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横山委員 山本博士の
最後は同感でございますが、最初の資本の問題、その点ではどうも私は同感をいたしかねるのです。それは、現在、他人資本と
自己資本とのバランスが、戦前と比べて他人資本が多い、だからいかぬのだ、戦前は常道であったというところにどうも
議論の
中心があり、そこで第二段に金というものはなるべく変えぬ方がいいという修身的
経済論といいますか(笑声)、そういう観点に立っていると私は思う。本来あなたと私と逆なわけです。あなたは自由主義
経済で、金なんかどこからでも持ってこい、われわれは社会主義でというふうにならなきゃならぬわけですが、ちょっと私の方が商売根性があって、あなたの方が修身的
経済論ではおかしい。私は、今の日本の
経済の
状況からいって、他人資本が多いということは、それ自身切迫感、危機感、銀行、金融機関の極端な強圧というものが
一般論としては増大したではないかということなんです。それから百歩譲って、よろしい、修身的な
意味において了承しょう。けれ
ども、だからといって税金でめんどう見る必要はないではないかというのが私の持論でございますから、その点は
一つ山本博士も税の公平論として御同調を賜わりたい。
どうも話がそちらへいって、私の質問していることを忘れてしまいましたが、山本博士の
結論でも、勤労所得だから、
耐用年数でめんどう見てやるか、あるいは
自家労賃でめんどう見てやるか、そのどちらかでやるべきだという点については全く同
意見でございますから、これは問題はないのであります。与野党一致の
要望として力を入れられることを、
要望します。
時間がありませんから、次に
国税庁関係に移りますが、聞くところによりますと、三十五
年度の
予算で二千百五十億の
自然増収を生み出しますためには、
国税庁としてはもう全努力をあげなければならぬ、
主税局としてもそれだけの金は何としても確保しなければならぬということで、いろいろな工夫をされておるそうであります。私があちらこちらでうかがい知ったことによりましても、たとえば、よく本
委員会で問題になるのでありますが、青色の取り消しを一生懸命にやるということになるし、また承れば各局で
法人税課が独立して、
法人税の
徴収について全努力をあげるというし、それから裁判で負けてばかりおるから、裁判で勝つように税務官
制度の新設をするというし、それから基本通達で非常にシビアなやり方をするというし等々、いろいろな手を使われておるそうであります。しかも、ある新聞を見ますと、まことに驚いたことに、「証拠
資料の完全収集に力を入れるが、これに新兵器として超小型録音機が登場する。すでにテストが行なわれており、四月から各
国税局に備えつけられる予定だが、ポケットなどにも簡単に入るテープ・レコーダーで、マイクは万年筆とか腕時計などに仕込まれているので外見からは判らないのが特長、」こういう新兵器を持って納税者のところに行く、そのために
予算を計上されておる、こういう話だそうです。これに対して、そこにいらっしゃる白石直
税部長の談話を読んで見ますと、「
調査費が増えたからといって、直ちに税務
調査を強化するという
考えはもっていない。むしろ今までの
調査費が少なすぎたといえよう」とうまいことを言っています。「ただ、今年は
経済界が好況であることと適正な申告をしているものと、そうでないものとの区別をするためにも
調査をより一層深度化、精密化して、適正な
課税を図る必要があるわけだ。」まことに適正な言い方のようではありますけれ
ども、裏を返していけば、ずいぶんはっきりしたものの言い方だという感じがいたすわけであります。
一体二千三百五十億が妥当であるかどうかということについては、大いにお互いに
議論のあるところでありますけれ
ども、一応その
議論はさておくといたしましても、ほかっておいて二千百五十億が集まるものではないというあなた方の
考え方が、いろいろなところで随所に問題や話題を提供しておるようであります。
二、三その点でお伺いしたいのですが、
一体こういう新兵器なるもの、人をばかにしたようなテープ・レコーダーを持って納税者に臨まれるおつもりであるかどうか。それらを
中心にして、この
自然増収と称せられる増税についての
徴収の仕方についてお伺いをいたします。