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1960-04-20 第34回国会 参議院 議院運営委員会 第27号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月二十日(水曜日)    午前十時二十五分開会   —————————————   委員の異動 本日委員安田敏雄君辞任につき、その 補欠として永岡光治君を議長において 指名した。   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     高橋進太郎君    理事            塩見 俊二君            田中 茂穂君            阿部 竹松君            光村 甚助君            向井 長年君            加賀山之雄君    委員            石谷 憲男君            鹿島 俊雄君            北畠 教真君            後藤 義隆君            佐野  廣君            徳永 正利君            鍋島 直紹君            松野 孝一君            村上 春藏君            椿  繁夫君            豊瀬 禎一君            永岡 光治君            米田  勲君         —————    議長      松野 鶴平君    副議長     平井 太郎君         —————   政府委員    内閣官房長官  椎名悦三郎君   事務局側    事 務 総 長 河野 義克君    事 務 次 長 宮坂 完孝君    議 事 部 長 海保 勇三君    委 員 部 長 岸田  実君    委員部副部長  若江 幾造君    記 録 部 長 佐藤 忠雄君    警 務 部 長 渡辺  猛君    管 理 部 長 佐藤 吉弘君   法制局側    法 制 局 長 斎藤 朔郎君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○本会議における議案趣旨説明聴取  及び質疑に関する件 ○決議案委員会審査省略要求の取り  扱いに関する件   —————————————
  2. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) これより議院運営委員会を開会いたします。  まず、本会議における議案趣旨説明聴取及び質疑に関する件を議題といたします。  先般、内閣から送付されました輸出入取引法の一部を改正する法律案の取り扱いにつき、理事会において協議いたしました結果、本案につきましては、本会議においてその趣旨説明を聴取するとともに、左の要領により質疑を行なうことに意見が一致いたしました。  すなわち、時間は、日本社会党二十分、民主社会党無所属クラブ及び参議院同志会おのおの十五分、人数は各派一人、順序は大会派順、以上の通りでありますが、右理事会において申し合わせの通り決定することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  なお、本議案趣旨説明に対する質疑につきましては、実は各派から本日の本会議においてぜひこれを行ないたいというような御要求等もございましたが、総理出席都合等事情のために、これをきょう議題にすることができなかったのであります。従って総理並びに国務大臣の本会議出席件等に  つきまして発言を求められております  ので、その発言を本委員会において取り上げることにいたしたいと思います。
  4. 阿部竹松

    阿部竹松君 今、委員長から提案された輸出入取引法の本会議における趣旨説明の件と、それから議運理事会決定願っている矢嶋議員緊急質問、  こういう問題が先週から論議が重ねら  れて、一応決定しておったのですが、総理出席しないというふうなこと  で、国会役員である委員長あるいは与党である塩見理事等に何度も何度も申し上げたけれども総理は一向出席しない。従って、衆参両院は平等の権利義務と平等の責任があるのだけれども向こうは第一院だということで、衆議院の方は議案も大体先議であるから、衆議院の方に多くの時間をおとり正なるということはわかるけれども、一週間に一度の本会議出席しないということについては、われわれは了承事ないところであって、たまたま官房長官がお見えになっているから、官房長官のこれに対する御見解をまず承っておきたいと思います。
  5. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) 総理出席要求がありました際には、必ずその面案に写るように努めて参りました。かつて、からだが空いているのに委員会あるいは本会議出席しなかったということは一度もございません。ただ、両院で引っぱり合いになって、議事緊急度等から見て、どうも、どちらもということになりました場合には、両院国会対策の方でその問題を引き取って御相談願って、いずれとも御決定に従うという従来の慣行を守っている次第であります。
  6. 阿部竹松

    阿部竹松君 両院国会対策委員会でという、その両院国会対策委員会とは、官房長官は何をさしておっしゃっているかわからぬけれども、私どもはそういう相談にあずかっておらぬし、なお、昭和三十四年の十一月二十六日、岸総理参議院会議でこう  いう御答弁をされている。いろいろ話をされて、「会議の円滑な進行に支障を来たしましたことは、政府におきましてもまことに遺憾に存ずる次第でございます。今後はかかることのないように十分注意いたしますから、このたびのことは御了承願いたいと存じます。将来、」将来ですよ。「両院及び政府間には緊密な連絡をとりまして、本会議委員会が競合いたし、同一の大臣要求されます場合におきましては、政府といたしましては、原則として大臣は本会議の方へ出席する方針でございます。」こう言っている。衆参両院で本会議が開かれている場合だったらちょっとあれですが、これは衆議院の方で開かれても、きょうは委員会でしょう。こちらとしては本会議ですが、これは総理大臣の一片の儀礼的答弁ですか。きょう本会議に連れてこいと私たちが要望したら、どういう処置をとるのですか。
  7. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 今お読みになったような趣旨は、どこまでも、守っていく考えでございます。私も総理事情を伝えまして、今後御趣旨に沿うよう努力いたすつもりでございます。
  8. 阿部竹松

    阿部竹松君 そういうことで、これが守られるべきだということになれば、抽象論でなく、これは具体的な論議として申し上げますが、私が質問する前に運営委員長皆さんに諮った案件は、これはもう提案になってきているし、質問者決定して、総理がきょう出られれば、この案件もきょうの本会議で十分討議できることになっている。そうすると、衆議院はきょうは本会議がなくて委員会だ、こちらは本会議だということになれば、官房長官の御答弁がほんとうであり、実行するという信念であれば、これをきょう実行できるはずなんです。あなたの御答弁通りいかないから、きわめて遺憾だけれども、金曜日に延ばしてくれぬかという与党理事の話なんです。あなたの話と与党理事の話と違うじゃないですか。
  9. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 政府としましては、総理言葉通り守りたいと思いますが、しかし事柄国会関係することでございますので、国会の御意見も十分尊重しながら、その趣旨を守っていきたいと、こう考えております。
  10. 椿繁夫

    椿繁夫君 私はきのうも商工委員会に出ていまして、四時になったら衆議院の本会議があるからと、こういうことで、これはやはり本会議優先建前があるからというので、したい質疑もしないで、こちらは本会議優先原則を守って、通産大臣委員会から退席をしてもらって、本会議出席してもらうことを、きのうはしたのです。しかも私ども大臣に聞こうとしていることは、今炭鉱のストライキが一つの大きな社会不安になっておりますから、エネルギーの総合対策をこの国会に出すと前国会通産大臣約束されていながら、この国会には出ていない。何か炭鉱合理化を促進するために、整備事業団、あれに二十一億四千万円の政府出資をするというふうなものは出ていますけれども、一方に合理化が推進されることによって、この首切りが今後に出てくる、十一万の炭鉱労働者首切りがもうすでに予想されている。そういうことについて何らの対策がこの国会にいまだに見えないものだから、そういうような重大な緊迫した問題で通産大臣の所見をただしたいと思っているようなことでさえも、本会議出席するからということで遠慮して、議会運営建前というものにわれ一われは協力している。それなのに、今一の言葉を聞くと、きょう衆議院に本会議があるなら別ですよそれなのに、国会対策委員会がどうとかこうとかということで、わけのわからぬ御答弁なんですが、この建前というものをあなた再確認される御意思はありませんか。官房長官
  11. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 総理発言の、要旨はまことにその通りでございまして、私はもちろんその趣旨が正しいものであると考えます。
  12. 椿繁夫

    椿繁夫君 正しいことは実行しなければいかぬ。そう思っているだけでは……。そこで、きょうはさっそくこれはどういうことになりますか。きょうは本会議がある。正しいと思っているのだが、きょうはかくかくのわけでどうとかということじゃないと困る。正しいと思っております。総理が言ったことは尊重しなければいけません。1それはわかりました。そこで、きょうの本会議に対しては総理出席される手配をこれからされるのですか、官房長官
  13. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ちょっと委員長から理事会経過を申し上げますが、実は理事会におきまして社会党及び各派理事から強い御要求がございました。従って与党理事も再三再四衆議院側折衝いたしたのでありますが、話がつかないので、どうしてもきょうの出席はむずかしい、こういうことで、従って、きょう総理出席しないので、先ほど申し上げました輸出入取引法に対する質疑案件等はきょうの本会議にはかけない。できるだけ近い機会の本会議においてこれをやる。こういうことで、しかしそれについては、その間の経緯をやはり十分ただしておく必要があるから、椎名官房長官出席をぜひ求めてもらいたいという社会党の御要求がございまして、官房長官に来ていただいた次第でございます。従って、椿委員にお答えいたしますが、きょうはこの点は、理事会といたしましては、きょうの総理出席についてはやむを得ない。これは非常に不満ではあるけれども、きょうの出席を強要することはむずかしい。従ってきょうは輸出入取引法議題としない。こういうことの経過になっておりますので、さよう御了承願います。
  14. 椿繁夫

    椿繁夫君 官房長官に本日お忙しいところ出席いただいたのは、総理が出て来られないことについて文句を言うというだけで来てもらったのではなくて、どういう事情でということを聞くつもりだったのでしょう、その事情がさっぱりわからぬ。総理の演説は尊重せねばいけません、その建前はごもっともですということはわかりました。ところがきょうはなぜ、どういうわけで出られぬのかということが、官房長官せっかくおいで下さっているのにわからない。委員長の結論はわかりました。ところが政府事情がさっぱりわからない。それをお聞きしているのです。
  15. 椎名悦三郎

    国務大臣椎名悦三郎君) この国会対策の方の御都合も尊重しなければなりませんので、それで、原則としては総理の言うことは正しい、またそうしなければならぬと思いますが、事柄国会に、しかも両院関係のあることでございますから、その方面の御都合も十分に尊重していかなければならぬということを考えております。今日、本会議出席できないということは、私もよく事情をつまびらかにしておりませんけれども国会対策の方でいろいろ両院において協議した結果であることであります。
  16. 塩見俊二

    塩見俊二君 今の問題は、実は昨日衆議院のわが党の国会対策いろいろ折衝をした責任上、ここで一言申し上げておきます。社会党初め各派の本会議を尊重せよという、こういう御主張には私ども全く同感であります。従って、この本会議総理出席を求めるということにつきましては、わが党の国会対策参議院国会対策におきましてもそういう努力を重ねて参ったわけであります。そこで、昨日いろいろそういう折衝をいたしましたが、どうも、きょうだけはいろいろな事情で、一つ何とか参議院の本会議出席をしないで一つ何とかならぬものかと、こういうふうな衆議院お話もありまして、それで、いろいろ問題が非常に錯綜しておりますので、そういう事情もあろうかと思います。それで、理事会で再三その点につきまして御協議を申し上げた。従って、社会党初め各派の御主張もごもっともでありますので、きょうはともかくとして、最近の機会にできれは金曜日、最近の機会におきまして必ず総理出席していただいて、そうしてこの問題の総理への質問を行なうということで一話し合いを続けられまして、それで各党ともきのうの理事会では大体その線を了承いたしました。従って、これは非常に不満である。不満であるが、そういう事情了承いたしまして、衆議院ではそのために、きょうはそれぞれ総理出席を求めて、もう議事が進められておるわけであります。そういうような事情でありますので、まことに不満であるが、こういった問題について将来参議院の機能が十分発揮せられるように運営しなくちゃならぬ。そういう建前から、官房長官おいでを願って、将来はやはり総理参議院の本会議に出していただくように、そういう強い要望を申し上げ、また政府側のそういう御決意を伺うということで、きのうの理事会はそういうふうに決定になったわけであります。本日は、本日総理を呼ぶとか何とかいう問題は、これは一つ決定済みとして御了承をいただきたいと思います。
  17. 米田勲

    米田勲君 理事会でどういうことを話し合ったかは別として、われわれは委員として意見を述べるのですが、昨年末の臨時国会のときのあの問題で、わざわざ総理が本会議ではっきりした発言をして約束をしているのです。しかも、今官房長官の話を聞くと、出席できない理由は何なんだと言ったら、理由はつまびらかではない、よくわからないと言っている。しかも、塩見さんの話でも、いろいろな事情出席できない、何ですか、これは。理由はつまびらかでない、いろいろな事情出席ができない、こういうことで、こちらは本会議をやる、向こう委員会をやっている、その場合には本会議の方に優先して出るのだということを総理自身答弁をして、参議院は全体としてそれを了承したわけです。そうしてあのときの問題をおさめたのに、またまた今回こういうことで、何だか理由のわからない、はっきりしないことでこちらの本会議出席をしないということは、何と考えたって、これは参議院の方が軽視されている証拠です。与党委員だって、この場合、総理の本会議発言したことを実行させるように努力してほしい。何時間もかかるわけじゃない。一日一ぱい本会議場に来ているわけじゃないでしょう。そういうはっきりしない理由で、筋の通らないことをまたまた繰り返すということには絶対に承服できない。そんなことだったら、こっちの本会議をやめた方がいい。私は何としても、こういう理由総理出席しないということに賛成できない。絶対に出席さしてもらいたい。与党皆さんもそのことを強く主張してもらいたい。この場合、そうでないと、何べんも同じことを繰り返すだけです。私はそういうことを強く主張して、理事会話し合いには承服できません。
  18. 阿部竹松

    阿部竹松君 官房長官お話がこれが初めてであればまだ了とすることができるけれども、これは前科二犯だ。長官はこの前にも来て言っているのです。委員長が、「昨日、本院におきましては、災害予算審議のため本会議が開かれたのでありますが、内閣総理大臣の御出席がなく、議事に入らぬまま休憩となり、ついに開会するに至らなかった次第でございますが、この事態は、参議院の権威並びに国会の正常なる運営の面からいたしまして、まことに遺憾に存ずる次第でございます。」こういうことから始まって、あなたがとにかくやっているのです。
  19. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 総理ではないですか。
  20. 阿部竹松

    阿部竹松君 「椎名悦三郎君」とちゃんと書いてある。あなた、いつ総理になったのか。そういうことで、あなたは前科二犯ですよ。松野議長からも注意を受けている。こういうことを繰り返し繰り返しやっているから、私たちは、何も参議院が軽視されているとか何とか言って、自分たちを卑下したような立場で、ものを論じたくないけれども、一週間に一ぺんくらいの本会議に、総理を連れて来たらどうですか。一週間に一ぺんです。あらゆる委員会総理を出せと言ったら、それは無理でしょう、安保審議もあるから。しかし一週間に一ぺんです。審議もたくさんだまっている。岸さんがみずからアメリカヘおいでになって、安全保障条約等に関連のある貿易産業基本法が出てくるから、それを総理に聞きたいからと言っても、出られないというのは、おかしいじゃないですか。それは遺憾でございます、岸総理のおっしゃることは正しい、とあなたはさっきおっしゃった。あなたに何回言ったって、のれんに腕押しかもしらぬが、あなたは内閣の大番頭ですよ、しっかりしてもらわないと困る。陰の官房長官もあるというような話も私は聞いたけれども、陰の官房長官に話したってしょうがないから、私はやはり正式ルートで話しますが、いかがですか。時間がないから……。私はILOの問題についても少しお尋ねをしたいのだが、これをはっきり一つ取りきめて、その後、ILOの問題について若干あなたにこの機会にお尋ねしておきたいのです。
  21. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 御趣旨はごもっともでございますから、今後特に努力いたします。
  22. 向井長年

    向井長年君 官房長官、これは今、社会党皆さんがいろいろ御意見を出しておられますが、先ほど委員長も言われましたように、社会党だけじゃない、きのうの理事会におきましても、各党、あるいは与党理事も、当然である、こういう立場に立っていろいろ努力されたのです。従って、今の官房長官答弁では理由がつまびらかでない、こういうことを言われておりますけれども理由は明確ですよ、これは。われわれこの問題について、いろいろとどういうわけか調査いたしましたが、与党理事が、いわゆる衆議院安保特別委員会においてやはり審議を続けねばならぬ、こういう立場に立っておるのは与党理事なんです。まことにけしからぬ話で、先ほど言われたように、岸総理釈明を尊重するということでなくて、逆の方向をたどっておると思う。従って、理由はそういうところにあると思いますけれども、今回は、御承知のごとく、先ほど委員長から言われましたように近い時期に必ず出すと、こういうことでわれわれは了解いたしますけれども、今後そういうことがないような約束ができるかどうか、明確に一つ答弁していただきたい。
  23. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 政府といたしましては、その趣旨をどこまでも忠実に守りたいと思っております。
  24. 米田勲

    米田勲君 官房長官、今そういう御発言になっておるが、前のときもそれと同じ、それよりももっとはっきりした発言をしているんですよ。もし今答えたことにもとるような行動があった場合にはどういう責任をとるか、それまで聞かなければ、私はその言葉では納得できないのです。前にはもっとはっきりした約束をしているんです。もし今度破った場合にはどういう責任をとるか、それまで聞いておきたい。官房長官、はっきりして下さい。
  25. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) あくまでもお約束は守りたいと思っております。
  26. 永岡光治

    永岡光治君 ちょっと一言だけ言いたかったのでありますが、米田君から出ましたから……。  ただ官房長官に、重ねて委員会出席するときの心がまえを一つ要望しておきたいのですが、総理がなぜ出席できないのか、理由がつまびらかでないというような、そういういいかげんなことでこの議運に臨むという態度は、私、けしからぬと思うのです。そういうことだから、なかなか参議院がうまくいかないし、軽視されることになるわけですから、どうぞ今度出るときには、あなたは官房長官です、総理一心一体立場にあるわけですから、明確に、いかなる理由で出られないのか、これはたまたま出た案件でありますけれども、しっかりした態度一つ答弁していただきたい。こういうことを特に要望しておきます。   —————————————
  27. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 永岡君、ILOの件を始めて下さい。
  28. 永岡光治

    永岡光治君 実はILO八十七号条約批准の問題でありますが、昨年の二月、これはもう閣議で、決定していることですね。当時、全逓混乱状態に、混乱といいますか、政府側から言う不法状態になったので、正常化していないから批准しないのだ、それを待って必ず批准をすると、こういう閣議決定があったのであります。ところで、昨年の十二月に全逓正常化いたしまして、政府はそのことを認めておりました。ことしの二月十六日、私の記憶に誤りなければ二月十六日と記憶いたしておりますが、三十四年度の補正予算審議予算委員会の席上におきまして、私から岸総理にただしました、いつILO条約八十七号の批准国会手続をとるのか、この質問に対しまして岸総理は、四月上旬までに批准手続をとる、こういう趣旨答弁があったわけであります。しかも、その際には岸総理も、全逓正常化したので何らこれを遅延させる理由はない、処置をとらなければならない、そうして四月上旬と、実はこういう発言があったわけであります。ところが、本日はどうですか、四月二十日であります。中旬もきょうで終わりであります。明日からは四月の下旬に入るわけ。ございますが、この間、一体、当委員会において、政府代表として、ILO批准、しかも参議院予算委員会においてこういう約束をしたけれども、いまだに手続をとれないのはこういう理由ですと釈明があったか。これはまず委員長に伺いたい。それから、もしその釈明がないとするならば、一体政府はなぜこの釈明委員会でしないのか。しかも補正予算のみならず、三十五年度の補正予算審議の際におきましても、総括質問から一般質問、さらにまた最後の締めくくりの総括質問におきましても、このことは再三念を押されたことで、しかもその都反、岸総理は、誠意をもって四月上旬までにこれを提出するようにすると、こういう約束をしているのですけれども一体政府はどういう態度で来ているのでしょうか。まことにこれは参議院軽視もはなはだしい。大きくいえば国会軽視もはなはだしいわけであります。そこで、重ねて二点だけお尋ねいたしますが、これは参議院としては、やはり議運がその所管の委員会になるわけでございますが、おくれてまことに相済まないという、そういうことを委員長に、この議運に申し出たことがあるか、釈明があったかどうか。そうして、今日まで何ら一言も私たちは聞いていないのでありますが、政府一体いかような態度で今日まで遅延さしているのか。それから岸総理約束をあなた方は一体どう考えているのか。今までずっと聞いて参りますと、先ほどの本会議出席の状況にも明らかなように、食言きわまりないのでございます。いつだつて食言そのものであります。いつまでもそういう態度は許されないと思いますが、一つどういう態度でおるのか、官房長官から差し向き政府代表として承りたいと思います。
  29. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それじゃ私から……。今の永岡君のお話でございますが、正式にはILOの問題につきましては議運には話はございません。もちろんわれわれ非公式に、ILOは御承知通り非常に関係法令関係の取り扱い方がむずかしいので、先般もこの問題に対する緊急質問等の御要求等もございましたけれども、せっかく各党の間においても話し合いをし、政府の方でも了承している、こういうので今日に至っているのだというのが経過であります。
  30. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) ILOの問題につきましては、永岡委員のおっしゃっております通り、すでに昨年の二月に閣議において、全逓正常化国内関係法令整備を待って、批准手続をとるという方針を掲げまして、昨年の暮れに全逓正常化いたしまして、続いて関係国内諸法令の整備をいたすべく、各省等において大いに勉強して参ったのでありますが、何分にも、公労法、地公労法のほかに、かなり公務員法の問題に手をつけなければならぬということがはっきりして参っておりますので、いろいろ手間取っておるような状況でございます。総理は四月上旬を目途として国会提案をしたいということを言っておられますし、その後、閣議においても、総理は閣僚に対して、その問題はぜひ急いでもらいたいということを再度にわたって強調しておるような状況でございます。今までにおくれましたことはまことに遺憾であり、また申しわけないと存じます。過般来、社会党、民社党及び自民党の国会対策委員長会議をしばしば開きまして、私も呼び出されて、一体いつ出すか明確にしろという御要求がございました。ようやく党及び政府間の本件に対する思想統一、意見の調整も大体見通しがついて参りましたので、それを根拠にして、夜を日についでと申しますか、きわめて急速に法案の取りまとめを今開始いたしまして、来週の木曜日の臨時閣議に間に合わせるように、ただいま非常な勉強をしておるような状況でございます。約束した日をだいぶおくれましたことはまことに遺憾でございますが、状況を御報告申し上げて御了承を得たいと存じます。
  31. 永岡光治

    永岡光治君 お聞きの通り、昨年の二月からの問題です。そうして、これはしよせんは正常化されるということも、これもまた当然の帰結だと思うのであります。すでにこのILO問題は大きな国際問題になっております。日本の信用問題にかかっておるわけであります。これをたてにとって、ガットの例の特別条項の日本の特恵の問題もはずさないという理由にされがちであります。もしこのまま続くことになれば、国際舞台において重大な恥辱を受けることになります。従いまして、私は当然早く進めていかなければならぬと思うのでありますが、しかも、この二月の岸総理答弁からいたしましても、もうでき上がっている法案はたくさんあるだろうと思いますね。余分なことを政府がするからおくれるのです。私はここで法案の内容についてとやかく覆うことは、時間の関係がありますから差し控えますが、批准関係のある条項でいいのでありまして、それを江戸のかたきは長崎というような意味で、国家公務員、地方公務員に弾圧を加えてくるという、こんなところに発展してくるから、なかなかあなた方の思うようにいかないのだろうと思います。それにしても、私はもう少し岸総理が、閣僚がしっかりしておれば、次官会議できまらないなら召し上げてぴしっとすればいいんです。そういう誠意がないことはまことに遺憾です。それを言っておっても今日の段階では始まりませんから、ただしておきたいのですが、今官房長官が言われた三党の国会対策委員長会談でまとまって、あなた方が報告して了承を得たという木曜日、つまり四月二十八日に臨時閣議を開いて法案の手続をとると、こういうように新聞にも報道されて、私たちもそういう報告を受けておるわけであります。それはどういう法律案あるいは条約を用意されておるのか、まずそれを承りたい。これが一点。それから、あなたはいろいろまとめることに困難を来たしている、夜を日についで準備を進めていると言いますが、私たち承知する限りにおいては、公労法、地公労法という問題はいつでもすぐにでも出せる、要綱はもうきまっておる、あと手続の問題で簡単だ、こう聞いております。つまり二十八日までを待つまでもなく、すぐにでも出せる段階と承っております。これはもうあらゆる委員会で労働大臣が言明していることでありますが、あなたはこの点についてどう把握されているか。この二点についてお尋ねいたしたいと思います。
  32. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 関係国内法令としては、公労法、地公労法、鉄道営業法、それから国家公務員法及び地方公務員法、この五法案でございます。
  33. 永岡光治

    永岡光治君 もう一ぺん言いますが、あなたは非常に手間取っていると言いますが、出そうと思えばすぐに出せる法律案は最小限度あるはずです。条約の批准、それから公労法の改正、地公労法の改正、これがあるはずでありますが、それをどう把握されているかということ。ついでにもう一つ言いますが、あなたはきょうの新聞の談話によると、二十八日に出すという国会対策委員長会談にそういう報告をいたしておきながら、本日の朝日新聞の記事によりますと、二十八日に全部そろわなければこの二十八日の時期も考えなければならぬ、こういう発言をしておりますが、事実ですか。もしそういうことであれば、これはもう一回対策委員長会談を開いていただいて、あなたの食言を追及しなければなりませんが、いかがですか。
  34. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 私はそういうことを言った覚えはございません。
  35. 永岡光治

    永岡光治君 記事の間違いですか。
  36. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 何かの間違いだろうと思います。二十八日には関係法令全部を提出する予定でございます。
  37. 永岡光治

    永岡光治君 今にも出せるのじゃないですか。
  38. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 今にも出せるというようなそういう状況にはなっておりません。在籍専従の問題等も非常に政府内において深刻な対立もございました。それも大体調整がつきかけております。から、それを見越して、これらの問題を基礎に法案の準備を進めております。鉄道常業法の問題も手をつけ始めただけで、明治三十三年の法律ですけれども、どこから手をつけていいかわけがわからぬといったような、だいぶ時代離れした法律なんでございますが、しかしこれも最小限度に改正をするという方針をきめまして、ようやく今軌道に乗っております。国家公務員法の問題も必要最小限度において手をつけまして、この際といったような便乗主義でやる意思は毛頭ございません。今法制局を督励して、せっかく間に合わせるようにいたしたいと思っております。1
  39. 永岡光治

    永岡光治君 とにかく出せるわけですね。
  40. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) 出せます。
  41. 永岡光治

    永岡光治君 それじゃ、念を押しますが、今あなたの言われたのは条約案が一件、法律案が五件あるが、たとえ全部出そろわなくても、とにかく二十八日には出せるものは出す、ぜひ出さなければならぬ、これははっきりしているのですね。確認しておきたいと思いますが、官房長官、間違いないと言明できるかどうか。
  42. 椎名悦三郎

    政府委員椎名悦三郎君) もし間に合わなければどうのこうのということは全然考えておりません。二十八日には必ず出すということで今馬力をかけております。
  43. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) それでは、次に決議案委員会審査省略要求の取り扱いに関する件を議題といたします。  事務総長の報告を求めます。
  44. 河野義克

    ○事務総長(河野義克君) 小柳牧衞君外十八名から、各派共同提案で地盤沈下対策促進に関する決議案が本日発議せられました。なお、本案につきましては、発議者一同から委員会審査省略の要求が付されております。
  45. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) ただいま報告の通りでございますが、本決議案委員会審査を省略することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  46. 高橋進太郎

    委員長高橋進太郎君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。  本会議都合により暫時休憩いたします。    午前十一時七分休憩    〔休憩後開会に至らなかった〕