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1960-02-16 第34回国会 参議院 運輸委員会 第3号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年二月十六日(火曜日)    午前十時二十九分開会   —————————————  出席者は左の通り。    委員長     平島 敏夫君    理事            天埜 良吉君            江藤  智君            村上 春藏君            小酒井義男君    委員            重宗 雄三君            鳥畠徳次郎君            三木與吉郎君            相澤 重明君            重盛 壽治君            中村 正雄君            白木義一郎君   政府委員    運輸政務次官  前田  郁君    運輸大臣官房長 細田 吉藏君    運輸省海運局長 朝田 静夫君    運輸省港湾局長 中道 峰夫君    運輸省鉄道監督    局長      山内 公猷君    運輸省自動車局    長       国友 弘康君   事務局側    常任委員会専門    員       古谷 善亮君   説明員    運輸省鉄道監督   局国有鉄道部長  広瀬 真一君    日本国有鉄道副    総裁      吾孫子 豊君    日本国有鉄道常    務理事     大石 重成君   —————————————   本日の会議に付した案件 ○小委員の選定及び小委員長の指名の  件 ○運輸事情等に関する調査  (船内ハッチ開閉料金問題に関する  件)  (日本国有鉄道の運営に関する件)  (自動車行政に関する件)   —————————————
  2. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) これより委員会を開会いたします。  前回の委員会で決定いたしました交通秩序と安全に関する小委員会委員を指名いたします。  交通秩序と安全に関する小委員天埜良吉君、谷口慶吉君、鳥畠徳次郎君、相澤重明君、大倉精一君、松浦清一君、白木義一郎君、加賀山之雄君。委員長天埜良吉君を指名いたします。   —————————————
  3. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) まず、昭和三十五年度運輸省及び日本国有鉄道関係予算に関する件を議題といたします。
  4. 相澤重明

    相澤重明君 私は、本日運輸省緊急質問を先に提出したいと思うので、委員長に御了解を願いたいと思うのです。  それは、今、日本重要港湾における船舶荷役について船主協会並びに労働組合荷役業者との間に紛争解決しない状態で、今私の知らせを受けた範囲内によりますと、非常にたくさんの船が荷役をストップしておるのであります。けさの午前一時の状況を申し上げますと、横浜は二十四隻中十六隻、名古屋は十隻中九隻、大阪は三十隻中二隻、神戸は四十隻中十隻、東京も約九隻、これが荷役をストップされておる。これは、日本港湾産業について非常な重要な問題であるので、運輸省はどういう措置を講じておるか、こういう点をお尋ねをいたしたいわけであります。  昨晩、運輸省粟沢次官なり、港湾局長、それぞれがあっせんに乗り出して、これらの緊急事態回避の方途を講じておるとは思うのでありますが、こういう情報を、私は、情報でありますから、いかなるあっせんができたか、あるいはまた、現在の荷役拒否状況はどういうふうになっておるか、この点について政務次官から、わかったならば明確に一つ御答弁を願いたいと思うのです。
  5. 前田郁

    政府委員前田郁君) ただいまお話しの点につきまして、私まだ詳細な報告を受けておりませんので、港湾局長から説明いたさせます。
  6. 中道峰夫

    政府安貞中道峰夫君) ただいま御質問の点につきまして、簡単に、船の船倉のハッチのふた及びそれのビーム、これの開閉作業につきましての、従来の経過を御報告いたします。  このハッチぶた及びビーム開閉作業につきまする作業分野についての一般的な慣行でございますが、船舶荷役の前後に行ないまするこの作業につきましては、従来必ずしもこの作業分野がはっきりしておったわけでなくて、船員がこれを行ないます場合、あるいは港湾運送事業者が行ないます場合、そのほか第三者が行ないます場合等がございます。諸外国の例を見ましても、統一的な慣行が存在しているというふうには考えられないのであります。わが国におきましては、この作業港運事業者が行なう場合におきまして、船内荷役料金のほかに当該作業に対する料金は従来支払いを受けておりません。また、届出とか、あるいは行使されております船内荷役料金の原価にも、当該作業に対しまする費用は含まれておらないのであります。  船主団体海員組合との関係でございますが、全日本海員組合におきましては、数年来、労働条件改善の一環といたしまして、船主団体に対しては、ハッチぶた及びビーム開閉作業は、船員の職務、つまり船務ではなくて、従って、従来船員が行なってきたこの作業港運業者に移すことを要求してきております。その後、昨年の六月に、この問題につきまして、船主団体は、船員中央労働委員会調停を申請をいたしまして、船員中央労働委員会におきましては、八月の二十八日付をもちまして調停案を示しまして、船主団体及び海員組合はこれを受諾をいたしました。その調停案の概要は、このハッチぶた及びビーム開閉作業は、船の型が大きくなって参りまして、かつ職能の分化等、時代の変遷にかんがみまして、特定の場合を除いて、漸次港連業者等に移行することが適当であるというのでございます。  次に、港運事業者団体港運関係労働組合でございますが、日本港湾労働組合連合会、日港労連と申しておりますが、三十三年の四月以来、港運事業者団体でありまする日本港運協会及び全国港湾荷役振興協会に対しまして、このハッチぶた及びビーム開閉作業船内荷役と別個の作業でありまして、本来船舶側が行なうべきもので、また、この当該作業がきわめて危険であり、かつ事故が多いので、やむを得ず当該作業を手伝う場合も、事故防止等の点について責任を明確にすることを要求してきております。その後、昨年の六月に至りまして、当該作業を七月以降拒否するという申し出を行ないまして、全日本港湾労働組合もこれに同調いたしたわけであります。これに対しまして、日本港運協会及び先ほどの全港振は、その申し出の趣旨を了解いたしましたけれども船主協会協議する必要がありますので、七月一日以降の作業拒否はひとまず延期するように回答いたしまして、労働組合もこれを了承いたしたのであります。十月ごろから一部港湾におきまして、全港湾労働組合は、ハッチぶた及びビーム開閉作業につきまして、明確な依頼または契約のない船舶に対する当該作業拒否をしております。  次に、港運協会船主協会でございますが、昨年の六月から、港運協会日本船主協会に対しまして、ハッチぶた及びビーム開閉作業は、本来船舶側責任をもって行なうこと、及び依頼があれば港運業者が行なうけれども、その場合には作業料金を申し受けるという旨を申し入れをいたしております。これに対しまして船主協会の方では、昨秋からこのハッチぶた及びビーム開閉作業につきましては、船主船内に関するものにつきましては船主費用を支払うけれども荷主船内であるものにつきましては荷主費用を支払うべきもので、港運事業者荷主と折衝すべきであるというような回答をいたしまして、両者協議がととのわなかったのであります。昨年の十二月に至りまして、港運協会船主協会に対しまして、当該作業について、船主船内及び荷主船内のすべてについて船主依頼によって、かつ作業料支払いがない限り、十二月の二十三日以降の作業拒否するという旨を申し入れをしたのでありますが、年末の繁忙期にありまする港湾の混乱を避けるために、元請業者船内下請業者にかわりまして立てかえ払いをすることによって荷役拒否回避する、この問題は一月末までに延期をされて参りまして、本年の一月末までに両者協議いたしました結果、船主船内につきましては、船主ハッチぶた及びビーム開閉作業費用支払いますが、荷主船内については、委員会を作って協議するということにいたしまして、二月一日からの作業拒否は、これも回避されたのであります。その後港運協会といたしましては、ハッチぶた及びビーム開閉作業料金につきましては、この作業に関しまして船主あるいは荷主から同協会申入れ額が受け入れられないという場合には、再び二月十六日以降作業拒否するというふうな申し入れをしたわけであります。そこで、ただいま申し上げましたように、この問題は当事者間における商売上の問題が主でございますので、従来両者において、ただいま申しましたように交渉を進めておったわけでございます。二回ばかり荷役拒否という状態回避をしてきたような状況でございまして、二月の十六日以降、港運協会申し入れを受け入れない船主あるいは荷主に対しましては荷役拒否するということでございまして、昨日、ただいまお話しのように船主協会並びに港運協会代表者を招致いたしまして、両者話し合いを極力進めて、最悪事態回避するように申し入れをいたしたわけでございます。深夜おそくまで両者の間でいろいろと協議をいたしたわけでございますが、両者の主張がととのいませんで、問題は現地におきまする各港の個別の折衝に現在入っておるような状況でございます。港運協会船主会社及び荷主の各業者との間で話し合いが進められておりまして、運輸省といたしましては、以上のような情勢でございますので、さらに強く話し合いを進めて解決をはかるよう要請をいたしますと同時に、問題が現地に移っておりますので、地方海運局長あて次官から電報を打ちまして、善処方要請をいたしたというふうな状況でございます。
  7. 相澤重明

    相澤重明君 運輸省見解はどういうことなんだ。それは善処方を要望されたから、何と言った。いま一回運輸省の立場を……。
  8. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 運輸省といたしましては、従来から両者協議が進められておりますわけでして、まあこれは港湾運送事業法の面から見ますと、この事業法適用外の問題であります。従いまして、港湾運送事業法としての監督指導ということには入らないわけでございます。しかし、問題が発展いたしまして、荷役拒否というような最悪事態になりますことは、公益上重大な問題でありますので、それを回避するためにそのつど注意をし、協議促進をはかってきておるわけであります。で、今日まで二回にわたりましてそういうことで回避して参っておるわけであります。今回もさらに協議が進んできておりますが、なお一そう協議促進して、最悪事態回避するように要請をし……。
  9. 相澤重明

    相澤重明君 よし、局長に聞いておくけれども次官大臣連絡がとってあるのかないのか。
  10. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) とっております。きのうは次官のところへ業者団体を招致してやったわけであります。大臣にも連絡をしております。
  11. 相澤重明

    相澤重明君 前田次官はどういうふうにこれの見解を持っておるか、次官会議に出なかったのか。
  12. 前田郁

    政府委員前田郁君) 実は私は土曜から日曜にかけて名古屋から大阪に出まして、ゆうべおそく帰りまして、それで実は会議に出かけることができなかったわけであります。なるべく早くこの事態解決したいと、こう考えております。
  13. 相澤重明

    相澤重明君 局長のさっき言っておることは、運輸省としては、なるべく善処したいというのだけれども、善処するにもなんにも、現実に船の荷役全国的にとまっておるという事態をそんな甘く見ておるのか、なぜそういうことを緊急措置をするようにしないのか。今の前田次官にしても本省に到着をしておる。この委員会に出るのは、僕はきのう運輸省に通告してある。きのうまでに、二月十五日までにこの荷役の問題について日本船主協会と、そうして元請業者と、いわゆる全港振、そういうところと、組合はみんな一生懸命やっておるのに、運輸省がその気持にならなければ、問題は解決しないと言っておる。それでもし十五日に解決しなければ、十六日以降には全国の港で船がストップする。だから港においてストップしないように、運輸省では関係局長はよく省内で話し合いをして、あすの運輸委員会にはそういうことのないようにしてもらいたい、そういうことを僕は緊急質問すると、こう言ってきのうから通告しておいた。それでけさはどういうふうに会議ができたのですか。運輸省は、運輸省事務次官とあなた方局長の間にはどういう結論が出たのですか、それを話して下さい。
  14. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 昨夜、私が申しましたように、事務次官のところに船主協会並びに港運協会代表者を招きまして、この問題について徹底的に協議のととのいますようにあっせんもし、相談もしたわけでございます。昨日までにはその話がまとまりませんで、結局この港運協会が申しておりますように、作業料金を支払うか支払わないかということで、これは各船会社及び荷主との関係になりますので、個々の各港についてそれぞれ個別に当たってこの解決促進していく、昨日実は三時ごろに各地の情報といたしまして、解決を見た荷主及び船会社等もあるというふうなことでございまして、従いまして、この局地解決をさらに促進するように、現地海運局長にあてて次官から電報を出したようなわけでございます。
  15. 相澤重明

    相澤重明君 前の運輸大臣もいるから僕は少し言っておきたいけれども、近ごろ運輸省はどうかしていないか。これだけの大きな日本港湾関係の船がたくさんとまろうというのに、運輸省の一番大きな問題であるのに、地方的に、局地的に解決をせよなんということを地方海運局長に出して、それでできるのか。地方海運局長は非常に苦労をしてあっせんをしてそれでどうにもならぬから中央交渉にこれをまかせるより仕方がないと言っているのに、何を君は言っているのだ。中央日本船主協会と、そうして港運業者との話し合いにしなければ問題は解決しない、こういって地方海運局長本省にみんな連絡をしておるのじゃないか。しかも、ゆうべそういう最高首脳部会議をやって、そうして事態回避するようにしなければ、きょうから全国的に港に入ってしまう、ストップに入る。だからさっき言ったように、横浜では二十四隻中十六隻入っておるじゃないですか。名古屋では十隻中九隻入っており、大阪では三十隻中二隻で、大阪は一番少ない。神戸では四十隻中十隻、東京も九隻入っておる。これだけの荷役をストップされておるということを、運輸省では局地的に解決するということでできますか。しかも、そのできない理由は何か。それは何かというと、あなたの言われたように、手数料なりあるいはこの作業料金を、やはり業者としては船主の方からもらえるようにしなければこの問題は解決できない。しかもあなたの言われたように、これは港湾運送事業法にはない。法律にないものを労働者にやらせよう、だから労働者もそれは困ると言っておる。その労働者要求は、全港振あるいは元請業者も、もっともである、もっともであるが、これは船主協会と相談しなければできません、私どもその通りでありますと、こう言っておる。そうしてそのことを地方海運局長あっせんしたけれども、これはいよいよいけないから中央の段階でやる。運輸省で、最高首脳部で考えてくれ、一つあっせんをしてくれ、そういうことを促進してくれということを言ってきておる。この事態回避できないということは、これは運輸省最高首脳部仕事がやはり誠意がないということなんです。今あなたは局地的に解決したところがあると言われたのは、どこの会社解決したのですか、それを一つ報告してもらいましょう。
  16. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 昨晩おそくの連絡でございまして、まだ詳細は聞いておらないわけでございますが、後刻調べまして御説明いたします。
  17. 相澤重明

    相澤重明君 海運局長港湾局長両方一つ船員局長はきていないね。少なくとも私ども参議院運輸委員会では昨年も港湾運送事業法改正をやった。そうしてそのときにもこういういわゆる重要な問題については十分一つ協議をして、そうしてお互いにこういう事態の起こらぬようにやるべきだということで、われわれは満場一致附帯決議もつけている。しかも法律にないことを労働者にやれといっても、労働者の方もある程度話し合いがつくならばよろしい。あなたはそれでは京浜間の話がついているのは知っておりますか。幾ら手数料もらっておりますか、今もらっているのは千八百円です。それを二千三百円に全国的にしてくれと、こう言っているのです。大阪であろうと神戸であろうと名古屋であろうと横浜であろうと、東京の港であろうと、全日本船主協会にこの元請業者なり全港振の人たち要求をしているのです。これは私どもが払うべきものじゃない。運送事業法にないことであるから、しかもこれはサービスのことである、だれかがやらなければならぬわけで、私どもやってもよろしゅうございます。そのかわり運送事業法にないことをやるわけだから、それだけのめんどうを見なさい。これはもっともな話です。その話を日本船主協会にしたところが、船主協会では、それは困る、それでは私ども全国的にいって幾らの赤字になる、あるいはそれだけの資金を必要とする、こう言っておるわけで、船主協会荷受け業者との間の紛争になっている。これは今専門家天埜さんが来たからわかるだろうけれども運輸省でもってどうしてこういう事態を招くことを承知しながらできなかったか。そこに運輸省首脳部現状の認識に対する問題がある。少なくとも全国的なこういう大きな六大都市の港の荷揚げの荷役がストップされるなんということを、これを小さなことだなんて言っておられますか、これは大きな問題ですよ。しかもそのことは、三十五年度の国家予算にも影響してくる、運輸省の一番大きな骨格をなすものである。だからこそ、いわゆる海運利子補給等の問題も、ずいぶん与党だって政府だって苦しんで予算をつけているはずだ。にもかかわらず、現状のこういう事態に対して適切な措置がとれないということは、やはり運輸省仕事に対して誠意がない。しかも、きのう僕は、きょうそのことを一生懸命やっておかないと、あすの参議院運輸委員会では僕が緊急質問であなた方に苦言を呈するようになるということを、僕は事前に運輸省連絡しておる。そこで僕は港湾局長なり海運局長にも聞いておきたいのだけれども港湾運送事業法にないということで、これは法の盲点になっておるが、昨年この港湾運送法ハッチぶたの問題については、中労委にもこの点が出されている。先ほどもちょっと経過報告があったけれども、ことに港湾労働協議会会長石井照久君もこの問題に対して非常に熱心に研究されて、そうして運輸省に対する回答を出しているはずです。それに対して、運輸省はどういう回答に対するところの措置をしようとしておるか、この点はいかがですか。港湾局長どうなんです。
  18. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 先ほど申しましたように中央労働委員会としての答申において、ハッチぶた及びビーム開閉作業につきましては、これを港運業者に漸次移行するのが適当であるという調停案が出ておるわけであります。そこで港湾局といたしましては、この作業につきまして、この作業料金港運協会要求しておるということは当然であるというふうに考えております。そこで港運協会から、その相手である船主あるいは荷主という者に対してその請求をしておるわけであります。ところが船主の方におきましては、船主船内につきましてはこれは支払う、ただし料金についてはさらに協議をしたい。それから荷主船内については、これは船主責任ではない。これは荷主交渉をされるべきものだというのが船主側見解であります。で、まあいずれにいたしましても、この作業料というものは当然支払うべきものだというふうに考えておるわけであります。  そこで、船主が払われるならばそれでもよろしい、荷主にかわってお払いになってもよろしいし、荷主が当然払うべきものであれば荷主から払わせてもいいというのがわれわれの見解であります。そこで、そういう方向においてこの問題が妥結するようにというふうに、まあ極力あっせんと申しますか、その協議のととのうように進めておる、促進をしておるというのがわれわれの現在の態度でございます。
  19. 相澤重明

    相澤重明君 よし、わかった。それで、その次は、それでは運送事業法の欠陥である、港湾運送事業法にはないことをやらせるのだ。しかし中労委なり調停委員会意見としては、やはり船内荷役よりは港湾運送事業としてやるべきである、こういう方針に考えておる。そこで運輸省としては、一体それをどっちをとるのですか。
  20. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 今お話し中労委の案というのは、港運業者によってやらせるのが適当であるということで、港湾運送事業としてやらせるのであるというのではないと思います。そこで、これが港湾運送事業としてやらせるか、そうでなくてやらせるかというのが、これは問題になると思うのであります。その点については、従来はこれが港湾運送事業に入っておりません。従ってこれを港湾運送事業として取り上げるかどうかということは、いろいろな観点から十分検討しなければならないと考えておりますので、検討することに今いたしておるわけであります。
  21. 相澤重明

    相澤重明君 法律にないことだ。われわれもこれはやはり専門委員会として若干足りない点があるかと思う。僕らも昨年この港湾運送事業法というものを改正をしたときに、そういう点の若干の足りなかった点は考えなければならぬと思うのだけれども、少なくとも運輸省はこの行政担当責任者、そこで、今局長の言うことであれば、これは港運業者にやらせるというのがよかろう、こういうことだ。しかし、それは、どちらにやらせるかということは、これは法律にないから、これから研究する、これはもちろんその通りだ。しかし、たとえばそれはどちらにやるかわからぬと言っておるけれども、むしろそれを船員にやらせるということにしたらどうか、あるいはハッチぶたを二人でもって上甲板のをあける、ちょっと間違ったらその中にまっさかさまに落っこって死んでしまう。中甲板にしても下甲板にしてもハッチぶたは重い。重いやつを両方からもってあけるわけです。一つ間違ったらその中にまっさかさまに落ちて死んでしまう。今、上甲板は、近代的な船はこれを機械であけるようになっている。古いやつは依然として人力によるものがある。そういうことから考えてくれば、これは前にあなたが説明をした通り全日本船主協会なり全日本海員組合が、船員の人権を守る建前において、これがいわゆる作業は当然港運業でやるべきである、こういう方向に一致しているのだ。これは、いいですか。船主船員も一致しているんです。意見は一致しておって、それをどちらでやるかといったら、これは港運業の人にやらせるべきだ。しかし法律にはない。そこで法律にないことをやらせるのだから、サービス料というか手数料というものは、これは労働者に与えるのが当然ではないか、これは荷主も了解している、全港振も了解している。そうすると今度は、荷主、元請業者労働者が一致しているから、相手船主だけになる。そこで船主との今の意見が対立というか——ところが船主の中でも、こういう問題は早く解決しよう、こういう意向もあったのだけれども国家予算関係もあるから、運輸省の適切な解明というものをほしいということなんです、実際は。それをまた二月十六日になれば、十五日までに話がつかなければ全日本の、六大港の荷役はストップしますよということを早くから言っているにもかかわらず、そういうことになっているということは、まことに私は遺憾だと思います。  そこできょうは、そういう昨晩の非常事態で、おそくまで運輸省首脳部が相談しておったことも、私もほぼ聞いております。しかし、けさの午前一時から現実に船の荷役がストップしている、こういうことを聞けば、これは非常に重大なことであるから、早急に運輸省として、大臣を交えて、一つ政務次官、さっそくこの問題の解決に努力してもらいたい。そうして局長には、この運送事業法に欠陥があるのだから、この欠陥をどう是正するかということは、この国会にやはりそういう点の修正を、どちらにするか、いずれにしても法の改正ということ、あるいは不備を補うことを考えていかなければいかぬ。これは私ども運輸の専門委員にも問題があると思いますが、その点お互いにやはり勉強しなければならぬと思います。そういうことで、今からその点について、この国会で法律改正について用意されるかどうか、いま一度局長意見を聞いておきましょう。
  22. 中道峰夫

    政府委員中道峰夫君) 申すまでもないことですが、実は、本日さらに、この委員会のあとで、さらに関係業者が集まって協議する段取りをしております。  それから、今お話しの点につきまして、非常に重大問題でございますので、お話の趣旨に沿いまして、さらに検討させていただきたいと思います。
  23. 相澤重明

    相澤重明君 それから海運局長船舶局長船員局長、ともに重要なことですから、こういう点について、これは港運業者がやるから、それですべてが解決をしたというものじゃない。今言った、その人が特別な作業をした場合には、作業をしたことに対する報酬というものを考えなければならぬ、あるいは危険防止ということも考えなければいかぬ、あるいは船舶の安全法の問題を私どもはやっぱり十分考えていかなければならぬ。船舶安全法第二条による設備の問題はどうなのか、こういうようなものや、特に今の船舶安全法に基づくところでは、弾薬あるいは穀類、鉱石等のものについては特別な政令が出ておるけれども、その他のものについては政令がないでしょう。これはどうなんです、あなたはどうなんです。
  24. 朝田静夫

    政府委員(朝田静夫君) ただいまの船舶安全法の問題でありますが、その通りであります。省令でいろいろな規則を定めておりますのも、グレーンあるいは危険物の運搬規則、そういうものであるのであります。ただいま相澤先生からいろいろお話があったのでありますが、海運局長といたしまして、この問題についてどういうような考え方で昨夜省内において協議したかということを、港湾局長説明に補足してお答えをしておきたいと思うのであります。  この問題は、御承知のように長年、五十年にわたる間、このハッチ開閉作業料というものを払っていなかったという事実であります。そこで、とっこつとしてこういう問題が起こって参って、それは近代的な時勢の推移にもよることでありましょうし、港湾運送料金が公示料金になって、その間の作業の明確化と、負担というものの明確化ということが問題として起こってきたからここにクローズ・アップされたと、こういうふうに私は考えておるのであります。そこで、こういった長年の慣習を一挙にここで解決して、両方協議がととのわないときに、なお話し合いの余地があるようにわれわれは考えるにもかかわらず、船がとまるということはきわめて遺憾である。先生がおっしゃる通りに、われわれは、船がとまって外国船に荷物を奪われて、そして、まだ話し合いの余地があるじゃないか、しかも商売の話じゃないかというような観点から、昨夜来両業界の代表者らを呼びまして、善処方を要望したわけであります。商売の内容になって、二千二百円が高いかどうかというような問題については、運輸省は介入すべき問題じゃないと私は思います。そこで、また船主の方が払うべきか払うべきでないかという問題も、これは一般の用船契約からくる問題であります。荷主が負担すべきであるという契約条項であるならば荷主が負担すべきである。船主が負担すべきであるといういわゆるバース・タームについては、その船主は、いまだかつて五十年も払ったことはないけれども、この際そういう客観的な情勢から、払いましょうと、こういうことを言っておるわけであります。従って、われわれもそういう感覚で今日まで指導して参ったのでありまして、あくまでも港運・協会側のサービスで、こういうものはいいかげんに負けておけ、こういうようなことを言っておるものでは決してないのであります。従って、船主側が払わなければ問題は解決せぬのだ、こういう一方的な考え方というものについては相当疑問があります。しかもF10の問題については、船主はそういう責任を負っておらぬということが用船契約の上からの解釈論であります。先ほどお話が出ました、石井教授が港湾労働審議会の席上で、F10については、自分の考えとしては、荷主が負担すべきじゃないか、こういうことをはっきりと言っておられるのであります。従って、それならばバース・ターム、いわゆる船主が負担すべきであるというふうに解釈のできる契約条項であるならば、これは従来から払ったことがないけれども払いましょう、二月一日にさかのぼって払いましょうということを、船主協会側は回答いたしておるのであります。ただ、二千三百円という申し出料金については検討さしてもらいたい、しかし幾らになるかわからないけれども、二月一日にさかのぼって払いましょうということを言っておるのであります。われわれもそういう方向で指導して参ったのであります。  先ほどから、利子補給の問題があって、客観情勢上できるだけの合理化というものを進めたいとは思うのでありますけれども、労務に対する対価を支払わないで、しかも合理化をやっておるということじゃ何にもならぬ。従って、そういうものは、筋の通るものは払いなさい、こういうことをわれわれは指導しておるわけであります。ただ荷主が負担をすべきであるというF10の契約については、それは船がとまるから、仕方がなしに船主が払うということじゃ筋が通らない。国民の税金をもって利子補給をしてもらって、しかも、船がとまるから、われわれは払う筋合いのものではないけれども払っておきましょうということでは、私どもとしては監督上の責任を全うできない、こういうふうに私は解釈しておるのであります。従って、港運協会船主側も、荷主が負担すべきであるという解釈に立つならば、両方協力して荷主からそれだけの料金を申し受ければいいじゃないか、こういうことを昨年来われわれは言っておるのであります。ただ船主側港運協会との紛争の問題だけではないので、F10についてはきわめて複雑多岐にわたって、荷主の説得に少々時間を貸してもらいたいというのが船主側申し入れであります。従って、われわれは、商売の内容について、そういう点を明確化して、極力具体的解決策を至急講じろということを昨夜来申し述べて参ったのでありますが、不調に終わったのでありますから、現地においてしかるべく良識をもって、荷主船主、港運、三者において良識のある具体的な解決策をもって問題を解決してもらいたい、こういうことを言っておるわけであります。  以上が私の見解なり御報告であります。
  25. 相澤重明

    相澤重明君 それから、今の海運局長説明の中でも大事なところがある。それは諸外国の例なり、日本船舶業の今日までの歴史的過程から考えて、全日本船主のその考え方、こういうものも若干頭に主観的にあって、それが支配的な要素を占めておるようであるけれども、これはやはり近代的な海運ということになれば、これは双方をもっと研究しなきゃならぬものだ。これは船主の言うことが全部が正しくて、ほかの者の言うことは正しくないという見解にはならぬ。それというのが、たとえば船主が払うべきかどうかという問題について、契約があれば払うのだけれどもというような問題にはならぬ。もっとやはり近代性を持った、海運界というものに対する見解というものは、運輸省は統一すべきである。その私は最も重要な問題として、労働基準法というものは本船の中に適用されておるのかおらないのか、これはあなたはどう思います。
  26. 朝田静夫

    政府委員(朝田静夫君) これは船員局長の所管でありますが、労働基準法は、これはちょっと私の答弁の範囲でないかもしれませんが、船員法に労働基準法の大部分を援用しておるのであります。従いまして、その海上労働の特殊性からくるものを船員法へ盛り込む、しかも船内秩序とあるいは船内指揮とか、そういったような航海の安全、あるいは船内における今申し上げたような秩序について特殊性を織り込んでおるわけであります。従って、労働基準法と同様の労働保護というものは講ぜられておる、こういうふうに解釈いたしております。
  27. 相澤重明

    相澤重明君 考え方も認識も大体それでいい。大体それでいいけれども、少なくとも労働者に対する基本的な考え方というものは、この法律にある。従って、そういうことでいくならば、少なくとも労働者に一方的なしわ寄せをされるような犠牲を行なうべきでない。それがそもそものハッチぶた作業に対するところの紛争の根本である。そういう点から、今の安全法の立場から、あるいは港湾運送事業法等の関係の立場からいくと、当然運輸省は政令を早く出さなきゃならぬにもかかわらず、今日まで政令が出されておらない。これは明らかに運輸省のいわゆる職務怠慢である、そのそしりを免れない。これは少なくとも早急に政令を私は出すべきであると、こう考えるのだが、関係局長はどう思うか。一つそれぞれ関係局長から一つ意見を出してもらいたい。局長じゃむずかしいか、じゃ次官答えて下さい。
  28. 前田郁

    政府委員前田郁君) ただいまお尋ねの件は船員局長の主管になっておるものですから、きょう見えておりませんから、よく相談いたしまして御返事いたします。
  29. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、私は、少なくとも運輸省行政が渋滞し、あるいは運輸省行政の指導監督がよくないためにこういう問題が起きることについては、まことに遺憾である。従って、法令を整備して、そうして将来こういう事態の起きないように早急に処置をとることを要望して、次官に、今の答弁で誠意あるその結果が出ることを期待をして、この緊急質問を終わります。  次に、前回の引き続きの質問に入るわけでありますが、小酒井委員からも関係質問が出ますが、まず第一に、前回私が御質問申し上げました東海道新幹線の問題についてお尋ねをするわけでありますが、当局の方から一つ……。東海道新幹線についての資料はなかったですか。それでは、一応私の方から、一つお尋ねしておきたいのは、先ほど委員長初め委員の皆さんのお手元に、横浜市港北地区の綱島の住民からの陳情が出ておりますので、その点についてお尋ねをしたいと思うわけです。  東海道新幹線綱島地区通過についての陳情、これによりますと、その図面にあるように、東横線をまたがって新しいこの東海道線を建設するように、地元の人は思い込んでおる。これを見ると、新しい横浜駅をこの菊名付近に作るために、わざわざ迂回をして、しかも港北の、この該当地区の約十三万人からの人たちのうちの大多数が住んでおるこの関係地区を分断する、少なくとも二百戸以上の住民を移転させなければならぬ、こういうような事態が起きてくるというので、この綱島というのは、皆さんも御承知のように、東京から行くと一番近い、横浜では温泉街である、そういう所で、非常にこの業者の諸君や住宅の諸君に大きな動揺を来たしておる。東海道新幹線というのは、大阪まで三時間で突っ走るという弾丸列車であるということを聞いておるが、こんなにたくさんのカーブを作って、それでスピードが出せるのか、こういう点について非常に疑問を持っておる。そうして今までは、関係の地域の人たちが、何回も運輸省なり、あるいは国鉄本社に陳情したと言うのです。  ところが、すでに国鉄の本社は、これは決定をしたから、今さら陳情されても困る、こう言った。そういうことはいつ決定したのか、あるいはそういうことを、だれが答えたか、これは、まことに私ども運輸委員会としては、国鉄は細心の注意を払って、しかも国民の負託にこたえるように、輸送力増強のために努力をしておる、それでむだなことがないように、この新幹線というものは建設をするのだということを言われておる、そういうことの意思に反して、もうきまってしまったのだと、そうしてこれはだれが何と言っても、こういうふうに曲るのが一番いいんだと、こういうようなことを言ったというのは、まことにけしからぬ話である、どういうふうになっておるのか、関係の常務理事から答弁をしてもらいたいし、吾孫子副総裁にも、そんなことはあるはずは私はないと思うけれども、そういうことがあったとしたら大へんだから、今まで本委員会で答弁されていたこととは、まるっきり違う、そういうことは、副総裁にも、そういうような点が、どういうふうになっておるのか、その点を一つ答弁をしてもらいたい。
  30. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 詳しいことは、大石常務理事が担当しておりますから、大石常務理事から御説明を申し上げたいと思いますが、お尋ねのようなことは、国鉄としては、まだ決定しておりませんので、まだ調査にもかかっておらないように私は聞いておりますが、詳しいことは、一つ大石常務理事からお聞き願いたいと思います。
  31. 大石重成

    説明員(大石重成君) ただいま相澤先生からいろいろお話がございました、御説一々ごもっともでございまして、ただいま御指摘の地点につきましては、御承知のように、東京の発着地点が昨年八月の末に、ようやくきまったような状態でございまして、この地点は、発着地点から非常に近い所でございまして、東京駅がどこにきまるかというような問題と非常に関連の深い所でございます。ただいまやっと始発点がきまりましたので、これからいろいろと調査をいたしまして決定をするところでございます。  今までにきまっておりまして、もはや、先ほど先生からいただきました御図面のようなものがきまっておって、少しもこれから変更ができないというようなことは毛頭ございません。まだこの地点につきましては、きまっておりません。  ただ、私の方といたしましては、できるだけ東京大阪の間を——いい汽車ができますように、また金もたくさんかからないようにということは、もちろん考えておりますが、同時に、沿線の方々に御迷惑のできるだけ少なくなりますような地点を選び、またその構造につきましても十分考慮いたしまして、御相談しながら地点をきめて参りたい、かように存じておる次第でございます。
  32. 相澤重明

    相澤重明君 副総裁並びに大石常務理事説明で、私も了解をします。  その了解というのは、今まだ最終的に決定しておらないし、広軌の新幹線は、できるだけスピードが出せるように、直線コースというものが望ましい。しかもできるだけ住民に迷惑のかからぬようにということでありますから、この綱島のような、わざわざ町のまん中を通って、住宅を移動し、あるいは商店街をつぶす、こういうようなことはしなくても、直線コースならば山かたんぼなんです。そういうところを十分考慮してもらうことと、いま一つは、少なくとも地方住民の、これは全国的なケースでありますが、住民のところを通るならば、高架線なりあるいは地下なり、そういうふうなことが、これから国鉄のとられるべきものであって、単に路面を、住宅あるいはそういう温泉街を移転すればいいという性格のものではない。こういう点を十分頭に入れて、今後検討をしてもらいたい。そのことを要望してこの問題については終わっておきたいと思います。  そこで、前回の東海道新幹線の問題については、あと時期を追って御説明を願うことにしておきたいと思いますが、さきのこの委員会で私の質問に対しての資料が出て参りましたので、まず資料の説明をしていただきたいと思います。
  33. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 先般御質問、御要望のありましたことについて、書面で資料を出してございますが、一枚目に書いてございますのは、昨年の暮れの安保改定反対闘争の際の関係者の処分のことについて書いてございますが、一応読ませていただきます。「東鉄局では、安保改定反対第九次統一行動の関係者について、主として、十二月十日朝の電車、列車の運行を混乱に至らしめた直接原因となった行動者あるいはその行動の直接指揮者に対し、二月一日、日鉄法第三十一条により、免職一、停職三、減給六、戒告二十七の処分通告を行った。この他に訓告二がある。  又、この件に関し、二月八日大井工場で、減給一の処分通告を行った。」  それから二番目に「新鶴見操車場連結手鈴木一二に対し、免職処分の通告を行ったのは、同人が、昭和三十四年十二月十日東神奈川駅発第四〇三H電車に多数の組合員を乗り込ませ、途中、大口駅(横浜線)で、組合員たちを指揮して、乗務員を強制連行し、同電車の運行を不能ならしめたためである。」  そういう理由で免職処分にしたわけでございます。裏側に、安保改定反対第九次統一行動関係者の処分の一覧表が、東鉄関係の者について、ここに出してございますが、文書で読んだ筋の通りでございます。  それから、その同じめくった紙の二枚目のところに、防衛庁陸上自衛官の養成実績が書いてございますが、これはたしか前に御質問のありました際に、私は、陸上自衛官を四十名ほど国鉄がお引き受けして教育をお手伝いしておるということを申し上げましたが、それは三十六名でございまして、十七名と二十九名が、それぞれ三十三年度と三十四年度において終了をいたしております。現在養成を委託されておりますのは、一番右側の欄にございますように五名だけでございまして、この五名の人たちは、今月末に終了ということになっております。これでまあ一応終わりということになっておる次第でございます。  それからもう一つ、この前御要望のございました経営合理化についての資料は、いろいろむずかしい点もございますので、本日また御質問等がございましたら、よく御説明も申し上げました上で、一つお伺いさしていただきたいと思います。  それから、今ちょっと、また数字の計算間違えて申し上げましたので、訂正いたしておきますが、失礼いたしました。三十三年度、三十四年度と合わせまして四十六人でございます。
  34. 相澤重明

    相澤重明君 安保改定九次の統一行動の関係者の処分をしたということが、今述べられたわけでありますが、少なくとも処分をするからには、それぞれの理由がなくてはならぬし、第一、ここにも書いてあるように、直接の指揮者、あるいはそれの指揮者の命令を受けた者——行動者、こういうことになるのでありますから、当然実行責任者というものに対して、あなた方の方でも検討されたと思うのでありますが、そういう実行責任者なり、直接の指揮者でない者を処分をするということは、前回も申し上げたように、これは納得ができぬじゃないか。労働運動を弾圧するために、末端の人を抜き打ち、ねらい打ちをするという考え方を持ったのが、今回のこの安保改定に対する処分ではないか。しかも東鉄では、これらの年末手当の問題についての際に、解決をしたときに、今回のこの安保改定問題を含んで、年末闘争については処分はしないと、こういうお互いに申し合わせをしておったにもかかわらず、イタチが最後っペしたみたいに、あとになってから急に処分を出す、大根やニンジンじゃあるまいし、ばたばた首切られてたまるかと、こういったことが、前回のこれは私の言ったことなんですが、副総裁どうなんです。  これは副総裁は、直接関係者じゃないから、わからぬだろうけれども、この文書からいっても、一組合員に対する、そういうようなことは決して私は、適切ないわゆる指導ではないと思うのです。少なくともこれに対して、解雇を、懲戒解雇でありますから、免職……、日鉄法三十一条による免職であるから、これに対しては、いずれ弁明措置等の問題があると思うのですが、どうですか、副総裁。これはこういうことで、話が、当時妥結の際に、そういうことはお互いにやらないと、しかし今後は、できるだけお互いに誠意をもって話し合おうじゃないか、こういうことで妥結をしておるということであるのに、この処分者を東鉄に出したということは、何か本社から、特に指令、指示でも与えたのですか、東鉄に。その点いかがですか。
  35. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) いつでも闘争、実力行使というようなことが行なわれましたあとで、処分の問題が必ず出て参るのでありますが、今回に限らず、いつでも実力行使や何かが行なわれます際には、国鉄当局側といたしましては、単に闘争指令を出したとかなんとかという指令者だけでなく、公労法の規定というものは、国鉄職員全体に対して違法な行為というものを禁止しておるのであるから、いやしくも行動に参加したという事実があれば、そういう人たちは、全部処分の対象ということになるのであるから、重々気をつけてもらいたいということを、そのつどいろいろな方法で、あるいは文書により、あるいは口頭で警告を発しておりますので、今回の安保反対闘争に際しても、これは再三本社においても、また地方の監理局においても、管内の職員に対して注意を発しておったわけでございます。  従って今回これらの処分を受けられた皆さんは、反対闘争というようなことで、業務の正常な運営を阻害するようなことがあれば、あとで処分されるんだということは、よく知っておったはずだと思いますし、また事実、そういうような違法な行為が行なわれました場合には、国鉄当局としても、責任上そういうものをそのまま不問に付すというわけには参りかねますので、いつものことでございますけれども、そういうようなことが行なわれました際には、あとでよく実情を調査いたしまして、はっきり法律に触れるような行為をしたということがわかっておる者に対しましては、それぞれその程度に応じた処分を行なっておる次第であります。それで今度の鈴木一二君も、差し上げました資料にも書いてございますように、十二月十日の当日、大ぜいの組合員を指揮していって、乗務員を強制連行をした。そうして電車の運行を不能にさせ、運休のやむなきに至らしめた。それで始発駅を発車したあとの電車乗務員を途中駅で引きおろすというようなことは、著しい運転混乱を引き起こす可能性もございますし、特に東鉄のような電車区間の列車密度の高いところでは、運転保安上もきわめて危険な状態を生ずるおそれもありますので、こういったような悪質な行為に対しては、免職処分ということも当然ではないか。その他の停職以下の処分を受けられた諸君も、やはりそれぞれ実際に行動に参加されて、当局側がしばしば警告を発しておったような事柄を無視して違法な行為を行なわれましたので、それぞれ程度に応じて、やむを得ず処分をいたしたというようないきさつでございます。
  36. 相澤重明

    相澤重明君 議論はたくさんあると思うのですが、私は特に参議院運輸委員会として、毎回申し上げておることでありますが、少なくとも運輸行政に対して、その中心は国鉄であるわけですから、国鉄が、やはり全国民の期待にこたえるような運営がなされることが一番望ましいわけです。  そこで、労使のいろいろな要求問題、あるいは紛争というものがあると思うのですが、しかしこれも、なるべく円満に妥結することが望ましいわけです。それが処分のイタチごっこであっては、いつまでたっても、労使の正常な慣行というものは樹立できない。その意味で運輸委員会としては、常に国鉄首脳部要求し、またそういう善処方を求めて来たわけでありますが、私が聞くことは、これとは逆に、当局がむしろ途中駅で乗務員を実はおろした、こういうような話も聞いておるのであります。しかし、これは私が見ておるわけじゃなしに、あなたも、その現場におったわけじゃないから、それは両方意見が食い違うと思うのです。  そこで、私は少なくともこれらの人に対しても、それぞれの弁明の措置がとられると思うのです。そういう点は、十分やはり意見を聞いて、正しければ、それはあなたの方の見解が正しければ、それはそれでいいでしょう。しかし、もしこれがそういうことを本人に聞いてみて、なるほどそれは若干のことは、やはり基本的な相違があるということになれば、これは、それを取り消すのにやぶさかであってはならないと私は思うのです。従って、お互いに年末闘争の問題については、やはり政府交渉なり、国会要請といういろいろ政治情勢の問題があるわけです。従って、そういうときには、国鉄当局も、かなり苦しい点もあるかもしれぬが、現場の組合員も、かなりやはり首脳部の皆さんに期待をしておることが多いと思うのです。そういう中での行動であれば、おのずからそういう点については、私は処分をもってしなければ、紛争解決をしないなんていうことはあり得ない。やはりこの労使の円満な紛争妥結ということが最も望ましい。そういうことでまた努力をされておる、こう私どもは思っておるのでありますから、この点については、一ついま一度再調査をされて、そしてまた、この本人が弁明をされる場合には、十分それを聞いて、それで誤りであったならば、私は取り消していくのにやぶさかであってはならない、こう思っておるわけです。  少なくとも国鉄が、当初組合団体交渉なり話し合いをして、最高限度に出し得るものが即座に出れば、それは問題ないわけですが、なかなかそういう政治情勢でないと思う。そういう点でお互いに苦しんでいると思うのですが、そういうところを生かすように今後は一つ努力をしてもらいたいと思うわけです。  これは私の、少なくとも安保改定というものは、今日の日本の事情では好ましいことではないのでありますから、そういうことに対して、いずれまあ歴史的な段階の中に、これは解明をされる問題でありますが、少なくとも私は、今日の労使の、国鉄の労使の紛争状況というものも、非常にまあ、むしろ国鉄労働組合は低姿勢ではないか、国鉄の当局の言う通りになっておるのじゃないかというような、国会から見れば、そういう気持ちがするわけです。そういう面で、一つこの問題については、善処方を要望しておきたいと思うのです。  それから、この防衛庁の陸上自衛官の養成実績でありますが、これはわかりました。そこで、その後の赤城防衛庁長官との話し合いは、どうなっておりますか、防衛庁長官は、明日私決算委員会に呼んでおるわけでありますが、これはどういうことになっておりますか。
  37. 広瀬真一

    説明員(広瀬真一君) 今までの実績は、国鉄の方からお手元に差し上げました通りでございますが、今後いかなる計画を持っておるかということを防衛庁の事務当局に確かめましたところ、今のところ、いかにするかということを明確にまだきめておらない、こういう段階でございます。
  38. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 国鉄の当局に対しては、今回五名の方が、二月一ぱいで終わるということをおっしゃいましたが、その後は、どうするかということは何も話はございません。
  39. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、これは私から、そういう事情がわかりましたので、私どもの社会党の中村委員から質問が出たことです。これはそこで、少なくとも国鉄の乗務員が非常に心配をするようなことのないように、またもし、これを教育養成等行なう場合には、当然国鉄のそれぞれの機関で、そういう点は明確にされておらないといけないと思うのです。この前の発表されたことでは、単に防衛庁長官の委託、依頼によって、そしてこの教習をするというような面であったわけでありますから、これらの点についても、法の整備が必要になると思うのです。  そこで次回、もしそういうことが行なわれるならば、私は当然、法の整備を行なってからやるべきであるし、また根本的には国鉄の乗務員の諸君が心配をされることのないように、これはやはり考えてもらう、こういうふうに運輸省並びに国鉄当局に期待をしておきたいと思うのです。  そこで、自衛官の問題はわかりましたから、そういうふうに今後努力していただきたいと思うのでありますが、前回の経営合理化の問題で若干、資料を作るのに、非常にむずかしい、それはその通りであります。そこで、ただ一つだけ、いずれあとで、またたくさん当局からの説明予算の中で受けなければならぬし、私からも意見を申し上げたいと思うのでありますが、一番当面の問題は、国鉄の経営合理化の中で問題にされているのは、地方の支線ですね。これの貨物の取扱い停止等、いわゆる管理所といいますか、こういうものの設置の仕方について、前回も、石原自治庁長官が運輸委員になって来て、そうして、困る、こういう意見も述べられたことも御承知のはずでありますが、全国的に、そういう問題が実はあるわけでありますから、これはよく一つ、国鉄当局としては、慎重に地元住民の意向というものを聞いて、同じ企業合理化をするにしても、住民に十分協力を願う体制を作らなければならぬと思うんです。  そこで、その中に、私は先月でしたか、大阪支社における、地方の新線建設等とからんで、何か支社長の言明が地方の問題でだいぶ大きく世論化されているということも聞いているのでありますが、そういう点についても、支社長会議というものも、本社では毎月開くと思うのでありますから、そういう点に、十分配慮をされて住民の、もちろんただ迎合すればいいということじゃなくて、十分説明をし、納得する、協力を求める段階を私は作らなければならぬ、こう思うんです。  そういう点について本社の方で、何かお聞きになっているか。大阪支社について、何かそういう話を実は聞いているのでありますから……。それから今の支線区の企業合理化等の問題については、今の石原自治庁長官も、運輸委員会でそういうことを言ったこともあるのでありますから、その支線区の経営合理化についても、一つ十分配慮をしてもらいたい。  それから第三は、たとえば客貨車区等において清掃作業というのがあるわけです。これは、前回、私が志免炭鉱の問題について、妥結のことについては敬意を表しておきましたが、それらの人たちの配置転換等についても、たとえば定員の足りないところに対しては、むしろそういうところへ、すぐ仕事のできる作業につかせるように配慮をしたらどうかという点で申し上げたわけですが、具体的に東鉄管内の客貨車区等について、清掃作業の民間委託を全面的に実施する考えでいるのか、それとも、そういうことは昭和三十五年度の予算の中で考えておらないのか、その点について、一つ経営合理化の一面としてお尋ねをしておきたいと思うのであります。
  40. 吾孫子豊

    説明員吾孫子豊君) 経営の合理化の問題は、非常にむずかしい問題でございますが、せんじ詰めれば、やはり収入をどうしてふやすかということと、経費を、どうやってできるだけ減らすか、そうして国鉄の収支というものを安定させるかということが目的になると思います。  それで、今御指摘のありました多くの事柄は、経費を節減するということのために行なっている、いろいろの施策の一つであるわけでございますが、御注意のありました通り、支線区の管理所等の業務機関の設置の問題にいたしましても、また貨物駅の集約の問題にいたしましても、やはり地方で、いろいろ問題が起こりかけていることは、私どももよく承知いたしております。    〔委員長退席、理事江藤智君着席〕 それで、これらの施策につきましては、さらに地元の方々の御了承を得るように、御理解を求めまして、国鉄の経営改善のために御協力を願うように、今後とも一そう努力をいたしたい、かように存じております。  そこで、大阪支社のお話でございますが、これは、あるいは先生がお聞きになっておるのと私が聞いておりますのと違っておるかもしれませんけれども、坂本線のことでございましょうか。——そのことでございましたら、例の坂本線の、これは建設過程の、途中の線路であるわけでありますが、この線路を引っ張って鉄道として経営をいたしますというと、今私どもが、いろいろ試算をいたしておりますところでは、いわゆる営業係数が六五〇ないし八〇〇ぐらいの係数になる、そういうようなところでございますので、これはもちろん地元の関係の方々の御了解も十分つけなければいかぬことでありますが、むしろああいうようなところは、こちらの関東地区の白棚線という自動車線がございますが、ああいうような、むしろ専用自動車道にでもして、自動車で運営した方が、かえって地元の方々にも御便利であろうし、また国鉄としても、採算上その方が有利だというようなことで、関西支社の方でも、いろいろ検討いたしております。本社でも、その相談を受けまして検討いたしておるわけでございますが、これは、私どもが伺っておりますところによりますと、地元の方々の間にも、いろいろ御意見がおありのようでございますので、それらの各方面の方々と、よく御了解をつけた上で善処するようにしたいと、そういうようなことで考えておる次第でございます。  それから最後に、客貨車区の清掃作業についてのお尋ねがございましたが、これは必ずしも、客貨車区の清掃作業の全部を部外委託にしようというような方針をきめておるわけではありません。ただ、それぞれやはり場所によりまして、部外委託した方が、採算上も有利であるというような見通しのついたところについてやるごとにいたしておりますので、たとえば今御指摘のありました志免炭鉱の配置転換に、職員の職場として考えて適当なところもございますから、今実は、志免で配転を希望しておる職員の数が、相当多数に上っておりますので、それらの諸君を、どういう職場にはめるかということについて検討をしておる最中でございます。おそらくそれらの職員の中には、客貨車区の清掃係というような方へ配置転換をする必要も出てくるかと思いますが、そういう角度から検討を加えておりますから、客貨車区の清掃作業は、何でもかんでも部外委託に出すのだというような方針をとっておるわけではありません。
  41. 相澤重明

    相澤重明君 それでは、今の点よくわかりました。そこで、少なくとも東鉄の一番地元で、そういう紛争が起きないように、副総裁も、今お話のように、志免の離職者の人たちをも含んで検討をしてもらいたいと思うのです。  それから経営合理化の問題、特に地方住民が一番心配するのは、さっきの集約輸送なり貨物取扱いの廃止の問題だと思います。あるいは改札係を廃止するというようなことは、前回私が長津田の例を申し上げた。そういうことをやってはいけないということを、年末のときに、そういう問題が提起されて、非常に地方住民の怒りをかったということを申し上げたのでありますが、そういうことは、今の副総裁の言うように、単に鉄道が、経営が黒字になるか赤字になるかということは、非常に一般の人にはわかりにくい部面である。経営者自身が非常に苦労するところです。しかし、やはりこれは国民の国鉄であるということは、これはだれが何と言ってもこれを変えることはできない。そこで国民の国鉄を、今国鉄の首脳部が、経営をまかされているわけでありますから、その点について誤りのないように私は指示をしてもらいたい。特に今年度、三十五年度ですね、そういう支線区で、経営合理化をやるというような、もし計画があったら、今度資料として一度出してもらいたい。それで私は、やはり何といっても、地方住民とよく話し合って納得を求め、理解を求め、協力を求めなければ、やはり国鉄は独善に陥ってしまうわけですから、そういうことのないように、一つ処置をしてもらいたい。そのことを要望をして、国鉄の問題を一応終わりたいと思います。  次に運輸省の自動車局関係。前回御質問申し上げておきましたが、特に駐留軍の離職者に対する新規免許申請については、毎回、私ども社会党の委員並びに与党の諸君も非常な協力をしていただいたわけでありますが、今、昨年の十一月以降の申請にかかる、あるいは聴聞会を終了したものの免許の見通しというものはいつか。それから楢橋運輸大臣の新風を吹き込むことによるということで、自動車行政に対する新しい方針として出された個人免許の申請について、いつごろ終了するか。  前回は大臣は、大体四月から五月、こういう御答弁をされておったわけでありますが、それを事務当局としては、どういうふうに理解をされているか。それからわかったならば、前回の質問で申し上げておきましたように、今新しい免許申請というものは、全国的に何件出ておるか、それがバス、あるいはトラック、ハイヤー・タクシー、そういうふうな種別に分けて、一つ調査をされたことがあれば、報告を願いたい。
  42. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) きょう資料がお配りしてございますので、一応その資料について御説明いたしまして、それから問題点についてお答えを申し上げたいと思いますが、ここに資料が六、七枚お配りしてございますが、まず最初に「主要都市におけるハイヤー・タクシー許認可申請処理状況」とございますが、これは、ばらばらでまことに申し訳ございませんが、こういうこまかい表でございます。これはハイヤー・タクシーでございますが、六大都市と福岡市につきましてあけましたのでありますが、一番最初に昭和三十五年二月十日現在の、その都市における事業者数と車両数が書いてございます。この東京都の特別区内におきまする事業者数の中には、昨年の十二月に免許いたしました個人営業百七十三名、及び駐留軍関係の同盟交通四十五名等も算入されまして計上しております。  それから次の欄が、自動車運送協議会の答申の出ました月日及びその両数でございます。その次の申請書の締切月日と書いてございますのは、この答申が出ましてからあと、申請書をこの日までに受けつけたものについては、一括して審査をするという締切日を指定いたしましたので、それを計上してございます。  次に、申請の状況について申し上げますと、個人とその他免許の申請の欄で、個人——これは、一人一車制の個人営業の申請でありますが、それと、その他と申しますのは、大部分が法人申請でございます。——この中には、一部個人で複数の両数を申請しているものがありますので、これは、このその他の欄に入っておりますが、大部分は、法人の新規免許申請でございます。東京の例で申し上げますと、個人の一人一車制の免許申請が六千三百六十四件、車両数は六千三百六十四両、法人を主体にいたしましたその他の申請が五百三十五件、一万七千九百五十四両、これだけ申請がございまして、この中で聴聞を終了しております件数が、個人といたしましては——一人一車制の個人申請といたしましては千六百十二件、聴聞終了、法人その他の場合としましては四百四十二件聴聞が終了いたしまして、この聴聞の終了いたしましたうちで、処分をいたしましたものが、先ほど申し上げましたように、個人について百七十三者、法人については駐留軍関係一社四十五両、こういう処理状況でございまして、    〔理事江藤智君退席、委員長着席〕 聴聞の終了予定が、現在、四月の末になっております。この点につきましては、先の委員会で御質問があったと思いますので、現在、促進をいたしまする審査の方法をきめておりますので、これはあとで、御説明を申し上げたいと考えております。聴聞終了予定が四月末でございますから、従いまして、聴聞が終了いたしましたあとで、審査会を開きまして決定に持っていくという運びでございますので、個人申請も法人申請も、ともに四月ないし五月におきまして、東京におきましては審査を終了いたすという予定で事務を進めております。  その他横浜におきましては、これは処分をいたしましたのがこれは四社、これは十二月の十七日でありますが、四社四十六両免許をいたしまして、このうち一社が駐留軍関係でございます。  名古屋市におきましては、聴聞終了予定日が三月の五日でございまして、審査を終了いたします予定が、三月の末ということになっております。  京都、大阪神戸におきましては、締め切りの日が三月の八日でございまして、ここに申請状況を——現在までの、二月十日までの申請状況を書いてございますが、これは今後、三月の八日までに増加すると思われますので、まだ聴聞終了予定日も、その他も立っておりません。  福岡市におきましては、二月の十三日に個人営業につきましては十四者十四両、法人その他につきましては二十一社八十五両、それから既存業者への増車三十七社六十二両、これを免許いたしました。  一応、八月の十一日の自動車運送協議会の答申に関しまする措置は終わったわけでありまして、今後全国的な問題といたしまして、輸送需要も増加しておりますので、まだまだタクシーについては不足ではないかという声も、われわれとしては聞きますし、実情もそのように認識されますので、今後におきましても、さらに増車の必要性が認められる都市が多いのでありまして、それらの都市につきましては、そのような増車措置あるいは自動車運送協議会への諮問というようなことを進めていきたいと考えておる次第であります。  で、この際、東京とか名古屋とか大阪におきまする、こういうハイヤー・タクシー関係事務の処理をいたしております体制について、ちょっと触れたいと思いますのですが、これは、二枚続きのものであります。「東京名古屋大阪、福岡各陸運局におけるハイヤー・タクシー関係事務処理体制」という資料がございますが、これをごらんになっていただきますと、東京陸運局におきましては、自動車部旅客第二課の人員は、ハイヤー・タクシーの審査が始まります以前の八月三十一日、この以前におきましては課長以下十名で、ハイヤー・タクシーその他旅客第二課の仕事を処理しておったのでありますが、九月以降審査を開始いたしまして、課長以下四十六名、このほかに九名が、他の部課と旅客第二課との併任をいたしまして、旅客第二課の業務を行なわせるということで、合計五十五名の人員をこのハイヤー・タクシーの審査に回したわけでございまして、本省の方からも、実際の本省の実務をやっております定員内の人を九人、そのほか保障関係の常勤職員を五人というふうに、本省から十四人分、この四十六名の中には、補給しておるわけでありますが、そのような体制によりまして、現在処理を進めておる状況でございます。  名古屋陸運局におきましては、十月三十一日、このような事務の始まります以前には、旅客第二課は七名で処理をしておりましたのを、十一月以降は十八名、十二月以降は二十五名に増加いたしまして、これは陸運局内の配置を一部、臨時にこの方に担当させることにいたしまして、二十五名で処理をいたしております。大阪及び福岡陸運局の旅客課におきましては、現有人員で事務をやっておりますが、今後三月八日以後におきましては、大阪陸運局は、増員をする必要があると考えておるわけでございます。  それから資料について申し上げますと、次は、「駐留軍離職者によるハイヤー・タクシー事業申請事案処理状況」というのとトラックに関しますものと、縦、横のこの二つの表がございますが、これによって、ごらんになっていただきますと、駐留軍離職者によりまするハイヤー・タクシー事業の申請事案の処理状況は、こういう措置が始まりましてから以後の全処理件数を表にして出しております。すなわちハイヤー・タクシーにおきましては、申請件数が全国で百四十六ございまして、免許いたしました件数が二十一でありまして、譲受認可一、これは、既存でありましたものを駐留軍関係のものが譲渡を受けまして、これが一で、事業を許されましたものは二十二であります。そのほか却下をされましたものが四十、取り下げをいたしましたものが二十三、未処理件数が六十一と、このような状況になっておりまして、却下をされました件数の中では、また再度、あるいは三度申請をしておるものがございます。  それからトラックの方におきましては、この横の表でございますが、全国の数字は十七でありまして、免許をいたしましたものが七、却下をいたしましたものが六、取り下げが一、未処理三、こういう状況を示しております。  それから次に、駐留軍関係の離職者の申請いたしましたハイヤー・タクシー事業の免許一覧としまして、具体的にこれだけの会社が免許をされておりますので、その名称及び免許の内容につきまして記載をいたしております。  それから最後に、これは神奈川県関係のハイヤー・タクシー免許申請事案の処理状況が、十一月、十二月、一月とこのように整理をいたしまして計上いたしております。  私どもといたしましては、駐留軍関係の離職者の対策といたしまして、閣議決定もございますので、これは駐留軍離職者は、あえてたとえばハイヤー・タクシーだけで救済するというわけではありませんで、いろいろその処理をする方向はあると思うのでありますが、閣議決定の優先取り扱いという線を、われわれも尊重いたしまして、陸運局を指導して免許事務を進めておる、こういう状況でございます。  一応、資料の説明は以上でございます。
  43. 相澤重明

    相澤重明君 この中で、第一の「主要都市におけるハイヤー・タクシー許認可申請処理状況」の中の京都、大阪神戸、三月八日までの——これはこの前、諮問をしておったんじゃなかったですかね。
  44. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 京都、大阪神戸につきましては、自動車運送協議会に諮問をいたしまして、この右側の方に、数えますと四行目になりますが、自動車運送協議会の答申という欄がございますが、その答申が出まして、すなわち三十五年の一月の二十二日に、京都市は四百両の増車が適当である、大阪地区におきましては千二百両の増車が適当である、神戸地区におきましては四百五十両の増車が適当であるという答申が出ましたので、それを受けまして、申請者の締め切り月日を、三月の八日というふうに公示をいたしまして、現在申請者の受付をいたしておる時期でございます。
  45. 相澤重明

    相澤重明君 そこで、私は一つお尋ねをしておきたいと思うのですが、この京都、大阪神戸の答申車両数が出たので、既存業者もかなり1増車認可申請というのは、京都、大阪神戸ともゼロになっておりますが、増車は、昨年末はしなかったかどうかということが一つ。  それから、この車両数の中でいくというと、たとえば京都が四百、大阪が千二百、神戸が四百五十ということだというと、駐留軍の離職者の申請にかかるものが押えられるような危険性はないかどうか。こういう点について、陸運局としては、どういうふうに考えておるか、御答弁いただきたいと思います。
  46. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 京都、大阪神戸におきましては、昨年末の増車はいたさなかったと——臨時増車の点でございましたら、臨時増車を、一カ月足らずいたしました。これは、すでにもう期間を経過いたしましたので、その措置は終わりました。現在ここに書いておりますような両数が認可されている状況でございまして、ここに増車認可申請が全部ゼロとあがっておりますのは、締め切りが三月の八日でありますので、三月の八日までに、新免申請も出て参りますし、それから増車の認可申請も三月八日までに出てくるということで、まだ既存業者の申請の方は出ておらないのだと思います。  駐留軍の関係の申請につきましては、京都、大阪神戸の間で、たしか私の記憶では、現在二社申請がございますだけでございます。いまだその個人申請及び法人申請、それから増車の認可申請ということにつきましては、この配分は、審査をしてみないと決定いたしませんので、駐留軍関係の審査につきましては、先ほど申し上げましたような閣議決定の線も考慮いたしながら、全体的な審査を進めていくということをいたすわけでありますが、大阪におきましては、伊丹とそれから宝塚に一社ずつの駐留軍関係の方におきましては申請がございまして、現在京都、大阪神戸地区における申請というものは、いまだ出ておりません状態でございます。
  47. 相澤重明

    相澤重明君 私は一応、京都は駐留軍関係出たと思っておったのですが、それじゃ私もまた、あとでよく調べて見ますが、今の大阪地区における二社だけでは、非常に少ないと思うのですね。問題があったと思うのですが、いま一度、当局の方で調べてもらいたいし、私も調べてみたいと思うのですが、三月八日まででありますから、締め切り関係もございますから、あるいは提出をし直したかもしれませんが、この点、駐留軍関係については、とくと配慮を一つしていただきたいと思います。  それから、東京の場合ですね。同盟交通の昨年末四十五両の免許は終わったのでありますが、個人タクシーが百七十三両、私ども、そこでこの同盟交通自体についても、実は当時いろいろ御質問をし、意見も申し上げたのでありますが、駐留軍離職者関係は、東京も非常に多いわけであります。この点、聴聞会終了予定が、この四月末という一応の目鼻を立てられているようでありますが、特に政府においては、駐留軍離職者の扱いについて、閣議了解事項もあるので、一つ十分配慮をしてほしいと思います。私は、この東京都における白タク、あるいは共済タクが、隣接の神奈川と同じような形で、非常にいわゆる陸運行政そのものに対する批判が強いということからいって、今の局長説明で努力されていることは、私ども、もちろん了とするものですが、なるべく早い機会に、そういう批判を浴びないように、この駐留軍関係者に対しては、とくと促進をしていただきたい、こういうことを次官も、一つ大臣によく話してやっていただきたいと思う。  いま一つは、国友局長説明を聞いて、私もやはり率直に感じたのでありますが、これは特に政務次官に要望しておきますが、これだけの処理件数を持って昼夜を分かたず審査をしておるわけであります。非常に大へんだと私は思う。  そこで、前回も申し上げましたように、超過労働をしたのにも超過料金が満足に支払われないというようなことがあっては私は相ならぬと思う。運輸大臣は、ポケット・マネーを出されて関係従業員の労苦に報いたと、こういうお話でありましたが、公私の別はやはり明らかにしなければならぬ。やはり事、政府機関の運輸省がこういう国民の許認可事項についての作業を進める場合においては、それだけのやはり職員に対する報酬は当然政府予算においてやるべきであります。それをできないところに今の局長、課長、首脳部の諸君が督励をしつつもずいぶん内部矛盾を感じておると思う。そういう点は、やはり次官がそういう点をなくすることが大臣の女房役としての一番大事なことでありますから、あなたから一つよく大臣説明をしてやってほしい。  それからいま一つは、関係の陸運局の定員でありますが、特に本省から東京陸運局に十四人も補給をしておるというのでは、本省作業そのものもなかなか大へんではないか。そこで、新規増員については、三十五年度予算の中で私は意見を申し上げておいたのでありますが、どうも話を聞くとだいぶ自動車局の定員が削られた、こういう申請にかかるものが削られたということを聞いておったのですが、次官、どうですか、これは局長より次官の方がいいと思うので、次官はどういうふうに査定を大蔵省と折衝してかちとったか、答弁を一つ
  48. 前田郁

    政府委員前田郁君) 今相澤さんから、いろいろ駐留軍のお話がございましたが、ほとんど一日おきくらいに私の所へ関係の方がお見えになりまして、私はできる限りの尽力を実はいたしております。また今後もこの点につきましては閣議決定もございますし、またいろいろな事情から勘案いたしまして、この問題は力を入れていかなければならぬということでやっている最中でございます。  それから今の人員の問題でございますが、最初は四百三十八名を要求したのでございましたが、あとでようやく九十名くらいのところへ落ちついたという……。
  49. 相澤重明

    相澤重明君 何名ですか。
  50. 前田郁

    政府委員前田郁君) 九十名でございます。全国的にたとえば一昨日から昨日も大阪名古屋へ参りまして、今この問題に対して、非常に人員が足らないという要求がございまして、大臣にもその話をしたい、こう考えておるつもりでございます。
  51. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 自動車局長にちょっとお伺いしますが、この前委員会大臣にお尋ねしたらば、個人営業、新規事業その他も一切今、自動車局長の言われたような形でやっておるが、特に個人営業に対しては一応の基準を定めてやっておる。それで促進をはかっておると言っておる。そこで私は、その基準というものはどういうところに基準をおいておるのか、公表すべきものであるのか、あるいはできないものであるかは別として、一応運輸委員には内示をせられたい。よろしゅうございますという返事でございましたが、基準の内容というものがどういうものであるか、一応お聞きしたいと思います。
  52. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) お答え申し上げます。  私この前の委員会に出席いたせませんでまことに恐縮しておるのですが、大臣、基準と申し上げたかどうか、その点私はっきりいたしませんのですが、実情を申し上げまして御了解を得たいと思うのでございます。今まで個人営業に関しましては数回にわたりまして、通達等を本省から出しまして個人営業の促進をいたしておるのでございますが、最近いたしました措置としましては、今数字について御説明申し上げましたように、東京等におきましては六千三百六十四件の申請がございまして、これを従来のいき方で審査をいたしておりましたらとても八月、九月にも審査が終了しない、こういうような状況を呈しておりますので、この六千三百六十四件の審査の促進をはかりたいと考えたわけでございまして、その措置として一月の二十一日に、自動車局長から各陸運局長に通達を出しまして、その審査がおくれておって利用者にも多大の不便を与えるし、申請者に対してもいたずらな困惑を引き起すようなことがあるおそれがあるので、この際その審査手続を適切に簡素化する必要があると考えるので、従いまして、ハイヤー・タクシー事業の免許申請事案の審査にあたっては、各陸運局の実情に応じて聴聞及び現地調査の方法その他の審査手続について、従来の慣行に必ずしもとらわれることなく、事務処理の迅速化のための適切な措置を講じられたいという通達を出しまして、各局のおのおのの実情に応じた事務処理体制の整備ということをやるように通達をしましたわけでありますが、その通達を受けまして東京陸運局長は一月の二十二日に、タクシー個人営業の申請事案につきましての審査の方法、要領につきまして本省の指示を求めて参りました。禀伺して参りましたのでありますが、その禀伺の内容について読み上げまして御説明を申し上げたいと思います。  まず第一に、この「年令四〇才」と申しますのは昭和三十四年十月一日における満計算で申しますが、「年令四〇才以上の者で運転経歴一〇年以上の者に対しては、原則として聴聞及び現地調査を実施する。従って、事案によっては、その一方のみを実施すること、或は、書面審理のみとすることもありうる。」、御説明申し上げますと、ここで一応年令四十才以上の者で、運転経歴十年以上の者というところで一つの線を引きまして、この人々に対しましては原則として聴聞及び現地調査を実施する、従来の行き方の審査をするということを言っておるわけでございます。  それから第二といたしまして、「上記以外の者に対しては、原則として、書面審理とする。ただし、必要と認めるときは、聴聞及び現地調査を実施する。なお、場合によっては、聴聞又は現地調査のいずれか一方を実施する。」、このようなことを申しておりまして、年令四十才以上で運転経歴が十年以上ない者に対しましては、原則として書面審理をいたしまして、聴聞とか現地調査は省略する場合がある。しかしたとえば三十八才で運転経歴十二年の者はそれではどうするのか、それらの者に対しましては必要と認めました場合に、陸運局長は聴聞及び現地調査を実施する。しかし原則として非常に若い人とか、もう一目瞭然免許されないような申請書であるとかいうような人たちに対しましては、聴聞という措置をいたしませんで処理を進めていくと、こういう考え方をとったわけでございます。  それから三番目に「前記二項の場合において、聴聞及び現地調査を実施する事案以外の事案については、必要によって、書面をもって当該申請者に対し、回答を求めることもある。」ということでありまして、聴聞及び現地調査を実施しました者は、従来通りの審査の方法でございますが、それら以外の者に対しましては書面をもって回答を求める、あるいは主張したいことに対しまして陸運局長あてに、聴聞をされない人たちは書面をもって申し出ることができる、このような措置をいたしまして、先ほど申し上げましたように、四月末には何とか聴聞を終了いたしたい、こういうふうに考えて促進方法をはかったわけでございます。従いまして、これは審査の方法を規定しておるわけでありまして、そういう措置をすることによって促進をはかるというつもりでございますが、本省からは一月の二十五日に回答をいたしたわけでありますが、その回答を読み上げますと、第一番目に「道路運送法第百二十二条の二第一項の規定による聴聞は、陸運局長の適切な判断により必要と認めるものに対して行ないうるものである。この聴聞を実施するかどうかの判断要素として、年令、運転経歴を他の審査事項とあわせて考慮することについては、タクシー個人営業免許の趣旨にかんがみ、さしつかえない。現地調査についても同様である。」というふうに書きましたが、これは東京陸運局の禀伺に対しては、適当であるという返事をいたしたわけであります。  それから第二番目に「免許申請の審査に際して、陸運局長が必要と認める事項に関して申請者から書面をもって回答を求めることは、申請者に対して特別の負担をかけない限り、さしつかえない。」というふうに回答いたしまして、東京陸運局が考えております審査の促進の方法については、本省としては差しつかえないと考えるという回答をいたしておるわけでございます。  このような方法で事務処理の促進ということをはかっておるわけでございます。
  53. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 自動車局長の言われたことを、やつぱりこの間大臣は基準を定めて、と言われましたが——明瞭にそう言っておる。従って今読まれたそのことは、私はやっぱりそれを称して基準と言われたと思います。私はそのことがいいとは必ずしも考えない。ただあなたがさっき言われたように申請者はもちろん、利用者の方としても、一体どうなるのか、特に申請者は、自分は一体許可の対象になるのかならぬのかということを非常に心配されておる。そこでほんとうにこれはどういう角度から見てもいかぬという者があるならば、早くそれはやっぱり知らしてやることが一番親切である、それがもし四十才以上十年以上のものでなければあてはまりませんよ、こういうことであるならば、その基本方針ははっきりさしていかなきゃならない。ただしその場合には、私は、やっぱり将来個人営業というものをどうするか、率直に言うならば、こういう今度一つの基準に当てはめて千人許可するか幾ら許可するかしりませんが、これはあとでお伺いしますが、その基準に当てはめて許可された人が当然どんどん出てくると思う。従ってまたたとえば東京の例をとっても六千三百有余人の人の中から千人なら千人許可になって、その他の人たちに希望を持たせないというわけにいかないことになるし、一般の増車、それから個人増車というものがどんどんされなければならぬと思うのだが、そういう点についての考え方は将来どのように扱っていくかということと、それから四十才以上十年以上になると、僕の知っておるラチ内では二千四、五百名ではないかと思うのです。その数字がわかっておったら伺いたい。もう一つとしては、二千八百両についてはもうどこでどういうふうにしようという内訳が出たと考えるが、新契約が幾ら、従来の業者に対する増車が何両、それから個人営業が何両、この内訳ができておるかと思いますからそれを一つ伺います。
  54. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 免許に関する措置をできるだけ早くきめまして、免許、却下ということをきめるべきである、これはもう私はそう考えて措置をしておるわけでございますが、この四十才以上、運転経歴十年以上という者に関しましては、まあ私どもの考えとしましては、四十才以上運転経歴十年以上という者にやはりこういう個人営業を認めました趣旨から申しまして、これらの人たちに免許されることがより多いであろう、むしろ適切であろうというふうに考えておりまして、そこでこのような審査方法をとることをいたしたわけであります。がしかし先ほども申し上げましたように、絶対に四十才以上、運転経歴十年以上の者に限るというわけではございません。これらの点に関しましては個々の実態に即した聴聞ということで実施していきたい、ただ申し上げますことは、四十才以上十年以上の者の中から免許をされることが、われわれとしては個人営業を認めた趣旨から申しましてもふさわしいのではないか、こう考えておるということでございます。四十才以上、運転経歴十年以上の者は現在の六千三百六十四件のうち二千四百四十六件でございます。そこで将来これらの者につきまして個人営業を認めました以上は、伸ばしていくような措置をぜひ考えなければいけないと思っておりますが、現在個人営業に何両、新免申請者に対して何両、既存業者の増車何両というような内訳はまだきまっておりません。これは現在の段階におきましては、審査を全部進めました上で具体的にそういうものがきまるという状況でありまして、現在まだその内訳についてはきめておりません。そういう状況でございます。
  55. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 そうすると、あれですか、現業者に対する増車もまだ全然していないのか、それも何両という見通しがついていないのか、そのところを一つ伺いたい。
  56. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 現業者、既存業者に対します増車もいまだ決定いたしておりません。年末に一時増車をいたしましたが、これはやはり先ほど大阪で申し上げましたのと同じように、たしか一月の十五日だったかと思いますがその日までで打ち切りまして、その後増車に関しましては全然措置をいたしておりませんし、きめてもおらない状況でございます。
  57. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 一月十五日に何を打ち切ったのですか。それとどうも僕がおかしいと思うのは、東京を例にして二千八百両を増車することが望ましい、しかももう半年になってことし六月までにそれは完了しなければならぬ。そうして対象は現事業者に何両増車するとかあるいは個人営業に何両するとか、あるいは新規に何両するとかいう見通しがまだついていないということで、ただ審査してその結果ということになると、かなり不明瞭なものが私は考えられる。やっぱり自動車局長としてのあるいは運輸省としての考え方というものは、当然どのくらいの比率ということで、何名何両ということをぴしゃっときめないでも、そのくらいの比率は当然考えて、そういう中での調査や聴聞をして審査がなければならぬと私は思うが、もう一ぺんその点だけ聞いておきたい。
  58. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 輸送対策といたしまして年末は非常に輸送繁忙になるわけでございますので、何とか措置をしなければとても年末の繁忙期を切り抜けられないではないかと私ども考えたわけでありますが、それでその可能な方法といたしまして考えられますことは、臨時に年末の繁忙期だけ増車をするということ、それから現在一旦二百六十五キロというふうな運転距離の制限がございますが、その制限を延ばすかどうかというような問題、この二つを考えたわけでございますが、これらの点につきまして運転距離の増加をいたしますことは、その措置の終わりましたあとで、運転をする各個人個人がどうも三百六十五キロという制限を守らなくなるという、一昨年から昨年の初めにかけての実績が出ておりましたので、東京陸運局としては運転距離の増加につきましては、非常に消極的な考え方を持ったわけでございますが、臨時増車の件に関しましては年末年始の繁忙期だけ、すなわち昭和三十四年十二月十六日から昭和三十五年の一月十五日まで、既存の二百二十六事業者に対しまして五百二十四両の車両を臨時増車いたしました。これはしかしもうその年末繁忙期が終わりましたらその場で打ち切りまして、現在は何らの増車はないわけであります。これは年末年始の輸送繁忙期に対処する方法として講じただけでございます。  あとこれらの既存事業者と新免の事業者、個人の事業者に対しての見通しの問題に関しましては、大臣はたとえば個人の営業について千両程度というような御発言があったこともございました。これはただそういう目安をお示しになったと思いますので、私どもとしましては実際に現在法人の新規免許申請の審査を進めておりますし、個人の免許申請の審査を進めておりまして、それらが審査を完了した上で、それらのものの比較考量をいたしてみました上で数字がきまるものでありまして、現在そういう比率というようなことに関しましては、実際に確定的なものを申し上げる段階に立ち至っておらない、こういう状況なんでございます。
  59. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 どうも不明瞭だが、先ほど相澤君が言われたように、なるほど人の手も足らないので人の手をふやさなければならない、これは当然でございますけれども、少なくとも東京陸運局として二千八百両をどうするかという内訳がなくて、いわゆる基本方針ができなくてただ審査をするということでは、これは万べんなくやっていくという親切味はあるかもしれないが、実際にはそれは親切味はないことになる。実際にはやはり困難はあっても何両ずつやるということになりませんと、個人営業に例をとってみましても  たとえば千両にして、しかも四十才以上十年の経験のある者から大むね選ぶのだという基本方針ができれば、その他の人は将来に延ばしていくという、ここのところに期待をもって今度は一つあきらめようという考え方を持ってくる。またそういう考え方を持たしてやることが親切だと思います。きょうは時間もありませんし、また追及的なものの言い方はしたくありませんけれども、親切にものを処理するように、二千八百両やる予定があるのかどうかということが一点。そうしてやるにはどこへ何両やる、もちろんそれにはいろいろな関係がありましょう。既存業者は既存業者としてできるだけ多く増車しようというあれがありましょうし、新規営業は新規営業でそのワクをできるだけ下さいという運動をするでありましょうし、個人は個人でやるでありましょうから、その点を十分検討されてあなた方の腹がまえがきまって、それからどういう体制を作ろう、ということでおやりにならないと、四月まで五月までと言われておっても何も進まないと私は考えます。ですからそれらを促進するためにもやはり至急にその内訳を考えられて、そうして基本的な方針を、個人営業の場合は私はこの次でいいとは申しませんが、将来こういう人たちは、もちろん成績等によるにらみ合わせもあると思うが、やはり優秀な人たちは個人免許をするという方針をおとりいただくならば、かなりそこで余裕が持たれる。また将来性がある人は今度はあきらめても、この次は何とか考えられるということもあると思うから、至急に私はやはり将来の方針を運輸省として立てて、それからそのワク内で審査を進めていくということになれば、新規営業の人でまだ車庫を持たない、率直に言って架空の車庫などを作って申請をしているという人があるならば、この人たちは今度はあきらめよう、この次に一つお願いしょうということもあるかもしれません。いろいろな意味からやはり至急に基本的な方針を考えて、そうして促進して下さいということが一点。  もう一つ、先ほど相澤君の言われた駐留軍の問題は、まだ残されておるものが相当、六十何件も未処理のものがありますのでこれに対してどうするか。これらも率直に言うとここへ何両やろう、東京なら二千八百両のうちここへ何両やろうという考え方を持ってくると、自然にまずここの問題が解決できてくる。その次に個人をどうしようという考え方で、至急に私はこの問題の処理にあたっていただくことを要望いたしまして、御返事があるならある、なければないでけっこうです。
  60. 白木義一郎

    白木義一郎君 ちょっと局長さんにお伺いしておきたいのですが、大臣はタクシー行政について新風を吹き込む意気込みであるというふうな御意見を発表されたのですが、この新風ということについてわれわれは、従来神風タクシー以来非常に過酷なノルマを課せられた運転手諸君が、いよいよ多年の希望であり夢であった、功なり名遂げて自分の車を持ってそうして生活の基礎を打ち立てていける道が開けたというような解釈の下に、この東京において六千何百人の人が申請を行なったわけですが、局長として大臣の新風を吹き込むという意見に対しての見解をちょっとお聞きしておきたいと思います。今お話があったようにこの答申の増車の車両の内容について、個人はこの程度にしておいて既存業者に厚くやっていくのか。それともわれわれが解釈しておるように、タクシーの運転手に将来の希望を与える方針をもって進んでいくのか、ということについて御見解を承っておきたいと思うのですが。
  61. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) タクシー業界あるいはタクシー行政に新風を注入するということは、これは個人営業を認めるということで実現し得ると私も考えております。で、将来、この個人営業に対しまする態度等につきましては、これはやはり私どもとしましても、将来優秀な適格者が個人で営業していくということに対しましては、十分健全な発達がし得るように伸ばしていきたい。そう考えるわけでありまして、たとえば十二月に百七十三両の免許をいたしましたが、何もこれでとどめるわけではなくて、今後十分にタクシーの個人営業についての審査を促進し、これを伸ばしていく方向措置をしていく、ということを考えておるわけでございます。  それから重盛先生の先ほどのお考え方に対しまして一言だけ申し上げておきたいと思うのでありますが、たとえばこまかくその駐留軍関係に何両割り当てるとかいうようなことは、現在までのところとてもその数字の内訳というものはつけがたいと思いますので、私どもとしましては、そういう内訳がなければ促進されないとは実は考えておりませんので、今後できるだけ早く全部の審査を終わりまして、それらを妥当な、そうして免許基準に合うように免許していくという方向で現在進めておりますので、その点は御了承願いたいと思うのでありますが、今後個人営業につきましては、十分伸ばしていくような方向で考えていきたいと思っております。
  62. 白木義一郎

    白木義一郎君 今のお話では優秀な適格者をもってどんどん免許を与えていきたいというようなお話で、まことに安心したのですが、問題はその優秀な適格者ということになるわけですが、先ほどのお答えでは別にはっきりした基準をきめていない、まあ一つの基準として、十年以上の経歴、四十才以上の人たちを対象にしていく、そこにも伸縮性を強くもっていくというようなお話がありましたが、今、町でうわさされているのは、個人免許にあたっては六坪のガレージを持たなくちゃならない、それから大阪でいえば大阪市内にそれを持たなければならない、というようなうわさがあるので、東京と比べまして、東京は一斉に新風を吹き込む大臣の声明について、運転手が飛びついていって、六千人の人が個人免許の申請を行なったわけですが、大阪においてはその後の状況を敏感に感じてか、非常に申請の人数が少ないということは、とてもこういうきびしい基準ではわれわれは個人営業の夢を満たされないのだ、四畳半の二階借りに住んでいて市内で六坪のガレージを持てるはずがないじゃないか、これはあくまでも既存業者に対する育成のための手の打ち方であるというような非難が多くて、そこへもってきて車が足りない、そういう希望を持てないからわれわれはあくまでもまあ憲法二十二条をたてにとって、需要を満たして、それから自分たちの生活を確立していくというところから、まあ白タクないしやみタクが非常にふえてきて、この大臣の新風を吹き込むということについて全然希望を持っていない。事実個人免許の申請についてはガレージを必要とするならば、なぜ自家用車のガレージも整えておかないのかというような非常に不満が起きています。それから白タクの出現について、非常にそちらの方へ、過酷なノルマ制度からのがれた運転手がそちらへ走っている、それで運転手が少なくなったために、非常に運転手に対する業者の待遇がよくなった、既存業者における運転手は非常にやみタクの出現を望んでおる。それから市民も、非常に安くまた便利に市民の足として利用できるようになったというのが現状です。そこでこのような優秀な適格者ということについて、ほんとうにガレージまで用意しなければ個人営業ができないか、というようなうわさが事実あるかどうか、ということをちょっとお聞きしておきたいと思います。
  63. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) この個人タクシーの個人営業に関しましては、もちろん道路運送法第六条の規定にあります免許基準に適合するものでなければ免許されないわけでありますが、その検討の際、特に個人ということに関連いたしまして、申請者の経歴とか職歴、あるいは運転技術の優秀性、それから人物及び順法精神、こういう問題、それから一般教養の問題、あるいは賠償能力の問題等に関しましても特に審査する、こういうようなことで、要するに申請者が非常に多い場合には、その申請者同士の間で、免許基準に該当する諸点について比較検討をいたすわけでありまして、車庫の問題も、これは事業計画の上から申しまして、絶対に車庫を持たなければタクシー事業というものは免許されませんので、これはもう車庫は必須要件でございます。そうして申請者が多い場合比較検討をいたしますと、やはりそれが優秀であり、必要ある所に、そして適当な地帯にその車庫があるということ、これが比較検討の場合には、それよりもより劣ったものよりはよくなる、こういう状況にありますので、相当申請者の中においても競争が行なわれることと思いますし、そういう場合には、いい条件の者が免許を受けるということになりますので、これらの点につきましては、申請者の申請内容、それから現地の実情というものにも関連するわけでありますし、さらにこれは各都市におきまして、非常に差があると思いますので、各都市々々の実情に応じ、そういう条件というものも変わって参ると思いますので、たとえば東京の場合と大阪の場合とは、あるいは福岡の場合とは、そういう審査の内容について相違があると思いますが、今御質問のございました車庫というようなものについては、ぜひ必要である、これは絶対要件であると、こう考えておるわけであります。
  64. 白木義一郎

    白木義一郎君 そこで、いろいろと大ぜいの中から適格者を選ぶために、どうしても必然的に基準を定めてやっていかなければ選択できないというようなことから、その優秀な適格者である範囲が非常に窮屈になってくる、東京あるいは大阪市内で、六坪の車庫を持たなくてはならない——実際問題として、自分が個人タクシーをやろうと思っても、僕にもできないような過酷な内容になってくるわけですね。市内で六坪のガレージを持たなくちゃ商売ができないというようなことになると、ほとんど無理だというような条件になってくるわけです。そこで、そういうものに対してできるだけ沿って、しかも商売をやっていきたいという運転手が集まってでき上がってきたのが、共済組合の白タクというようなことになっているのですが、その共済組合に対しても当局は非常に過酷な取締りをやっている。むしろ全然野放しのやみタク、食わんがために白タクで商売をしているのと、それからひもつきのやみタクと、こういうように二通りに分かれて現在大阪ではめちゃくちゃな無政府状態に陥っているわけです。そこへもってきて既存業者に対しては深夜メーターで、夜になると三割も自動車賃が高くなる。そこで市民は白タクを使えば、たとえば大阪から京都へ終電車に乗りおくれて帰らなくちゃならない、メーターで行けば二千円以上取られる、やみタクで行くと千円、その差額の千円のうち五百円だけは子供にお菓子を買って帰れると、非常に家庭的にも喜ばれてますますやみタクが繁盛している。市民も非常にそれを喜んでいる。それから、それでもなおかつ自動車が足りないというところから、最近では輪タクが復活して、あの終戦後にあった最も忌まわしい風景ですが、ああいうようなことがまた再び関西に起きているというようなことを考えますと、非常にこのタクシーの免許については慎重な態度をもって臨まないと、大きな社会問題となると思うのです。  そこでこの前もちょっとお話ししましたが、この深夜メーターは絶対に廃止すべきものであり、また既存業者に雇われている運転手も、これがあるために非常に水揚げに影響して困っているのだというような声がある、大臣やあるいはは局長さんあたりはタクシーなんかめったにお乗りになることはないでしょうから、おわかりにならないのは無理ないと思いますけれども、事実、町ではそういう話が盛んに飛んでいる実情です。そこで少なくとも、ああいった一つ組合形態あるいは会社に近い形態をもって、良心的にタクシーの営業をやっていきたいというような共済組合なんかに対して、非常に過酷な取締りを行なうということは、ちょっとどうかと思うのですが、この共済組合の問題については不思議に社会党さんもあんまり応援してやらないらしいのです。まあいろいろなぜしないかということはそれぞれ詳しく憶測をしているのですが、それはここでは申し上げませんが、不思議に、一番その日の当たらない、自民党からはもちろん社会党さんからも見放されているのが、現在のタクシー運転手というようなことになっているわけですが、そこでこの共済組合の問題について、もう少し掘り下げた検討が必要じゃないか、なるべく、この優秀な適格者が集まって、条件を満たしてそうして仕事をしていきたいというような意向があるわけですから、当局としては十分その声を聞いてそうして考慮していただく。と同時にいわゆるやみタクの取締りについてはそれと並行してやっていかなければならないと思うのです。現在までのあれで見ますと、暮れには百七十三両の免許をしてそれからさっぱりで、六月までにやればいいのだというようなお考えだと、世論を押えるために大急ぎで暮れのうちに取りあえず中途半端な免許をしておいてまああとは静まるのを待ってじっくりやろうじゃないかというように、まあ押えられている方は勘ぐるわけです。そこで一つ共済組合に対する局長さんの考え方もお聞きをしておきたいと思います。
  65. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 初めに御質問のあったところからお答えしたいと思うのですが、六坪の車庫を持たなければやれないというようなことについては私は聞いておりませんので、やはりこれは一人一車持ちの個人営業をするについて、その一両の車を入れるのに十分な車庫を持たなければいけない、これは確かだと思いますが、そうしてそこで何と申しますか、自動車を入れるだけではなくて、あるいは何か少しぐらいの修理なり点検なりができる程度の余裕とか、そういうものは持たなきゃいけませんと思いますが、必ず六坪なければいけないとかというようなことは、私はまだそういうことがあるということは聞いてはおりませんのですが、まあそういう状況でございます。  それから大阪におきます深夜メーターにつきましては、これは再検討すべきものとして自動車運送協議会でも言っておりますし、本省からも検討するように申しておりまして、大阪陸運局で現在検討いたしております。  で、共済組合タクシーに関しましては、私はそれは社会的にはいろいろ議論はあると思いますが、そうしてたとえば共済組合タクシーが、われわれはまあ食わなきゃいけないからこういうものをやるのだ、というようなことを言ったときもございますけれども、タクシーの営業行為をするということは、道路運送法によるところの免許を受けなければいけないことは、これは道路運送法が歴然と規定しておるのでありまして、こういう道路運送法の規定をくぐりまして法を守らないというような形で出てきた者に対しては、われわれとしてはもう徹底的に取締らなければならないというふうに考えておるのでありまして、やはりタクシー事業を経営していきます上においては、いかなる場合においても免許を獲得してからでなければいけない、こう考える次第であります。で、先ほどから申し上げておりますように、優秀な適格者であってタクシーの事業免許をぜひ得たいということで申請してきました者が、まあその中から審査を受けて免許をされて、それによってタクシーの事業が経営できる、こういう方向に持っていくべきでありまして、共済組合タクシー等いわゆるもぐりの白ナンバー・タクシーというようなものにつきましては、私どもとしてはこれのなくなりますように徹底した取締りを今後とも続けていくつもりでおる次第であります。
  66. 白木義一郎

    白木義一郎君 そのようにお答えになると思いまして、市民並びに運転手の諸君の考えあるいは声をあらかじめお聞かせしておいたわけですが、あくまでも道路運送法をたてにとって、それを乱す者は厳重に取締るのだというふうに突き放すよりは、よく現状を見詰められて、そうしてこの法規ができ上がった当時と現在との開きをよく見詰めてやらないと、いわゆる業者の保護的な政策になっていくという心配があるわけです。  そこで最後に一つ、憲法の第二十二条と道路運送法との関連性について御意見を伺っておきたい。どのように憲法と運送法との見解局長はとられておるのか。
  67. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 憲法二十二条には「何人も、公共の福祉に反しない限り、居住、移転及び職業選択の自由を有する。」というふうに第一項に書いてございますが、これは明らかに憲法では職業の選択の自由を保障しておるわけでありまして、この点は私としても当然の規定だと思うのでありますが、タクシー事業というものは、国家からそのタクシー事業を経営するということを特に認められて、初めてその事業ができるものでありまして、これはそのために免許制度をとっておるのでありまして、免許を受けなければタクシー事業は経営してはいけない、このことは道路運送法に規定しておるのでありまして憲法違反でも何でもない、こう考えておるわけでありまして、やはり国家からそういうタクシー事業を経営する権能を与えられて、初めてタクシー事業というものが、経営できるのであり、道路運送法に規定しておりますことでありまして憲法第二十二条には反しない、こう考えておるわけでございます。
  68. 白木義一郎

    白木義一郎君 その違憲であるか何とかという問題でなしに、この二十二条の条項と道路運送法の法律との関係において、時代が変わってきたのですから、あくまでも公共の福祉という立場から言えば、この道路運送法が時代おくれな法律になりつつあるという点も考えてみなければならないと思うのです。そうしますと、職業選択の自由にだんだんワクをかけていかなければならない、これは道路運送法の立場から、実情から考えてやむを得ない措置にもなった次第もありますけれども、時代の推移とともにこの道路運送法のワクもあるいは発展的に内容が変わっていくべき問題じゃなかろうかと思うのです。その点についての考え方をお聞きしておきたいと思う、こういうわけなんです。
  69. 国友弘康

    政府委員(国友弘康君) 私どもの今の考えといたしましては、道路運送法に基づきまする免許というものがやはり必要であると考えております。と申しますのは、先ほど白タクの問題がお話しに出ましたわけでありますが、たとえば料金が安いこともございます。私もそのことを知っておりますが、ただ安いばかりでなくてたとえば雨の日とか、それから深夜であってしかもそういう自動車がない場合とか、あるいは婦女子だけが乗るとかいうような場合には、そのタクシーのメーターよりもより以上に高い料金を取られて困った、というようなことを私どもの方に言ってきておる事例もまた多いのでございまして、そういう面から申しまして、現在道路運送法の秩序を維持していきますためには、やはりタクシー事業というものは免許を与えて、そういう信用のある者にタクシー業をやらせるということが必要であると考えておりますので、まだその点道路運送法が時代おくれになったとか何とかということは私どもは考えておりません。やはり道路運送法のもとに道路運送の秩序というものも維持していって、一般公衆の利便もその免許制のもとに私は確保されるものだと考えておるのでございます。
  70. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) ちょっと速記を止めて。    〔速記中止〕
  71. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) 速記をつけて。
  72. 重盛壽治

    ○重盛壽治君 別に白木さんの言葉にとらわれるわけではありませんが、白タクの問題がやはりああいうふうにだんだんできてくるということは、私は何といっても運輸行政の欠陥にあると思う。従って社会党はこの人たちのめんどうを見るとか見ないとか、そういうことでなくして、もちろん働かなくては食っていけない人たちに非常に同情はしておりますし、できるだけ早くこの問題の処理をしてもらいたいということを私も要望している一人であります。何といっても、やはりこうした形で出てくるということは、もちろん一面国民の自動車に対する不足からくる要望もあり、そこの考え方を通じて白タクというものができたこともあるが、それは運輸省の運輸行政というものが、やっぱり先ほどから言うように若干形式的になっている。だから私はできるならばこういう人たちにも、個人営業の許可を出していい人があるならば、その対象の中に一人でも多く入れてあげる、あるいはまた新規営業の許可が出ているならば、白タクなり既存のものがあったからこそ新しく許可をするのだということではなくて、やつぱり何人かが集まって事業をしていくということになれば、りっぱにやり得るという角度の上に立って、この人たちを法的なワクの中に入れていく。今の道路法について、あるいは自動車局長が言われていることに、私は必ずしも全部賛成できるものではありません。やっぱり一応そういうワクの中に入れてやっていくという考え方、そういうためには、先ほどから言うようにどういうふうな割り振りをしていくかということを早く考えて、これらの人たちをできるだけ多く吸収して、そういうものをなくしていくという方針を立てていかなければならない、私はこのように考えます。
  73. 前田郁

    政府委員前田郁君) ただいま白木さんのお話、重盛さんのお話お伺いしまして、私も運輸当局といたしまして今いろいろな問題にあたっているわけでありますが、要するに今、白タクが出たとかそういう問題は、日本が敗戦国になりましてその後国内のすべての経済状態が発展して参りました。それに即応しない許可の仕方が続いたわけでございまして、しばらくの間無免許の時代もあったというようなこともありまして、実情を把握したところの運輸行政をやっていけば、だんだんこういうものは私は解決されると思います。そういう点に私どもは今後大いに努力していきたいと思いますので、皆さんの御協力をお願いいたしたいと思います。
  74. 平島敏夫

    委員長平島敏夫君) 次回は二十五日木曜日午前十時に開会いたします。  本日はこれをもって散会いたします。    午後一時十八分散会