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1960-05-27 第34回国会 衆議院 本会議 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月二十七日(金曜日)     —————————————  議事日程 第三十号   昭和三十五年五月二十七日     午後一時開議  第一 積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法の一部を改正する法律案農林水産委員長提出)  第二 開拓営農振興臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第三 開拓者資金融通法の一部を改正する法律案内閣提出)  第四 開拓者資金融通法による政府貸付金償還条件緩和等に関する特別措置法案内閣提出)  第五 同和対策審議会設置法案中井一夫君外百十一名提出)  第六 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案内閣提出)  第七 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第八 道路交通法案内閣提出参議院送付)  第九 消防法の一部を改正する法律案内閣提出参議院送付)  第十 国土開発縦貫自動車道中央自動車道予定路線を定める法律案内閣提出) 第十一 東海道幹線自動車国道建設法案遠藤三郎君外五十五名提出) 第十二 日本開発銀行法の一部を改正する法律案内閣提出) 第十三 国際開発協会への加盟に伴う措置に関する法律案内閣提出) 第十四 身体障害者雇用促進法案内閣提出) 第十五 国有鉄道運賃法の一部を改正する法律案内閣提出) 第十六 昭和三十一年度一般会計歳入歳出決算     昭和三十一年度特別会計歳入歳出決算     昭和三十一年度国税収納金整理資金受払計算書     昭和三十一年度政府関係機関決算書 第十七 昭和三十二年度一般会計歳入歳出決算     昭和三十二年度特別会計歳入歳出決算     昭和三十二年度国税収納金整理資金受払計算書     昭和三十二年度政府関係機関決算書 第十八 昭和三十一年度国有財産増減及び現在額総計算書 第十九 昭和三十一年度国有財産無償貸付状況計算書 第二十 昭和三十二年度国有財産増減及び現在額総計算書 第二十一 昭和三十二年度国有財産無償貸付状況計算書 第二十二 昭和三十二年度物品増減及び現在額総計算書     ————————————— ○本日の会議に付した案件  議員請暇の件  村上国務大臣津波による災害報告及びこれに  対する質疑     午後五時一分開議
  2. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これより会議を開きます。      ————◇—————
  3. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御報告を申し上げます。  このたびの津波による各地被害の甚大であったことは、まことに痛心にたえません。議長は、とりあえず、去る二十五日、北海道青森県、岩手県、宮城県、三重県、和歌山県、徳島県、高知県、宮崎県、鹿児島県の各知事あてに見舞の電報を発送いたしました。(拍手)      ————◇—————  議員請暇の件
  4. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) お諮りいたします。  議員田中彰治君から、米国及び西欧各国政治・経済並びに農業事情視察のため、五月三十日から七月十一日まで四十三日間、また、議員佐藤洋之助君から、ロンドンにおける万国郵便連合郵便研究諮問委員会に出席のため、六月十三日から七月四日まで二十二日間、右いずれも請暇の申し出がございます。これを許すに御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  5. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、許可するに決しました。      ————◇—————  村上国務大臣津波による災害報    告
  6. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 村上国務大臣証ら、津波による災害報告について発言を求められております。これを許します。国務大臣村上勇君。     〔国務大臣村上勇登壇
  7. 村上勇

    国務大臣村上勇君) 政府を代表いたしまして、去る五月二十四日、本邦太平洋沿岸各地発生いたしました津波災害につき、その状況を御報告申し上げます。  まず、このたびの津波による多数の犠牲者被災者方々に対し、心かと哀悼の意を表しますとともに、御見舞申し上げます。  今次災害原因をなしました津波は、史上最大級のものといわれるチリ沖の大地震によるものでありまして、その規模も全く予測を越えたものであり、ために、北海道並び青森岩手宮城の諸県を初め、広く本邦太平洋沿岸各地に大なる被害を生じたものであります。  被害状況は、鋭意把握に努めておりますが、現在までに判明いたしましたところによりますと、次の通りであります。  まず、人的被害につきましては、死者百九名、行方不明二十九名、負傷者八百五十六名、罹災世帯主万五千三百五十五世帯罹災者十六万七千四百四十二名に達しております。  次に、建物の被害は、全壊二千三十棟、流失一千百七十四棟、半壊二千七十五棟、床上浸水二万一千八百二十一棟に及んでおります。  農林水産関係につきましては、詳細調査中でありますが、漁船、漁港、養殖関係等、特に水産関係に甚大な被害を受け、公共土木施設につきましても、海岸、港湾等に相当の被害を受けております。ただいままでに報告のありました被害額は、農林水産関係約百二十三億円、公共土木施設関係約四十八億円でありますが、今後なお増加する見込みであります。  今回の災害に対し、被害の著しい市町村においては災害救助法が適用され、その数は十県、三十四市町村にわたっております。これを県別に申しますと、宮城県十一、岩手県六、三五県六、和歌山県四がおもなものであります。  政府といたしましては、このような被害に対処するため、直ちに緊急関係事務次官会議を開き、災害状況把握に努めるとともに、対策を協議いたしましたが、さらに、二十五日に内閣津波災害対策本部を設け、災害救助及び復旧対策の推進に万全を期しておる次第であります。  また、関係各省庁におきましても、即日係官現地に派遣し、災害状況把握現地における応急措置に当たらせ、さらに、厚生、農林運輸建設大臣を、政府を代表して、著しい被害を受けた地方に派遣することといたしました。  現地におきましては、災害発生にあたり、警察を中心として直ちに避難救護措置をとりましたが、さらに、被災者に対する広急救助措置といたしまして、現地に食糧、衣料等を急送いたしますとともに、医療対策防疫対策についても万全を期しており、また、自衛隊関係部隊約六千九百名及び艦船、航空機等を出動するとともに、海上保安庁も非常配備につき、それぞれ救助復旧等措置に当たっております。なお、著しい被害を受けた地方公共団体に対しましては、すでに、つなぎ融資の手配を講じております。  以上、現在までに判明した災害状況並びに応急措置について御報告いたしましたが、政府といたしましては、さらに被災地における復旧資材復興資金確保住宅復興促進等、民生のすみやかな安定をはかりますとともに、公共土木施設農林水産関係施設等の早急な復旧に努め、災害対策に万全を期する所存であります。  以上をもちまして私の災害報告を終わります。(拍手)      ————◇—————  村上国務大臣津波による災害報告に対する質疑
  8. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) ただいまの報告に対して質疑の通告がありますから、これを許します。周東英雄君。     〔周東英雄登壇
  9. 周東英雄

    周東英雄君 私は、自由民主党を代表いたしまして、ただいま建設大臣より御報告のありました、去る五月二十四日未明、北海道、東北各県、三重和歌山高知徳島鹿児島宮崎等ほとんど全国の太平洋岸に来襲いたしました津波による災害に関し、若干の質問をいたし、これが復旧に対する総理大蔵農林運輸等関係大臣所見を伺わんとするものであります。(拍手)  まず、最初に、この津波によって一瞬にして肉親を失い、家屋家財流失し、農地漁船漁具養殖施設等生活手段を喪失せられました人々に対し、自由民主党の名において、心から哀悼の意を表し、深甚なる御同情を申し上げる次第であります。(拍手)  さてこのたびの津波災害の特色は、第一は、警報発令が間に合わなかったために、事前避難に役立たなかったこと、第二は、従って、物質的災害に比べて人命の被害が比較的に大きかったこと、第三は、家屋家財農地等被害も大でありまするが、特に水産関係被害が大きく、零細漁民に大きな打撃を与えたことであります。  そこで、質問の第一は、気象庁機構運営に関する件であります。警報発令が非常におくれたことは、国民もまた非常に不思議に思っております。これはもちろん不可抗力的な理由のあることもうかがえますが、気象庁機構運営に改善を加える必要があったのではないかと思うのであります。もとより、今回の津波のように、地球裏側原因発生して、その範囲が太平洋の全域にもわたるような大規模なものは、国際的な規模組織による予報手段がなければ、的確な予報をつかむことは困難だとは思われます。従って、このような国際的な機構整備するようにわが国が積極的に努力し、これに対する対策を立てていくことが必要ではないかと思うのでありますが、これに対する政府所見をお伺いしたいのであります。  気象庁は、従来のデータ等を基礎として、今回のような大津波の来襲することは予想できなかったようであります。しかしながら、すでに二十三日には、ハワイにおける津波被害状況が新聞、ラジオ等報告されております。こういう問題を取り上げつつ科学的な考慮を払ったならば、もう少し事前警報発表等手段がとれたのではないかと思うのであります。しかし、私は、気象庁仕事というものは非常なじみな仕事である、ともすると、これに対する施設というようなものは、じみな仕事だけに、政府におかれましても、これに対して着目することが薄かったのではないかと思われます。従来とも、私どもは、気象庁は、天気予報等におきましても、シナ大陸における協力を求められない今日、相当大幅な予算措置をしてこれが対策を講ずべしということは、わが党が常に叫んできたことでありますが、今日まである程度の進捗は見たけれども、なかなかこれに対しても完備した施設が行なわれません。いわんや、このたびのごとき、いまだかつてないような地震、また、それに関連して起こる津波予報施設を完備するためには、相当な決意をもって臨まなければならぬと考えるのであります。和達長官は責任を感じて辞表提出しておるということでありますが、いたずらにこういう人を責めるだけが問題ではなくて、施設のない、じみな仕事をやっている役所に対して相当な決意をもって施設を完備してやることが、私は災害を将来に向かって発生させないことの布石ではないかと思うのでありますが、これに対して政府所見を伺いたいのであります。特に大蔵大臣総理の御回答を求めます。  第二は、被害復旧対策についてであります。今回の津波による物的被害は、先ほども御報告のありましたように、農地流失、陥没、家屋の流出あるいは漁船漁具その他が問題になつておりますが、なかんずく漁船、これは非常な痛手であります。すでに先ほどお話のありましたように、今月二十五日までに判明した数字は約九百そうに上っております。零細漁民にとって、漁船はその生活の最も必要な手段であります。これが今日ただいま喪失したならば、あすの日からの生計を立てることに困難を来たすことは、申すまでもございません。また、沿岸漁民に対して最も必要な施設は、わが党の力を入れておりまする水産増殖施設であります。これが軒並みに痛手を受けております。ことに、この際問題になることは、養殖真珠施設であります。今や、真珠は、わが国外貨獲得に貢献する大きな産業であります。輸出産業の重大な役割を果たしておるものでありまして、戦後わずかに二十数億円の輸出にとどまっておったものが、今日は百億をこえる状況であります。しかるに、このたびの災害では、ほとんど全滅的な打撃を受けておるのであります。ことに、三重県地区におきましては、中小漁業者養殖施設はもちろんのこと、企業者においても、軒並みにやられております。その上に、この地方は、過ぐる伊勢湾台風によりまして相当大きな打撃を受けておるのにかかわらず、追っかけて今度の津波災害でありまして、いかだ施設等はほとんど壊滅しかけております。養殖真珠施設というものは、あした施設をすれば、すぐに一年で生産ができるというものでないことは、御承知通りであります。よいものを作るのには、少なくとも三年、二年の年月が必要となるのであります。すみやかにこれが復旧施設をやらない限りは、来年から生産の減退することは火を見るよりも明らかであります。この大きな輸出産業がこうむる打撃は大なるものであります。こういうふうな事柄を考えてみまするときに、農地その他の施設回復等について万全の処置をすることはもちろんでありますが、漁船並びに養殖真珠施設に対する復旧に関しては、その予算的措置並びに立法を必要とするものであります。これに関して、政府伊勢湾台風のときにとりました処置に準じまして、すみやかに立法的処置その他をとるの必要があると考えますが、これに対して政府所見はいかがでございますか、お伺いいたしたいのでございます。(拍手)  第三にお伺いしたいのは、災害は忘れた時分にくるとはよく言われますが、このごろは、忘れぬうちにたびたび参ります。そのたびに応急的立法措置をやって追っかけていることは愚の至りでありまして、すでに伊勢湾台風に対する処置を講じましたときに、基本的制度基本的立法、これを制定すべしという声が高らかにあったわけであります。政府におきましても、それに同調されたはずであります。この基本的立法制度の確立に関して、その後の経過はいかに相なっておりますか、政府の御所見を伺いたいのであります。  第四番目は、ただいま御報告がありましたように、すでに行政措置をもってあらゆる応急救済処置が講ぜられておりますが、今後におきましても、ただいま申し上げましたような処置に対しまして、すみやかに行動を起こし、すみやかなる立案をもって臨まなければ、私は手おくれになると思うのであります。財政的な処置、また金融的な処置等について、今後いかなるお考えをお持ちになっておりますか、これをお伺いいたしたいのであります。  最後に、このたびの災害発生に伴いまして、これが審議、計画、立案等について、社会党民社党に対してお呼びかけになりまして、そうして、共同でやろうということでありましたが、これに応じられなかったことについて、私は心から遺憾の意を表するものであります。(拍手)ことに、今日は、この間の国会において深傷を負われました清瀬議長が、無理なからだを押して御登院になって、この国民に対する被害救済に対していかにすべきか、早く立案すべきものであるという考えから、国会をこうして開かれましたことは、心から私は感激、感謝をいたし、敬意を表するところであります。(拍手)しかし、今日におきましては、まだ延長国会の初日であります。同時に、これらの救済に関する立法その他の対策は、いまだ具体的になっておりません。そこで、私は、政府におかれまして、財政的処置または立法的処置を具体的に早くきめて、これをひっさげて、あとで非難をされないように、よりよきものを作るために、野党に呼びかけて、そうして審議機会を作られるように、政府が呼びかけの必要があると思うのでありますが、この点は特に総理に御所見を伺いたい。私は、政府与党でりっぱに対策を立て得ると思いますけれども、やはり、野党意見を聞き、少しでもよりよきものにするために、具体案をひっさげて社会党に呼びかけ、民社党協力を求めることが、今日、国家、国民のために必要だと思うのでありますが、これに対して御所見はいかがでございますか。  以上、私は、五点に関して質問申し上げまして、終わりといたします。(拍手)     〔国務大臣岸信介登壇
  10. 岸信介

    国務大臣岸信介君) 御質問に対してお答え申し上げます。  まず、私は、質問者と同様に、今回の津波による災害によって犠牲になられた方々に対して深甚な哀悼の意を表するとともに、被害を受けられた方々に対して衷心より御同情を申し上げます。政府といたしましても、これらに対する救済並びに復興処置は、具体的に所管の大臣より申し上げますが、できるだけ早く強力に実行するつもりで、着々手を打っておる次第でございます。  御質問の第一点は、こういう津波による災害対策一つとして、国際的の機構整備するように日本が積極的に働きかけていく必要があるという御意見でありますが、政府といたしましても同様に考えております。これに対しましては、さらに関係方面十分検討をいたしまして、適当な方法によって積極的にこれを進めて参りたいと思います。  第二に、今回の気象庁における活動状況を見ると、こういう事態に対応するだけの機構なり設備なり内容が十分充実しておらないという点に対して、これを政府としていかにするかという御質問でございます。政府といたしましても、今回のこの事態にかんがみまして、気象庁内容整備に関しましては格段の措置を講じていくように十分努力したいと思います。  次に、災害基本法の制定の問題でございますが、この問題につきましては、すでに政府におきましても大体の案を得て、与党との間に十分意見調整をいたしておりまして、大体結論に近い状態であるという報告を受けております。一日も早く成案を得て国会に提案をするように努力をいたす考えであります。  最後に、こうした事態に直面して、今日から期間延長された国会野党が出席しないという状態であるけれども、この問題は、被害地人々に対して有効適切なる救済並びに復興の方策を講ずることは、政治のやらなければならぬことであり、さらに、被害地のみならず、一般国民もそれを強く期待しておることにかんがみまして、この上とも、これらの案を適切有効ならしめるために、野党との間に具体案をもって折衝するように、政府並びに党とも十分な連絡をとって努力をする考えでございます。(拍手)     〔国務大臣村上勇登壇
  11. 村上勇

    国務大臣村上勇君) お答えいたします。  災害復旧についての対策、これは、先ほど報告申し上げました通り政府としては、間髪を入れず、それぞれ係官現地に派遣して、その指導に当たっておる次第であります。  なお、零細農林漁家に対する救助については特別立法の必要があるのではないかという御質疑でありますが、政府といたしましても、今回のこの異常な災害にかんがみまして、どうしても特別立法措置をしなければならないと思っておりますが、これは、御承知のように、すべて国会の御審議を待つ以外にないのでありますから、いずれ成案ができましたならば御審議を願いたい、かように思っておる次第であります。(拍手)  その他の点に関しましては、大体住宅の問題でありますが、これは、御承知のように、内地では一戸三十万、北海道四十六万、これらの住宅復旧に対する資金貸付につきましては万遺憾なきを期しておる次第でありますので、この点につきましては十分意をいたしておりますから御安心願いたいと思います。(拍手)     〔国務大臣佐藤榮作登壇
  12. 佐藤榮作

    国務大臣佐藤榮作君) 最初国庫補助並びに特別立法等につきましては、ただいま建設大臣がお答えいたしましたように、至急調査を終えまして、しかる後に適当な措置を講じたい、かように考えております。  また、気象庁予算の問題につきましては、昨年の伊勢湾台風以来、いろいろ気象庁活動上の必要な経費等予算に計上することを強く要望されて参っておりますが、なかなか十分なことができておりません。しこうして、今回のように、津波災害を受けて参りまして、さらにこの経験等から見まして、次の予算編成の際におきましては十分考慮して参る考えでございます。  また、災害基本法の問題につきましては、先ほど総理からお答えいたした通りでございますが、内容におきまして各方面関係する問題がありますので、至急調整をいたしまして早く立案したい、かように考えております。また、今回の災害につきまして、今日までとりましたいろいろな措置をこの機会に御披露しておきたいと思いますが、第一、地方公共団体に対しましては、すでに関係財務局に対しまして、つなぎ融資のための資金確保を指示いたしました。また、農林漁業あるいは中小企業及び住宅金融公庫に対しましては、既往の貸付期間延長及び新規貸付条件緩和をはかるとともに、一般市中金融機関においても、これら機関の自主的な申し合わせにより、預貯金払い戻し便宜措置、貸し出しの簡便、円滑化等が行なわれることとなっております。なお、災害被害者に対する所得税法人税物品税酒税等減免税または徴収猶予措置につきましては、各税法及び災害減免法等規定がありますので、すでに、各出先機関に対して、これらの規定の取り扱いについては、災害被害者の立場を考慮いたしまして、親切かつ迅速適正に処理するよう指示いたしておる次第でございます。(拍手)     〔国務大臣楢橋渡登壇
  13. 楢橋渡

    国務大臣楢橋渡君) 今回のチリ地震津波につきましては、太平洋沿岸の全般にわたり少なからぬ被害を生じましたことに関連いたしまして、気象庁津波予報が適切に行なわれなかったことは、真に遺憾であります。現在の気象庁津波予報体制は、日本近海に起こった地震によって起こる津波に対して備えたものでありましたので、今回のような、地球裏側の、非常な遠いところからくる地震による津波日本に波及したことについて今まで経験がなかったことから、こういう事態になった次第であります。今回、津波予報が適切に発表できなかったことは、この気象庁体制に不備があったのではないかということでありますが、これは、今申し上げましたような、確かに太平洋津波に関する科学的研究が足らなかったということ  を、率直に認めておる次第であります。従って、今回の災害にかんがみまして、気象庁は、津波予報組織を、非常な遠方の大地震の場合にも適合するように強化するという体制をとっておりまして、また、外国からの津波に関する情報が迅速確実に入手できる体制をとるべく、国際的協力等においてもこれを推進する考えでございます。なお、津波の到達を迅速に知る施設整備を十分にする必要があるので、この点も目下成案を急いでおる次第でありまして、太平洋津波に関する研究を極力しておるということで、目下対策を練っておるような次第でございます。  今回の津波に関しまして、和達長官は、御存じのように、世界的な地球物理学者でありますが、今回のこの措置に対しまして非常に遺憾の意を表されまして、自分で辞表を出したいということで先般おいでになりましたけれども、今回のことにつきましては、私運輸大臣といたしましても、また政府としても、十分な、気象庁予算等を要求いたしておりますことについてこれにまた私らの方で努力が足らなかった点もありますので、慰留いたしまして、今後一そうこの趣旨に基づきまして万全の策を講じたいと思うのであります。(拍手)     〔政府委員小枝一雄登壇
  14. 小枝一雄

    政府委員小枝一雄君) お答えをいたします。  今回の災害につきまして、周東議員の御質疑の要点は、主といたしまして、今日、漁船が、しかも、中小漁家中小漁民関係のある至大な問題であるから、この問題を、すみやかに万全の処置をとって解決すべし、という御趣旨でございます。また、もう一つは、真珠等外貨獲得にも役立っており、また、その金額においても非常に多額に上るものでございまして、これの復旧にも特に意を用いろ、ということであったのでございます。また、農地その他農林水産に関する施設に対しまして、万全の処置をとりまして、その復旧を迅速にいたしますとともに、ことに農地等につきましては、今年の再生産に役立つよう迅速なる処置をとることが特に要望されたのでございますが、農林水産に関する災害の総額は、現在までに判明いたしたものがおよそ百三十億以上に上っておると考えるのでございます。その深刻なる問題を考え合わせまして、これらの対策を万全にいたしますることは当然でございまするが、特に周東議員の御質問の要点は、これらに対して伊勢湾当時に行ないましたような特別立法をやる意思があるかどうかということでございました。  農林省当局といたしましては、災害が起こりまするや、直ちにそれぞれ責任ある係官現地に派遣いたしまして、目下調査中でございまして、その調査を待ちまして、その完全を期するために、それぞれ十分な検討をいたしまして、所要の処置を講じ、所要の立法等につきましては、その結果に基づきまして万全な方途を講ずる所存でございます。(拍手
  15. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) これにて質疑は終了いたしました。      ————◇—————
  16. 天野公義

    ○天野公義君 議事日程は延期し、本日はこれにて散会せられんことを望みます。
  17. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 天野君の動議に御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  18. 清瀬一郎

    議長清瀬一郎君) 御異議なしと認めます。よって、動議のごとく決しました。  本日は、これにて散会いたします。     午後五時三十六分散会