○中尾
説明員 自衛官の場合も、増員をいたしますれば当然新規の人がふえるのが普通であろうと思います。事務といいますか、自衛官以外の
関係の人を七千人余り増員をいたしますが、これは繰り返して申し上げますが、
仕事の
関係でこれだけふやす必要があるということで認めた人数でございます。実員の問題ではございません。
仕事の方の
関係から参っておるわけであります。先ほどから財政負担との関連でいろいろお話がございまするが、
仕事は必要であるから従ってそれはやっていく、しかしながら金がないから人を切ってしまう、それで労働
強化をするというようなことでは査定にはならないのであります。人間だけでは
仕事はできません。人間と事業費と、いろいろなものを合わせまして
予算ができておるわけであります。従って
予算全体といたしまして当然
予算をまとめて参りまするから、やりたい
仕事でけっこうな
仕事が一ぱいございましても、あるものはがまんしてやっていく、あるものはあきらめてやっていく、あるものはクレバーな方法で
能率的にやっていくということで、それよりほかに方法はないわけであります。そういうことが前提になりまして、その場合にその
事業量から見て、現在の人間に対してよけい必要であるということであれば、その増員を認めるわけであります。もちろん
業務量との
関係で人間を見ますと、
業務と申しましても比較的継続的な事業になっておるような
現業的な
仕事でございますと、そういう点が非常に明瞭に出て参ります。ここ数年来の増員は、主としてそういう
関係を見ておるわけである。一般の事務の方ももちろんそれと同じことでございますが、これは実はいろいろな
関係がありまして、
仕事がふえるから、もちろん人も必要なのでありますが、一方で
仕事の重点の置き方というようなもの、あるいは施策の
方向といったようなものは、
各省の
行政につきまして時々刻々多かれ少なかれ変わっておるわけであります。従いまして、そういうようなものを配置転換というものでやっていくというふうな部分が相当にきくのであります。これは
現業の場合と異なるわけであります。同時にまた人がふえますと
仕事がふえるという
関係もあるわけでございまして、そういうような
関係から見て、事務的な
職員の
定員を見ておるわけであります。しかし大まかに申し上げますならば、七千何ぼと申しまするが、これは大部分が定型的な
業務でございまして、企画的な
仕事ではない。そういう人についての増員がここ数年来認められておるわけでございます。今回でいえば、国民年金支給事務といったようなものが大きなウエートを占めておるわけであります。いずれにいたしましてもこれらの
定員が必要であるということで、はっきりそれを
定員として
予算上も認め、それから
法律的にも措置をいたしていくわけであります。防衛庁の場合も、これはもちろん同様であります。防衛
計画をどういうふうに漸増していくかという問題が前提にございます。この問題自体は問題がございますといたしましても、
定員の問題ではございません。それが前提になりまして、員数の問題になってくるわけでございます。なお防衛庁の場合の増員にいたしましても、いずれもこれは特別職ではございまするが、一般の
国家公務員に準ずるような試験の
制度もございまするし、任用の
制度もございまするし、いろいろな統制がございます。それで増員をいたしていくわけであります。それに対しまして、この
定員法の
関係から見ますと、今の
常勤非常勤という問題がございます。これは防衛庁の
関係とか、あるいは
定員の
職員で、今回増員いたしますような
関係とは全然異なるのでございまして、実員の方が先にできてしまうのであります。それで一年
たち二年
たちということでありまして、そういうことの事実が先に出て参るわけであります。日々雇い入れましても、継続して長く勤めるということからできて参るわけであります。継続して一定の
仕事なり、一定の事業所に勤めていきますれば、これは
一つの事実でございますから、それにふさわしい取り扱いが必要であるということは言うを待ちませんが、ただ現在の
制度ではそれを定数的に押えることは不可能でございます。たとえば公共事業である川を直す。何千万という経費がございましても、ある場合には資材費になり、ある場合には人夫費になるわけであります。その人夫のうちから、たまたまことしは何名が何年以上になった。だからこれだけは
定員であるというようなことは、とうてい
予算といたしましても、あるいは
行政管理庁の
定員といたしましても、
管理することはできないと思います。
定員化というようなお話がよくありますが、
定員化いたしてみましても、それ自体としてはいかなる意味を持つものか、わけのわからぬものになるわけであります。従ってこの
定員というものがどういうところまで及ぼして
管理しておけば、全体の目的を達するか。しかも今言った日々雇い入れの形でもって雇われておる
方々の処遇に対して、これに悪
影響を及ぼさないような形にするのはどうしたらいいか。おそらくいかなる
制度をもちましても、公共事業とか、その他いろいろな
業務関係の日々雇い入れの
職員は、延べ時間みたいなもので
予算が組んであるわけでありますし、機械との代替性もあります。だからその点を解明して、それが何人要るとか、あるいはそれをふやすとか減らすとか、そのうちから数年たっておる者が何人であるかというようなことを
管理統制する
制度は、私はできないと存じます。しかし実情はできないままに、そういう
方々がおられまして、それが長くなると今度は
定員に入れろ、
定員に入れないと今度は長く勤めたことに値するところの処遇が与えられないという関連
関係があるわけでありまして、これはむしろ
定員としては迷惑な話でありますが、そういうような
制度のからみ合わせになっている。その辺をもう少し事をかみ分けた、どちらも立つような
制度を
考えようじゃないかというところにあるのであります。従いまして先ほどからたびたび御
質問でうかがえるのでありますが、四万何千人といったようなそういう
方々、これは決してそういう固定した人ではないのでありまして、こう言ってここでお話し申し上げておる間にも、在職年をだんだん積み上げて、だんだんその仲間に入ってくる人がよけいにいるわけでありまして、だからどこで区切りをつけるというわけにはいかぬわけであります。そういう
方々の問題、これ自体としてはそういうことで
考えて参ります。と同時に
定員法をやはり、これはどういう形になるか存じませんが、今後の検討によりまして、国家
行政組織というものの大きさ、
行政のポストというものも重要な要素になるわけであります。国民の財政負担にも重要な
影響があります。ひいては限られた財政負担でまかなうところの人件費、給与という問題にも重大な
関係がございます。従ってこれが的確にコントロールされておる——何も入れるとかふやすとかいうことを申し上げておるのではないので、合理的にそれが
管理されておるということがきわめて必要なわけであります。現在のところは、
定員法にとりましては実員の方が先にできてしまって、
定員法の方が追っかけていっている。これは
仕事の方の
関係からの相違もある。それで追っかけていってみたところで、実員のことでありますから、また翌日は別の問題が起こる。これでは
制度にならないわけでありまして、今までの
制度の運用なりあるいは
公務員制度と
定員法の
関係の組み合わせなりが適切を欠いておったということは、明瞭な事実として申し上げざるを得ないと思います。それでこういうことになってしまったのでありますが、今申し上げましたようなことの理解で、これを断ち切りまして、国家
行政組織というもののコントロールもきわめて的確なものにする。同時に、
職員の処遇というものにつきましてもそれにふさわしいように取り扱う道を開くということをいたしたい。それを
考えないと問題は
解決しないということであります。それ以外に問題はないので、別に防衛
関係だからどうであるとか、事務
関係だからどうであるとかいうような問題は、政策の問題と存じますが、そういういった問題ではございません。純粋に
制度の立て方の組み合わせの問題である。そういう点を検討いたしまして合理化をいたしていくということを
考えておる次第であります。