運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-05-11 第34回国会 参議院 決算委員会 第7号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月十一日(水曜日)    午前十一時十八分開会   —————————————   委員の異動 四月二十八日委員基政七君辞任につ き、その補欠として島清君を議長にお いて指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     上原 正吉君    理事            大谷 瑩潤君            岡村文四郎君            谷口 慶吉君            石田 次男君    委員            川上 為治君            上林 忠次君            小山邦太郎君            田中 清一君            高野 一夫君            谷村 貞治君            相澤 重明君            北村  暢君            坂本  昭君            武内 五郎君            天坊 裕彦君            常岡 一郎君   国務大臣    大 蔵 大 臣 佐藤 榮作君    運 輸 大 臣 楢橋  渡君    郵 政 大 臣 植竹 春彦君   政府委員    内閣官房長官  椎名悦三郎君    大蔵政務次官  前田佳都男君    大蔵省主計局長 石原 周夫君    大蔵省主計局司    計課長     末廣 義一君    運輸省鉄道監督    局国有鉄道部長 廣瀬 真一君    郵政省電気通信    監理官     松田 英一君         —————    会計検査院長  山田 義見君   事務局側    常任委員会専門    員       池田 修蔵君   説明員    会計検査院事務    総局次長    上村 照昌君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○昭和三十三年度一般会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十三年度特別会計歳入歳出決  算(内閣提出) ○昭和三十三年度国税収納金整理資金  受払計算書内閣提出) ○昭和三十三年度政府関係機関決算書  (内閣提出) ○昭和三十三年度国有財産増減及び現  在額総計算書内閣提出) ○昭和三十三年度国有財産無償貸付状  況総計算書内閣提出) ○昭和三十三年度物品増減及び現在額  総計算書内閣提出) ○昭和三十三年度一般会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十三年度特別会計予備費使用  総調書(その2)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十三年度特別会計予算総則第  十四条に基づく使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十三年度特別会計予算総則第  十五条に基づく使用調書内閣提  出、衆議院送付) ○昭和三十四年度一般会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○昭和三十四年度特別会計予備費使用  総調書(その1)(内閣提出衆議  院送付) ○国家財政経理及び国有財産の管理  に関する調査  (決算審査に関する件)   —————————————
  2. 上原正吉

    委員長上原正吉君) これより決算委員会を開会いたします。  本日は、まず昭和三十三年度決算昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書外二件並びに昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件のそれぞれについて、概要説明を聴取することになっております。  まず最初に、昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算昭和三十三年度特別会計歳入歳出決算昭和三十三年度国税収納金整理資金受払計算書昭和三十三年度政府関係機関決算書議題といたします。  まず佐藤大蔵大臣より御説明を願います。
  3. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 昭和三十三年度一般会計歳入歳出決算、同特別会計歳入歳出決算同国税収納金整理資金受払計算書及び同政府関係機関決算書を、会計検査院検査報告とともに本国会に提出し、また昭和三十三年度末における国の債権の現在額について本国会報告いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度予算の執行につきましては、予算の効率的な使用経理の適正な運営に極力意を用いて参ったのでありますが、なお、会計検査院から不当事項につきましては百九十二件、是正事項につきましては百六十三件に上る御指摘を受けましたことは、まことに遺憾にたえないところであります。  これにつきましては、今後一そう経理改善努力を傾注いたしたい所存であります。  以下、決算内容を数字をあげて御説明申し上げます。  まず、一般会計におきましては、歳入決算額は一兆四千五百三十七億円余、歳出決算額は一兆三千三百十五億円余でありまして、歳入歳出を差し引きますと千二百二十一億円余の剰余を生ずる計算であります。  この剰余金から昭和三十四年度に繰り越しました歳出財源に充てなければならない金額二百四十八億円余及び前年度までの剰余金使用残額八百四億円余を差し引きますと、百六十八億円余が昭和三十三年度に新たに生じた純剰余金となるのであります。  なお、右の剰余金千二百二十一億円余は、財政法第四十一条の規定によりまして、翌年度すなわち昭和三十四年度歳入繰り入れ済みであります。しかして、そのうち、昭和三十三年度に新たに生じました純剰余金百六十八億円余から本年度における揮発油税収入額決算額が同年度における揮発油税の取入額の予算額をこえる額十一億円余を控除した残額百五十七億円余の二分の一を下らない額に相当する金額につきましては、財政法第六条の規定によりまして公債または借入金償還財源に充てられるものであります。  以上の決算額予算額と比較いたしますと、歳入につきましては、予算額一兆三千三百三十億円余に比べて千二百六億円余の増加となるのでありますが、このうちには、昭和三十二年度剰余金受け入れ予算額に比べて千百二十億円余を増加しておりますので、これを美し引きますと純然たる昭和三十三年度歳入増加額は八十六億円余となるのであります。そのおもな内訳租税及印紙取入における減少額二十一億円余、専売納付金における増加額人十三億日余、官業益金及官業収入における減少額一億円余、雑収入における増加額四十五億円余となっております。  一方歳出につきましては、予算額一兆三千三百三十億円余に昭和三十二年度一般会計からの繰越額三百十五億円余を加えました予算現額一兆三千六百四十六億円余から支出済額一兆三千三百十五億円余を差し引きますと、その差額は三百三十億円余でありまして、そのうち翌年度に繰り越しました額は前述の通り二百四十八億円余、不用額は八十一億円余となっております。  右の翌年度への繰越額のうち、財政法第十四条の三第一項の規定により、あらかじめ、国会の議決を経、これに基づいて翌年度へ繰り越しました金額は二百三十二億円余でありまして、その内訳のおもなものは、旧軍人遺族等恩給費につきまして、支給金額調査決定等不測日数を要したため年度内支出を終わらなかったもの、防衛庁につきまして、調達計画の調整、規格及び仕様書決定アメリカ合衆国からの供与品の引渡等に不測日数を要したため年度内支出を終わらなかったもの、施設整備費につきまして、アメリカ合衆国軍からの施設の返還、用地買収等不測日数を要したため年度内支出を終わらなかったもの、防衛支出金につきまして、アメリカ合衆国軍との交渉に不測日数を要したこと及び気象関係設計変更等により工事施行不測日数を要したため年度内支出を終わらなかったもの、道路整備特別会計繰り入れにつきまして、気象関係設計変更等により工事施行不測日数を要したため年度内支出を終わらなかったものであります。  財政法第四十二条ただし書の規定により、避けがたい事故のため翌年度へ繰り越しました金額は七億月余でありまして、その内訳のおもなものは、都市計画事業費で、補償額決定遅延等により工事施行がおくれたため年度内支出を終わらなかったものであります。  財政法第四十三条の二第一項の規定により継続費年割額を繰り越しました金額は八億円余でありまして、これは、潜水艦建造費及び昭和三十二年度甲型警備艦建造費でありまして、潜水艦の船体の建造遅延により、搭載武器の積載がおくれたこと及び設計不測日数を要したこと等のため年度内支出を終わらなかったものであります。  次に、不用額でありますが、その内訳のおもなものは、総理本府の文官等恩給費につきまして、新規受給者予定より少なかったこと等により不用となったもの五億円余、防衛庁航空機購入費等につきまして、航空機の生産にかかる直接材料及び部品の値下り等により不用となったもの五億円余、大蔵本省国債費につきまして、国債利子支払い予定に達しなかったこと等のため国債整理基金特別会計繰り入れを要することが少なかったことにより不用となったもの六億円余であります。  次に、予備費でありますが、昭和三十三年度一般会計における予備費予算額は九十億円でありますが、その使用総額は八十九億円余であります。そのうち昭和三十三年十二月までの使用額七十億円余につきましては、第三十一回国会におきまして御承諾をいただいております。  また、昭和三十四年一月から同年三月までの使用額十九億円余につきましては、本国会に別途提出いたします予備費使用承諾案について御審議いただきますので、その費途及び金額につきましては説明を省略させていただきます。  次に、一般会計国庫債務負担行為について申し上げます。  財政法第十五条第一項の規定に基づく国庫債務負担行為権能額は四百十六億円余でありますが、このうち実際に負担いたしました債務額は三百十億円余でありますので、これに既往年度からの繰越債務額三百十八億円余を加え、昭和三十三年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額二百十六億円余を差し引きました金額四百十二億円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。  財政法第十五条第二項の規定に基づく国庫債務負担行為権能額は三十億円でありますが、本年度実際に負担いたしました債務額はございませんので、既往年度からの繰越債務額一億三千万円余から、昭和三十三年度中に支出その他の理由によって債務が消滅いたしました額一億千万円余を差し引きました金額二千万円余が翌年度以降に繰り越されたこととなります。  つぎに、昭和三十三年度特別会計決算でありますが、これにつきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと思います。なお、同年度における特別会計の数は四十一でありまして、これら特別会計歳入決算総額は三兆五百八十五億円余、歳出決算総額は二兆八千二十七億円余であります。  次に、昭和三十三年度における国税収納金整理資金受け入れ及び支払いでありますが、この資金への収納済額は一兆五百九十億円余でありまして、この資金からの支払命令済額及び歳入への組入額は一兆五百六十二億円余でありますので、二十七億四余が昭和三十三年度末の資金残額となるのであります。これは主として国税にかかる還付金支払決定済み支払命令未済のものであります。  次に、昭和三十三年度政府関係機関決算でありますが、日本専売公社日本国有鉄道及び日本電信電話公社決算内容につきましては、別途それぞれの主務大臣から御説明申し上げる予定であります。また、その他の政府関係機関決算内容につきましては、それぞれの決算書によって御了承願いたいと存じます。  次に、国の債権の現在額についてでありますが、昭和三十三年度末における国の債権総額は一兆九千三百八十四億円余でありまして、その内訳の詳細につきましては、昭和三十三年度国の債権の現在額総報告によって御了承願いたいと存じます。  以上、昭和三十三年度一般会計特別会計国税収納金整理資金及び政府関係機関決算等につきまして、その概略を御説明申し上げた次第であります。何とぞ御辞義のほどお願いいたします。  次に、ただいま議題となりました日本専売公社昭和三十三年度決算について、その概要を御説明申し上げます。  まず、収入支出決算について御説明申し上げます。昭和三十三年度における収入済み額は二千六百五十九億円余、支出済み額は千四百九十億円余でありまして、収入支出を超過すること千百六十九億円余であります。また、昭和三十三年度の総収益二千六百六十一億円余から総損失千四百一億円余を控除した事業益金は千二百五十九億日余でありまして、日本専売公社法第四十三条の十三第二項の規定により控除すべき固定資産及び無形資産増加額がないので、専売納付金は千二百五十九億円余でありますが、これは、その予算額千百六十七億円余と比べますと、九十二億円余の増加となっております。  以下、これを収入支出の部に分けて御説明いたします。まず、収入の部におきましては、収入済み額は二千六百五十九億円余でありますが、これは、収入予算額二千六百二十一億円余に対して、三十八億円余の増加となっております。なお、この増加は、たばこ事業収入におきまして、製造たばこ売払代予定以上に達した等のため、九十六億円余を増加したこと等によるものでありまして、塩事業におきましては、塩の売渡高予定に達しなかった等のため、五十三億円余を減少し、ショウノウ事業におきましては、ショウノウ売渡高予定に達しなかった等のため、四億円余を減少しております。  一方、支出の部におきましては、支出予算現額は、支出予算額千五百三十五億円余に前年度繰越額十六億円余、予算総則第五条の規定による使用額八億円余、日本専売公社法第四十三条の三十二第二項の規定による使用額三億円余を加えた千五百六十三億円余でありますが、支出済額は千四百九十億円余でありますので、差引七十三億円余の差額を生じました。この差額のうち、翌年度に繰り越した額は四十四億円余、不用となった額は、二十九億円余であります。なお、昭和三十三年度において、日本専売公社法第三十六条第二項の規定により予備費使用した額は、たばこ消費税支払いのため九億円余、固定資産取得のため二億円余、合計十二億円であります。また、昭和三十三年度において、予算総則第五条の規定により使用した額は、たばこ消費税支払いのため八億円余、日本専売公社法第四十三条の二十二第二項の規定により使用した額は、業績賞与支払いのため三億円余であります。  次に、債務に関する計算について御説明申し上げます。日本専売公社法第三十五条第一項の規定に基づく昭和三十三年度債務負担行為限度額は、塩事業費において四十億円でありますが、実際に負担した債務額はありません。次に、日本専売公社法第三十五条第二項の規定に基づく昭和三十三年度債務負担行為限度額は、一億円でありますか、実際に負担した債務額はありません。また、日本専売公社法第四十三条の十四の規定に基づく昭和三十三年度短期借入金最高限度額は、八百五十億円でありますが、実際に借り入れた額は、五百八十億円であり、これは昭和三十三年度内償還し、翌年度に繰り越した債務額はありません。  なお、昭和三十三年度日本専売公社決算につきまして、会計検査院から、不当事項として指摘を受けたものはありません。  以上が昭和三十三年度日本専売公社決算概要であります。何とぞ、御審議のほど、お願い申し上げます。
  4. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 次に植竹郵政大臣より昭和三十三年度日本電信電話公社決算の御説明を願います。
  5. 植竹春彦

    国務大臣植竹春彦君) 昭和三十三年度日本電信電話公社決算書類会計検査院検査報告とともに第三十四回通常国会に提出いたしましたが、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度電信電話拡充第二次五ヵ年計画の初年度に当たりますが、金融引き締め政策影響により、前年度の第四・四半期から現われた増収の伸び悩みも、三十三年度は下半期からの景気の回復に伴いまして、事業収入は順調に伸び、予定収入をかなり上回ったのであります。これは公社職員のたゆまない努力によるものでありますが、電話の熾烈な需要が景気変動影響を打ち消して事業収入増加させていることにも起因するものと考えられます。  これに対しまして事業支出の面におきましては、業務の能率的運営経費効率的使用をはかった結果、良効経営状態を示したのでありまして、損益計算上三百七十二億円余の利益金を生じたのであります。また、建設勘定支出額予算現額の八九・四%を消化し、設備拡充を強力に推進いたしております。  以下決算内容について概略説明いたしますと、損益勘定における事業収入決算額は、千七百五十二億円弱、事業支出決算額は千四百九億円弱でありまして、差引三百四十三億円余の収支差額を生じたのであります。このうち二百八十二億円弱が資本勘定繰り入れられまして、債務償還及び建設工事財源に充当されております。  以上の決算額のうち事業収入及び事業支出予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額千六百九十四億円弱に対して五十八億円余の増収となるのでありますが、その内訳電話収入において四十八億円余、その他の収入において十億円弱となっております。一方支出におきましては、資本勘定繰り入れを除く予算現額千四百二十八億円弱に対し、支出済額は千四百九億円弱でありまして、差額十九億円弱のうち、一億円余を翌年度へ繰り越したほかは不用額となっております。  次に建設勘定における収入決算としては、八百八十三億円余を調達いたしたのでありますが、支出決算額は八百十九億言弱となっております。さらにこの決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては予年額七百五十億円余に対し、百三十三億円弱の増加となるのでありますが、これは資本勘定からの受け入れが多かったためで、その内訳減価償却引当金等自己資本増加額六十五億円弱、電話設備負担金等借入資本増加額六十八億円余に相当するものであります。支出の面におきましては、予算額七百五十億円余に前年度から繰越額等が九十億円弱、予算総則第二十二条及び第二十六条に基づく弾力条項の発動による使用額七十六億円弱を加えまして、予算現額は九百十六億円余となりますが、これに対し支出済額は八百十九億円弱で、その差額九十七億円余は建設工程の未完成等によりまして翌年度へ繰り越すこととなっております。その他の点につきましては、三十三年度公社決算書によって御了承願いたいと存じます。  なお、会計検査院から不当不正事項として四件の御指摘を受けておりますが、これは件数においては前年度に比し減少しておりますもののまことに遺憾なことでございますので、公社を監督する立場にあります郵政大臣といたしましては、綱紀の粛正、経理事務適正化につきまして一層意を用いてゆく所存でございます。  以上公社決算概略を申し上げたのでございますが、何とぞ御審議賜わりますようによろしくお願い申し上げます。
  6. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 昭和三十三年度日本国有鉄道決算について運輸大臣より説明を聴取することになっておりますが、都合によりまして後刻聴取することにいたします。  次に、山田会計検査院長より昭和三十三年度決算検査報告に関する御説明を願います。
  7. 山田義見

    会計検査院長山田義見君) 昭和三十三年度歳入歳出決算は、三十四年十月二十四日内閣から送付を受け、その検査を了して、昭和三十三年度決算検査報告とともに三十四年十二月四日内閣に回付いたしました。  昭和三十三年度一般会計決算額歳入一兆四千五百三十七億余万円、歳出一兆三千三百十五億余万円、各特別会計決算額合計歳入三兆五百八十五億余万円、歳出二兆八千二十七億余万円でありまして、一般会計及び各特別会計決算額総計いたしますと、歳入四兆五千百二十二億余万円、歳出四兆千三百四十三億余万円となりますが、各会計間の重複額及び前年度剰余金受け入れなどを控除して、歳入歳出の純計額を概算いたしますと、歳入二兆七千二百九十四億円、歳出二兆六千三百三十三億円となり、前年度に比べますと、歳入において七百五十四億円、歳出において千七百二十六億円の増加となっております。  なお、国税収納金整理資金受払額は、収納済み額一兆五百九十億余万円、支払命令済み額歳入組入額合計一兆五百六十二億余万円であります。  政府関係機関昭和三十三年度決算額総計は、収支一兆二千三百十七億余万円、支出一兆六百四十九億余万円でありまして、前年度に比べますと、収入において八百九十一億余万円、支出において六百八億余万円の増加となっております。  ただいま申し上げました国の会計及び政府関係機関会計決算額のうち、会計検査院においてまだ確認するに至っていないものは総計百十一億九千百余万円でありまして、そのおもなものは、総理府の防衛庁の項で五十九億六千七百余万円、艦船建造費の項で二十五億五千六百余万円などであります。  会計検査の結果、経理上不当と認めた事項及び是正させた事項として、検査報告に掲記しました件数合計三百五十五件に上っております。  三十三年度不当事項及び是正させた事項件数が、三十二年度の五百一件に比べて減少いたしましたのは、主として補助金において減少したためであります。  今、この三百五十五件について、不当経理態様別金額を概計いたしますと、不正行為による被害金額が一億千万円、保険金支払いが適切を欠いたもの、または保険料徴収額が不足していたものが二億六千五百万円、補助金交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものなどが七千七百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果、補助金減額を要するものが一億千四百万円、租税収入徴収決定が漏れていたり、その決定額正当額をこえていたものが四億五千九百万円、工事請負代金物件購入代金が高価に過ぎたり、または物件売渡代金が低額に過ぎたと認めたものの差額分が二千四百万円、不急不用物件購入など経費が効率的に使用されなかったと認めたものが一億八百万円、その他が八千九百万円、総額十二億五千万円に上っておりまして、三十二年度の十五億円に比べますと、二億五千万円の減少となっております。減少したもののおもなものは、補助金交付額が適正を欠いているため返納または減額を要するものにおいて七千二百万円、災害復旧事業に対する早期検査の結果、補助金減額を要するものにおいて七千二百万円、不急不要の物件購入など経費が効率的に使用されなかったと認めたものにおいて七千四百万円であります。  検査の結果につきましては、租税工事物件、役務、保険補助金不正行為の各項目に分けて検査報告に記述してありますが、これらのうち、会計経理を適正に執行するについて、特に留意を要する事態として、工事施行物件調達について、また、保険及び補助金に関してその概要説明いたします。  まず、工事施行及び物件調達について説明いたします。工事施行及び物件調達において不経済な結果となったと認められる事例は、毎年多数これを指摘して改善を求めてきたところでありますが、三十三年度におきましても、防衛庁日本国有鉄道などにおいて、なお見受けられるのであります。すなわち、工事施行につきましては、予定価格の積算が適当でなく、ひいて契約価額が高価となっているもの、部局間の連絡が緊密を欠き検討が不十分なまま施行したり、施行方法が適切でなかったりしたため不経済な結果を来たしているものなどがあり、また、物件調達につきましては、購入価額検討が適切でなく高価となったもの、在庫量使用実績等についての考慮が十分でなかったため過剰に購入したもの、検収が適切を欠いたため不良品を購入したものなどの事例が見受けられるのであります。  次に保険について説明いたします。国が特別会計を設けて経営する各保険事業における保険事業運営保険金支払いまたは保険料徴収などにつきましては、農林省、労働省などの所管するものにつき、適正を欠いていると認められる事例を毎年多数指摘して、注意を促してきたところでありますが、三十三年度も農業共済保険におきましては、共済掛金の徴収、共済金の支払い、及び保険金の基礎となる被害の評価など、事業の運営に関して著しく適切を欠いているものが多数に上っており、法の期待する運営が実施されているとは認められない実情であり、また、労働者災害補償保険、失業保険におきましては、保険料徴収不足を来たしているものや給付の適正を欠いたものが依然として見受けられるのであります。  最後に補助金について説明いたします。補助金経理につきましては、関係当局の指導監督が行き届いたこと、事業主体の自覚が高まってきたことなどによりまして、相当に改善の跡が認められるのでありますが、なお不当な事例は少なからず認められるのであります。補助金のうち公共事業関係のものにつきましては、その経理が当を得ない事例を毎年多数指摘してきたところでありますが、三十三年度におきましても、事業主体において正当な自己負担をしていないもの、設計通り工事施行していないものなどの事例が依然として少なくないのであります。  また、災害復旧事業の事業費査定の状況につきましては、三十四年におきましても、農林、建設、運輸各省所管の分について、工事の完成前に早期に検査を行ないましたところ、採択された工事のうちには、関係各省間などで二重に査定しているもの、災害に便乗して改良工事施行しようとしているもの、現地の確認が不十分なため工事費を過大に見込んでいるものなどが多数ありましたので、これを指摘して工事費を減額させることといたしました。  さらに、公共事業関係以外の補助金につきましても、前年度に比べて相当改善の跡が見受けられたものもありますが、なお公衆衛生関係、失業対策事業関係などにおきまして、精算額を過大に報告して補助金の交付を受けたり、事業の計画が適切を欠いたため、不経済となっているなどの不当な事例がなお見受けられたのであります。  以上をもって概要説明を終わりますが、会計検査院といたしましては、適正な会計経理の執行について、機会あるごとに関係各省各庁などに対し是正改善努力を求め、不当経理の発生する根源をふさぐことに努めてきたのでありまして、その結果は、近年相当に改善の跡が見受けられるようになって参りましたが、なお、このように不当な事例が多数見受けられますので、関係各省各庁などにおいてさらに特段の努力を払うよう望んでいる次第であります。
  8. 上原正吉

    委員長上原正吉君) それでは昭和三十三年度日本国有鉄道決算について、楢橋運輸大臣より御説明を願います。
  9. 楢橋渡

    国務大臣(楢橋渡君) 昭和三十三年度日本国有鉄道決算書を会計検査院決算検査報告とともに本国会に提出いたしましたので、その大要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度における日本国有鉄道収入は、上半期における経済界不況の影響による不振が大きく響き、下半期に入って幾分持ち直したとはいえ、年間を通じて大きな伸長が見られませんでした。これを予算予定した収入に比較いたしますと、旅客においては、わずかではありますが予定を上回ったのに対して、貨物においては、大幅に予定を下回りましたので、結局全体ではかなり予定を下回る結果となりました。一方、支出面におきましては、日本国有鉄道は、極力支出の節約に努め、経営の合理化をはかりましたが、収入減が大きく響き、予定された純利益をあげるまでには至りませんでした。ところが、損益計算上は営業外利益約七十四億円があったため、百一億円余の純利益を生じ、前年度に引き続いて黒字決算となっております。  以下決算内容を勘定別に御説明申し上げます。損益勘定におきましては、収入済額は三千三百七十八億円余支出済額は三千三百三十五億円余でありまして、収入支出を超過する額は約四十三億円であります。これに収入支出済額に同額計上してある受託工事関係収支を除き、収入済額に含まれていませんが、損益計算上利益に属する前期損益修正等の営業外収入約九十億円及び支出済額に含まれていますが、損益計算上損失に属しない資本勘定へ繰入額の中の四十四億円余を加算いたしますとともに、他方支出済額には含まれていませんが、損益計算上損失に属する固定資産除却約六十億円、前期損益修正等の営業外経費約十六億円を減じますと、本年度純利益は、前述のように百一億円余となります。  以上の決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額三千五百七十八億円余に対して約二百億円の減収となります。その内容は、運輸収入におきまして百七十四億円余の減収、雑収入におきまして約二十六億円の減収となっております。他方、支出におきましては、予算現価三千五百九十二億円余から支出済額差引きますと、その差額は約二百五十七億円で、そのらち翌年度への繰越額は約六十一億円で、残りの約百九十六億円は不用額となっております。  次に、資本勘定におきましては、収入済額は一千五十三億円余、支出済額は一千五十三億円余でありまして、収支差額はありません。  以上の決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、予算額一千百五十三億円余に対しまして百億円余の収入不足となります。これは、損益勘定よりの受入減約百八十億円、鉄道債券の繰越発行額五十九億円及び資産充当等による収入増加約二十一億円があったためであります。一方、支出におきましては、予算現額一千二百三十一億円余との差額は百七十八億円余でありまして、全額不用額となっております。  最後に工事勘定におきましては、収入済額は九百六十五億円余、支出済額は八百七十二億円余でありまして、収入支出を超過する額は約九十三億円であります。これは、翌年度への工事の繰り越し等があったためでありまして、その超過額は運転資金増加となって現われております。  以上の決算額予算と比較いたしますと、収入におきましては、資本勘定からの受け入れが少なかったため、予算額一千六十二億円に対しまして約九十七億円の減少となります。また、支出におきましては、予算現額一千百十五億円余に対しまして二百四十三億円余の差額を生じます。この内容は、翌年度への繰越額九十億円余及び不用額約百五十三億円となっております。  なお、昭和三十三年度予算の執行につきまして、前年度に比して半数以下に減少しているとはいえ、会計検査院から不当事項五件、不正行為一件の御指摘を受けましたことは、日本国有鉄道においても種々事情があったこととは存じますが、まことに遺憾にたえないところでありまして、今後さらに綱紀の粛正と予算の効率的運用に一段の努力をいたすよう指導監督して参りたいと考えております。  以上、昭和三十三年度日本国有鉄道決算につきまして、その概略を御説明申し上げましたが、詳細につきましては、さらに御質問のつど御説明申し上げたいと存じます。  何とぞ御審議のほどお願いいたします。   —————————————
  10. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 次に、昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書を一括して議題といたします。まず佐藤大蔵大臣より御説明を願います。
  11. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま議題となりました昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書について、その概要を御説明申し上げます。  まず、昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書概要について申し述べます。  昭和三十三年度中に増加しました国有財産は、行政財産千七百三億円余、普通財産六千二十三億円余、総額七千七百二十七億円余であり、また本年度中に減少しました国有財産は行政財産九百六十二億円余、普通財産五千八十六億円余、総額六千四十八億円余でありまして、差引総額において千六百七十八億円余の増加となっております。これを前年度末現在額二兆千四百五十億円余に加算いたしますと、二兆三千百二十九億円余となり、これが昭和三十三年度末現在における国有財産総額であります。  この総額内訳を分類別及び種類別に申し上げますと、行政財産においては公用財産五千六百二億円余、公共用財産八十七億円余、皇室用財産九十六億円余、企業用財産六千九百十四億円余、合計一兆二千七百一億円余となっており、普通財産においては一兆四百二十七億円余となっております。  また、国有財産総額内訳を区分別に申し上げますと、土地二千九百八十九億円余、立木竹五千五百四十一億月余、建物三千六十一億円余、工作物千八百十億円余、機械器具七十二億円余、船舶五百九十億円余、航空機千七億円余、地上権等一億円余、特許権等二億円余、政府出資等八千四十八億日余、合計二兆三千百二十九億円余となっております。  次に、国有財産の増減の内容について、その概略を申し上げます。まず、昭和三十三年度中における増加額を申し上げますと、その総額は七千七百二十七億円余でありますが、この内訳は、第一当該年度中の国と国以外の者との間の異動、すなわち、対外的異動によって増加した財産は千五百八十七億円余でありまして、このうち購入、新営工事、出資等歳出を伴うものは千百四十九億円余、寄附、代物弁済、租税物納、交換等歳出を伴わないものは四百三十七億円余となっております。第二に、国の内部における異動、すなわち、対内的異動によって増加した財産は六千百三十九億円余でありまして、このうち所管がえ、所属がえ、整理がえ等調整上の増加は五千五百四十二億円余、新規登載、引き継ぎ洩れ発見登載等整理上の増加は五百九十七億円余となっております。  次に、減少額について申し上げますと、その総額は六千四十八億円余でありますが、この内訳は、第一に、対外的異動によって減少した財産は三百二十一億円余でありまして、このうち売り払い、出資金回収等歳入を伴うものは百四十六億円余、譲与、交換等歳入を伴わないものは百七十五億円余となっております。第二に、対内的異動によって減少した財産は五千七百二十七億円余でありまして、このうち所管がえ、所属がえ、整理がえ等調整上の減少は五千五百四十五億円余実測、実査等整理上の減少は百八十一億円余となっております。  以上が昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書概要であります。  次に、昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書概要について、申し述べます。  国有財産法第二十二条並びに同条を準用する第十九条の規定により地方公共団体等に無償で貸し付けてある国有財産の本年度中に増加した総額は二十三億円余であります。また減少した総額は〇・八億円余でありますので、差引二十三億円余の純増加となっております。これを前年度末現在額六十三億円余に加算しますと八十六億円余となりこれが昭和三十三年度末現在において無償貸付をしている国有財産総額であります。  この増減のおもなものを申し上げますと、増加したものは、公園の用に供するもの二十一億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの二億円余等であります。  次に減少したものは、公園の用に供するもの〇・三億円余、生活困窮者の収容施設の用に供するもの〇・四億円余等であります。  以上が昭和三十三年度国有財産無償貸付状況総計算書概要であります。  なお、これらの国有財産の各総計算書には、それぞれ説明書が添付してありますので、それによって細部を御了承願いたいと思います。  なにとぞ御審議のほどお願い申し上げます。  次に、昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書概要を御説明申し上げます。  昭和三十三年度中に増加しました物品の総額は七百九億円余であり、また減少しました物品の総額は四百六十三億円余でありまして、差引二百四十五億円余の増加となっております。  これを前年度末現在額九百七十九億円余に加算いたしますと千二百二十四億円余となり、これが昭和三十三年度末現在における物品の総額であります。  この総額内訳をおもな品目ま別に申し上げますと、車両及び軌条二百十三億月余、土木機械二百億円余、試験及び測定器百二十二億円余、産業機械八十三億円余となっております。  次に、物品の増減の内容について、その概略を申し上げます。  まず、昭和三十三年度中における増加額を申し上げますと、その総額は七百九億円余でありまして、この内訳のおもなものを申し上げますと土木機械において百六十六億円余、車両及び軌条において九十二億円余、試験及び測定器において五十二億円余の増加となっております。  次に、減少額について申し上げますと、総額は四百六十三億円余でありまして、その内訳のおもなものを申し上げますと、土木機械において百二十七億円余、車両及び軌条において六十九億円余の減少となっております。  以上が昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書概要であります。  何とぞ御審議のほどお願い申し上げます。
  12. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ただいま大蔵大臣が御説明になりました金額のうち、御配付いただきました資料と輻湊したところがございますので、後刻取り調べまして、委員長が適当に取りはからいます。  次に、山田検査院長の御説明を願います。
  13. 山田義見

    会計検査院長山田義見君) 昭和三十三年度国有財産検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書並びに国有財産無償貸付状況総計算書は、三十四年十月三十一日内閣から送付を受け、その検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。  三十二年度末の国有財産現在額は二兆千四百五十億九千九百余万円でありましたが、三十三年度中の増が七千七百二十七億千三百余万円、同年度中の減が六千四十八億七千四百余万円ありましたので、差引三十三年度末の現在額は二兆三千百二十九億三千八百余万円となり、前年度末に比べますと千六百七十八億三千八百余万円の増加となっております。  次に、国有財産の無償貸付状況について申し上げますと、三十二年度末には六十三億五千五百余万円でありましたが、三十三年度中の増が二十三億九千六百余万円、同年度中の減が八千七百余万円ありましたので、差引二十三億九百余万円の増加をみまして、同年度末の無償貸付財産の総額は八十六億六千四百余万円となっております。  また、国有財産の管理及び処分について不当と認めましたものは、昭和三十三年度決算検査報告に掲記しておりますが、これらの事項を取りまとめて申しますと、国有財産の管理に関するもの三件、同じく処分に関するもの一件、計四件であります。  次に、昭和三十三年度物品検査報告につきまして、その概要説明いたします。  昭和三十三年度物品増減及び現在額総計算書は、三十四年十月二十四日内閣から送付を受けその検査を了して、十二月四日内閣に回付いたしました。  右物品増減及び現在額総計算書に掲げられます物品は、国が管理する一切の物品を網羅するものではなく、政令で定める重要な物品に限られているのであります。  次に、右物品増減及び現在額総計算書における三十三年度中の物品の増減等をみますと、三十二年度末現在額は九百七十九億九百余万円でありましたが、三十三年度中の増が七百九億百余万円、同年度中の減が四百六十三億七千六百余万円ありましたので、差引三十三年度末現在額は千二百二十四億三千五百余万円となり、前年度末に比べますと二百四十五億二千五百余万円の増加となっております。  なお、物品増減及び現在額総計算書に掲げられております物品の管理について不当と認め検査報告に掲記した事例はありません。  以上であります。   —————————————
  14. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 最後に、昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)、昭和三十三年度特別会計予備費使用調書(その2)、昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条に基づく使用調書昭和三十三年度特別会計予算総則第十五条に基づく使用調書昭和三十四年度一般会計予備費使用調書(その1)、昭和三十四年度特別会計予備費使用調書(その1)を議題といたします。  佐藤大蔵大臣より、御説明を願います。
  15. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) ただいま議題となりました昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)ほか五件の事後承諾を求める件につきまして御説明申し上げます。  昭和三十三年度一般会計予備費予算額は九十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十三年四月四日から同年十二月二十六日までの間において使用決定いたしました七十億円余につきましては、第三十一回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十四年一月二十日から同年三月二十五日までの間におきまして、十九億四余につき使用決定いたしました。  そのおもな事項は、河川等災害復旧事業に必要な経費、都市及び河川等災害復旧事業等に必要な経費、農業施設災害復旧事業並びに農業施設災害関連事業に必要な経費、第二十二号台風等による文教施設災害復旧等に必要な経費、失業中の退職政府職員等に対する退職手当に必要な経費、命令融資損失補償に必要な経費等であります。  次に、昭和三十三年度特別会計予備費予算総額は一千九十六億円余でありまして、このうち、昭和三十三年四月二十三日から同年十二月二十六日までの間において使用決定いたしました四百四十七億円余につきましては、第三十一回国会にその事後承諾を求める件として提出いたしまして、すでに御承諾を得ましたが、その後、昭和三十四年一月二十日から同年三月三十日までの間におきまして八十二億円余の使用決定いたしました。  そのおもな事項は、失業保険特別会計における失業保険給付に必要な経費、郵政事業特別会計における仲裁裁定実施に伴う職員俸給等の不足に必要な経費、食糧管理特別会計国内麦管理勘定における昭和三十三年産麦の買入増加に伴い必要な経費、外国為替資金特別会計における外国為替資金証券の利子支払に必要な経費等であります。  次に、昭和三十三年度特別会計予算総則第十四条及び第十五条の規定に基づき、予備費使用の例に準じて予算を超過して支出いたしました特別会計は、交付税及び譲与税配付金、特定物資納付金処理及び郵政事業の三特別会計でありましてその内訳は、交付税及び譲与税配付金特別会計において支出しました地方道路譲与税譲与金に必要な経費、二億円余、特定物資納付金処理特別会計において支出しました産業投資特別会計へ繰入に必要な経費五億円余及び郵政事業特別会計において支出しました業務量の増加等に必要な経費十七億円余であります。  次に、昭和三十四年度一般会計予備費予算額は百六十億円でありまして、このうち、財政法第三十五条の規定により、昭和三十四年五月一日から同年十二月二十五日までの間において使用決定いたしました金額は八十三億円余であります。  そのおもな事項は、農業用施設災害復旧事業等に必要な経費、直軸河川災害復旧事業に必要な経費、河川等災害復旧事業等に必要な経費、災害救助に必要な経費、鉱害復旧事業に必要な経費、在日朝鮮人の帰還援護に必要な経費、東海地区風水害応急対策に必要な経費、航空交通管制業務の引継に伴い必要な経費等であります。  次に、昭和三十四年度特別会計予備費予算総額は一千二百七十六億円余でありまして、このうち、昭和三十四年七月二十八日から同年十二月二十五日までの間において使用決定いたしました金額は五百五十九億円余であります。  そのおもな事項は、食糧管理特別会計国内米管理勘定における昭和三十四年産米の買入増加に伴い必要な経費、国内麦管理勘定における昭和三十四年産麦の買入増加に伴い必要な経費、国有林野事業特別会計における災害復旧事業等に必要な経費、失業保険特別会計における炭鉱離職者の職業訓練に必要な経費等であります。  以上が、昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)ほか五件の事後承諾を求める件の概要であります。  何とぞ御審議の上、御承諾下さるようお願い申し上げます。
  16. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 以上で、昭和三十三年度決算昭和三十三年度国有財産増減及び現在額総計算書外二件並びに昭和三十三年度一般会計予備費使用調書(その2)外五件の概要説明を終了いたします。  ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  17. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 速記を始めて。   —————————————
  18. 上原正吉

    委員長上原正吉君) 次に、国家財政経理及び国有財産の管理に関する調査議題といたします。
  19. 相澤重明

    ○相澤重明君 大蔵大臣に緊急の問題ですから、お尋ねをしておきたいと思うのですが、昨日公共企業体関係に関する仲裁裁定が提示をされたわけであります。  そこで、ただいま三十三年度予備費等の問題についても御説明をいただいたわけでありますが、政府は、このたびの仲裁裁定が提示されたことについて、これを尊重をして実施をするお考えであるのかどうか。また法律に基づいて、その期間内に手続をとるのは、どういう形になっておるのか、このことを一つ大蔵大臣にお尋ねをしておきたいと思います。
  20. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 御承知のように、政府は、この種の仲裁裁定については、その趣旨を尊重するという従来から一貫した方針をとっております。在来の方針に、何らの変更のないことを、この機会にもはっきり申し上げておきます。この尊重いたすという、この基本的考え方で、それぞれの、これからとります手続等については、過去の例等もございますので、それを十分勘案いたしまして、手続上に疎漏のないようにするつもりでございます。  ところで、ただいま仲裁裁定が出たばかりでございまして、大蔵当局におきましても、その内容等について、ただいま数字等を調査いたしておりますが、それぞれの公社その他の現業等におきましても、いずれ数字がまとまりましたら、大蔵省に相談をいたしてくることだ、かように考えておりますが、ただいままだ出ておりません。そういう状況でございます。  で、この際、はっきり申し上げますことは、政府のかねての方針に、何らの変更のないということ、この点をはっきり申し上げておきます。
  21. 相澤重明

    ○相澤重明君 白房長官にお尋ねいたしますが、前回の当委員会で、京浜第二国道の爆発事故に関連をいたしまして、国家賠償法の解釈並びに改正等についての質疑を行なったのでありますが、その際、検討するという御答弁をいただいたのでありますが、その後政府は、いかなる措置を講じておるか、その後の政府のとった処置についての御説明をいただきたいと思うのです。
  22. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 非常に気の毒な災害被災者がたくさんおられまして、これらに対する賠償の何らの方法がないことは、まことに遺憾であるということで御質問がございました。国家賠償法につきましては、その当時申し上げました通り、公務員の過失等がない場合におきましては、いかんせん賠償の方法がない、その他の方法については、さしあたりないわけでございますが、しかしながら実際問題として、これを放置することは、まことに適当でないというお話がございましたので、その点につきましては、なおよく研究をいたしますということを申し上げました。  そこで、いろいろ政府内部で研究をいたしましたのでございますが、十分に私どもが考えましても、実際の被害状況に照らして満足のいくような解決方法が、いまだに発見できないことは、まことに遺憾に存じます。ただいままでのところは、三つの方向に従って研究を進めておるのでございます。第一は、局部的な大災害については、災害救助法の発動基準に特例を設けるような方法によって、何とか措置ができないかという点でございます。  第二は、民間の賠償責任保険を利用することによって、火薬関係業者をこれに加え、行政的に指導する方法について考えておるのでございます。この第二の方法につきましても、火薬は、これは化学部門でございますが、化学部門の掛金が、他の産業種類に比較して非常に比較にならぬほど高い。損害保険の道が開かれておりますけれども、そういう関係で、これを利用するものが少ない、こういう現状でございますので、これをどの程度まで行政指導によってやり得るか、そういったようなことが、一つの研究問題になるわけでございます。  それから第三は、火薬関係業者に、損害補償の場合に活用し得るような基金を設定させる、その基金の負担可能範囲内で、補償金を支出させるという方法でございますが、さしあたりこれがために必要とあれば、国は、この基金に対して免税措置を考慮する方法もあるだろう、こういうよらな考え方があるのでございますが、しかしこれらの三つの方向につきまして考えておりますが、なかなか十分な、これらの解決の方法は見つけることが困難であるというふうに考えますが、なお、これらのことにつきましては、まだ中間報告の段階に過ぎないのでございまして、今後とも、御趣旨に沿うて研究を進めて参りたいと考えております。  以上、中間的な御報告を申し上げます。
  23. 相澤重明

    ○相澤重明君 ただいまの官房長官の御答弁は、政府も非常に熱意を示して、この爆発物、あるいは非常災害の場合の処置に取り組んできたことで、私も敬意を表しておきたいと思う。しかしこの事件が起きてから、先日七日の日に、もうすでに横須賀で坂本町における火薬庫の爆発があったわけです。これはもちろん自然の爆発でなくて、特定の人が、特に何らかの意思をもっての行為でありますから、これはある程度避けられない点もありますけれども、しかし全般的にいけば、管理等の問題も、十分検討しなければならぬ、こう思うのであります。  そこで、特に爆発物をたくさん持っておる住民の危惧というものは、非常な大きなものでありますから、国家賠償そのものについては、やはり今後も検討されるように私は望みたいと思うのでありますが、その点も、官房長官として今後御検討いただけるのかどうか。  それから第二の問題は、今の中間報告という御説明でございましたが、大へんけっこうなことだと思うのでありますが、さらにこれが可及的に実現のできるような方途を一つ講じていただきたいと思うのでありますが、官房長官の御答弁をいただきたいと思っております。
  24. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 引き続いて起こりました先般の火薬爆発の問題は、前回とは、なるほど原因は違いますけれども、しかし被害をこうむった人にとっては、これは同じことでございます。でありますから、そういう不測の大災害をこうむった場合の救済という点については、まったくこれは同じ範疇に入れて考えてしかるべきものであろうと考えます。ただ、先ほど申し上げたように、十分な救済の方法がなかなか発見されませんのでございますが、しかしながらこの点につきましては、引き続き研究を進めたいと考えます。
  25. 上原正吉

    委員長上原正吉君) ほかに御発言もなければ、本日は、この程度にいたしまして散会いたします。    午後零時三十四分散会