうようにいたしております。
  13. 米田正文

    米田正文君 つなぎ融資の要望は各県の状況はどうなっているのですか。
  14. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) つなぎ融資につきましては、最近大蔵省の方で迅速に処理をされまして、東北関係では東北財務局に二億円でございますか、それがさっそく財務局の方に参っておりまして、それらの関係の各県がそれぞれ申し込みをしてやっておりまして、特に公共土木について建設省のあっせんを願いたいとこういう話は現在のところございません。
  15. 米田正文

    米田正文君 それからこれは建設省だけでできることですが、今さっき調査報告の中で申しましたように、失業救済事業というのは、これは拡充しようという方途は、いろいろ講ぜられておることも聞いておりましたが、失業者として働くのじゃなくて、現金収入を得るために、普通の農家なり漁家なりが働きたい、そして日銭をもらいたい、一日の現金が欲しいというのが非常に多いのです。  これは、建設省の事業の配分を一部変えることによって、ある程度のものができると私は思うのです。そしてこの事業は、そう多くの事業を要するものでもない、ごく緊急な期間だけについてやっていいものだと思うが、そういう措置についてのお考えを承りたいと思います。たとえば道路の緊急就労だとか、あるいは河川の方の事業についてです。
  16. 山内一郎

    政府委員(山内一郎君) 非常に被害を受けまして、何か仕事に従事しなければ、きょう一日の食事にも困るという漁民の方が特に多いと思いますので、それらの失業対策事業につきましては、河川関係についても、いろいろ米田先生が言われましたように、個所の変更とか、そういうことも考えておりますが、要望は、道路事業が非常に多いようでございます。労働省との関係もございますので、打ち合わせてやりたいと思っております。
  17. 米田正文

    米田正文君 それから、これは特別立法に入るのですけれども、今現地では、非常に建物被害が多かったために避難しておる。これは、自分の家の復旧をしなければならぬというので、市町村はこの調べを、要求をとっておるわけでありますが、今度のは、今までの水害のように、まばらにやられたのじゃなくて、ごっそりやられておる。そこで、今までの率からいうと、全体の被害家屋の三割という標準は、河川災害なら大体いいらしいのです、あれで。ところが今度のように、ごっそりやられておるのですから、その三割というのは、今度のでは基準が非常に困るということを言っております。  私は実情を見て、なるほどこういう津波のごっそりいくやつと、河川災害のようなやつとは違うという感じを受けてきたのですが、この点、大臣はいかにお考えですか。
  18. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 私も伊勢湾等の特別立法をこの住宅災害に適用した場合には、ごく少数の部分を除いては、非常に深い災害を受けておりますけれども、この法の適用のみでは、とうてい引っかかってこないと思います。  従って、その点については、党の政調会等と連絡をして研究をいたしておりますが、御指摘のように、河川災害と非常に違うところがありまして、その部落が非常に小さくても、しかしその三十戸の部落が、十戸しかやられていないのでありますけれども、その被害の深さというものは、非常に目も当てられないような状態でありますので、こういう点についての今後の救済の措置をどうするかという点について、現地に即応した結論を得たいと思っておる次第でございます。
  19. 米田正文

    米田正文君 最後に、この特別立法の御研究をなさっておるということでありますから、その結論をお出しになられると思うのですが、先ほどから申し上げておりますように、その主要項目としては、今の住宅関係公営住宅法の問題、それから、公共土木施設災害復旧事業費国庫負担法の改正の問題、それから、あるいは単独立法になれば、これは別として、その関連の問題、それから単独事業単独災害復旧事業費の問題、それから、特にあそこは、三陸は津波常襲地帯という名前を最近非常に現地でいっております。九州は、台風常襲地帯ですが、向こうは津波常襲地帯、そういうところですから、この津波対策事業というものを、災害復旧のほかに、そういうものを考えていく必要があるようにも思っておりますから、そういうような点について、一つ至急、御研究をお願い申し上げたいと思います。
  20. 小沢久太郎

    小沢久太郎君 実は、私は千葉県の海岸を、ずっと被害地を見てきたのですが、海岸堤防が、たとえば飯岡とか、ああいうところで、完璧になっているところは非常に助かっております。それから、災害復旧のときに、関連事業でちゃんとした工事をしたところは、大体みな助かっております。非常に喜んでおるというわけでございまして、今後、これは全国的にございますけれども海岸堤防を重視されて、りっぱなものを今後、やはり計画の中に織り込んでいただきたいというふうにお願いいたしたいと思います。  それから、もう一つは、防潮堤がなくて浸水を受けて、非常に困っているところがあるというので、防潮堤を早速作らなければならぬというような問題になるのでありますけれども、これまでの災害復旧のときには、そういうことができないというようなことも、特別立法で、そういうものを実施するように願いたいというふうに私どもは思うのであります。
  21. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) 海岸堤防等につきましては、十分研究いたしまして、その背後地等の関係を考慮して、津波対策というものを考えていく必要があろうと私は思います。  ただ、非常に困難な点は、今回の三陸方面の海岸地帯が、ほとんどが漁港あるいは港湾の指定になっておりまして、漁港は水産庁、あるいは港湾運輸省の港湾局というようなことで、建設省が海岸堤防として力を入れて参ります部門は、非常に制約されておるのであります。  従いまして、この漁港あるいは港湾の背後地の関係を考慮して、最も適切なところへ施設を作るというようなことを考える必要があろうと思います。こういう点につきましても、各地立地条件を研究いたしまして、特にこの津波対策につきましては、ただ単に建設省のみではなく、関係各省がそれぞれの立場から、その対策の、いわゆる施設についての協議会等を設けて、かつて行なわれております伊勢湾等の高潮対策に対する協議会のような、民間の学識経験者も含めた一つの協議会を設けて、私は、この結論によって施設をしていくことが、一番適宜な対策であろう、かように思っておるわけであります。
  22. 太田正孝

    ○太田正孝君 新聞で見たのだが、今、特別立法のことで、閣議で何か一つ、うまくまとまらなかったというようなことを言うておりますが、災害に対する考え方が、被災者に響くことが非常に大きいのですから、ああいうことはないように願いたいのです。  またこれは、早急にできないでしょうが、先ほど私は、米田さんの報告で感じたのですが、東北地方は、公共事業がずいぶん今まで顧みられなかった。田老町の話など、私は実は涙ながらに聞いたのですが、そういう事情もありますから、出すなら、もう少しさっぱりやる方がいいんじゃないか。ましてや党との関係もありますから、そんな点、事情がもしあるならば、これは聞かぬ方がいいかもしれませんが、目的を達するように、しっかりやっていただきたい。どうも新聞の記事が、あまりよくないんです。何だか、少し銭惜しみをしているような感じが私起きましてね。ましてや与党としては、こういう問題については、もう少し神経を高めて、実績を早く出していただきたい、こう思います。
  23. 村上勇

    ○国務大臣(村上勇君) ただいまの、閣議において、何か足踏みをしているんじゃないかということでありますが、先般の閣議におきまして、ある閣僚から、この特別立法をやるなら、一刻も早い方がいいんだ、もう少し急いでやってほしいという要望がありました。これに対して各閣僚は、金曜日の閣議でなくてもいいじゃないか、臨時閣議を開いてでも、立法ができたら直ちに提案するようにしたらどうだというような意見で、そして最後に総理から、もしも事務的に折衝しておそくなるようであるならば、関係閣僚だけで相談した方が早いんではないかというような、非常に積極的な意見が出ましたので、新聞で伝えられていることが、どういうことであるか知れませんが、もしも災害対策についての熱意がないようなことであれば、それは間違っておると思います。
  24. 稲浦鹿藏

    稲浦鹿藏君 私も東北に参りまして、いろいろ現地を見まして要望を聞いて来ましたが、さきほど大臣が御発言になられたように、うしろが都市として非常にやられておるが、前面が漁港であるために、しかもその漁港が第一種漁港で、それに対する施設は、市町村でやらなければならないというようなことで、これじゃもうとても海岸保全の事業なんかできないから、どうしても建設省で、これをやるような方途を考えてもらいたいということをしきりに陳情を受けて来たんですが、さきほどの大臣の考えておられる後方の状態を十分検討なすって、漁港と建設省所管との区別をはっきりして、できるだけそういう方途をとっていただきたいと私要望しておきます。
  25. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ほかに御発言もなければ、本件の調査は、一応この程度にとどめたいと存じますが、終わりに、一言、委員長から政府当局に、一日もすみやかに関係各省と折衝の上適切なる災害対策を樹立され、遺憾なく必要な措置をとらるるよう、特に要望しておきます。  それでは、本日は、これにて散会いたします。    午後零時三分散会