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1960-03-08 第34回国会 衆議院 日米安全保障条約等特別委員会 第5号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年三月八日(火曜日)     午後一時五十六分開議  出席委員    委員長 小澤佐重喜君    理事 井出一太郎君 理事 岩本 信行君    理事 大久保武雄君 理事 櫻内 義雄君    理事 椎熊 三郎君 理事 西村 力弥君    理事 松本 七郎君 理事 竹谷源太郎君       安倍晋太郎君    愛知 揆一君       秋田 大助君    天野 光晴君       石坂  繁君    鍛冶 良作君       鴨田 宗一君    賀屋 興宣君       小林かなえ君    田中 龍夫君       田中 正巳君    渡海元三郎君       床次 徳二君    野田 武夫君       服部 安司君    福家 俊一君       古井 喜實君    保科善四郎君       毛利 松平君    山下 春江君       飛鳥田一雄君    石橋 政嗣君       岡田 春夫君    黒田 寿男君       田中 稔男君    戸叶 里子君       中井徳次郎君    帆足  計君       穗積 七郎君    森島 守人君       横路 節雄君    大貫 大八君       田中幾三郎君    堤 ツルヨ君  出席国務大臣         外 務 大 臣 藤山愛一郎君  出席政府委員         内閣官房長官  椎名悦三郎君         法制局次長   高辻 正巳君         外務大臣官房審         議官      下田 武三君         外務事務官         (アメリカ局長)森  治樹君         外務事務官         (条約局長)  高橋 通敏君  委員外出席者         専  門  員 佐藤 敏人君     ――――――――――――― 三月八日  委員八木一郎君辞任につき、その補欠として賀  屋興宣君が議長の指名で委員に選任された。     ――――――――――――― 三月四日  日米安全保障条約改定案撤回に関する請願(加  賀田進君紹介)(第七〇一号) は本委員会に付託された。     ――――――――――――― 三月二日  日米安全保障条約改定反対に関する陳情書  (  第一九五号)  同  (第一九六号)  同  (第一九七号)  同  (第二八四号)  同  (第三四九号)  同(  第三五〇号)  同  (第三五一号)  日米安全保障条約改定促進に関する陳情書  (第一九八号)  同  (第二八五号) は本委員会参考送付された。     ――――――――――――― 本日の会議に付した案件  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び  安全保障条約締結について承認を求めるの件  (条約第一号)  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び  安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び  に日本国における合衆国軍隊地位に関する協  定の締結について承認を求めるの件(条約第二  号)      ――――◇―――――
  2. 小澤佐重喜

    小澤委員長 これより会議を開きます。  日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約締結について承認を求めるの件、及び、日本国アメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設及び区域並び日本国における合衆国軍隊地位に関する協定締結について承認を求めるの件、右両件を一括議題といたします。  この際、議事進行に関して竹谷君より発言を求められております。これを許します。竹谷源太郎君。
  3. 竹谷源太郎

    竹谷委員 本日は、いよいよ安保審議第二日に入るわけでございますが、われわれに対しまして数個の参考資料も提供せられております。しかし、大切な参考資料が抜けておると思いますので、それについて外務大臣にお伺いしたいのであります。  現行行政協定に基づきまして、合同委員会が設置せられ、これが諸般の問題の実施について重要な協議をし、また、その協議の結果が文書になっておるように存じておりまするが、どのような文書があるのであるか、それをちょっと伺っておきたい。
  4. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 合同委員会ができまして、行政協定のいろいろな施行にあたりまして、両国話し合いをいたしております。それにつきまして、むろん合同委員会議事に対する記録、並びに話し合いがつきましたものについては合意書がございます。
  5. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうしますと、話し合いのついたものについては今、合意書がある、これは合意議事録であるかどうか。そのほかに、議定書プロトコールというようなものがあるやに聞いておるのであるが、その点いかがでございますか。
  6. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 いわゆるプロトコールというものはございません。
  7. 竹谷源太郎

    竹谷委員 ところで、この行政協定実施内容は、直接日本国民に非常に関係が深い、安保条約実施上重要な問題でございまするが、その合同委員会合意議事録が、参考としてわれわれはぜひ必要である、こう考えます。ことに、新行政協定におきましては、現行行政協定に基づいて合意された諸般の重要な問題をそのまま受け継ぐ、こういうふうになっておる。たとえば、新行政協定の第二条第一項の(b)、これによりますと、「合衆国日本国アメリカ合衆国との間の安全保障条約第三条に基く行政協定の終了の時に使用している施設及び区域は、両政府が(a)の規定に従って合意した施設及び区域とみなす。」すなわち現行行政協定によってでき上がっている施設及び区域は、そのまま新行政協定の第二条第一項の(a)によって合同委員会協議締結しなければならないその内容として、今のまま引き継ぐということになるのであるから、——このような規定がほかにもたくさんあります。新行政協定において、従来の非常に日本義務の多かった不平等な行政協定を大幅に改善した、悪い点をのけたという政府の新行政協定に対する説明でありますが、その内容を知るのでなければ、とうていこの審議はできません。そのゆえに、日米合同委員会合意議事録を早急に当委員会に提出をいたしまして、審議の重要な参考とせられるように願いたい。それを要求する次第であります。いかがですか。
  8. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 合同委員会議事録並び合意書は不公表の取り扱いをして話し合いを進めておりますので、そのもの自体は出せませんけれども、それがどういうものを取り扱っているかという内容については、十分な御説明を行ないたいと思います。
  9. 竹谷源太郎

    竹谷委員 そうしますと、それは秘密であるから出せない、しかし、その内容については、御質問に応じていかようにでも説明する、こういうことでありますが、質問に応じて説明するくらいならば、一つ文書にしてそれを出していただけないか。従来秘密であったかもしれませんが、今回の新行政協定を結ぶにあたっては、これはまことに重大である。今度は、それは秘密だというようなことは許されない。新行政協定審議上、これは絶対不可欠の必要条件です。ぜひ文書にして出していただきたい、こういうふうに要求したいのでありますが、外務大臣はぜひ承諾してもらいたい。いかがでございますか。
  10. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 実施にあたりましての説明書は、文書をもってお出しすることができます。ただ、合意議事録及び関係文書全部は、不公表でありますから、出し得ないのであります。
  11. 竹谷源太郎

    竹谷委員 文書で一応出すということでありますから、それを見た上で、とうていそれでは不足であれば、また要求することを留保いたしまして、発言を打ち切ります。     —————————————
  12. 小澤佐重喜

    小澤委員長 前会に引き続き質疑を行ないます。愛知揆一君
  13. 愛知揆一

    愛知委員 私は、前会に引き続きまして、本日は、主として藤山外務大臣に対しまして、本条約案の各条文につきまして、大体逐条的に御質問をいたしたいと思います。  そこで、まず、第一条からでございますが、新条約の第一条は、国連憲章との関係をここに規定されてあるわけであります。現行安保条約締結の当時には、申すまでもありませんが、わが国はいまだ国連に加入しておりませんでした。そういう関係もあって、現行安保条約には、国連憲章との関係が明確に規定されていなかったのでありますが、今回の新安保条約においては、この関係が明瞭にされまして、新条約は、国連憲章の定めるところに従って締結されるものであることが規定されておるわけであります。この点から見ましても、前回に明らかにせられておりますように、新しい安保条約の平和的な、防衛的な性格は、一段と明らかにせられておると思うのであります。  そこで、第一条の文言でありますけれどもまず、締約国国連憲章に定めるところに従い、国際紛争平和的手段によって解決することということが明らかになっております。また、国際関係において、武力による威嚇または武力行使を慎しむことということも、ここに明文化されておるわけであります。この条項によりまして、ただいま申しましたように、安保条約における防衛的性格というものが非常にはっきりし、また、いわば防衛条項とでもいうべき規定が発動するのは、あくまで国連憲章ワクの中である。これを言いかえますと、外部からの武力攻撃に対して、国連憲章第五十一条による個別的または集団的な自衛権の固有の権利行使する場合に限られるものであるということが、明らかになったものであると私は読むのでありますが、この点についての外務大臣の御意見を承りたいのであります。  なお、これに関連いたしまして、第一条の第二項には「締約国は他の平和愛好国と協同して、国際の平和及び安全を維持する国際連合任務が一層効果的に遂行されるように国際連合強化することに努力する。」こういう条項が入っておるのでありますが、前回質疑応答で明らかになりましたように、この集団安全保障条約というものは、現在約四十二ほどの条約があるようでありますが、そうした他の安全保障条約において、この第一条の第二項のような規定というものがあるかどうかという点を、あわせて伺いたいと思いますし、また、特にこれがこの第二項に入りましたことは、私の理解するところでは、今回のこの締約国は、両国が相協力して国際連合というものの機能を一段と補完するというところに、積極的な大きな意味があるのではなかろうかと思うのでありますが、ただいま申しました第一条の第一項及び第二項につきまして、詳細に外務大臣の御意見を伺いたいと思うのであります。
  14. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 第一条は、ただいま愛知委員もお述べになりましたように、国連との関係、あるいは国連ワク内においてこの条約が動いていくということ、また、国連精神両国が尊重して参るということを端的に規定した条文でございます。日本といたしましては、平和的な手段によりまして国際紛争を解決する、武力による威嚇または武力行使を、いかなる国の領土に対しても、あるいは政治的独立に対しても、そういうことは行なわないという国際連合精神をここに書き表わしたものでありまして、現在までの条約におきましては国連に加盟しておりませんから、後に交換公文等をもつ、国連精神に準拠するようにはいたしたのでありますけれども、しかし、今回の条約においては、それを正確に、また明らかに、条文の上に具体化して参ったわけであります。従いまして、国連精神と申すものは、五十一条の規定にもございますように、また、国連憲章全体を流れている精神から申しましても、平和的に紛争を解決していくのだ、そうして、武力威嚇または行使を進んでこれを行なわないのだという精神であることむろんでありまして、従いまして、やむを得ず侵略がありましたときに、それに抵抗するだけの力を発揮せざるを得ない場合にのみ、武力行使が行なわれるのだということでありますので、全く防衛的と申しますか、自衛的なものでいわゆる進んで戦争をするような精神のものではございません。  なお、後段にございます「締約国は、他の平和愛好国と協同して、」云々というのは、他のこの種の条約にはないことでございまして、われわれといたしましては、国連によって平和を維持していくということを念願といたしております。今申し上げましたように、それを念願といたしておりますけれども、まだ国連の十分な機能が発揮されない間、集団的もしくは個別的な自衛権を認められておるのでありますから、その範囲内でやって参りますけれども、しかし、国連機能が、そうした国連自身によりまして平和維持をされるような状態国連がなりますことが、一番望ましいことでありますので、そういう意味において、国連メンバーとして、われわれ両国はできるだけ国連強化を将来にわたっていたして参りたい、そしてその強化することによって、国連によって平和が維持されていくということを念願いたすものでございますから、その両者の決意をここに表明いたしたのでございまして、他の条約にはない特異な条文でございます。
  15. 愛知揆一

    愛知委員 ただいまの御答弁で、この第一条の第二項が、他の同種の条約にないということは、私は大きな特徴であろうかと思うのであります。従って、この表現は非常にまずいのでありますけれども、いわば防衛的な性格であるということの消極的な面においては、国連現行憲章ワク内である。しかし、同時に、積極的な両国民の願望として、世界の平和というものを何とかして成就したい、それには国連というものの任務が、より一そう効果的に、またすみやかに遂行できるように強化していくということをうたい込んだということは、私は非常に大きな意味であると思うのであります。     〔委員長退席椎熊委員長代理着席〕 こういった条文が入りましたにつきましては、外務大臣としても、今後一そう積極的に、この第二項に掲げられたような国連任務というものが、効果的に遂行されるように、そうして国連強化されるようにということについては、一段と御努力あってしかるべきであると思うのでありますが、それらについての御構想がおありであれば伺いたいと思います。
  16. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 国連機能強化して参りますことは、当然日本の考えておりますところでありまして、御承知のように、戦後サンフランシスコにおいて国連が発足して以来、すでに十数年もたっております。従いまして、最初国連ができましたときには、加盟国の数も少なかったのでありますが、現在すでに八十三カ国、あるいは今後メンバーの数もさらにふえて参るわけでありまして、世界的な規模において、メンバーの数も配置されていくことになろうかと思います。また、その後の事情から申しまして、国連が現在の機能の中におきましても、スエズ問題なりその他貢献して参りましたところ多大であります。しかしながら、十数年たっておりますので、それらの経験に照らしまして、国連組織または機能というものに対して、さらに強化するために検討すべき時期にもかかってきております。国連のそうした問題について、いろいろ各方面でも漸次論議がされておりますが、日本といたしましても、国連のそれらの組織機能等についての強化拡充というものにつきましては、十分関心を持っておりますので、私も、昨年の国連総会冒頭演説におきまして、そうした点にも触れたわけでありまして、今後国連機能が十分に発動するように、充実して参りますように、一そうの努力をして参りたい、こう考えております。
  17. 愛知揆一

    愛知委員 次に、第二条でございますが、この第二条の点につきましては、前会、主として経済協力の問題について、総理大臣の御見解をただしたわけでありますが、この第二条は、私は、やはり第一条の第二項と同じように、おそらく他のこうした種類条約安全保障条約には、類例のない規定であると思うのでありますが、まず、その点はいかがでありましょう。
  18. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この規定は、NATOその他類似の規定に、これと同じではございませんけれども、ある程度こういう種類表現がございます。
  19. 愛知揆一

    愛知委員 そこで、経済協力の問題は、一応前会も質疑をいたしましたので省略いたしますが、この第二条におきましては、「自由な諸制度強化することにより、これらの制度基礎をなす原則の理解を促進することにより、並びに安定及び福祉条件を助長することによって、」云々で、「友好的な国際関係の一層の発展に貢献する。」こう前段にあるわけでございます。この前段にあります点は、必ずしもこれは経済協力という意味だけではないのであって、むしろ国際経済政策におけるいろいろの点で両国協力を促進するというのは、後段であろうかと思うのでありますけれども、この前段において、自由な諸制度強化を初めここにあげられているようなことは、大体どういうことを考えられておるのでありましょうか。できるだけ明らかにしていただきたいと思います。
  20. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この第二条の条項は、両国自由主義を信奉しております。そうした立場からしまして、当然その持っております自由な諸制度強化していくということをうたっておるのでありますし、また、これらの制度基礎をなす原理の理解を促進するということは、自由主義の、ある意味からいえば、哲学的基礎と申しますか、そうしたものをお互い理解し、また、理解の上に立って、これを全面的に、世界に対しても十分示して進めて参りますことが、世界の安定及び福祉条件のためにもかなうわけでありますし、さらに進んで、それを助長することになっていくわけでございます。従いまして、われわれとしては、要するに、人間の自由な活動、人間の個人の尊厳というものの上に立ちまして、そうしてでき上がっております自由主義制度というものが、強権的な制度のものよりも、世界福祉に貢献をするということを確信いたしておりますので、そういう点をここに書き表わしたのでございます。
  21. 愛知揆一

    愛知委員 どうもこの第二条は、これまた非常に特色のある規定であると思うのでありますけれども、率直に申しまして、もう少しこの第二条を活用して、こういう点においてこうこうこういうことの実現をするのであるということを、もう少し明確にしたいと思うのでありますけれども、これは調印早々でもあり、そうこまかい具体的な構想がないということもあるいはやむを得ないかと思いますが、私は第一条の第一項とあわせまして、せっかくのこの新安保条約特色である点を大いに生かすように、一段の御努力が願いたいと思うのであります。  次に、第三条でございますが、この第三条の規定につきましては、つい二、三日前に、参議院予算委員会等におきましても、論議があったように拝聴しておるのでありますが、この第三条の、締約国は、自助及び相互援助により、武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力を、維持し発展させる、こういう趣旨条項の明快なる解釈ということが大切なことであると思うのであります。これは申すまでもなく、アメリカのいわゆるバンデンバーグ決議との関連があるわけでありましょうが、同時に、この規定は、ここにも規定の上に「憲法上の規定に従うことを条件として、」という明文がありますように、わが国の特殊の事情をも考えられて規定されたものであって、これまた、私は特色のある規定であると思うのであります。現行安保条約にはこの趣旨規定が欠けておりましたのは、当時のわが国状態からいって、いわゆる自助能力もまた欠けておったからであるにほかならないと思うのであります。しかし今日におきましては、ある程度わが国必要最小限度自衛能力も持ち、従って、相互援助の力というものも持つに至りましたため、主権を持つ独立国としては、私は当然のことであると思うのでありまして、この条約を改定する限りにおいて、こうした規定が入ったことになる、そういう経緯であると思うのであります。ところが、世上一部では、この規定をこういうふうに解釈する向きがないではないのであります。すなわち、わが国は、この第三条という規定を設けましたために、この規定によって、新たに防衛力維持する義務を負うたものである、この条約の第三条の規定から、そういう義務を新たに負ったものであると解釈する者があるのでありますが、この点についてどういうふうにお考えになりますか。
  22. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 独立国がそれぞれ自分の国を守るだけの能力維持して参りますことは、これは当然のことだと思います。従いまして、その趣旨をうたうことは当然のことでありましょうが、同時にまた、アメリカが、お話のようなバンデンバーグ決議でありますけれども、バンデンバーグは、御承知通り孤立主義者でありましたが、それが世界的な協調主義者と申しますか、アメリカ以外の国と手を握っていこうというように変化を持ちましたときに、出しました決議案一つで、自分気持を表わした決議一つであろうと思います。それには、お互いにこういうような協力をする態勢を整えていく相手の国としては、自分自身がやはり防衛という自衛のための能力を持っていく国同士と、お互いにこういうことをやらなければ、相手国がちっとも防衛能力を持っていない国とやるわけにいかないというのが、いわゆる孤立主義を捨てましたときのバンデンバーグ気持であったと思います。これがアメリカの他のこの種条約を通じての精神でもあったわけであります。最初に申し上げましたように、自分自身自分を守るということは、その国の独立維持するために当然のことでありますので、従って、その当然のことを第三条にお互いに書き表わしまして、その協力の上に立っていこう、こういうことでございます。ただ、日本憲法の特殊の立場もいろいろございます。従いまして、「憲法上の規定に従うことを条件として、」こういう文字を入れて、われわれは厳に現在の憲法を守っていくという立場をとったわけでございます。武力攻撃に抵抗するそれぞれの能力、これは武力によって侵略を受けた、あるいは攻撃を受けたというときの能力を、日本日本アメリカアメリカというか、それぞれ維持、発展さしていこうということであります。これは今申し上げましたように、独立国家として、自衛のために当然なすべき自分権利でもあり、それをお互いに宣言し合ったのでありまして、新しい何らの義務をこれによって負ったことには相ならぬのでございます。
  23. 愛知揆一

    愛知委員 私は、まだ参議院速記録ができておりませんので、新聞によって読んだだけなんでありますけれども、それぞれの能力ということが、この条約の作成にあたりまして、非常に意味のあった点ではないかと思うのであります。いわゆる英文で言えば、ゼア・キャパシティズとあって、複数になっておる。それはそれぞれの能力維持、発展させる、そういうお互い努力を誓い合ったといいますか、宣言し合った、こういうことであって、この条約によって一つの集団的な防衛の力というものを誓い合ったものではない。すなわち、これをもう少し平たく言えば、日本自体が、新たにこの条約によって防衛維持義務というものを負うたものではないのだ、このことがはっきりしりたものであると思うのでありますけれども、その点はどうでございましょうか。明確な御意見をはっきりさしていただきたい。
  24. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 その通りでございます。なお、英文の問題につきましては、条約局長から御説明いたさせます。
  25. 高橋通敏

    高橋(通)政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、第三条のこのような条文は、通常他条約におきましては、個別的または集団的能力というふうに、「集団的」という言葉を使ってある次第であります。この条約におきましては、その集団的と申しますと、あるいは彼此相合して、打って一丸としたというような印象を与えますので、そのような印象を除去するためにも、集団的という能力を削除いたしまして、そして能力の点を複数にいたしまして、それぞれの能力というふうにいたした次第でございます。     〔椎熊委員長代理退席委員長着席
  26. 愛知揆一

    愛知委員 そこで、それぞれの能力でありますから、日本自体としての能力というものは、日本側とすれば、日本側憲法上の規定に従うことは当然である。そこへ、後段にかかってきて、非常にその間の観念が明確になると思うのです。その通り理解してよろしゅうございますか。
  27. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 その通りでございます。
  28. 愛知揆一

    愛知委員 次に、第四条につきましては先般総理に対しまして、詳しくこの内容について質疑をいたしましたので、一応省略いたします。あとで関連した点については、戻ってまた伺うことがあるかと思います。  第五条でございますが、これは両国防衛義務について規定されておるものでありますが、前に申し述べましたように、現行安保条約では、米国は日本に駐留する権利があるが、わが国防衛する義務規定されていない。従って、現行安保条約は片務的であって、不平等であるとよくいわれてきたわけであります。今回のこの改定によりまして、第五条はこの点を明確にし、しかも、わが国の特殊の国情等からいいまして、北大西洋条約機構等と異なりまして、この条約の適用地域を、日本国の施政のもとにある領域ということに限定されておる。かつ、この第五条においても、第三条と同じように、自国の憲法上の規定に従うということを明らかにされてあるわけであります。しかも、この条項が発動するのは、前段に伺いましたところで明らかでありますが、外部からの武力攻撃があった場合に限られるわけでございます。そこで、この第五条に関連しといいますか、この点ではっきりさせたいと思いますのは、言葉は練れませんかもしれませんが、いわゆる先制攻撃というようなことが、よく言葉としては使われるわけでありますが、ここに規定されてあるような条文から申しますと、先制攻撃というようなことはどういうふうに考えられるか、私はそういうことは絶対にあり得ないと考えるのでありますが、この点について外務大臣の御意見を伺いたい。
  29. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この第五条は、非常に特色のある条項だと思います。今回の安保条約一つの重要な点でございます。日本国の施政のもとにある領域ということに限定をしておりますので、いわゆる相互防衛条約ではございません。日本の施政下にある領域だけが、この条約の地域になっておるわけでございます。そしてなお、日本憲法上の規定もございますので、われわれといたしましては、この憲法上の規定に従っていくことは当然のことでありまして、従って、自衛のためにのみ行動するということも、これまた当然のことでございます。御承知のように、アメリカは集団的な自衛権を持っておりますが、日本といたしましては個別的な自衛権の発動によって武力攻撃に対処することになりますので、そういうことでこれを解釈していただくのが当然だと思います。そこで、今お話しのありましたような、何か先制的な攻撃をこちらからかけるというようなことは、全くこれから排除されておるものでありまして、そういうことは全然ございません。
  30. 愛知揆一

    愛知委員 先ほどもお伺いしましたように、先制攻撃といっても、言葉が練れない関係もございますが、防御の目的であろうが何であろうが、先制攻撃ということはない、こういう意味理解してよろしいかと思いますが、いかがでしょうか。
  31. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 その通りでございます。
  32. 愛知揆一

    愛知委員 その点につきましては、この第五条の第二項において、この場合にとられた措置というものが、必ず国連憲章五十一条によって安保理事会に報告されなければならない。また、安保理事会が必要な措置をとったときには、終止しなければならないということが、わざわざ第五条に引用されてあるという点から申しましても、この条項は、外部から現実にわが国武力攻撃が加えられない限りは、絶対に日米両国が行動することはないということをきわめて明らかにしていると思うのでありまして、ただいまの外務大臣のお答えの通りと思います。  ところで、もう一段、世間の一部には、あとの規定に関連いたしますが、わが国の領域内にあるアメリカ軍の基地に対しまして外部から攻撃がありましたときは、この新しい安保条約によって、新たにわが国に共同防衛義務を生ずるのではないかということを言う人があるわけであります。つまり、「日本国の施政の下にある領域における、いずれか一方」、すなわち、米軍の基地に対して外部から攻撃があったときには、こういう書き方になっておると、この条約によってわが国にすぐに共同防衛義務が生ずるのである、こういう説をする人がありまして、自然そうなると大へんなことになるではないか、また、そういう点については現行条約規定の仕方が違うではないか、こういう説をなす人があるのでありますが、これらに対して外務大臣はどういうふうにお考えになっておるか、また、条約文の解釈はどういうふうに明確にされておるか、この点をあわせて伺いたいと思います。
  33. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 ただいま申し上げましたように、武力攻撃がなければ、この条項は発動いたさないわけであります。そこで、全く自衛的な措置であるわけでありますが、この条約によりまして、アメリカの、日本の平和と安全のために駐屯しております軍隊に攻撃がありました場合には、日本の領土、領海、領空を侵さないで攻撃することはできませんし、そのこと自体を、日本に対する武力攻撃とみなすのが当然でございます。従いまして、それに対して日本が——アメリカも戦闘状態に入るかもしれません、防衛状態に入るかもしれません。日本としても、当然日本の領土、領空を侵されましたときには、防衛をいたすのがあたりまえのことでございまして、その意味において、何ら新しいことではない。日本防衛力の発動ということに相なるわけでございます。
  34. 愛知揆一

    愛知委員 その点は、現行条約規定と何ら変化はない、こういうことでございますね。
  35. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 その通りでございます。
  36. 愛知揆一

    愛知委員 次に、やはりこの第五条についてでございますが、日本国の施政下にある領域、すなわち、施政地域というものが、いわゆる適用の地域である、このことはこの条文ではっきりしておるわけであります。その関係から、沖縄、小笠原というようなところがこの適用地域に入らないということはやむを得ないといいますか、おのずからそうなるわけでございますが、ところで、沖縄には、申すまでもありませんが、多数の日本人がおります。また、万々一の非常事態というようなことが起こりましたようなときに、われわれとして、全く無関心であるというようなことは、国民感情としても許さないわけであります、そういう場合に対処しての考え方かと思いますが、あらかじめ日米間に合意議事録が作成されておる。そうして、日米間の緊密な協議、あるいは防衛のための必要な措置、並びに島民の福祉を確保する意図というものが表明された、これだけの合意議事録というものが作成されたということは、けっこうなことだと思うのであります。しかし、率直に申しまして、まだまだこれではもの足りない感じがするのであります。私は、この問題に関連いたしまして、これらの地域の施政権の返還ということについて、安保条約締結に関連いたしまして政府はどういう決意、また、その決意に基づいてどういう方策をもってこれから邁進されんとしておるか、それらの点について伺いたいと思うわけであります。
  37. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 今回の安保条約におきまして施政下の地域と限定いたしましたことは、現状においては、当然われわれとして、日本の施政権のないところにこの条約を伸ばすべきではないということのもとにこういう規定をいたしたわけであります。従いまして、沖縄、小笠原というものは施政権がございません、また、アメリカ防衛任務を持っておりますので、これを除外いたしたわけでございます。ただ、お話しのように、沖縄におります島民の諸君は日本人でありますし、この方々の福祉というものは、われわれといたしましては十分関心を持っていることは申すまでもございません。従いまして、これらの方々のいろいろな福祉の問題につきましては、われわれは常時関心を持っております。ことに武力攻撃でも起こりましたようなときには、その島民の方々の福祉ということについて、日本人として心配せざるを得ぬのでありますから、何かそういうときに措置をとり得るならば、とりたいという念願国民一般の念願だと思います。従いまして、合意された議事録によりまして、そのことを協議して参るようにいたしたわけでございます。お話しのように、施政権の返還の問題というものは日本国民の念願でございます。ただ、この問題は、安保条約の改定交渉とは全く別個のものでございますので、われわれは今後とも外交ルートを通じまして、アメリカに対して施政権の返還については絶えず注意を促して参りたい、こういう覚悟でございます。
  38. 愛知揆一

    愛知委員 ただいまの問題につきましては、私としては、なお一段の国民的な要望を背景にいたしました格段の御努力というものが、政府側において望ましい措置であるということを申し上げておきたいと思います。  それから次に、この第五条と、それから第六条並びに第六条に関する交換公文等に関連する点につきまして、二、三点お伺いいたしたいのであります。と申しますのは、第六条に関する交換公文では、これは文章の上で見ますと、「(前記の条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。)」ということが書いてございますから、裏から言えば、第五条の場合におきましては、いわゆる事前協議というものは要らないということになるわけであります。それはそういうふうに読めもいたしまするし、それで実体はよろしいのかと思いますけれども、わざわざこの交換公文の上で、「第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。」こうありまするが、この関係はどういうふうに解釈すべきものであるか、あるいはこの交換公文ができたときの考え方というものはどういう考え方であったのか、この点を伺いたい。
  39. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 ただいまの御質問は、交換公文におきまして、戦闘作戦行動の事前協議の場合に、「(前記の条約第五条の規定に基づいて行なわれるものを除く。)」と特に規定したのでありますが、その規定についてのお話だと思います。この第五条におきまして、日本武力攻撃を受けまして、あるいはその場合には当然日本自衛措置をとる、また、日本に駐留しておりますアメリカ軍が攻撃をされましたときも当然日本攻撃されたことなんでありますから、当然自衛の措置をとるわけであります。そういう意味におきまして、これは当然のことでありますから、除くべきであるのは当然でありまして、そういう場合に事前協議の必要はないわけでございます。
  40. 愛知揆一

    愛知委員 ただいまの御答弁は了承いたしました。  それから次に、第六条に関する交換公文について、いま一点、念のために伺いたいのでありますが、第六条に関する交換公文をさらっと一読いたしますと、施設及び区域の使用ということが、何といいますか、客語というか、これが対象になっておるように読めるわけであります。しかしながら、この事前協議の問題はきわめて重大な問題であり、また、前回、総理にもこの点は詳細に伺ったわけでありまするが、この交換公文の文理上から——文理上というと語弊がございますが、また、三百代言的に読む人がかりにありますると、地域というものと使用というものと、関連がどういうふうになっておるかという点を問題にする人があろうかと思います。この点については、戦闘作戦行動それ自体、それからその対象となる地域というものは、当然にこの交換公文にいわれるところの事前協議の対象になるのである、私はこう思うのでありますが、この点も、念のため明確にしておいていただきたいと思います。
  41. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この交換公文におきまして、戦闘作戦行動のために、日本の基地と申しますか、施設及び区域でありますが、施設及び区域を使用すること、そのことが事前協議の対象になるわけであります。それでありますから、戦闘作戦行動のどういう範囲でやるかというような問題については、この事前協議の対象ではございません。
  42. 愛知揆一

    愛知委員 この施設及び区域を使用して、どういう作戦行動をするかということが事前協議の自主的な対象になる、こういう趣旨であると思いますが、いかがですか。
  43. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 六条自体から出て参りますものは、当然それでございます。むろん、この条約全体からいいまして、これが防衛的のものであり、あるいは国連憲章に準拠しておるものであるというような、また、日本の平和と安全、あるいは極東の平和と安全に寄与するものであるというような立場からのいろいろな制約は、考えて参らなければならぬ。六条自体では、戦闘作戦行動のために基地を使用する、施設を使用する、こういうことでございます。
  44. 愛知揆一

    愛知委員 それからその次に、第六条の本文でありますけれども、先ほど私、第五条で申しましたが、第五条の場合は、国連憲章の第五十一条の規定というものが、念のためといいますか、わざわざここで正確に引用されておる。それから第六条の出動という場合には、米国側のことではありますけれども、国連憲章との関係、あるいは五十一条の規定というものがここでは援用され、あるいは引用されていない、これにはそれ相応の理由もあり、ここに書かれていないということが、別段の意味があるものではないと私思いますけれども、やはりいろいろと揣摩憶測や曲解、誤解がある際でありますから、この点についても政府の見解というものを明確にしておかれる必要があると思いますが、いかがでありましょうか。
  45. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 この交換公文は、表題にもございますように、「条約第六条の実施に関する交換公文」でございます。従いまして、六条と一体になって読んでいただくのが本旨でございまして、そういう意味におきまして、交換公文に別段の規定を置いておかなくても、六条全体として読んでいただけばおわかりいただけると思います。
  46. 愛知揆一

    愛知委員 ちょっとそこのところが、今の点は不明確であると思います。私がただいまお伺いいたしたのは、交換公文ではございませんで、第六条本文でございました。第六条の本文で、もちろん、これは交換公文によるところの所要の手続をした後のことであることは当然でありますけれども、第六条で、米軍が出動いたしました場合に、それは米軍自体のことではあろうかもしれないけれども、国連との関係がどうなるものであるか、第五条の場合にとられたところの日本としての措置は、国連憲章第五十一条ということが明確にここに引っぱってある。ところが、第六条の場合にはこれがない。ないにはないだけの理由が当然あると私は思いますけれども、それは米軍として、たとえば国連憲章によることは当然過ぎるぐらい当然なんだからというようなことが解釈の根拠であるのか、あるいはそれ以外にどういう理由があるかということを、私は第六条について伺っているわけでありますが、この点は、やはり明確にしておいていただく必要があると思います。なお、くどいようでありますが、この点は第七条との関係も私はあろうかと思うのでありますが、あわせて御答弁をお願いいたしたい。
  47. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 アメリカ軍が行動する場合に、国連憲章に準拠して行動することは当然のことでありまして、当然過ぎるほど当然なことだということを申し上げなければならぬと思います。そうして、今回の条約におきましては、ただいま七条についてもお話がありましたように、国連憲章全体をかぶっておるのでありまして、第五条につきましてもその措置をとっておりますが、第六条は、当然のことでありますから、特にこの際ここには明記しなかっただけのことでございます。
  48. 愛知揆一

    愛知委員 大体逐条的に伺っていきまして、ただいままでのところで、大体において私の伺いたいところは終了するわけでございますが、第八条、第九条については、特に伺う点はないのであります。  第十条は、条約の期限が規定されておるわけでございます。現行条約については、申すまでもなく、期限がなかったわけでありますが、しかし期限の定めは、現行条約ではなかったから、たとえば社会党が主張されるように、これを一方的に解消すつるというようなことは条約違反を起こさない限りは私は不可能なことであったと思うのであります。さて、一面において、この点もいろいろ論議の対象になったところであると思うのでありますけれども、米韓、米比の条約のように、一年の予告期間で解消させることができるということになっておるのは、むしろこの種の条約では例外的なものであって、たとえば、北大西洋条約では一十年の期限になっておる。あるいはまた、条約性格が、前回明らかにされましたように、全然違うので、ありますけれども、たとえば、中ソ友好同盟条約は三十年というような期限がつけられておる。こういうような、いろいろの点から考えてみまして、十年の期限というものは日米間の安全性を継続的に保たせ、安定さしていくという見地からしますと、適当であるかと思うのであります。しかも、この第十条に掲げてありまするように、国連の機構というものが十分の効果を上げ得るように完成するならば、両国の合意によって効力を失うということも明定されるわけでありますので、私は、これについてはけっこうな規定だと思うのであります。ただ、一般的に、国際条約の原則といたしまして、重大な情勢の変化があったというようなときの、いわゆる事情変更の原則というようなことは、これはこの条約に限らず、双方が合意せられた場合に、事情変更の原則によって処理することがあり得るというようなことは、私は、申すまでもないことであって、当然のことと思うのでありますが、こうしたような考え方について、外務大臣の御意見を伺いたいと思うのであります。
  49. 藤山愛一郎

    藤山国務大臣 お説のように、現行のような期限のない条約を、国際信用を損じないで破棄するわけには参りません。従いまして、適当な期限をつけますことは必要なことでございます。そこで、この条約を十年にしたことにつきまして、われわれ、今日までのこの種の条約を見ておりますと、NATO条約が二十年であり、中ソ友好同盟条約なり、ワルソー条約が、三十年もしくは二十年という期限がついております。従って、この条約自身というものは、全く戦争を防止するような意味において作っておるわけでありますから、ある一定の安定期間が必要であることむろんであります。従いまして、一年で破棄し得るような条約を作りますことは、この種条約を安定的にやりまして、そうして平和維持の機構として持って参りますのには、適当であろうとは考えておりません。従いまして、十年が適当だと考えております。同時に、前段に述べておりますように、国連が何らかの措置をいたしますれば、むろんこの条約は、そのときに解消することになるわけでございます。また、お説のように、何か国際情勢に非常に大きな変化ができましたとき、たとえば、軍縮が非常に進んで、達成されて、全廃というような状況になるような時期がありますれば、むろん両国が合意の上で、こういう条約を改定することは当然できることでございます。
  50. 愛知揆一

    愛知委員 逐条的な、本条約案それ自体についての私の質疑は、以上で一応終了いたします。
  51. 小澤佐重喜

    小澤委員長 本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十四分散会