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小野参考人 お答えを申し上げます。
四件に関する御
質問でございますが、まず第一点の
ラジオ聴取料の最近の
傾向及び将来の
対策についてでございますが、
ラジオの
聴取者自体といたしましては、これは決して減退をしておらないばかりでなく、
増加を見ておると思うのでありますが、
NHKの
収入の前線になっております
放送法にきめられました
契約の件数といたしましては、
目下漸減の
傾向にございまして、
昭和三十四年度
予算の
関係で申し上げますと、御承認をいただきました
予算におきましては、
ラジオ受信料を六十七円から八十五円に改訂いたしまして、なおかつ十万の
増加を見込んでおったわけでございますが、実際の実績といたしましては、最近までの
状況で約九十万の
減少を見ております。そういう面で、
予算との
関係におきましては、十万の増が逆にそれだけの九十万の
減少になっておりますので、百万
程度の
減少を今日見ておるわけであります。今年度内の
情勢を推測いたしますと、おそらく百万をいささかこえる
減少を見るのではないか、かように考えられるわけであります。その
原因がどういうところにあるかと申しますと、大勢といたしましてはやはり
テレビジョンの急速な普及によりまして
減少を見ておるようであります。事実こういった
減少に対しまして
協会の
事業運営の
基礎になります
収入に非常に影響のある問題でございますので、極力そのようなことを防止いたしますためにあらゆる施策を講じておるわけでございまして、その面ではきわめて強硬なそういった
措置をとりつつあるといったような不平を聞かないでもないのでありますが、そういった
措置も
法律上の限界もございますし、なかなかそういうような点につきまして十分とはいかないかもしれませんが、その際におけるいろいろ御
事情を聞いてみますと、やはり
テレビをつけたから
ラジオは聞かないのであるというような意向が圧倒的に多いのであります。
〔
橋本(登)小
委員長代理退席、
進藤小
委員長代理着席〕
その他
ラジオの故障を理由にされる方方もございますが、大体におきましては
テレビを見れば用が足りるので
ラジオを聞いておらない、従ってこれを処分しておるというようなケースが非常に多いわけでございます。そういう
状況で
ラジオの
契約数がかなり激減を見ておるというような
情勢でございます。
これに対して将来の
対策でございますが、この
対策を立てますためにいろいろそういった
減少の実態を
ほんとうに調査いたしますためにいろいろ手を尽くしておるわけでございまして、今日まだそれに対しまして的確に
対策の
根拠に取り得る確信があるというようなことはまだつかみ得ないのでございますが、そういった面を早急につかみまして
収入源の確保につきまして有効適切な
措置を考えなければならない、かように考えておる次第でございます。
お尋ねの第二点でありますが、
有線放送ラジオの
設置数並びにその
個数でございますが、この点につきましては
資料が
昭和三十四年の一月三十一日現在のものしかただいま手元にございません。これで申し上げますと、
施設の数といたしましては
共同聴取の数が千二百九十六というようになっております。このほかに
有線放送電話施設を持っておりますものが千八十四ございまして、合わせまして二千三百八十ございます。それに対しまして
加入者の数が何名くらいあるかと申しますと、
共同聴取施設のみの者が三十二万七千七百四十、
電話の付置いたしております者が六十三万八千四百九十二でございます。両方合わせまして九十六万六千二百三十二、約百万ございます。これに、内訳でございますが、
単独の
受信機所有者と、そうでなく、そういった
ホーム・
セットを持っておらないで、この
施設につながった
スピーカーだけのものと両方ございます。試みにこれを分けてみますと、
スピーカーだけを持っておりまして
ホーム・
セットのないものが、
共同聴取施設のみにつきましては二十一万五千七百五十三でございます。
電話の付置いたしておりますものが六万八千三百十九でございまして、合わせまして二十八万四千七十二、約三十万でございます。今の
電話のあるなしにかかわらず、そういった
スピーカーの
施設もあり、他にまた
ホーム・
セットを持って、一般の
ラジオ受信者と同様に
単独にそういった
受信機を所持いたしております者が、
共同聴取施設につきまして十一万千九百八十七、
電話のついております者が五十七万百七十三名ございまして、合計いたしますと六十八万二千百六十名でございます。これをパーセンテージで申し上げますと、ざっと七〇・六%は
ホーム・
セットを持っておられる。残余の者が
ホーム・
セットなしに
スピーカーだけで聞いておられるというようになっておるわけでございます。
〔
進藤小
委員長代理退席、
淺香小委員長着席〕 さらに
お尋ねの第三点でございますが、
有線放送ラジオに対しての将来の
対策及び今後の
措置をどうするかという
お尋ねでございますが、この点につきましては、今回編成いたしました
予算、ただいま御
審議をいただいております
予算の
内容といたしましては、こういった
有線放送の
ラジオの
聴取者に対するいろんな便益の
問題等も考えまして、
在来もささやかながらやって参ってはおるのでございますが、これを強化いたしまして、この
施設の
運用なり技術的な面につきまして、力添えをいたしたいというような点も考えまして、約一億六千万円余の
歳出項目予算を計上してあるわけでございます。しかしこの
関係につきましては、
在来いろいろ問題がありまして、いろいろ御指示も得て参っております。このような
施設についてまるまるの
受信料を徴収することの可否につきましては、ここ相当前から問題になっておるわけであります。そういった諸
問題点はよく
承知をいたしておるのでありますが、そこにいろいろ困難な問題もございまして、かたがた、かりに
減額をいたすとしますと、その
減額の理由なり、
在来NHKといたしまして
郵政大臣の御
認可を得まして、一定の基準によって
減額、
免除の
措置をいたしております方策、それとの
関連等も考えまして、いろいろ
方針の上から申しましても、またその他実際これが
取り扱い等の面につきましても、
問題点はよくわかっておりますが、そのような
措置をいたしておりません。先ほど申し上げましたように、
施設に対する技術的な
援助というような
意味合いにおきましてそのような金を盛ったのでありますが、その編成の
過程等を通じまして、いろいろ、そのような技術的な
援助よりも、むしろ直接これは
減免の方面において考えるべきだというような御
意見も承っております。このような面は、いろいろと御
意見によりまして善処いたしたいとは思うのでございますが、これも三十五年度
予算をすでに編成いたしておりまして、そのワク内にかかる問題ではございますが、こういう点につきましても、
技術援助というような面で金としては一億六千万円の金を盛ってございますので、これをどのように
予算執行上におきまして
措置したらいいかという点はあろうかとも思います。
以上、はなはだ簡単でございますが
お答えを申し上げます。