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1960-05-26 第34回国会 衆議院 農林水産委員会 第30号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月二十六日(木曜日)     午後三時十二分開議  出席委員    委員長 吉川 久衛君    理事 秋山 利恭君 理事 田口長治郎君    理事 永田 亮一君 理事 丹羽 兵助君    理事 本名  武君       今井  耕君    大倉 三郎君       岡本  茂君    金子 岩三君       金丸  信君    川崎五郎君       久野 忠治君    田邉 國男君       高石幸三郎君    高橋 禎一君       竹内 俊吉君    橋本 正之君       保科善四郎君    坊  秀男君       松岡嘉兵衛君    三和 精一君       森下 國雄君  出席政府委員         農林政務次官  小枝 一雄君         農林事務官         (大臣官房長) 齋藤  誠君         林野庁長官   山崎  齊君  委員外出席者         農林事務官         (大臣官房総務          課長)     東辻 正夫君         農林事務官         (農地局総務課         長)      吉岡  茂君         農林事務官         (水産庁漁政部          長)      林田悠紀夫君         農 林 技 官         (水産庁漁政部         漁業振興課長) 山中 義一君         専  門  員 岩隈  博君     ————————————— 五月二十六日  委員安倍晋太郎君、天野光晴君、加藤常太郎  君、倉成正君、坂田英一君、笹山茂太郎君、田  邉國男君、綱島正興君、野原正勝君、八木徹雄  君、及び保岡武久辞任につき、その補欠とし  て坊秀男君、保科善四郎君、橋本正之君、森下  國雄君、岡本茂君、竹内俊吉君、志賀健次郎  君、川崎五郎君、久野忠治君、大倉三郎君及  び高橋禎一君が議長指名委員に選任され  た。 同日  委員大倉三郎君、岡本茂君、川崎五郎君、久  野忠治君、志賀健次郎君、高橋禎一君、竹内俊  吉君、橋本正之君、保科善四郎君、坊秀男君及  び森下國雄辞任につき、その補欠として八木  徹雄君、坂田英一君、綱島正興君、野原正勝  君、田邉國男君、保岡武久君、笹山茂太郎君、  加藤常太郎君、天野光晴君、安倍晋太郎君及び  倉成正君が議長指名委員に選任された。     ————————————— 五月十八日  農産物加工のための試験研究機関強化に関する  請願井出一太郎紹介)(第四一八四号) 同月二十一日  農業災害補償制度改正に関する請願小林かな  え君紹介)(第四四一四号)  同(阿部五郎紹介)(第四七〇四号)  同外一件(板川正吾紹介)(第四七〇五号)  同外六件(久保三郎紹介)(第四七〇六号)  同(小林進紹介)(第四七〇七号)  同外一件(芳賀貢紹介)(第四七〇八号)  農業災害補償制度改正に関する請願足鹿覺  君紹介)(第四七〇九号)  積雪寒冷単作地帯振興臨時措置法期限延長に  関する請願田中角榮紹介)(第四七一〇  号) 同月二十五日  国有林用苗木買上げに関する請願丹羽喬四郎  君紹介)(第四七三一号)  林業種苗法の一部改正に関する請願丹羽喬四  郎君紹介)(第四七三二号)  農業災害補償制度改正に関する請願中垣國男  君紹介)(第四七三三号)  農業災害補償制度改正に関する請願中垣國  男君紹介)(第四七三四号)  同外六十一件(足鹿覺紹介)(第四九六一  号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  委員派遣承認申請に関する件  農林漁業災害に関する件(チリ地震津波による  農林漁業災害問題)      ————◇—————
  2. 吉川久衛

    吉川委員長 これより会議を開きます。  農林漁業災害に関する件について調査を進めます。  このたびのチリ地震津波による農林漁業災害問題について政府被害状況等説明を求めます。東辻官房総務課長
  3. 東辻正夫

    東辻説明員 二十三日発生しました地震の影響で、二十四日未明、北は北海道から、本州、四国、九州にわたりまして大津波が来襲いたしまして、その被害の現在までわかっておりまする状況につきましてお手元にお配りしてございますが、未報告の県あるいは目下調査中の県もございますので、現在まで判明いたしております概況を申し上げますと、農地農業用施設国係で約三億円、治山関係八千五百万円、水産関係施設で約七十七億円、林産物関係で約三億二千万円、総額にいたしまして八十四億円となっておるわけでございますが、なお今後の調査によりまして相当増加見込みでございます。  なお、この資料を集計いたしました後におきましてお手元に別刷りで配ってございますが、農業用施設につきましては約五億円の増加の額に上っております。また、水産関係につきましては、現在七十七億円ということでございますが、さらに増加する見込みでございます。また、農作物の被害も相当あるようでございますが、これは各調査事務所におきまして目下調査中でございます。  この災害に対しまして、農林省といたしましては、急速協議いたしまして、関係係官現地にそれぞれ派遣いたしまして、目下実情調査現地における対策の指導に当たらしておる次第でございます。また、一方、災害の特にはなはだしかった地区につきましては、応急用の食糧を急送いたし、また、特に被災のはなはだしい市町村におきまする消費者につきましては、内地米臨時特配を行なうようにしたわけでございます。また、一方、各関係金融機関に対しましては、次官名をもちまして、災害用資金の融資について適切な措置をとっていただくように依頼をいたしたようなわけでございます。なお今後におきまして災害状況が判明し次第、これに必要な対策を講じて参りたい、かように考えておる次第でございます。
  4. 吉川久衛

    吉川委員長 質疑の通告があります。これを許します。丹羽兵助君。
  5. 丹羽兵助

    丹羽(兵)委員 ただいま、チリ地震津波による災害に対する対策として政府が万遺憾のないようにあらゆる手段を講じておられることに対して御報告を承り、心からその労に対して敬意を表するものであります。私は、先回襲いました伊勢湾台風被害地の者でございまして、こうした被害地政府がいち早く手を打って災害復旧及び罹災者救済に対する措置を講ぜられることのとうとさというか感謝気持を十分知るものであります。今回この津波に対し政府がとっておられ、またとられつつある対策に対して、被害地罹災者は非常な感謝安心の感を抱くものであろうと思いまして、今後とも大いに一つでき得る限りの力をもって被災者に対する処置を講じていただきたいと思います。  私は、質問と申しまするよりも、ただいま対策としてとっておられる措置について詳しい御報告をいただいて感謝をしておるものでありますが、同僚であり先輩でありまする志賀代議士が、この津波の押し寄せて参りまするときに現地におられまして、津波のおそろしさとその後の惨状をまのあたりに見て、政府の手厚い救援の手を待っておる、とられつつあるけれどももっともっと積極的に強くそれをやってほしいという、現地から来られてのお話をただいま聞きました。本来ならば、みずからこの委員会に出られて、農民・漁民はもちろんのこと、中小商工業者、すべて罹災を受けた各位に対する政府の手厚い救援の方針を承ったり、あるいはまた要望をせらるべきでありましたでしょうが、他の会合との関係でどうしても出られないから、私に、かわって、みずから災害を当時体験してきた真新しい経験の立場に立って、特に政府伊勢湾台風に対してとられたあの措置以上の措置をしていただくように、一つ政府要望してくれぬかという御依頼でございました。私は当然なことだと思うわけでありまして、聞いておりますれば、すべてはやっていただいていて、よろしいようではございまするが、同僚志賀先生が、今申し上げましたように津波の押し害せるときそこにおられ、その後今まで罹災者とともに暮らしておられて、血を吐くような思いで私どもの委員会に呼びかけておられまするから、政府は、伊勢湾正風のときにとられました措置同等程度措置をおとりいただけるものか承り、できることならばそれと同じような措置をとって、こうした津波の被守に対して、今度は非常に広い範囲であるようでありまするから、そういう措置を講じて、一日も早くこの方々安心をせられ立ち上がっていけるようにお願いしたいと思います。私は、質問と、特に志賀さんからの御依頼要望を申し上げたわけであります。  大臣はおいでになりませんが、幸いにして小枝政務次官においでいただきましたので、政府の考えておられるお考えを承っておきたい、こう思います。
  6. 小枝一雄

    小枝政府委員 ただいま丹羽委員から今回の災害に対しまして切実なる御質疑、御要望がございました。今回の一道十六府県に及びます災害は、ただいま事務当局から御説明申し上げましたように、まことに深刻なものがあり、関係罹災者惨状はまことに同情にたえないものがございまして、政府といたしましては、ただいまそれぞれ本省関係からも調査官を被害激甚地に対して派遣をいたし、また、その他の地方につきましてもいやしくれもこの災害関係のあるものにつきましては、それぞれ出先機関等を動員いたしましてつぶさにその実情調査中でございます。従いまして、政府といたしましては、これらの救済処置また、農林脚当局といたしましては、農林水産業に関する施設あるいはその他あらゆる関係のものについて十分なる調査をすみやかに完了いたし、また、これに対する万全なる救済方途を講じたい所存でございます。伊勢湾等過去の災害に対すると同様、あるいはそれ以上の救済方法をもって臨めという強い御要望でございますが、政府といたしましても、いろいろ実情に即しまして万遺憾なき救済方途を講ずる決意でございます。
  7. 丹羽兵助

    丹羽(兵)委員 ただいま小枝政務次官から政府立場に立ってのきわめて御丁寧なと申しまするか、罹災者の身になって、また、立ち上がろうとしておられるそうした方々の心情を察して御答弁をいただきまして、満足するものでございます。これ以上のお答えもなければこれ以上の方法もないし、また、これまでに災害を復旧させるためあるいは罹災者救助のために政府がいち早く手を打って、あらゆる調査対策を考えておられることに対して、先ほど申し上げましたように、私は心から敬意を表するものなんです。さきに申し上げましたように、伊勢湾台風のときに、やはり、平素は政府をいろいろと攻撃をしてみたりあるいは政府のとっておる措置に対して批判を下しておられる人もあるわけなんですけれども、さあ事が起きましたときに、一番たよるもの、また力になってくれるのは政府以外にない。また、与党の政府を鞭撻するといいますか、この措置に対しても、罹災者というものは非常な力にするわけであります。私ども、伊勢湾台風のときに、ほんとうに、政府のとってくれました措置によって九死に一生を得たというか、よみがえったような感謝安心の感を抱きました。だから、罹災者と申しましょうか、被害地の心からたより、助けを求め、また助けてくれるのは政府以外にないのです。世間ではわが党政府のとっておりますすべてのことに思想的な批判をもってごてごて言っているようでありますけれども、こんなときこそ、政府のあたたかい気持国民から信頼される措置を、お話のありましたように十分とっていただいて、国民政府を信頼し、政府をたよる気持を十分養っていただくようにお願いしたいと思います。  特に、私は、さきに申し上げましたように、志賀さんが、現地津波の押し寄せる中にあって、政府のとっておられる措置に対しても、感謝して帰ったと言っておられ、もっとこれ以上できるだけのことをしてくれるように委員会を通じて、ただひとり農林水産関係ばかりじゃなく商工業者に対してもあるいはその他の方々国民全般に対する大きな手厚い措置を講じていただけるように強く要望してくれとのお話でありましたので、質問というよりも、私はかつて罹災をして政府に助けられた一人として強くお願いを申し上げておく次第であります。  ただいまの政務次官の御答弁十分満足をいたすものであります。そのお言葉通りに進めていただきますことを重ねて要望申し上げて、質問を打ち切らしていただきます。      ————◇—————
  8. 吉川久衛

    吉川委員長 次に、委員派遣承認申請に関する件についてお諮りいたします。  このたびのチリ地震津波による農林漁業災害に対し、現地委員派遣してその実情調査いたしたいと存じます。つきましては、派遣委員派遣地期同等の決定については委員長に御一任願い、議長に対し委員派遣承認申請を行ないたいと存じますが、これに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  9. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  なお、ただいまの委員派遣承認申請に際しまして、遠隔地に対する緊急派遣の必要が生じました場合には航空機使用の点もあわせて議長に申請いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  10. 吉川久衛

    吉川委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。  次会は公報をもってお知らせすることとし、本日はこれにて散会いたします。     午後三時二十七分散会