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1960-03-26 第34回国会 参議院 建設委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月二十六日(土曜日)    午前十時四十四分開会   —————————————   委員の異動 本日委員小柳勇君辞任につき、その補 欠として安田敏雄君を議長において指 名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小沢久太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            安田 敏雄君            小平 芳平君            村上 義一君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    自治庁財政局長 奥野 誠亮君    林野庁長官   山崎  齊君    建設政務次官  大沢 雄一君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省河川局次    長       曾田  忠君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○治山治水緊急措置法案内閣提出、  衆議院送付)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。治山治水緊急措置法案を議題といたします。前回に引き続き質疑を行ないたいと存じますが、その前に提出されました要求資料について御説明を願います。
  3. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) この前資料提出の御要求がございまして、それにつきまして、現在までに御提出できる分につきましての資料を本日お手元に差し上げてございますが、全部では十一ヵ条程度のものがございましたが、その中にも重複する分もございますので、お手元に差し上げておる分で、全部に対する資料に相なっております。一括綴じてございますので、順序に従いまして、御説明申し上げます。  第一番目の資料は、昭和二十八年に立てましたところの治水基本対策の現在までの実施量と三十五年よりの治水十ヵ年計画事業量との関係を表にいたしてございます。一番左に区分がございまして、建設省所管治水に対する区分がございまして、河川砂防ダム、それからこれらの施工に要する直轄機械類でございます。その右の欄に二十八年の基本対策というのがございまして、これが現在の単価に換算いたしましてみますと、一兆三千五百五十四億と相なっております。  その次の欄、(B)欄は、二十九年ないし三十四年の実施量でございまして、合計いたしまして二千三百二十六億でございます。これによりまして二十八年の基本対策が、三十四年度末におきましては一七・二%の進捗率を示しております。従いまして、(A)マイナス(B)残事業量でございますが、合計いたしまして一兆一千二百二十八億でございます。  これに対しまして、その右の欄でございますが、前期五ヵ年計画といたしましては三千六百五十億円、それから前期、後期合わせました十ヵ年計画におきまして八千五百億円、この三千六百五十億円というのは四千億円から県単事業百億円、災害関連事業二百五十億円、合わせまして三百五十億円を控除いたしますと三千六百五十億円に相なるわけでございます。それから十カ年の八千五百億円というのは、しばしば大臣からも御説明ございましたように、十ヵ年間の総投資額九千二百億円から、災害関連が十ヵ年分ございますから五百億円になります。県単事業が一年二十億円でございますので二百億円になりまして、七百億円を引きますと、八千五百億円に相なるわけでございます。  次は、「治水事業前期五ヵ年計画平均伸び率(一一・五%)による年次別事業量見込」でございまして、一番右の欄に書いてございます三千六百五十億円でございますが、三十五年度の五百八十億円というのは、すでにきまっているのでございますが、この三十五年度の五百八十億円をもってスタートをいたしまして、平均に伸ばして参りましたときには、約一一・五%の伸び率になりまして、三十六年度が六百四十七億円、三十七年度が七百二十一億円、三十八年度が八百四億円、三十九年度が八百九十八億円ということに相なるわけでございます。  それから次に書いてございますのは、「治水事業十ヵ年計画河川砂防多目的ダム等の各事業別及び年次別事業量については現在立案中であるが、これら各事業については水源より何日まで水系一貫して調和のとれた計画とし、その促進をはかるものとするか、民生の安定及び経済効果の面より、緊急を要するものから実施し、泊水利水効果を総合的に発揮する方針である。」ということでございまして、現在各府県から、いろいろと要望なり、実情に応じた計画をとっておりますので、補助事業につきましては、それを基礎にいたしますし、また地建におきましても、直轄事業について、県と打ち合わせをしつつ計画を立案いたしておりますので、それらの資料を元にいたしまして、各事業別の五ヵ年計画あるいは十ヵ年計画内容を確定して参りたいというふうに考えております。  次の資料でございますが、「砂防工事施工の有無に対する流路一粁当り災害額調」でございます。これは、全般的に行なえばよかったわけでございますが、とりあえず「昨年の七号及び伊勢湾台風によって激甚な被害を蒙むつた山梨県下の地形、地質、河状及び降雨量等類似河川について、砂防工事施行されている河川と促進されていない河川とについて調査したところ下表のとおりである。」  まず区分でございますが、対象河川といたしまして「砂防工事施行されている河川」といたしまして御勅使用に、船山川等の十六河川をとりました。それから「砂防工事が促進されていない河川」といたしまして、大武川、尾白川等の十四河川をとりまして、おのおの流路延長は百三十一・七キロ、百五十九・九キロでございまして、災害額といたしまして、これは査定をいたした分でございまして、砂防工事施行されている河川は四億三千九百万円余り、促進されていない河川は四十六億五百万円余りでありまして、流路一キロ当たりの災害額は、施行されている河川につきましては三百三十三万三千円、それから促進されていない河川につきましては二千八百八十万五千円でございます。  注にございますように、「砂防工事が促進されていない河川とはその河川の全体計画に対しその進捗度が二〇%未満」ということで、一応区分をつけた次第でございます。  次の表に参ります。災害復旧事業費事業費調でございまして、これは災害復旧進捗度を主として目的に作った表でございます。  まず、一番左に直轄補助区分がございまして、三十五年度以降に持ち越されている災害が、直轄といたしましては三十三、三十四年災の二つがございます。補助災害といたしましては三十二、三十三、三十四年の三ヵ年分でございまして、その次には、国が負担すべき総国費計上してございます。その右の欄が三十四年度までの支出額が、各災害別に書いてございまして、その右の欄に三十四年度末の進捗率計上してございます。従いまして三十四年度までに実施をいたしました残りの分が、三十五年度以降の残国費といたしまして、合計いたしますと六百八十七億九千五百二十九万六千円ということに相なっております。  これに対しましてただいま御審議をいただいておりまする三十五年度予算案におきまして計上いたしておりますのが、三十五年度計上額でございまして、合計いたしますと三百八十七億七千八百万円でございます。  これを施行した三十五年度末の進捗率は、その右の欄に書いてございますように、直轄災害におきましては三十三年災を完成いたしますし、三十四年災は一部を除きましてほとんど完成に近く、九七・七%の進捗率と相なります。補助災害におきましては三十二年災を完成いたしまして、三十三年災を八五%、三十四年災を六五%ということで進捗率にもって参るわけでございまして、これは国庫負担法の趣旨に基づきまして、緊要工事は三ヵ年、その他のものは四ヵ年という原則にのっとって計上いたしているわけでございます。  これらを施行いたしますと、三十六年度以降の残国費は、あわせて約三億円余でございます。  次に、河川総合開発事業による発電設備の調の表でございます。  一番左の欄に、まず直轄ダム補助ダム——国が直接やっておりまするダムと、国が補助金を出しまして築造しているダムと、まず分けてございます。そのうち、直轄ダムにおきまして、河川総合開発事業によるものというのは、特定多目的ダム法施行前におきまして施工した分でございます。それから特定多目的ダム法によるものは、ダム法施行されて以後のものでございます。これによりまして直轄ダムといたしましては、ダムの数で十七やって、竣工したものと施工中のものと合わせますと十七でございまして、これらは、いずれも発電目的を併用いたしております。それにつきまして発電所数が十九ヵ所——計のところに書いてございますように、十九ヵ所設置いたし、あるいは設置する予定に相なっております。そのうち公営と申しますのは、主として府県営でございます。会社と申しますのは、主として電力会社でございまして、未定と書いてございますのは、まだ発電業者施工中のものできまっておらない部分を示しております。それらの最大出力をとってみますと、合計いたしまして一番右の欄の四段目に書いてございますように、二十万五千二十キロワットでございます。内訳は、公営が十四万一千六百八十キロワット、会社が二万四千四百四十キロワット、未定といたしまして三万八千九百キロワットでございます。この未定は、九州鶴田発電所の分でございます。それから補助ダムといたしましては、竣工いたしておりますものが二十八、施工中のものが十八ダムがございまして、合計四十六でございます。そのうち発電目的を併用しておりますのが三十ございます。発電所の数といたしますと、合計いたしますと三十ヵ所でございまして、公営が二十六ヵ所、会社営が四ヵ所と相なっております。最大出力は計の欄でごらんいただきますように、五十二万二千五百八十四キロワットでございまして、公営が四十八万四千四百八十四キロワット、会社営が三万八千百キロワットでございます。これらを合計いたしますと、竣工、施工中のダムを合せまして七十五ヵ所ございますが、そのうち発電目的を併用しておるものが五十八ヵ所、発電所の数は六十五ヵ所でございまして、公営四十五、会社営十九、未定が一ヵ所と相なっております。それらの最大出力は百八万五千五十四キロワットでございまして、公営が七十一万千五百六十四キロワット、会社営が三十三万四千五百九十キロワットでございまして、未定の分が三万八千九百でございます。注に書いてございまするように、三十五年度で実施計画をいたします調査地点は、この表に含まれておりません。それから未定の一は、九州鶴田ダム発電でございまして、これは、まだ発電事業者が決定しておりませんので、未定というところに掲げてございます。それから次の、「河川総合開発事業における費用割振表」でございます。区分のところに、直轄補助が書いてございまして、ダムの数は直轄が二十八、補助ダムが四十二でございまして、これは注のところに書いてございますように、三十五年度の実施計画調査中のものは含まれておりませんで、合計いたしますと七十ヵ所でございます。総手業費が二千九百三十六億余りでございまして、このうち共同費というのは、要するにダム費用でございますが、千八百三十八億六千八百五十九万三千円でございます。このうち公共事業費負担対象となりまするのが、その右の欄にございまして、治水自的といたしましては、分担しておりますのが九百二十四億六千九百二十五万七千円で、五〇・二%でございます。それから農業目的として持っております金が三百七十五億千三百三十五万一千円で、二〇・四%、それから発電といたしまして、ダムに負担いたしておりますのが四百二十二億六千万余りで二三%、上水道といたしまして上土水道事業者が分担しておりますのが五十二億千八百七十一万八千円、工業用水道といたしまして六十四億六百五十三万二千円でございまして、三・六%と相なっております。この公共費発電上水道工業用水道の金を合せまして、共同費用と相なるわけでございます。一番右の欄は、専用施設費でございまして、ダムから水を持っていって、水路とか、あるいは発電所とかいうふうな費用でございますが、これは、お業者が自分で金を出しまして施設する費用でございまして、それが千九十七億三千七百二十五万四千円と相なっておるわけでございます。これを合計いたしましたのが総事業費と相なっておるわけでございます。次は、未開発水利権一覧表でございます。これは事業者別が、まず書いてございまして、各電力会社、それから県として水利権を持っているのが一ヵ所ございます。それから自家用として会社水利権を持っておるのがございまして、これらを合わせますと百三ヵ所でございまして、最大使用水量合計は毎秒千六百二十立方メートルでございます。それらの現在許可を受けておりまする最大発電力合計は六十一万四千百三十七キロワットと相なっております。それから「発電用水利使用料徴収額調」でございますが、これは御承知のように、発電用水利権を付与いたしますと、県がその発生する馬力数に応じまして、発電業者から水利使用料を徴収いたしておるわけでございますが、徴収実績、あるいは三十五年度は見込額でございますが、ここに掲げてございますように、昭和二十八年度徴収額は十六億九千七百四十五万五千円でございまして、逐次発電所の数もふえて参っておりますし、また水利使用料も値上げをされましたために、三十五年度の見込額は四十億四千六百万円余りになっております。これはもちろん三十五年の四月から三十六年の三月三十一日までに竣工する予定のものを含めまして、三十四年度徴収額に加えて見込みを算出してございます。それから最後の表は、「河川流路延長調」でございますが、これは田中先生から、適用河川及び準用河川本数並びに延長、わかるならば普通河川と、こういうお話でございまして、まずこの表に書いてございますのは、府県別適用河川の幹川の本数支派川本数、それから延長を調べてございましてこれらの合計は幹川が百四十本、支派川が五百四十五本、総延長は一万二千三百四十七キロメートルということでございます。それから準用河川は八千七百四十八本でございまして、延長が七万三千三百キロということでございます。これを合計いたしますると、本数といたしまして九千四百三十三本で、延長は八万五千六百四十八キロでございます。  それから表にはございませんが、普通河川といたしまして、どのくらいの延長があるだろうかということでございますが、大体この延長といたしましては約八万四、五千キロメートルの普通河川延長がある、合計いたしますと、普通、河川と称せられるものの延長は、十七万キロ程度ではないかというふうに考えておる次第でございます。  それからもう一つは、治山治水緊急措置法施行令の問題でございますが、措置法の第二条の第三項第五号に、政令の定めるものというのがございます。政令の「施行令案」がございますが、これは、一応法律を通していただきますならば、こういうことで政令施行したいということで、きのう閣議で論議をいたしていただいております案でございます。  これを読み上げますと、「内閣は、治山治水緊急措置法第二条第三項第五号の規定に基づき、この政令を制定する。  治山治水緊急措置法第二条第三項第五号に規定する地農による地盤変動のため必要を生じた河川に関する事業政令で定めるものは、昭和十九年十二月七日に発生した東南海地震昭和二十年一月十三日に発生した三河地震又は昭和二十一年十二月二十一日に発生した南海道地震による地盤変動のためその効用を喪失し、又は低下した河川について行なう河川に関する事業で、その従前の効用を回復することを目的として行なうものとする。」  こういう政令内容でございます。  以上、簡単でございますが、資料についての御説明を終わらしていただきます。
  4. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 本日出席になっております政府側の方は建設大臣、同じく政務次官河川局長、次長、林野庁長官自治庁財政局長が見えておられます。それでは、これから質疑を行ないます。
  5. 内村清次

    内村清次君 ただいま提出いただきました資料でございますが、資料の第一ページに、これは私要求したわけですが、今回の法律案によりまして治水基本計画がいわゆる年次別に十ヵ年間で、一体どういうふうな計画がなされているかということを知りたいという関係で、この問題の私は資料要求したわけです。この資料を見てみますと、先ほどの御説明数字信憑性がまだ判然としておらない、この治山治水基本対策要綱——これは二十八災後に治山治水対策協議会で決定した数字があるわけです。この数字と比較して見ますると、数字が違っているように感ずるのですが、たとえば区分の方の昭和二十八年の基本対策という数字で一兆三千五百五十四億となっておりますが、基本対策の発表によりますると、一兆一千六百九十一億ということで、たとえば直轄河川特殊河川中小河川局部改良直轄堰堤補助堰堤直轄砂防補助砂防というような項目に従っての数字が出ているのですが、これはどういう関係で、この数字が違っているのか、この点を一つ明確にしていただきたい。
  6. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) これにつきましては、先ほどちょっと説明のときにも触れましたけれども、二十八年の当時の基本対策もとといたしまして、その後単価変動とか、工事費値上がりとか、あるいは諸物価あるいは労賃等値上がりがございましたので、それに合わせまして、今後実施するにおきまして、この事業量を確保するために、単価を改定いたしまして数字を直したわけでございまして、これは大蔵省とも打ち合わせました数字でございます。
  7. 内村清次

    内村清次君 そうしますと、これは二十八年災害後、たとえば二十九年から三十四年までの実施量というような数字は、皆単価を変えた数字でございますかどうですか。
  8. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 実施量につきましても、そういう同じスライド計算をいたしまして、残事業量を出しております。施行量も、単価を変えましてスライドいたしまして、実施量を計算いたしまして、相互同じような単価にいたしまして、出しております次第でございます。
  9. 内村清次

    内村清次君 そうすると、まあ、たとえばこの新五ヵ年計画というのが三十三年から三十七年にわたりましてあなたの方では、また新たに作成されておりますが、この新五ヵ年計画の中にも、この単価を更新したものが数字となって現われておりますか、どうですか。
  10. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今後行ないまするものにつきましては、もちろん、現在の単価計上をいたしておる次第でございます。
  11. 内村清次

    内村清次君 そこで建設大臣にお尋ねいたしますが、国会のこの法案を策定されまする過程につきましては、私たち建設委員会で、たびたび国の責任において、毎年起こってきますところの災害に対処して、根本的にこれは計画実施して、そうして治山治水基本から、政党政派には関係なく、やはり民生の安定、国土保全を主眼として、しっかりした予算をここに確保して施行してもらいたいということを念願に、自来委員会を通じて私どもは主張してきたわけです。私もこの法案内容につきましても、あるいはまた治水特別会計内容につきましても、若干申したいことがございます。まだ決してこれは完全だとは言いませんけれども、一応閣議決定となって、今後一つ年次別に、その計画実施せられていくという基本方針につきましては、私たちは満足しておりまして、こういう点に対する御努力に対しましても——ようやく村上建設大臣のときに、こうやった法案が出て参りましたことは、その御努力に対しても、十分私たちは認めております。ただこの計画にあたりまして、問題は、今後これをどうやった均衡の上に、均衡と申しますると、たとえば河川につきましても、ダムにつきましても、砂防につきましても、どうやった均衡をとって施行されていくかと、あるいはまた府県別内容につきましても、どうやって公平を期して、いわゆる日本の国土という観点から治山治水を行なっていかれるかという点が、これは大きな問題だろうと思うのです。そこでまず、大臣の今回の三十五年度の予算説明書を見てみますると、まずその基本方針としては、二十八年に策定せられました治山治水基本対策に基づくところの残事業をやっていくと、これを根本としてやっていくというようなことをここに説明でうたってありますが、その通り法案精神でございますか、どうですか。この点をお伺いします。
  12. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいま御指摘になられましたようなその精神で、どこまでもこの五カ年計画、あるいは十ヵ年計画実施して参りたいと思っております。御指摘のように、年次計画がただ単に一つの作文で終わらないように、この法律裏づけによりまして正式な閣議決定を見、そうして大体の成長率を一一・五%程度伸ばして参りますと、この計画が完全に実施されることになるのでありますから、私どもとしては、国土保全上、また年々歳々の災害を防除するためには、経済成長率十分考慮に入れて、しかもその経済成長率よりも災害防除は、少しばかりその足並み、歩調を早めるというようなことが、最も今日民生の安定、経済基盤の確立のためには適切なことではないかというので、各関係方面と十分折衝したその結果、関係方面におきましても、われわれのこの計画を了とせられて、政府部内におきましては、万場一致この計画の策定を認めてもらった次第であります。従って昭和二十八年に策定いたしましたその基本計画もとといたしまして、その残事業を今後三十五年度を初年度とする十ヵ年計画で、全部完遂いたしたい、かように考えるのであります。
  13. 内村清次

    内村清次君 これはこの前の委員会のときにも大臣は、この法案について、ただいま言われましたような、成長率を一一・五%にやっていくからして、まあたとえば最初構想として発表せられましたところの全体計画、一兆二千億というものは、これは年次別にして確保されるのだということは、ここでもう、はっきりと言明せられておりまするが、この点は、御信用いたしましてもよろしうございますね。
  14. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 私は、三十五年度の事業費、五百八十億の初年度事業費から、その最後の年までの事業費増加率というものが、さほど財政的に困難でないと、かように思っておりますし、また財政当局におきましても、これならば、どうにか確保できるという裏づけもありますので、十分期待できると確信いたしております。
  15. 内村清次

    内村清次君 この点は、こうやって閣議決定の線まで持ち込ませた大臣の労に対しましては、先ほど言ったように私も非常に喜んでおります。ところが次々と従来新計画計画と、こう変更されていくものだから、この点は、やはり私たちも念を押しておかないと、まあ大臣は、これは大臣自身もお考えと思いますけれども、十ヵ年あと続かれるかどうかわからない。いつもやはり、その所管大臣は、そうやって逃げておられるのですね。それで私たちは、もう委員といたしましては、任期は長いのですけれども大臣任期は、どうも短いようですから、やはり国民のためには、ぜひとも信用ある政治をやっていただきたいという観点から念を押したわけですが、この点は、一つ重要なる問題として、確信を持って、たとえ大臣がかわられても、変わりないのだというようなことと、さらに先ほどつけ加えました、やはり経済伸長率というものが、また年々拡大されていくものである。ほんとにいい政治をしたとすれば、拡大されていくものであるということは、これは何としても国民の非常な働きがありますから、国民が、だんだんと成長していきます以上、経済の拡大というものは、これはもう、当然なことでございまするから、その拡大に従って、プラスした予算計画というものがまずなされていく、国土保全というものが確立されていくということが、私は民生の安定の一番基本にならなければならぬと考えまするから、この点は一つ、十分に国民に対して、確信ある保障をしていただきたいと思うんです。
  16. 田中一

    田中一君 関連して……。今、この経済成長率が一一・五ということを言っておりますけれども、もしその伸び率が縮まった場合には、当然この計画は減ってくるんだということに理解しなければならないんですか。あるいはこれは、まあむろん推定ですから、これが伸びた場合には、その率だけ伸びるんだということになるのか。その点はまあ建設大臣だけで答弁できればいいですが、その点は、どうなんです。減った場合にはどうなるか、ふえた場合はどうなるかということを、一つ御答弁願います。
  17. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 経済の大体予定しておる伸び率は、七・二ぐらいの伸び率であろう、まあこういうことでありまするが、しかし、この計画は、それをいささか上回った一一・五の伸び率でなければ、この予定された規模を達成することができないのであります。しかし、国土保全ということは、経済伸び率よりも、はるかに進んでおっても、これは妥当でないかというような点が非常に論議の的になりましたが、各省ともに、結局この施策を遂行することによって、災害が逐年防除される。そうすれば、今日のような災害復旧費の国庫支出の方が軽減してくるから、この計画を行なら上には、何ら支障はないであろうというようなことで、結局利益としては——まあ利益と申しますか、それは、この年次計画によって、一方においては、かりに一年に五百億の災害復旧費を必要とするものが、だんだんと減っていって、それが三百億となり、二百億となってくるであろう。そういうふうなまた効果がなければ、こういう年次計画を定めて治水対策をやる必要はないのでありますから、その効果は、十分これは私ども確実に得られるとことと思っておりますし、まあそういうようなことで、この一一・五%の事業費伸び率というものは、決して不穏当でない、妥当であるということに一致いたした次第であります。
  18. 田中一

    田中一君 私、それは今説明があったから、わかっておるのですが、伸び率が縮まった場合には、伸び悩んだ場合には、その率でくるのか。これは推定ですから、幾らあなたが確信を持っても、その通りいくものでないんです。そこで、もう少し伸びた場合にはどうなるのか。これは、この計画を策定する以上、絶対これはやるんだ、伸びても縮んでもやるんだというような原則の上に立ってやっているのか。その点が、明確に答弁されればいいんです。
  19. 村上勇

    国務大臣村上勇君) もうこの法律によって閣議決定を正式にいたしました限りは、私どもは、経済成長率というようなことは、これは私の余分な話でありまして、経済成長率いかんにかかわらず、これだけの事業量は、必ずやるというようなことになっております。これだけの規模のものは、どうしてもこれはやらなくちゃならぬということが政府の統一された見解でありますし、この法律によって閣議決定をいたしたのでありますから、先ほどの内村委員のあれと関連いたしますが、私が、よしんば明日建設大臣をやめても、私の去就によって、これが左右されるものではありませんし、国民の利益を代表する国会が厳としてある限り、この閣議決定というものは、法に従った閣議決定は、私はどこまでも、これを実行せしめるということは、私はちっとも変わっておりません。
  20. 田中一

    田中一君 この緊急措置法には、予算の許す限りというふうな字句はございませんね。
  21. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) その点はございません。
  22. 田中一

    田中一君 そこで、奥野君に伺いたいんですが、地方財政の面から見ても、この決定、五カ年計画ないし十カ年計画の策定が閣議決定になれば、それに見合う地方負担というものは、財政上確立すべきものと思いますがね。従って、自治庁としては、それに対する対策というものは、十分に準備されておるというように理解してよろしゅうございますか。ちっとも差しつかえない、またこの一一・五%の伸び率というものは、これは当然に、それに順応した伸び方でもって何ら不安はないんだ、こういうように見てよろしゅうございますか。
  23. 奥野誠亮

    政府委員(奥野誠亮君) 五カ年なり十カ年なりの事業の総分量が決定されますと、それを、国と地方の両財政で支出できるような措置をとっていかなければならない、かように考えておるわけであります。しかしながら、国と地方の間で、直轄事業の分量をどれだけにするとか、あるいは補助事業の分量をどれだけにするとか、あるいはそれぞれにつきましての国と地方団体との負担をどういうふうに分けていくかというような問題は、今後なお十分検討をして、円滑な遂行ができるように努力していかなければならない、こう考えておるわけであります。そういう細部の点につきましては、今後なお十分検討して参りたい、かように考えておるわけであります。
  24. 内村清次

    内村清次君 そこで、大臣にお尋ねいたしますが、二十八年の基本対策基本として、その残事業について、今後は年次別事業計画を立てて国土保全をやっていく、治山治水計画を遂行していくということは、これで明確になりましたが、そこで先ほど、私もいいましたように、この内容につきまして、まだ治水十カ年計画というものが本ぎまりになっておらないようである。もともとたちは、建設省あるいはまた農林省というようなところでは、年度算について、また省の事業計画といたしましては、これは一つ方針を持って遂行されておるんですからして、こういった法案ができるまでには、きっちりとした年次計画というものができて、そうして法案と一緒に提出せられるものである、こう確信しておったわけです。しかし、そういった実施計画はなされてはおるけれども、これもまた政治の問題だし、予算計画閣議決定になるまでにおいてできておらなかった点は、私たちも、その点は幾らか弾力的に了解をいたしております。ただこの中で、確定する前に、一つよく検討してもらわなければならない点がありますが、それは砂防及びまたダム河川というような現在までの進捗率というものが、一体どうなっておるかということですね、これが一つの大きな問題です。そこで私がせっかく、こういった年次計画が出されます以上は、大臣として、その前の基本、これは、さきの委員会でも問題になりましたが、一体川を治めるものか先か、山を治めるものが先かというようなことを聞きますことは、これは今まで国会開設以来、あらゆる専門家においても研さんされておりますから、そういった問答は、私も避けますけれども、ただ問題は、今日まで現われた現象において、何を、基本計画として策定する以上は、今後やっていかなくてはならないかというような、まずその確固たる方針一つ大臣から説明を願いまして、これから細分化して意見を申し上げていきたいと思うのですが、この点をます。
  25. 村上勇

    国務大臣村上勇君) この砂防等の伸び率が、比較的どうも低いのではないかという御指摘の点は、私どもも十分、これは考え直していかなければならぬと思っております。直轄砂防においては相当な伸び率になっておりますので、この点は御了解いただけると思いますが、単にこの渓流砂防費用砂防全体ということからみますと、私はこの渓流砂防も、当然土砂の崩壊等を防ぐためには、これが主要な役割を果たさなければならないのでありますが、次の一番最後の項目のダム事業であります。、ダム事業が、やはり多少は、この砂防の方へ足を入れて、砂防を助けているというようなことも、考え方では幾らかそれにプラスになっていると思っております。従って、砂防の率が軽微だ、事業費が比較的見劣りがしているように考えられますが、そういうようなことで、それから河川にいたしましても、ずっと上流の河川事業を行なう場合には、やはりその付近の砂防というものが、上砂の崩壊等を擁壁等で押えていくので、これはその考え方によれば、これもまた砂防一つの一環になり得ると思います。そういうようなことで、こういう計画ができておるのですが、前回と比べて、直轄砂防は二七・六%というような伸び率になっておりますし、また私どもとしては、できる限り砂防事業直轄に、重要なところは直轄砂防に切りかえてみてやるということが、地元に対する負担その他の関係も軽減されますし、また、積極的な事業ができると思いますので、そういう、あらゆる面で、砂防の重要性にかんがみまして、これをカバーして参りたいと、かように思っておるのでありますが、なお、十分、たとえその計画の途上におきましても、この一つのワクの中でのやりくりにつきましては、あえて差しつかえないのでありますから、そういう点につきましては、十分慎重に検討して、これを実施いたしたいと思っております。
  26. 田中一

    田中一君 関連、これは建設大臣……。今、砂防事業直轄に主として切りかえていくというような方向も考えていると言っておりましたけれども、一体これだけ数ある砂防事業直轄でやって、人間はどのくらい必要だと考えておりますか。これは大臣が、そういった発言をしたのだから、答弁は、山本君でいいです。今建設大臣は、とにかく補助砂防というものは、直轄砂防に切りかえていくというような考え方もあると言ったかどうか、速記録を見なければはっきりわからぬけれども、とにかくその方向にいくというような印象を受けたけれども、今ですら、直轄砂防は職員が現場に行きたがらない。待遇が悪いからです。これを切りかえていくという考え方を、この十ヵ年計画に持つとするならば、一体人間は、どのくらい必要だと考えていますか。現在のところ補助砂防というものを直轄砂防に切りかえるという場合にですよ。私は、そういうことをまじめに建設大臣は考えているならば、ちょっと僕は今の言葉は、そのままで受け取ったのでは、えらいことになるのじゃないかと思うのです。ちょっと山本さん、あなた、そういう方向へ、たとえここに二十八年度の基本政策から見た場合の、今までの過去のものが一〇・三%というのが、消化した仕事なんですが、あとかりに三〇%あるいは五〇%直轄砂防に切りかえていこうという考え方を持つならば、一体、どういうことになるのか。
  27. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 大臣のおっしゃいましたのは、そういうふうな、ここに表われてくるような一〇%とかいうようなことを、直轄砂防に切りかえるというお話をしているわけではございませんと私は考えております。たとえば、昨年の災害におきまして、狩野川が非常に災害を受けましたので、狩野川の流域は、直轄砂防でやらなければだめだということでやりました。それから三十五年度は、富士川水系の釜無川水系が非常に荒れまして、大武川、小武川等が、非常に大被害を受けましたために、とてもこれは、県もほかにたくさん事業はありますので、直轄で負担しなければならぬ、一部やっておりましたけれども、範囲を広げてやらなければならぬというような観点から、来年度は、直轄事業の区域を広げてやっていこうということを考えているわけでございまして、今のようなお話で、逐次そういうような重要なところも、災害のつど出て参りますので、そういう観点で、砂防を推進すると同時に、重要度に応じて直轄でやらなければならぬものも出てくるから、これらは一つ直轄で負担してやっていこうということをおっしゃっているのだと私は考えます。
  28. 田中一

    田中一君 今の山本君の説明は、ことごとく災害復旧の工事を言っているのです。災害工事の場合は、なるほど災害を受けた地区においては、相当数の復旧工事もふえますから、これはいいと思います。しかし、こうして十ヵ年計画でもってやるものをも、そういう形に持っていくということになると、私は、そんなことは不可能ではないかという前提に立って質問するわけなんです。可能ならしめるためには、どういう準備があるかということを伺ったのです。それについては、建設大臣では計数で無理だから、河川局長に伺ったのですが、今、あなたが例示している、説明しているところは、全部災害復旧工事を言っているのです。私は、災害復旧工事の問題を言っているのじゃないのです。災害復旧工事は、この十ヵ年計画には含まれないのですから。含まれるものというようなことではないでしょう。当然、法律できまっておりますから。
  29. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 災害が非常にあったのでございますけれども、施設を復旧する工事は、災害復旧になりますけれども、荒廃した地域の砂防工事をやるのは、この治山治水計画でやらなければならぬわけでございまして、先ほど御説明申し上げました狩野川、富上川等のものは、砂防ダムを新設いたしまして、渓流の中にとどまっている土砂を下流に流さんように措置すると同時に、それにつれまして、崩壊をしそうであるというところの砂防実施するわけでございますので、これらの地域の砂防工事は、予防砂防と申しますか、災害復旧には該当しないわけでございまして、この中に含めておる工事でございます。それから、今後におきまして——今、実際問題として、二つを申し上げましたけれども、今後におきましては、元来、災害がなくても、非常に困っておる川があるのです。たとえば黒部川だとか、九頭龍川の上流だとか、そういうものにつきましても、非常に大規模な崩壊がございまして、これを大規模な砂防堰堤でとめないと、どうも困るというようなものもございますので、これらは地建で調査をいたしておりまして、どういうふうな砂防計画でいったらいいかということを研究中でございますので、これらの問題を想定いたしまして、直轄で取り上げなければならんじゃないかというふうに考える次第です。
  30. 田中一

    田中一君 それでは、今の山本君の説明で、大臣はいいのですね。
  31. 村上勇

    国務大臣村上勇君) それでけっこうであります。私も、そういうような意味で申し上げたのですけれども、ちょっと言葉が足りなかった感じがします。
  32. 内村清次

    内村清次君 大臣の私の質問に対する答弁は、もう大体、内村は、どういうことに話を落としていこうかというようなことを、端的に言われたようですが、まあ、私が、基本的な大臣の考えを聞いたのは、やはり河川というものの一つはんらんをなくして、そうして、今後、せっかくこういった基本対策というものができたのだから、これには見方を変えていかなくちゃならん。しかし、見方を変えていく上においては、残事業という——二十八年災以来の残事業というものも控えておるし、現在、たとえば砂防にしましても、ダムにしましても、あるいはまた河川にいたしましても、残事業を含めて、そして現在弱い部面もあるから、これをやっていかなくちゃならんという、建設省あるいは、または農林省の工事計画も持っていらっしゃる。が、しかし、一応こうやって、新しい責任あるところの計画ができた以上は、ものの見方というものを、これは少し変えてもらわなくちゃならないという点をお尋ねしたわけです。それには、どういった治水対策、治山対策というものの基本大臣はお考えになっておるかという点を、まずお尋ねしたわけでございます。この点は、どうですか。
  33. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいまの御質問の御趣旨と、私の考え方というものは、全く一致しております。私も、最近の河川災害の状況から考えますと、非常に砂防のおくれと申しますか、いわゆる山腹の崩壊、あるいは渓流における土砂崩壊等が、その大きな原因をなしておるということを十分承知いたしております。従いまして、こうしてずっと計画を立てておりますが、なおこれについては、別途に私ども考えて、これに必要な適切な措置をとっていくことは、何としても災害防止の基本でなくちゃならんと、かように思っております。従いましてまだ、ここに一応の計画を表わしておりますが、しかし、なお詳細に調査、研究いたしておりますので、その結果、もしも直ちに砂防の手当てをしなければならないというような個所には、相当金をかけても、事業費を入れても、私どもは、この目的を十分達成するように努力したいと思っております。その点につきましては、ただいま、そういう点についての各河川の上流の部分について、各地建が調査をいたしておりますから、それがはっきりいたしますれば、私ども何をおいても、これについての措置は考えていかなければならないと思っております。
  34. 内村清次

    内村清次君 そこで数学的に申し上げますと、これはあなたの方の資料によりましても、河川の方では、二十九年から三十四年までの施行上の進捗率というものが一六%六、それから砂防の方が一一・七、ダムの方が三〇%、こうやって、まだ多くの治水計画に対するところの残事業を持っておられる。そのパーセンテージを見ましても、非常にアンバランスがあるわけですね。この点は今、大臣もずっと含めて答弁されておりますが、そこで、私が聞こうとするところは、まあ第一点といたしまりしては、先ほどダムの三〇%というものは、これは、当時非常にダム・ブームというものが巻き起こった。それは、もちろん水力発電というような経済と密接な関係のある問題も含んでおったと思うのです。が、これも砂防の一部だ、もちろんそれはそうかもしれません。いえば、そらかもしれませんけれども、やはり砂防の一部とはいえども、これだけの大きな費用を使っておるならば、なぜ上流の砂防を完全にやらないか、これが並行しておらないじゃないかという点を私たちは言いたいのです。この点は、田中委員も本会議でも、十分その事例を説明されておる。私たちもまた、ともに建設委員としまして、たとえば美和ダムの問題につきましても、十分調査をいたしておる。これは各地にそういったケースがあるのです。昨日の委員会でも、その通りです。この、下筌の方でも、やはりそういうことを言っておる。また球磨川でもそのことを言っておる。これは事実です。やはり山奥に相当被害者があるという点のことは、十分立証された問題です。そこで、この今後の基本計画に対しては、やはりこの点を十分考えてもらわなくてはいけない。たとえば新五カ年計画におきまして、三十三年から三十七年、この数字というものは、私たちにも示されておりますが、砂防では八百三十七億、ダムが七百五十四億、河川が千七百十億、これだけの新五カ年計画というものが提出されております。そうしますと、それの三十四年度までの進捗率を見てみますと、砂防におきましては一八・五%の進捗率ダムが二七%、河川が二五・六%、こうやって、やはりダム進捗率というものが一番多くして、砂防が少ない。こういった計画が、やはり逐次新たに更新されてきておるわけです。これでは、どうも建設省の治水計画というものが、片手落ちになりはしないかという点を私たちは痛感しておるのですが、大臣は、どういう所信を持っておられますか。
  35. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 御指摘のような私も感じを持っております。どうも砂防については、一般に認識が従来なかった。特に補助砂防——各都道府県砂防は、どうも県の財政の都合かなにかしらないが、私は、あなたの御指摘のように力が入っていないと思う。国会においても、どちらかと言えば参議院は、非常にこの砂防に力を入れてくれております。私は全く参議院の諸先生方の砂防に対する御認識につきましては、私も敬服いたしております。何としても河川災害の原因の最たるものは何かといえば、私はやはり砂防にあると思います。しかし従来は、とかく国会におきましても、あまり砂防の問題が、今ほど騒がれていなかった。まあ、これはいろいろ関係があると思いますが、先ほど田中先生のお話になりましたように、あまり山の奥へ監督にいくものでさえおもしろくないのでありますから、先生方も、奥の砂防は御見学なさる方が、比較的少なかった、こういうような点も私はあろうと思います。従いまして、これからは、砂防に私は力を入れて参りたいと思っておりますが、特におくれておりますのは、補助砂防でありまして、これがわずかに一〇・三、直轄は二七・六というパーセントになっておりますが、こういうように、この補助砂防の非常に多い部分が、その伸び方が非常に少い。そういうことが、今御指摘のような点になるのでありまして、今後かようなことのないように、地方の各都道府県補助砂防につきましても、十分私ども督励をいたしまして、これらの砂防の完璧を期すために遺憾なきょうに努めたいと思っております。
  36. 内村清次

    内村清次君 この点は、私は、河川局長山本さん、長い間河川局長をやっておるのですから、大臣は、あなたの河川局長時代には三代かわっておるはずですね。河川局長が少し、やはり今までの実績を見て、そうしてどうも少し頭を切りかえていかないと、私はやはり、ほんとうの公平な見地から、またあるいは治水という問題についての根本的な問題が解決せられないんじゃないかという感じも私はしておりますよ。で、この点は、たとえば今回年次別事業量を今、県の方に、あなた通達を出して、そして今、問い合わせておるはずですね。そしてこの年次別というものの査定をしようというような考えを持っておるが、今、県関係では、てんやわんやになっておるらしい。同じあなたの下部機構において、しかも、これは自治体ではございますけれども、ト部機構においても、相当てんやわんやの争奪戦が展開されておるということを私は聞いておるのです。こうやったことは、やはり今大臣が言われましたような方針を置いて、そうして確固たる治山治水計画というものを出さないと私はいけない。しかしこうやって大きな衝撃を受けておるときが、一番いいのですから、ここで元のあなたの方で、やはりその対策と、それからその基本というものを確立してもらいたいと思うのです。そういう点はどうですか。
  37. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今の点に関しましては、私の方では、もちろん河川砂防ダムを扱っておるわけでございますので、私どもも、最近の災害にかんがみまして、砂防というものは、特に地域的には非常に砂防だけやれば片づくような川もございます。従いまして、そういうふうな基本的考えで進みたいと思いますが、各府県におきましても、やはりそれらの認識を深めていただいて砂防事業のいかに重要性を持っておるかということを認識していただかないと、この実効が期せられないわけでありまして、県には、土木部というものがございまして、河川砂防あるいは港湾なり、ダムなりを所管しておるわけでございますので、土木部長が各課で、本省に持ってくる予算なり、計画内容を知らないというようなことでは、私は、これは実施にあたりまして非常に不都合が生ずるのではないかと思います。従いまして、土木部長のところで事業をにらみまして、緊急性を判断していただかないと、私どもが、全国の各小水系まで、一々見て回るわけにも参りませんので、そういう段階を踏んでおるわけでありまして、それが、いかに混乱しているかというようなことは、私は聞いておりませんが、これはいかに混乱しようとも、まとめていただかないと、一つの県としての態勢ができないのでございますので、そういう段階を踏んでおるわけでございまして、私はこれは、当然やるべきことであるというふうに考えております。それがもし間違っているということになりますれば、私どもは、その結果を見まして、十分軽重を判断いたしまして処置して参りたいというふうに考えます。
  38. 内村清次

    内村清次君 そこで、県が混乱しておることは事実ですけれども、その混乱をいかにして防止するかということは、先ほど言いましたように、まず、大臣の先ほど言われましたような基本計画というもの、対策、態度というものを、やはり局長も認識して、そうして建設省一本の考え方として、公平な見地から縄張り争いをさせないように、費目の点において、争奪戦が起らないような対策を私たちは、やはり確立してもらいたい。それから、なぜ県が砂防に対しても認識を改めないか。費目の中に入れてくれないかという認識度合いは、これはやはり元をただせば、建設省の今日までの態度にあると私たちは思っておるのです。というのは、機構の問題です。村上建設大臣の際に、百九億の予算がついた。今年度は、ようやく三〇%引き上げられて百九億の予算、それを一体どうやって、今後消化していくか。これは、今まで残事業——進捗率が非常に少ないですからやるべき仕事はたくさんあると思う。しかしどうも、それに機構が伴っておらない。この機構の点につきましては、もう少し機構というものを拡大しなくちゃ、うそじゃないかということで、盛んにこの委員会でも決議をやっておるのです。この問題について、大臣はどうお考えになりますか。
  39. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 本省の砂防課につきましての機構につきましては、私どもは、先ほどから御指摘のあるような事情から、どうしても砂防部にして部制をしいたならば、砂防というものが広く天下に認識もされ、またそれのみならず、この機構によって、相当な実績もあげ得られるというようなことで、砂防に重点を置いた三十五年度の機構改革の要求をいたしたのであります。それ以前に、建設省におきましては、建政局を設置したいというようなことで、いろいろ毎年のように、この要求をいたしておったのでありますが、三十五年度の要求には、建政局は一応あと回しにして、砂防部だけを大きくクローズ・アップして交渉をいたしたのであります。しかしながら、御案内のように、本年度は、いずれの省も部局を新しくふやすということはやらないという、統一された政府の方針のために、砂防部は、一応海のものとも山のものともわからない状態になっております。しかしもしも何かのすきがありますならば、建設省だけでなくて、政府の各省の間で、一番先に機構の改革ができて、新しく設置されるものは、砂防部であるというぐらいの気持で、それぞれの関係者と相談いたしておりますので、しばらく一つ、時間をかしていただいて、この砂防部に引き上つげることによって、私はある程度の実績を確保できると固く信じておる次第であります。
  40. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 本省の問題につきまして、大臣今御答弁されましたが、地方におきましても、補助事業をやるためには、砂防機構の強化が必要だということで、最近になりまして山型県に砂防課ができますし、また徳島県におきましても、最近砂防裸を、設置するというようなことになっております。それらの地域につきましては、砂防をずっと長くやっております非常なエキスパートがおりますので、それらの人を課長等にいたしまして待遇を与えるならば、非常にそれらの道に進む人は、希望が持てるわけでございますので、そういう点につきましては、私どもといたしましても、各県の当局あるいは関係の諸先生方にも、それらの点を強調いたしまして、課等の設置をお願いをいたしておるわけでございますが、昨年の災害等にかんがみまして、各地方で、そういう声が出て参りまして、今申し上げました点が、具体化して参っておりますから、今後とも私ども、その線に沿いまして努力いたしたいというふうに考えておる次第でございます。
  41. 内村清次

    内村清次君 この点は、先ほど申し上げましたように、確かにその県の態勢におきまして、公選知事でありながらこの問題に対しましては、どうもまだ考え方が足らないような方々も、私たちは視察をいたしまして、十分相対して認識の深くないような人たちを見受けました。これは大きな間違いです。ところが災害県の知事は、やはりこの点では深刻になってきておる。先ほど資料を私は要求したわけですが、御発表になりました山梨県におきましても、もう一キロ当たりの災害の額というものが、砂防をしたもの、あるいは施行しないものの数字が、明確になっておるのですね。ここにありまするように、砂防工事施行されておる河川というものは、一キロ当たりについて三百三十三万三千円、ところが施行されておらない河川は二千八百八十万五千円というような大きな数字になっておりまするので、これはやはりこの点は、みんな建設省の力といたしましては、やはり知事あたりにも認識させて、そうして今後砂防の問題を強化させてもらいたいということを私は念願しておきますが、この点はどうでございますか。
  42. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 全く私どもも、今の内村委員の御指摘になった点につきましては同感であります。今後大いに、このPRをして、実質的にこれらの成果をあげたい、かように思っております。
  43. 内村清次

    内村清次君 そこで、さきの委員会のときに農林大臣も御出席になって、問題になっておりまする農林省と、それからまた建設省との治山治水の問題ですね、まず治山の問題にいたしましても、どうもその責任態度というものが、私たちは明確になっておらないような感じがする。で、こういった感じで質問しますると、よく農林省と建設省というものは、下部機構においても、十分話し会合いをして、そうしてその分野というものを明確にしておるのだ、こういうきれいな答弁です。ところが実際視察をして見ますと、その工事というものが、まちまちになっている。これは非常に悲しむべき現象です。この点は、一体どういうふうな建設省なり農林省との施行分野の明確な、すなわち決定がなされているか、いつなされているか、この点を、一つ明確にしていただきたいと思うのです。
  44. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 御承知のように、農林省は、山腰砂防を所管いたしておりますし、建設省は渓流砂防の責任を持っておるのであります。現地におきましても、また中火におきましても、緊密な連絡をとりまして、それぞれその責任を果たしておるのであります。省が違っておりますと、ちょっと考えた場合には、何か納得のいかないような点があろうかと思いますが、私どもは、その大目的がいわゆる災守防除である、この重大な治水対策をいたしておるのでありますから、各省のセクショナリズムとかいうような、そういうことには決してとらわれないように、それぞれ覚書等も出して、取りかわして、事業の円満な遂行をいたしておるのであります。もしも建設省が、その両方を兼ねてやった方が都合がいい場合には、委託されて建設省がこれを施行する場合もありますし、また農林省でやってくれたことが、これが何かにつけて仕事の準備等からいって適切だというような結論に達しますれば、農林省に委託して、農林省の方に頼む場合もありますし、その点については、決して第三者に心配していただくような私は支障はないものと、かように思っている次第であります。
  45. 内村清次

    内村清次君 実は、これは河川局長でもよろしいのでございますが、いつ、こういった分野というものが決定されたか、そういった決定に基づいて今日までやっているのか、あるいはまた、これはもう、あらためてこういった基本計画というものが法律となって現われた以上、新たにまた、分野というものを明確に定むべきか、これは時期が到来していやしないかという感じが私はいたしますから、この点を、まず一つ明確にしていただきたいと思います。
  46. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 農林省の治山工事と、建設省の砂防工事についての分野に関しましては、昭和三年でございますか、閣議決定がございまして、渓流を主とするものは——当時は内務省でございますが、結局建設省、山腹の工事を主とするものは農林省でございまして、それに相関返する事業があった場合には、協議をいたしまして、相手の省がやることも支障ないというふうな形になっているのであります。その基本方針に基きまして、従来の五ヵ年計画を作り、そのときには、その基本的な覚書をもとにいたしまして、やっているわけでございまして、今まで、先生の御指摘のあるようなものがあったとするならば、あるいはそこに、一つの省の予算が回らなかったために、ほかの省で関連する工事の範囲を、少しやっておったようなものがあるかとも思いますけれども、こうして五ヵ年計画なり十ヵ年計画を確定する以上十は、図面の上で、両省の分野をはっきりいたしますならば、基本方針に沿ってやっていくことで、抜けているところ、あるいは重複するというようなところは防げるわけでございますので、それで十分、目的は果たせるというふうに、建設省としては考えておる次第でございます。
  47. 内村清次

    内村清次君 確かに、今局長が言われましたように、昭和三年の十月の閣議で、その分野の点は、明確にされております。そして、しかも昭和四年の十二月に、当時の内務、農林の両次官通牒で、またそれが解明されております。ところが現在は、どうもこの通牒通りに、これはむしろ私は、農林省の方において、やり過ぎがあると思う。これはあとで、また林野庁長官にも——実は農林大臣来てほしいのですけれども——林野庁長官にも、あとで質問いたしますが、どうも農林省の方で、自分の分野を守らずに、建設省所管砂防工事、渓流工事というものに手をつけておる。その手をつけた状態というものが、これは長野県下一帯の写真を持ってきてもわかるのですよ。私は持っています、写真は。そうして、この分野というものが非常に今、まちまちになっておる。先ほど局長は、この新十ヵ年計画法律に従って、お互い各省は細部的な、すなわち連絡協議をやるからと、こうおっしゃっておるけれども、これは大臣、もう一つ、この際に、私はさらに明確にすべきじゃないかと思うのです。というのは、今回の予算計画の概要が、農林省関係におきましても、相当数字をとっておるのです。たとえば治山におきましては千三百億、前期が五百五十億、後期が七百五十億というような予算をとっておる。それには農林省の方では、さきの委員会のときに、この計画に対するところの大体の年次計画というものを、概算予算を出してきておるのです。農林省の方では、まだ県の状態を見て、これもまた、正確な数字を合わせるような形はとっておりますけれども、一応の年次計画というものは立っておる。こういった時期に、私は分野というものを明確にしてもらわないと、大臣、いけないと思うのですが、この点、どうお考えでございますか。
  48. 村上勇

    国務大臣村上勇君) これは分野は、明確になっております。分野が明確にならなければ、お互いに計画も立ちませんし、その裏づけ予算もできないのでありますから、これは、はっきり分野がいたしております。ただ、その分野の明確になっている点について、農林省が少し割り込んでおるとか、あるいは建設省の方が少し割り込んでおるのじゃないかというようなことは、お互いにそれぞれ、ごひいき筋の見方にもよるだろうし、地元の方のいろいろな、いわゆる地元の方のセクショナリズムというようなこともあり得るのじゃないか、こう思っておりますが、予算をここに計上する限りは、ちゃんと、そこにははっきりした分野が打ち立てられております。
  49. 内村清次

    内村清次君 林野庁長官にお尋ねしますが、あなたの方の事業効果について資料を出しておられますのに、十ヵ年計画実施により、昭和三十四年度現在の年間土砂流出量九千万立方メートルを、昭和四十四年度末には、四千万立方メートルに低減し得る見込みである、こういった数字が出ておるんですが、これはどういう工事をするために、これだけ低減するような数字が出たわけですか。
  50. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 治山事業と申しまするのは、先ほど建設大臣からもお話がありましたように、山腹工事を主とするものであります。山腹工事を実施する前提といたしまして、その崩壊したところを平らに直すというような仕事があるわけでございますので、そういうようなところから発生します土砂というものを、下流にどんどん流しては、非常に大きい影響がありますので、それを比較的簡単な堰堤等でまずとめる、その上で山腹工事をするということをしておるわけでありまして、そういうものの効果として、ここに資料として差し上げたようなものを、われわれとして予想しておるわけであります。
  51. 内村清次

    内村清次君 林野庁長官、あなたの方は、この十ヵ年計画によって今、終戦時の乱伐、裸山、はげ山、こういったすなわちはだか山のために、崩壊をしてゆく、この崩壊した山に対して何をまず基本として、この土砂の流出というものを防止してゆくんですか。
  52. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 林野庁といたしましては、戦争中並びに終戦後におきまして、非常に乱伐されまして、山が裸山というような形で放置されておりましたものが、百万町歩をこすような大きい面植に達しておったのでありまして、これの造林を早急に行なうということに力を注いだのでありまして、その結果、大体そういうものは、三十二年度末ぐらいをもって完了したというふうに考えておるのでありますが、それと並行いたしまして、山が風水害等のためにくずれたというようなところも、やはり並行いたしまして、早急にこれをはしまして、そういうことに伴うさらに大きい土砂の流出、その他による大きい災害というものを防除していかなければならぬということを考えて、造林、治山というものを両者を総合して、山の保全をはかってゆくということを主眼にしておるわけでございます。
  53. 内村清次

    内村清次君 造林が主体ですね、あなたの方では造林が主体だ、それはそうでしょう、それはあなたの方の分野は明確に造林、そうしてその後の災害によるところの崩壊地に対しては、またこれも造林をせなくちゃならぬが、その造林の過程において、どういった方法をもって、その土砂の崩壊というものを防止してゆきますか。
  54. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) また、いわゆる荒廃してない山というものに対しては、場所によりまして、杉だとかヒノキ、あるいはまたその他の広葉樹というようなものを造林することによって、そこが崩壊することを予防するということを考えておるわけでありますが、すでに崩壊しました個所に対しましては、それを山腹工事によりまして、修復いたしまして、そこに、さらに松とか、あるいはハゲシバリというようなものを造林いたしまして、その修復した個所が崩壊することを防止するということをやっておるわけでございます。
  55. 内村清次

    内村清次君 ただちに杉だとか、あるいはまたヒノキだとか、そういった植樹をする——崩壊地に対して——そういうようなことは一切されませんね、どうですか。
  56. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) 崩壊した個所を修復いたしまして、そこに植えますものは、松とかハゲシバリというふうなものであるわけでございます。
  57. 内村清次

    内村清次君 一応、土砂防止を一つやって、何年かたって、それから本式な造林計画をやるということに受け取りますよ。これが、ほんとうに実行されているかどうかということは、私たちは、どうも疑わしい点がある。この点は、また事例をあげて別の機会にお尋ねいたします。そこで、この次官通牒によりますると、まず山腹工事の保護または維持上必要とする個所における渓流工事は農林省において施行することと、こう書いてあるのです。そうすると、山腹工事の保護工事というものが、これは主体にならなくちゃならぬ。ところが、直ちに渓流工事をやはりやっていく、こうやった所管の、建設省所管を、あなたの方では横取りしてやっておるような工事がたくさんあるはずですが、どうですか。長官は、そうやった認定はないですか。
  58. 山崎齊

    政府委員(山崎齊君) これは、その山腹の、いわゆる安定をはかっていくということが必要なわけでありますので、山腹が、水その他によって洗われますと、その結果といたしまして崩壊が起こるというようなことに対する予防的な工事も、もちろんあるわけでありまして、そういうものも、治山事業としてやっておるわけでありまして、その治山事業としてやっておりますいろいろな工事そのものが、いわゆる建設省でやるべきものか、あるいは農林省がやるべきものであるかというふうな点については、あるいは疑問のものもあるかと思うのでありますが、そういうものにつきましては、やはりこの覚書なり閣議の線に沿いまして疑問のあるものは両者で協議し合ってきめていくということにしているわけであります。
  59. 内村清次

    内村清次君 河川局長、これは実際、現実長野県下におきます、私たちが写真を収集してみますと、この渓流工事の砂防が非常に破壊しておる、何年もたたないうちに破壊しておる。やったものを、技術的にこれを見てみると、農林省がやったのだという点がたくさん出ておるのです。今言われました長官の答弁からいたしましても、もちろん、この内務省の当時の通達からいたしましても、保護または維持上必要とする個所におけるところの渓流工事というものは、これは認めてあります。認めてありますが、これは今言われましたように、建設省の方と、十分連絡のしにやっておると、こう言っておるのだね。そうすると、どうもあなたの方が、何というか、一つ一つ協議の上だから、あなたの方にも、責任があるわけです。先ほど聞いていますると、予算関係で農林省の方が、予算を持っておる、あなたの方は、もうないというようなところで、農林省の方に、その渓流工事というものを、堰堤工事を頼んだかもしれない、そういったことでは、私たちは、これはもう、せっかくのこの通達の原則というものが乱されてきやしないかという感じがするのです。あなたがどうも力が弱過ぎると、こういうふうに感ずるのですが、どうですか。
  60. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) ただいまお話のように、個所別につきましては、いろいろ相談いたしまして、関連する事業は、原則はありますけれども、ほかの省でやるようなことになっておりますので、お話の上で、個所別につきましては、そういうお話の上でやってもらっているのもあると思います。ただ、これがこわれてしまうというようなことは、これは私の方で作ったものがこわれますれば、やはり私の方が、もっと注意してやらなければいけないし、また、農林省でお作りになったものがこわれたとすれば、やはり農林省で、もっとしっかりやってもらわなければならぬということになるわけでございましてこわれたというようなことになるならば、私ども十分、責任を感じましてこわれないようなものを作らなければならぬということは、私どもと反省しなければならぬというふうに考えております。
  61. 内村清次

    内村清次君 大臣は、どうも急がれるようですし、ほかの委員もまた、質問がちょっとあると言っていうっしゃいますから、私はまた別の機会に譲りますけれども、とにかく機構の問題、今の閣議決定の問題ですね。いわゆる工事施行の責任分野の問題、それから今後、予算の公平なつけ力の問題につきましては、十分一つ考えて、そうして機構を、一体どうして拡大していくかということに対しましては、一段の御努力を私は要望いたして、一時質問を保留いたします。
  62. 田中一

    田中一君 顔が見えないから立ってやりますが、三十一年にできた臨特、これは、うたい文句は、地方財政の再建整備ということにあるのですが、今度の十ヵ年計画が策定されて——この間も、本会議で伺ったのですが、まあ本会議では、われわれは答弁を求めません。委員会でやろうと思ったから、あえて再質問しなかったのですが、地方から来る計画を盛り上げたものが十ヵ年計画だと、そういうように答弁するに違いないと思うのですよ。しかし、この実態としては、地方負担というものは、臨特が廃止になった後、これで二年たっております。地方負担が、過重になることはあり得ると思う、地方々々の特異性によって。なるほど、災害でも相当あって、県議会としても、この方面の仕事をうんとしようという一つの気組みになっておれば、災害復旧も、これはいいかと思うが、そういう予防的な工事をしようというよりも、まず学校を作ってくれとかなんとかいうものの方が、手近に来るものが多い。しかし、今度の十ヵ年計画というものは、地方から盛り上がるところの意思によって計画されるのだと言いながら、やはり見方によれば、地方の意思を確かめずして、頭から、こういう計画を立てて、これをやるのだと、しかし、これはもちろん、大所高所から見た場合には、日本の国土保全のために必要な事業であるという大だんびらを振りかざしてくるのですから、これは反対する理由がない。ただ、問題は、地方負担の問題です。それに、地方財政が負担し得るかどうかという問題がある。現に四年前には、おいしいごちそうを食わしてある。臨特という補助率の引き上げがあった。それが廃止されて、このうまい味が、ほっぺたにまだ残っております、地方では。しかし、今度、一面、大局から見ると、国土保全のためにこれをやれということになりますならば、当然地方負担の軽減といとうことは考えられなければならぬ。これは、まあ大臣も御承知の通り、率が全部、現行基本法に基づく補助率にきまっておるから、かえってだめですね。社会党——自民党を除く各派の共同提案で昨年、砂防法の一部改正を出しております。これの主要なるものは、補助率の問題を臨特の補助率に返してくれという要求です。私は、まことに率直な、ほんとうの願いであると思うのです。私は今、奥野財政局長は、この計画が策定されるならば、補助率等は、今後とも折衝して、地方財政の健全さをはかりながら、当事業は遂行するのだというようなお話がございました。これは今の段階で、ごもっともです。しかし、これはもう少し強く、地方財政の現状というものを見た場合には、もう一歩進んで、かくかくのものがなければならぬというような要求が、おそらく今後出ると思う。これは、地方の各府県ばらばらじゃ困りますけれども。そこで伺いたいのは、建設大臣は、地方財政に与えたおいしいごちそうを、事業完遂のために、何かの措置を考えなければならぬ段階に来ているのではないかと思う。三十五年度は、何らそれに対する措置はございません。何ら三十五年度予算上にはございません。従って三十五年度は、予算案に対しては、わが社会党は反対いたしますけれども、三十六年度あたりから考えなければ、地方は負担できません。国が幾ら、国土保全のためにいい計画を持とうとも、これに伴う地方の財政上の負担というものは、現在でも、まだ再建整備府県がございます。こういう点が、ほんとうに実態に即したような補助率の改正ということが行なわれなければ、これは仕事ができぬということです。計画ができて閣議決定になる場合、地方負担——いわゆる仕事の完遂ということが目途になけりゃならぬはずでございますから、その点について、どういう抱負を持っているか。今のままでは、今示された国の計画、たとえば、前期五ヵ年計画の伸びによるところの仕事の増大というもの、これに伴う地方負担というものが、現行法のままで、たえられるのかどうかという点でございます。従って、まあこれは、建設大臣だけに聞いても困るけれども建設大臣の考えとしては、どういう考え方で今後立とうとするか、伺いたいと思うんです。
  63. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 補助率引き上げ等の——この非常に大幅に拡大されるはずの公共事業裏づけとしての地方負担につきましては、私どもも非常に心配いたしまして、この三十五年度の予算編成途上におきましても、特に後進県についての補助率の引き上げをやらなけりゃならないのじゃないかというようなことを主張いたしたのでありますが、三十五年度は、大体地方財政計画ができて、その心配もないようだというようなことで、一応私ども引き下がっております。これは自流庁長官の意見を聞かなければわからぬことでありますけれども、少なくとも、私どもは、この後進県に対する補助率の問題につきましては、その時期、その方法等は別といたしまして、これは、何らかの措置をしなければ、公共事業費——いわゆる、たとえそれが災害防除の大きな治水対策でありましても、都道府県のうち、後進県のこの負担にたえ得るかどうかということについては、非常に心配いたしております。従いまして、自治庁長官等の意見を開いた上で、私どもも、もし、そういう財政的な裏づけが非常に国難であるというならば、その際には、十分自治庁と相談した上で、積極的にこの問題について、なお今後われわれの意見も申し述べて、十分な措置をとって参りたいと、かように思っておる次第でございます。
  64. 武藤常介

    ○武藤常介君 関連してちょっと。ただいま地元の負担の問題が議題となっておるようでありますが、先般も申し上げたんですが、この治水事業が、前期五ヵ年、総体で十ヵ年ということで、非常に増量になりましたことは、われわれ多年の念願でありまして、非常に喜ばしいのでありますが、これとあわせて、また心配は、多年問題となっておりました交付公債の問題でありましたが、これは今年、まあ解消いたしまして、先般県の知事や県会議員が来て、非常に喜ばれておりまして、これはきわめてけっこうな措置である、かように存じておるのでありまするが、ところが、また将来を考えると、何年かの間に、この起債というものを、はたしてよく県が消化し、償還ができるかと、こういうことを考えるというと、なかなかこれまた、困難な事情があるのではないか。ことに、低開発の県、ことにこの治山治水が非常に広範にわたりまして、しかしながら、その県は、低開発の県でありまして収入の点におきましては、意外に少ない、こういうところに非常に無理がありますので、ただいま田中委員が盛んにその問題を心配されておりましたか、これは、国土保全事業でありますので、これを個々の県に、あるいは個々の地方に負担させるということは、これは国家としてとるべき道ではないのではないか、かように私は考えるのであります。日本の国も、数年前と違いまして非常に産業は盛んになりまして、先般の公聴会におきましても、本年は二千数事億円の自然増収が出たが、これでは足らない、まだまだこの倍ぐらいあるのじゃないかというような学者の意見もありますし、また学者によりましては、いや、かえって見積りが過大であったかもしらんというような意見もありますが、とにかくこの順序で、日本が開発が進んで参りますならば、工業地帯等の収入、莫大なものであろうと私は思うのであります。ところが、低開発の県におきましては、非常に収入が少ない。そういう県においては、この負担には、相当困難をしている。かつて私は——きのう治水事業の問題で、だいぶ反対者がありまして、議員さん方も心配されたようでありますが、私がかつてやりましたときには、やはりこの地元負担の問題で大問題を起こしまして、県の有力な新聞が——これに国会議員もその背景となり、その事業を、今や予算化せんとするときになりまして、これを阻止するような事態が出来いたしたのでありましたが、その当時、四十何人かの議員——議員じゃない、その期成同盟会員が集まりまして、その反対する新聞社です——大きな新聞社でしたが、まず、あしたは追いやろうじゃないか、こういうふうな決議をいたしまして、それならば、四十七士の討ち入りになるように、今晩は一ぱい飲んでから、一つ行ってやろうというので、一室に集まりまして、決意を固めたのでありましたが、これは、そういう非常手段によらず、会長が行って談判して、何とか押えろというので、私会長でありましたので、一日かかりまして、説得いたしました。その背景には、土地の血盟団、右翼団等もついておりまして、なかなか頑強でありましたが、幸い事なきを得たのでありました。とにかく、かように将来を考えるというと、まだまだ重要な問題もあるのじゃないかというようなことを考えるときに、この負担率の問題は、相当考えねばならん、かよう存ずる次第であります。どうぞ、ただいま大臣の御意見もありましたが、十分なる御考慮をお願いしたいと思います。大臣は、先般の予算委員会の御答弁では、私は事業さえできればよろしいのだというお話でありまして、あえて私は、重ねて伺いはしませんでしたが、どうかこの問題は、自治庁、大蔵省と十分折衝いたしまして、予算をたくさんもらったからといって、そんなに縮まっている必要はないのでありまして、これは建設省が、国家の重大事業を果たしている重要な役目でありますので、この点も、どうぞ御心配を願います。
  65. 田中一

    田中一君 奥野さん、そこでね、現在の実態は、どうなんです。私は、今度の計画的な事業量を、地方に負担させますと、他の仕事がやはり苦しくなるものが出てくるのじゃないかと思うのです。もう非常に、この治山治水事業というものは政治的なものでありましてね、あなた方——地方にしても、部長さんが、選挙に動くときには、もう、ああ、この国の補助をもららんだとかいうと、すぐその人の命令で、ぱっぱっと動くぐらい、政治的に扱われる事業なんですよ。それだけに心配するわけなんですね。そこで、今までの災害の場合には、まだいいのですよ。自分で、目の前にひどい目にあった問題というなら、これは何とかしなくちゃならんと思ってしますけれども、この計画的な、計画性ある治山治水事業なんというものになりますと、行政官並びに政治家が、政治的な工事を行なうということが間々多いのです。実際の農民、実際の地方民の意思よりも、独断的な計画が相当多いということです。たくさん知っておりますよ、私はそういう事例を。この間も、本会議で言ったのですが、私があまり言うと、政治家の名前も、政治家の選挙区のことも、こまかくなるから、あまり言いたくないから言わないのですが、全くの政治的な配慮によってのみ、公共事業が行なわれる。それを地元民は、一向知らないのですよ。あの先生がこうやってくれたから、非常によかったというようなことで満足してしまう。ところがその部分は、いいけれども、同じ地区で、堤防をかさ上げするにしても、選挙区だけがかさ上げされて、その先生以外の選挙区になると、全然何年もほっぽり放しの原始河川であるというところの例があるのです。そういうものが、地方の負担というものに対して大きな片寄り方をするというと心配なんです。で、一つあなたの手元でもって、今までの事業——地方の事業ですね、公共土木といいますか、災害と、それからこういう公共事業のうちの建設省所管のもの、治山治水ですね、治山治水と分けてもいいでしょう、それから文教関係のものというようなものを、ちょっと資料まとめてくれませんか。現在のですよ。三十四年度までの、大体わかるでしょうからね、そうして今度は、それに対して三十五年度のものが、今建設省の方でもって、何といいますか、地方的な計画を立てておると思うのです。それに乗っけてみて、どこがどのくらい、従来の負担率から見て、どのくらいにふえるか減るかという点の対比を見たいと思うのです。で、できるならば、建設大臣が策定する地方の計画というものが閣議決定する前に、あなたの方との今までの過去の対比というものを、われわれ国会で知りたいのですよ。この法律案はやむを得ず年度内に通すことになろうかと思いますけれども、しかしこれによって、この根拠によって作るところの前期五ヵ年計画といううものは、まだまだ時間がかかると思います。その前に当委員会に、それをお出し願って、突き合わしてみたいと思うのです。そのときには奥野さん、あなたに来ていただいて、自治庁長官も一緒に来ていただいて、克明に各府県の負担というものが実情に合っているか合っていないかという点を検討したいと思うのです。その点について、これはこういう資料というものを要求します。それから同時に、建設省の方では全体の計画が見合う前に、策定が終わり閣議決定をする前に一つ、むろん建設大臣は、自治庁長官といろいろ打ち合わせながら仕事の完遂ができるような方途をとろうと思いますけれども、当委員会に明らかにしていただいて、その審議ができるような資料をお出し願いたいと、こう思うのです。それはいつごろになりますかな。大体、伺っておきます。
  66. 奥野誠亮

    政府委員(奥野誠亮君) 資料の問題でありますが、全国的な数字でございますと、今申し上げてもよろしいし、また別途資料をお出ししてもよろしいと思います。ただ、団体別ということになりますと、配分のきまりますのは、だいぶおくれるものでございますから、ちょっと、今国会中に資料提出するということには参らないのではなかろうか、かように考えております。なお、治山治水事業実施できるかどうかということになりますと、一応三十五年度の事業計画を基礎にして地方財政計画を策定いたしておりますので、全体としては消化できるという建前になっておるわけであります。しかし今後、事業分圧が拡大されて参るわけでございますし、また先ほど武藤さんからも御指摘がございましたが、公共事業のそれぞれを見た場合、河川というものの国庫負担率が、どうあってよろしいか、これは他の事業との関連も考えていかなければなりませんが、多少問題があるのじゃないか、かように私たちは考えているわけであります。同時にまた、五ヵ年計画、十ヵ年計画というようなことで、河川治山治水に、傾斜的に事業分量を持っていくというようなことをします場合には、国として、国庫負担の点についても特別な配慮が、従来もなされてきておるわけでありますけれども、今後もなされるべきではないかというふうな気持もあろうかと思います。同時にまた、治山治水事業の性格から考えまして、未開発地域に、ある程度重点的に事業を行なえるというような問題にもなろうかと思うのであります。そういうこともございまして、地方団体側としては、国として国庫負担率に、特別な配慮がなされるべきものだという強い期待を持っておるわけでございまして、私たちも、何らかの形において、そういう問題の解決を将来においてはかるべきだ、こういう考え方をいたしておるわけであります。
  67. 村上勇

    国務大臣村上勇君) ただいまの御意見の点は、大体、閣議決定は、私は六月の早々だろうと思いますので、その以前の五月半ば前後には、資料ができ上がると思います。できる限り急いで資料提出をいたしたいと考えております。
  68. 田中一

    田中一君 三十五年度の地方事業というものは、きまっておりますね。もう予算の上でも、大体配分がきまっているのでしょう。山本君、どうだ。
  69. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 今、地方の事業をきめつつありますけれども、地方負担の問題につきましては、大体の見当はつけておるわけでございまして、今の治水事業という五ヵ年計画をお願いしております事業につきまして三十四年と三十五年度の地方負担を比較いたしてみますと、直轄事業におきまして約二十億の増、それから補助事業におきまして三十三億の増、合わせまして五十三億数千万円の増というふうなことに相なる予定でございます。
  70. 田中一

    田中一君 まあきょうも、もう時閥がおそいしするから、私はこれでやめますけれども、奥野さん、もう一ぺん聞いてみますが、過年度分でいいのです。三十四年度分でなくてもかまいませんが、もし、そういう資料があったら、一つ施行率ですね、公共事業の、っ文教関係が主でしょうから、それとの対比を示していただけませんか。
  71. 奥野誠亮

    政府委員(奥野誠亮君) 全地方団体の負担ということでございますと、比較を資料として提出いたします。
  72. 安田敏雄

    安田敏雄君 ちょっと資料の点で。河川局長、この三千六百五十億の内訳ですが、河川費、砂防費、ダム、どのくらいになっているのですか。
  73. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) この表で御承知いただきますように、前期の五カ年計画の総ワクは三千六百五十億でございますが、注に書いてございますように、河川砂防ダムに幾ら充てるかということは、現在立案中でございまして、各府県、各地建等の計画の検討を待って、この内訳をきめて参りたいということでございます。今までの五ヵ年計画なりにおきましては、その内訳がございましたけれども、ワクが変動がございましたので、その点につきまして、再検討をいたしておる最中でございます。
  74. 内村清次

    内村清次君 それは、やはり委員会に出ますね、資料として。決定しましたならば。——閣議決定前ですからね、これは。
  75. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) もちろん、数字が固まって参りますれば、各省とも、いろいろ話し合いをいたしますが、その各省との話し合い等が済みました上におきましては、お話を申し上げたいというふうに考えております。
  76. 内村清次

    内村清次君 それは、閣議決定前でしょう。閣議決定前ですね。
  77. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 閣議決定前に、私どもはお話を申し上げたいと思っております。
  78. 安田敏雄

    安田敏雄君 この計画書を見て参りますと、残事業のうちの河川費が六千百八十億に対して、ことし二百七十億予算としてあるわけです。予算書を見ますと、砂防費については三千五日九億のうち八十四億、ダム賞は千三百八十一億の残事業に対して、百四十五億なんです。その残事業の中から引きますと、砂防費だけが、特に低いわけなんですね。非常に低いわけなんです。こういう点が、さっき砂防を強化するといいながら、内村委員の質問に答えて、まあ、やっていくんだといいながらも、特に低いので、私は、そういう点をお聞きしたいと思いまして今の資料の内訳を聞いたわけです。
  79. 山本三郎

    政府委員山本三郎君) 河川の六千百八十億に対しまして、三十五年度の予算は、今、先生がおっしゃった通りでございますが、事業量といたしましては三百二十五億、砂防に対しまして百九億五千五百万、ダムが百三十四億、機械が十一億ということでございます。それらの伸び率は、砂防におきましては三四%、ダムにおきましては一八%、河川におきましては三八%でございますが、ダム伸び率は一八%でございますのに、砂防は三四%ということになっております。河川の分は、二八%と伸びておりますが、これは、しばしば御説明申し上げましたと思いますが、これを特に高潮対策——東京、大阪等の河川の堤防の増強を来年度は企図いたしておりますので、国費の伸びる割合に事業費が伸びております。これは、東京、大阪などの点につきましては、補助率が低いものですから、国費の入れた割合に非常に事業量が伸びておりますので、こういう結果になっております。従いまして、ダム等に比べますと、砂防は伸びておる。川は、高潮対策等で既定の計画を促進するという事業が、来年度は非常に取り上げられておりますので、伸び率が比較的いいというのが実情でございます。
  80. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 本日の審査は、この程度にとどめまして、次回は、三月二十八日午後一時から開会いたします。それでは、これで散会をいたします。    午後零時五十二分散会    —————・—————