運営者 Bitlet 姉妹サービス
使い方 FAQ このサイトについて | login

1960-03-17 第34回国会 参議院 外務委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十七日(木曜日)    午前十時三十六分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     草葉 隆圓君    理事            井上 清一君            苫米地英俊君            森 元治郎君    委員            青柳 秀夫君            笹森 順造君            杉原 荒太君            永野  護君            野村吉三郎君            加藤シヅエ君            羽生 三七君            佐藤 尚武君   政府委員    外務政務次官  小林 絹治君    外務大臣官房長 内田 藤雄君   事務局側    常任委員会専門    員       渡辺 信雄君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○在外公館名称及び位置を定める法  律等の一部を改正する法律案(内閣  提出、衆議院送付)   —————————————
  2. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) ただいまから外務委員会を開会いたします。  在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案衆議院送付)を議題といたします。  前回に引き続き質疑を続行いたします。なお本案一昨日衆議院から送付され、本付託となりましたので、念のため申し上げておきます。質疑のおありの方は順次御発言を願います。
  3. 森元治郎

    森元治郎君 ちょっと聞きたいのですが、総領事館領事館の場合、予算はどのくらい違うのですか、定員を置いた場合を仮定して。
  4. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) これは理論上の問題ではないのでございますが、実際上総領事館あるいは領事館が設置されますと、定員というのがきめられるわけですが、その場合に総領事館の場合でございますと、四名くらい認められるのに対して、領事館でございますと三名くらいしか認められないというふうなことの差はございます。しかしそれ以外には、たとえば建物の問題にいたしましても、そのほか実質的にほとんど差異がございませんので、予算的に見ましてはほとんど差がないと申し上げて差しつかえないだろうと思います。
  5. 森元治郎

    森元治郎君 これは総領事館最初から総領事を置くのですか。代理を置くのですか。
  6. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) 総領事館でございますので、原則としては総領事を置くつもりでございますが、最初のときに直ちに総領事が任命されるか、あるいは領事でしばらく代理させるかということまで、そこまでこまかいことにつきましては今から断言はいたしかねますが、大体は総領事を置くつもりでおります。
  7. 森元治郎

    森元治郎君 アメリカの今度の人事ですが、あすこは言葉でいうとフランス語、英語の系統の国だと思いますけ員会会議れども、外交官を、もう少し英米派というか、中央の主流を走っておる。出世街道に乗っておる人を——暑いところとか、寒いところとか、そういうへんぴなところへは行きたくないという、そういう人を回しておるような傾向があることが一つ。それから冗談にしろ、あいつはだめだからアフリカにでも回してやれというような、そういううわさがちょこちょこ流れるが、それはよほど気をつけて全うな人を、一流の人を出すようにする考えがおありかどうか。
  8. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) 従来アフリカの方面はいろいろな意味で何と申しますか、そこのウエートの置き方が十分でなかったという感じはわれわれ自身も持っております。しかし御指摘のようななんは、あれは悪いので、アフリカヘやるというようなことは、少なくとも、われわれとして意識してそういうことをやっておるつもりはございませんし、今後もむしろ少なくとも今年度内におきまして、ずいぶんいわゆるキャリアの人間アフリカの方に配置いたしましたが、次年度におきましては引き続きそういう方向を強化して参りたいというふうに考えております。
  9. 森元治郎

    森元治郎君 というのは、名前を上げないが、具体的にそういう事例もなくもないようであるから、一言注意をしたわけです。
  10. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 今の人事の問題ですが、そういうことは、今質問になったようなことはあるかないかということは別といたしまして、ワシントンとかロンドンとか、ああいうところに非常な優秀の人が集まっておって、そうでないところには非常に優秀な人が少ないというような傾向があるように見えるのですが、ああいう中心点は確かに重要の人がありましょうけれども、やはり肩書きがないとそれ以上の仕事はできない。それなら肩書きのあるところで、もう少し上の方の仕事をやらした方がいいのじゃないかというような感じがしますのですがね、その点いかがでしよう。
  11. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) まあ一つには、やはりロンドンとかワシントンというようなところに行かれますような大使が、まあこれは事実上の問題ですけれども、ある程度本省などに発言力と申しますか、自分の主張が通りやすいというようなことで、割合に人集めか、そういう効果がうまくいくというようなことは、実際上の問題としてあながち否定はできないかと思いますけれども、しかしロンドンワシントンたけに集中しておって、ほかの公館に打っている者は何か最上等生じゃないというように言われるのは、実はこれは私はいかがかと思うのでございまして、たとえば今本省の局長くらいやっております者で、ワシントンロンドンに在勤したことのないという方がむしろ多いくらいじゃないかと思います。官補のときに英語で試験を通りますれば、最初のときはロンドンワシントンに行くというのは、これは通常のコースでございますけれども、それ以外の、あとになりましてからは、必ずしもロンドンワシントンに在勤しておる者が優秀で、ほかのところに行っている者は優秀でないという区別は私はないと思っております。がしかし、先ほど申し上げましたように、実除上、館長の発言力というようなことで、多少人がそろっておるということはあるかと思いますし、それからやはり伝統的に古い館が一度一つ人間を集めますと、そこから減らすということは実際上なかなかむずかしいものでございますから、そういう古い館がやはり新しい館と比べて多少得しておるというような実情は、あるいは否定できないと思いますけれども、われわれとしてそんな意識的に、こことここにはいい者を配属して、こことここには悪い者を出すということは少なくとも考えておらないつもりであります。
  12. 苫米地英俊

    苫米地英俊君 私の今言うたことを少し誤解しておるようですが、人材の集まっている外務省中心点にない人はぼんくらだ、そんなことを私は言っておるのじゃない。ただロンドンとかワシントンとかいうところに集まり過ぎて、かえって下積みになっておって、上の仕事をやる機会が少ないのじゃないか。外国の高官と折衝する場合でも、やはり肩書きが上でないと、どうも上の方に会うということが困難である。だから私は優秀な人をああいうところに長く停滞させておかないで、もっと各地にやって、そうして上の人とも折衝できるような立場に置いた方が将来のためによくはないか、こういう意味なんです。
  13. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) ただいまのお話は、まあ少し人数がほかと比べて多過ぎやしないかという、一つはそういう意味かとも思いますが、これはわれわれもそういう感じを持たないわけでもございませんが一方問題になる点を申し上げますと、現在御承知のように、ほかの各省から在外公館にずいぶん多数の人が配属されておるわけです。それでワシントンのごときは、今私正確な数字を覚えておりませんが、大蔵、通産、防衛庁等外務省以外に、来ておる人の数は、つまり大使とか、上の、あるいは下の下級下級と申しますと悪いんですが、電信とか会計とか庶務とか、これは外務省でやっておりますが、その中間に当たります書記官クラスで申しますと、おそらく外務省プロパー人間の三倍ぐらいの人が集まっておるんじゃないかと思います。ワシントンなどは特にそうだと思います。そうなりますと、やはりそういった関係均衡と申しますか、あるいはやはり外務省外交上の中心であらなければならぬという角度から申しますと、そういうところをあまり不均衡に1現在でも相当不均衡だと思っておるんでございますがそれを減らしますと、さらに不均衡の度合いがひどくなってしまって、何か在米大使館中身というものが全くほかの省の連中だといったようなことになっても、外務省としても少し困るわけでございます。そういった角度から、やはりつ多過ぎると申しましても、中身を見ていただきますと、実は各省から配属されている人が非常に多いんで、それとの均衡上から外務省の者もそう減らすわけには参らないというようなことで、ある程度の数が配属されておるというようなことになっておるわけでございます。従いまして、ちょっと表だけを見ごらんになりますと、なるほど非常に人数が多過ぎるじゃないかという感じをお持ちになるかもしれませんが、またそれにはやむを得ない事情があるということを御了承いただきたいと思います。
  14. 加藤シヅエ

    加藤シヅエ君 在外公館のことで先日も私ちょっと質問いたしたんですけれども、そう長々しくいろいろ伺うほどのことはございませんけれども、この機会外務当局に特にお心にとめておいていただきたいことは、アフリカアジア諸国というものが日本と今後国際連合を通じて、非常な協力関係において、日本も初めて活躍舞台があるという、この認識を深く考えていただきたいと思うわけでございます。で、いろいろの国の事情を見ておりますと、どうしても長い間植民地であったところは独立いたしました後もいろいろの観点から偏見を持っております。ことに西欧の国々に対しては、より深い偏見を持っている。それに対して日本には別に偏見というものはないわけでございます。で、日本がもしいつでも何か西欧陣営に追従して歩いているというような、そういうような感じを向こうに与えるような、そういう行動があるということは非常に日本にとってもまずいことであるし、また相手国に不必要な不快な感情を与える、こういうことのないように十分に御注意をしていただきたいと思うわけでございます。で、私方々回ったときに感じましたことはあるところではどうかすると、帝国日本というような、そんな感覚でもっていまだに動いていらっしゃる方がなきにしもあらずでございまして、こういうようなことは日本にとって非常に誤った態度だと思います。あくまでもA・Aグループアジアアフリカグループ日本とはかたく提携していくんだと、こういう観点に立っていただきたいと思います。で、日本アジアアフリカ地域には今後大いにまだ発展していく素地が非常に開けているということを特に認識をしていただきまして、出先のことだけでなくて、本省においても十分これに呼応して、貿易、外交、すべてにおいて積極的に進めていただくようにお願いしたいと思います。
  15. 内田藤雄

    政府委員内田藤雄君) 十分御趣旨を尊重いたしていきたいと思います。
  16. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 他に御発言もございませんようでございますから、本案に対する質疑は終局したものと認めて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  17. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより討論に入ります。御意見のおありの方は、賛否を明らかにしてお述べを願いたいと存じます。——別に御意見もないようでございますから、本案に対する討論は終局したものと認めて御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないと認めます。  それでは、これより採決に入ります。在外公館名称及び位置を定める法律等の一部を改正する法律案全部を問題に供します。本案衆議院送付通り可決することに賛成の方の挙手を願います。    〔賛成者挙手
  19. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 全会一致でございます。よって本案は、全会一致をもって可決すべきものと決定いたしました。  なお、本院規則第七十二条により議長に提出すべき報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが御異議はございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  20. 草葉隆圓

    委員長草葉隆圓君) 御異議ないと認めます。さよう決定いたしました。  本日は、これにて散会いたします。    午前十時五十二分散会