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田中清一君 今
建設大臣から懇切な御
答弁がありまして恐縮しましたが、私
どもの調べておりますところでは、なるほど横山ダムをやれば揖斐川の流域に対することにはなりましようけれ
ども、あれは牧田川のはんらんによって揖斐川以西は冠水したのであります。それから揖斐川と長良川との間の冠水と、あれだけの損害をかけたことは、これはあれが揖斐川、長良川が天上川になっておるために大雨が降ればはけ口がないので、あすこに四メートル余りも冠水したということは、ここに本日配付された図面にあるわけです。ですから、ただいまの
建設大臣がおっしゃいました揖斐川の上流に横山ダムを作ったからということだけでは、これを完全なりということは、われわれは
考えないのでございます。またダムには年令がありまして、いかにダムを作りましても、そのダムがある程度土砂を流して、それがたまればどんどんそれがくることになるということは、これは
建設大臣御存じであろうと思いますが、それが永久万劫ということは申されない。少なくとも、かくのごとき大金をかけて作る
道路は、何百年も、何千年も使わなければならぬでしょう。そういうようなことから、わが民族の平安と幸福のために私はこれを非常に憂えておる者なんです。また
伊勢湾台風による海岸の堤防を強化されたとおっしゃいましたけれ
ども、海岸の堤防を強化されても、潮位は五メートルあるのでございます。今の悪い所では。そういうような所では海岸の堤防は及ばない。これはよく
一つもう少しお調べになっていただきたい。こういうことで
希望を申し上げておきます。
それから
道路公団の方にお伺いいたしますが、現在のところで、現在の選定した
路線において、それほど歓迎されておるものならば、なぜ今日まで一坪の地面も、あれだけ百姓に騒がれて買っておられぬのですか。すでに
昭和三十二年に、この
路線が
審議会においてきまりまして、そうして
建設命令が出て、そうしてあの
付近どころでない、大体京都までくらいは地面の買えるような
予算もつけて、それも相当消費されて、わずかにその
予算を余されたということは知っておりますけれ
ども、たくさんの費用を使って、先ほど申しました何百人というような人がかかっておられるのですが、それにしてどういうわけで、それほど歓迎しておったところの地面が買えぬのか、
一つお伺いしておきたい。