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1960-05-06 第34回国会 衆議院 内閣委員会 第35号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月六日(金曜日)     午前十一時五分開議  出席委員    委員長 福田  一君    理事 淺香 忠雄君 理事 岡崎 英城君    理事 高橋 禎一君 理事 高橋  等君    理事 石橋 政嗣君 理事 石山 權作君    理事 田万 廣文君       内海 安吉君    始関 伊平君       橋本 正之君    保科善四郎君       山口 好一君    角屋堅次郎君       久保田 豊君    杉山元治郎君  出席国務大臣         国 務 大 臣 石原幹市郎君         国 務 大 臣 益谷 秀次君  出席政府委員         内閣官房長官  椎名悦三郎君         総理府事務官         (行政管理庁行         政監理局長)  山口  酉君         農林事務官         (大臣官房長) 斎藤  誠君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計局総務課         長)      中尾 博之君         農林事務官         (林野庁林政部         長)      高尾 文知君         郵政事務官         (郵政局次長) 曽山 克巳君         建設事務官         (大臣官房人事         課長)     竹内 藤男君         建設事務官         (大臣官房文書         課長)     鶴海良一郎君         専  門  員 安倍 三郎君     ————————————— 五月六日  委員柏正男君辞任につき、その補欠として角屋  堅次郎君が議長の指名で委員に選任された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  自治庁設置法の一部を改正する法律案内閣提  出第九九号)  行政機関職員定員法等の一部を改正する法律(  内閣提出第一〇四号)      ————◇—————
  2. 福田一

    福田委員長 これより会議を開きます。  自治庁設置法の一部を改正する法律案議題とし、前会に引き続き質疑を許します。石山權作君
  3. 石山權作

    石山委員 政府一つ行政機構考えながら、いわゆる税金等考えれば、やはり格安というふうな言葉が使われるのは私は当然だと思うのですが、費用をかけないで、そして能率的な機構にするというのは、これはだれしも考え一つ構想だろうと思う。そうした場合に、ともすれば機構拡張が行なわれ、それと同時に機構末端において一つ混乱が起きておる。この混乱をわれわれはなわ張り争いと呼んでいるのです。今回の自治庁をば自治省昇格さす、これを政府が意図している、いわゆる能率というものと、費用を少なくかけてやるということと、それと同時に拡張された場合における末端混乱、こういうふうなものをば、今回どういうふうに考えて提案されているか、こういうふうな原則的なことを一つお聞きしたいと思うのです。
  4. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 ただいまは内閣総理大臣各省大臣と同じ資格において、総理府全般仕事に直接の責任を持っておるという地位に立っておりまして、自治庁長官はその補佐役にすぎない。しかるに自治庁仕事は憲法でもうたっております通りほんとうに日本の地方自治団体というものを自主性を持ちながら、しかも本来の線に沿うてこれを育成するということは、非常にむずかしい問題であります。同時にまた各省大臣の権限もその中に入り込んでくる。従ってその間の調整というものも必要である。こういう非常に繁激な、広範にわたる行政部門でございますから、ただいわゆる補佐役という資格でなしに、ほんとうに伸縮自在に責任を持って、独自の立場縦横仕事をするということが非常に望ましい。それが今日の新しい自治というものを確立するゆえんであるというのが今回の改正の要点でございますから、従って今おっしゃる通り機構をいじくると必ず定員増加するとか、あるいは予算をふくらますとかいうことがあるが、その点はどうかという御心配がありましたが、予算定員も一切増加を認めておりません。趣旨はあくまで簡素な姿で実効を上げるということにあるということを御了解願いたいと思います。
  5. 石山權作

    石山委員 これは来年、再来年になってお手並み拝見ということになると思うのですが、自治庁自治省昇格して予算もふえないというのではやめた方がいいでしょう。人間がふえないということは一つのあれかもしれませんけれども、予算がふえないというのはおかしいと思う。仕事をするからにはやはり予算の獲得、増加といったようなことは当然あるだろうと思いますし、いわゆる内部強化のために機構も必ず膨張せざるを得ない。膨張しないという構想のもとならば、消防自治庁をくっつけるというだけのことで、何らうまみがないということになるわけです。その点ともう一つ私お聞きしたい点は、自治庁自治省昇格したことによって、いわゆる地方公務員身分強化されるのか、安定感を持つのか。それと同時に公務員の諸君は非常に地方民に対してサービス的によくなるというめどが生まれてくるかどうかということ、あなたたち機構改廃によってそういうことが生まれてくるかどうか、その二点をお伺いします。
  6. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 今回の自治庁自治省昇格させるという単にそれだけの理由で、定員増加するとか予算の増額をするということはないと申し上げましたが、今後昇格の上で絶対に必要な施策というものがもしありますれば、これはもう遠慮なしに予算を増額すべきである。ただ形式上庁が省になったというだけで、予算定員がふえるということは無意味であるということを申し上げたのであります。  それから所属公務員が省になれば非常に能率を発揮するかどうかという問題でありますが、これは省への昇格それ自身がそういう公務員を大いに鼓舞して能率を上げさせるというような、そういう効力は、これは期待するのがちょっと無理だと思います。ただしかし将来、今でもりっぱな長官でございますけれども、ほんとうに全局の責任を持った資格において閣僚がその部下を十分に協力させるようにすることができるならば、機構上からのききめとしては、今よりは少なくともそういう点は能率がよくなるのではないか。従って機構だけでその効力が上がるというわけにはいきませんけれども、非常に能率を上げやすくなるというふうに私は考えます。
  7. 石山權作

    石山委員 長官能率が上げやすくなるということは、たとえば一つの官庁の建物の中に補助をしてくれる人たちが移ってきた場合には、能率が上がるかもしれませんよ。だけれども、今のような消防を文字の上でくっつけただけで、能率期待するというのはおかしいですよ。それから私奇異に思うのは、あなた方、庁を省に昇格させたら、何かそこに遠大な一つ構想がなければ、何も庁を省にする必要はないのじゃないですか。将来はこういう格好にする第一段階だ、その点が何も政府当局から私は説明されておらないように思う。これは自治庁の方は、自分たち業務上の一つ責任感あるいは業務上の能率を上げようとする努力から、庁より省の方がいいという考え方を持つのは私は当然だと思う。しかし先ほど申し上げたように、政府という立場国家機構という立場から見た場合に、そういう個々の欲望だけを満足さすということは決していいことではない。その点はどうも椎名さんの説明はちっとも私たちを満足さすところがないじゃございませんか。国家消防自治庁をくっつけたからといって、一体どこにうまみがある。話を聞けば大蔵大臣に対して発言権が強くなるだろう。だろうという期待だけにすぎない。地方の起債も多く取ることができるだろう。だろうという期待だけにすぎない。そんなことで国家機構をいじっていいものだろうか。国家機構をいじるからには、そこには必ず必然性というものがなければならぬと思うのです。今回の場合は必然性がちっともない。必然性を持って、そして期待を持つというならばわかるけれども、必然性がなくて期待だけでは、これはちょっと文学青年の書く文章みたいなもので、実際の政治にはあまり役立たぬのではないか、こういうふうに私は思っているのですが、長官の御意見一つ聞かしていただきたい。
  8. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 自分が庁の公務員であるということから今度省の公務員である、そういうただ庁が省になった、自分の所属しているところが広くなったというだけの意味では、直接の効果は期待できないと思うのでありますが、しかしながら一面、自分の住んでいる池がほかの池と一緒に今度水路を作って大きくなったということになりますと、少なくとも人事交流の面においてはさらに天地が広くなる。適材を適所に使い得る。また個人の能力も、今まで狭いところにおったが、しかしもっと広い場面ができたということになると、従来の場所で十分発揮できなかった才能が、新しい拡大された境地においてまた自分を発展せしめるということができる、そういう人事交流の面においては私は確かに一つの進歩だ、こういうふうに考えておるわけであります。  それからまた府県会市長会市町村会といったようないわゆる六団体も、多年にわたってしきりに省昇格を熱望しておるような関係もございまして、このことが自然に具体化して参ったのでありまして、決して機構を拡大するという空疎な考え方からこれを実現しようとするものではないということを御了解願いたいと思います。
  9. 石山權作

    石山委員 ではこういう心配が起こるのではないか。たとえば今の形のままで国家消防自治庁をくっつける。しかしいわゆる能率化もはかりたいし、やはり自治庁としての威厳も持ちたい、こういうふうになると、おそらく人事面に非常に強い指揮権を持ちたいというふうなところに方向が向くのではないか。あなたの意見を聞けば、将来ともあまりぱっとした格好機構の改革も行なわぬようですし、あるいは人員増加も認めないようでございますし、予算も食わないというようなことを発言していますと、妙味のねら うところはつまり人事権中央強化するということになるように思う。手つとり早くその例を申し上げれば、副知事や総務部長自治省からの派遣でなければならぬというふうな意向が露骨に出てくる。そういうことが構想の中にあり得ませんか。
  10. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 これは前々からも他の委員から御質問がございましたが、決して中央集権化をねらっておるものではない、どこまでも自主的な地方団体というものの育成に協力する。いわば自治庁のやり方はただいまの地方自治に対するあっせんであるということをいわれておりますが、そのあっせんが行き届くようにするというだけにすぎないのであります。中央集権化して人事権掌握して、昔のように地方団体というものを縦横に駆使するというような考えを持っておるのではございません。
  11. 石山權作

    石山委員 私ももし自治省になって地方赤字財政が黒くなったりすれば、これほどいいことはないと思うのですが、どうも今のような格好ではそういうような方向をたどり得る可能性がどうしても見えないように思うのです。私はどうも期待可能性だけを信じておるように思う。私も、たとえば自治庁の中においていわゆる地方指導をばもっと強化したいのだ、二十人くらいの町村役場強化をしたい、そこまで手を伸ばしたいのだ、こういうために局の一つぐらいの設置というならば、期待可能性だけでまずやってみるもよかろうというようなことになると思う。しかしいやしくも一人の大臣をふやし、庁を省に昇格さすことですから、期待可能性だけの立論で機構いじりするなんというのは、あまりにも根底が薄いじゃありませんか。私はこの問題は普通からいえば、きょうは総理お忙しいようですけれども、こういうときは総理が来て自分意見を述べるくらいがほんとうだと思う。庁を省にするのですから、これは行政担当者とすれば大へんな大きな問題だと思うのですよ。その点からすれば、どうも私はあまり安易に庁をば省昇格されるということに賛成なさっている政府の態度は理解に苦しむ。人事権掌握にあるかというとそれもないという。  ではもう一ぺん聞かして下さい。庁を省にすれば、これは大臣身分は何べんも聞かされたのでわかります。しかしこれだって期待可能性なんです。それ以外の点で庁が省になればいいところがあるのだ。——私は地方公務員がそのことによって非常に安定化されるだろうと思ったが、それも期待可能性の中に入っている。一体大臣身分を除いてはどこによさがあるわけなんです。局を一つぐらいまたふやすというわけですか。
  12. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 大臣身分が変わるということは非常に大きな問題でありまして、これはただ大臣個人の栄誉とかなんとかいう問題ではなしに、省全体の運命にかかわる問題であるのでありますから、そのことを非常に過小に評価すべきではないと思うのであります。それがすなわちその機構全般の性格になるのでございますから、これはきわめて重要な問題であります。それにつれて、消防庁と一緒になりますと、ただいま申し上げたように人事交流の範囲が広くなる。また庁が省になれば各省との折衝、事務調整の上において従来よりも非常に便利になる。従って省におる公務員は働きやすくなるということで、これは具体的に形や色で表わすわけに参りませんけれども、非常に広範な影響を与えるものと信ずるのであります。  それから先ほど人事の問題が出ましたので補足しておきますが、府県中央から人を派遣することもございますが、これはすべて府県自体の希望によってやっておるのでございまして、昔のように希望しようがしまいがとにかくこっちの方で人のさばきをつけるのだ、こういうふうなことは一切行なっておらない状況でありまして、ただいまの自治制度の建前を変更しない限りにおいては、人事権掌握ということは全然あり得ないということを重ねて申し上げておきます。
  13. 石山權作

    石山委員 私はこのことによって間接的に直接的に影響を受ける公務員のことについてちょっと長官からお伺いしたいのですが、あなたはILOのことで大へん苦労なさって努力をされておるようですが、今度庁が省に昇格した場合に教員身分というものは変化するかどうか、国庫半額負担というふうな経済的な問題と、文部省と自治省との関係でどういうふうにこの問題が処理されていくか、その点を一つ説明願いたい。
  14. 椎名悦三郎

    椎名政府委員 省昇格の問題と教員身分の問題とは全然直接の関係はございません。今度は実体法に触れておりません。ただ機構を拡大する問題であります。
  15. 石山權作

    石山委員 私、せんだっての連休で地方へちょっと帰って地方公務員方々の御意見を聞いたのですが、中央ではこの自治庁自治省昇格することに期待を持っておる公務員の方もかなりおります。ところが地方へ行きますと、ILO批准関係して地方公務員制度なるものをいささか改悪方向へ向かわしていっている、彼らはこのことによって私が先ほど言ったいわゆる人事権中央集権化指揮権強化というものが事実になって現われてくるのではないかというふうな誤解をしております。それは皆さん誤解と言うでしょう。しかしたまたま自治庁自治省昇格されて、そしてそのバック・ボーンになるところの公務員法改悪方向へ向かえば、末端の人がそう思うのは当然だと思う。現在地方公務員ILO批准関係してどういう方向に向いているかということを、この際私は説明していただきたいと思うのです。
  16. 石原幹市郎

    石原国務大臣 今回のILO条約八十七号批准に伴う一連の公務員関係の法案の整備につきましては、国家公務員法改正もありますので、原則としては国家公務員に準じて地方公務員の法制を整備するとか、こういうことでございまして、私どもとしては決して改悪とかどうとかということではございませんし、またこれを機会に中央集権化をはかるとかそういうことでは全然なく、国家公務員に準じて公務員管理の体制なり、あるいは公務員としてのいろいろの行動の規制について法を整備しよう、こういうことでございます。
  17. 石山權作

    石山委員 国家公務員に準じてですか、これは間違いございませんか。
  18. 石原幹市郎

    石原国務大臣 原則として国家公務員に準ずるというのが、一つの大きな基本の筋でございます。
  19. 石山權作

    石山委員 この前私、自治庁長官にお会いしたとき聞いたのですが、私は国家公務員に準ずるという一本の線は必要だと思うのですが、それ以外の妙味というものが自治体の地方公務員にはあるわけだと思うのです。特に小さい、山間僻地町村などには、そういう格好で実際準ずる準ずるといっても、格好がつかない場所があると思うのです。そういう点は十分私は想を練っているだろうと思いますけれども、画一的にやられては困ることが出てくるのではないか。特に団体交渉をする場合に、連合体を作って弁護士を雇うなどということが何か便法一つ考えられているが、ずっと山の奥の、連合体を作って弁護士さんを雇わなければならないような町村に、紛争があるということを予想する方が、どうも私に言わせれば自治庁上層部認識不足だ、こう思っておるのです。そういうふうないわゆる特殊地帯における地方公務員に対して、こういう便法をお考えになっておられるかどうか。
  20. 石原幹市郎

    石原国務大臣 一時そういう考えがあるやに報道機関等でも報ぜられたりいろいろしたのでございますが、いろいろ検討いたしまして、また皆様方の御意見等もありましたので、そういう連合体を作るなどという考えはやめました。それから弁護士を雇うなどということも、私は原則として考えておりません。やはり原則として管理機構の中からだれかを指定してやる、こういう考えで、十分御趣旨を尊重してやっておるつもりであります。
  21. 石山權作

    石山委員 石原長官の今の説明で、私たち自治庁問題については大へん明るい見通しを持ったのであります。  官房長官に私はもう一つだけ申し上げて質問を終わりたいと思うのですが、どうも機構をいじる場合に、あなたは官房長官として政府としてあらゆる調整をなさる場合に特に考えていられるだろうと思うけれども、各省のいわゆる欲望というものは、サービスするという精神から出ているのはもちろんだと思うけれども、各省勢力拡張がその中にひそんでいることも、これまた否定できないというふうに、世間ではちゃんと言っておる。これは世論の厳格な反映だと言われている新聞とか雑誌、ラジオの解説の中にも出てくる一つの事項でございます。ですからあなたとしましては目的意識のはっきりしない機構に対しては、厳格に査定する立場にあると思うのです。その点では私は自治庁自治省昇格をして非常にいい結果が生まれればいいと思うのですが、そうでないとするならば、いたずらに機構いじりだ。ある批評家に言わせれば、自治庁自治省昇格することは、いわゆる関ケ原の戦い、大阪城の外堀を埋めることと同じだ、こういうふうな批判をしていられる方もある。いずれにしましても、目的意識から見ればはなはだ遠い。さすがの岸内閣行政機構考え方としては、構想としてはちっぽけである。安保問題のように目的意識がはっきりしておればけんかの種になるけれども、目的意識のないものに対してはわれわれとしても非常に困る。(「採決だ」と呼ぶ者あり)しかし庁を省に昇格さすのですから、よかろうというふうには簡単に参らぬ。私は文句たらたら言っているわけじゃないのですけれども、一つ厳格にあなたの手で査定して、ただ二つつけたから何かよくなるだろう、こういうものの見方は改めていただきたいと思います。そして将来必ず起きてくるだろう機構の拡充に伴うところの中央集権、こういうようなことが必ず起きてくると思う。十分あなたのところでチェックしていただきたい。あなたが今説明されたような格好で、いわゆる自治庁自治省昇格させたい、自治省昇格されたらそれが期待に沿うような格好で育成されていく、こういうふうになればめっけものだと思うのだが、そういうふうにならぬと思うものですから、私たちとしては不賛成だ。採決といっても、まだまだ質問、討論の時間が必要だ、こういうふうに申し上げているわけでございまして、私の意見をば官房長官一つのみ込んでいただきまして、質問を終わります。      ————◇—————
  22. 福田一

    福田委員長 次に行政機関職員定員法等の一部を改正する法律案議題とし、前会に引き続き質疑を許します。石山權作君
  23. 石山權作

    石山委員 今回定員法としまして総計七千三十名の定員化を提案されましたが、約四万五千名といわれる常勤非常勤の残りの人たちについて、事務当局としてはどういう処置法を今考えていられるか。ここ二、三年の定員化の問題とからんで、どういうふうにお考えになっていられるかということを一つお知らせを願いたい。
  24. 山口好一

    山口政府委員 定員外職員の問題につきましては、毎年度非常に問題になっておりますが、現在の定員法制度を根本的に再検討するということになりますと、いろいろ関連しためんどうな問題がございますので、一応来年度を目標として政府部内に連絡協議会を作りまして、ここでこの問題を、最終的な解決目標として研究することにいたしております。
  25. 石山權作

    石山委員 前の経緯からしますと、三年間かかってという言葉がありました。そうすると、今年度が三年計画最終年度に当たっているというふうに私は説明を受けているのですが、これはどういうことでございますか、お教えを願いたい。
  26. 山口好一

    山口政府委員 その三年間というのはどういう場合に説明されましたか、ちょっと記憶がございませんので……
  27. 石山權作

    石山委員 これは政府当局から説明を受けたのではないので、与、野党の前の内閣委員会方々から、この定員の問題についてはそういう格好で処理する、そういうふうに私は去年説明を受けておるものですから、行管としてもそれを了承しながら作業を進めて今日に至っているかどうか、こういう点を私はお聞きしたがったわけです。その説明によれば、今年度が最終年度だ。そうすれば、どうも四万五千に対して七千三十名の定員化をなさる事務当局政府考え方はずいぶん図太い考え方だなというふうに私は見るものですから、その経緯を伺っているわけです。
  28. 山口好一

    山口政府委員 実は三年計画という話は政府としては承知いたしておりませんけれども、少なくともこの問題につきましてはすみやかに最終的に何とか解決をしたいという意図で、特に昨年以来検討して参ったのでございます。行政管理庁を中心として研究いたしておりましたけれども、関連するところが非常に広いものですから、なお関係各省と合同いたしまして、何とかこの問題の根本的な解決をはかりたい、こういうことで目下協議会を作っておる次第であります。
  29. 石山權作

    石山委員 五現業は年々事業量増加に伴って、人員増加必然だといわれておる。毎年々々国会にこの問題をかけて論議するということも大へん迅速を欠く問題だ、こういう批判が中から出てきているわけだ。われわれとしましても、この五現業定員法ワクをそろそろはずしてもいいというふうな研究を、ほんとうに精力的にやる時期が近づいてきているのじゃないか。これも仄聞すると行管では、五現業ワクははずしてもいいのじゃないかというような事務当局意見も中にあるというふうに聞いているのですが、その見解はどうなっておりますか。
  30. 山口好一

    山口政府委員 五現業の問題につきましては、一応その形態が企業的でございますので、一般の行政機関と違った定員管理と申しますか、そういうことが考えられるかと存じますが、いずれにいたしましても、これはその企業を管理監督いたしております各省十分意見を聞かなければなりませんので、従来各省意見がまとまるように研究してもらっておったわけでございます。しかし最終的な結論を得ないで、その問題につきましては、いずれにしても職員国家公務員であるから、全体の国家公務員と歩調を合わせていきたいという現在の状況でございまして、それだけを切り離して別途に取り扱うということにはまだ結論を得ておりません。
  31. 石山權作

    石山委員 ILO批准とともに公務員法改廃が行なわれる、こういうことが盛んに新聞等にも出ております。それから今の五現業ワクをはずすというふうな問題は、私らはこの四万五千の問題を処理しない以前に五現業ワクをはずすという問題もどうかなと思う。公務員制度の問題についても、権利義務が明確になるとするならば、当然この定員の問題をまず処理する必要があるのじゃないか。特に今度は、各部課の中でも高級職員だけが員数を規定され、一般は予算で押えてしまう。こういうふうにもし大きく変化をするとするならば、特にこの定員の問題をわれわれとしては明確にしておく。思想的に与、野党あるいは政府の三者間において、異議のないような格好にならなければ危険なのじゃないかと考えていますが、事務当局として、公務員法のその点に関する、予算において定員を縛るという問題、五現業に対するいわゆる定員の問題、こういう点はどういう研究をなさっているか、その点をお知らせを願いたい。
  32. 中尾博之

    ○中尾説明員 ただいま予算関係がございましたのでお答えいたしますが、定員関係を高級職だけに規制を行ないまして、下級の職員予算の規制だけでいくというような線は、あるいは一案として考える向きもあるかもしれませんが、何らわれわれはそういう検討はいたしておりません。従って、それがほかの関係とどういう関係を持つかということについては、われわれとしては検討いたしておらぬわけでございまして、実は定員法の問題をそういうふうな問題からは考えておらないのでございます。定員制度でございますから、定員制度を必要といたします面がどういうところにあるかというところから出発いたしまして、どういう範囲のものを定員として管理していくか、こういうことが問題でございます。当然予算関係がございますから、予算定員というものはあらゆる場合に残ります。しかしさらに法的な規制をどういうふうに持っていったらよろしいかというところが問題になるわけでございます。  もう一つのお話の四万五千とか非常勤とかいう問題は、この数字等を必ずしも私の理解といたしておりませんけれども、とにかく常勤非常勤という問題があるわけでございまして、この問題は定員法の問題としてだけでは解決ができません。今お話のございましたように、三年間というようなお話でございますが、問題はしかく簡単ではございません。何年たちましても、現在の制度では、その四万五千というような数字をとらえますと、毎年自然に発生していくものであります。従ってこれをさっぱりするということを現行の制度のもとで考えることはほとんどできません。従って一方で定員制度も、要するに行政組織の問題ですから、この方もしっかりしたものにする。同時に職員の処遇の関係公務員制度の問題になると思いますが、処遇の関係も整えまして、どちらがどちらの犠牲になると申しますか、あおりを食うと申しますか、そういうふうな何人も予期しないような不都合を排除していきたい。しかしその際に定員の規制ということはやはり大事なことでございまして、もちろんこれを犠牲にするわけには参らない。一方で職員の処遇というものについて、これをさらに検討いたすべきものがあることは明瞭であります。そのいずれをも立つようにこれから考えていく、こういうことであります。ここ数年来そういうことでわれわれも考えて参ったのであります。実情はなかなか関係するところが多いわけであります。ただいま行管の方からも御説明がございましたように、行管制度、給与制度、そういったものにも関係をして参ります。しかしそれはもちろん全面的に関係するわけではない。主として使用、雇用の形態の問題がからんでくるわけです。従ってそれらのものをあわせまして、今度はなるべく早く結論を出したい。これは毎年やろうと思っておりますと、例の非常勤職員定員化という問題が起きまして、一方定員法としましては意味のない改正になってしまう。それから処遇の方ではそれでさしあたり救済される人も出てくるのですが、そう言っているうちにもまた新しい人が出てきてしまうというような、いわばさいの川原になっております。その辺を根本的にやろうということで、今回はその改正を本格的に整えるということで、今作業を始めようとしておる状況であります。  なお、先ほど来お話がございました今回の定員法改正というものと、それからそういう処遇上の問題は全然別であります。今回の定員法改正の分は、定員法の本来の建前からきますところの、業務量の関係からくるところの定員の増減というものを検討いたしまして、その結果の差引の増員というものを法案にしてお願いいたしておるわけであります。処遇の関係の分は、先ほど申し上げましたような方法によりまして、抜本的に解決するというのが、今回の法律案を提案いたしました、あるいは予算の成立をお願いいたしました際の基本的な考え方でございます。
  33. 石山權作

    石山委員 定員の問題については、一名でも多く定員化されれば、不安定な身分の人、不幸な身分の人が救われる、こういうような考え方で今まで非常に簡単に素朴な解釈で過ごしてきたのです。私はそれでいいと思うのですが、今度はそういうわけにいかぬのではないかと思う。私が先ほど申し上げましたように、三年の年限を切って三年目で解決するというふうなことが、与、野党の中でもかなり論議されて一つの約束みたいになっている。それから五現業の問題等も煮詰めてきたという一つ必然性、それから今までの公務員法の問題について、どうしてもこの場合行管としては根本的に考えをまとめる必要に迫られておるのではないか。行管という任務の中における定員法というものをば、いかにすべきかということが迫られておるのではないか。これは公務員法によって定員法の解釈というものは大きく変わる時期に来ている。そういう点は今までのような考え方では処理できないところに来ておるのではないか、こう思うものですから、事務当局としてこういうことに対してかなりな明確な解釈がなされるとすれば、私たちもそれに対していろいろ批判なり助言なりができるのではないかと思って質問をしたわけなんで、唐突のような話でまだ準備ができてないようにも聞かれます。これは今日限りのことでなくて、お互いが一つ研究課題として結論を出すように私はお願いをしておきたいと思います。  それから給与大臣に御質問申し上げたいのですが、私は給与のときにも大臣においでを願って、くどいほど今の公務員の給与というものはどうも安いのではないか、こういうふうに申し上げておりました。普通の給与の場合には、世間ではたとえば安くとも下の方が非常に恵まれているというふうなところもございます。あるいは役づきの人に割合高給を上げておるというところもございます。それかと思うとその企業によっては、一番働き盛りの三十五才から四十五才の人に割合お給金を高く上げておるというところもございます。しかし公務員の給与に関する限りはどこをとっても、上をとっても中をとっても下をとっても、なるほどなといううなずかれる数字がどうも出てきておりません。これはどう考えても絶対量が安い、配分のしょうがない、こういうところになるのではないかというふうに私は申し上げたのですが、労働時間、人数、仕事の量の密度というふうにわれわれは言うのですが、こういうものが三つ重なって初めて給与というものを見てもいいと思う。給与が全般的に安いし、今大臣もお聞きのように四万以上いわゆる常勤非常勤方々があるのに、あなたの御提案なさったのは七千三十名です。そうしますと大へんここにも給与の面で不遇な人があるのではないか。そうすると官吏というものは身分的に、昔の天皇の官吏におけるような権威を持っておるかというと、公務員の権威とか誇りというものを傷つけるような格好に逆に公務員法改悪される傾向にある、こういうように新聞などが報じております。給与担当の大臣としては、この前人事院の勧告は十分に尊重するというふうにおっしゃっております。それから民間、あるいは五現業、公企労と公務員との不均衡は早急に是正したいというふうな御意見の開陳がありました。  きょうは一つ定員の問題について大臣のお考えをばお聞きしたい。繰り返しますけれども、今度政府が御提案なさったのは——四万をこえている常勤非常勤、年限にしましても五年以上というのが多うございます。その中の七千三十名しか定員になさらない、身分の安定をしない、こういうふうな提案なのでございますから、残される約四万の方々は、政府に対して非常に強い要求を持っているわけなんでございます。一日も早く定員にしてもらいたいという希望を持っているわけなんですが、それに対する大臣の御見解を承りたい。
  34. 益谷秀次

    益谷国務大臣 今回御審議をお願いいたしております七千三十人は、新規の事業量の増のための定員法改正を提案いたしたわけであります。御承知のごとく、そのほかいわゆる非常勤、常勤というふうに管理庁として相当日を費やして調べてあるものがあります。私は今明確に記憶はいたしておりませんが、今は常勤職員として二カ月で区切りをしているものが相当あるので、これを定員化するのは私は至当だと思っております。しかしながら先ほど監理局長も申し上げました通り、それぞれ管理をいたしております官庁が異なっております。そうしてまた意見も一致してない。そこで今回はすみやかに定員化すべきものは定員化する、あるいは定員からはずすものははずすということを根本的に検討しなければならぬというので、御承知の通り三月終わりに、来年の四月一日から定員という問題をなくするという目安で、根本的にそれらの問題を解決しようというので、協議会を開くことにいたしております。従って本年は定員化することに間に合わなかったが、来年は必ず定員化するか、定員からはずすかということを決定して御審議をお願いいたしたいと思っております。  一般職の給与については、これは私も安いことは認めます。すみやかに是正すべきものであるとは思っておりますが、予算の伴うものでありまして、なかなか容易ならぬ困難な事業でございますが、できるだけ努力いたしたいと思います。
  35. 石山權作

    石山委員 せんだっても私はちょっと皮肉みたいなことを言ったのですが、行管で必要な人員をきめるよりも主計局できめてしまうのだ、こういうことがもっぱら言われているわけです。特に私お聞きしたいと思っているのは、皆さんの方ではおそらく国家の予算をお考えになって、それから各省事業量等をお考えになる、その中の人件費というふうに踏んできているだろうと思う。そして七千三十名というふうに押えたと思うのです。それの方が純理論的です。金の面からおそらく押えたと思う。私聞きたい点は、今度防衛庁で人員を要求しましたね、あれは何ぼですか。
  36. 中尾博之

    ○中尾説明員 要求は一万九千二百五十二人、それに対して承認された人数が八千四百五人、これは行政管理庁の方の資料でございますが、おそらくそういうことになっておると思います。
  37. 石山權作

    石山委員 昨年度の新聞を読んでみますと、大蔵省はなかなかいいところがあると思っておった。それは、防衛庁の人員をふやさないことに大蔵省はがんばっているということが報道されておった。なかなかいいところがあると思っておった。それがいつの間にか原案に戻っておるじゃありませんか。そして文官だけ、公務員だけ押えてしまうというような皆さんの査定の精神は一体どこにあるのですか。どういう必然性があるのですか。兵隊さんには経験者というのはいないわけでしょう。身分的に押えられて、五年も六年も押えられて、今度はほんとうの兵隊さんになりたいという身分の人がいますか。そういうケースがありますか。公務員の場合は、何年間も働いて公務員になれない。常勤非常勤というような形で、雇員というような形で、そしてやっと定員になった。自衛官の中にもそういうケースがありますか。あなたが査定されているときにそういうケースがあって、今回八千何百人というふうに査定されましたか。
  38. 中尾博之

    ○中尾説明員 自衛官の場合も、増員をいたしますれば当然新規の人がふえるのが普通であろうと思います。事務といいますか、自衛官以外の関係の人を七千人余り増員をいたしますが、これは繰り返して申し上げますが、仕事関係でこれだけふやす必要があるということで認めた人数でございます。実員の問題ではございません。仕事の方の関係から参っておるわけであります。先ほどから財政負担との関連でいろいろお話がございまするが、仕事は必要であるから従ってそれはやっていく、しかしながら金がないから人を切ってしまう、それで労働強化をするというようなことでは査定にはならないのであります。人間だけでは仕事はできません。人間と事業費と、いろいろなものを合わせまして予算ができておるわけであります。従って予算全体といたしまして当然予算をまとめて参りまするから、やりたい仕事でけっこうな仕事が一ぱいございましても、あるものはがまんしてやっていく、あるものはあきらめてやっていく、あるものはクレバーな方法で能率的にやっていくということで、それよりほかに方法はないわけであります。そういうことが前提になりまして、その場合にその事業量から見て、現在の人間に対してよけい必要であるということであれば、その増員を認めるわけであります。もちろん業務量との関係で人間を見ますと、業務と申しましても比較的継続的な事業になっておるような現業的な仕事でございますと、そういう点が非常に明瞭に出て参ります。ここ数年来の増員は、主としてそういう関係を見ておるわけである。一般の事務の方ももちろんそれと同じことでございますが、これは実はいろいろな関係がありまして、仕事がふえるから、もちろん人も必要なのでありますが、一方で仕事の重点の置き方というようなもの、あるいは施策の方向といったようなものは、各省行政につきまして時々刻々多かれ少なかれ変わっておるわけであります。従いまして、そういうようなものを配置転換というものでやっていくというふうな部分が相当にきくのであります。これは現業の場合と異なるわけであります。同時にまた人がふえますと仕事がふえるという関係もあるわけでございまして、そういうような関係から見て、事務的な職員定員を見ておるわけであります。しかし大まかに申し上げますならば、七千何ぼと申しまするが、これは大部分が定型的な業務でございまして、企画的な仕事ではない。そういう人についての増員がここ数年来認められておるわけでございます。今回でいえば、国民年金支給事務といったようなものが大きなウエートを占めておるわけであります。いずれにいたしましてもこれらの定員が必要であるということで、はっきりそれを定員として予算上も認め、それから法律的にも措置をいたしていくわけであります。防衛庁の場合も、これはもちろん同様であります。防衛計画をどういうふうに漸増していくかという問題が前提にございます。この問題自体は問題がございますといたしましても、定員の問題ではございません。それが前提になりまして、員数の問題になってくるわけでございます。なお防衛庁の場合の増員にいたしましても、いずれもこれは特別職ではございまするが、一般の国家公務員に準ずるような試験の制度もございまするし、任用の制度もございまするし、いろいろな統制がございます。それで増員をいたしていくわけであります。それに対しまして、この定員法関係から見ますと、今の常勤非常勤という問題がございます。これは防衛庁の関係とか、あるいは定員職員で、今回増員いたしますような関係とは全然異なるのでございまして、実員の方が先にできてしまうのであります。それで一年たち二年たちということでありまして、そういうことの事実が先に出て参るわけであります。日々雇い入れましても、継続して長く勤めるということからできて参るわけであります。継続して一定の仕事なり、一定の事業所に勤めていきますれば、これは一つの事実でございますから、それにふさわしい取り扱いが必要であるということは言うを待ちませんが、ただ現在の制度ではそれを定数的に押えることは不可能でございます。たとえば公共事業である川を直す。何千万という経費がございましても、ある場合には資材費になり、ある場合には人夫費になるわけであります。その人夫のうちから、たまたまことしは何名が何年以上になった。だからこれだけは定員であるというようなことは、とうてい予算といたしましても、あるいは行政管理庁定員といたしましても、管理することはできないと思います。定員化というようなお話がよくありますが、定員化いたしてみましても、それ自体としてはいかなる意味を持つものか、わけのわからぬものになるわけであります。従ってこの定員というものがどういうところまで及ぼして管理しておけば、全体の目的を達するか。しかも今言った日々雇い入れの形でもって雇われておる方々の処遇に対して、これに悪影響を及ぼさないような形にするのはどうしたらいいか。おそらくいかなる制度をもちましても、公共事業とか、その他いろいろな業務関係の日々雇い入れの職員は、延べ時間みたいなもので予算が組んであるわけでありますし、機械との代替性もあります。だからその点を解明して、それが何人要るとか、あるいはそれをふやすとか減らすとか、そのうちから数年たっておる者が何人であるかというようなことを管理統制する制度は、私はできないと存じます。しかし実情はできないままに、そういう方々がおられまして、それが長くなると今度は定員に入れろ、定員に入れないと今度は長く勤めたことに値するところの処遇が与えられないという関連関係があるわけでありまして、これはむしろ定員としては迷惑な話でありますが、そういうような制度のからみ合わせになっている。その辺をもう少し事をかみ分けた、どちらも立つような制度考えようじゃないかというところにあるのであります。従いまして先ほどからたびたび御質問でうかがえるのでありますが、四万何千人といったようなそういう方々、これは決してそういう固定した人ではないのでありまして、こう言ってここでお話し申し上げておる間にも、在職年をだんだん積み上げて、だんだんその仲間に入ってくる人がよけいにいるわけでありまして、だからどこで区切りをつけるというわけにはいかぬわけであります。そういう方々の問題、これ自体としてはそういうことで考えて参ります。と同時に定員法をやはり、これはどういう形になるか存じませんが、今後の検討によりまして、国家行政組織というものの大きさ、行政のポストというものも重要な要素になるわけであります。国民の財政負担にも重要な影響があります。ひいては限られた財政負担でまかなうところの人件費、給与という問題にも重大な関係がございます。従ってこれが的確にコントロールされておる——何も入れるとかふやすとかいうことを申し上げておるのではないので、合理的にそれが管理されておるということがきわめて必要なわけであります。現在のところは、定員法にとりましては実員の方が先にできてしまって、定員法の方が追っかけていっている。これは仕事の方の関係からの相違もある。それで追っかけていってみたところで、実員のことでありますから、また翌日は別の問題が起こる。これでは制度にならないわけでありまして、今までの制度の運用なりあるいは公務員制度定員法関係の組み合わせなりが適切を欠いておったということは、明瞭な事実として申し上げざるを得ないと思います。それでこういうことになってしまったのでありますが、今申し上げましたようなことの理解で、これを断ち切りまして、国家行政組織というもののコントロールもきわめて的確なものにする。同時に、職員の処遇というものにつきましてもそれにふさわしいように取り扱う道を開くということをいたしたい。それを考えないと問題は解決しないということであります。それ以外に問題はないので、別に防衛関係だからどうであるとか、事務関係だからどうであるとかいうような問題は、政策の問題と存じますが、そういういった問題ではございません。純粋に制度の立て方の組み合わせの問題である。そういう点を検討いたしまして合理化をいたしていくということを考えておる次第であります。
  39. 石山權作

    石山委員 あなたの答弁があまり明細で、あなたが話しておると定員をもっとふやさなければならぬという感じがして、時間がたつばかりです。あなたの御説明の七割か八割は、みな私らの討論した過程の中でもう了解している事項である。だから、答弁はもう少し簡略にお願いしたい。  それであなたの仰せによると、こうお話しておる間にも定員というものはだんだんふえているかもしれぬ。それはその通りかもしれません。しかしそれは役に立つ定員なんです。仕事をするのです。一般にわれわれが言っている定員の場合はそういう人なんです。しかし自衛隊の場合は政策といえば政策である。そのほかの公務員の場合は政策でなくて、事務量とか現実的ないわゆる機構改廃で整理、増員をする。こっちの方は政策だ、おそらくそういうふうにあなたは御答弁しているのだろうと思うが、しかし査定する場合、特に人件費のようなものを査定する場合に、そういう区別が必要かということです。私がこういうことをあなたと論争するということは、あるいは防衛二法か何かで論争するのがほんとうかもしれません。しかし事はやはり人員の問題は人員の問題で対処せざるを得ないと思うのです。そこで片一方の方は政策上からくるところの人員だと思う。八千名という自衛官の増強というものは、この人たちは必要欠くべからざるものだというふうな問題になれば、国民の側から見れば、私はどうも一般公務員の方が、だれが見てもはっきりできることだと思う。特に四万人のうちから七千しかとらないということになれば、あまりにもこれは厳格な査定なのではないか。片一方の方は、戦争あればというふうなことだと思うのですよ。今回八千名増員されたうちで、実際われわれの民生、生活に役に立つような施設部隊のようなもの、こういうふうな人員は、そういうふうな感覚で査定したとするなら、どのくらいあるのです。
  40. 中尾博之

    ○中尾説明員 まことに申しわけありませんが、今手元に増員のこまかい内訳がございませんので、その説明は申し上げかねますが、大部分が業務関係でございます。もちろん自衛隊の人員が政策で、それから事務をやっておる方は政策に関係ないということではない。いずれも大事な政策の裏づけをなすものであります。その点は同じでございます。定員法の増員も、自衛官の立場と同じように、その人数そのものがいないと、ほかにどうしようもないという性質のものが多いわけでございます。今回相当多数、七千三十人増員になっております。これは大部分が、国民年金あるいは郵政事業の関係、あるいは例の科学技術の関係の施設の増員、あるいは登記事務の迅速化といったような関係が、大口になっておると存じます。それらはいずれも定員そのものに意味があるのではございません。それらを必要といたしまする政策の裏づけといたしまして、定員増加いたしておるわけであります。なお先ほども四万何千人のうち七千人というようなお話がございました。それは話が実は違うのでございまして、四万何千という問題と今回の増員とは全然観念は別でございます。実際には増員を受けまするところの役所で、常勤労務者あるいは非常勤の方がおられまして、それが任用資格を備えておるという場合に、これに繰り入れられるということはあるかと存じます。これは少なからずあると存じますので、あるいはその役所でなくても、人事のやりくりで、押せ押せでそういうことになるという結果は、相当あろうかと思いまするけれども、それとこれとは別でございまして、これはあくまでも定員でございまするから、政策の裏づけとなるところの合理的な人数というものが、基礎になっておるわけであります。それだけで問題が解決できるのだと簡単でありますが、今の常勤非常勤という問題は別途ございまするけれども、これにつきましては、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、制度の根本につきまして解決いたしませんと、現在の制度で幾らやりくりをしてみても、これは解決いたさないわけであります。そういう理解でやっておる次第でございます。
  41. 石山權作

    石山委員 そうするとあれでしょうか。大蔵省では定員法などなくして、予算人員を押えていった方がすっきりしてやりいい、こういうふうな御見解ですか。
  42. 中尾博之

    ○中尾説明員 私は決してそういうつもりをもって今御答弁申し上げたわけではないのでありまして、定員というものはどんな場合にも、組織を管理していく以上は必要なわけであります。従ってそれをどういう形でもってやったらよろしいかという問題がございます。これは方法としては、法律による方法もございましょうし、あるいは規則による方法もございましょうしするわけです。それから法的な規制はまず要らない、もっぱら予算だけでいってもよろしいというのもあるかもわかりません。しかしこの点につきましては、冒頭御答弁申し上げましたように、そのどういう方法によるかということをまさにこれから検討するのでありまして、何ら結論を得ておりませんし、何らの感触も持っておりません。
  43. 石山權作

    石山委員 これはほんとうから言うと、課長さんと私とやり合うような問題でないかもしれませんが、私の言うのは、いわゆる公務員定員に対しては、非常に大蔵省は厳格だということ、その厳格さはあなた方に言わせれば、正しい検討を加えた結果こうなったというふうに説明するかもしれません。私はそれならば、それはそれでいいと思う。ただ防衛庁の方は、自衛官の増強は、非常にルーズだということなんです。ふやさないふやさないとあんなに言っていながら、百二十五億もふやしてみたり、人員はふやさないふやさないと言っていながら、八千人もふやすという、こんな態度は、大蔵省はそういう意味から、この結果論から見ますと、弱い者に対しては非常におれたちのやることは正しいのだ、こういう積み重ねが必要だ。強い方に対してはつかみ金だ。それではいけないじゃないか。両方ちゃんと厳格にやりなさい。積み上げ方式にしなさい。片一方はみんなもあぜんとするほど、各省があぜんとするほど、百五十万の公務員があぜんとするほど厳格に積み重ね方式をとってきた。片一方は一晩たてばつかみ金で百二十五億もくれる、八千人も増員する。これは何ですか。これはまああなたと私とけんかをやることじゃない。しかしそういうやり方で、大蔵官僚のやり方は正しいということは、とんでもないと私は思う。まああなたとはこれで終わりにします。  それで郵務局の方に定員の問題についてお伺いしたいのですが、私の方に、あなたの方の全逓の労働組合というところから執行委員長の名前で、それぞれの人員のことに対して数字等が提供されております。それで話をする場合、私の方のもらった資料とあなたの方の御見解とあまり違えば、これは話の種にならぬわけなんですが、その点を一つ、これはちょっと違うじゃないか、このくらい違う、これは大体正しいとかというような格好で明示していただければ、話の順序として大へんよろしいのではないか。それで冒頭に言われている比較としまして、こういう言葉を言っております。「三十四年度においては二十九年度に比較し、十六億通もの増を予想されます。これに対する定員配置の状況は二十九年度七三五五五名に対して七八七三七名で五一八二名(約七%増)という極めて僅かな増員より認められないまま今日に及んでいます。」これは膨大な数字を出しているわけですね。僕は局外から見ると、ずいぶん無理なことだと思うのですが、この説明は大体妥当性がありますか。
  44. 曽山克巳

    ○曽山説明員 お答え申し上げます。今先生の御指摘のありました全逓信労働組合から出しました資料と称せられるものの中の昭和二十九年度からの郵便物数の伸び工合と予算定員の伸び工合についての数字は、その通りでございます。数字はその通りでございますが、中身につきまして私ども若干異論がございますので、その点お答え申し上げておきます。
  45. 石山權作

    石山委員 それからもう一つ、数字ですが、人員の問題をずばりそのまま言っておるわけなんですが、「定員外職員として常時非常勤職員を約二万名雇傭しなければならない実態があらわれています。」二万名、これまた大きな数字ですが、この点はいかがでございますか。
  46. 曽山克巳

    ○曽山説明員 約二万名、つまり一万九千人ぐらいの非常勤者を使っておることは事実でございます。ただこれは若干説明を加えますと、先ほど大蔵省の方からも説明がございましたが、相当長期間にわたって雇用しておる者もございますし、中にはわずか十日間とか、極端な場合で、一週間使ったという者も含めての数字でございますので、この中で継続的に、たとえば先ほど先生から御説明のありましたように、五年以上継続雇用しているといったような数字は、きわめて少ない数字でございます。  なお先ほど先生の御質問の中に、郵便物数の伸びが非常に激しいにかかわらず、人員の伸びというものはきわめて少ないではないかという御質問がございまして、それを御説明した方がいいと思いますので申し上げます。御承知のように、これはきわめて卑近な例でございますけれども、郵便物数が二倍になったから、しからば人員が二倍になるかといえば、必ずしもそうはいかないのでありまして、これは配達個所数が一定している場合には、人員は極端な場合を申しますとゼロでもいいわけであります。局部課のたとえば庶務とか会計というようなところに倍することもどうかと思われるのでございまして、一定の比率はございましょうけれども、私ども必ずしも物数の指数に比例して人員をその比例通りふやすということは実は考えておらぬわけであります。  それから今の継続雇用の問題でございますが、私ども幸いにしまして全国に郵便官署をたくさん持っておりまして、そこにおきますところの新陳代謝が相当ございます。従ってあるところで欠員が発生したという場合には、今まで非常勤でありました者を直ちにその欠員の発生しました郵便官署に、そこに非常勤者がおりまして、相当勤務年限の長いものでございましたら組みかえましてこれを定員化するということで、私どもの内部で相当操作しまして、今のところ一年以上の継続雇用の者は、おそらく建設とか農林とかいうところに比べるときわめて少ないのではないか。具体的な数字はおそらく先生のところにあると思いますので、ごらんいただくとわかりますが、私どもの省といたしましては、大体従業員の不満のないように本務化をはかっておるつもりでございます。
  47. 石山權作

    石山委員 採用にならない人は一日二百円足らずのお給金で使われていると言っております。  それからその次にある数字は、これは郵政に特にあるように見受けられますが、結核の方が非常に多いということ。これは事実上小包等をいじるために塵埃を吸うこともあると思うのだが、やはり人員が少ないために、屋外に多く出て雨風に当たり、かわかないうちにまた出ていく、こういうことが繰り返される結果、こういう結核の方がたくさん出るのではないかと思うわけです。お金が二百円かどうか、それから結核の方が組合が言うようにたくさんいるかどうか、その理由は一体何だろうということ。  もう一つお聞きしたいことは、たとえば組合が二万人くらい不足だ、これは一万九千というふうにあなたは御訂正なすっているわけですが、それを採用なさると独立採算上どういう結果になるかということ。黒が出るかということですね。何でもかでもと言っては語弊があるが、定員化しても差しつかえない数字であるかどうか。
  48. 曽山克巳

    ○曽山説明員 第一の御質問の非常勤単価の点でございますが、予算単価としましては実は二百五十円でございまして、さらに年末等の非常な繁忙時におきましては二百八十円という予算単価も認めておるのであります。ただ私ども、しからば二百五十円で東京で雇えるかと申しますと、なかなか東京では雇えないのでありまして、東京では場合によりましてはそれをくずしまして、三百円とか三百五十円で雇う。しかし地方におきまして比較的賃金単価の安いところにおきましては、二百円で雇うところもございます。しかし今先生の御指摘になった二百円は最低でございまして、それ以下に下ってはならぬという意味での支持数字でございます。  第二の結核患者が多いようであるがというお話でございますが、この点につきましては仰せの通り、私どもの方の郵便官署の仕事の中には、電信電話に従事する職員もおりまして、非常に神経を使うというような立場からしまして、ややそういう方面に結核の患者の率が高いようでございます。ただ屋外業務につきましては、先生の御指摘になりましたような外勤の諸君に結核の率が高いのではないかという懸念がございますが、むしろ内勤の方が結核の率が高い。これは御指摘のようにおそらく塵埃その他によるのではないかと思っております。それでこの点につきまして、私ども局内の衛生環境の整備にせっかく努力いたしておる次第でございますので、御了承願いたいと思います。  なお第三の先ほど御指摘のありました一万九千人くらいの非常勤を定員化するという場合に、独立採算上郵政財政の面でいかなる影響があるかという点でございますが、先にも申しましたようにこの一万九千の職員を全部定員化する必要はないということを私感じますので、その中で定員化する必要のある人だけに限りましてやる場合に、やはり賃金単価が本務より若干安い者の場合は、省の財政に及ぼす影響は少ないということが一般的に言えるかと思います。例をあげて申しますならば、大体二倍ないし三倍近くの定員法の必要全員を本務者に組みかえしました場合には経費がかかると思っておりますので、その点におきましては相当の財政負担かと思っております。
  49. 石山權作

    石山委員 御説明を聞いていると、定員化しない方がうんともうけになるというように聞こえます。しかしそういうことは人事管理上はあまりほめたことじゃないと思う。特に国家事業としましては、郵政事業が何もそんなに収益を上げて国家に奉仕するというよりも、大事なわれわれの信書が迅速に的確に思いのところに届くということこそが最大の任務なわけですから、いたずらに低賃金で使って病人まで動かすというようなことは、一般から見てこれは正しいことではない。継続させなければいかぬことだというふうに理解されます。     〔委員長退席、岡崎委員長代理着席〕 そういう点は十分研究をいただきまして、今説明を承った点は速急に是正されるように要求いたします。私たちもできるだけ御協力申し上げたい、こう思っております。これは大臣もおいででございますから、行政管理庁の方でもその事情を十分認めていただいて手段を講じていただきたい、こういうふうに思います。  林政部長、それから農林省の方来ておりますね。まず林政部長さんにお尋ねするのですが、今度の事業計画で漏れ承りますと、新しい営林署ができたというふうに聞いておりますが、その通りですか。
  50. 高尾文知

    ○高尾説明員 制度の上では北海道に営林署が三つできるということに組織令でございますか、決定いたしております。現実の発足は八月一日からということに相なっております。
  51. 石山權作

    石山委員 新しい営林署ができると、機構人事の異動等なさるわけでしょう。そうした場合に人員の過不足ということは検討済みでございますか。
  52. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいまの御質疑の点でございますが、林野の方では御承知の通り二万七千名程度の定員職員と三七以上の常勤的職員が相当おるわけでございまして、そういう職員の配置転換ということによってまかなっていけるのではないか、一応こういうふうに考えております。
  53. 石山權作

    石山委員 林野庁関係としまして、五名増の二名減、純増三名ということになっておりますね。この三名は何ですか。
  54. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいまの五名増と申しますのは、そのうちの三名が、すでに国会で御審議いただきまして設置されました治山勘定関係の三名、それからあとの二名は、国有林野事業の本庁におきまして組織がえがございまして、従来の職員課を、いわゆる職員課と労務課に分け、なお福利厚生課というものを、従来室でありましたものを昇格いたしました。こういう関係で、ただいま申し上げました二名は、労務課長のポストと、それから調査官を一名置くということになっておりますので、その分でございます。
  55. 石山權作

    石山委員 二万七千名の定員でございますが、普通常時に使用されている人数はどのくらいですか。
  56. 高尾文知

    ○高尾説明員 延べ人員で申し上げますと、二千四百八十七万九千七百七十名、これは三十三年度でございます。
  57. 石山權作

    石山委員 部長さん、あなた二千四百八十八万、延べ人員というのは、一体われわれの頭をくらくらさせるために出している数字ですか。そういう言い方はだめです。月にどのくらいになりますか。
  58. 高尾文知

    ○高尾説明員 林野庁といたしまして、十一万八千八百程度でございます。
  59. 石山權作

    石山委員 そうすると、二万七千の方々は事務屋さんもいるわけでしょう。十一万というのは、ほとんど屋外作業でございますか。
  60. 高尾文知

    ○高尾説明員 大体お話の通りでございます。
  61. 石山權作

    石山委員 概算でいいですが、いわゆる定員二万七千のうち、事務職員と屋外の方の分類はどのくらいになりますか。
  62. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいまの御質問の点、詳細な資料が手元にございませんが、営林局署におきましては、大体現場の方でございますが、署はもちろん現場関係でございます。営林局の職員の大体四割程度は現場に出て、常時現場の署その他を指導しておる、こういうことになっておるかと思います。なお必要でございますれば、詳細調査いたしまして、後刻御報告いたしたいと思います。
  63. 石山權作

    石山委員 部長の説を採用しますと、外部へ出ているのが一万人です。そうすると私の言いたいことは、一万人の方々が常時十一万人の、いわゆる常用者を指揮なさっていると思うのです。それを私は申し上げたかったわけですが、それにつれて一万の方々に対する労務管理が、はなはだうまくないという評判でございます。これは形で言えば、労働組合との紛争があまりに多過ぎるという一つの表現にもなるだろう。その原因は一体何なんですか。
  64. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいま労働組合との紛争が多過ぎるというお話でありますが、林野当局といたしましては、あえて事をかまえて、組合と紛争を起こすというような態度でやってきたわけではございません。すでに先生の方でもお聞きかと思いますが、従来の林野におきます労使関係というものが、労働自体あるいは作業場の原始性と申しますか、そういうことからいたしまして、ほかの現業等に比べまして、組合自体も、また林野の当局の方におきましても、管理その他の面において若干欠けるところがあった。そういうことが原因となり結果となりまして、国有林野事業特別会計発足以来すでに十何年になりますが、そういうことが次第に醸成されてきている。これは十四の営林局の中で、局の性格によって、いわゆる先生のおっしゃいます紛争の現われ方に非常に違いがあるわけでございます。従いまして一概に、組合と林野当局の間で紛争が常時起こって、非常な紛争状態にあるというふうにはわれわれは考えていないわけであります。御指摘のあるような局署につきましては、長官以下いろいろ指導なり是正策というものを、鋭意講じてきておるわけであります。また組合の方におきましても、その点は大いに理解されてきておるのではなかろうか、かように考えております。
  65. 石山權作

    石山委員 私はここで組合がいいとか当局が悪いとか、そういうことを申し上げるつもりはございません。ただ私たちは国家全般行政事務上から見て、紛争が次々に起こるとすれば、これはけっこうなことではないと思うわけです。特に公務員方々が、一万で十一万の人々を指揮なさるのでしょう。そうした場合に、いわゆる一人の気持というものは、十倍の人に響くことになります。それは何ぼ独立採算制とか特別会計といっても、国家の機構の中にあることは間違いがないのだから、そういうことは私ははなはだ相済まないことだと思う。そこで労使ともに、ある意味では紛争が起き過ぎるということは、やはり是正されなければならぬと思うのですが、その是正されなければならない要素の中に、この十一万人の身分の処遇で、かなり紛争が起きているように見えるのです。それは事実でしょう。違いますか。
  66. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいまの御質問の最後の点でございますが、定員化の要求とか、あるいは新規定員の獲得という点についての御質問でございましょうか。
  67. 石山權作

    石山委員 そうです。
  68. 高尾文知

    ○高尾説明員 私、係の方に聞いて参ったのでございますが、いわゆる新規定員の要求というようなことにつきまして、組合の方から特別にそういう要求があったということは、実は聞いていないわけでございます。ただ従来、先ほども問題になっておりました非常勤職員の中で、定員職員と実態上同じような仕事をやっているのに定員になっていない、処遇上非常に工合が悪い、そういう者の改善策として、欠員がある場合には定員に繰り入れろとか、そういう意味のお話はちょくちょくあったようでございまして、私赴任いたしましてからも、いわゆる定員化の問題についてはどういうように進んでおるのだというようなことを、これは団交の席ではございませんで、非公式の話し合いの場で、そういうことを伺ったことがございます。
  69. 石山權作

    石山委員 常時雇われている方々十一万人の中で、たとえば去年秋田営林局でいろいろな紛争があった。いわゆる拠点闘争、合川営林署の拠点をやった。そこに首切り問題等が起きたのですね。それはそれとしていいですが、それの一環としてそこの地域住民を採用するとか採用しないとかいう問題までまだ残っているわけなんです。これは完全に労使紛争を地域住民まで及ぼした林政当局のやり方は少ししつこいと思うのです。二カ月や三カ月あるいは半年かもしれませんよ、雇用された者まで皆さんのいわゆる労使の紛争の中に巻き込んで、それまでいわゆる勤務評定ですか、採点して雇うとか雇わないとか、好ましい人であるとか好ましい人でないとかいう判定、御承知のように奥地へ行きますと、その部落全部が営林署の何かの仕事をしているわけなんです。それ以外に仕事がない。その人たちは、何か強い意識を持って行動したのではないと思う。それにもかかわらず、取捨選別を厳格にしているのです。こういうことはあなたたちの方までそういう様相が上がってきて、そういうことを了解しながら、そういう春の仕事を進めているかどうか。
  70. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいまの点は、実は私ども承知いたしてないわけでございます。ただ現地におきまして、いわゆる地元の労力を雇用いたす、採用いたすという場合に、現地にはこれは営林署あるいは事業所段階でございますが、いわゆる当局側の職員は大体署の事業課長が当たるわけでございまして、それ以外にいわゆる組合の立場で相当な委員が入りまして、技能者評価委員会というものを従来結成いたしておるわけでございます。これによって人を雇って賃金をきめる場合に幾らにするか。前年より技能が上がっているから何割ふやす、あるいは劣っているからこれは下げなければならぬとか、そういうことで賃金を決定するということはわれわれ存じておりますが、ある特定の地区におきまして、そこの地元の部落民をいわば妙な調査をやって、それによって云々するというようなことは全然存じておりませんし、林野本庁といたしましても、そういうことは全然指示も指令もいたしておりません。
  71. 石山權作

    石山委員 あなたの方から指示、指令されてそんなことになったら、またこれゆゆしい問題だと思います。おそらく現地の方々の判断でそういうことをなさっていると思いますが、そういう取捨選別、こういうことは、せっかく静まった問題をまたぶり返す一つのことだと思うのです。春になったら春になったように、去年のことは払拭して新しい気持で山の中へ入らせなければいかぬのではないか。特に山の中の仕事は、私少しく了解していると思うのですが、これは本気でやる気でやると、サボる気でやるとでは大へんな違いになる。まさか一人々々の人をあの広い山の中へ放しておいて、監視の目を向けるといっても、これは口だけの話で、事実上その個人々々の公務員としての自覚と良識に待つしかない、こういうことなんでしょう。ですから私は今までに起きた紛争は紛争として、やはり早くけりをつけて、春になったらお互いが仕事をするのは楽しいのだ、緑の山へ入ることは楽しいのだ。それをうまく活用して働かせるという工夫も、やはり労務管理の中の大きなウエートでなければならぬわけなんですね。そういう点が私たちから見ると、いささか欠けているのではないかという心配がございます。これは私は何もさっき申し上げたこっちがいいとか悪いとか申し上げることはない。そういう点十分注意してやっていただきたいと思う。ですから、この定員三名しか増にならないというのは、ある人にいわせれば、これは組合に対するいやがらせだ。当局と組合とが紛争を起こせば、定員問題もこんなふうに済まないものだぞと一般大衆に見せつけてやる。まさかそれほどでないと思うのですが、そういううがったことを林野当局に言っている人もいるということを、あなたたちはやはり知っていただきたいと思うのです。そういううがったような批判をする人がいるということは、故意であれば別だけれども、通常にそういう声が出るとすれば、やはり当局側にも反省する労務対策上の欠点があったのではないか、こういうふうに僕としては理解される。     〔岡崎委員長代理退席、委員長着席〕  それから労働組合と使用者というものは、絶えず紛争が起きやすいものだが、あなたの方は少し激発だ。鹿児島にもあるし、長野にもあるという工合ではね。これは何か欠点があるのじゃないかというふうな気持がしますので、そういうことを言われないように一つ能率を上げてもらいたいし、公務員を上手にあなたの方で管理していただきたい。こういう要望を申し上げるのは、私たち代議士として決して失礼ではないし、あなたたちに押しつける行為ではないと思う。その点は十分勘案していただいて、それからあの通り国有林というものと民有林というもののけじめというものは、昔から争いの的になって、地域住民にすれば、おれたちの山であったというような気分があるわけでしょう。それが国有林になっているわけですから、その地域住民に、ある点ではちょっと行き過ぎがあったかもしれないけれども、あの人たちはやはりそこで生計を営むしか方法がない。だからその点を十分勘案して、やはり採用方というものを見る必要があるのではないか。あなたの方としてもそういうことをやはり地方へお話しなさる必要があるのではないか、こういうふうに思っていますが、その点はいかがでございますか。
  72. 高尾文知

    ○高尾説明員 ただいま非常に御懇篤な御注意をいただいたわけでございますが、局にいたしまして十四、署にいたしまして三百三十八の営林署を一応預かってやっておるわけでございます。しかも現場は非常に奥深いところにある。これはもう先生の御承知の通りでございます。従って中央考え方その他が局なり署なりの末端までどういうふうに伝達していくか、そういう点われわれ非常に反省しなければならぬと思います。ただいまのように、現実に地元の農民の生計といいますか、これに非常に重大な支障を来たすようなことは、極力私どもも避けねばならぬ。ことに東北地区、長野地区においてはそういう感を深くいたすわけでございますので、十分良心を申し上げまして、是正する措置がすぐとれるものならば、そういう点は指導いたしたいと思います。
  73. 石山權作

    石山委員 農林省の官房長に簡単に伺います。あなたの方で最近たくさん事業をなさっておる。これは一千億をこえるほど事業量がふえたという話を聞いておりますが、それの一つの例として八郎潟、これは皆さんから大へん努力をしていただきまして、世紀の干拓だとか、日本農業の一つのひな形とか、いろいろおほめの言葉や将来希望の持てるようなことをおっしゃっております。私はあそこに二、三べん行ったわけですが、どうも事業量が非常に多い。そしてそれを消化するに人員が不足だということを、行くたびごと、上の責任者の方からも言われている。末端にいる人はそういうことを意識していないせいか、あまり強く言いませんけれども、実際の仕事を担当しておる方から何べんも言われております。最近半年ばかり出張所へ伺わないものですから、その後の人員構成はどうなっているかわかりませんけれども、現在はどういうふうな工合に進めておるのですか。
  74. 斎藤誠

    ○斎藤(誠)政府委員 農地事務局の定員配置につきましては、各事務局別に毎年予算がきまりますと、それに応じまず事業分量等も考えまして、そして事務局に配分する。さらにまた事務局におきましては、各事業所の事業量に応じて定員を配分する、こういうことで従来処理して参ったのであります。われわれといたしましては、事業量に応ずる人員の確保、事業の遂行に遺憾なきを期するだけの体制を整えるということについては、常々十分留意しておるわけでございます。お話にありました八郎潟の事業につきましては、本年度事業量といたしましては、昨年度に比べまして相当大幅にふえまして、約三十億の事業を行なうということに相なっておるのであります。そういうことでございますので、従来の人員では事業の達成に不十分ではなかろうか、こういうことで人員の増配置につきましても、予算を通じ、また事実上の運用につきましても考えて参ったのでありますが、今回の措置によりまして、現在までの人員定員内で百三十五名でございましたのを、新しく三十五名増員いたしました。また常勤労務者は従来百名でございましたが、これを十名ふやすということにいたしまして、結局四十五名増員を八郎潟の事業関係として増配置いたしたのでございます。従いましてこれらに当たるところの人間は、二百八十名ということになるのでございます。昭和三十二年当時におきましては大体定員と常勤が五十名、五十名で百名であったのでありますが、今申し上げましたように百名から二百三十五名になって、それが二百八十名になる、こういうことで、事業に応ずる人員の体制については十分配慮をいたしておる次第でございます。これによって本年度の事業遂行にわれわれとしては一応確保されておるのではなかろうか、かように考えておるわけであります。
  75. 石山權作

    石山委員 大蔵省の査定が最初の農林当局の考え方と変わりまして、初年度が減ったわけでしょう。そうなるとピークするときは一ぺんにピークする。来年、再来年あたり予算をいただいても事業が進まないというふうな懸念が、今の農林省の人事体制からすれば多分に出てくると思う。特に皆さんの方で悩まれるのは、どこかでき上がった干拓からこっちへ移すという、そういう便法がうまくできれば心配ないけれども、どうもピークが一ぺんにやってきたので、どうしても人員を新規に採用しなければならぬということになりますと、なかなか大蔵当局と摩擦もあるでしょうし、省内でもいろいろな問題があるいはあるかもしれません。私たちとしましてはやはり来年、再来年のこういう工事量、あるいは予算が多くても人員がそれに伴わないというふうなことが見える。去年なんか私はそういうふうに見たのです。少し人員の配置が手おくれではないか。ですからピークに間に合うような人事配置、来年度、再来年度に対する人事構成というものを一つ研究しておいていただきたいと思います。  それから建設省にお伺いするのですが、今度の予算では、要求された二級国道はほとんど通った。これは地方民は非常に喜んでおるわけです。これに対して仕事をあの通りしていただいて、これもいいと思う。ただあそこの細長い道路の端っこへ行って働いておる人たちの声を聞いたことがありますか。私は民主的な代議士と自負しているだけにたまに自動車からおりてあの人たちの声を聞くのです。大へんなものですね。まことに御苦労千万、風雨にさらされて働いていながら、身分はさっぱり上がらないと言っている。賃金も上がらないと言っている。もう一つ言いたいことは、こういうことを言っている。     〔委員長退席、岡崎委員長代理着席〕 係長とか係長補佐、こういうものはだれもいなくても、一人くらいできるというのです。使用する雇員といいますか、こういう人がいなくても確保できる、そういうふうなことが言われているが、ほんとうに汗みどろになってトラクターを五年も動かしたけれども、まだ採用にならぬ。お前、試験ができないだろう。いや試験はとっくに成規の試験を二回受けておる。こういう声をあなたは聞いたことがありますか。それは私の言うことが違っておるなら違っておると言って下さい。
  76. 竹内藤男

    ○竹内説明員 建設省の道路の現場におります建設機械のオペレーターが、なかなか定員になれないということは事実でございますけれども、現在のところオペレーターの試験に合格しているような人は、常勤的非常勤職員として地建本局に登録いたしまして、それについての給与上の待遇は、定員内の職員と変わらないように措置をいたしております。
  77. 石山權作

    石山委員 私せんだって給与の話のときも申し上げたのですが、正規の公務員でも人事院の資料から見れば三十一才にならないと子供を生んではいけないという資料が出ておる。それと非常勤の方々定員でない方々の給与を比べてみますと、思い半ばに過ぎるものがあるわけです。今あなたがおっしゃったように、それだけ給与をやったとおっしゃるけれども、なかなか末端では満足していないだろうと思う。特に請負なんか自分仕事をやっておる場合と監督される場合がある。請負の監督される身分の方はどういうふうな立場になっておりますか。
  78. 竹内藤男

    ○竹内説明員 請負の監督をしておる方の人は大体技術職員ということで、これも定員職員定員外職員とあります。
  79. 石山權作

    石山委員 それから買収の測量ですね、価格評価の問題、こういう人たちはどういう立場人たちがやっておりますか。
  80. 竹内藤男

    ○竹内説明員 用地等の買収に当たります場合に、土地並びに建物の物件を評価いたします人は、責任者は職員になっておると思います。それの補助をしておる人の中には定員外の職員がおるわけであります。
  81. 石山權作

    石山委員 これは行管の方もおいでだし、大蔵省の方も聞いていただきたいのです。国家の権利を施行する人で、正規の公務員でない方は相当おるということです。これはやはり大へん問題だと思う。特に買収した場合には国有財産等になるわけです。そういう点もあるのですから、やはり定員化をかなりの点まで幅を広げ、しかも広げるのはいつかは広げると言ってはいかぬ。やはり速度を早めて処理していただくことが、実は国家の行政能率化から見ても、公務員としての襟度から見ても私は必要なのではないかと考えます。運輸省の場合は港湾の問題等もにらみ合わせながら、大蔵省でも人事の査定をしていただきたいし、行管の場合は特に担当官庁でございますから、十分に働いている人たち身分を守るという建前から、定員化一つ研究していただきたい、こういうふうに考えます。  私はこれで質問を打ち切ります。
  82. 岡崎英城

    ○岡崎委員長代理 次会は明七日午前十時より開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後一時十一分散会