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1960-04-06 第34回国会 衆議院 商工委員会商工会の組織等に関する法律案等審査小委員会 第4号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年四月六日(水曜日)     午前十一時十九分開議  出席小委員    小委員長 小川 平二君       岡本  茂君    始関 伊平君       小林 正美君    田中 武夫君       北條 秀一君  出席政府委員         通商産業事務官         (企業局長)  松尾 金藏君         中小企業庁長官 小山 雄二君         通商産業事務官         (中小企業庁振         興部長)    中野 正一君  小委員外出席者         議     員 小林 正美君         商工委員長   中村 幸八君         商 工 委 員 鹿野 彦吉君         商 工 委 員 板川 正吾君         商 工 委 員 勝澤 芳雄君         総理府事務官         (自治庁税務局         市町村税課長) 鎌田 要人君     ————————————— 本日の会議に付した案件  商工会組織等に関する法律案内閣提出第七  六号)  商工会法案小林正美君外十名提出衆法第二  〇号)      ————◇—————
  2. 小川平二

    小川(平)小委員長 これより商工会組織等に関する法律案等審査小委員会を開会いたします。  内閣提出商工会組織等に関する法律案及び小林正美君外十名提出商工会法案の両案を一括して議題とし、審査を進めます。  発言の通告がありますので、これを許可いたします。小林正美君。
  3. 小林正美

    小林(正)小委員 中小企業庁長官お尋ねをしたいと思うのでありますが、先般私どもが要求いたしました大都市商工会議所に対する指導方針について、通商産業省としてはどのように考えておられるか、こういう要望に対して、先般四月四日付のあなたの方の考え方プリントで出て参りましたので、その点についてお尋ねをいたしたいと思うのでありますが、まずその前に、長官東京都の中小企業の諸君としばしば会合を持たれて、いろいろと要望を聞いておられると思うのでありますが、あなたの耳にどのようにこの法案について東京都の中小企業、特に小規模事業者考え方を持っておるように入っておるか、その点まずお伺いをいたしたいと思います。
  4. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 大都市におきます小規模事業者指導のやり方につきまして、本委員会でいろいろ御意見がありましたし、大へんいろいろな見解が御披露されまして、私どももそれについて従来ともいろいろ関係方面意見を聞いておりますが、またそういう国会での議論にからみまして、それぞれ関係向きが具体的にどういう考え方をしているかというようなこと等は随時これを聞いております。またその方々に対しましては、私ども考え方も申しまして、いろいろ意思の疎通、また大都市商工会議所小規模事業指導がうまくできますようにという方向について、いろいろ考えておるわけであります。今お尋ね小規模事業者を代表しますといいますか、その方面意見として、一つ商店街関係のまとまる団体区ごとにまとまっております。それが集まりまして府でまとまっておりますが、そういう方面一つ意見、それからもう一つ工場協会、これが区に大体ございまして、これが都にまとまっておりますが、この面の意見、この二つの面の意見が主として小規模事業者意見を反映するものだと思います。  前者につきましては、いろいろの意見がありましたが、初めは商工会法ができて小規模事業に対する指導をやるというふうなことから、われわれの団体そのもの補助をしてくれというような考え方をしておったようであります。ところが、前にも申しましたように、商店街組合というものはそもそも指導団体というよりは、むしろ協同相互扶助的な組織団体でありまして、会の性格も違うし、区域あるいはその団体組織の仕方から見て、小規模事業者指導を全般的にやるという組織には、そのままではなってないじゃないかというようないろいろな話をしまして、それに対しましては、その関係向きでは、それではかりに商工会議所タイ・アップしてやるにしても、われわれの団体をそのまま利用してくれないかというような考え向きにだんだん変わってきたと、われわれは考えております。  それから工場協会の方でございますが、この方は主として労働関係仕事をやっておったという沿革その他からいいまして、これもそのままでは指導団体としては利用しにくいじゃないかというようなことを話し合いまして、結局これもそれでは商工会議所タイ・アップして、なるべく自分の方の組織を活用してくれというような考え方になってきておると考えております。そういうことも考えまして、先ほどプリントで差し上げましたような商工会議所の中にそういう団体を繰り入れていく、そういう団体を通じて小規模事業者意思会議所に反映させるような仕組みを考えますとともに、小規模事業指導の場合にも、そういう団体を利用していくという考え方で、今後指導して参りたいという、書面に盛っておるような内容になった次第でございます。
  5. 小林正美

    小林(正)小委員 今二つ団体名前が上げられましたが、東京都などにはいわゆる民主商工会というのがございますね。この民主商工会の人々は、この商工会法に対して大きな関心を持っておりますが、その方面の声もやはり十分聞かなければならぬと私は思っておりますし、すでにあなたのお耳にも入っておると思います。ところがその点はことさらに今答弁の中から抜けておりましたが、すでに長年の間商工会という名前を使って都市部において、特に零細企業者の立場に立って、民主的に運営しておるこの商工今というものを頭から無視して、たとえば第何条ですか、その名称を用いることができない、もし用いたならば過料が課せられるというようなことでは、はなはだいかがであろうかという感じがいたしますが、その点についてはどう思っておられますか。
  6. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 民主商工会というのがありますことは事実であります。これは御指摘の通り全国的に見ましても大体百三十程度ございますが、大体市部に多く、郡部にはほとんどございません。しこうしてこの団体性格といいますか、団体たとえば何々区の民主商工会というようなことで、一応地域的なかまえをいたしまして、その会員指導に当たるという組織であるわけでありますが、実際の動きを見ますと、これはそもそもはもっと数も相当たくさんあったわけでありまして、その起こりはいわゆる反税闘争的な目的をもって非常に活躍をしたという時期があるわけであります。それが相当の数に上がっておりましたが、漸次そういう動きが静まって、今のところは数も非常に少なくなって百三十程度になった。会員も全部で推計三万くらいだろうということで、一つの会の数も平均の会員数も二百数十人ということになっておりまして、今申しましたように地域的なかまえをしておりますが、実際入っておる人は非常に数が少ない。ばらばらで同好の士が集まっておるというような組織でありまして、私どもとしましてはこういう人たち意見もいろいろ会って聞くことがございますけれども、要するに指導団体としての商工会というようなかまえになっていないという見方をしておるわけであります。従って今回の小規模事業者等指導機関としての商工会いうものとは、全然性質が違うという考え方をしておるわけでありまして、そういう意味で今それに触れなかったわけであります。
  7. 小林正美

    小林(正)小委員 まず、この民主商工会の問題からお尋ねをいたしておきたいと思うのでありますが、今度の法律案によりますと、第六十六条に「第五条第二項の規定違反した者は、一万円以下の過料に処する。」こういうことになっておりまして、一年が経過いたしますと、商工会という名称は用いられないということに相なるわけでありますが、そこでお伺いをしたいことは、たとえば団体法における、あるいは協同組合法におけるこのような罰則があるかないか、あるとすればどのような規定になっておるか、これとの比較において一つ長官のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  8. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 名称禁止規定商工会法のみならず、これに似たような団体にはすべてあるわけでありまして、中小企業等協同組合法におきましても、協同組合という名称協同組合でなければ使えないとともに、「不正の競争目的登記された組合名称同一又は類似名称を使用した者は、一万円以下の過料に処する。」ということがございまして、罰則規定も同様になっております。
  9. 小林正美

    小林(正)小委員 それに出ております、何か前提条件がついておりますね、不正の云々という言葉が。ところが今度の場合には不正の何とかという前提が入っておらない。その点はどうして違うのですか。
  10. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 商工会議所あるいは商工会というような公益性の非常に強い性質のもの、これは明らかに公益法人規定されておりますが、そういう種類のものは名称そのものずばりを禁止し、またそのもの違反ずばりを過料に処する、こういうことになろうと思います。協同組合性格的に言いますと、公益法人営利法人の間のような中間的性格法人だと思います。従って営利事業的な経済事業もやるわけであります。従って名称を禁止いたします場合にも、その経済性といいますか、取引等のじゃまになるとか、そういうような意味相当付加されるのではないかと考えるわけであります。従って不正競争目的登記された組合名称というものとの比較一つするということとともに、その取引上のいろいろな混乱を避けるという意味からいたしまして、同一名称のみならず類似名称も取り締まるということになっておりまして、この二つの点で商工会協同組合の差が出てくるのではないか、こう考えます。
  11. 小林正美

    小林(正)小委員 私は不勉強でわからないのですが、商工会議所法にはどういう罰則がありましょうか。ちょっと教えてくれませんか。
  12. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 商工会議所法も全然同じでございまして、三条二項の規定違反した者は一万円以下の罰金に処する、こういう規定がございます。
  13. 小林正美

    小林(正)小委員 団体組織法の場合に、しからばどのような罰則があるか、その点をお尋ねしたいと思います。
  14. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 罰則の点では全然同じと思いますが、今条文を調べます。——団体組織法は百十五条でございます。やはり一万円以下の過料であります。
  15. 小林正美

    小林(正)小委員 そこでお尋ねをいたしたいことは、政府原案によりますと、商工会というものは商工会議所地域を重複せしめては相ならぬ、こういう建前になっておりますね。あなた方がこの法律でもって商工会という名称を他に使用せしめないという目的は、その理由は同じ地域に、商工会というものが二つあっちゃ困るということから、私はそういう規定になってくるのだろうと思うのでありますが、しからばあなた方の考えておられるような都市部には商工会議所を置くものであるという建前に立つならば、都市部にはいわゆる法律で認められた商工会というものはあり得ないわけでありますから、従って任意団体商工会というものを置いても、少しも実害がないではないか、こう考えますが、その点はどうですか。
  16. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 商工会商工会議所でもって小規模事業者指導一つ組織網といいますかを作ろうということが、一つのねらいなわけであります。商工会仕事先ほど申しましたように仕事相当公共性を持っておるということでありまして、商工会のある場所に任意商工会ができるというようなとき混同を生じまして、どちらが本物といいますか、法律で認められた商工会かわからぬというようなことで、善意の第三者に迷惑をかけるというようなことのないようにという趣旨が、この名称禁止趣旨であります。
  17. 小林正美

    小林(正)小委員 意味が違いますよ。政府原案というものは商工会議所商工会というものを法律で認めた団体として、同じ地域には重複せしめないと、こういうのでしょう。それなれば商工会議所を認めた地域には、いわゆる法律で認めた商工会というものはあり得ないわけですから、民主的な任意団体としての商工会はあったって、ちっとも差しつかえないではないか、こういうことです。その点どうですか。
  18. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 商工会議所地区には商工会ができない建前になっておる。従ってその地区には商工会という名前を使った任意のものがあっていいじゃないかというお話でございますが、商工会というものがどこにできようと、要するにその交渉の相手といいますか、これを相手にしていろいろ一般の人、あるいは業者の人が行動するといいますか、そういうことは地域のいかんにかかわらぬわけでありまして、遠くの方から東京都の商工会東京都にたとえば商工会という名称任意団体がある。それをいわゆる法律商工会と誤って、たとえば取引指導に関していろいろ情報を交換するとか、教えてくれとかというような、連絡をしてくるというようなことがあります場合にも、誤るおそれがないとはいえないということで、要するに一般的に商工会というものの名称を保護しようということでありますので、そういう必要も絶無ではないと思います。
  19. 小林正美

    小林(正)小委員 私が言いたいことは、とにかく相当長い間、商工会というものが任意団体として、都市部においてこれまで相当仕事をしてきておる。実績を上げておる。しかるに、今一片の法律をもって、そういう任意団体商工会という名称を使うことができないということをきめてしまうということは、あまりにも過酷ではないか。だから、その点もう少しあなた方は思いやりある態度がとれないか、こういうことなんです。しかし私たちがこういう発言をしておるということは、都市部にはいわゆる法律で認めるところの商工会を認めないんだという建前に立って言うておるのじゃないのです。ただ、あなたの方がそういう前提であるがために、これは念のために聞くわけなんですが、もう少しその点は——かりにあなたの方の法律が通った場合において、都市部における商工会というものが全然看板を変えなければならぬ、そのために非常なたくさんの金もかかる、煩瑣な手続もしなければならぬ、これは大へんだと思うのです。その点はどんなものでしょう。
  20. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 やはり法律をもちまして、商工会というものを制度として認めていこうということにいたします以上は、この商工会という名前、あるいは商工会という名前じゃなくて、もっと別の名前を使って、従来の、かりに商工会という名前を使った人が、実際上長い間そういう名前を使っていたという事実に対して、そういう考え方があるいはできたかとも思いますが、いやしくも商工会というものを法律で作りまして、これを制度化して小規模事業者指導の綱を張っていこうという考え方をとります以上は、やはりその名称は、先ほど来申しますような意味で、公共性にかんがみて保護することが、どうしても必要じゃないか、私どもはそう考えます。
  21. 田中武夫

    田中(武)小委員 小林委員のただいまの質問と関連をいたしまして、お伺いをいたします。その点につきましては、先日、本委員会の方に総理出席を願ったときにも、私から若干触れた点でございますが、そういたしますと、現に商工会という名を使い、任意団体として存在しておる。それが、今度この法案政府原案のまま通ったといたしますと、解散しなければいかぬか、こういうことについては、総理は、解散しなくてもいい、名前だけを変えてもらうんだ、こう言うのです。法律によって強制的に、従来何年かの実績を持つ名前を変えさせるということは、どうなんでしょう。法律的な点からいって、そういう法律はあり得ようかどうかという点と、それではもう一つ、それをなお続けていった場合に、いわゆる罰則によって一万円以下の過料になる。だが、一万円の過料を納めたら、それで済むのか。なお私の方は変えないといった場合に、名称変更確認訴訟でもとってやるということになりますが、それは一体どこがやるのか。私のところは変えませんと言ってやった場合はどうなんです。そこを押してやるならば、私はあのとき言ったと思いますが、憲法の保障する結社自由——結社はすなわちその名をつけることと思います。そのことにも関連すると思いますが、いかがでしょうか。解散命令でも出すのか。あるいは名称変更訴訟でもやらない限りできないと思いますが、その点どういうようになるのですか。
  22. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 先ほど来申しますように、協同組合あたりでも名称保護規定があるわけでありますが、ましてや公共性の非常に強い商工会議所あるいは商工会という種類のものは、当然名称保護規定があっていいと考えます。それで今お尋ねのように、これは名称を変えなければいかぬ、ひいては、あるいは解散させられるようなことに、まずなるんじゃないかという点は、これは結社の自由がありますので、任意団体として、任意組合として残ることは一向差しつかえないと思います。ただ法律に基づきまして、名称だけは変えてもらうということになります。どうしても名称を変えるのはいやだということになりますと、過料が課され、その違反状態が続けば、過料が何べんでも課せられるという法律関係になっております。
  23. 田中武夫

    田中(武)小委員 過料が何回でも課せられるということは、どういうことになりますか。たとえば現在何々商工会というものがある。この法律が施行せられて、それに対して一回ぐらい警告が出るだろう。それでもやったら過料が課される。なおやったら、続けて何回でもやるといって、一体何回ぐらいやられるのですか。法律的には毎日それに課しますか。  それから、あなたは今協同組合云々と言われましたが、協同組合の場合は登記したる場合ですよ。登記したる場合にあるのですよ。いわゆる登記によって第三者に対する対抗要件と申しますか、その登記によって名称の確保ができるわけです。現在の任意団体登記をしておった場合にはどうなりますか。この法律によって無効になりますか。商工会という名前登記した場合、どうなりますか。  ついでにもう一つ言うが、法律は、遡及しての効力は、特別の場合でないと認められないわけです。今後できるものに対してはあるいは適用できるかもしらぬが、すでにあるものに対して遡及しての効力がありますか。
  24. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 過料は、法律的に言えば、何度でも、毎日でも課せられると思います。これは少々研究してみないと私にもよくわかりませんが、ただ手続的には、警告したり、注意したりしてかける。なかなか聞かなければ、またもう一ぺん注意を喚起する意味で、制裁的にかけるということは、何回も何回も——毎日かけるということは実際問題としてないと思いますが、理論的には毎日でも、幾らでもかけられるものと思います。  それから従来ある任意団体等がその名前登記しておる。これは社団法人ならそういうことがあると思います。その場合には、それが本法の商工会にならないものであるとするならば、その登記を変えてもらわなければならぬということになります。  それから、今度この法律を作って、それが従来使っておったものに対して遡及するかどうか、こういうお話でありますが、これは遡及とか遡及でないとかいうことじゃなくて、新しく施行して、そのとき以後そういう状態では困るということを言っておるわけでありまして、法律遡及するという関係じゃないと考えております。
  25. 田中武夫

    田中(武)小委員 どうも今の長官答弁は不満足です。私が言っておるのは、まず法律は将来に向かって効力を持つ。だからこれからできるものに対して、たとえばこの法律によらないものが商工会という名前を使ってはいかぬということは、一応考えられるとしても、今まで任意に作ってきて、商工会という名前を持っておるものに対して、この法律が通ったからといって、行政措置その他で警告するというか、たとえばあなたの方でやると思うんだが、そういうことによってやるということが、憲法上の問題にかかってくるのじゃないかと私は思う。今まである任意商工会補助金等をもらう場合、そんなものは要らぬというのは、今まであるしにせの名前を続けていく、こういうことなんです。それに対して、名前を変えろという命令ができますか。訴訟上そういう判決をとれる自信がありますか。  それから協同組合の場合は、あくまでも登記することによって保護せられるのですよ。これは公益性云々の問題じゃないわけです。会社でも、商法による登記をすることによって、その地区に同じものを、株式会社何々という名前は使われないということは、これは登記というものの効果なんですよ。従って、そこでこそこそ打ち合わせをせられても、今のような答弁なら不満足です。法律専門家に来てもらって、私はこの点を究明しないと、この点については釈然といたしません。法制局及び法務省から来てもらうことを要求いたします。従ってここはおいておきます。
  26. 小林正美

    小林(正)小委員 それでは問題をもとに戻しまして、中小企業庁が出しましたこの指導方針の問題でありますが、この点プリントを拝見いたしましたが、どうも少し十分にわからぬ点がありますので、お尋ねいたしたいと思いますが、支部運営については、会員議決権は一会員一個とするということで、あといろいろ書いてありますが、この会員というものは、これは支部だけの会員ですか、商工会議所本部会員意味ですか、その点をお尋ねしたいと思います。
  27. 松尾金藏

    松尾(金)政府委員 商工会議所法建前から参りまして、ここでいっておりますのは商工会議所全体の会員、今のお話に当てはめますと本部会員、そして支部に分属するという形になっておるのであります。
  28. 小林正美

    小林(正)小委員 そうしますと、零細企業者が大量に東京なら東京商工会議所に加入をする場合には、その大量の零細企業者は全部一会員一個の議決権を、本部総会において持ち得るものであるかどうか、お尋ねいたしたい。
  29. 松尾金藏

    松尾(金)政府委員 それぞれの人が会員という形で加入されますれば、もちろんその会員の規模が大きい小さいには関係ございません。商工会議所法規定によりまして、御承知のように議員の中に一号議員がございますが、一号議員選挙に関する限りは口数による投票でございますが、それ以外は全部一人一票による公選制に相なっております。
  30. 小林正美

    小林(正)小委員 今の一号議員の説明を、一つ詳しくお願いしたいと思います。
  31. 松尾金藏

    松尾(金)政府委員 御承知のように商工会議所制度運営にあたりましては、議員選挙いたしまして、議員総会商工会議所全体の運営決定権を持っておることは御承知の通りであります。その議員の中に、御承知のように法律の中で、議員総会構成メンバーの中でその五〇%以上を、定款で一号議員というふうにきめておりますが、この一号議員選挙にあたりましては、先ほど申しましたように口数による選挙権が与えられております。しかしそのほかに二号議員というのが大体商工会議所の全体の——商工会議所会員の中に、いわゆる部会制度が作られておることも御承知のことと思いますが、これはその部会ごとに二号議員選挙するのであります。その場合はもちろん一人一票で表決が行なわれる。先ほど申しました口数による選挙権の差がございますのは、今申しました議員総会の半分以上を構成しております一号議員選挙の場合だけという制度でございます。
  32. 小林正美

    小林(正)小委員 私は、商工会議所ほんとうにいわゆる民主的な商工会議所になり得ない、いつの場合でも商工会議所運営というものが大企業に片寄るものであるということは、今あなたが言われた一号議員というものが存在しておるところに一番大きな原因があると思うのです。だからその点がほんとうに民主的に運営されるためには、やはり抜本的に改められなければならぬ、私はこう考える。少なくとも業者は一人一票、八幡製鉄の社長であろうと、町の魚屋さんであろうと一人一票でこそ、初めて私は民主的な商工会議所運営というものが考えられると思うのです。従来はそうでないために非常にゆがめられておる、私はこう思うのですが、その点局長のお考えはどうですか。
  33. 松尾金藏

    松尾(金)政府委員 商工会議所制度は御承知のように相当長い沿革がございます。従来の商工会議所は、大体こういう形で運営されてきておると思います。それともう一つは、やはり商工会議所という制度には相当の財政的な基礎が要るわけでございますが、その意味商工会議所の財政的な基礎を強くするのには、もちろん全部の選挙ではございませんが、先ほど申しました一部の選挙についてやはりこの程度の差を設けることによって、平たく申しますと会費を集めやすいというような、非常に現実的な事情が沿革的にもあったと思います。そういう事情が現在も引き続いて制度として残っておるというのが実情であろうと思います。
  34. 小林正美

    小林(正)小委員 今あなたは御答弁の中で、はしなくもあなたの考え方を率直にお話しになりました。しかし私が言いたいことは、いろいろここに書いてあります議決権が一人一票であるとか、支部会員の中から支部の役員を民主的に選任する方法をとるとか、あるいは評議員会を設けてやるとか、いかにもあなたの方の指導方針によりますと、支部は民主的に運営されるごとく表面は装われておる。ところが私が言いたいことは、肝心の商工会議所本部の構成そのものが、実はきわめて非民主的である。これはあたかも、たとえて言うならば、地方議員選挙においては、納税額に関係なく一般に平等な選挙権が与えられておるけれども、国会議員の選挙においては、税金の額によって選挙権を制限するというような制限選挙をとっておるという工合に、私はいわゆるたとえができると思うのです。会費の集め方の問題であるとか、会議所運営の問題等から見てやむを得ないのだとおっしゃるならば、税金をよけい納める資本家に対しては、国会議員の選挙においても選挙権をよけい与えなければならぬという理屈になりはしませんか。その点どうですか。
  35. 松尾金藏

    松尾(金)政府委員 今お話がございましたように、今度お手元にお配りしております支部運営につきましては、特に零細企業小規模事業者対策というような関係を重視をいたしまして、ここに書いておりますように厳重に一人一票ということで運営をして参りたいということにいたしております。ただ、今お話しのように商工会議所全体の運営ということになると、今御指摘のような従来からの経緯等の点があるじゃないかという点は、私もその事情はよくわかります。ただ問題は先ほど申しましたように、繰り返して申し上げますけれども商工会議所運営にはやはり財政的基礎云々というようなことからいって、ある程度、もちろんここでは全部の議員選挙について口数制限があるわけではございませんで、一部の議員選挙について口数制限を設けておるという程度で、そういうことで商工会議所の財政的基礎をよくするという現実的な問題の解決に進むのであれば、従来の経緯からいってこの点はやむを得ない実情にあるのではないかというふうに考えておりますが、しかし先ほど申しましたように支部運営についてはそういう制限を設けない、必ず一人一票でやるというふうに支部運営いたしまして、しかもこの内容に書いておりますように、大体その支部限りの小規模事業者対策というような事業については、その支部の評議員会の決定で意思決定できるように運営をして参りたいということも、あわせて考えておるような次第であります。
  36. 小林正美

    小林(正)小委員 私は今の局長の答弁にはきわめて不満足でありまして、いかに末端の機構が民主的なごとく装われておっても、肝心の本元において、そのバルブが大資本家の手によって、自由にあけ締めができるようであっては、何にもならぬと思う。これは将来も、私は会議所運営については、一つ御研究を願わなければならぬ、こう思うのです。  それから、中小企業庁長官に、もう一度お尋ねをしたいと思うのでありますが、実はこの大都市商工会議所に対する指導方針というものを読んで、一体東京都のいわゆる商店街の諸君たちがどんな感じを持ったかということを、あなたはもっと率直に、やっぱり受け取ってもらわなければ困ると思うのです。念のために、これを読んでみましょう。「地区内の商工団体との調整について」、こういう題で、「区内に商店会連合会、工場協会等の商工業者団体で経営改善普及事業の実施に熱意と能力を有するものがある場合には、商工会議所が当該地域小規模事業者に対し経営改善普及事業を実施するに際し、その団体商工会議所中小企業相談所支所を設置し、普及員を配置する等の方法によりその団体組織を活用して事業を行なうように努める。」こう書いてあります。ちょっと見ると大へんけっこうなように思うのでありますが、お尋ねをいたしたいことは、この「熱意と能力を有するものがある場合には、」こう書いてあります、この熱意と能力を有するものがあるという判定は、だれがやるのですか、これを聞かせて下さい。
  37. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 これは私ども大都市における商工会議所等が小規模事業者指導をやる仕組みとして、どういう仕組みがいいだろうということを考えて、指導方針として、この考え方をメモにしたものであります。この具体的のやり方その他につきましては、今後会議所とこういう関係団体とが具体的に話し合いまして、われわれもそれの相談に乗りながら、具体的なことをきめながら、仕組みを作っていかなければならぬと思います。ここに書いてありますことは、要するに考え方をまとめたものでありまして、従って、まあ全然自分の方はそういうことに関係ないのだ、やるつもりもないのだというようなことでは困るのでありまして、一応やるかまえをし、また、なるほどだれが見ても、うまくやれるというものでなければ困るという意味前提の書き出しのつもりでありまして、まあ熱意、能力と、非常にきつく書いてありますけれども、この具体的な仕組みは、なお関係方面と相談しながら、具体化していくということでありますので、熱意の程度をだれが判定するのだということよりも、むしろ具体的に話し合いつつ、その仕組みに入れていくということでありますので、われわれはこれで一向さしつかえないのじゃないか、こう考えております。
  38. 小林正美

    小林(正)小委員 それはまことにおかしな答弁で、いいですか、「熱意と能力を有するものがある場合には、」というのが大前提でしょうが。この大前提が、さっぱりどうもあなたの今の答弁では、何が何だかわけがわからない。これをはっきりしてもらわぬと——あなたがわからなければ企業局長でもけっこうですよ。一体だれが判定するのですか。もしそういうあやふやなものならば、この熱意と能力というものを削ったらどうですか。この点どうですか。
  39. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 この字句についていろいろ御意見でありますが、私ども考え方は、今申しましたように、具体的のやり方は、それぞれ当事者同士が話し合って、仕組みを作っていこうという趣旨でありまして、あるいは書き方は、むしろ変えて、そういう場合にという大前提的な書き方でなくて、両方が話し合って、そういう仕組みができれば、こういうやり方をやるという書き方でも、私は一向さしつかえないのじゃないか。事実そういうつもりであります。
  40. 小林正美

    小林(正)小委員 そうすると、両者が話し合ってとおっしゃいましたが、両者というのは、だれですか。中小企業庁長官商工会議所の会頭ですか。どういうことですか。
  41. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 会議所と、ここに書いてあります商店会連合会、工場協会等の商工業者団体、この両者であります。
  42. 小林正美

    小林(正)小委員 これは今あなたのおっしゃったようなことで、決して熱意と能力を有するものがあるというような大前提は置かないで、会議所といわゆる任意団体との話し合いという工合に私は理解いたします。いいですね——それではそれでよろしいということでございますから話を進めます。そのあと、「商工会議所が当該地域小規模事業者に対し経営改善普及事業を実施するに際し、その団体商工会議所中小企業相談所支所を設置し、普及員を配置する等の方法により」云々、こうなっておりますね。ところがこれははなはだ実は任意団体をして憤慨せしめておるということを私は申し上げなければならないのです。熱意と能力を有するようなりっぱな任意団体であるならば、何も商工会議所が当該地域小規模事業者に対して経営改善普及事業を実施するに際して、そのりっぱな任意団体に対し商工会議所中小企業相談所支所を設置してもらう必要はさらにないのだ、われわれを侮辱するものだ、こう言って、現に商店会連合会の諸君は非常に憤慨しておる。これは私は非常に任意団体をなめた言い方であると思うのです。何だか商工会議所だけがあなたの大事な子供であって、もうそういった任意団体で、これまでまじめにやってきた、現に都からもあるいは区からも年間相当補助をもらっておる——都の商店会連合会のごときは、年間予算は実に三十億なんです。都からは百億金が出ておる。各区の商店会連合会には、あるいは五十万あるいは百万という補助金が現在出ておる。そういうものに対して、何で商工会議所中小企業相談所支所を設置して、中小企業、零細企業の経営改善普及事業をやらなければならぬのか、そんな工合ならば、直接商店会連合会に対して補助金を出したらいいじゃありませんか。普及員を送ったらいいじゃありませんか。なんで商工会議所がその中にことさらに突っ込んでいかなければならないのか、私はどうしても理解に苦しむ。この点一つお願いいたします。
  43. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 各項目に即していろいろ御質問でございますが、この指導方針的なものができます際にも、私どもとしては会議所意見考え方も聞き、またそういう団体の方々の考え方も聞いて、ここにありますような〔1〕、〔2〕 という考え方を打ち出したわけであります。むしろ私どもの理解しておるところでは、商店会連合会等は、私どもは本来会議所支部をずっと作って、それに小規模事業者団体加入等で入っていって、その支部支部の分属会員で自主的に動かすような仕組みにし、一つ小規模事業者に対する指導事業も、本部を通じて実際は支部がやるという仕組みがいいんじゃないかとむしろ考えたわけでありますが、いろいろ話し合っております間に、商店会連合会の方々が、むしろそういう商店会連合会は今の形のままにしておいて、何らか利用してもらう方法はないだろうかというような考え方相当強かった。そういった面もありますので、それでは支部でやっていく一つの仕組み——地元がそういうことになればそれもよかろうし、またそうでなくて、支部とまでいかなくても、その商店会連合会等で小規模事業者がたくさんあり、そこをたまりにして、その商店会連合会のみならず、付近の小規模事業者指導をはかるという形が便利な場合には、こういうように会議所が相談所の支所を設けるとか、普及員をそこに置くという形でやった方が実情に合うのだということで、この〔2〕 の考え方を打ち出しているわけでありまして、私どもの理解するところでは、商店会連合会の方がどういう意味でそういうあれなのか、よくわからないのであります。
  44. 小林正美

    小林(正)小委員 とにかく、あくまでも商工会議所だけを大事な子供だということで、あなたの方はいわゆる任意団体をまま子扱いにしておる、そこに問題があると思うのです。特に現在の任意団体が心配しておることは、なまじっかこんな形であなたの方が普及員などを、いわゆる商工会議所中小企業相談所支所ということで、商店会連合会などに持ち込まれた場合においては、都なり区からせっかく現在この任意団体がもらっておるところの補助金がもらえなくなるのではないかということです。その場合に、あなた方としては、やはり引き続き都並びに区に対して、こうした任意団体補助金を出してやってくれ、このことのために補助金などが少なくなったり、あるいは停止されたりしては非常に気の毒だから、以前と同じようにあるいはそれ以上に、やはり任意団体に対しても予算措置をしてやってほしい、そういう申し入れをするだけの気持がありますか、ありませんか。
  45. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 商店会連合会等が、従来都や区からもらっておる補助金は、おそらくその連合会等がやる何といいますか、共同事業的な、あるいは環境整備あるいは共同販売促進といいますか、そういう仕事に対してもらっているのだと思います。今回の小規模事業者に対する指導事業の補助は、小規模事業者に関する法律で定めた指導をやるのでありまして、ちょっと面が違うと思います。そういう意味もありまして、私どもとしては、こちらの小規模事業者に対する補助が、会議所を通じて商店会連合会を使う形で流れていくということになりましても、都や区から出ております補助金は、当然もらえるものはもらいたい筋のものでありますから、私どもとしても、都や区にそういう話をするということは、もちろん考えて参りたいと思います。話をするという方向で考えて参りたいと思います。
  46. 小林正美

    小林(正)小委員 大体商工会議所の従来の行き方を見ておりますと、なるべく任意団体をつぶしたいという考え方を持っているのです。特に都とかあるいは区とか市とか町とかが、従来任意団体補助金を出している場合には、これまでしばしば私の知っている例から申し上げますと、ああいう任意団体補助金を出すのはやめてくれ、これはぜひ一つ法律上認められた商工会議所を通じて、そういう補助金は流してほしいという、現に任意団体に対して補助金を出すことに対してはこれを阻止しようという運動が、商工会議所で行なわれていることを私は知っておる。だから、この点については、今後ともあなたが十二分な配慮をされないと、なまじっかこういう形が商工会議所中小企業相談所支所というものを任意団体の中に設けたために、肝心のこれまでもらっていた補助金がもらえなくなるというおそれが多分にありますから、この点は特に注意しておいてもらいたいと思うのです。大体私の言いたいことは、中小企業庁長官が、こうした零細企業対策について十分な思いやりを持っておらぬ、そこに問題があるのです。今度、かりに商工会法がいよいよ通ったといたします。しからば税制上の措置は一体どうなるのか、あなたはそのことについてちっとも触れておらない。そこで私は言いたいのだが、現在の商工会議所には地方税法における固定資産税を免除するということが、同法の第三百四十八条第二項にはっきり書いてある。しかるに商工会に対しては、そういった固定資産税を免除するという措置をやろうとする意図は、あなたはちっともないじゃないか。私がこうしてこの問題を突っ込んだときに、初めてあなたはああそうかいなということで、私の質問に迎合するような答弁をあるいはなさるかもしれぬが、あなたの方からこういうことをかつて発議されたことがあるかないか、お尋ねいたします。
  47. 小山雄二

    小山(雄)政府委員 今回の法案では、地方税の関係では事業税の関係は免税になりましたが、今御指摘のように固定資産税の関係は免税ということに規定されておりません。実は私どもとしては、最後までいろいろ自治庁と折衝したわけでありますが、従来割合に公益的性格の強い法人については固定資産税も免税になっております。ただ、自治庁の言い分といたしましては、固定資産税というものは所有者の性格にかかわらず、物に課するのだからということで、最近ここ三年くらいの間、たとえば中小企業信用保険公庫、中小企業退職金共済事業団等も、ついに免税規定が入れられなかったわけであります。そういうことで、最近の法律は全部免税の規定を入れておりません。ただ商工会議所等は、割に法律ができましたのが古かった関係上、免税規定が置かれております。私どもとしては非常に残念でございますが、そういう自治庁の説明と、もう一つは、商工会は施設を持つことが割に少ないのではあるまいか、それで特に免除を必要とするような場合には、地方税法の市町村において免除し得るという一般的規定がございますので、市町村、町村に主として設けられる商工会との間柄でありますから、話し合って、その一般規定でもって免税をやってもらうということで、まあまあがまんしようかということで、実は政府提案ではその規定が落とされたわけであります。われわれとしては、商工会議所との比較その他からいって非常に残念で、最後まで話し合ったわけでありますが、ついにこれを断念したわけであります。
  48. 小林正美

    小林(正)小委員 私はこの商工会のあなたの方の原案を見たときに、取り締まりにおいては商工会議所法よりもはるかにきびしい感じを受ける。しかるに、恩典に対しては逆に会議所よりもはるかに劣っている。これではまことに均衡を失するのではないか。商工会議所商工会もともに公益的な面を多分に持っている組織であると私は思う。ところが実際は、全く逆の形になっているということは非常に残念です。  そこで、ただいま自治庁の税務局の鎌田市町村税課長が来ておられるのでお尋ねいたしたいと思うのでありますが、中小企業庁長官から今話がございましたように、地方税法における課税対象から除外するということは、現在原則としては行なわないというのが、一般的な方針であるということは私も承知しております。しかしながら、固定資産税の対象除外の中に現在商工会議所が入れられている、こういうことを私ども考えたときに、商工会というものは、商工会議所のある地区は全国の一部にすぎず、商工会議所のない地域にこれと全く同性格団体として、今般商工会法による法人格を与えられようとしている団体であって、名称こそ違っておりましても、政府提案の説明を聞いておりますと、この商工会というものはいわば小型商工会議所である、こう言っておられるのでありますから、政府原案からするならば、全く同じ性格のものである、こう思う。従って、商工会を今般固定資産税の対象から除外することは、これは新しく追加するそういう問題ではなくて、このことは、現在商工会議所地区等を縮小して、そこにかわる商工会を設けるところもあるということから考えてみましても、これはぜひとも認めるべきではないか。また全く同一性格であるにもかかわらず、どっちかというと、内容の豊かな商工会議所から税金を免除して、零細な事業者の集まりであるところの商工会が課税されるということは、国民感情からいっても私は許さるべきものではない、こう思う。この点一つ自治庁のお考えをお聞きいたしたいと思います。
  49. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 お答えいたします。  ただいまの商工会の非課税の問題でございますが、経過は今中小企業庁長官からるるお話しになられましたように、最後まで私どもに非常に強い御要望がございました。  私ども考え方を簡単に申し上げますと、第一は地方税の非課税規定を整理して参りたい、こういう気持があるわけでございます。現在御存じの通り、地方税の非課税その他は非常に乱脈になっておりまして、大体非課税規定あるいは課税標準の特例を規定しておりますものが、全部で少なくとも六百億を下らないのじゃないか、こういう気持を持っておるわけでございます。地方税全体で五千億余りでございますから、その中の六百億という非課税規定の存在は、私どもといたしましては負担の公平という面から申しましていかがであろうか、こういう気持を持ち、また地方制度調査会なりあるいは税制調査会におきまして、地方税の非課税規定の整理を積極的にやるべきだ、こういうことに再々お勧めがございまして、それで御存じの国鉄なりあるいは専売なり電電なり、こういったものの資産に対する課税でございますとか、あるいは公務員宿舎等に対しまする課税でございますとか、こういったものを交付金あるいは納付金という形ではございますが、課税をして参るという方向に進んで参っておる状況でございます。そういうときに非課税規定を新しく加えるということはいかがなものであろうか、こういうことが私どもの第一の理由でございます。  それから第二の理由といたしましては、この商工会につきまして、たとえば私どもの手元に中小企業庁の方でお調べになられました商工会の実態というようなものがございます。これを拝見させていただいておりますと、若干の府県でのサンプル調査のようでございますが、ほとんどのサンプルの対象になっておりまするこの五県ほどのところの調査で見ましても、市町村が補助金を出しておりますその補助金に対しまする——現在法律に規制前の商工会補助金に対する依存度が五〇%以上のものがかなりございます。全体で八五%のものが補助金を入れており、その過半は少額補助金であるといいながら、中にはかなりの補助金を出しておるのもある、こういうことが指摘されておるわけでございまして、この全体の財政の三割ないし四割ぐらいのものは補助金に依存をしておる、こういう実態でございます。やはり私ども助長、育成の必要があるとするならば、市町村で補助金をお出しになられる、税としてはやはりその反面とって参る、こういうことが正しい行き方ではないか、こういうように考えておりますのが第二の理由でございます。  それから第三の理由といたしまして、実はこれは私ども率直に申しまして、ごもっともと言わざるを得ないのでありますが、現在の商工会議所が非課税になっておるではないか、実態において同じであるところの商工会のみを、どうしてそういうまま子扱いをするのだ、こういうことになっておるわけでございます。この点は、私ども率直に申しまして、第一に申しました非課税規定の整理という方向で、実は商工会議所自体の非課税規定の整理ということを検討させていただきたいという気持を持っておる状況でございますので、その点一つよろしく御了承願いたいと思う次第でございます。
  50. 小林正美

    小林(正)小委員 よろしく御了承できません。あなたが今いろいろ税金のことをお話しになりました。そういうことになりますと、しからば国税において一体大企業に対してどのような租税特別措置法の措置が行なわれているのか、そういう議論になりますから、私はきょうここでそのようなことを言おうとは思いませんが、とにかく会議所でやっておる免税措置はそのままにしておいて、会議所よりもっと弱体なこの商工会に対しては税金をしぼり上げる、そんなことで国民感情は満足しますか、私は政治の要諦はやはり国民に納得させることにあると思う。強いものには頭を下げて、弱いものにはあくまであなた方げんこを振り上げるということが、そもそも大きな間違いだと思う。この点についてはわれわれは断じて承知しません。あなたは了承せよと言われたが了承できません。あなたの方はどうですか、考え直しませんか。
  51. 鎌田要人

    ○鎌田説明員 お言葉でございますが、ただいま申しましたような非課税規定の整理という線で、むしろならすのでございますれば、商工会議所の非課税規定を排除するという方向でバランスをとりたい、こういう気持でございますことが第一点。第二点はさっき申しましたような市町村といたしまして助長、育成のために補助金を出していく、こういう方向でこの問題は解決すべきではないかということからいたしまして、私ども非課税規定をこれ以上ふやすということについては、御容赦願いたいという気持でございます。
  52. 小林正美

    小林(正)小委員 優秀な事務官であるあなたに、これ以上のことを言っても答弁は出ないと思いますから、これはやめておきましょう。しかし考え方は、私どもはあくまで政治という立場に立ってものを考えた場合に、そういう不公平なことは断じて許されないということを、これはあなたも一つ肝に銘じていただきたいと思います。  時間がだいぶ経過いたしておりますから、私は明日さらに引続き質問いたします。
  53. 田中武夫

    田中(武)小委員 先ほどからの小林委員の質問に対する中小企業庁長官答弁その他を伺っておりまして感じたことをちょっと申し上げておきたいと思うのですが、法というものはあくまでも将来実施に向かっての効力を持つものでなくてはならない、特別の場合のみに遡及が許されておる。なおもう一つは、既得権を侵害してはならぬ、これは私は法の一つの原則といいますか、そういうふうに考えております。ところが、この商工会法が実施せられると、先ほど小林委員が触れておりました任意団体に、今まで任意に市町村あるいは区等から出されておったところの補助金その他が削られるのではなかろうかという危惧を持つような状態であります。従ってこういうことに対して既得権を侵害してはならぬ、それからなお中小企業庁長官は、もう少し頭を整理して答弁をしてもらいたい。なぜならばあなたは商工会公益法人であるということを何回か言われておる。そうでしょう。ところが事業税については非課税、こういうことがきめられておる、こう言われた。公益法人であって事業をするのですか。商工会は事業税をかけるような事業をするならば公益法人とは言えないと思う。そういう点議論が出てくると思う。  それからなお先ほど私が申し上げましたような今まで任意団体であったものに対する名称変更の問題については、もっと法理論的に法務省なりあるいは法制局について聞かなければならぬと私は思っております。いずれにいたしましても公益法人だ、こう言っておるのと、事業税云々というようなことも、どうもちぐはぐのような考えも起こる。それから先ほどの自治庁の課長の考え方、一応自治庁としての地方税に対する考え方はそれでいいと思う。だがしかし、物事は同じように扱うべきときに、こういう差があるときに、一方を有利な方に持っていってやるのが均衡なんだ、高い方を低い方に持っていくことによって、均衡を保つんだというような考え方は私は邪道だと思う。こういうような点につきましてはなお日をあらためまして関係者に出てもらって、小委員会あるいは本案員会等において十分討議したい、このように思っておりますので、小委員長に特にお願いをいたしまして、これは簡単に話し合い等では終わりませんから、速記を入れて十分こういうような点に関係者を呼んでもらって、議論を尽くしたいと思っておりますので御承知願いたいと思います。
  54. 小川平二

    小川(平)小委員長 本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。     午後零時三十分散会