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1960-04-19 第34回国会 参議院 運輸委員会 第16号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月十九日(火曜日)    午前十一時一分開会   ―――――――――――――  出席者は左の通り。    委員長     平島 敏夫君    理事            江藤  智君            村上 春藏君            小酒井義男君    委員            佐野  廣君            谷口 慶吉君            三木與吉郎君            相澤 重明君            重盛 壽治君            白木義一郎君   国務大臣    運 輸 大 臣 楢橋  渡君   政府委員    運輸政務次官  前田  郁君    運輸大臣官房長 細田 吉藏君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君    運輸省航空局長 辻  章男君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   ―――――――――――――   本日の会議に付した案件 ○航空法の一部を改正する法律案(内  閣送付、予備審査) ○運輸事情等に関する調査自動車行  政に関する件)   ―――――――――――――
  2. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) ただいまより委員会を開会いたします。  本日はまず航空法の一部を改正する法律案議題といたします。  質問のある方は順次御発言を願います。
  3. 小酒井義男

    小酒井義男君 この航空法の一部改正関連をして、この間も小牧空港現地調査を行なったわけなんですが、今度の提案理由を見ましても、航空交通管制整備ということがやはり一つの目的としてあげられておるわけなんですね。管制の設備というものが、非常にこれから航空発展をしていかなければならぬ現状において少しもう古いのじゃないかということも言われておるのです。特にこの管制官勤務状態を私ども見てきたのですが、大臣もいろいろ現場で働いておる諸君のことについては、非常な関心を従来ずっといろいろな方面に払っておっていただいておるが、あそこらの勤務状態というものをやはり一度見ていただく必要があるのではないかと思うのです。それは非常に精神的に緊張して勤務しなければならぬ責任の重い仕事をしておるわけなんですね。それが時間的にもあるいは勤務地の環境など、G・Cなどは特に非常に薄暗い所で、しかも雑音といいますか、機械の動いておる音が非常にやかましい。作業をしておるところの後も通れないくらい狭い所で勤務しておる、ずいぶん無理な勤務がされておるように思ってきたのです。こういう点と、それから同じ場所で働いておる管制官が、防衛庁からきておる管制官と、学歴の上においても、運輸省の方の管制官の方はむしろ短大を出なければならぬというような学歴的にもいろいろな条件がつけられておる。ところが、待遇の面を資料によって検討してみましても、運輸省管制官が悪いのですね。実質的に被服、食費、住居などというようないろいろな条件などで総合的に検討すると悪いのです。これは同じ仕事をやっておるのに、しかもいろいろな条件が低ければ別ですけれども、高いのです、運輸省の方が。こういう形で置くということは、やはり好ましい状態でもないと思うのです。そういう点について一つこの際、この法律改正に並行して現地の実情を改善されるようなことを私は御勘案願う必要があるのではないかと思うのです。
  4. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今、小酒井委員のおっしゃいました通りでありまして私も実は各地の空港タワーを、事故の起こる以前に視察をして、相当にあの仕事がデリケートな仕事であり、かつまた精神的に非常に過労その他からもたらす問題等危険性を伴うこともうすうす私も気がついておったのですが、実は先般の事故契機といたしまして、この点を深く運輸省といたしましても、これは掘り下げて根本的な対策を立てなければならぬというわけで、次官を中心とする対策委員会を作りまして、漸次今具体的な案を練りつつあるのでありまして、早晩この問題につきまして、大蔵当局その他とも折衝を始めたいと思う次第であります。  ことに管制官待遇等の問題も取り上げておりまして、今おっしゃいましたような自衛隊からきておる者と同じ職場に働いておる運輸省の者との間に非常な較差があったり、また教養その他の点等についてもいろいろな問題もあるようでございますから、運輸大臣管制下にあるのですから、こういう点も十分に考慮して処置を講じたいと実は思うのであります。私も近々一つ機会を見まして、ぜひ一ぺん、そういう問題を取り上げてやっておるのでありますから、つぶさに一つ調査をいたしたいと、こういうように思っております。
  5. 小酒井義男

    小酒井義男君 それから大臣にもう一つお伺いいたしておきたいのですが、現地調査の際に名古屋商工会議所で実は懇談会が行なわれました。そのとき出席をしている参加者の一員からこういうことが言われたのです。永野運輸大臣の当時に、実は岸総理と同席のところで、名古屋商工会議所の会頭が一緒のようでしたが、そこで名古屋空港を、将来やはり中部経済圏発展というものを考えた場合に、国際商業空港として使うようにしてもらいたい、こういうことを言ったところが、将来やはりそういうことが必要であろうからということで、現地の代表の要望に沿うような話があったのであります。こういう点について、その後運輸省として名古屋小牧空港の将来についてそういった点もやはりお考えをいただいておるものかどうか、大臣から一つお伺いしておきたいと思います。
  6. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 私が大臣になりましてから、航空問題、ことにジェット機、その他航空のもたらす国際的な大きな日本経済力への発展というものが考慮されますので、実は大阪空港国際空港になっておらなかったのでありますが、私が大臣になりましてから、まず、とりあえず大阪空港国際空港にしようというので、先般御審議を願って国際空港としたわけであります。私も名古屋のヒンター・ランドが非常に大きく、しかも大阪を凌駕するような大きな生産地帯工業地帯に変貌しつつあるのであって、将来おそらく名古屋というものが日本経済の上にもたらす大きな役割というものが期待されておるのでありますから、そういうようなことも勘案いたしておるのでありまして、名古屋国際空港としての扱いを一体どうすべきかというような問題も並行してバランス等を見て考慮いたしたいと実は思うのであります。国際空港として扱う場合におけるいろいろな、たとえば空路の問題、どういうふうにあそこでもってなされるのかというようなことは、一に名古屋経済的な発展と比例して考慮さるべき問題だと思うのでありまして、とりあえず、私がなりましてから、伊丹を国際空港に編入するということにいたしまして、おそらく名古屋空港は有力な国際空港の候補であるということだけは間違いないのでありまして、そういう点に備えて、今申し上げたような趣旨でにらみ合わせてやって参りたいと考えておる次第であります。
  7. 小酒井義男

    小酒井義男君 大臣急ぎのようですから、もう一点。これは私の要望のようなことになるのですが、今大臣がおっしゃっておるような展望をもって今後の航空問題を考える場合に、これから行なわれるいろいろな施設などについて、この前の委員会でもやはり問題になったのですが、民間飛行場自衛隊飛行場と分離するというようなことを構想に描きながら飛行場施設というものの充実を考えていくと。共用というような形で両者が施設を増強していくというようなことになると、最終的な分離というような時期が来たときに、非常にそれが困難になるんじゃないか。そういう点をやはり今から考えながら、この飛行場の使用をどうしていくかということは、私は慎重に考える必要があると思うのです。そういう点、やはり現地におきましても、実は事故が起こったあとにもいろいろな問題があるようです。よほど注意をしないと、今のような共用の形をとつておると、また事故が起こらないという保証は私はできぬと思うのです。そういうことを総合的に考えて、今小牧空港なり、その他の共用をしておる飛行場というものをどうしていくかということは、やはり将来長い見通しの上に立って私は検討する時期にきておると思うのです。そういう点で一つ格段考慮を払って御検討を至急進めていただきたいと思うのですが、どうでございましょうか。
  8. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 先般の事故契機といたしまして、ことにジェット機を非常に飛ばします併用地における防衛庁との航空基地の問題は、閣内においても私これを提唱いたしまして、やはり民間航空の安全といいますか、確保ということを中心にして考えてもらいたいということを発言いたして漸次、でき得べくんば財政上の許す限りにおいて分離する方向へ持っていくということを一つ考慮を願いたい。防衛庁防衛庁としての考えもあって、いろいろ議論もあったようでありますけれども、先般私が民間航空優先という案を出しまして、防衛庁ではこれに対して反論的なことを言っておったようでありまするけれども赤城長官とも先般話をいたしまして、根本的にああいう併用しておる問題について話し合い一つ進めて、大蔵当局なり、今後の行き方について考慮しようじゃないかということを提案しておるような次第でございまして、従って、今お尋ねになりましたような趣旨に沿いまして、そういう方向へ持っていくような長期のことを考え一つプランを立ててやってみたい、こういうように考えておりますから、一つ……。
  9. 江藤智

    江藤智君 お急ぎのようで御迷惑でございますが、実はこの前防衛庁が参りまして、いろいろ質問したのです。が、その中で非常に重大なことがございまして、ぜひ運輸大臣防衛庁長官との至急お話し合いを願いたいと思いますことは、私たちは、ああいうジェット機正面衝突を、相当見通しのいいときにもかかわらずしたのだと。だからして、当然防衛庁としても今後の出発にあたっては、十分前方注視をしろというような指令でも出してしかるべきじゃないか、そういう指令がもう出ておるのではないかという気持でおったわけです。ところが、防衛庁の方の説明は、タワー指示というものはこれは命令だと、命令が出たんだ。もう命令が出て先方を見たりぐずぐずしておるようなことじゃまずいので、命令が出たらすぐ飛び出すのは当然だ。その上に、マスクをかけたり、天蓋といいますか、上のカバーがあったりして、先方を見ることは非常にむずかしいんだ。だから、いかにも私の方には事故がなかったんだ、あげて責任はそのタワー指示の間違いなんだというような答弁を受けたわけです。しかし、これに対しまして運輸省の方は、タワー指示というものはやっぱり許可だ。許可のいろいろ度合いもあると思いますが、少なくとも出発差しつかえなしという意味で、やっぱり飛び出すときには前方注視の義務、あるいはそういう注意は当然やるべきであるというふうに考えておるにもかかわらず、この前の事務当局説明では、そこまでのどうも責任を感じていないような印象を受けた。そこで、この管制塔の指示というものは、防衛庁が言うように命令と解釈するならば、まあそれもそれだけの保安措置が講ぜられておればいいでしょうけれども命令であるのか、あるいは運輸省が言うような許可であるのか、少なくとも防衛庁運輸省との間の見解統一だけは至急きめていただいて、そういう統一見解を両方の現地に落として、その間にぬかりのないようにしていただく必要があるのじゃないか、かように考えておりますので、その点御要望申し上げておきます。
  10. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) わかりました。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 大臣帰るのだろうけれども、その前に注文を一つしてみたいと思う。  今の江藤君の言う点、これはもちろん、私は防衛庁の一方的な見解はけしからぬ。この間新聞でそういう点を強く彼らは表明しておるわけです。ああいうことを国民が受けた場合、一体この航空業務というものはだれがやるんだ、運輸省が持っておるのか持っておらぬのかと、こういうやはり重要なポイントに非常に疑問を持たれておるわけです。その点は、ぜひ今江藤委員の言うように、はっきりしてもらいたい。それで、ああいう新聞で出されるようなことのないように政府見解統一してもらいたい。これが一つ。  それからいま一つ、この次に一つ答弁をしてもらいたいのは、今度の航空法改正についていろいろ出ておるが、防衛庁との協議事項というものもだいぶ覚書とか協定とかというのが出ておりますが、昨年私も神奈川県の藤沢で黒い飛行機というのがあったわけです。これについては、私ども日本人としては相当問題になるわけです。これはよくよく調べてみると、アメリカの飛行機であったということがわかった。この中に書いてある国籍とかあるいは何とかという、いろいろな条件はあるけれども、そういうことが当時わかっておらない。こういうようなことでは、航空法なんというものを作つても、まるで無意味じゃないかという誤解を持たれる。そういう点について、あのときも私どもの社会党としては、本会議でも緊急質問をしたのでありますが、今度の場合、なおそういう点について誤解のないように、私は、この航空法提案をする以上、はっきりしてもらいたい。そうでないというと、せっかく国内法としては整備をしても、実際にはそれが十分守られない、あるいはいろいろな危険を感ずる、こういうことになっては私は大へんだと思う。そういう点を、まあきょうは時間がないから、この次に運輸大臣はよく資料をそろえて一つ答弁をしていただきたい。  以上、要望しておきます。
  12. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今の江藤さんの言われた、相澤さんも言っておられるですが、命令と言うけれども、それは実際において自分で飛んで命をかけておるのだから、そんなばかなことを言ったって、やっぱりみずから注意してみずから万全の問い合わせをすることが当然であって、そういうような言いのがれみたいなことでなくて、根本的にはもちろんタワー指令というものは尊重しなければならぬし、それは出発していいという許可であるけれども、飛ぶ人間は、今度の事件こそ全日空の者を殺したからおれの責任はないないと言うけれども、当然注視しなきゃならぬことだと思う。だから、その点は一つよく私から統一をしておかなければならぬと思います。
  13. 小酒井義男

    小酒井義男君 先ほど局長にちょっとお尋ねするということで、途中で大臣質疑に切りかえたんですけれども管制官待遇について、前におやりになったことがあるんですね、変えようということで。それが運輸省考え方がどういうふうであって、その給与関係の、役所の関係でどういう点が問題になって、現状に落ち着いたんだというような点を、一つ説明願いたいと思うのです。
  14. 辻章男

    政府委員辻章男君) 管制官待遇の問題につきまして、私どもの基本的な考え方は、ああいう非常に特殊な業務でございますので、一般公務員とは違いました身分を与えまして、また俸給表等につきましても、一般公務員と違った優遇したものでいきたいというのが当初の考えでございましたが、これは人事院その他のところで折衝いたしました際に、人事院としては、できるだけ一般公務員と違った身分のものは置きたくないんだということで、しかしまあ管制官仕事特殊性というものはある程度認めようということで、一般公務員と同じような職種であり、また俸給表同一にするが、管制手当というものを、特に忙しいようなところには認めていこうということで、現在の姿に落ち着いた次第であります。
  15. 小酒井義男

    小酒井義男君 何か私が聞いたところによると、非常に数が少ないから、別表を作るというようなことはできないんだ、できにくかったんだというようなことを聞いたんですが、幾ら数が少なくても、私は特殊な勤務があれば、作ってもいいんじゃないかと思うのですよ。そういうことが問題になっておれば、適当な時期に人事院等にも出席をしてもらって検討をしたいと思います。  それから特に今度の事故関連をして、議題になっておる航空法改正に、新しい問題が出ておるようなことはないか、これで問題はないというふうに航空局としては考えておられるのかどうか。
  16. 辻章男

    政府委員辻章男君) 航空法改正と今回の事故との関係でございますが、私ども事故を起こしまして、いろいろ反省しましての結論といたしましては、むしろ事故の今後の防止の問題は、法律の運用を厳格に行ないまして、また予算、その他の管制官身分等につきましての改正を行なっていけば十分であるそういう意味におきまして、本改正法案というものは、事故がありましても、今のところこれにつけ加える必要はないと、そのように考えております。
  17. 小酒井義男

    小酒井義男君 それは事故があったあと飛行場管制について、完全にこの事故が再び起こるようなことがないという自信の持てるような状態になっているかどうかですね。これは私は新聞で見たことですから、真偽のほどは知りませんが、その後にも、最近この管制が無視されたような形で、飛行機が着陸したそうだというようなことを、新聞記事として見たのです。そういうような危険性がまだ残つているのじゃないかという一般は不安を持つと思うのですが、そういう点はどうです。
  18. 辻章男

    政府委員辻章男君) 最近の新聞記事、私も実は見たのでございますが、この点なお真相は、その後の事実かどうかということについては、確認いたしておりませんが、まれにはパイロットの方の思い違い等もございまして、そういうことが絶対ないという状態ではございませんが、これは私どももちろん、管制官の方におきましても、慎重に扱いますし、またパイロットの方においても十分気をつけていただくことにいたしまして、そういうことのないようにいたしたいと思っております。  なお、現在の管制本部、これの施設等につきましては、御承知のように、地下の防空壕を改造したようなところで勤務いたしておりますし、またその施設等につきましても、必ずしもすべて近代化されたという状態でもないものでございますので、これらの点につきましては、早急に、と申しましても、来年度の問題になるのでございますが、施設整備、改善をはかりたいと、かように思っております。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 また次回にその他の問題については、お尋ねをすることにしたいと思います。とりあえず、新聞に出ておったような、何か特殊な飛行機が、連絡ができない状態で、突然着陸したというようなことが事実かどうか。そうして今事故がないようにしたいということに対する局長の御答弁は、非常に自信がないような印象を私は受けたのです。もうそういう事故を再び繰り返さないように、現地も督励してやっているという私は御答弁をしてもらえないと、やはり一般の非常に利用する人は不安だと思うのですね。そういう点では、やはりもっと自信の持てるような御答弁のできるような指導を、やっていただく必要があるのじゃないかと思うのです。そのことを一つ要望しておきますし、お調べになった結果は、一つ次回の委員会にでも御報告を願いたいと思います。
  20. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) 御質問ありませんか。──航空法の一部改正法案に対する本日の質疑はこの程度にいたします。   ―――――――――――――
  21. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) 次に、運輸事情等に関する調査議題といたします。
  22. 相澤重明

    相澤重明君 自動車局長にお伺いしておきたいと思うのですが、いよいよ自動車行政審議状況も切迫をしてきていると思うのです。昨年、東京都の自動車増車についての調整問題も出されているわけでございますが、現在までの作業進行状況というものを御報告願いたいと思うのです。
  23. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 東京都内二十三区の関係におきましては、前々から御報告申し上げましたように、法人関係五百三十四件、個人関係六千三百五十四件、これにつきまして審査を進めて参つたわけでございますが、審査事務を簡素化いたしまして、できるだけ促進するという方向で、聴聞をするものあるいは現地調査をするもの等を区分けいたしまして、促進をはかっておりまして、現在法人個人を入れまして六千八百八十八件のうちで、五千数百件につきましては、書類審査等も含めまして審査を終わっておるのでございますが、書類審査の中におきましても、やはり聴問なり、あるいは現地調査なりをすべきものも出て参っておりますので、それらを現在精査しておりますが、大体四月一ばいか、五月の初めごろにはこの審査は一応終了するのではないかと考えております。その後に実際の具体的な個々について審査をいたしました上で決定をする運びになると考えておりまして、ただいまの目標では、五月一ぱいぐらいには東京の二十三区の関係申請について、法人個人も、その他につきましても決定に持っていきたいと、こういうふうに考えております。
  24. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと五月一ぱいに精査を終了するとして、認可方向になる、実際の稼働するということは、六月過ぎ七月になる、こういう見通しですか。
  25. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) まあ大体準備に一ヵ月ないし二ヵ月を要しますので、その程度になろうかと思います。
  26. 相澤重明

    相澤重明君 その際、私はここでなおお尋ねしておきたいと思いますが、これはあくまでも駐留軍離職者あるいは運輸大臣の言う新風を吹き込むということの個人申請、このものがそういうことなのか、一般の業界から出されておる新免についてもそういうことが考えられておるのか。さらには既設会社増車ということもその中に含まれると理解をしてよろしいのか、その点についていかがですか。
  27. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) ただいま御説明申し上げました五月一ばいなりに処理をいたしたいと申し上げましたことにつきましては、駐留軍離職者関係も、個人申請関係も、その他一般法人申請関係も、既設既存業者増車認可申請につきましても、全部について処理をいたしたい、こう考えております。
  28. 相澤重明

    相澤重明君 そうしますと東京の場合、非常に長い間苦労をされてこの申請事案について一縷の望みを託しておった駐留軍離職者人たちの意向というものと全く同一条件である。同一考え運輸省作業を進めておる、こういうことになることですか。あるいは政府が言う閣議決定あるいは国策の犠牲としての駐留軍離職者に対しては、少なくとも優先権を持つ、あるいは同じような作業を進めてきても、幾分でも早目決定をしてやる、こういう政府方向というものが理解をされて作業が進められるのか、今の局長答弁についていま一度明らかにしてもらいたいと思います。
  29. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 私どもといたしましては、閣議決定駐留軍関係の優先的な取り扱いということにつきましては、閣議決定趣旨にのっとりまして措置をしていくことにしていくという覚悟でおりますことは、これは前々から申し上げておりますところでありますが、実は昨年の十二月に、東京関係におきまして、駐留軍関係同盟交通一社、四十五両を免許したのでございますが、この同盟交通を免許いたします際に、私どもとしては、一社だけを許すというつもりではなかったのでございまして、この点は聴聞等につきましては、駐留軍関係聴聞早目に聴問いたしまして、まあこの十二月には駐留軍関係のものにつきましてはほとんど全部聴問を終了しておったのでございますが、そうしてそれらの中からまず第一回に、いわゆる閣議決定の線も尊重いたしまして、優先的に取り扱うという意味において、まあ第一回に免許するにふさわしいものを見つけ出そうと思って、その方向において相当数あげたのでございますが、しかし第一回に優先的に取り扱う場合には、やはりその申請の内容について他から非難なり、あるいは欠陥なりを指摘されるようなものであっては困りますので、第一回にやります場合には相当厳重な審査をしたわけでございまして、これにつきましては、実は厳重な審査をして参りまして、非難なり、あるいは他からいろいろなことを言われるような要素がありますものについては、この際、十二月のあの際にはやらないで、あとでまた審査をしようということで、結局最後には同盟交通が一社だけ残ってしまったというわけで、実は最初から一社にしようというふうにしてかかったことではないことだけは申し上げたいと思うのですが、結局、同盟交通は免許されましたが、その他につきましては、実は優先的な取り扱いをしようと思ったが、次の機会に延ばしたということで、実は他と全然一緒に、他の一般法人と全然一緒に扱うということではございませんが、現在になってみますと、駐留軍関係のものにつきましても、さらに第二次の免許をいたすといたしましても、それよりはむしろ一般の免許の審査を促進いたしまして、できるだけ早く一般につきましても促進をして処理をはかっていきたいと考えますので、この際、またさらに十二月に審査しました中から次のグループのものを免許とかいうような措置をするよりは、むしろ一緒に全部をにらみ合わせた上で処理をいたしたいと考えておりますのでありますが、この点、しかしやはり駐留軍離職者関係につきましては、閣議決定の線等は、われわれとしてできるだけ審査の場合に考えに入れて審査をするというその方針、方向には変わりございませんが、神奈川県等の場合におきましては、実は東京の場合におけるような二千八百両というようなワクがございませんので、神奈川県等の場合におきましては、たとえば審査の終わりました駐留軍労務者の関係等において、一般よりもあるいは先に審査をするということも従来もやっておりましたし、今後もやっていけると思っておりますが、東京の場合には二千八百両とのワクのにらみ合わせがございますので、私どもの今の考えといたしましては、全部一緒に決定をする方向処理をいたしたいと思っておるのでございます。
  30. 小酒井義男

    小酒井義男君 ちょっと関連して。自動車局長、今御答弁ですが、私はこういう点は運輸省としても考慮を払う必要があるのじゃないかと思うのです。一つ増車というような場合あるいは新免というような場合は、すでに一応営業をして、事業をしているような場合の人に増車をこれからするという、こういうことですし、駐留軍の諸君の場合は、離職をしておって、これの免許を受けなければ収入の道がないのだという、こういう点が一点と、それから先日も全国の共済タクシーの諸君が大ぜい来られて、この道運法の改正について、いろいろ意見を持って来られたのですが、こういうふうに、法律上非合法的な仕事を、どんどんしておるのが一部あるのです、運転手諸君の中には。ところが免許をとつて、それから仕事を始めようという、法律を守る建前で許可申請を出しておる諸君は、やはり相当そういう点を考慮をして、特殊な扱いをすることのできる条件が私はあるのじゃないかというふうに思うのですが、こういう点は、運輸省としては、お考えになっておらぬのですか、どうですか。
  31. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 実は、そういう点は考えてもおりまするし、できるだけ駐労関係等において、早く処理をしたいということも考えております。  その一つの現われは、同盟交通の免許等をいたしましたのも、実は私ども考えております一つの現われなんでありますが、まあ東京の場合には、実は先ほども申し上げましたように、二千八百両の増車のワクというものがございますので、これとのにらみ合せがあるものですから、そういう面で、実はほかのものと同時に審査をして、妥当な結論を出したいという方向をわれわれはとつておるのでございまして、その点、先ほども申し上げましたように、こういう増車のワクのない神奈川等におきましては、駐労関係を先に促進するというようなことも現在考えておるのでございますが、ことに今、ちょっとお話の出ました共済タクシー等の人たちには、私はまず今の非合法な運行状態をやめていらっしゃいということをいっておるのですが、こういう共済タクシーのようなやり方をしておる人たちとは、今、駐労関係で免許を得ようとしておる方々は違いますので、そういう面におきまして、現われて参ります点においては、あるいは一緒だといわれるかもしれませんが、われわれが審査をしていきます上においては、十分閣議決定の線を考慮しつつ審査をいたしておるような状況でありまして、しかし現在のところは、東京におきましては、全体的な促進をまずはかりたい、こういう方向で今やっておる次第でございます。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 自動車局長、都内の自動車状況というものをつかんでおると思うのですが、私は、毎日横浜から通つて、新橋駅で降りるのですが、新橋駅の表口に降りて、私が車に乗ろうと思っても、乗れるときはきわめて少ない、ほとんど道路の方に出て、車を探さなければ乗れない。こういうような、よほどもう運のいい人でなければ、駅の前に車があるということは少ない。これは明らかに、自動車の数が少ないということだと思う。あるいはもうかるところでなければ、自動車は走らぬということで、実際は大衆の足を押えておる、こういうのが今の東京都における自動車状況じゃないか、あるいはもっと、同じ東京の中でも、銀座や丸の内の中心街はまだいいかもしれぬが、これがやはり、少しはずれに行くというと、なかなか自動車を拾おうと思っても拾えない、ましてや雨でも降り出したときなんかは、処置がないと思う。こういうことは、業界の諸君が言うことを直ちにとり上げて云々ということには、私はならないと思う。陸運行政の中で、自動車行政というものを、はっきりつかんだ上でいかなければ、これは、ほんとうの国民のサービスにはならぬ。  だから、さっき局長から、何べんも言うことであるけれども、二千八百両、二千八百両と言うが、このう二千八百両は実に耳ざわりな言葉である、私どもは、自動車を使おうと思っても使えない。こういうことであっては、一体自動車行政というものは、だれのためにあるのかということまで実は思うようなこともある。そういうことで、たとえば百歩譲って、今の局長の言うように、一応の答申というものがあるから、それを尊重していくとしても、今の足りない、あるいは利用者が欲する車がつかむことができないという、こういうような状況は、私は十分考慮に入れなくちゃならないと思う、こう思うのですが、その点、どのように把握されているか、一つ局長の御答弁をいただきたいと思う。
  33. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 私どもといたしましても、現在の都内のタクシーの状況は、不足しておるということは認めておりまして、二千八百両を増車いたしたとしましても、あるいはもっと不足ではないか、こういうふうにも考えますので、これらの点につきましては、二千八百両の増車を促進いたしますと同時に、さらに、これ以上幾ばくの増車が必要であるかということにつきましては、自動車運送協議会なりへ、引き続きまして、諮問をすべきであろうと私ども考えておるのでございます。  ただ、今相澤先生のおっしゃいましたように、確かに不足してございますが、たとえば雨の日、雨が急に降り出したとき等に、タクシーが十分に拾えるほど自動車が、ハイヤ、タクシーが増車されました場合には、実は、普段は割合遊んでしまうというような状況を呈することが考えられますので、やはりある程度のところに線を引いて、需給の調整をはかっていかなければならないと思いますが、現在の状況におきましては、確かに不足いたしておりますし、ことに都心の繁華街は別といたしまして、郊外部分そのほかのところにおきましては、自動車が、ハイ・タクが拾えないというような状況も見られますので、これら都心から少しはずれたところにおきましても、何らかハイヤ、タクシーに乗車できるような措置を講じなければならないと考えておりますので、二千八百両というのが、非常に目ざわりという今お話がございましたが、この二千八百両の措置に続きまして、またさらに次の段階の増車措置というものを、ぜひわれわれとして考えていかなければならない。この点は、ぜひ考えていきたい、こう思っております。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 今、局長答弁されるように、運輸省当局も、そういうふうにお考えになっているというならば、なおさら、先ほど申し上げましたように、駐留軍離職者人たちが、三年も四年も、このことにのみ望みを託して、今日まで苦労されておるのでありますから、そういう人たち聴聞会なり、あるいは審査が進んでおれば、やはりあまり一般のことに捉われることなく、私はやはり、許可はできるのじゃないか、こういうふうに思うのです。  しかし、これは自動車監督官庁としての、いろいろな意見もあろうと思いますが、私ども自身も、駅で降りて乗ることができない。やはり役所でも、足りないものは考えておると、──しかしなかなか、作業というものを一ぺんにやりたいから、困っておる人も、先に渡すことができない。こういうようなことは、ちょっとやはり、役所仕事というものが、そういうことをさしておるのじゃないかという印象を受けるわけです。  さきほど、せっかく御答弁をいただいた、四月末なり五月初旬に精査をして、五月一ぱいには何とか認可方向に行きたい、こういうお話でありますが、いま一歩、そういう点について、すでに終了しておるものの中から、特に政府閣議決定をしている駐留軍離職者等の問題については、話を進めるというお気持は持つことはできないのでしょうか。これは、どうでしょう。
  35. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 御趣旨の点は、非常によくわかるのでございますが、実は、十二月の審査のときに、先ほどから申し上げておりますように、一社のみと限らず、相当数、駐留軍関係については免許してもいいんじゃないかという考え方審査いたしたのでありますが、これが、たまたまいろいろな点を見ました結果は、どうも一社ということになりましたわけなんで、実は第一回といたしましては、それを考慮して審査をした──あるいは見たわけでありまして、今度いたすといたしますれば、全体的な促進をはかつて、できるだけ早く全面的に増車措置を完了してしまいたい。そして次の段階の措置に、またできるだけ早く入りたい。今、そういう考え方でおりますので、駐留軍関係の方々の生活の状態、あるいは現状というようなことについては、私どもとしましても、十分聞いておるのでありますけれども、まあ全体的な促進をはかりまして、できるだけ早く措置をしたいという方向でおりまして、この点に関しましては、現状におきましては、その方向が一番いいんじゃないかと思っておりますので、東京陸運局とも、そういう方向で打ち合わせておるのでございます。
  36. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっと関連して。  この段階に来れば、局長の言う形でよいと言うより、それよりやむを得ないと思うのです。  すでに従来、何度も言うように、閣議決定になっており、そして単なる交通機関という問題ばかりでなくて、失対の問題もからげて、この問題は処理すべきだということに、基本方針は来たのです。しかし、今日になって、これが切り離すことは、かえってまた煩瑣になろうと考えるのだが、ただ、東京の例を言うならば、今、神奈川は台数に拘束されておらぬから、こうした人たちに重点を置いて許可することができるということを言われたのであるが、東京の例を言えば、いわゆる二千八百両に拘束されている。その二千八百両のワク内で一社だけはやったのだが、あとは、今、一般と一緒にやるのだ、こういう答弁なんだが、そうすると、逆に言うと、駐留軍関係者も、一般許可のときには、当然含めて、また許可をする用意がありますということですか。
  37. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) その通りでございまして、現在審査中ということになっております、同盟交通以外の駐留軍関係者の申請につきましても、一般の免許がなされます場合には、やはり十分考慮をして、免許基準に該当するものは免許されるという方向で、私ども考えております。
  38. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 これは個人の場合でも、新規免許の場合でも同じだが、そういう駐留軍関係で、今度はなくてそれを含めてもかまいませんが、全く、今まで聴聞会を開いて、資産の面でも、調査の面でも、ほとんど同一条件である。従って両方とも許可をしていかなければならぬというような状態にあるのだが、台数は、一面、二千八百両で拘束されている。  しかし、この段階に来ればこれはもう二千八百両を、個人のタクシーに幾ら、それから新規許可に幾ら、あるいはまた従来の増車に幾らというのは、もう出ておらぬと、四月下旬から五月一ぱい許可するということはできないのだが、そういうことが、出ておるのか、出ておらぬのか、それが一点。  そうした同じ条件になった場合には、どういう処置をとるか。さらに言うならば、この、同一条件で出たようなものは、何と言うのか、将来への問題として、自動車運送審議会なら審議会等にかけて、さらに増車すべしというような答えが出たときには、考慮していく用意があるかどうか。時間がないから、いろいろ押し詰めて聞きますが、その点一つ
  39. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) まず二千八百両の増車につきまして、個人幾ら、法人幾らというような数字が出ているかという御質問でございますが、これに関しましては、実は最初から、そういう分け方をすることも可能であると思いますが、しかし現在は、二千八百両に、そういう区別をせずに発足をしておりますので、実は中間におきまして、そういう台数の割当というようなことをきめることは、現在の状態におきましては非常にむずかしいと私は考えておりますので、やはり全部を審査いたしました上で、法人関係においては、この程度優秀なものがある、個人関係については、この程度優秀なものがあるというような結果が出ました上で、それをにらみ合わせて、数字がきめられなければならないと思っておりますので、今回の増車に関しましては、実はまだ増車の、法人幾ら、個人幾らというようなものについてはきまっておりません。これは事実きまっておりませんが、将来の問題につきましては、また今後、次の段階においてやります場合には、そういう方向考えられるのではないかと、私は今思っておる次第でございます。  それから同一条件であった場合ということは、一般と駐労との関係でございますか。
  40. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 いやいや、たとえば個人でもいい、それから新規認可でもいいが、私が質問するのは──なぜそういうふうに、台数を分けないかと言っておるのは、あなたの言うようなことを言っておっては、いつまでたっても、五月になっても、月末になっても、調査ができません。今の人数で調査したのでは、個人の場合でいったって、あなたは、六千三百五十四件のうち、三千人ちょっとしか聴聞会が終ったものはないわけだ。それを、これから全部終るということになると大へんだし、あるいはまた、新規営業のものなんか二十件くらい全然手のつかぬのが残つておるという状態なんですね。  そういう場合に、一応調査をされたもので、だんだん優位なものからとつていくという場合に、甲とか乙とか、たとえば新規営業が、相澤タクシーと重盛タクシーでもよろしい、同一条件である場合、どっちへ許可するのか。台数では拘束される、条件は同じだ、そういう場合に、どういう処置をおとりになるかということ、従って、その処置がとられない場合には、残されたものに対しては、将来考慮していくという考えがあるのかどうか。個人の場合でも同じです。個人の場合も六千人のうち、私は一千人なら一千人というワクをきめて、その一千人のワク内にはまる人を、まず調査するということの方が早いと思うから、早く台数をきめたらどうかということを、何度も言っておるのだが、きまっておらないというならやむを得ないのだが、そういう仕事のやり方というものは、決して、こういう仕事をスムーズに行なう方法ではないと思う。ここへきて、まだ台数が出ておらぬということは、それは、どういう処理をするかしらぬけれども、こんなんでは、むしろここへ何台、ここへ何台ということで、そのワク内にはまる、ワク内でやってくれぬかということの方が、何ほどか早いし、そのワクならば、私の方はもうだめなんだと、個人の場合でも新規の場合でも、あきらめる人は別の方向に転向していくのです。いつまでも、もしやもしやに引っ張られて、個人の場合なんか、七カ月も引ずり回わされていることになるのだが、私が早くワクを出しなさいというのは、そういうことを言うのです。親切な意味で、促進する意味で、またあきらめさせる人には、早くあきらめさせなければならない。今の同一条件というのは、別のことで、全く同一条件だったらどうするか、台数は拘束されておる。
  41. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 実は、増車の各法人とか個人とかいうようなワクの点につきましては、先ほど申し上げましたような工合でございますが、これは、審査は、個々について十分いたしておりますので、私は、まあそれが出ていないためにおくれてしまうということはないと思っております。結果は早く出ると思うのですが、ただ、同一条件の場合、どうかとおっしゃいます点では、──まず大体差は出て参りますと思いますが、全く同一である場合には、たとえば先願順で取るとか、そこに差がありますわけでありまして、全然同一条件ということはおそらくないと思いますが、しかしそれらの場合、私どもとしては、あるいはこれで二千八百両の審査が済んでしまいますれば、また新規の申請については、同じような──同じようなというか別の申請が出て参りますので、条件が変わつてくるかと思いますが、しかし今度の審査の際に、割合いい状況であったが落ちてしまったというようなものにつきましては、あるいは次の審査の場合に、そういう前歴というようなことは、私はあるいは考慮し得るのじゃないかと思います。  ただあきらめるとか、あるいはほかに転向するとかいうようなことにつきましては、たとえば個人営業等の場合に、非常に若干の、大体二十才台とか三十の下の方というような方々は、これは個人営業を認めますような趣旨からいいましても、まだ十分に、タクシー運転手としての職場等でも働ける人でありますから、これらの人については、むしろこの際、あきらめていただいた方がいいんじゃないかと思いますので、私どもが今目標としまして引きました線は、四十才前後から上の人というような基準で引いておりますので、それらの点に関しましては、まずその上の方々は入るけれども、若年の方々は、むしろ個人営業については、この際あきらめていただいた方がいいというような考え方はございますが、その他の一般的なものに関しましては、最終的に免許基準に合うかどうかということを審査をいたしました結果を待たなければ、ちょっと申し上げかねると思いますので、できるだけ審査の促進をはかっていきたいと、こう思っておる次第でございます。
  42. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 相澤委員質問で、関連で僕の方が発展さしちゃいかぬから、適当にやめますが、一言聞いておきたいが、たとえば個人の場合、百七十三両というものを去年から今年のうちにやるのだということで、かなりやって、それで四カ月たってるという実態なんだが、そのときに、審査の対象になったもので、たとえば車庫が若干遠いとか、あるいは年令等は、そのときは、かなり優秀な者だけを調査したのだからないと思うのだが、そういうときに保留になった人は、今回は全部見込みがないのかあるのか。きわめて簡潔に質問します。
  43. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 第一回目に資格を定めまして、その資格要件に合う人たちだけを優先的に審査をいたしまして、十二月に個人に関しまして処理をいたしましたが、その処理聴聞なり審査を受けました人たちの中には、これは私どもとしては、そういうグループの人たちから、免許を受ける可能性のある人が多い、そういうグループに多いということを考えまして審査をいたしたわけでございまして、これもやはり、先ほど駐留軍関係同盟交通で申し上げましたと同じように、第一回の免許といたしましては、あまり批判の余地のない優秀な人たちに免許をしたいと考えますが、次の段階における全体的なものとのにらみ合せにおいて審査をいたします場合には、最初に聴聞なり審査を受けました人の中から、相当数の免許を受ける人が出るであろうと思っておりますので、この点は、それらの方々の希望がないというようなことではございません。
  44. 相澤重明

    相澤重明君 時間も終わりですから、一つだけで終わりたいと思いますが、個人タクシーの問題について、今重盛委員からもお話が出ましたが、何といっても、運輸大臣が新風を業界に吹き込むということで、この行政を強く支持されている以上、やはりできるだけ多くの人に、その利益を受けられるように私はすべきであると思う。  そうしてその場合に、一つだけお尋ねしておきたいのは、個人タクシーを認可された場合に、協同組合なり、あるいは企業的な、そういう将来の保障的なものの展望に立って、いわゆる指導をされているのかどうか、こういう点を一つ、これは、きょうは時間がありませんから、いずれ後刻、運輸省の指導方針を一つ、明らかにしておいてもらいたいと思うのです。  それから、先ほど申し上げました駐留軍の離職者の問題については、どうしても私は、たとえ一日でもいい、二日でもいいから、とにかくできたものは、やはり早く認可をする、こういう基本方針だけは私は確認をしてもらいたい。そうでないというと、これに、いかに理屈をつけようとも、私どもが長い間、お互いに議論をし、あるいは政府閣議決定をしたことの趣旨に沿わない、こう思いますので、その点は、大へん御苦労であるけれども、できるだけ早く通知をしてやってほしい。  第三点は、東京都は、そういうふうにしてきまるけれども、将来の二千八百両以外のワクの問題については、やはりできるだけ早い機会に、実情というものを把握をして、そうして自動車行政というものを、やはり明確に指示することが必要であろう、こう思います。  それから東京都は、その程度にして、今度はそれ以外の地区の問題と、二つだけ注文つけておきます。それは、一つは先ほど神奈川の問題が出ましたが、これは別にワクに拘束をされているわけではありません。しかも一般申請をされたものが、もうとうに認可になって事業開始をしようとしているにもかかわらず、駐留軍のが残されている、こういうことは、大へん私は遺憾だと思うのです。  それで、少なくとももう審査も終わっている。聴聞会も、全部終わっているわけでありますから、すみやかに適格であるかないか、認可ができるかできないか、こういう処置を講じてもらいたいと思うのです。  それから、その次は同じ駐留軍離職者の中で、ハイヤー、タクシーだけでなくて、貨物を申請されている人たちがあるわけです。この前局長からも、全国的な駐留軍離職者の、そういうものについての御報告をいただいたわけでありますが、この一般貨物、限定貨物の問題についても、やはりそういう該当者の申請にかかるものは、これは特に私は、早くやはり措置を講じてもらいたい。  こういうことを私は重ねて要望をして、まあ御答弁のできるところだけ一つして、あとで、またこの次の委員会で御答弁いただきたい。
  45. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 今、相澤先生のおっしゃったことは、一々につきまして、十分そういう点を考慮いたしまして、措置を進めていきたいと思っております。個人タクシーに関しまする団体的な指導というようなことにつきましては、これは、私ども必要性を認めておりまして、関係官庁とも打ち合わせて指導の線を出したいと思っておりますので、十分先生の今おっしゃいましたことを、すべてにつきまして考慮に入れまして、早く促進をいたしたいと思っております。
  46. 白木義一郎

    白木義一郎君 相澤委員局長に対する質問答弁についてですけれども、離職者の認可について、局長はいろいろな事情をあげられて、一括して認可をせざるを得ないというような御答弁だったわけですけれども、どうもその点、ちょっと納得がいかないのでお尋ねしたいのですが、現在の審査状況の中には、個人営業を希望するもの、また新しい法人組織を作って申請するもの、それから既存業者、こういうような内容になっていると思うのですが、法人免許については、現在の営業している会社の別動隊としての申請もあるように聞いておりますし、それから個人申請の中には、現在、違法行為と言われている行為をやりながら、申請をしている連中もあると思います。それから既存業者に対する増車許可の問題ということから言いますと、現在営業しつつある会社からの申請もあると思います。  そういう内容等を一括して、長年の間待ち焦がれて、しかも閣議決定まであったという、この進駐軍の、国策の犠牲になった連中とを一括して事を運ばなければならないという、その理由が、どうも、先ほど伺ったお話の範囲では納得がいかないので、もう少し詳しく、一つ説明を願いたいと思います。  それからもう一つは、この運輸事情の逼迫に際して、臨時増車というような方法があるように聞いております。すなわち暮だとか、あるいはお正月、そういうような特別な事情のときには、臨時的に増車をするというような便宜な方法もある。また一部には、その臨時が平常にそのまま引き継がれて、これは違法であるのかないのかはわかりませんが、そういう状態も一部あるように聞いております。そういうことから言えば、特別な閣議決定のあったような問題については、特別な考慮もあっていいんじゃないか、このように考えるわけですが、もう少し、一つ納得のいくような御説明を受けたいと思います。
  47. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) この駐留軍関係の方々の申請につきましては、昨年の十二月に四十社につきまして、早目聴聞及び現地調査を終了しまして、全部リストにあげて審査をいたしたわけでありまして、こういう意味におきましては、実は閣議決定の線にすでに沿って、私どもはやっていると思うのです。  それでその中で、先ほどから、くどく申し上げておりますように、同盟交通一社が免許になったのですが、同盟交通一社と申しますが、一社だけを限って免許しようという方針のもとに審査をしたのではないのでありまして、実は、もっと許せたら許したいということで、非常にその点も、われわれとしては努力いたしたのでありますが、結果においては、一社になってしまったという状況がございますので、むしろ優先的な取り扱いということは、すでに駐労関係につきましては、われわれとしていたしたわけでありまして、その努力もしたのでありますが、第二段に、他の残余の駐労関係については、第二段に残された場合に、実はほかと比べても、ほとんど必ず入るというような段階のもので線を引いて、上に上げようと思ったのですが、それは実現しなかった、一社しか実現し得なかったわけでありますけれども、従いまして今後の問題といたしましては、今後の問題といたしましてと申しますか、二千八百両の増車関係といたしましては、やはり次の段階においては、一般免許申請の中にも、相当優秀なものがございますので、それらのものとにらみ合わせて、駐労関係のものも、もう一回審査いたしたい、しかし駐労関係のものは一社だけで、あとは全部落ちてしまうというわけじゃありませんで、今後の審査によりまして、また並べての審査によりまして、やはり優秀なものは入るという方向でしたいと思っております。  それから臨時増車点等につきましては、これは年末年始の輸送繁忙時期に、たしか四百両程度、三百何十両かの増車をいたしましたが、それは引き続き今までも引き継がれているというようなものはございません。あの認可をされました時期で、ぴったり切ってしまいました。ですから、そういう点で、実は既存会社の方からは、あの車がまだ遊んでおる状態のものもあるというようなことも、ときに私どもは言われるのでありますが、しかしそれは認可をしておらないのだから、動かすべきではない、むしろ代替なり何なりに使ってしまいなさい、こういうようなことを既存業者には申しておるのでありまして、臨時増車が引き続いて動いておるというようなことはございません。  繰り返して申し上げますが、駐留軍関係については、特別な考慮は、もうすでにいたして処理したわけでありまして、今後といえども閣議決定の線は、十分われわれとして考え処理していくことにも変りございません。
  48. 白木義一郎

    白木義一郎君 今伺っておりますと、何だか一社だけ認可したと、それから引き続き調査はしているけれども、その進駐軍労務者の方々の内容と一般との隔たりがあまりないというために、認可を出せないのだというようなふうに、実は今伺ったわけですけれども、何年も前から、閣議で決定して、そのようにしようというその希望にっながつて、何年も待っている人たちと、それから、これから営業しようと、あるいは金のあるために、今タクシー会社を営業している、その増車ももらえそうだ、あるいは金があるために、別会社を作って、覆面の会社を作つて、りっぱな資格をそろえて、そうしてなお免許を得ていこうというものとの中に、ひっくるめて考えていくということは、あまりにも厳格すぎるような感じがするわけです。  そこで、臨時増車というような便宜な方法もあるんですから、同時に、現状は非常に自動車が少ないので困っているというような周囲の事情から考えて、何とかこの閣議決定を尊重し、それを実現していくような措置がとれないものかどうかということをお伺いしているわけなんです。
  49. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) まあ私どもといたしましては、全体的な申請、先ほど申し上げました個人まで入れまして六千八百八十八の新規の免許申請に関しまして、全部の審査をし、これらとにらみ合せて措置をいたしたいということを、先ほどから申し上げておるわけでございますが、たとえば覆面申請というようなお言葉もございましたが、これらのものにつきましても、十分調べられるだけのことは、私どもとしては調べまして、審査の段階におきましては瑕疵があるかないかというようなことについて、十分見ていきたいと思っておりますが、それと同時に、閣議決定の線というものは、できるだけわれわれとしては、その方向に進むようにいたしておりますので、先ほど相澤委員からも、一日でも二日でも早くならないのかというようなお話もございましたが、そういうような方向で非常に全体的なにらみ合わせをした場合に、こうなったと、しかし立案等で、どちらを先にするかどうかということになりますれば、それはたとえば駐労関係を先にするというようなことは、当然なさるべきことだと思いますが、やはりその全体の申請とも睨み合わすというのが、この段階においては、私どもとしてはぜひ必要だと思いますので、それら全体的なにらみ合わせを終了いたしました上で措置をいたしたいということにおいては、実は今は、もう前々から申し上げておりますように、私どもとして変りないわけでありまして、しかし閣議決定の線は、十分に尊重してやっていきたいと思っております。
  50. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 新規許可の問題とは、ちょっと違うのだが、一つ二つせっかく自動車局長おられるから、聞いておきたいのだが、交通緩和の一環としての考え方からいくべきだと思うのですが、自家用車の、トラックの自家用、乗用車の自家用、こういうものには、車を買って、自家用をわずかな金を持って月賦で買う。そうして申請さえすれば、車庫があってもなくても、どんどん許可していく。これはどうも私は、そういうふうに車庫がなくても、どこでも許可をするように考えられる。どこに行っても、一ぱい自家用車がごろごろしておる。非常に交通緩和上、迷惑をしておるように考えるが、それは、どういう対策をしておるかということが一点。  それから無保険自動車の取り締まりはどういうふうな対策を立てておるのかと、これが一点。そういう点等から考えると、これは何度も、予算のときにも話し合いしたし、質問もしたのだが、陸運局あるいは自動車業務関連する人たちの人員が非常に不足で、たとえば今度の新規許可の場合でも、私はどうも、やっぱり東京の場合を見ていると、二千八百両は、あなたの言うように四月下旬から五月一ぱいだって、だいぶ長いのだが、台数が出ていないというようなことで、人員の補充強化ということが、実際ことしの予算で、どの程度やられたか、将来やるのか。いわゆる自動車行政機構の要員の充実強化、そういう対策は、どれほど進められたか、この三点だけをお聞きしておきたいと思います。
  51. 国友弘康

    政府委員国友弘康君) 自家用自動車に関しましては、要件を整えて申請をいたして参りますれば、登録という制度でございますが、登録をするということに、現在の道路運送車両法では規定してございまして、この点、たとえば車庫がなければいけないとかいうような要件はないわけでございます。  ただ自家用トラックに関しましては、車庫及び常置場所を届出させるという形になっておりますが、これは届出という措置だけでございまして、それ以上の強制力は付与しておらない。で、私ども考えまするのに、もし車庫強制をいたしますような場合には、やはり全国的に、あるいは結局やらなければならないことになるのじゃないかと考えるのでありまして、現在、問題はどこにあるかというと、たとえば東京都なら東京都内の都心部等におきまして、非常に交通が輻湊しておるということでありますが、それでは、東京都の都心部だけに、車庫強制というようなことをしていいかと申しますと、その部分には、実は車庫強制をいたしましても、他の府県に逃げてしまう。埼玉県ならば埼玉県に逃げてしまう。そうして昼間において、都内に入って来るというようなことで、やはり輻湊には変わりない、こういうようなことになりますので、全国的な車庫強制をするか、あるいは非常に広い範囲の自動車の一日の行動範囲、東京ならば東京中心にして、行動範囲内の車庫強制をしなければならぬ。  こうなりますと、これは私は現在の状態においては、必要以上の強制ではないかと思いますので、むしろ東京都内の交通、道路の通行に関します交通規制というようなことで、まず第一に処理をすべきであるという考え方を私どもは持っておるわけであります。  この点に関しましては、関係の警察庁とか、あるいは東京都とか、そのほかと打ち合わせを現在進めておる状況でございますが、内閣に事故防止対策本部というようなものが設置されましたが、これにつきましては、もっと自動車交通に関します対策を十分に練るような機構にいたしたいということで、現在、その方面でも打ち合わせて、妥当な線を出すようにしたいと思っております。  それから無保険対策につきましては、これは何とかして保険に入れたいと考えておりますが、今一番入っておらないのは、軽自動車でございまして、この軽自動車は、一番初めに新車を持って参りました場合に届出をするだけでありまして、その後は、届出はしなければならないことになっておりますが、届出をせずに、どんどん所有者が変わっていくような状況で、普通の一般車でありますと、車両検査をいたします場合に、保険証の確認もいたしますので、まあ入れられますが、軽自動車については、その措置がありませんので、何かこれにつきましても、対策を立てたいと思っておりまして、これは自動車審議会等も本年は、一年限りの審議会でございますが、設置されますので、これらにも諮りまして、相当積極的な措置を講じたいと思っておりますが、現在は、一般に周知させるために、ラジオとかテレビとか、そういうようなものに広告等も入れております。それから新聞におきまする広告もやっておりますが、そのほか、場合々々によりまして、警察と打ち合わせて、道路上を走っております自動車をとめて、保険証を持っておるかどうかの確認もやっております。まあこれは人手が非常に少ないので、十分にできませんのですが、そういう確認というようなものも、時期と場所を限ってやっておりまして、これで保険に加入を促進するというような方向をやっております。  それから陸運局の人員不足につきましては、これは陸運局並びに陸運事務所の人員不足につきましては、非常にわれわれとしても痛感しておりまして、何とか増員したいということで、昭和三十五年度の予算要求のときには、自動車関係といたしましては、もう人員増加一点にしぼりまして、要求いたしたのでございますが、三百数十名の増員要求の中で、認められましたものは九十名、陸運局と陸運事務関係で九十名増員を認められまして、これも実は、従来から申しますと、画期的な認められ方をしたのでございますが、それでも、まだ足りない、こういう状況でありますので、今後におきましても、できるだけ仕事の能率化等もはかりまして、これらのものに対処していきたいと思うのでありますが、その点、実は私ども、今与えられましたものの範囲内で、現在可能なものは、現在の陸運局なり陸運事務所なりの職員の数において、能率をできるだけ上げるということでありまして、そのためには、陸運事務所等も、今のような陸運局と都道府県知事と、両方から事実上の指揮を受けるというような形では非常に非能率なのでありまして、まあこれらの点、もしも、私どもが今考えており、自治庁等と交渉しておりますように、陸運局の直轄機関となりましたら、実は私は一人の職員が二人くらいにも使えると思いますので、何とか本国会におきまして、自治庁と交渉をまとめまして、法案をこれからでも提出をいたしまして、直轄化を実現したいと考えております。  目下のところは、一番これに重点を置いてこのことを交渉継続中でございまして、そういう方向で、人員不足をカバーしていきたいと思っておる次第でございます。
  52. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) それでは、質疑は、この程度で打ち切りまして、次回は来週火曜、二十六日の午前十時より開くことにいたします。  本日は、これにて散会いたします。    午後零時三十一分散会