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1960-02-18 第34回国会 参議院 建設委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月十八日(木曜日)    午前十時二十三分開会  出席者は左の通り。    委員長     岩沢 忠恭君    理事            稲浦 鹿藏君            松野 孝一君            武藤 常介君            田中  一君    委員            小山邦太郎君            櫻井 三郎君            田中 清一君            米田 正文君            内村 清次君            武内 五郎君            永岡 光治君            安田 敏雄君            田上 松衞君            小平 芳平君            村上 義一君            野坂 参三君   国務大臣    建 設 大 臣 村上  勇君   政府委員    首都圏整備委員    会事務局長   樺山 俊夫君    北海道開発庁総    務監理官    木村 三男君    北海道開発庁主    幹       佐藤 健司君    建設政務次官  大沢 雄一君    建設大臣官房長 鬼丸 勝之君    建設省計画局長 関盛 吉雄君    建設省河川局長 山本 三郎君    建設省道路局長 佐藤 寛政君    建設省住宅局長 稗田  治君    建設省営繕局長 桜井 良雄君   事務局側    常任委員会専門    員       武井  篤君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○建設事業並びに建設計画に関する  調査  (昭和三十五年度及び昭和三十四年  度補正建設省関係予算に関する件)   —————————————
  2. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  本日は建設事業並びに建設計画に関する調査といたしまして、昭和三十五年度及び昭和三十四年度第三次補正建設省関係予算を議題といたします。  前回までに予算大綱及び予算内訳につきまして説明を聴取いたしておりますので、本日は関係予算を中心として、国土保全及び災害復旧対策等建設行政基本方針について質疑を行ないたいと存じますが、予算委員会関係から大臣に対する質疑あとに譲り、最初にまず住宅局関係から質疑を行ないたいと思います。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 田中一

    田中一君 三十五年度で第三次三カ年計画が終了することになっておりますけれども、公営住宅で三十五年度計画で第三次三カ年計画が完成される率というものはどうなっておりますか。残存するものがあるかないかということと、それからそれが計画に満たないものがあったのはどういう理由であるか。それから本年度計画は完全に遂行し得るかどうか。三十六年度以降法律にきめられておる三カ年計画というものについて、再度というか引き続き国会承認を求めるような準備をしてあるかどうか、あるいは三カ年計画というものは実情に沿わないから、もう少し長期計画に持っていこうとする考え方があるかどうか、それを一つ
  4. 稗田治

    政府委員稗田治君) 公営住宅建設の三カ年計画達成率の問題でございまするが、ちょうど三十五年度は第三期三カ年計画最終年度でございます。第三期の公営住宅の三カ年計画計画戸数は、総戸数で十五万七千戸ということに相なっているわけでございます。それで三十三年度に約四万七千、三十四年度に四万八千戸、これは四万九千戸でございましたけれども災害関係補正をいたしまして、詳しく申しますと四万八千十七戸に補正をされたわけでございます。それで三十五年度公営住宅は四万九千戸でございますけれども、従来から公営住宅のワク内でやっておりました、不良住宅地区改良住宅建設戸数が、三十五年度別建てになりましたけれども、従来の経緯からかんがみまして、一応これは国庫補助住宅であるというので二千戸その分を加えますると、三十五年度計画戸数というのは五万一千戸になるわけでございます。総計いたしまして十四万六千七十九戸ということになるわけでございます。これの十五万七千戸に対する達成率を申し上げますというと九三%ということになるわけでございます。第一期の公営住宅の三カ年計画達成率が六九%でございます。第二期の計画は九二%でございます。第三期のが九三%、ほぼ第二期より若干達成率が高められたというだけでございますが、計画戸数としてはそういうようなことになるわけでございます。  このほかに、実は災害公営住宅というのがございまして、これで本年度三十五年度におきましては、三千八百六十九戸別に災害公営住宅がございます。それから三十四年度災害公営住宅は五千三百戸程度でございます。そういうようなことでございますので、一応このほかに九千戸余の公営住宅建設があるわけでございます。第三期三カ年計画達成率が、一般公営住宅として百パーセントにならなかったのは、主として昨年度の大災害のために、とにかく罹災者に対する災害対策をまず十分にしなければならぬというような趣旨から、災害公営住宅につきまして今申し上げましたように、九千余戸の予算を三カ年の間に組んでおるわけでございます。そういうようなことで遺憾ながら九三%ということになっておるわけでございます。  それからこの三十五年度計画戸数が十分実施できる態勢になっておるかどうかというお尋ねでございますが、ただいまのわれわれの見通しでは十分これは消化できるという見通しを持っておるわけでございます。なおまたそういうように懸命に努力をいたすつもりでございます。  最後に、今後公営住宅の三十六年度起点とする三カ年計画というものが立てられるわけでございますけれども、公営住宅法にございますように、一応三カ年ごとに計画戸数国会承認を得て定めることになっておりますので、第四期の三カ年計画というものも、当然立てることに相なるかと思います。ただ一応住宅不足戸数を解消する長期計画というものにつきましては、従来三十二年度起点といたしまして、おおむね五カ年間でほぼ安定した状態に持っていくということを目当てに今日まで進んで参ったわけでございますけれども、ちょうど三十六年はその従来の五カ年計画最終年度になるわけでございます。しかしながら従来の住宅不足戸数のとらえ方が、たとえば狭小過密というような事項につきましては、一戸九畳未満、一人当たり二・五畳未満といったような、非常に終戦後における緊迫した住宅事情のもとにとらえられました過密居住標準でございますので、今後だんだんと国力も伸張して参りますので、そういった住宅なり世帯の捕捉の仕方におきまして、若干やはり国力の伸張とともに、もう少し高い標準を採用しなければならぬのではないかと、そういうように考えておるわけでございます。従いまして三十五年度起点といたすか、また三十六年度起点といたすか、その辺はまだ明確に定まっておりませんけれども、住宅対策長期計画というものを、従来の五カ年計画にかわって立てられる時期が、もうきているというふうにわれわれは考えているわけでございます。
  5. 田中一

    田中一君 今局長が言っておるように、経済企画庁が発表している計画と、住宅局が作っているところの三カ年計画とは、期間的に違いがあるわけです。従って民間自力建設なんという数字の根拠というものは非常に不明確なんですね。でわれわれはどこまでも予算上の範囲ということになっておりますけれども、策定した三カ年計画は完遂するというのが前提で、国会としては承認を与えてあるわけなんです。ところが今説明のように第一次において六九%、第三次が九二%、第三次が九三%というような進捗度ではもう不十分なわけなんです。そこでこれは予算範囲ということになっておりますけれども、やはり経済企画庁が持つ数字とあなた方が持つ数字とは、その年度要求というものをともに策定するような方法をとれば、こういう常に不十分な結果に終わるということがなくなるのじゃないかと思うのです。これは一つ大臣が来たら大臣に聞いてみますけれども。  そこでこの公営住宅法の五条の三にある耐火性能のあるものに努力しなければならぬということになっているのです。第一次から始まって耐火性能というものに進んでいった度合と、それから三十五年度考えたところの四万九千戸プラス二千戸というものの耐火性能比率はどうなっておりますか。それは一つ、第一次から第二次、それから第三次、全部集めたものと、三十五年度比率を示していただきたい。
  6. 稗田治

    政府委員稗田治君) 不燃率の上昇の点につきましては、三十五年度におきましても十分考慮をいたしたわけでございます。それで三十五年度計画といたしましては、木造以外の構造の占める割合は、改良住宅公営住宅と合わせまして五万一千戸の中に、不燃構造が占める割合は五三・九%ということになるわけでございます。これは三十四年度におきましては五〇・四%であったわけであります。なお、そういうように毎年若干ずつ木造の占める戸数を減らして参っておりますが、第一期計画から第三期の三カ年計画になるまでの推移につきましては、資料を提出いたしたいと思います。
  7. 田中一

    田中一君 計画局では今度法律案を提出するための準備をしているように聞いておりますけれども、道路を拡幅するために、土地区画整理法によらないで、名前は何とつけるか存じませんが、部分的な区画整理を行なおうというような計画のもとに、いわゆる建築物を作ろうというような考え方に立って、今検討中だと聞いております。そこでこの関係については十分省としては大綱はまとまって、お互いの局において了解づくでやっていることなんですか。それともまだ計画局だけで検討している段階なのですか。そしてこれはできるものならどこまでも店舗、事務所または住宅を持とうというところにねらいがあるように伺っておるのですが、その点は住宅局長としてはどういうような理解の上に立っておるのですか。
  8. 稗田治

    政府委員稗田治君) 計画局の方で都市施設整備に伴う都市改造法案につきましていろいろ案を練っておるわけでございますが、これはもちろん住宅局とよく打ち合わせをしてやっておるわけでございます。従いまして、住宅局の方でただいま準備しておる住宅地区改良法案とも競合するところはないように省内で整理をしてございます。  なお、その道路の拡幅に伴います背後地建築物の建てかえ等につきましては、住宅局といたしましては、中高層の耐火建築物に対する金融公庫の融資であるとか、あるいは公団住宅施設付き住宅であるとか、また場合によりましては住宅金融公庫賃貸住宅制度であるとか、そういうようなあらゆる適合する建物事業によりまして今後協力して参りたいというように考えておりますし
  9. 田中一

    田中一君 関盛君に伺いますが、今度の事業建築物をその事業主体が建てるということになっておるのか。しいていうならば、事業主体が国である場合に一応建てるものは国の財産にならざるを得ないですね。そしてそういう形でいくと、その上に公営住宅というものを東京都がやる場合には、公営住宅に乗せることも考えられますし、あるいは隣地へ住宅公団で家を建てることもできますけれども、所管としてはやはりそういうものは住宅局所管になるべきものだと考えておるのですが、どの程度までのものを建てるということになっておるのですか。
  10. 関盛吉雄

    政府委員関盛吉雄君) ただいま御質問の要点は、数回前の委員会で若干御披露申し上げました、いわゆる道路等公共施設整備等に伴って行ないまする、市街地改造に関する立法の内容についての御質問でございますが、この法律の作成につきましては目下準備を進めておりまして、かなりのところまで検討を進めておりますが、目下のところで考えております構想は、ただいまお話の出ましたように、現行都市計画法によります、いわゆる超過収用制度都市計画法の十六条の一項に定めております都市計画施設、たとえば道路で申しますと、その道路整備はもとより都市計画事業として行なうのでございますが、その付近土地につきましていわゆる建築敷地造成に必要なるものの整備をはかる、これが一つのねらいでございます。実際の形といたしましては、路線のいわゆる線に沿いました区域に当たる、実質上の区画整理みたいな形になろうかと思いますが、そこでそれを実施いたします場合には、まず特定の条件を持ちました、法律で定める地域につきまして、都市計画としての決定を行ないまして、その決定の中には、考え方といたしまして、いわゆる街路事業として決定する部分と、それから市街地改造地区として地区決定をする部分と、この二つの立て方が原則として考えられます。さらにその市街地を作る部分につきましては、いわゆる市街地改造事業というものを新たに起こす、こういう法律的な立て方になりまして、既存の権利関係を、一応公共用地プラスその付近地事業主体がいわゆる買収する。こういう立て方でございます。従ってその買収された公共用地道路事業として整備をする。しかし、また住宅用地建築敷地として造成されました所には、事業主体は、いわゆる建築物整備事業というものを起こすという考えであることを申し上げましたが、その陰におきまして、その事業主体行政庁でありましたり、あるいは地方公共団体でありましたり、あるいは住宅公団、こういうふうな形になります。行政庁以外のものが行なう場合には、都市計画法建前から、特許という形で実施するのでございまして、その間におきまして市街地街路にふさわしい建築物というものを造成する、こういう考え方になっております。事業主体の点につきましての構想のあらましを申し上げた次第であります。
  11. 田中一

    田中一君 そこでその問題と、今度二千戸予算に計上してある不良住宅地区改良法に基づく戸数というものとは関連があるのですか。
  12. 稗田治

    政府委員稗田治君) 不良住宅地区改良事業の方は、不良住宅が集団しておる区画を取り上げまして、それを健全な住宅団地に建てかえていく事業でございます。実際問題といたしましては、現在不良住宅地区とわれわれが対象に取り上げようとして考えております所の居住者の収入というものは、非常に低い階層でございますので、それで三分の二の国庫補助住宅建設して、もとの居住者希望者を収容するという立て方になっておるのでございます。従いまして、ほとんど大部分対象の所におきましては、直接今の都市公共施設整備に関する事業とは関係する所が少ないではないかというように考えております。
  13. 田中一

    田中一君 そうするとどういう所を考えておるのですか、現在二千戸の配分は。
  14. 稗田治

    政府委員稗田治君) 二千戸の配分につきましては、ただいま事業主体の方のいろいろ要望をとりまして打ち合わせ中でございますけれども、二千戸のうち約千百戸程度同和関係地区に振りむけたい、こういうように考えております。この同和関係地区におきましては必ずしも都市計画区域内ということには相なっておらないわけでございます。個々の取り上げる地区につきましては、ただいま事業主体要望等を集めて打ち合わせ中でございますので、まだ個々決定はいたしてございません。
  15. 田中一

    田中一君 二千戸のうち千百戸を同和関係地区に持ってきたならあとの九百戸はどうする。
  16. 稗田治

    政府委員稗田治君) あとの九百戸は一般スラムの所に当てるわけでございます。御承知のように建設されておる客観的な情勢から申しますと、同じような種類の地区でございますけれども、御案内のごとく同和と称する関係は大体関東から以西の方の所で、そういう呼び方で区別されておる所はほかにはあまりないわけでございます。同じような状態でございますけれども、東北の方には同和という問題は提起されていないわけでございます。従いまして、そういった一般民間住宅で住環境が著しく劣悪な状況になっておる所を取り上げるわけでございますが、なお、そのほかに終戦後の経過的に発生いたしました特異現象といたしまして、戦前に考えておりました不良住宅地区と呼ばれるものとは別個に、非常に悲惨な住まい方をしておる建物があるわけでございます。たとえば軍の施設等戦災者引揚者等を一時収容したというようなことで、戦後においてはやむを得なかったことと思いますけれども、今われわれが拝見いたしますれば、非常に悲惨な状態の住まい方をしておる者がございます。そういうものと、また応急劣等住宅等住宅営団等が簡易な住宅を相当団地建設いたした個所がございますが、これなどは建物配置状況は一応隣棟間隔も十分とっておるわけでございますが、建物が老朽いたしましてなお住宅設備も十分でございませんので、これまた悲惨な状態になっておるわけでございます。そういうような個所を選びましてこの九百戸を一応当てるつもりでございます。
  17. 田中一

    田中一君 これは一つ大沢政務次官に言いますが、大臣がくれば大臣質問しておきたいのですが、言葉が出るからあえて申しますと、同和とか何とかという言葉はあってはならないわけです。どうも常に説明をするときに、同和地区とか何とかいう言葉を使っておる、私はあえて内容説明は求めませんけれども、少なくとも国会でそういう不良住宅地区配分については、どの地区スラム街でどの地区同和関係地区だなんということは言っちゃならぬと思うのです。ここで私はそういう同和とは何かいうことを議事録に残したくないからあえて質問しません。しませんけれども今後そういう言葉を使うかどうかという点についてはっきりと声明していただきたい。なぜそういう言葉を使うのですか。議事録にそういうものを残したくないからあえて質問しませんけれども、そういう言葉は今後使わないと約束なさい。
  18. 稗田治

    政府委員稗田治君) その用語につきましては由来するところ非常に微妙なところがあるかと思うのでございますけれども、内閣同和閣僚懇談会というようなものもございますし、また同和対策協議会というものが内閣に設けられておりまして関係閣僚が相寄りまして、その対策につきまして各省それぞれ分担するところを受け持つようにということで進めておったわけでございます。従いまして一応そういった言葉を使わざるを得なかったわけでございます。
  19. 田中一

    田中一君 これは局長は、そういう何というか閣僚懇談会とか、そういう命令を受けておればそういう言葉を使うことはよろしいけれども、政府としてはどういうお考えを持っておりますか、大沢政務次官
  20. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) 田中委員の御質疑の御趣旨につきましては全く同感でございます。先生の御質疑趣旨に沿いまして政府といたしましても、またその下にありまする建設省といたしましても用語の端に至るまで、十分にその御精神に従ってやらなければならぬということは重々承知いたしております次第であります。現在の段階におきましては一日も早くかようなまことに悲しむべき現状を解消しなければなりませんのでございまするが、そのためのいろいろな努力施策といたしまして、便宜のためにさような言葉を使っておる場合がなお過渡期としてございますので、今政府委員からもその話が出たわけでございますが、今後私どもも努めてそのようなことの実態をなくすることはもとよりでございまするが、そういう言葉を使わずに済むように注意していかなければならぬと考えておる次第であります。
  21. 田中一

    田中一君 これは一つ政務次官から大臣にも進言なさって、そうして閣議で、その用語に対しては、そういう小学校の生徒に何だと私が聞かれても、説明し得るような用語を使うことを、閣議で主張していただきたいということを建設大臣にお伝え願いたいと思います。小学校の子供に聞かれても答弁ができません、そういうことは。  で、不良住宅地区を増大あるいは育成している同じ大臣がいるのです。不良住宅地区を一生懸命作っているわけです。これはむろん住宅局には非常に関係が深いのですが、御承知のように災害応急住宅です。これは現在の法律では、二カ年たてばその人間に売れるということになっておる。従って、ちょうど思い出しますと、四、五年前新潟の大火のときに私は直ちに行って、そうして七十戸、八十戸程度のものでありましたけれども、この応急住宅は、当時法律は一年でした、絶対に市長並びに知事は、公営住宅を作った場合には、この応急住宅居住者を優先的に入れるような措置をとれ、こういう要求をしておりまして、昨年の十一月に行ったときには、まっ先に、知事市長も初めっからそういう計画でございましたから、ごらんの通りきれいになっておりますという報告を私は受けたものです。しかし今度の災害で、相当戸数も多くの戸数が各地に建設されておる。二年たって売れば、これは居住者に売ってしまう。宅地の問題はこれは別に考えましても、少なくともスラム化するような応急住宅罹災者に提供しているという事実は、これはスラム化を促進させるということにすぎないのです。この点はどういうように……、不良住宅地区というものの清掃費が昨年からとれ、そうして本年度予算でようやく二千戸というものが持たれるようになった反面において、スラム街を助成するような施策を厚生省はとっておる。むろんこれには、地方地方行政、県なり市なりがこれに対して妥当なる準備とそれから心がまえを持たぬから起こる問題でありましょうけれども、これについては一体どういうような考え方を持っておるか。これは厚生大臣所管だからおれは知らないのだ、ということだけでは済まないわけなんです。現在こうして二千戸でも、スラム街をよくしようというような意図が、実行に移っておるという段階においては、その点の調整は十分に行なわれて建設されるものと考えておる。従って、これはどういう心がまえか。これは住宅局長に聞くべきかあるいは政務次官に聞くべきかは……、(「ちょっと関連一つあるのだが」と呼ぶ者あり)ちょっとお待ち下さい、発言中です。政務次官一つ答弁願いたいと思う。そうして、今日までどういう話し合いのもとにこれが進んでいるか。
  22. 稗田治

    政府委員稗田治君) 災害の場合の災害救助法に基づきます応急仮設住宅につきましては、われわれといたしましては、仮設住宅であるという建前政府といたしましては指示いたしておるわけでございます。ただいま御指摘のございましたように、従来災害救助法に基づく応急仮設住宅が若干恒久的に使用されたと、従いまして、御指摘のような事実が発生いたしましたことにつきましては、われわれも十分承知しておるわけでございます。その後各災害の発生いたしました場合に、事業主体ともよく打ち合わせをいたしまして、少なくとも市街地に集団的に建設されます応急仮設住宅につきましては、これは仮設であるという趣旨を貫くように指導して参っておるわけでございます。従いまして、災害公営住宅等建設は、若干竣工の時期がおくれるわけでございますけれども、できる限り、そういう災害公営住宅であるとかあるいは他の公営住宅のあき屋になったもの、そういう所に優先的に収容いたしまして、集団的に建てられました災害救助法関係応急仮設住宅につきましては、これを撤去させるように指導して参っておるわけでございます。たとえば魚津の大火等におきまして作りました仮設住宅は全部ただいま撤去されてございます。そういうように、市街地に建ちます集団的な応急仮設住宅は、十五号台風の後におきましても、名古屋市等で建設いたしました分につきましては、名古屋市はもちろんこれは仮設ということで払い下げ等をいたさずに、時期がきますれば撤去するという方針事業をやつておるわけでございます。  ただ、災害の場合に、風水害等となりますと、相当僻間の山村地域にも災害応急仮設住宅建設されるわけでございます。そういうようなものにつきまして、若干居住者に譲渡されるというような事例は、必ずしも今日の状態におきましても皆無とは申せないと思うのでございますけれども、これは一戸一戸山村にばらばらに建っておる形のものでございますので、不良住宅地区といったような一団地になる、非常に環境が不良で不健康な住宅地帯が出現するというような形にはなっておらないわけでございます。
  23. 田中一

    田中一君 このそれらに居住する人たちは、比較的身寄りも少ない、資産も持たない、そういう方々が多いわけです。そこで、一つの事例を調べてみると大体家賃を取らずに当然貸しているわけですね。そうして低家賃な公営住宅を作ってもそれにすら移転することができないという、家賃の負担力がないという階層が多い。あるいは生活補助を受けている階層が最後までやむを得ず、スラム街というか応急住宅にとどまっておる。これはまあ住宅局長からいえば、それは自分たちに許されている範囲住宅政策ではございません、それは別途厚生大臣所管すべき━━生活の面はですね━━でございますということを言うかしらぬが、そういうような施策がまだどの地方公共団体にもこれは持たれておらぬわけです。このスラム化された地区に居住している諸君を、どういうふうな家賃負担でそれに移住させることができるか、また移住させようとするのか。何か考えておるのですか。たとえば今度の二千戸の不良住宅地区の移転にしても、居住する権利というものを与えるのか、優先権ですね。またその優先権というものが売買できるのかどうか。これは非常にむずかしい問題なんです。そういう点が解決されないと、ただ単にその土地を清掃して今までよりもいい環境にし、またいい家に居住させるからといったところが、動けない者がある、これが実情です。そういう対策はどうなっておるのです。
  24. 稗田治

    政府委員稗田治君) お説のようにこの不良住宅地区に該当いたします所に居住しております方々は、非常に低額所得者でございます。従いまして、その住居費の負担能力というものは十分考えなければならないわけでございます。ただ、従来からワクを別にはいたしておりませんけれども、三十四年度におきましても、千五百戸程度第二種公営住宅の一部をさきまして、この地区改良事業は進めておるわけでございます。そういうような事業主体におきましては、御承知のように公営住宅の家賃と申しますのは法律、政令等に規定されてございますけれども、これは最高限度を押えておるわけでございます。従いまして、事業主体の方でそれぞれの居住者にふさわしいところまで減額をして入居させておるのが実情でございます。なお、この地区にもとから住んでおった方が改良事業を行ないます場合に、われわれ現在考えておる段階では、一応事業を進めます場合に、改良地区の指定という段階がございますが、そういうときに入居希望者を登録する、入居希望者戸数だけは三分の二の国庫補助改良住宅建設するというように考えておるわけでございます。従いまして、これの入居の資格を、権利を売買するというようなことについてはわれわれは考えていないわけでございます。おそらく現在住んでおる改良地区内の方々は、現状から考えますと、全戸数とも改良住宅の入居を希望すると考えておりますけれども、まあ場合によればこの際第一種公営住宅に移りたいというような方もあるのではないか。従いまして必要な戸数だけは建設いたそうというわけで、改良地区に住んでおります居住者の中から希望をとりまして、その希望の戸数は全部建てるという考え方でございます。
  25. 田中清一

    田中清一君 建築に関連しておりますから一言お聞きしておきたいと思います。今後、縦貫高速自動車道というようなものが全国的にできていくことに法律できまっておりますが、都市においてはハイウェイともなれば幅が大体二十三メートルははっきり自動車の道としてあるわけです。それからいろいろなものを出すとどうしても二十五メートルないし三十メートルくらいの幅をとって、そして少なくともその道の下が八メートルくらいのものができなければ立体交差はできない。こういうようなことになると、この間の下のスペースというものは莫大なものになりまして、これはおそらくそれには映画館もできるほどのものもできましょう、ガレージにもなりましょう、商店にもなれば問屋にもなりましょうが、おそらく各種のものに使えるものになるのですが、おそらくそれに対しての建設資金というものは、住宅といったような建築とのパーセンテージはどういったことになっておるものでございましょうか。それを一つだけお聞きしたい、
  26. 稗田治

    政府委員稗田治君) 高速自動車道路等の高架の下を利用いたしまして、これを建築に使用する場合のことでございますが、われわれといたしましては、そういったガードの下に住宅ができるというようなことは、これは住居の水準からいってそう好ましいものではないというように考えております。ただあるいは倉庫であるとか場合によれば映画館であるとか、そういうものとして利用できる個所があるのではないか、その場合に建設の単価はどうなるかということでございますが、一応主要構造物として荷をささえておるものは、すでに道路の高架としてできておりますので、それを仕切ります間仕切りであるとか、あるいは二階を設けますればその二階を作る床の費用であるとか、そういうような費用が単価の中には入ってくると思います。しかしまたそういった高架の所有者の、何と申しますか、地代と申しますか使用権などの関係がございますので、その持ち分はどういうように配分したらよろしいかというような点につきましては、まだ私十分検討いたしておりませんので、ただいまの段階ではちょっとお答えいたしかねるわけでございます。
  27. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) ちょっと速記をとめて、    〔速記中止〕
  28. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 速記を起こして下さい。  ただいま大臣が見えましたので、時間の許す限り大臣に対する関係予算の総括質問を行ないたいと存じます。大体時間は約一時間ぐらいの予定でございます。御質疑のある方は順次御発言を願います。
  29. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 要点だけ質問申し上げますけれども、質問に入る前に、実は私は建設部会の方へ入りましてからいろいろの問題があるわけですが、まず第一に建設省予算は非常に大きいわけでございますから、これについて予算執行上請負業者というようなものの間の関係もいろいろあるわけです。そこで建設委員をしておって、国内における請負業者の名前もよく知らぬというようなことでは非常にわれわれとしても恥かしいわけでございます。従って現在建設省に登録されておるところの請負業者、建設業者の社名といいますか、事業名を知りたいとこう思うわけです。その中で、特にA級とかB級とかC級とかD級とかたくさんあろうかと思うのでございますが、そういうような建設省当局で序列があろうかと思うのでございますが、それについて一つ、これは後ほどでいいですが、資料を出していただきたいと思います。  それから一カ年というと大へんでございましょうけれども、最近におけるところの一カ年でも二カ年でもけっこうですが、昨年度あるいは一昨年度ぐらいにわたるところのこれらの業者が、道路、河川、住宅等において請け負いました事業量等がありましたならば、件数と事業量とを御調査して資料としてお願いしたいと思うのでございます。  なおこれは私の想像かもわかりませんけれども、一つの工事をかりに金額一億円なら一億円という工事を入札した場合に、その際指名入札を行なった際に、大体八〇%か九〇%か落札ということになりますが、これらの見積金額とその差額等については、大体どの程度について建設省では慣例としてこれを取り扱っておるかという問題、さらにその際落札と見積金額との間に開きがあった場合において、その残りの、かりに一億円のものを九千万円で落札したというような場合には、一千万円の金というものはどういうように処理されておるかと、こういうような問題を一つ冒頭にお聞きしたいと思うわけでございます。
  30. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) お尋ねのうちます資料の関係についてお答えいたしますと、現在建設業法によりまして登録を受けておりまする建設業者は約七万二千人ございます。そのうち約三千名ちょっと欠けますものが建設大臣の登録業者に和なっております。従いまして大部分地方の都道府県知事の登録を受けておる業者であるということでございます。  そこで先ほどお尋ねのこれら業者の工事の受注高の金額でありますとか、あるいは件数等につきましては、都道府県知事登録の業者につきましては膨大な業者の数でございますし、ちょっと私どもの方で最近の資料がまとまってないかと思います。大臣登録の業者につきましては、中央建設業審議会に諮問いたしまして、実はそれらの大臣登録業者の、客観的要素という言葉を使っておりますが、資本金でありますとか工事受注高の実績、技術者の数とか、あるいは建設機械の保有量というようなものを調査いたしまして、一応順番にランクをつけたものがございます。これは一般には公表いたしておりませんので、発注者のおもな方々に御参考に供するという趣旨で、そのつど申し出に応じてお見せをしておるという状況でございますので、特に御要望がございますので、先生にはこの分につきましてはごらんいただいてけっこうだと思います。  それから予定価格、見積価格等と落札価格の開きの問題でございまするが、実は先生も御案内のごとく、現在入札制度におきましては、いわゆるロアー・リミットと称しておりますが、最低落札価格を規定するという制度をとっておりません。従いまして個々のケースによりましては、予定価格よりも相当下回る落札があるわけでございますが、どの程度の開きがあるかということを実は一々調査いたしておりませんし、また実は予定価格というものは秘密にいたしておりますので、まああまりこれを調査いたしましてそういう水準が明らかになるということは、好ましくないのじゃないかというふうに考えておりますので、この辺につきましては調査もいたしておりませんし、私からこの際申し上げかねる次第でございます。  なお落札価格が予定価格よりも相当下回っておりまして、それだけ工事費等が減るという場合には、これはもちろん勝手に余りました金を自由に使わせるわけではございませんので、他の事業費に振りかえ流用いたしましたりいたしまして、使用さしております。
  31. 田中一

    田中一君 昭和二十六年に中央建設業審議会、あそこでロアー・リミットの問題、二割程度のもの以下のものは落札価格にしないようにというような意味の通牒を出していると思うのです。通牒というか、正式な通牒かどうか知らんよ、少なくとも地方公共団体に対してはそういう意味の、契約約款と一緒に出しているわけなんで、国だけが今の問題、安田君の質問ですねをしていないというような実情、同時に国というけれども、国以外の、国以外というのはたとえば国鉄なんかやっております、それは非常に今の質問に対しては、もう少し歴史的に現実こうなっているのだという説明をしなければ、これは不親切だと思うのだ。地方公共団体はどうしてやっているか、それから中央では特に建設省ではこうしてやっているならこうしてやっている、ということを言わなくちゃいかんと思う。ちょっと不親切ですよ。特にこの問題はこの国会中に大蔵省は会計法の一部改正で出すと言っているから、出すと思う。それはちょっと今官房長の説明は不十分であり不親切であると思うから、もう一ぺん詳しく、あなたお知りにならなければ答弁を保留して、あとにもってくるのもいいが、━━僕が説明するのが一番いいかもしれないけれども説明しません、政府委員じゃないから。
  32. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) ロアー・リミットの制限の問題につきましては、昭和二十六年だったと思いますが、中央建設業審議会にも検討いたしました結果がございまして、当時建設省におきましても検討いたしまして、一応予定価格の八割という線で考えるという案も作られたことがございます。なお国会におかれましても御検討いただいた案も出ましたが、その後いろいろ検討いたしました結果、一律に八割というようなことで制限することは、実際問題として妥当を欠くのではないかということと、ただいま田中先生からもお話のありましたように、国の発注する工事が直接的に問題になっているわけでございますから、これにつきましては会計法上の問題でもあるということで、その後大蔵省が中心になって検討いたしておりまして、大蔵省当局も事務的には、最近は一律の線を引いてロアー・リミットの制度を樹立するということは適当でない。むろん非常に安い価格で落札された場合に、そのことによって工事が適正に履行されないというおそれがある場合に、その最低価格を退けるというような制限の仕方がいいだろう、そのためには適当な責任者をもって組織した審査会のようなものを設けて、審査した結果によってそういう制限をいたすべきではないか、というような案を考えておりますが、しかしなお根本的に公契約上の問題として、ほかの契約上のいろいろな問題もあわせて検討すべきであるという意見になっておりまして、最近も大蔵省当局と相談をいたしたのでございまするけれども、本国会に提案できるかどうか、まだ見通しはついておらぬ状況でございます。なお田中先生もちょっと御指摘でございましたが、地方公共団体におきましては、大体過半数の府県が実際は最低価格の制限を行なっております。そういう状況でございます。
  33. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 今の答弁の中でもう一へんお聞きしたいのですが、工事設計額はそれは予算額になるわけですね。そうしますと、その予算額に対してどのくらいで落札すればいいか、建設省の見積額があると、その見積額をどのくらい下回ってもその工事を請け負わせるということになるわけなんですか。下回った場合には著しく工事の内容が悪くなるというおそれもあるわけなんです。ですからそういうような問題がどうも私にはよくわからぬわけですが、設計額に対して入札したところで、これこれの見積りをするんだという一つの水準がある、それをはるかに下回るような工事を請け負わせるところに、災害が再度発生するという問題も出てくるわけなんです。こういうような問題がどうもよくわからぬですが、そこら辺のところの説明をもう一ぺんお聞きしたいと思います。  それからかりにそういうようなことで、建設省事業費が別に余るわけなんです。余ったときに、それは建設省の執行上の中で、独自の立場で予算流用をするというような先ほどのお話でしたが、ただいま大蔵省との関係で、これからその成案を得るというようなお話でございますが、従来はそういう予算流用は、建設省独自で他の事業に繰り入れてやってきたのか、なおお尋ねいたしておきます。
  34. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) ただいまの安田先生の見積額と申しますのは、結局建設省の予定額ということ、そういうふうに解釈できると思いますが、建設省の予定額がかりに一億の場合に、その予定額でなければいけないということは言えないと思います。建設省の予定額が一億の場合に、入札者の最低が八千万円だったといたしますと、その程度であれば私ども文句なしにできるものというように考えても差しつかえないんじゃないか。もとより指名者の資格あるいは力等は十分これを審査いたした上で指名いたしておりますから、大体建設省の一億の予定見積額に対しては、できれば九千五百万円とか、あるいは九千万と一億くらいの間が入ってくれば一番適正だと思いますけれども、しかし場合によってその請負業者が非常にそこへ向く手持ち資材があったか、あるいはまたその従業員をちょうどそこへ差し向けなければならないような都合等というふうな、その業者の客観的な実情というものが、その仕事を少し勉強しても十分やり得るというような確信のあるものは、あるいは八千万円で入札をするかもしれない。そういう際には、もとよりたとえばどんなに安く請け負おうとも、建設省としてはその設計と監督というものは十分にいたして参るのでありますから、まあ私どもの常識を逸脱してない程度の価格、こういうふうな場合は見積額でなくとも、これに落札するということは差しつかえないと思います。極端に一億の仕事を一千万で入札するというような場合は、これはもう相当これらに対しては協議会を開いて反省を促す、というような方法も考えなければならぬと思います。まあ常識の範囲内でしたら、常識をこえない程度でありましたならば落札させても差しつかえないと思います。
  35. 田中一

    田中一君 関連。どうも一々関連しなければならないほど微妙な答弁をせられるので困るのですが、事実五千万の仕事を一千万円で落札したのがあるのです。今あなた常識をこえない、常識をこえないと言いますけれども、会計法には常識をこえない程度とは書いてない。あるなら教えて下さい。常識をこえない程度なら落札させてよろしいという自主性あるものが法律にはあるかないか。ございません。従ってどうも今の答弁もごまかしの答弁です。会計法上はそういうものございません。しかしながら本人が辞退をした場合には、それは再入札ということはあり得るということはあり得ますけれども、現に櫻井君がいるからよく知っている通り、東富御所の場合でも一万円でだれが入札したか。指名入札という制度があって、公入札なら別でございます。指名入札という制度があって一万円で落札したもの、一万円で入札したものなら一万円でさせればいい。させない。させないのはなぜかというと、今のあなたの見解かもしれませんけれども、そういうことは法律の問題ではない。今の答弁安田君間違えるといけないからもう一度念を押しなさい。
  36. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) それは今田中さんの御意見の通りで、今の法律にはたとえ一億の仕事を十万円、あるいは一万円で入札しても、それは本人のやはり意思があれば、それでやらなければならないということに何ら制限を加えられていないのです。でありますから、今安田さんの御質問を私はちょっと聞き違えたのですが、そういうような見積額と違っていても落札させるかということでしたから、違っていても落札させることに今の法律ではなっております。
  37. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 大体建設省には優秀な技術屋さんがそろっているわけなんです。だから今の資材費だとか、今の社会上公正な支払い賃金などというものは、大体もうきまっているわけです。従ってそれを工時設計見積りしたときに、かりにその工事が一億円になったという場合、その指名入札なりあるいは公入札を受けた場合に、それはその会社の経営、事業関係があるかもしれませんけれども、大体これを五千万円くらいで受けたということになると、しかもそれに請け負わしたということになると、これは常識外の問題になるんじゃないかと思う。もし五千万円が至当でりっぱな工事ができるとするならば、それはおそらく設計見積りに大きな過大評価があったのではないか、過大見積りがあったのじゃないかということになるわけです。ですからどうしてもそういうやたら国民の血税を使うことになるわけですから、一億円なら一億円のものについて、少なくとも二割落ちとか一割五分落ちならこれは常識の問題があるわけなんです、そこに。考えられますけれども、そういうような問題が、また常識的にみて、建設省でこれははっきりした線はないけれども、指名入札の場合でも、この程度ならば落札してもよろしいという、お示しになれないかもしれませんけれども、そういうような点をお聞きしているわけなんでございまして、さっき大臣がおっしゃいましたように、一万円の工賃を千円で受けたとかいうような、これはもう私は答弁にはなっておらぬと思うのです。五千万円が一万円になったにいたしましてもこれはもっと親切に、そういうことはほおかぶりしておってやらせるということじゃなくて、やっぱり建設省関係業者の間におけるところの入札行為が、公正に行われるということが必要ではないか、というような立場からお聞きしているわけであります。
  38. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 今の御質問の一億の仕事が五千万では常識をはずれているじゃないかということはごもっともなんで、しかし一億の工事を五千万で入札いたしましても、これに契約しなければならない、現行法では契約しなければならないことになっておりますので、こういう不安と申しますか、そういう点を除くために何らかの措置を考えなければならないと思っております。ただこれを今八割以上をもって落札者とするかという点につきましては、これまた八割という線をはっきりそこで打ち出しますと、大体の業者が競争の際に、もうその最低は八割だというので、工事費というものを、盗まれるようなことはありませんが、万一それを察知する者があるとすれば、八割の線でいくことは絶対間違いないというので、これは要するに指名競争入札の趣旨にちょっと沿いにくくなるので、そこらの私は線を引く点については、どこらをもって線を引くかということは、ちょっと今ここで申し上げられませんが、私ども今から二十年くらい前、新潟県庁では大体三分の二以下のものは、これは失脚ということを内規できめておったのですか、何かきめておったようであります。従いまして三分の二に達しないものは、たとえ優秀な業者であっても失脚するということ、そこまでくらいに下げておけば、これはあまりそういう極端な三分の二程度に落ちるという人はありませんので、そういうところまで下げていくということも考えられております。いずれにしてもこの問題は非常にめんどうなことでありまして、建設省だけでこれをこうきめていくということも言えないので、まあ関係各省とよく相談いたしまして、今後の問題として早急に一つ何とか私ども善処いたしたいと思っております。
  39. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 この問題はこの程度にとめておきます。  それからもう一つ、これはただいまのような従来の慣行といいますか経過からいきますと、予算計上されました事業費というものは、今までの請負関係によりますと余るわけですね。余ることの方が多いわけです。その余ったやつを先ほど官房長の答弁では、他の事業費へ振りかえるということを言っておるわけです。そうすると、他の事業費というのは、年度当初においては全然計画もされておらぬわけです。あるいはその大蔵省との折衝で足切りになって計画ははっきり載せなかったというものがあったでしょう。それをただ勝手に執行上余ったからといって他の事業費へ流用するということは、これははたして可能なんでしょうかね。そういう点をもう一ぺん、もしそういうものがあったならば、それは何かもっと合理的な会計処理があるものか一つお教え願いたい。
  40. 鬼丸勝之

    政府委員(鬼丸勝之君) 他の事業費と申しますのは、正確に申しますと他の工事という意味でございまして、これはたとえば道路のある区間について二千メーターなら二千メーターの舗装をこの際請け負わしたという場合に、それがお話のように落札価格が予定価格よりもある程度下回って、そこに予算上の執行残ができるということがあるわけですが、その場合にはその道路事業費という大きなワクは認められておりますから、その次の区間の工事にそれを回すということは、これは建設省だけで処理できるわけでございます。事業としては種類は同じだ、同じ個所で他の個所の他の部分に回すということがまず考えられます。それからそういう他の個所に回す余地がない場合には、別の個所に、今度は全然離れた個所道路事業に余ったお金を回すことは大蔵省と協議をいたしましてやっております。  それからまあ費目の種類によりましても、たとえば用地費が余ったという場合にこれを工事費に回す、こういうことも用地の進捗状況からにらみ合わせましてやっておりますが、同じ種類の仕事の中でやり繰りは十分考えられるわけでございますが、そういう意味でございます。
  41. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 そうしますと、その予算額の運用の場合は大蔵省と相談するということはこれはよくわかりますが、その事業の他の工事というものは、たとえば国会なら国会承認を得なくてもいいのですか、その金がその中で間に合えばそういうことは建設省独自でできるのですか。
  42. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 今までのあれとしては、国会の特にその点についての承認を得てやるということはございません。大体河川の剰余金を道路へ持っていく、あるいは住宅へ持っていくとかいうことになりますと、これはまあ非常にちょっと問題が複雑で、それはちょっと不可能だと思うのです。しかし河川の中でも直轄河川とかあるいは中小河川、補助河川等々と分かれておりますが、その同じ種類のものの剰余金については、同種類のものにそれを振り向けていくということは、これはもう大蔵省と相談してそういうことは今までやっておりますし、またでき得ることになっております。
  43. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 残りをですね。
  44. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) その費目々々によって振りかえていくということは、私ども差しつかえないと思っておりますが、ただ大蔵省も大体建設省の設計額に対して、そういう入札差益金というものを天引しまして、一二%といっても向こうは一六・七とかいうようになっておりますから、そんなに余る金というのもないのですが、多少のものはそういうふうな方法をとっております。
  45. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 私は、費目流用とかなんとかいうこともよくわかるわけなんですが、問題はそういう工事請負関係から生じました、かりに剰余金と申し上げます。剰余金が費目流用ということでさらに事業量が拡大するということは、これはいいと思いますけれども、ただ年間そういう工事入札によってどの程度の金が上がって、これからさらにこれだけの建設ができたということが、やはり明確に事後報告でもいいから、やはりわれわれとしても知っておかなければいかぬということ。またそれが将来の請負工事に対するところの一つの重大な判断のもとにもなろうかと考えるから、かような質問を申し上げたわけです。  議題を変えますが、実は最近地方へ参りますと、東京都区内もそうでございますけれども、非常に道路の掘り返し工事が多いわけなんです。これは道路工事だけでなくガスだとか電気だとか、あるいは水道だとか、たくさんの工事が行なわれておるわけなんです。場合によってはつい二、三カ月か六カ月くらい前に道路工事をやったら、もうあとガスの布設工事をやってそれでその舗装を掘り返しておる、こういうような場合も見受けられるし、そのたびに非常にガソリンや時間等に大きなむだが生じるわけです。そればかりでなくて掘り返しが非常に多いために交通事故が頻発しているわけなんです。警察当局でも非常にこれは因っておるわけなんですが、こういうような原因をやはり追及して参りますと、短期間にいろいろの工事をやる、しかもその工事をやる主体の人たちが、ほとんど地方においては県がどこも道路の主体でございますけれども、そういう事業会社や県との間に何らの連絡も何にもない、こういうようなことが非常に大きな原因になっているのではないか、こういうように判断されるわけなんです。そこで実は私は最近まあこれは私は山梨県ですから、山梨県だけの一応昨年度のその掘り返しの件数を調べたところが、全部で四百三十六件ばかりあるわけなんです。その中で道路工事が百九十六くらい、水道が百七十二で、あと橋が三十五、電気・ガスその他が二十の十一というふうにありますが、これは山梨県みたいな所でこのような状態ですから、おそらく経済力の旺盛な他県へ行きますと、はるかにこの数字を上回るのではないか、こういうように判断できるわけなんです。こういうような問題を、これは運輸省にも関係あることでございますけれども、交通費の増にもなりますし、聞くところによりますと、外国あたりでは一ぺん掘り返した道路は二カ年間掘り返せないという法律があるそうでありますけれども、この大きな原因というものをさらに追及しますと、大体工事が冬の間に行なわれる、能率の上がらない冬に行なわれるということが多い。それからもう一つ政府から地方へ行く交付金が年度末に支給されるということが、これは大きな原因になっているのじゃないかということも考えられるわけなんです。こういうふうな問題を一つ考えて、何か都道府県なら都道府県で、そういう横の工事についての連絡をとるような調整機関を設けるとか、あるいは国の方で何かこれについての立法関係考えていくとか、こういうことをしていかないと非常に国民の血税がむだに使われるという面が出るし、交通事故が頻発するという問題があるので、この点について 一つどういう対策をお考えになっておりますか御明示願いたいと思います。
  46. 佐藤寛政

    政府委員佐藤寛政君) 道路事業が年々伸びて増大して参りますにつれて、ただいま御指摘になりましたようなことが残念ながら各地に見えまして、私どもも非常にその点につきましては心配をいたしておる次第でございます。道路を歩きますと、道路工事そのものでも非常に交通のじゃまになるのみならず、道路以外の工事で掘り返し等をしておるということは、御指摘のように私自身もそういう事例を所々に見ておる。実はその点につきましては、道路自体でも実は非常に困るわけでございます。道路自身はできるだけ交通をじゃましないように工事いたしまして、せっかく、工事ができたということになると、それをまたガス・水道・電纜等のために再び繰り返すというようなことがありますと、道路自体せっかく経費をかけて整備いたしたものをまた一部分こわすということになるので、非常に道路自体でも困るわけであります。従いまして、これらにつきましては常にそういう関係の各機関と十分連絡をとりまして、舗装する計画があるならばその前に、当分は再び掘り返さないでいいように、よくガス・水道そういう関係方面と相談いたしてやるということに和なっております。この点につきましては従来、道路関係の係官のいろいろな集まりがありますごとに詳しく、また強くそういうことを指示いたしまして、ただいまでは各県ごとにそうした横の連絡をとりまして、十分そごのない措置をやっていけるという機関ができております。各県ごとにそういう機関ができて連絡をとってやっておるつもりでございます。しかしながら実際問題といたしますと、まだそれではもう十分、非難の余地のない実績が上がっているかというと、必ずしもそこまでいっていない点もございますので、実は私どもといたしましては、新年度におきましては、その点についてはさらにもう一段そういう考えを強化して十分連絡をとった措置をやっていかなければなるまいかと思っております。それからまた東京とか大阪とか大都市のまん中におきましては、そうは申すものの実際問題としてはそういうことはなかなかそううまくはいかない。どうしても必要があって、ある時期に急にせっかくできたものでも掘らなければならぬ、というようなこともときによっては起こらざるを得ない事態もございます。そういうような所では道路のいわゆる埋設物を道路を掘り返して修繕するなり、新たに埋設するというやり方が適当でないのだ、つまりそういう所には、電纜なりガス管みたいなものは、一種の共同的に地下に収容する共同坑のようなものが必要なのではないだろうか、というようなことも考えております。ただいま東京を中心にいたしまして、そういう大都市にはそうした共同坑というようなものを、どういうふうに設置して参るかというような調査費を、実は来年度におきまして若干いただいて、そういう方面も研究をして、しっかり、はっきりした措置をとって参りたい、こういうふうに思っておるわけでございます。なお、いろいろ事業が、ある時期、冬等に集中するというような御指摘もございました。手業計画年度の当初にはっきりいたさないと、やはりそういう打ち合わせが十分にできませんので、その点につきましては、三十四年度年度あたりは年度事業をできるだけ早く確定する、私どもは早期着工と、こう申しまして、新年度になったらすぐ当年度の実施する事業がわかるように早くきめていく。従いまして、年初において早くきめれば、府県におきます財政措置もそれだけ早くなるわけで、できるだけ早く実施の計画をきめていくという措置を三十四年度にはとりましたのでございます。三十五年度にいたしましても同様に早期にそういうことをきめて参る。それから掘り返し、埋設関係の各般の打ち合わせをさらに十分にしていくように心がけたい、こういうように考えておる次第でございます。
  47. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 住宅問題について一つお聞きしますけれども、実は住宅問題ですね、三十二年度から始まりました長期五カ年計画というのですか、これと、それからもう一つは、二十七年度ですか、二十七年度から始まりました第一期、第二期、第三期と分けた三カ年公営住宅建設計画ですね、これは一体どういうように関連をしておるものか、まずちょっと御説明願いたいのですが……。
  48. 稗田治

    政府委員稗田治君) 住宅の五カ年計画ということでございますが、これは三十二年度起点といたしまして、三十六年度まで五カ年間に住宅事情を大よそ安定させようという長期計画でございまして、年々の民間自力建設に、さらに政府施策住宅を加えまして解消しようということでできておるわけでございます。従いまして、公営住宅長期計画に入って参りますのは、政府施策住宅全部が入って参るわけでございます。公営住宅の二十七年から始まりました三カ年計画は、これは公営住宅法に基づきまして具体的に各事業、各府県別に具体的な三カ年間の計画を立てて、それを計画通りに推進していこうというので、もちろん五カ年計画とは関連はあるわけでございますが、その政府施策住宅の一部の公営住宅が分担する戸数計画が立てられてあるわけでございます。なお、長期の五カ年計画でございますが、一昨年の十月に総理府の方におきまして、全国的に住宅事情調査を行なったわけでございます。で、それによりますると、一昨年の十月における住宅の不足戸数は二百十六万戸という推定が出て参るわけでございます。で、従来の五カ年計画の推移から割り出しますると、その同じ時期における住宅の不足の戸数というのは百九十四万戸程度と推定されておったわけでございます。従いまして、約二十二万戸程度計画のズレが出て参っております、全体の不足戸数は。従いまして、本年のこの三月、三十四年度年度末におきましては百六十五万戸くらいになるんじゃないかというように考えておるわけでございます。  そういうように、若干戸数解消におきましてズレが出て参りますのと、それからもう一つは、国民の住宅の水準に対する考え方が戦後とは非常に変わって参りまして、やはり国民の所得の伸びとともに、もう少し規模の増大された住宅の水準というのを求めておりますので、近い将来におきまして、さらにそういった国力の伸張ともにらみ合わせた新しい観点から長期計画というものを立てまして、住宅の水準も引き上げていく必要があろうかというように考えておるわけでございます。
  49. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 公営住宅昭和二十七年から始まりましたところの計画は、ちょうど本年で九年目に当たるわけなんです。で、本年度予算を見ますというと五万一千戸、第一種、第二種で合計作るわけでございます。そういうことが予算に出ておるわけですが、過去の第一期計画を、二十七年から二十九年を見ましても、これは完全に予定通り消化しておりません。まあ第二期の方は九二%ばかり進行しておりますが、ことしこの五万一千戸をそのまま全部建てるにいたしましても、三十三年から始まった第三期計画では九三%ぐらいしか消化されないということになる。九年間の平均は大体八四%なんです。そうするとこの計画は、九年間やったのだが、結局完全にでき上がっておらぬということになるわけです。さらに完了しないままに来年度、三十六年度の第四期分へ入っていくわけなんです。だからここら辺で、完全消化できないとするならば、何かこの計画について再検討する必要があるのではないかというように私としては考えられるわけなんです。九年間もやって完全消化できないものを、さらにそれが来年度ずるずる十年目に入っていくということは、ちょっとどうも了解に苦しむところがあるわけなんですけれども、こういう点について何が一番支障があったかという、完全遂行できなかったということは、何が一番支障があったかということを一つ含めて御答弁をお願いしたいと思うわけです。
  50. 稗田治

    政府委員稗田治君) 御指摘のように、三十五年度国庫補助住宅は五万一千戸でございますので、第三期三カ年計画におきましては、一般国庫補助住宅としましては九三%という達成率になるわけでございます。これにつきましては、先ほど申し上げましたように、昨年の大災害等がございまして、これに対する災害対策といたしまして、非常に多量の災害公営住宅建設をしなければならぬということに相なったわけでございます。三十四年度におきまして約五千三百戸の災害公営住宅をこの数字のほかに建設いたしておるわけでございます。また三十五年度におきましても、三千八百六十九戸、この五万一千戸のほかに災害公営住宅建設するわけでございます。従いまして三期の三カ年計画は十五万七千戸でございますけれども、実際国庫補助住宅として建設されます戸数は十五万五千戸程度になるわけでございます。ただ災害で建てます公営住宅というのは、計画を立てて参る性格のものとは違いまするので、三カ年計画計画戸数からは除いてあるわけでございますけれども、国といたしましては十五万七千戸に対しまして、財政等の事情もございまして十五万五千戸、約九九%でございますが、そういった戸数建設すべく国費を出しておるわけでございます。この消化事情につきましては、別にこれは地方公共団体がこの事業を消化しないとか、そういった関係戸数が減って参っておるわけではございません。これはもっぱら国の財政事情全般との均衡においてこういうような形になっておるわけでございます。  それから三十六年度以降におきます三カ年計画と申しまするのは、これは三十六年に新しく戸数計画を立てまして、国の財政事情の今後の伸び等も考えて、三十六年度に新しく計画が立てられるものでございます。  従来の長期計画の中における政府施策住宅建設計画がそのままでいいのかどうかという問題はございますけれども、先ほど申し上げましたように五カ年計画の中における政府施策住宅と申しますのは、このほかに住宅公団住宅もございますし、住宅金融公庫の扱っております貸付資金等の融資による建設戸数もございます。従いまして、国の財政事情等がございまして、いろいろの勘案で、公営住宅が若干伸びが少なかった場合には、住宅金融公庫の方の戸数を伸ばしてやるというようなことで、大体従来の五カ年計画の線に沿って進んで参ったわけでございます。ただ、先ほど申し上げましたように、一昨年の十月における総理府の住宅事情調査の結果が昨年六月ごろ判明して参ったわけでございますけれども、それによりますると、若干の、一割程度のズレが生じておる。従いまして、今後、近い将来におきまして、新たな観点に立って住宅対策長期計画を立てなければならないというように私たちは考えておるわけでございます。
  51. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 私はあの長期計画についてはまたあと質問するとして、今お伺いしておるのは、公営住宅、第一種、第二種の公党住宅、その災害住宅の問題について触れたわけですが、災害住宅は、この公営住宅は別ワクになっておるのだろうと思うのです。これはですから住宅不足に対するものでは災害住宅は私はないと思うわけなんですが、この点はまあ親切な御答弁をいただいたので承っておきますが、この公党住宅を、九年間たってきたのだけれども、これは完全に消化されておらない。さらに来年度は十年目の、また第四期といいますか、それに入っていかなければならぬという時期がきております。その際、過去に全部消化しておらぬ、その消化されないところの原因はどこにあったか。たとえば、国が都道府県の方へワクをやって、都道府県に予算がなくて、それが返上されたこともできない一つの原因になっておりましょう。あるいは、国の方では予算国会承認をとってあるのだから、そういうことはないわけですけれども、あるいはその他の事情によってこれが完全消化されなかったという点をお聞きしているわけです。
  52. 稗田治

    政府委員稗田治君) この達成率が下がっておりますのは、少なくとも第三期三カ年計画等におきましては、国の予算関係だけでございまして、事業主体が財政力等から返上するといったようなことは、ずっと公営住宅の初期におきましてはそういった事例もございましたけれども、最近におきましては、この予算戸数に縛られて達成できなかったというだけでございます。
  53. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 予算戸数を一応計画表として出すわけです。それで国会承認を得て予算というものがついてくるわけです。予算のつかない計画を出すということはない。今年も五万一千戸についての予算がちゃんと出ているわけなんです、第一種、第二種。ですからそこではっきり予算はきまっているわけなんです。それが一年たってみたら完全に消化されておらない、どこに原因があるかということなんです。そういう点を一つ
  54. 稗田治

    政府委員稗田治君) 第二期三カ年計画におきましても、予算に計上されました戸数はその通り実施されているわけでございます。三カ年計画国会承認を得ました戸数だけの予算の裏づけが、国の財政事情等から考えまして、百パーセントにできなかったというだけでございます。
  55. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 その予算額が縛られているならば、それは五万一千戸というものを計画しないで、それを四万九千戸なり四万八千戸なり、予算額に見合うようにすればいいわけです。そうすれば完全消化できるわけなんです。そこのところがどうも了解に苦しむわけなんですけれども……。
  56. 稗田治

    政府委員稗田治君) 三カ年計画計画策定にあたりましては、十五万七千戸という戸数を三カ年間に建てるべく国の予算を計上いたすつもりでこういった戸数を御承認願ったわけでございます。しかしながら、国の財政事情等がございまして、それだけの予算がつかなかったということでございます。
  57. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 三カ年計画が予定通りに百パーセントいかなかったことについては、私どもまことに遺憾と存じますが、どうも災害、いろいろなことで、非常に公共事業費がその方へも大幅に取られたので、これが相当財政的に犠牲になったと思うのであります。これは弁解ではございませんが、この法律趣旨も「国の財政の許す範囲内において、第三項の規定により国会承認のあった公営住宅建設三箇年計画を実施するために必要な経費を予算に計上しなければならない。」ということでございまして、これは理屈じゃございませんけれども、そういうような「国の財政の許す範囲内において」ということに、どうも少し金を出す方にしてやられたという感じもしますが、実際ことしのこの公共事業費があまりかさみましたので、多少の犠牲になったということは、これは私ども遺憾ではありますが、まあ一つこの程度で御了承願いたいと思います。
  58. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 実績を見ますというと、九年間に計画では四十九万二千戸建てる計画だった。ところが現実には三十五年度を五万一千戸そのまま完了するにいたしましても四十一万二千戸で、約八万戸不足するわけです。これをこのまま放擲していますと、来年になりますと、さらに第四期の一十六年度へ入りますというと、不足額はさらに増大するということが過去の実績の中から想像されるわけなのです。ですから、ここでやはり何とか対策を立てていかなければならないではないかということをお聞きしておるわけなんです。
  59. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 私は来年までおるかどうかわかりませんが、とにかく私としては、今回の住宅の、特に公営住宅予算については、実際これが何とかして百パーセントに達成するように努力いたしてみましたが、どうも力と申しますか、ことしの災害あるいは公共事業等の非常なふくれで、結局こういうわれわれの目的を達成することができなかったのでありまして、先ほど申し上げましたように、ほんとうに私どもことしのこの住宅予算については遺憾でありますが、まあただいま安田先生から御指摘もありましたが、来年には一つほんとうに住宅に力を入れて、もうあまりああいう大災害等もないではないかと思いますから、十分力を入れてこれの挽回に努めたい、かように思っておる次第であります。
  60. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 それでは次に長期五カ年計画の方について少しくお聞きしたいと思いますが、昭和三十二年から始まりました長期住宅建設五カ年計画というものが来年度、三十六年度で完了するわけなんです、これは昭和三十一年の住宅不足数が、承りますところによりますと、そのときの調査が二百四十万戸あったそうでございます。それからその後の計画方針としては、先ほど局長の方から説明がありましたように、政府施策住宅と、これに民間住宅を期待して、その方針としてやってきた。そして政府の方では毎年過去の実績を見ますというと、大体二十万戸程度、十九万から二十万以上ですね、二十一万戸ぐらいですか、毎年計画してきたわけなんですが、現在、先ほど住宅局長の報告では、三十三年度末ですか、三十四年度末ですかにおいても二百十六万戸あるいは百六十万戸というように、まだ住宅不足が解消されていないというような趣きにあるわけであります。こういうことの原因は、政府は、住宅はおくればせながらも、多少とも計画よりか下回っては建てられておりますけれども、その民間住宅に非常に期待し過ぎておるところに、この住宅不足が依然としてあるのではないかというように考えられるわけですけれども、こういう点についてどうお考えになっておりますか、よろしく一つ御答弁願いたいと思います。
  61. 稗田治

    政府委員稗田治君) 先ほど申し述べましたけれども、一昨年の十月に行ないました総理府の住宅事情調査によりますると、それから推定いたしますと、一昨年の十月の現在で二百十六万戸の不足戸数考えられるわけでございます。五カ年計画によりまして、その時期におきまして、われわれが不足戸数として数えられるものは百九十四万戸というように考えておったわけでございます。従いまして二十二万戸ほどのズレが出てきておる。そういったズレを勘案いたしますると、三十四年度末、本年の三月でございますが、三月末には百六十五万戸程度の不足戸数がまだあるというように推定されるわけでございます。そこでこの原因はどこにあったかということでございますが、これは民間自力建設建設戸数の伸びが、われわれが考えておったよりも少ないということに原因をしておるわけでは全然ございません。これは民間自力建設は、われわれが推定しておったよりも非常に伸びを示しておるわけでございます。しかしながら、こういった現実に不足戸数と数えられるものが若干解消がおくれておりまするのは、われわれが推定しておったよりも世帯分離の傾向が非常に激しいということでございます。それからもう一つは社会増でございますが、人口の都市集中でございますが、これも非常にわれわれが考えておるよりも急激な都市集中の傾向が現われておる。従いまして、そういった地域におきまして、住宅難の解消が若干おくれておる、こういうような結果でございます。なお、恒常需要といたしまして、建物が老朽し滅失していく、なお新しく新婚の世帯がふえて参るというような恒常需要をわれわれは毎年二十万戸程度を五カ年計画においては推定しておったのでございますけれども、これらの恒常需要につきましても、実際はもっと、先ほどの世帯分離の傾向等もございまして、もっと多く見積もらなければならなかったかということが、統計を分析して出て参っておるわけでございます。従いまして、今後近い将来におきまして、新たな観点に立った長期計画というものを策定する時期が参っておるというように考えておるわけでございます。
  62. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 安田君にちょっと申し上げますが、せっかく大臣が時間をさいてこちらに見えておりますから、できるだけ大臣に対する総括質問をお願いいたしたいと思います。
  63. 安田敏雄

    ○安田敏雄君 ではまたあとで……。
  64. 小平芳平

    ○小平芳平君 大臣にお伺いしたいところだけ二つお伺いしたいのでありますが、その一つは、縦貫自動車道中央道の方の調査費用と、それから東海道の調査費用と両方の予算がついているようでございますが、それでこの前の縦貫自動車道建設審議会のときに、大臣から、今回の国会に予定路線の法案を提出して、今度国会で十分成立できるような目標で提出なさるということの答弁があったわけでございますが、この問題についてはずいぶん政治的とかあるいは利権と申しましょうか、そういうようなことでもやもやときめられたという印象を残さないように、すみやかに建設審議会なり、あるいはその議を経て、国会の公式な場で早く論議されるようにお取り計らい願った方がよろしいと思うのですが、私の家などにも十枚、二十枚というはがきが舞い込んでくるほど、国民が関心を持っておることでありますから、当然建設省でも、あるいは政府与党もお考えになっていらっしゃることとは思いますが、将来の計画についてお答え願いたいと思います。
  65. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) ただいま御質問の中央縦貫自動車道路につきましては、私も、当委員会におきましても、大体に調査が終了いたしましたから、この国会の劈頭に出したいということをお答えいたしたのでありますが、私少しどうも勉強が足りなかったせいか、私の考えでは、建設省の省議を開いて、そうしてその調査がほぼ完了いたしましたので、すぐ省議でこれを決定して、そうして立法化して、審議会に諮って、国会に提案するというように私は考えておりました。ところが、交通関係閣僚懇談会とか協議会というようなものがありまして、ただ建設省だけができたから、すぐそのまま審議会に諮る場合に、審議会には各省の関係の幹事もおりますので、それらの関係各省とも十分協議をして、そうして審議会に提出するということが順序であるというように聞き及びましたので、これは大へんおくれて相済まないと思いますが、ともかくもそれだけの正式に一つ順序を踏んでいこうということで、ただいま各省の幹事会等で検討いたしております。なるたけこれの結論を早く出して、そうして交通関係閣僚懇談会に諮って審議会にかけ、そうして早く審議会の議を経て、直ちに国会に提案したいと思っております。従いまして、何月何日までにというはっきりしためどを置いて申し上げることは、ちょっと困難でありますけれども、少なくともこの国会中にはこれを提案いたしまして、そうして御審議を願うことにいたしたい、かように思っておる次第であります。
  66. 小平芳平

    ○小平芳平君 この東海道の方の調査に四千三百万円ついておりますが、これが今年度調査が終わるから、それとのからみ合わせ、にらみ合わせできめようというようなお考えなんでしょうか。
  67. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) それは東海道とは別に私ども関係があるということは考えておりません。東海道は東海道として、独自な交通量からいろいろと調査いたしておりますけれども、とにかく中央道につきましては、すでに法律によってこれを別記しておるところでありますから、その法に従って私ども作業を進めるということは当然だろうと思います。
  68. 小平芳平

    ○小平芳平君 もう一つ簡単にお伺いいたしたいと思いますのは、国土の総合開発といいますが、自民党としても、経済力の発展に対して企業別格差、地域別格差、そういう総合的な経済力の発展ということが大きな施策であるというふうに伺っているわけでございますが、そういう意味で、特に地域別格差をなくすために、建設省としての将来の計画、また将来に対するお考え、そういうものをお伺いしたいわけでございます。東京湾の埋め立て計画について調査をなさっていらっしゃる。また、ここにあります利根川下流地域とか瀬戸内海沿岸とか、こういうような調査をなさっているようでありますが、いずれにしましても、もう東京の人口の過度の集中、もうこれ以上どうにもならないというような現状ですから、従って、まあ意見は差し控えますが、もっと東京湾埋め立てよりも、あるいはたとえば富士山麓とか浜名湖の方とか、もう少し開発の大きな計画考えられていかなければならないように私ども思うのですが、それに対して、大津から将来の計画と申しましょうか、抱負と申しましょうか、そういうことを一つお伺いいたします。
  69. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 国土総合開発につきましては、私ども現実的にこういう狭隘な国土でありますから、これを十分有効に活用するということが最も大事であろうと思っております。これはもう政府だけでなくて、国民の何人も、国土の効率利用をはかろうという考えは同様にお考えになっておられることと思っております。ただここで東京湾埋め立てとか、あるいはまた利根川下流の利用等につきましては、これはいろいろ議論があるわけでございますが、ともかくも、これはこれといたしましても、今日、未開発地域を開発して、そうして産業の培養とか、あるいは未利用資源の活用というようなことをはかることは当然考えなければならないことと思っております。それには何といたしましても、やはり交通ということが第一に取り上げられなければならないと思いますので、われわれとしては、国の財政の許す限り十分この活用をはかりたいと思いまして、着々とその準備を進めて参らなければならないと思います。従いまして、今回の三十五年度予算におきましても、東北の自動車縦貫道路とかいうようなものの調査費等もわずかではありますが計上いたしまして、これらの未開発地の地域の開発には、まず何をおいても道路が先だということで、他のいわゆる産業に及ぼす有利な点は別といたしまして、私どもはまず道路建設というようなことに力を入れて参りたいと思って、着々とその調査を進めて参りたいと思っております。
  70. 田中一

    田中一君 簡単に大臣に伺っておきたいのですが、先日営繕局長に、本年度の官庁営繕の不燃率というものはどのくらいあるかという、同時に官公庁施設建設等に関する法律によって、建設大臣は、当初の計画というものを明らかに把握して、そして送付するということになっておるのです。その計画書、それにははっきりと、たとえば第九条の二項には、「前項の営繕計画書には、当該建築物及びその附帯施設の位置、規模、構造、工期及び工事費を記載するものとする。」、こうなっているにかかわらず、営繕局長は、その内容を知らぬという答弁をしたわけなんです。これは、はなはだ遺憾きわまりない答弁です。一体この官庁営繕法というものは、これは村上さん御承知のように、相当大きな他の役所の抵抗もあったものを、少なくとも官庁営繕というものは統一しなければならぬという、われわれ国会議員の、国会に席を置く者の熱望が、議員提案としてこの修正をしたという歴史があるのでございます。それにかかわらず、あなたの方の営繕局長は、このわれわれのほんとうの精神というものをはき違えておるのじやなかろうか、こう考えるわけなんです。これは桜井君だけではございません。建設大臣以下、あなた方自身が、このような改正をしたというわれわれの趣旨というものをはき違えておるという点でございます。従って、このことは、これはもう容易ならざる問題です。当然、われわれの方に予算書が回った場合には、内容というものがわからなければならぬでしょう。わかるようになっておるのです。この法律は。それにかかわらず、それすら把握しないということは、議員提案の法律であるだけに、はなはだ遺憾です。従って、どういう運営をしているか、これをはっきりしていただきたいのです。それが一つ。  もう一つは、大臣よく聞いて下さい。もう一つの問題は、きょう資料として出たところの、営繕局が担当するものだと思いますが、六つばかり木造建ての家を作るということが資料として出ておりますけれども、これもはなはだ遺憾でございます。御承知のように、北海道においては国の予算がかかるものは全部不燃化しなければならぬという法律を作りました。国が率先不燃化の方向に向かわなければ、どうして国民にそれをしいることができますか。これを見ても、たとえば三重県の熊野出張所、それから和歌山の新宮、新居浜の海上保安署、信越電波監理局、これは全部台風圏にあるのです。常に台風によってこれが破壊される区域にあるのです。どうしてこれらのものが木造でなくてはならぬということになるのですか。たかだか予算は大したものでありません。それこそ電波監理局の実験室とか海上保安署なんというものは、それ自身が脅かされたのでは何にもならないのですよ。この考え方、なぜ木造に六つの官庁営繕をしたのかということ官庁営繕法の適用を誤っておるということです。どういうものを、年度当初というか、予算編成期において計画書をとつておるか、それをどういう工合に活用しているか。それを無視して自由に各官庁が大蔵省の方に持ち込むならば、少なくともこの法律に対して違反しているということです。この点を明らかにしていただきたい。そうして、そういう答弁ができないというようなことがあってはならぬです。当初にそういうものを持たなければならぬことになっておるのです、法律では。その点について大臣の答弁を願います。
  71. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) なかなか適切な私は御質問だと思いますが、今御指摘になりましたような建物木造にするというようなことは、よほど、大蔵省と申しますか、とにかく各所管の省が予算をようとらなかったのだ、こう思いますが、しかし、予算関係木造になったのだろうと思いますが、私どもとしては、こういう公共的な、しかもこういう重要な施設については、あくまでもこれは耐火建築にするということが、法律もそういう一項目としてなっておりましょうが、常識から言っても、そうあるべきものだと思っておりますが、周囲のいろいろな立地条件によって、絶対火災もあるいは何にもないというようなことを一部から突っ込まれて、一応予算関係においてなったんじゃないかと思います。よく調査いたしまして、私どもも十分これを調査した上で、理由等をただして、今後かようなことのないように注意して参りたいと思います。それから各省の耐火建築につきましては、今事務当局で各省に照合しておるそうでありますから、その実態の判明するまで御猶予願いたいと思います。
  72. 田中一

    田中一君 それは答弁にならない。この法律では、はっきりと当初の計画書というものは、大蔵大臣建設大臣に持ってきて、構造、規模等の原案を作って、建設大臣はそれを握って、そうしてチェックをして大蔵省に送るようになっておるのです、この法律が。現在まで建設大臣が、各省の決定された予算内におけるところの官庁営繕というものを、官公庁の施設というものをあなたが握っておらぬことになるのだから、これは法律の違反でございます。営繕局長からの耳打ちだけで答弁してもらっては困ります。従って、法律をよく読んで下さい。法律をお読み願いたい。(政府委員桜井良雄君発言の許可を求む)いや、大臣質問している。今の答弁では不十分ですから、この次までに答弁願います。時間がありませんから。  もう一つ。今のこの六つの木造の工事は、かつて自衛隊が北海道に緊急用として木造の兵舎を作るという場合に、私は当委員会で厳重に抗議を申し込みまして━━北海道等においては木造は許さないです。それにかかわらず木造をやるということに対して厳重に抗議をして、大臣はだれでしたか、それを急遽予算折衝をいたしまして、そうしてこれを鉄筋コンクリートにしたという例がございます。従って、この六つのうち、当然台風圏にあるとか━━火災のことだけ考えちゃいかぬです。台風圏にあるとか、ほんとうの公共性があるものならば、耐久性から言っても、当然不燃化の方がいいのですから、国費をむだに使わないような、これから予算折衝をして、全部不燃建築になさい。そういう言明をいただくまでは承服できません。たかだか、大したものじゃございません、全部やっても。そういう答弁でなければ十分じゃございませんから、さっそく予算折衝するならそれでかまいませんから、実行予算をするときに、どこから持ってきてもいいから、これを耐火建築にしなければいかぬです。
  73. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 私も十分まだ御質問に答える準備ができておりませんから、これから一つ慎重に検討した上で田中さんの御趣旨に沿うようにいたしたいと思います。
  74. 田中一

    田中一君 予算説明書を見ますと、本年度は、失業対策費のうち、一般失対の賃金が改正されまして、二十八円平均、日額二十八円の引き上げになっておる。御承知のように、建設省の公共土木事業は、大体法律に準拠して日額賃金というものは支払っておるのです。それが改正されました。従って、これによるところの予算が当然計上されているものと信じておりますけれども、ただ、古い昭和二十二年法律政府に対する不正手段による支払請求の防止等に関する法律第一条の規定により云々、一般職種別賃金と、これがあるのですが、これが準用されて、現在生きて、こういう賃金表ができているわけです。そこで二十八円の増加というものがどういう工合に建設省予算要求の際の職人の賃金に配分されておるか。むろんこれは職種別によって違うと思う。従って労働省は、これによって各職の賃金というものは格差が多少あると思う。それを一つお出し願いたいと思う、お調べになって。
  75. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 政務次官が非常によくおわかりになっておりますから、政務次官から……。
  76. 大沢雄一

    政府委員大沢雄一君) ただいまの点は、前回の委員会におきまして、田中委員から御質問がありまして、答弁を留保申し上げております一点でございます。ただいま御質問にございました通り特失臨就におきまして、ただいま御指摘されました金額、パーセンテージにいたしまして、九・一%の賃金増をしたということが予算説明書に出ているわけでございます。ところで、この特大臨就の労務者の賃金と建設省の直用労務者の賞金とは別でございまして、建設省の直用労務者につきましては、ただいまの御質問にありました通り、一般職種別賃金の日額表、いわゆるPW賃金によりまして、その範囲内でこれを計上いたしておりますわけでございます。これにつきましては、建設省といたしましても、かねてやはり引き上げの必要を認めまして、労働省に申し入れをいたしております次第でございます。目下労働省におきましても検討中でございまして、仄聞するところによりますと、上げたいということのように伺っておる次第でございます。私どももこの直用労務者につきましては、この引き上げがありました場合には、常勤労務者との均衡等も勘案いたしまして、これを引き上げるように考慮いたして参りたいと考えております次第でございます。  なお、前回お話のありました年末手当の一日分の増額につきましても増額をしたいと、かように考えております。
  77. 田中一

    田中一君 そこで問題が、それを聞きたいためじゃないんです。あとにある問題が問題なんです。そういう答弁を受けましたから申し上げますが、公営住宅一つの例をとりますと、公営住宅全体の政府の持っている予算の単価はどれくらい上がっています、前年度と比較して。
  78. 稗田治

    政府委員稗田治君) 三十五年度予算の基礎となっております公営住宅あるいは公団住宅住宅金融公庫の融資額等につきましての単価でございますけれども、これは三十四年度と同様でございます。ただ公団住宅におきまして、一坪増に平均規模がふえましたので、これに対する付帯設備等におきまして若干の引き上げが行なわれましたけれども、主体工事等につきましては三十四年度と同様でございます。
  79. 田中一

    田中一君 大胆、お聞きになりましたか。このように東京の現在の失対の労働者の賃金を調べてみますと、実際に行なわれておるものは約八百円から九百円です。大体大学出て三年、五年おって、現場に出ている者が二万円になっておりません。一万七、八千円なんです。ところが失対の職安に登録している労務者が八百円、九百円出さなければ人が集まらないのです。能力の点あるいは労働力の点から見ても比較にならぬほど優秀な者が低賃金になっておる。あなたの方でも今公営住宅は三十四年度予算とちっとも変わっておらぬと言っておる。調べてみますと、急いで復旧しなければならぬ愛知県の一つの事例をとってみますと、御承知のように、全国から建築労働者が相当入り込んでおります。それでも足りないくらいな状態でございますから、当然とは思いますけれども、木造の単価が二十二万四千円、これは三十四年度一戸当たり、それが三十二万五千円出さなければ、九万円近いところの余分なものを払わなければ仕事を受けるものがないのです。簡易耐火の平屋にしても、これが政府が出しておるところの標準建設費というものは三十二万七千円、実際の仕事というものは三十九万三千円以下では受け手がございません。簡易耐火の二階建ての分などは四十三万八千円の国の予算でありますけれども、五十一万円、中高層などは五万六千百円というものが標準建設費でございますが、六万三千円でなくちや受け手がないのです。これが実情なんですよ。これは従来ともに、昨年の災害というものがじゃなかった場合の建設費はどうかと申しますと、これも相当上がっております。国の標準建設費ではとうていまかないきれないのです。全部地方公共団体が自分で負担しておるのです。そういって家賃はどうか、家賃があまり高くなりますと、これまたいろいろな問題があるから、これは上げられない。従って今労働省は日雇い労働者の賃金を二十八円高上げておるにかかわらず、建設省は現に相当な労務賃金が含まれておるにかかわらず、それを値上げしてないということはどういうことですか。そうして一面、請負人は損な仕事を受けるものじゃないのです。結局しわ寄せは労働者にくるのです。こういう一つの建築関係の職人の賃金を考えてみましても、冷酷なわけです。これは相当大きな問題でありまして、どうして標準建設費というものを、せめて労働者の実態を握っておる労働省の考え通りの値上げをしなかったかと言っておるのです。これは一つ住宅の例ですけれども、では一般の公共土木の例を考えてごらんなさい。今別個の賃金体系でもってやるのだということを政務次官はおっしゃっておるけれども、末端におきましては、当然一般職種別賃金の標準賃金表に基づいて支給しておるのが実情なんです。そうしますと、事業量というものはそれだけ減るということになるのです。そういうあいまいな予算の編成じゃならないのです。これは地方公共団体の場合には、そのために起債というものの大ワクをくれるのならばいいけれども、起債も御承知のように制限されておる。私は、これは今度の予算の編成にあたって建設委員会として関心を持たなければならぬ問題は、建築労働者の賃金の問題であります。こう見ておるのでありますが、これに対しては大臣はどういう見解のもとに本年度予算を編成したか、そうしてそういうもので仕事ができると思っているか、どっかにしわ寄せがこなければならぬのですよ。私は請負人が大幅にもうけると思ってはおりません。この予算では、請負人がもうけなければ、請負人がもうけずして、そうして労働者にしわ寄せになることは、これは明らかなことです。どうして三十五年度の公共事業を実施しようとするのか、心がまえを伺いたい。これは予算委員会でやったらいいと思うのですが、この点伺っておきたい。
  80. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 一般の公共事業、いわゆる建築あるいは土木事業についてどうもこの単価が非常に安いのじゃないか。これは私は今の個々の労銀というものを別に出して、大体かりに一平方メートルが幾ら、日本流で申しますと一坪幾らというような一つの単価が出て、それを積み上げて予算となっておると思います。その予算の取り方が、大体今日の社会情勢からして労銀にしわ寄せのいくような予算の細み方をしておるのじゃないかというような御質問であろうと思いますが、これは私どもといたしましても、今日のセメントとか、あるいは鋼材等が非常に大幅に値上げになってくれば、これは自然に一々単価を変えていくということは当然であると思います。しかし、大体に去年とことしの物価が変わっていないということになりますと、去年の単価をそのままことし踏襲して予算を組んだと思いますが、しかし、今御指摘になりました伊勢湾その他の、そういう非常に事業の量の多いところでは、どうしても安い単価では従業員が満足にそこに集まりもしないし、また働けない。要するに能率も落ちるのではないか、こういうようなことも考えられますが、ともかくも、ただいまの公共事業に従事する従業員の人件費と、それからその資材というものを大体見当をつけて、一立方坪当たりあるいは一面坪当たりの単価をきめるのが妥当でありますが、それが去年とことしと大した差がなかろうということは、おのおの見方でありますが、田中先生の御指摘になられるような点も私どもも了解できるのであります。しかし、業者に渡した際には、業者がその従業員の━━こうなるとまた非常に労働過重になるのじゃないかというおしかりを受けるかもしれませんが、やはり業者の技術と、それから働く人の考え方とで、単価が去年と同じでありましても、どうにか予定価格でおさめていくことができるのじゃないか、こうも思われますし、また働く人の賃金も、かりに五百円なら五百円というものでは安いが、しかし見積りには五百円だ、あとはこれを六百円でもあるいは七百円でもということになりますと、やはりその人の技術あるいは精励努力によって高賃金を取り得るような仕向けになっておるじゃなかろうか、こう私は考えられるのですが、しかし、いずれにいたしましても、今日の諸物価とか、あるいはいわゆる他の産業の賃金等と勘案して、はたしてここに建設省が公共事業に一単価として織り込んだ賃金というものが妥当であるかということについては、これは慎重に検討して私は参りたい、かように思っておりますが、いずれにいたしましても、一応予算としてこうしてもうでき上っておりますから、まあこれで私どもは進めて参りたい、そうして不合理があれば不合理があるように、十分慎重に研究してみたいと思っております。
  81. 田中一

    田中一君 どうもあなたは予算ができているから云々と言うけれども、自分の非はやはり肯定しなければいかぬです。一体建設省は、労働省関係の河川道路などの失対事業を持っている。この単価は、何か大沢政務次官が言っているように別個の体系などということはあり得ないのです。やはり失対事業というものは、これは労働省がきめた二十八円のアップによって賃金を支払わなければならぬ。従来の予算でやるというならば、道路局長なり河川局長の答弁を願います。たとえば道路、河川等にあるところの失対事業というものは、労働省がきめている二十八円を下回って支払うのだということを言明できるなら言明して下さい。河川局長願います。山本君。
  82. 山本三郎

    政府委員(山本三郎君) 特別失対につきましては今のお話の通り、基準としてきめられた線によりまして考えていくというふうに考えております。
  83. 佐藤寛政

    政府委員佐藤寛政君) 同様でございます。
  84. 田中一

    田中一君 そうなるとあなたの方で掌握しなければならぬ建設労働者というものに対する賃金の格差ができるのです。こんなことはあっちゃならぬですよ、実際に。場合によればそういう労働者間のあつれきを、溝を深くして、またやっつけようという考えを持っているかもしれぬけれども、そういうことがあっちゃならないのです。でありますから、大沢政務次官の答弁は官房長が書いたものか知りませんけれども、ああいう御答弁は私のわなにひっかかったことなんです。どうもそういうことがあるのじゃなかろうかと思ったから、せんだってから、そういうことをしたくないから、あなたに前もって言ってあるのです。一体あなた方の使っている労働者の賃金というものが、労働省の認めるものと違うなんということはありようがないわけです。だから建設大臣は、あなたは知らぬか知れぬけれども、この二十八円のベース・アップという問題は、これは労働省の労働基準局でも慎重に検討したのです。昨年の七月に全国の室内労働者の賃金を実態調査をして、その結果最高五十円までは上げなければならぬのだという結論を出しました。そうして大蔵省の抵抗にあって二十八円にとまったものなんですよ。従って今のような答弁では、私はどうも納得できません。同じ事業でありながら、道路関係の仕事が特別失対の場合は二十八円高い賃金を払う、そうでないものは二十八円安い賃金を払うなんということがあっちゃならないのですよ。上手に答弁をしてきょう切り抜けて下さい、これを。そうしなければ納得できません。答弁すれば実行しなければならぬです。
  85. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 田中先生、何かあなたもお聞き違いになっているのじゃないですか。これは建設省としてこの直用労務者の賃金は、今一応建設省の……。(田中一君「答弁書ですか」と述ぶ)いや、そうじゃないのです。その賃金があって、これは労働省の方で上げればわれわれの方でも上げる予定でおるのです。決して私ども上げないと……。今それで話しをしておるのですけれども、それを労働省が上げてもこっちの方だけ上げないで、ただ使いしょうなんて、そんな横着な考えは持っておりません。
  86. 田中一

    田中一君 そうすると、今度の事業計画というものはどういうものによって行なわれたかということです。これが出たのは、御承知のように十二月末にこの二十八円ということはさまったのです。そうすると、この通りの、労働省が上げた賃金通りの賃金を払うから、その場合には事業費が縮小されることもあり得るということに了解していいのですか。
  87. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) そこはなかなかむずかしいところでして、これはまあさっきの入札の話に戻りますが、大体事業量を減らさなくてもいける場合があります。これでわずか五分や一割までくらい労賃が上がっても、単価を変えないでも、非常に今機械化されてきておりますから、それから非常に仕事が上手になってきております。そういうようなことで、技術でそれを補っていくということもできますので、必ずしも、まあものによっては先生の御指摘の通り、事業量が多少減る場合があるかもしれませんが、大体において、私は平均すれば、事業量にその程度であったならば影響はないものと思っております。
  88. 田中一

    田中一君 影響があるとかなんとか言っておるのではないのです、私の方は。それはあなた方の方でうんと予算を低くして請負人に競争させれば、さっき安田君が言ったように、これは余るでしょう。そういうものが前例となって予算を組むということは、これは不健全な予算の組み方なんです。機械化の問題も能率の問題も全部考えながら予算を当然組んでいるのです。組んでの中にこうしたベース・アップの問題が起きた場合には、それも勘案してやるということは、請負人をいじめてみたり、そうすると賃金だけはなかなかやらないというのが実情なんですよ。だから何とかつじつまを合わせますなんということは、事業予算を出している場合には言うべきことじゃないのです。これだけくれればやりますなんということは、どんぶり勘定みたいな、つかみ勘定みたいなことで予算説明すれば、国民がびっくりします。やはり合理的な積算の上に立つところの予算というものでなければならないのですよ。だから、今のような、何とかやりますじゃ納得できないわけです。従って答弁は、当然同じ職にあるところの労働者には同じ賃金を当然払うのでございます。しかしながら、そのために事業の縮み方もないように努力いたしますということでもって、これはいい答弁になるのです。それなら納得します。前提に、心配でございませんという前提では不健全な予算立て方なんです、これは。
  89. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) もうそれで、先生の御答弁でよければですが、(笑声)これはもうあなたも実際に見て御存じのように、それは賃金で五分動いた場合には、まあ普通五分くらい動いた場合に単価更正をやるかというと、これはまあ今まではおおむねやらないできております。ただ賃金が確かにその年度の途中で上がったという場合に、これが非常に業者の負担にたえられないような場合には単価更正の必要もありますけれども、大体まあわずかなことですと、賃金だけがいささか上がったという場合には、一方の資材、木材とかセメント、鉄材等が一つも動かないという場合には、単価更正をする必要がまあない場合が多いわけです。それでこれが、賃金が二割も三割も上がってきたということになれば、先生のお説のように事業量はある程度減すか、あるいは単価更正をやらない限り業者が請け負ってくれないですから、そういうことも言い得ます。今われわれが考えている程度でしたら、どうにか事業量はやれると思いますが、今後の公共土木、建築事業については、公共事業についての予算の編成については、十分今の田中さんの御意見を尊重して、そうして将来を見通した単価をきめて、その予算というものを編成したい、かように思っております。
  90. 田中一

    田中一君 そうすると、またあなたははまつちゃったのですが、名古屋でもって木材が二十二万八千円のものが三十二万五千円、九万円違いますから、三割高以上ですね、実情が。そうすると、実情が上がっている場合には考慮するのですね。人件費は九分一厘、それでここでは実情というものが、政府は九分一厘の値上げを認めたのですよ。ところがほかの実態というものはもっと上がっているんです。前段に言っているように四百二、三十円のものが、七百円、八百円するわけです。一般の職安の登録労働者についても。現実には名古屋方面は二十二万八千円のものが三十二万五千円に変わっているんですから、実情は値上がりになっていますから、愛知県その他等々のものについては値上げを認めようという腹ですね。更正をしようという腹だと見ていいのですか。
  91. 村上勇

    ○国務大臣村上勇君) 建設省だけの問題ではないので、各省に影響があるので、単価更正をしようということは考えておりません。田中先生は、ただ上がることばかり今御質問なさっていますが、しかし鉄材なんか十万円も八万円もしておったのが三万円くらいになっても━━三万円というのはちょっと極端ですが、資材が下がっても、資材が下がったら建設省では負けてくれということは言っていないはずであります、ですから上がるものは多少ありましょうが、それも程度でありまして、多少のものが下がっても上がっても、一度きめた単価は、それはそれで予算として実施していく上には私は不都合はないものと思います。で、名古屋方面の一つの何か問題については、これは私はよく関知しないのですが、住宅局長からでも実情を一つ答弁させます。
  92. 田中一

    田中一君 あなたの見方と私の見方とちっとも変わっていないのです。あなたは予算に縛られているからそれを繰り返すにすぎないのです。そこで申し上げたいのです、実態は、しかしながら、予算を組む場合にはそういうものでないということです。これは愛知県の場合には極端な例です。ところが今日まで公営住宅というものは、国が作った予算内で実施されている場合が少ないのです。極端に不景気な場合は別ですよ。物価が下がっておらぬけれども、仕事がない場合には、金融その他の関係でもって仕事をとる場合もあるのだから、これは、それをもって正しい単価ということであっちゃならないのです。従ってそういう点は、今後ともお調べ上願いたいのは━━では公営住宅でいいですわ、公営住宅年度実際には幾らでやつておったかということを調べて下さい。やっているところの資料を調べて下さい。そうしてあまり末端の労働者にしわ寄せになるような賃金というものの積算を間違わないようにしていただきたいのです。現に労働省も、昨年の七月ごろから十分に調べた上に、この渋い大蔵省を納得さして、二十八円のベース・アップが行なわれたのです。従って、あなた方自身がりっぱな仕事を残すのが建設大臣の役目なんですよ。安い仕事を残すのが建設大臣の役目じゃないのですよ。少しは金がかかってもりっぱな仕事を残すのが建設大臣の役目なんです、りっぱな事業を残すのが。従って、金は大蔵大臣要求なさい。あなた方の方で、予算を自分の方でチェックして、自分で回転して、低いものにするなんということがあっちゃならぬと思うのですよ。  それからもう一つ、さっきから大臣かっているように、物が安くなった場合にどうするかとおっしゃっていましたが、安くなった場合に、あなた方、もっと低い予算額をもって入札さすじやありませんか。しかし私は、上がっている場合が問題だというのですよ。安い場合には、そんななまつちょろいものじゃないのですよ。安い、もっと低い、時価よりももっと低いものでもって予算を、価格を作って、見積もりをさしているのが実情なんですよ。でありますから、こういう問題は予算委員会でもう少し私の方で検討させますから、あなたの方を追及させますから、これは十分に準備して答弁していただかなきゃならぬと思う。今のような答弁では、まあこれは内輪みたいな委員会だから言うけれども、通りませんよ。これでやめます。
  93. 田上松衞

    ○田上松衞君 議事進行。実は私も大臣に対して総括的な質問をいたしたいと、たくさん用意しておるわけなんです。しかし、きょうは大臣の出席される予定時間の変更があったり、あるいはあまり大臣自体の今までの時間というものもそう長くもなかったわけです。すでにもう一時二十分過ぎてしまつておる。委員の各位もほとんど半数に減ってしまった。まあまことに残念ですが、私は同僚及び先輩に対していろいろあまり謙譲の美徳を発揮し過ぎた点もありますけれども、ついに発言の機会を今日失ってしまったというような状況であります。ところで、まあこの次にはぜひ一つ委員長大臣とよく御連絡を完全にされまして、必ず大臣に来ていただくということを願って、従って次の期日は、十分その点について格段の一つ御配慮をわずらわしたいと、まあこう考えるわけです。で、このことは私だけでなくして、質問の残っておられる方がたくさんおありだろうと思いますが、これ以上きょう続けてたら、むしろ役所の方々の人権じゅうりんのおそれすらあるわけですから、きょうはこの程度にいたしまして、一つ打ち切っていただきたい。
  94. 岩沢忠恭

    委員長岩沢忠恭君) 大臣に対する残余の総括質問は次回に譲りまして、本日はこれをもって散会いたします。    午後一時二十四分散会