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政府委員(国友弘康君) 道路運送法の
関係から申し上げますと、道路運送法は
昭和二十六年に制定になりまして以来、われわれとしては運用して参ったんですが、これは駐留軍のまだおりました時代の立法でもございますし、最近の自動車の激増に対処しますためには、
事情も相当に変化した点もございますので、これらの点を検討いたしまして、道路運送法の根本的な改正ということも実は私
ども手をつけて考えておるのでありますが、しかし、これには相当な時日を要しますので、今回は、道路運送法の最も当面の緊急を要する改正点についてだけ立案をいたしまして、御
審議を願う道路運送法の一部を改正する
法律案を提案することにいたしたわけでございますが、この今度の道路運送法の一部を改正する
法律案の要点といたしましては、運行の安全に関しまする面を
一つの柱として取り上げております。それから白ナンバー・タクシーあるいはもぐりトラックの取り締まりに関しまする面を
一つの問題点として取り上げております。それからこれに付随いたしまして、自動車の輸送の実情
調査のために、道路を通行する自動車または軽車両の一時停車を求めて
質問することができるという条文を入れました、主要な改正点は
この三点でございます。運行の安全に関しまする点におきましては、運行管理者の制度を
法律で明定するということ及び安全を確保するための命令というものを、現在までは、事業改善命令とか、あるいは違法行為がありました場合には、行政処分をするという規定はございましたが、改善その他是正について必要な措置を命令する制度というものを設けまして、安全面を確保していきたいと考えておるわけであります。それから、白ナンバー・タクシーあるいはもぐりトラックの取り締まりに関しましては、使用停止処分等を受けました自動車登録に関しまして、従来抹消登録いたしまして、新規登録をいたしました場合には、使用停止処分をされております自動車でも、そのまま新規登録がなされておりまして、使用停止処分という行政処分が
効力を持続し得ないような状況にありましたので、これを防止する。そういう使用停止処分を受けております自動車に関しましては、新しい所有権を取得した者がおりましても、それは新規登録を認められない。こういう制度にしようと考えておるわけでございます。と同時に、刑罰規定につきまして、従来は無免許営業に関しまして、最高が罰金三十万円でありましたのを一年の懲役または罰金三十万円、及びこれを併科することができるというふうに罰則を強化いたしまして、間接的な取り締まりを強化いたしたい、こう考えておるわけでございます。それから輸送の実情
調査につきましては、先ほど申し上げましたような点でございましてこの三点が道路運送法の一部を改正する
法律案の要点でございまして、この
法律案につきましては、衆議院先議で提案をいたしておりまして、御
審議を受けました上で通過いたしますれば、早急に実施し、白ナンバー・タクシー、もぐりトラック等の取り締まりに関しましては、従来とも
努力をいたしておりましたが、今後におきましても、この道路運送法の改正によりまして、さらに取り締まりの強化をはかっていきたいこう考えておる次第でございます。
次に自動車
審議会に関しましては、仰せのごとくに予算で申しますと、
委員手当が七万六千円、庁費が十一万八千円でございまして、合計十九万四千円で非常に僅少な予算でございますが、私
どもとしましては、この自動車
審議会の運用に、非常に期待をかけておりますと同時に、私
どもの
調査は、この予算以外に自動車局の配付されました予算の範囲内におきまして十分
調査をいたして参るつもりでおりまして、この十九万四千円は自動車
審議会を運用するための費用ということになっておるわけでありますが、一年限りの期限をつけて設置を認められておりますので、私
どもとしましては、この
審議会にげたを預けるというようなことではなくて、現在
自動車行政が曲がりかどにきておるとか言われますし、あるいは
大臣の言をもってすれば、轢死しておるとかいうようなことを言われておりますが、これらの非常に今難局にあります
自動車行政に関しまして、根本的な方策を打ち立てるために、この一年の間に何とかわれわれとしては
努力をして成果を得たい。それには有識者、学識経験者の助力を得まして、いい結論を得たい。こう考えて、この自動車
審議会の設置をお願いして、
運輸省設置法の改正
法律案を出しておるわけでありますが、この
調査審議をいたしまする事項といたしましては、さしあたり道路運送法の改正、あるいは道路運送車両法の改正というような問題も控えておりまして、これらの問題を御
審議願うことにもなると思うのでございますが、そのほか道路交通事業の近代化、合理化の方策、あるいはまた運賃制度の問題、また自動車高速化対策の問題、あるいは事故防止対策の問題、あるいは
自動車行政機構のあり方の問題等につきましても、この
審議会に諮りまして、輸送及び
保安の基本的な問題について
調査審議をしていただこうと思っておる次第であります。メンバーといたしましては、予算がこの程度認められましたので、
委員は十人から二十人の間で任命されることになると思いますが、
委員のメンバーにつきましては、人員も比較的制限されましたので、社会的に相当な
自動車行政についての識見をお持ちになっていらっしゃる方々、自動車輸送及び自動車の
保安に関する学識経験者、これらの方々を学界、財界、言論界等から選任をしお願いをするつもりでおります。で、この中に社会の公正な意見が求められるように私
どもとしてはいたしたいと思いますので、業界からの代表的な人物としての
委員というような方々はこの際とらないで、むしろ一般的な学識経験者の中から
委員を選任していきたい、こういう人選の
方針を持っております。で、今後の運用といたしましては、できるだけ回数を多く
審議会を開催願って、先ほど申し上げましたような題目につきまして十分討議をしていただきたい、こう考えておりまして、私
どもとしましては、この
審議会が設置されましたのを契機といたしまして、
自動車行政に関しまする根本的な問題を早急に打ち立てて処理をしていきたい、こう考えておる次第でございます。