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1960-03-17 第34回国会 参議院 運輸委員会 第8号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月十七日(木曜日)    午前十時四十三分開会   —————————————  出席者は左の通り。    理事            天埜 良吉君            江藤  智君            小酒井義男君    委員            金丸 冨夫君            鳥畠徳次郎君            大倉 精一君            重盛 壽治君            中村 順造君            中村 正雄君            白木義一郎君   国務大臣    運 輸 大 臣 楢橋  渡君   政府委員    運輸政務次官  前田  郁君    運輸大臣官房長 細田 吉藏君    運輸省海運局長 朝田 静夫君    運輸省鉄道監督    局長      山内 公猷君    運輸省航空局長 辻  章男君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省航空局技    術部長     関口規矩二君    日本国有鉄道副    総裁      吾孫子 豊君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○運輸事情等に関する調査  (小牧飛行場における飛行機事故に  関する件)  (日本国有鉄道の運営に関する件) ○外航船舶建造融資利子補給及び損失  補償法の一部を改正する法律案(内  閣送付予備審査) ○航空法の一部を改正する法律案(内  閣送付予備審査)   —————————————
  2. 江藤智

    理事江藤智君) これより委員会を開会いたします。  まず、運輸事情等に関する調査を議題といたし、本日は、特に昨日の小牧飛行場における飛行機事故について、楢橋運輸大臣より発言を求められておりますから、この際、発言を許します。
  3. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 昨日、小牧飛行場におきまして航空事故が起こりましたことは、まず、航空関係大臣といたしまして、まことに遺憾でありまして、ことに、この事故によりまして犠牲者を出しましたことは、遺族その他の方に対しましても申しわけなく存ずる次第であります。つきましては、当委員会に、今委員長の御指名もありまして、私から事情を御報告を申し上げたいと思うのであります。  名古屋空港における航空機衝突事故につきましては、直ちに係官を現地に急行せしめ、調査に当たらしめましておりますが、詳細な報告はまだ得ておりませんけれども、現在まで到着いたしました情報を総合いたしまして、内容を次のごとく説明を申し上げたいと思うのであります。  事故発生は、昨日、三月十六日十九時三十八分で、名古屋空港滑走路上であります。事故の起こりました機は、全日本空輸株式会社、下り二十五便、DC—3型JA五〇一八、乗客三十名、乗員三名、計三十三名が搭乗いたしておりまして、一方、自衛隊所属のF86D、これとの衝突であります。当時の気象状況は快晴でありまして、風速は北西六メートル、視程は三十二キロメートルでありました。名古屋空港滑走路方向南北でありますが、DC機は南から北に向かって着陸滑走後、百八十度に方向を転換し、北から南に向け進行中、ジェット機離陸滑走を開始したのを認めましたので、左方に退避せんとしたが間に合わず、離陸滑走中のジェット機と接触し、その右翼及び尾部を大破いたしまして、ジェット機滑走路上において炎上いたしたのであります。そのために、乗客二名、スチュワーデス一名、計三名が死亡し、乗客五名の重傷者と若干の軽傷者を出すに至りました。本事故は、名古屋空港管制塔指示が適切でなかったか、あるいは管制塔からの適切な指示があったものとして、航空機がその指示通りに行動しなかったかの、いずれかの原因によるものと推定されるのでありますが、現在までのところでは、管制塔指示に錯誤があったのではないかという疑いも出て参っております。この点につきましては、航空局防衛庁、検察、警察の四者が共同して、本日午前六時ごろから現場調査を行なっております。  大要以上のごとくでありますが、今回の事故に不幸遭難死去されました各位並びにその御遺族に対しましても、心からなる哀悼の意を表する次第でありまして、負傷された方々におかれましても、一日も早く平癒されることを念願するものであります。  航空行政所管大臣といたしまして、今回の事故発生につきまして責任を痛感いたしておりますが、この上は、事故原因を徹底的に究明いたしまして、かかる事故の絶無を期したいと念願する次第であります。  そこで、本朝来、運輸省におきまして幹部を招集いたしまして、本事故対策といたしまして、運輸省として、とりあえず、事務次官を長とする対策本部を設けまして、直ちに善後措置を講じますとともに、将来かかる事故を絶滅するための一切の施策につきまして、徹底的な検討をいたすことにいたした次第であります。  以上、御報告を申し上げます。
  4. 江藤智

    理事江藤智君) ただいまの報告に対して御質疑のある方は、順次御発言を願います。
  5. 小酒井義男

    小酒井義男君 まず大臣にお尋ねしたいのですが、かねてから民間航空飛行場防衛庁関係飛行場が共同で使用されておるということについては、こういう危険性が出る心配があるということは考えられておったことなんです。こういうことについて、大きい問題として、根本的な問題として、運輸大臣として今までお考えになっておったことがあるのか、あるいは、この事故を契機にして、将来どうしなければならぬというような所信をお持ちになっておるかどうか、お承りしたい。
  6. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) その点につきましては、私も運輸大臣になりましてから、ことに航空自衛隊ジェット機が非常に増大してくる関係等もありまして、この点も非常に、民間航空との間に併用してやるということについては危険が伴うということも感じまして、昨年でありますか、千歳飛行場に参りまして、あそこ等も視察いたしまして、やはり現地等を見まして、その点は心配をいたしておったのでありまして、まあ閣内においても、何とか予算その他のことが許されれば、やはり自衛隊航空基地民間航空とを分離をする方法を考究してもらいたい、また考究すべきであるということをかねがね考えておったのでありまして、そのために、昨年千歳飛行場等の問題につきましても、もう一つ代行する飛行場を許可するというような案も立てまして、いろいろと地元にも折衝しておったのですが、北海道におきましては、地元等において、千歳飛行場を、あくまであそこをやはり民間飛行場として使いたいというような希望が非常に熱烈でありましたので、その点がまだ懸案になっておるような次第でありまして、今回のこの事故等を顧みまして、何とかこれを根本的にこの問題を解決しなければならないということを痛感いたしておるのでありまして、こういう問題もあわせて、運輸省において急速に対策委員会等立てまして、内閣その他にもやはり協議をしたいと思うのであります。現段階におきまして、御存じのように、膨大なる資金等がかかることもありまして、まあ併用の姿になっておりますが、しかし、ぜひ打破しなければならぬ根本的な問題だと思う次第でございます。
  7. 小酒井義男

    小酒井義男君 たとえば、羽田にしても、小牧あるいは伊丹等の、国内の重要なといいますか、飛行場として、将来観光用にも非常に利用される頻度というものはふえる一方だと思うのです。こういうことを考えますと、やはり現在の主要な民間航空離着陸をしておるような飛行場は、これは民間飛行機離着陸専門にしていくことが私は一番望ましいと思うのです。そういう方向に進むべきだと思うのですが、大臣はどうでありますか。
  8. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 御説ごもっともでありまして、やはり最近のようにジェット機練習が非常に盛んになって参りますと、危険が伴いますし、現に羽田等におきましても、相当軍が使う量が多いために、民間空港として、また国際空港としても相当の危険も伴うということを感じておるのでありまして、従って、ことにジェット機時代に入って参りましただけに、そのことが痛感されますから、何とかやはり民間航空飛行場と軍の飛行場と分離するという方向に、こういう機会をもってぜひ推進したいと思うのでありまして、私は昨年もちょっと航空局長を連れまして、千葉の海岸で埋め立てを今やっておる約三百万坪くらいの航空地になる地点等もあるから、そういうところへ一つ国際航空的な大きなものを、やはり永遠のことを考えてやったらどうかということで、そういうことも実は構想を練り、現地等も視察しておるような次第でありまして、私の方の国の福岡等におきましても、非常にやっぱりいろいろジェット機の問題をめぐりまして、地元との問題もありますので、やはりこれは根本的にこの機会にこの問題を内閣においても取り上げてもらって、解決する方向に持っていきたいと考えておる次第であります。
  9. 小酒井義男

    小酒井義男君 少しそれでは具体的に、今回の事故に対して非常に気の毒な犠牲者ができたわけなんですが、飛行場管制ですね。管制責任はどこが持っておるのか、そうして防衛庁運輸省との共管か何か、飛行場管理ですね、こういうことに対する主としたる官庁はどちらなのか、そういう点をお尋ねしたい。
  10. 辻章男

    政府委員辻章男君) お答え申し上げます。現在航空交通管制業務は、運輸大臣が行なうことに相なっております。それで現在、それでは航空交通管制はどういうふうにやっておるかと申しますと、公共の飛行に関するところには管制区なり、あるいは管制圏運輸大臣が指定いたしまして、この管制圏及び管制区につきまして、航空交通管制業務を行なっておる次第でございます。それで、従いまして、防衛庁との関係から申しますと、防衛庁関係が専用する飛行場につきましては、公共用のものではございませんので、現在管制圏管制区はしいておりません。ただ、たとえば、防衛庁航空機のみがほとんど使用しておるというものにつきましては、防衛庁との間に民間機の乗り入れを折衝いたしまして、これが両者意見一致して認められておるところにつきましては、その面において公共性があるということで航空交通管制を行なっております。従いまして、防衛庁の専用の飛行場におきまする飛行場管制は、現在航空交通管制業務とは法律上呼んでおりません。事実上防衛庁飛行機だけの場合におきましても、やはり航空交通整理ということが必要でございますので、いわゆる管制業務と同様の業務防衛庁管制部隊がやっておられます。これはいわゆる自家用の地域における自家用交通整理という法律的には観念をいたしておる次第でございます。で、なお、この点につきまして、現行法法律の建前は、今申し上げた通りでございますが、よく考えてみますと、空管というものは、全体の航空交通の安全に至大な関係がございますので、実は今国会に提案いたしまして、そういう点についてなお航空管制業務の完全を期したいというふうな意見を持っておる次第でございます。
  11. 小酒井義男

    小酒井義男君 今、小牧が具体的に問題になっておるのですが、小牧離着陸する民間機というのは、きわめて回数が私は少ないと思うのです。その少ない回数離着陸をやる場合に、練習機がどうしてもあそこで滑走路へ行って事故を起こすような状態練習をやらなければならないものか、平素もそういうことをやっておるのか、そういう点について、従来運輸省関係立場として、危険性というものを考えて、こういう点のコントロールを指導される必要があったのではないかと思うのです。そういうことをおやりになっておったのかどうかということと、今回起こった場合の、そういう時間的な問題等についてお調べがわかっておれば承っておきたい。
  12. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは防衛庁との関係訓練その他につきましては、防衛庁の方でもいろいろの御計画がございますが、今御指摘がありましたように、民間機発着と非常に混み合いまして、飛行場使用が困難なような事態につきましては、絶えず現地防衛庁出先と私どもの方の出先打ち合わせをして、できるだけ円滑にいくように協議してやっております。なお、御指摘のございましたように、小牧におきまする民間機と、それから防衛庁関係発着の割合は、圧倒的に防衛庁の方が多うございます。
  13. 小酒井義男

    小酒井義男君 そこで、防衛庁が多いと思うのですが、この管制をやっておる人たちは、全員運輸省所属でございますか。
  14. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、現在名古屋空港に対しまして、管制官は、運輸省関係からは十四名派遣いたしております。それから、防衛庁の方からは、その補助としまして四名を派遣していただいております、それで、大体管制官勤務は八時間勤務で、四直三交代と申しますか、休養を含めまして二十四時間勤務になっております。その各グループに、一名は防衛庁の方を補助として勤務していただいております。その防衛庁の方の勤務している方々は、いずれも管制については相当の熟練の方を補助としてやっていただいておる次第でございます。
  15. 小酒井義男

    小酒井義男君 防衛庁運輸省と、そういう立場ですと、管制責任というのはやはり運輸省の方にあって、そうして飛行機離着陸を指揮する最高の責任者は、その命令権といいますか、その決定をする資格、権利、こういうものは合議でやるような形になっておるのか、そうでなしに、責任者判断で——それは意見は聞かれるでしょうけれども責任者判断でやれるような形になっておるのか、そういう点を一点お尋ねしたいと思います。
  16. 辻章男

    政府委員辻章男君) この航空交通管制業務に関しましては、先ほど申し上げましたように、運輸大臣専管事項になっておりまして、問題になっておりまする名古屋飛行場管制につきましても、全面的に運輸大臣監督下にあります。私どもの方から出ておりまする管制官が、各グループごと責任者として指揮いたしておる次第でございます。
  17. 小酒井義男

    小酒井義男君 皆さんも質問があるようですから、私は簡単に一つ何しますが、この今回の場合の旅客機は、大体予定の時間にあそこへ着いておるのか、よほど早着、延着というようなことが相当あったのかどうかということですね。そういう場合の従来の管制官の取り扱い、これはどういうふうにやっておられるのか承りたいと思います。
  18. 辻章男

    政府委員辻章男君) これは、予定よりも約二十分近く遅延いたしております。ただし、このことは、管制の仕事といたしましては、まあ飛行機を御利用なさいましてお感じになりますように、気象関係その他の関係で、その程度の遅延なり、あるいは少し早く着くというようなことは、ままあることでございまして、特に取り立てて言うほどのことではないと、かように考えております。
  19. 小酒井義男

    小酒井義男君 最後に、そういうことは従来もあったのだということなんですが、そういう場合の管制のやり方は、十分の打ち合わせをしてやられるのですから、事故が今までなかったと思うのです。それで、時間を見ると、相当おそいのでございますね。おそいといいましても、もう夕方ですね。こんな時間にやはり毎日、常時防衛庁練習機は飛んでおるのかどうか。
  20. 辻章男

    政府委員辻章男君) その点、私どもの方で今そこまで的確な情報を得ておりませんので、確言いたしかねるのでございますが、訓練でございますから、そういうこともままあったのではないかと、ただいま私どもの推定だけを申し上げまして、なおよく調査いたしましてお答えいたしたいと思います。
  21. 大倉精一

    大倉精一君 関連してお伺いしたいのですけれども、まだ十分な調査はないと思いますから、おわかりにならぬ面があるかもしれませんが、私が新聞で読んだ感じでいきますというと、全日空飛行機誘導路に入ったとたんに離陸を命じておる、この時間的な関係ですね。そういう、入ったとたんに離陸を命じなければならぬような、そういうふうな空港使用度頻度というものが非常に激しいのじゃないかと思いますが、具体的にどのくらいの使用量になっておるのか、これは滑走路が一本しかないというのですが。
  22. 関口規矩二

    説明員関口規矩二君) 小牧飛行場使用状況でございますが、たとえば、ことしの一月でございますと、離陸及び着陸、それからお天気のいいとき悪いとき、それから普通ローカル・フライトといいまして、上がってすぐおりる離着陸練習、そういったものを含めまして、民間が六百五十一回、防衛庁側が二千七百九十三回、この程度でございます。多い月は、昨年の十一月、十二月等は、防衛庁の方は約五千回、十一月におきましては民間の方は約千三百回、この程度発着回数になっております。
  23. 大倉精一

    大倉精一君 私が聞いたところによりますと、昨年の十月、十一月、十二月の三カ月間に発着回数が約一万七千回、そのうちの約八〇%が航空自衛隊飛行機だと、こういう工合に聞いておるのでありますが、それが事実だとしますと、たった一本の二千二百五十メートルの滑走路にこれだけの飛行機発着を許すということは、これは非学に無理じゃないかと思う。そういうことを黙認しておいたところに大きな問題があるのじゃないかと思うのですけれども、その辺についての技術の実情はどういう工合になっておるのか。この数字は正しいのかどうか、正しければ、そういうような収容能力といいますか、使用能力があるのかどうか。
  24. 関口規矩二

    説明員関口規矩二君) 使用回数は、ただいまお話のございました通りと存じます。それが頻度が特に多過ぎたかということでございますが、特に多過ぎたということは私は考えておりません。
  25. 大倉精一

    大倉精一君 まあ、これはいずれ調査もしてみたいと思うのでありますけれども、冒頭に申しましたように、飛行機誘導路に入ったとたんに発着を命ずるというようなことは、これは相当頻度が多過ぎるという工合に考えても差しつかえないのじゃないかと思いますから、この点について一つまた後ほど調査してからお尋ねしたいと思います。  それから、源田空幕長が言っているところによりますと、どういうわけで全日空機滑走路をUターンしてきたかわからぬということを言っております。私もその辺の事情はよくわかりませんが、普通であれば、全日空機滑走が終わって、それからターミナルに行ってしまう。その日に限ってUターンして戻ってくる、どうもその辺がわからないと言っておるようであります。あるいはまた、ある新聞の記事によりますと、照明が十分でなかった。暗くてわからなかったということも書いてある。さらにまた工事中であって、何か前方に見えるあかり工事中のあかりと確認をして、発進したところが、突然目の前近く一ぱいに飛行機が現われたと書いてある。現在工事中というのでありますけれども小牧飛行場滑走路が完全な状態にあったかどうか、これは疑問だと思うのですけれども、御調査の結果いかがですか。
  26. 辻章男

    政府委員辻章男君) お答え申し上げます。まず最初の滑走路上でUターンするということは、常識的におかしいのじゃないかという御指摘でございますが、これはあの滑走路南北に続いておりまして、あれからいわゆるターミナルの方へ参ります、われわれタクシー・ウエイと言っておりますが、誘導路通りまして、ラン・ウエイからターミナルにくるのでございます。この道が五本ございます。ちょうどあのところのまん中に参りまして着陸いたしまして、そのままずっと参って、こういうふうな方向着陸いたしまして、これを少し行って、左へ曲がるよりも、ここでUターンして、すぐうしろ誘導路からターミナルの方へ行った方が近いというふうな判断で、管制塔から指示したのではないかという疑いがあるわけでございます。  それから工事中ということでございますが、工事中ということで、滑走路状態が不完全ではなかったかという御質問でございますが、これは現在工事をいたしておると申しますのは、滑走路の北の端の方に、滑走路両側に川がございまして、これが夜、月夜等でありますと、非常に光ったようでございまして、一般の夜間の離着陸にある程度支障があるということで、これをおおってしまう工事を現在やっております。これは滑走路の上におきましては全然そういう工事はしてないのでございます。滑走路両側でそういう工事を、突貫工事昼夜兼行でやっておる、その工事のことでございまして、滑走路使用の問題としては完全な状態にあるわけでございます。
  27. 大倉精一

    大倉精一君 どうも私はそう思わない。これは非常に重大だと思うのですけれども東京新聞自衛隊の平野二佐ですか、これの語っておるところによりますと、「滑走路をすこし進んだところで前方明りがみえたが、滑走路工事中なのでその明りだとみてかまわず進んでから急に視界いっぱいに全日空機の姿がみえた。」、こういうふうに滑走路路上飛行機操縦士が見間違えるようなそういうことがあったということは重大な問題だと思う。これは工事あかり飛行機あかりと間違えるというような、そういうような状態に置いておいたということは非常に重大だと思うのですが、この責任はどこにあるのですか、こういうような状態があるとすれば。
  28. 辻章男

    政府委員辻章男君) このただいま申し上げました工事は、私どもの方と防衛庁と協議いたしまして、この工事につきましては、防衛庁の方で施行されている次第でございます。従いまして、こういう工事におきまする灯火その他につきまして、飛行機に不便を与えるという責任の問題になりますと、私どもの方と防衛庁の方とその責任を分担せざるを得ないのじゃないか、かように考える次第でございます。
  29. 大倉精一

    大倉精一君 こんなことの責任を分担するということはおかしい。飛行場管理責任はあなたの方にあると思うんです。ですから、工事防衛庁がやるでしょうが、発着に関連のあるすべてのことは運輸省責任があると思うんですが、運輸大臣、この辺どうでしょう、これは重大な問題だと思うのです。
  30. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) ただいまおっしゃいました点でありますが、この点は、飛行場はやはり運輸省管轄下にありますし、その中で行なわれますいろんな問題も、運輸省がこれはやはり管轄していると思うのであって、まあよく報告を受けてみなければわからないのでありますけれども、私から言わせますれば、やはりその責任運輸省にいずれにしてもあると思うのです。そういう問題が起きた場合は。
  31. 大倉精一

    大倉精一君 この問題は、これは小牧ばかりじゃなくて、これからもあると思うのです。自衛隊共管飛行場の中で、自衛隊の必要によって工事され、あるいはその他のいろんな工事をする場合に、こういう少なくとも標識灯に見違えるというような重大な問題については、とくとその原因についてお調べ願いたいと思う。私も十分調査してまた御質問申し上げる。  そこで、先ほどこの空港はそんなに頻度は激しくない、十分だという御答弁がありましたが、これと関連して、私はそうじゃないと思う。われわれたびたび飛行機で旅をしまして、小牧空港あるいは大阪の空港で、上空でもって三十分も四十分も、激しいときは一時間半もぐるぐる回りして待っていることがたくさんあります。これをもって見ても、たった一本の滑走路で、三月間で一万七千回の発着する回数があるということは、これは適当と考えられない。こういう一本だけの飛行場滑走路にこれだけの頻度があり、さらにまた、先ほど小酒井君が言っているように、こんなところで自衛隊が演習をやっている。どうしてそんなことをほうっておいて、今までこういうことでは危険だとわかっておって、一本の滑走路よりないところで自衛隊が演習する、その合間々々に民間機離着陸する。私はかつてこの問題について、昭和三十三年でありましたか、米軍から航空管制の移管を受けたときに、自衛隊も協力するという名目でもって管制業務の中に入ってくるけれども、これは自衛隊優先になるのじゃないか、こういうことを質問したことがあります。そうしたら決してそれはそうじゃありません。その連絡を密にするために、あくまでも運輸省が一斉に管制をやって、民間優先になってやるのであります。こういう答弁をいただいたような覚えがあります。その後の状況は、私もその飛行経験について、また、いろいろ新聞等で見ましても、必ずしもその答弁通りじゃないと思う。現在は自衛隊の、いわゆる軍用機が優先になっている、こういう実態にあるとは考えられるのですが、その点いかがでしょうか。
  32. 辻章男

    政府委員辻章男君) 先ほど御指摘ございました滑走路使用頻度の問題、それからまた、工事の問題につきましては、なお私どもの方で詳細に検討をいたしたいと存じております。それから、いわゆる防衛庁航空機優先的に、民間機よりも優先的に扱われているのじゃないかというふうな御質問でございますが、これは原則として全然さようなことは考えておりません。ただ一つ防空のために、国籍不明機が来たものを迎えて、それを確かめるとか、あるいは警戒に飛び立つといいますような、そういう場合だけにつきましては、ある程度防衛庁飛行機優先権を、これは一般的な問題として与えるようなことに相なっておりますが、これはしかし、滑走路の上に民間機など、ほかのものがあっても、それをどかして飛ばすとかいうふうなことではないのでありまして、そういう場合には、その他の飛行機離着陸をとめまして、着陸しようというものは、いわゆる上空でぐるぐる回って、旋回して退避、それがすむまで着陸の態勢をとらせない。それから離陸しようとするものは、全部誘導路、あるいはその他の安全な地帯に退避させまして、まずそういう目的の飛行機を先に出すということが唯一の例外でございまして、それ以外につきましてはすべて同等の扱いをいたしておる次第であります。
  33. 大倉精一

    大倉精一君 最後に一言だけお伺いしておきたいのですけれども、常識的にあるいは専門的にあなた方の見解として、小牧の二千二百五十メーターの一本の滑走路に大体どのくらいの許容量があるのか、これはジェット機、プロペラ機、いろいろあるでしょうが、その点について、どのくらいの頻度が、数字で大体概要でいいのですが、知らしてもらいたい。それからもう一つは、航空自衛隊優先ではないというようなお話がありましたが、これは運輸大臣にお伺いするのですけれども、この際小牧空港は前から民間専用にしてもらいたいという要望が、地元から非常に熱烈なものがあったんでありますけれども小牧飛行場のような、場所的にあるいは施設的に、これを契機に民間飛行機専用にする、こういうように御努力をなさるお気持がないか。この際二点だけ伺っておきたいと思います。
  34. 関口規矩二

    説明員関口規矩二君) 発着回数といいますのは天候に左右されます。非常にお天気が悪いときですとその日の発着回数というのは減ります。
  35. 大倉精一

    大倉精一君 これは私はしろうとでわかりませんけれども、天候の都合、あるいは飛行機の型あるいはジェット機、プロペラ機、練習機いろいろあって何機というのはおわかりにならぬかもしれませんけれども、大体、十、十一、十二月は今一万七千回、こういうような状態のもとにそういう飛行機がたくさん出てくる、あるいは非常にその当時の飛行機の種類、そういうような条件のもとで、三カ月間にどれだけの回数が適当であるかということですね、わからなければ。この十、十一、十二月で一万七千回あったんですけれども、これは適当だとおっしゃったんですけれども、あなた方の専門的に見て、この三カ月の状態のもとにおいてはどのくらいが許容量最大限であるということですね。考えておわかりになりませんか。
  36. 関口規矩二

    説明員関口規矩二君) 大体月五千回ぐらいでしたら可能だと思います。
  37. 大倉精一

    大倉精一君 月五千回。
  38. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今大倉委員のおっしゃいました、今回の小牧のこういう惨事等をめぐりまして深く考えさせられることは、やはり民間航空飛行場自衛隊飛行場をやっぱり分ける。ことにジェット機は非常な危険なああいうスピードで、しかも今聞くところによると五千回、六千回、こういうような非常な回数の多い練習をやる関係等もあります。から、私といたしましては、やっぱり民間航空航空対策といたしましても、やはり民間航空の安全確保のためにできるだけこれを区別していくという方針で、政府等においてもこれを契機として話を進めていきたい、こういうふうに思うのであります。
  39. 大倉精一

    大倉精一君 それで今の許容量について月五千回だというようなお話があったんですけれども、そうしますと大体三カ月間に二万七千回あったんですが、これは許容量を越えるわけですね。
  40. 辻章男

    政府委員辻章男君) 今の関口技術部長の話を補足いたしますが、これは私どもの方もそういう点不勉強で、まことに申しわけないのでございますが、御指摘がございましたように昨年の十一月、それから十月あたりが一番機数が多いときでございまして、統計によりますと十月は民間機が約一千回、それから防衛庁関係機が約五千五百回、合わせて六千五百回ぐらいの回数に相なっております。これは一体ある滑走路に対しまして最大の許容量というものがどれかという問題は、まあ大きなものは今太平洋に来ておりますボーイング707のジエツト機でありますとか、小さなものは遊覧飛行に使っておりますような二、三人乗の飛行機からございますので、これらの機種、それからまた天候によりますと、天気の悪いときには、いわゆる計器飛行方式ということで非常に離陸着陸にも時間をとるような関係がございますので、それらの点を、機種と天候とを勘案いたしませんと明確な答えが出ないわけでございますが、この点につきましてもなお御指摘のような点について、小牧飛行場の点につきまして現状を基礎にして一応厳密に算定したいと思いますが、ただここで申し上げることは、先ほど申し上げましたように十月、十一月のような非常なピークのときにおきましても、私ども中央へ、現場の名古屋飛行場管制関係から、非常に離発着が多いので、とても航空機の安全が保ち得られぬと、そういう趣旨の、適当な措置をとれというような趣旨の上申は一件もございません。最近も各航空保安所長を集めまして会議をいたしましたが、航空安全についての討議もいたしたのでございますが、そういう意見は全然なかったのでございまして、そういうことから申しまして、私どもは先ほど申し上げた民間機一千、防衛庁機五千五百程度のことにつきましては、管制のやり方としてたえられないような危険な限度であった、ということは考えていない次第でございます。
  41. 大倉精一

    大倉精一君 どうも私は自信のない答弁じゃなかろうかと思います。不勉強で、これから勉強しますということは、これは責任官庁としては重大な問題だと思います。それで、私はただ漠然と、しろうとだものですから発着回数が何回が適当かと、こう申し上げたのですが、これは各飛行場によって、たとえば小牧飛行場発着陸するところの飛行機の種類なり、あるいはいろんな状態とかいうことは一応固定していると思うのです。従って、小牧には大体何回ぐらいがもう適当かということは、もうお調べになっていなければならぬと思うのです。そういうところに非常に大きな問題があるのじゃなかろうかと思うのです。しかも、私は非常に頻度が多くて許容量を越えているのじゃないかと思うのですが、その中に遊覧飛行さえもそこで許可しておる、ますますもって不可解千万。ですからしてそういうところに一つの大きな今度の原因があるのじゃないかと思いますので、これは大いに検討していただきたいと思う。  もう一つ施設問題ですね、工事あかり飛行機あかりと間違えるような、そういうことを放任しておいたということ、これは非常に大きな問題だと思うのです。  それから、もう一つ自衛隊運輸省との共管の問題ですね、この責任の所在がはっきりしない。あかりの見間違い一つ見ましても、まあ責任を分担する。こんなもの分担したって仕様がありません。このようなことが根本的に私は今まで放置をされておった、そういうことからこういうような事故が起こってきておるのじゃないかと私は思うのです。そういう点についての私は責任を明らかにしてもらわなきゃならぬし、それから、そういう原因を申し訳でなくて、根本的にやはり積極的に関係当局に追及をして、そうして後顧の憂いを断つと、こういう熱意がなければならぬと思います。そういう点について一つ大臣の再度御所見をお伺いしたい。
  42. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 大倉委員の御説ごもっともでありまして、従って今回の災いを転じて将来の幸いとしていきたい、その災害を防ぐという根本的な対策を立てなきゃならぬというので、今朝来次官以下集めましてさいぜん御報告申し上げましたように、次官を長とする対策委員会等を作りまして、こういう事故を絶滅するための根本的な施策を検討して参りたいと思うのでございます。
  43. 中村正雄

    中村正雄君 今までの大臣説明なり答弁聞いておりまして、これは事実を一応調査した結果でないとわからないと思うのですが、今までの答弁なり新聞を見ても、一番僕らが不可解に思いましたのは、全日空は定期航空ですから、おくれはありましょうけれども、何時にどの飛行機が着くということは大体わかっているわけなんです。片方自衛隊練習機ですから、その合間を縫って練習しているのだと思うのですが、少なくとも、定期航空着陸して一分ほどの間隔をおいて練習機離陸の指令を出さなくちゃいけない、そこに向こうの滑走路使用管理上の計画性がないのじゃないか、私はその点について大臣がどうお考えになっているか、その所見を伺いたいと思います。
  44. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今中村委員のおっしゃったこと、私もそう思うので、わずか五秒か十秒くらいのことでこういう大きな事故を起こすのだから、もう一つ、私はよくまだ自衛隊との間の練習に対する協定といいますか、指示というものがどういうふうに運ばれておるかということをまだ調べておりませんけれども、少なくともやはりああいう定期航空が通る場合においての、特に小牧のような所ではやはり時間の間隔をおいて、これをするということをしなければならない。また着いてこれが何秒かの間でこういう事故を起こしているというところに、練習機が爆弾のように飛んでいったことに問題があるので、こういう点は明らかにこの機会にやっぱりすっきりさせて、そういうことをコントロールしなければ大へんなことになるのじゃないか。今度でもはなはだ事故としては遺憾でありますけれども、あの程度で済んだのですが、あれがちょっと五十メートルも上がって衝突しておったら、全部全滅しておるという悲劇が起こるのだから、この点は十分注意していきたいと思います。
  45. 中村正雄

    中村正雄君 しろうと考えですから、大臣と同じような考えなんですが、あまりにも運輸省として飛行場使用管理について無関心であった、というそしりはやつぱり免れないと思います。この点については、今後十分こういう事故を契機にして管理上の僕は計画性を考えてもらいたい。  もう一つお尋ねしたい点は、これは調査の結果じゃないと、どこに責任があるか、何が原因であるか、判明しないと結論は出ないと思いますが、もし全日空航空機操縦士の過失であると、管制官指示が間違っておらなかったというのであれば、一応この事故原因全日空が負わなければいけないので、それに対する損害等については会社の問題になると思いますが、もしやっぱり管制官指示の誤りであるとか、あるいは自衛隊練習機の間違いありとすれば、運輸省なり自衛隊は、これは責任を負わなければいけない。従ってそういう場合に、たとえば運輸省責任を負わなければいけない、管制官指示の誤りであったということになった場合には、全日空に対する損失補償、乗客に対する損失補償、こういうものに対して運輸省はどういう法的措置が講ぜられるか、どうお考えになっているか。  またもう一つ防衛庁練習機の過失である、こうなった場合にも、防衛庁関係者はきておられないと思いますが、同じ内閣大臣であるので、運輸大臣から同時に答弁してもらってもいいと思いますが、防衛庁責任ありとするならば、どういう補償措置がとられるか、その点について御答弁願いたいと思います。
  46. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) この点は重大な問題でありますので、今対策本部を設けまして十分に諸般の情勢を検討してお答えをいたしたいと思うのでありまして、今ちょうど、まだ詳細な報告等も受けておりませんし、聞くところによれば、検察当局も全体を対象としての捜査を始めておるようでありまして、一方運輸大臣といたしましても、独自の立場から今朝来運輸省としてこの事故原因を徹底的に調査せよ、ということを命令をしておるような次第でありまして、それらを待ちましてまた後日報告をしたいと思います。
  47. 中村正雄

    中村正雄君 私のお尋ねするのは、具体的な小さい金額その他の問題を聞いているわけじゃないので、先ほども言いましたように、たとえ全日空責任であろうとも、管理上の責任という問題については、今言ったような計画性がないものでありますが、そういう大きな問題は別にして、直接の原因管制官指示の誤りであるとか、こういうふうな場合はやっぱり運輸省責任になると思うのです。また自衛隊操縦士が誤って事故を起こしたとすれば、自衛隊責任になるわけで、そういう場合の運輸省なり自衛隊責任を負う場合の法的根拠があるかどうか、というような根本の問題をお聞きしたわけなんです。従って、もし運輸省責任なりとこうなった場合は、全日空に対する補償、被害者に対する補償については、運輸省が現在の法律のもとにおいて補償の責任が負える体制にあるかどうか。自衛隊も同じだと思うのですが、そういう根拠をお聞きしているわけです。
  48. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) これはおっしゃいますように、やはり重大なる過失がある場合において、裁判上いろいろな認定等の問題がありますが、責任運輸省側にある場合においては、運輸省として責任をとるべきが妥当だと思うのでありまして、これに被害を与えておって、しかもこれを顧みないということは許されない。防衛庁もまたしかりと思うのであります。しかし、今の段階におきましては、中村さんもおっしゃいますようにまだ調査中でありますし、及ぼす影響等もありますからこの程度一つ……。
  49. 中村正雄

    中村正雄君 では、重ねて最後に、御答弁はけっこうですが、もし運輸省側に責任あり、あるいは自衛隊側に責任ありとなった場合は、現在の法律体系のもとにおいて、損失補償については十分やり得る体制はある、こういうふうに理解して、もしそういう場合があれば、万全な補償体制をしいてもらいたいということの希望だけを申し上げて、質問を打ち切ります。
  50. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 ちょっと関連して。若干おそかったからあるいは内容が違うかもしれぬが、一カ月の離着陸回数が五千回ぐらいはよろしいという解釈ですか。  それからさらに先ほど聞くと、今までの実績だと三カ月に一万七千回ぐらいの離着陸があった、こういうことですか。
  51. 辻章男

    政府委員辻章男君) お答え申し上げます。  ただいま技術部長が五千回云々と申し上げたのは誤りでございまして、ただ、先ほど申し上げましたように、名古屋飛行場のこういう共用関係におきまする最大の許容量の問題につきましては、私どもまことに申しわけないのでございますが、そこまではつかんでいないのでございますが、最近の一番よけいに離着陸をいたしましたのは昨年の十月でございまして、約民間機が一千回、それから防衛庁関係飛行機が五千五百回、合わせまして六千五百回というのが最近の一番の多い数字でございます。これにつきまして、私どもは、現地の毎日管制にあたっておりまする保安事務所あるいは管制の担当官から、この回数ではあぶなくて航空機離着陸に安全が期し得られぬ、というふうな報告なりあるいは意見の具申が来ておりませんので、この程度のものは航空機の安全を保ち得るものであるというふうに現在考えておる次第でございます。
  52. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 どうもおかしな話なんで、五千回すらがそれが間違いだというならばいいのだが、五千回を一体一日に割りますと幾らになりますか。少なくとも一日に百七十回くらいになる。百七十回をさらに一時間割りにすると七回くらいになりますね。七回くらいになるということになると、八分間ぐらいに、夜よなかであろうと何の時間であろうと、平均にして八分間に一台ずつ離着陸しておる。もし危険がないというので勉強しておらぬとすれば、失礼な言い方だけれども航空を担当する資格がありませんよ。向こうから言ってこないから大丈夫だろう。それから事故が起きてから、これから原因調査いたします、こういう航空行政というものはあり得ない。私はさっきの五千回というものは間違いだというのだから、間違いであってくれればいいと思うのだが、もしそういう状態でやっておるとするならば、これは六千回ということになると、もう六分かそこらに、昼間の一番忙しいときも五分おきぐらいに出る。しかし、われわれは、最近はあまり経験がないが、日航機その他で今まで旅行してみた関係からいくと、少なくとも一つ飛行機が降りて出ていくまでに、十分以内で処理したというような経験はいまだかつてない。三十分、一時間もかかる。何かの間違いであろうかと思うんだが、もし離着陸がそういうことであるならばこれは十分調査して、私は不勉強だということで、それ以上申し上げないが、調査をして基本的な問題から直していかぬと、往々にして事故が起きて、単に飛行機ばかりでありません、あるいは船の事故にしてもその事故を究明し、責任がどこにあるか、責任はどっちにあってもいい、日本の運輸行政として、どうあるべきかという基本的な問題から、やはりこれは調査をして、その善処を私は運輸大臣に望んでおきます。
  53. 小酒井義男

    小酒井義男君 一つ。今度の問題、いろいろ先ほどから質疑がされて、大臣も、将来の問題としては、民間旅客機の離着陸と軍用機とは、これは飛行場を別にした方がいいから、そういう方針で進みたいと言っておりますが、それは短時日に実現するわけにいかぬので、そこで私は当面の問題として運輸大臣に、一つここでお答えを聞いておきたいのですが、大臣飛行場管理責任者なんですね、主たる責任者なんです。そういう立場であれば、私はやはり運輸関係民間旅客機のこの離着陸優先して扱うということは、おやりになる必要があると思う。これは先ほども答弁がありましたが、緊急の場合はこれは別でありますが、そうでない限りはあくまでも旅客機の安全性ということを先において管制に当たられる、そういうことをやるような当面必要な問題が出てくると私は思うわけですが、そういうことをおやりになることを、私は早急に関係防衛庁等とも打ち合わせをして実行していただかなければ困るんです、直ちに。そういう点に対する一つ大臣の所見をお尋ねしておきたい。
  54. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今おっしゃいました点でありますが、この点は一つ防衛庁ともよく協議をいたしまして、その趣旨に沿うような方法で、やはり民間航空というものを長期的に確立するということが、現段階の日本の立場からいっても妥当なものであって、従って練習その他によってこれが著しく阻害されるということは、できるだけ解消せしめる方向に向かって、これを契機として折衝し、それを実現したいと、こういうふうに思うのであります。
  55. 江藤智

    理事江藤智君) この問題はわが国の航空事業にきわめて重大問題でございますから、運輸省の方でも鋭意原因の究明にも努めておられるようでありますから、今後なお当委員会におきまして十分に質疑あるいは検討いたしたいと思いますが、きょうはこの程度で一応打ち切りたいと思います。  なお、きょうの質問に関連して運輸当局に御要望したいことは、これは結局回数の割り方だと思うのですが、私は飛行機が最小時間何分間隔に着発できるかということは、これはもう小牧飛行場滑走路をとり、そこの着発の飛行機の種類を考えれば当然出てくるはずのものなんです、はっきり。しかも今度の事故原因が結局最小時隔ということに非常に関連がありますから、一つそういう点について研究をしておいていただきたい、かように思います。
  56. 大倉精一

    大倉精一君 資料を一つお願いいたします。  今の発着回数ですね、許容量に関する資料を、各飛行場ごとに、現在どのくらいの許容量になっておるか、従来の実績ですね。さっきのお話によりますと、最高ピークは六千六百回ですね。これを割ってみると大体六・六分間に一回ということになるわけですが、そういう割になるのですが、一応各飛行場発着回数の実績並びに自衛隊民間飛行機との使用の割合、こういう点について資料を要求いたします。   —————————————
  57. 江藤智

    理事江藤智君) それでは次に、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより提案理由の説明を求めます。
  58. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) ただいま議題になりました外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして、御説明申し上げます。  外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法は、昭和二十八年に制定され、昭和三十一年度までこの法律に基づき、利子補給契約及び損失補償契約が締結されて参ったのであります。しかるに、昭和三十二年度においては、スエズ動乱により、国際海運が著しい好況に恵まれたため、わが国海運企業の業績も逐次改善されましたので、それまで締結されていた利子補給契約による利子補給金の支給を停止するとともに、新たに建造された外航船舶については、利子補給契約締結に必要な予算措置を講じなかったのであります。  このような方針は、昭和三十三年度及び昭和三十四年度においても踏襲されたのでありますが、一方海運市況は、スエズ動乱の解決後は急速に低落し、このため、海運企業の業績もとみに悪化したのであります。  このようにわが国海運業が市況の低落に抵抗力がなく直ちに業績の低下を来たすほど企業基盤が弱体である原因は、根本的には、戦後の新造船がほとんど借入金によって行なわれており、かつ、その金利が国際金利水準よりはるかに高いことによるのであります。このまま放置しますと、今後ますます激化する国際競争において、わが国海運の健全な発展が阻害されるのではないかと危惧されるのであります。  このような、現状にかんがみ、政府といたしましても昨年来提唱された各方面の意見を参考として、日本海運の企業基盤を強化し、国際競争力を増強するための方策を鋭意検討して参りましたが、昭和三十五年度より海運企業の合理化をはかるとともに、利子補給金の支給を復活することとし、来年度予算にその経費を計上した次第であります。  この利子補給の復活に伴い、外航船舶建造融資利子補給及び損失補償法の一部につき必要な改正を行なおうとするものであります。  次に改正法律案の概要について御説明申し上げます。まず改正の第一点は、利子補給金を納付する場合の利益の計算方法を若干変更した点であります。  現行法では、一定額以上の利益を計上した場合その会社は、利子補給金相当額を国に納付することとし、その利益は、会社の決算において計上された利益によることになっております。この決算において不当な経理がある場合は、運輸大臣がその是正を勧告する建前になっておりますが、今回の改正措置によりさらに運輸大臣が右勧告を行なった場合には、その勧告に従って再計算した利益の額を、利子補給金相当額の納付の基準とし、利子補給金の国庫納付に遺憾なきを期そうとするものであります。  次に改正の第二点は、日本開発銀行に対する利子補給制度を廃止したことであります。  現行法は、日本開発銀行に対する利子補給制度を定めていますが、実際には、昭和二十八年度に一カ月半行なわれたのみで、その後は停止され、補助金等の臨時特例等に関する法律によって日本開発銀行に対する利子補給の規定を適用させない措置をとつて今まで経過してきております。このような実情にかんがみ、今回の改正において、これに関する規定を削除することとしました。  改正の第三点は、当分の間、新たに損失補償契約を締結しないこととしたことであります。  現行法では、船舶建造融資について、損失補償契約を結ぶことができることとなっておりますが、昭和三十五年度においては、これに必要な債務負担行為がなされておらず、また、現在の金融事情では、政府が損失補償契約をしなくても、建造に必要な融資が可能でありますので、この制度の活用が必要となるまで、当分の間、その実施を停止することにしました。  改正の第四点は、現行法では、利子補給が停止されていた期間中に建造された船舶について利子補給契約を結ぶ場合を予想しておりませんので、今回の利子補給の復活に伴い、昭和三十二年度から昭和三十四年度までに建造された船舶についても利子補給契約を結ぶことができることとしました。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願いいたします。
  59. 江藤智

    理事江藤智君) 次に、航空法の一部を改正する法律案を議題といたします。  これより提案理由の説明を求めます。
  60. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) ただいま議題となりました航空法の一部を改正する法律案の提案理由につきまして御説明申し上げます。  御承知の通り、最近におけるわが国の民間航空の発展は、まことに目ざましいものがありまして、特にこの一、二年の間においては、ジェット機等の大型高速機の就航を見るに至り質的にも量的にも、今や航空界は画期的な発展段階に入ろうとしております。  このような航空の発展に即応して、航空の安全を確保し、航空輸送の秩序を確保するためには、飛行場周辺の安全表面の確保、航空交通管制の整備、航空機検査制度の合理化、航空運送事業に関する規制の再検討等が必要であります。このため現行の航空法に所要の改正を加えたいというのがこの法律案を提案する理由であります。  次に、この法律案によります主要な改正点につきまして御説明申し上げます。  まず第一は、最近における航空機及び装備品の整備能力及び改造能力の著しい向上に対応し、あわせて海外における検査制度の合理的運用をはかるため、航空機及び装備品の検査制度に関する規定を改正したことであります。すなわち、運輸大臣におきまして、航空機または装備品の整備または改造を行なう事業者についてその能力の認定を行なうこととし、認定を受けた者がした航空機または装備品の修理または改造につきましては、航空機の修理改造検査または装備品の予備品証明のための検査を省略することができることとする等の改正をいたしまして、航空機及び装備品の整備または改造に関する検査制度の合理化をはかったことであります。  第二は、最近におけるジェット機等の高速大型機の就航、計器着陸誘導装置の発達等の事情に対処し、航空機の航行の安全を確保するため、飛行場周辺における高層建築物等の設置の制限等に関する規定を改正したことであります。  その一は、公共の用に供する飛行場について、水平表面の上に出る物件の設置を制限することといたしまして、航空機離陸及び着陸の安全の確保をはかったことであります。  その二は、第一種空港及び政令で定める第二種空港について新たに延長進入表面、円錐表面または外側水平表面という安全表面を設定することとし、これらの表面の上に出る物件の設置を制限することといたしまして、計器着陸誘導装置による航空機の精密進入の安全の確保及び高速大型機の離陸または着陸のために必要な飛行の経路の確保をはかったことであります。  その三は、地表または水面から六十メートル以上の高さの物件につきましては、当該物件の設置者が航空障害燈を設置しなければならないこととするなど、航空障害燈に関する規定の適正化をはかったことであります。  その四は、昼間においても航空機からの識別が困難である煙突、鉄塔その他の運輸省令で定める物件につきましては、昼間障害標識を設置しなければならないことといたしまして、これらの物件と航空機との衝突の防止をはかったことであります。  第三は、最近における航空交通量の増大、ことにジェット機等の高速機の運航が著しく増加して参りました事情に対処し、航空交通管制に関する制度を整備するため、これに関する規定を改正したことであります。  その一は、ジェット機等の高速大型機が常時航行する空域における航空交通の安全を確保するため、運輸大臣が指定する一定の空域を飛行する航空機は、必ず計器飛行方式に従って飛行しなければならないこととするなど航空交通管制に関する規定を整備したことであります。  その二は、航空交通管制制度の合理的運用をはかるため、自衛隊使用する飛行場のうち政令で定めるものにつきましては、これに関する航空交通管制業務防衛庁長官に委任して行なわせることとしたことでありますが、もちろん、この場合におきましても航空交通管制の一元的運用をはかる必要がありますので、運輸大臣において、防衛庁長官の行なう当該業務を統制することにいたしております。  第四に、航空運送事業の健全な発達を促進するため、利用航空運送事業に関する規定を創設したことであります。すなわち、近時航空機による貨物輸送の著しい発展に伴ない、鉄道における通運業のように、航空運送事業者以外の者で、みずから荷主と運送契約を行ない、航空運送事業者を下請として利用して貨物の運送をする業態が出現して参りましたが、これを利用航空運送事業として免許の対象とすることにより、航空運送事業の秩序の確保をはかったのであります。  最後に、航空機に関する爆発物事故の防止のために、爆発物と疑うに足りる物件について航空運送事業者にその航空機からの取りおろしの権限を付与するなど、航空機の運航の安全に関する規定を整備いたしますとともに、航空従事者の業務範囲について、その適正化をはかり、検査手数料等の手数料に関する規定を整備する等、所要の改正を加えた次第であります。  以上がこの法律案を提案する理由であります。  何とぞ慎重御審議の上、すみやかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
  61. 江藤智

    理事江藤智君) この二法案に対する質疑は、慣例によりまして次回以後にいたしたいと思います。  ちょっと速記をとめて下さい。    〔速記中止〕
  62. 江藤智

    理事江藤智君) 速記をつけて。
  63. 白木義一郎

    白木義一郎君 大臣にお話ししておきたいのですが、先日予算委員会で申し上げた通りに、今度のタクシー問題について造船疑獄に次ぐ第二の幕があきそうである、こういうように話していたやさきに、不幸にして大阪の陸運局でトラック並びにタクシーの免許に関する問題がとり上げられて、当局の鋭い追及を受け始めたということを大臣はもう御承知のことと思いますが、これは必然的におひざ元の東京の陸運局にも必ず波及するような予感を私は持っておりますから、この際タクシーの免許について大臣は真剣になってお考えをいただかないと、これは大きな社会問題になると思いますので、この汚職事件の内容の報告と今後の対策について、次の委員会でいろいろとお伺いしたいと思いますから、そのつもりでお願いしたいと思います。
  64. 江藤智

    理事江藤智君) ちょっと速記をとめて。    〔速記中止〕
  65. 江藤智

    理事江藤智君) 速記をつけて。   —————————————
  66. 江藤智

    理事江藤智君) 運輸事情に関する調査を議題といたします。
  67. 中村順造

    中村順造君 私は本日、国鉄のことにつきまして一、二質問いたしたいと思いますが、いろいろ国鉄の内部事情でございますが、これは昨年来の経緯があるわけでありますが、いわれておるところの労使の関係でありますが、昨年仲裁裁定等がいろいろ出されておりますが、私の聞く範囲ではどうもその仲裁裁定が裁定通りに完全に実施をされておらない。また、それを実施するようなお考え方がないように見受けられるんですが、その点について、国鉄の副総裁から一つ答弁願いたいと思います。
  68. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) どういうことをお尋ねになっておるか、よくわからない点がございますが、仲裁裁定を国鉄当局が尊重しないなんということはあり得ないことだと思っております。仲裁裁定には当然われわれ拘束されるわけでございます。予算上、資金上、不可能な問題は別でございますが、裁定を軽視するとか、尊重しないとかいうようなことはないはずであると思っております。
  69. 中村順造

    中村順造君 時間がないからきわめて簡潔に申し上げますが、昨年九月だったと思いますが、動力車の関係で、動力車乗務員の労働条件に関する仲裁裁定、あるいは国鉄の近代化に関連をする問題が出されておりましたが、特に、私は、この動力車乗務員の労働条件に関する問題でありますが、この点が、そのまま、実施をされておるとかおらないとか、今の副総裁のお答えでは、実施をしておる、こういうことでありますが、そういたしますと、いろいろ組合と、動力車乗務員の労働条件に関する協定なんというようなのを結んでおりますが、それが中身を見ますと、まあ二、三点、それぞれ今後の協議をするという字句が非常に使ってあるわけです。その協議の内容が、どういうふうにされて、どういうふうに進行しておるのか、その点を少し具体的に説明を願いたいと思います。
  70. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) ただいま、その詳細なことは私もよく承知いたしておりませんけれども、仲裁でもって協議をするということにきめられました事項については、直接の協議をしたり、あるいは、やはり公労委に中に入っていただいて調停を受けるというような、あるいはあっせんを受けるというようなことで、お話を続けておることはあると思います。
  71. 中村順造

    中村順造君 いや、私の言っておるのは、たとえばですね、中身が、仲裁裁定の中で、協議をせよというような中身が示されて、その示されたことに基づいて協定も協議をすると、こういうまあ協定が結ばれておるわけですが、しかし、それが、ただ協議をせよといわれたから協議をするんだとか、あるいは、何回協議をしたからとか、こういうことでなくして、裁定の実際の趣旨というものは、協議をして、従来の紛争の事案については解決をせよということが、やはり私は前提でなけりゃならぬと思う。少なくとも第三者にお願いをして、相当の御努力をわずらわして出された裁定といたしますなら。しかし、それが今の状況では、ただ単に協議をすればよろしいんだと、しかも、協議の内容についてはここで詳しく私は申し上げませんけれども、副総裁も詳しい話は知らないと、こういうお話でございますから、あとでお帰りになって検討されてもけっこうでありますが、協議の進行過程にいろいろ提案をされるものも、きわめて常識はずれのものが提案をされる。こういう実情にもあるわけで、私はなぜ本日の機会をとらえてそのことを言わなきゃならぬかと申しますと、私はやはり、この春の輸送の繁忙期、これらを控えまして、国鉄のいわゆる労使の間がうまくいっておらない。ややもすれば、運転に支障を来たすんではないかというおそれがあるから、私は申し上げておるわけです。次回は火曜日だというお話もありましたけれども、特に本席を委員長にお願いをしてそのことを申し上げておるのは、その協議そのものが進行しておらない。具体的に、そのことによって、協議によって物事が解決をしておらない、こういう考え方から質問をしておるわけですから、その気持に立って、ここに中村理事もおられるようでありますから、一つ、根本的な考え方でよろしいですが、仲裁裁定に示された協議、また、その協議に基づいて協定をしておる。しかも、協定を忠実に守って、具体的に紛争事案が現実に解決をしたということがあるなら、私は説明を願いたいと思うんですが、おそらく、今日まで聞き及ぶ範囲では、それらの、具体的にこれこれのものを解決いたしましたということは、動力車乗務員の労働条件等についてはないと思う。だから、ここで、この春の輸送の繁忙期に対して何らかの問題が起きてくるのではないかういうおそれがあるわけです。この点で、副総裁が一つ、詳しい話は知らないと言われるなら、けっこうでありますから、担当の理事からでも御説明願いたいと思います。
  72. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 仲裁裁定等で協議をせよというようにきめられた事柄につきましては、むろん、ただ協議をする、形式的に話をするというだけではないので、協議をするというのは、協議によって円満な解決方法を見出すということがねらいでやるわけでございますから、そういう、今御指摘になっておられます問題がどういうことなのかは、実は今私存じませんので、帰ってまあよく調べてみたいと思いますけれども、協定したことがあれば、むろんその協定は尊重する。しかし、まあ労使双方の間でありますから、いろいろ双方に言い分がありますから、協議に時間がかかる、話がまとまらないということも、それはいろいろあると思います。で、そういう場合はそういう場合で、当事者同士で話がつかぬ場合には、また公労委その他の御厄介になるということもあると思いますけれども、協定はもちろん尊重いたしますし、協議をするからには、それによって円満な結論が得られるように努力をいたすということを常に考えておるということは、一つ御了解願いたいと思います。
  73. 中村順造

    中村順造君 いや、副総裁は、前段は内容を知らないと、こういう前提ですから、何をか言わんやですが、しかも後段においては、裁定の趣旨に沿って協議を進めていくという精神だ、こう言われれば、別に問題はないようですが、私は現実の問題からして、長い間のこの動力車乗務員に関する労働条件、これは非常に運転の安全を保つということからも非常に大切なことなんです。きょう飛行機のことが問題にされましたけれども事故が起きたあとで、抜本的な対策を講ずる、こういうことは意味をなさないわけです。事故の起きる前に、それらのことが懸念されるなら、当然それに対する対策を講じなくちゃならぬ。特に組合はこの問題については建設的な意見として、動力車乗務員の労働条件というものは、いろいろ当局とも話し合っておるわけです。しかも、裁定が出されたのは去年の九月、協定を結んだのも去年の九月、それがその後何ら具体的に進展をしておらないというのが実情だからそういう問題が起きてくる。私はこの点を指摘しておるわけです。知らないと言われるなら、それは副総裁の知らないことが国鉄の中でたくさんあるかもしらぬけれども、少なくとも、こういう大事な問題は、やはり担当の常務理事もおられることですから、その間の連係を密にして、十分知っておいてもらいたいと思います。これは直接国鉄の運輸事情あるいは運転に影響があるという心配があるから、私はそういうことを指摘すると、いつもそのあとで何らか事故が起きる。これは本委員会でも、私はそういう実例に基づいて話をしたこともあるわけですけれども、それらの点を十分一つ考慮の中に入れて、今後のこの労使の関係でそういうまずいことの起こらないように、しかも公正な第三者を入れた仲裁裁定があるとするなら、具体的に物事が進展するように私は考えていただきたいと思う。  もう一点、一つお伺いいたします。まあ時間もあと二、三分ですが、いろいろ国鉄職員全体が一年間にわたって非常に努力をして、国鉄の業績も上がっておる、こういうことが言われておるわけですがね。手当の問題がいつも問題になるわけです、春になると。しかも、輸送の繁忙を控えまして、この年度末手当の問題が出ておるわけですが、これらの点について、まあ経理担当の理事もおられますけれども、ことしは一体どういう事情になっておるのか、この点を一つ説明を願いたいと思います。
  74. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 今のお尋ねのうちの前段の問題につきましては、具体的な現在の進行状況その他をよく私も聞いてみたいと思っておりますが、もちろん、そのお尋ねのございました御趣旨は、私どももその通りだと思いますので、できるだけ、もしおくれておるものがあれば促進するようにいたしたい、そういうふうに考えます。それから、あとの方の、これはいわゆる年度末手当ということについてのお尋ねであると思いますが、この点につきましては、目下組合と交渉中でございます。
  75. 中村順造

    中村順造君 私のお尋ねしておるのは、団体交渉の内容ではない。団体交渉は団体交渉で、組合と当局でやられている。いわばこの一年間、去年の四月からことしの三月で終わるわけですが、この間の国鉄の業績の内容ですね、内容をお尋ねしておるわけです。事実、国鉄当局においては、いろいろ当局の考え方もあろうと思いますが、その実績というものがあるわけです、考え方を抜きにして。それで、いわゆる公共企業体については、一般公務員と違って業績賞与を出す、こういう仕組みにもなっておりますから、その実績と照らし合わせて賞与を出すのかどうか、いわゆる期末手当や年度末手当が出せるのかどうか、それだけの余力があるのかどうかということをお尋ねしておるわけです。この点についてお答え願いたい。
  76. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) ただいま期末手当の額その他についてどうするかということについて、団体交渉をいたしておりますので、業績は、非常にやはり仕事がふえております。それに伴いまして収入も相当上がっておりますので、それらの点を考えまして、できるだけ期末手当というようなものは出すという線で交渉をいたしております。
  77. 中村順造

    中村順造君 最後に、私は要望しておきますが、結局、私のきょう質問した内容につきましては、私が申し上げました点、やはり国鉄の運転あるいは公共性から見まして、多少心配の面があるから申し上げたわけでありますが、私は、今副総裁の答弁の内容によりますと、仲裁裁定を中心にしてこの物事の解決に努力をする、こういうことでございますから、具体的に私はそのことを進めていただいて、そうして不必要ないわば摩擦によって、私の心配しておるようなことのないように、一つそういう事態が起こらないように要望いたします。
  78. 江藤智

    理事江藤智君) 本日は、これにて散会いたします。    午後零時十三分散会