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藤山国務大臣 むろんこの
設立に当たりまして、
通産省は
通産省の意見を持ち、われわれはわれわれの意見を持っておったことは当然でございまして単なるなわ張り拡張の
予算ぶんどり戦をやったわけではございません。御承知のように、
外務省といたしまして
経済外交を推進して参りますためには、先ほど申し上げましたように、当面の事態に対して、それらの当面の外交懸案に関連いたします
経済事情なり、あるいは
経済情勢なりということを
調査はいたしてきております。またそれをいたさなければ当面の外交案件の解決にも困難を来たすわけであります。むろん私はそれには力を入れます。しかしそうしたことをやっておりましても、やはり当面のいろいろな
経済事情の
調査その他を
考えてみます場合におきましては、
基礎的な
一般的知識や
調査研究資料の整備というものがなければ、当面の
調査等も困難な場合もございます。従って、そういう
調査研究の必要性をわれわれは
考えておったのであります。そこで
外務省といたしましても、一昨々年でありましたか、この種の
研究所を、
外務省直属ではないにいたしましても、とにかく
民間的でも
設立して、それに補助費を出すなり、あるいは
外務省が直轄なり何かそういうものを作ってやることが適当であろうということは私の
考えておったことであり、外務当局もみなそういう意見でございました。たまたまそれを持ち出して具体的計画を進めようといたしましたとき、
通産省は当時一千万円でありましたか二千万円でありましたか、それを補助されまして、
経済研究所を
設立することに
予算措置をされておったわけで、従ってそういう場合に、われわれの
理想としては、なるべく
外務省の
考え方を入れたそうした
研究所を作ってもらいたい、当面
貿易あるいは
経済交流に関する若干のいわゆる商品学的なものだけでなしに、もう少し根本的な
考え方でやってもらう必要があるので、その点においては通産当局の
監督のもとにあり、あるいは通産当局の
理想としているよりも若干違うのじゃないかということで、そういう
意味で、まずわれわれの意見を出したわけでございますが、しかし、いろいろ通産当局と話し合っている上におきまして、通産当局においても当面商品売り込みの単なる
調査ではなくて、やはりそれには
基礎的な立場に立つ国情の
調査、あるいは
経済上の変動の
調査も必要であるということについては、通産当局も認められておるのでありまして、これが
予算措置等の
拡大によって、やはり
通産省も単なる商品の
調査機関じゃない、ジェトロがやっておるような
調査機関じゃないというような
意味でありましたので、最終的には、そういう
意味においては意見の食い違いはなかったと思います。ただそういうことでございますから、われわれもそう主張しておりましたので、できればわれわれのところで、しかも
海外でおもに
調査をいたすのでありますから、やりたいということを強く申したことは、これは当然のことだと思います。そういうことの
関係において
外務省としては主張もいたしたのでありまして、単なる
予算獲得のなわ張り争いとかなんとかいうようなものではございません。しかし今申しましたように、両者の意見に間隔がございましたから、やはり最終的には総理の
裁断によりまして、閣議で決定いたしたことにわれわれが服従いたして参ることは当然でございます。