○田上
松衞君 先般の
委員会で、
稗田局長の方に、この低額
所得者に対する措置の問題について
質問いたしておったのですが、当時の御
答弁は適切な指導をやっておるけれども、その指導の結果の実績はまだ不明だというたよりたい御
答弁だったわけです。そういうことを頭におきながら、先般都内の
不良住宅地区を視察さしていただいてつくづく感じたことですが、ああいうようなほとんど見るに忍びないような今までの
住宅から一転して新しい所へ入っていって、まあ気分の転換かなんかぐつとなされていく姿は、これは実にいいことだと、ただしかし考えてみますると、ああいうものを目の前に見せつけて、初めてそれは可能になっていくわけですけれども、当初ある
地区にかかってする踏み出しというものが、非常におくれておるということを感ずるわけです。それはどこからくるかといいますると、大体この
法案の対象になりますところの
地区の居住者というものは、ほとんどといってもいいそれは低額
所得者である。特にこの前東京都が出した
資料の中から見てみますると、大体都内の平均の今までの一世帯当たりの月額の家賃というものは六百三十四円であり、区の中において六百六十五円、それから市部が四百八十五円、郡部に至っては実に百六十九円という
数字を出されておるわけなんです。ほとんど今の世の中に、たとえどういうものであっても、百六十九円
程度のもので、一世帯の賃料が。これはまあほとんどあぜんとしたわけですが、しかしそれは別といたしまして、ともかくそういう人々が、新しいうちを作るからこっちへ移れといっても行きにくい、結局手がつけられないというような根本の問題を考えてみますると、あるいは通勤の関係であるとかいろんな事情があるには違いないけれども、結局は低額
所得者が移
つてみたところで、二千円もそれ以上も払わされるような所では、今後の生活が成り立たぬというところに問題があるのじゃないか、こういうことを考えてみますると、十分この
法案のPRといいますか、行政指導、こういうものをなされることがまず先決だ、こう考えておるわけですが、そういう点については、具体的にどういう方法をもってなされていこうとするのか、この点を承
つておきたいと思うのです。