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1960-05-17 第34回国会 衆議院 商工委員会 第42号 公式Web版

  1. 会議録情報

    昭和三十五年五月十七日(火曜日)     午前十一時十分開議  出席委員    委員長 中村 幸八君    理事 大島 秀一君 理事 小川 平二君    理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君    理事 南  好雄君 理事 田中 武夫君    理事 松平 忠久君 理事 武藤 武雄君       始関 伊平君    關谷 勝利君       田中 榮一君    田中 龍夫君       野田 武夫君    細田 義安君       板川 正吾君    小林 正美君       櫻井 奎夫君    東海林 稔君       八木  昇君    今村  等君       鈴木  一君    北條 秀一君       山下 榮二君  出席国務大臣         通商産業大臣  池田 勇人君  出席政府委員         通商産業事務官         (繊維局長)  今井 善衞君         通商産業事務官         (鉱山局長)  福井 政男君  委員外出席者         大蔵事務官         (主計官)   田代 一正君         参  考  人         (日本紡績協会         専務理事)   田和 安夫君         参  考  人         (全国繊維産業         労働組合同盟副         会長)     高山 恒雄君         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 五月十七日  委員加藤鐐造君及び山下榮二辞任につき、そ  の補欠として今村等君及び鈴木一君が議長の指  名で委員に選任された。 同日  委員今村等君及び鈴木一辞任につき、その補  欠として加藤鐐造君及び山下榮二君が議長の指  名で委員に選任された。     ————————————— 五月十六日  電気工事技術者国家試験制度創設に伴う特別措  置に関する請願山口六郎次紹介)(第三八  三〇号)  炭鉱保安に関する請願横路節雄紹介)(第  三八八九号)  計量法及び同施行法の一部改正に関する請願外  二件(茜ケ久保重光紹介)(第三八九〇号)  同外二件(石橋政嗣君紹介)(第三八九一号)  同(勝澤芳雄紹介)(第三八九二号)  同外一件(五島虎雄紹介)(第三八九三号)  同外一件(田中武夫紹介)(第三八九四号)  同外二件(森本靖紹介)(第三八九五号)  同外二件(八木昇紹介)(第三八九六号)  同(保岡武久紹介)(第三九七三号)  日朝直接貿易実施促進に関する請願石野久男  君紹介)(第三八九七号)  同(猪俣浩三紹介)(第三八九八号)  中小企業に対する特別融資に関する請願(長谷  川保紹介)(第三八九九号) は本委員会に付託された。     ————————————— 本日の会議に付した案件  参考人出頭要求に関する件  繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律  案(内閣提出第九八号)  石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改  正する法律案内閣提出第一一一号)(参議院  送付)      ————◇—————
  2. 中村幸八

    中村委員長 これより会議を開きます。  参考人出頭要求の件についてお諮りいたします。機械工業に関する件の調査のため、ビルマの農機具センター問題について、明十八日水曜日午前十時より、参考人として日本国際貿易促進協会会長宿谷榮一君、農業機械海外技術振興協会常務理事森田卓爾君の出席を願い、意見聴取することにいたしたいと思いますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  なお手続等に関しましては、委員長に御一任願います。      ————◇—————
  4. 中村幸八

    中村委員長 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。  本日は特に本案審査のため、日本紡績協会専務理事田和安夫君、全国繊維産業労働組合同盟会長高山恒雄君、以上二名の方々が御出席になっております。  この際参考人方々に一言ごあいさつを申し上げます。本日は御多忙中のところ、本委員会要望を入れて御出席いただき、まことにありがとうございました。本案に対し忌憚のない御意見をお述べ願いたいと存じます。ただ時間の都合もありますので、御意見をお述べ願いまする時間はお一人大体十五分程度に願い、後刻委員からの質疑もあることと存じますので、そのとき十分お答え下さるようお願い申し上げます。  それでははなはだ勝手ながら、御発言の順序は委員長に御一任願うこととして、まず田和参考人よりお願いいたします。田和参考人
  5. 田和安夫

    田和参考人 簡単に意見を開陳申し上げます。為替自由化が来年の四月から行なわれますが、その後に繊維業界がどういうことになるかということにつきましては、業界一般に非常に不安を持っております。ことに戦後にできました中小紡績は、自由経済の経験を持っておりませんので、この不安というものは中小紡績において、ことにはなはだしいのでございまして、いわゆる繊維不安人気というものが昨年の十一月、すなわち為替自由化ということが大体見通しのつきましたころより、市価の暴落となって現われておりまして、現在もなお市価は低落を続けておるのでございます。従いまして、これをそのままの状態に放置いたしますと、業界全般に重大なる混乱を惹起するおそれがありますのみならず、これがために、せっかくできております輸出契約そのものにも今後不安を生じますし、また今後の約定の伸び方もこれによって影響をこうむるものと考えます。従いまして業界安定をはかり、自由化後の国際競争にたえ得るよう必要なる措置を講ずることは、為替自由化の前提であろうと考えるのでございます。為替自由化対策の中には、もちろん業者みずからの手によってなすべき多くの施策があるのでございますが、同時にまた国家措置に待たねばならぬ点も多々あるのでございまして、この国家措置によるものの中で、臨時措置法の今回の改正は最も重要なるものといたしまして、業界はこれがすみやかなる成立を渇望いたしておる次第でございます。  今回の政府改正案のおもなる点につきまして簡単に意見を申し述べます。第一は、目標年度の変更でございます。三十六年をもって終わるはずでございましたのが、四十年まで四カ年今回延長されることになっておりますが、現在の繊維設備過剰状態と今後の繊維消費伸張速度を見比べますと、一応四十年まで四カ年の延長に改正せられましたことは、まことに妥当な措置であると考えるのでございます。設備は量的には規制されておりますが、質的には年々改良せられておりますので、これは一面この設備制限の良い面が現われているとも申されるのでございます。これをたとえばわが綿紡の場合にとってみますと、格納以来紡績の一錘量の出来高は年々増加いたしております。昨年の八月から本年の初めにかけましての月平均は〇・四%という一錘量の増加を見ております。かようなわけで、計算上出ます繊維過剰状態繊維消費速度との間には、この設備改善ということを間にはさみまして、若干均衡の速度にズレができるということは、やむを得ないことだろうと考えるのでございます。  第二は、第二十四条の一項について、共同行為指示する場合の参酌事項といたしまして、該年度における繊維の需給及び輸出見込みを追加せられたのは、短期的な市況安定のための共同行為指示の道を開かれたものでありまして、勧告操短ということが今後廃止せられます後の市場安定の処置といたしましては、この短期的調整措置ということは絶対必要な条項であろうと考えます。  次に、第二十七条にアウトサイダー規制条項を新設せられておりますが、原綿割当というきめ手がなくなりました後に、関係業者協力一致するためには、これは絶対必要なる措置でございまして、共同行為に参加する者だけが犠牲になるというだけでは、この共同行為効果は万全を期することはできません。従いましてこのアウトサイダー規制ということがあって初めて共同行為効果が上がるものと考えるのでありまして、これはぜひおつけ加え願いたい条項でございます。  次に、今回改正の案におきまして、従来に比しまして罰則強化せられ、また監視制度ということを厳重にせられておりますが、従来の実績に徴しますれば、必要な規制であって、従来ややもすれば協定が完全に守られなかったうらみがあったのでございます。従いまして一方罰則を重くする以上は、これをまた監視する厳重なる方法をこれに加えるということは当然でありまして、罰則監視とは表裏一体をなすものであります。この二つのことが厳重になりましたことは、今回の改正においては非常に重要な条件だろう、かように考えます。  これを要約いたしますのに、今回の臨時措置法改正案は、為替自由化後の業界安定のために最小限度の必要な事項でありまして、もしこれが成立がおくれ、あるいは成立ができませんようなことになりますと、業界は非常に混乱を来たすものとおそれておるのでありまして、ぜひすみやかに成立するようお願いいたす次第でございます。  以上をもちまして私の簡単な陳述を終わりたいと考えます。
  6. 中村幸八

    中村委員長 ありがとうございました。  次は高山参考人にお願いいたします。
  7. 高山恒雄

    高山参考人 ただいま政府より提案されております。繊維工業設備臨時措置法の一部改正に対しまして、全繊としての意見を申し述べたいと思います。  原綿、原毛のAA制に移行する問題は、昭和三十六年の四月以降実施され、繊維産業はいわば産業界のトップを切って自由化に踏み切ることになるわけですが、しかし原料の輸入の面で、過去十年以上も割当制度によって規制された、またそれによって秩序づけられてきた繊維産業が、今後自由化によってこうむる影響はきわめて重大なものがあると私たち考えるのであります。ことに産業自体としてもここ二、三年来の不況を、生産制限を初めとして各種不況対策によってようやく切り抜けてきたばかりであります。この間繊維労働者に対しては首切り、賃下げ、労働強化等によって幾つかのしわ寄せが行なわれてきたのであります。全繊としてはこの犠牲最小限度に食いとめるために努力を払ってきたのでありますが、現在のような慢性化した設備過剰、生産過剰という状態の中で自由化が強行されることになりますと、この場合繊維局ですら総合対策懇談会に出された資料の中で、自由化不況という言葉を使っておられますが、まさに不況的な状態が生まれてくるだろうということは、だれも予測していることだろうと考えるのであります。それだからこそ政府はこの措置法改正を提案されているのであって、われわれ同盟もまたその心配があるゆえにこそ、当措置法改正に際して、その犠牲労働者に及ぼすしわ寄せは排除しなければならないと考えておるのであります。なお当然これを法律の中で規制されるべきであるということを主張しているわけであります。  現に自由化に伴う企業合理化は激しく進められておるのであります。綿紡の十社だけでも、昨年の春から今年の春にかけて投資した各種設備資金は、すでに昭和三十三年当時の三倍、約百億円にも達するといわれておるのであります。また一人当たりの生産量上昇も、一年間で人絹スフで二二%、合繊で二八%、綿紡で一四%、羊毛で一九%、麻で一六%上昇しております。さらに中小企業でもスフ織物が一二%、人絹織物が一六%というような、非常な大幅の生産上昇を今日示しておるのであります。換言すれば現在の設備規制のもとでも、すでに増産体制が進められており、業間の競争は激化しているのであります。このことは否定できない事実であるのであります。ところが一方では綿紡協会加盟の百六十四社のうちに、経営単位にも達しない二万錘以下の企業が八十二社もあるのであります。また紡毛等においては二セット以下の企業が三百四十一社のうちに百八十六社もあるのでありますが、これに携わっておる従業員は、大体百名以下十名までの零細企業であるのであります。これらの企業がこれからの激しい競争にさらされていって、またその企業しわ寄せ労働者にくる、その要望される策というものは考えられてない、従ってこの問題は私どもにとっては無視できない重大な問題であると考えるのです。  こうした労働者犠牲は大企業といえども例外だとは考えられないのであります。長期の合理化計画は着々と進められており、新設、機械の更新とともに集中生産体制強化という問題から、必然これが起こっておるのであります。特に企業合理化合併等も起こることを予期せねばなりません。すでに買収された事実も今日あるのであります。特に綿紡協会では、安定協力会というカルテル組織が発足し、事実上業界統制に威力を発揮するわけですが、当措置法改正目的は、まさにその法的裏づけをされるというにあると私は考えます。従って、このような状態であればこそ、全繊としては労働者雇用労働条件については最低限の保障として措置法の中にしわ寄せ排除条項が入れられることを強く過般においても主張してきましたし、なお今回もそれを主張するものであります。当措置法改正を見ましても、労働者要望が入らないというようなことであれば、全くこれは大資本を擁護するための政策であると考えざるを得ないのであります。従って労働側の当然の主張を受け入れられんことを、また片手落ちのないように今後取り計らわれんことを、私たち意見を採用下さるように特に希望申し上げるわけです。  従って私たちが出しております要項は、本設備臨時措置法の第二十五条に対して禁止行為を一つ盛ってもらいたいこと、さらに意見聴取という形でやってもらいたいことが一つ、なおその意見聴取に対しては特別委員会の設置をやってもらいたい、この三つの挿入によってわれわれ労働組合考え方もまとまり——なおこうした法律が立法化されても、AA制に伴う集中生産方式でないとかいろいろな逃げ方はありますけれども、大体この事業における解雇、転勤もしくは転職というような問題に対して、われわれとしてはこれを大きな理由として経営者と話し合いをすることができる、こういうように考えておるわけであります。どうかよろしくお願いいたしたいと思います。
  8. 中村幸八

    中村委員長 以上で参考人方々の御意見陳述は終わりました。  参考人及び政府に対し、質疑の通告があります。順次これを許します。武藤武雄君。
  9. 武藤武雄

    武藤委員 最初田和参考人にお伺いをいたしたいのでありますけれども、今度設立されました紡績安定協力会ですか、これの設立目的を少し詳しく御説明願いたいと思います。
  10. 田和安夫

    田和参考人 安定協力会設立いたしましたのは、貿易自由化後、紡績協会といたしまして会員結束をはかりたい、かよう考えたからでございます。  従来終戦後の協会結束というものは、為替割当という措置によりまして事前にできておりましたが、この強力な統制、あるいは協力基盤が失われた後に、どういう方法によって会員結束をはかるかということがわれわれの間で問題でございました。われわれは為替自由化の後におきましても、自由というものは秩序ある自由でなければいかぬ、かよう考えております。またこの秩序を保つということは業界の安定であり、先ほども申しましたように、今後の輸出促進をはかるにおいて絶対に必要なる措置であろうと考えます。  御承知通りに、日本繊維輸出において常に問題になりますのは、安売り競争、要するに過剰競争ということが問題になりますので、こういうものを阻止する意味におきましても、会員結束によって秩序ある自由を保ちたい、かように考えるのでございます。ところが、この協会として秩序を保ちますのに一番問題になりますのは、いかにして中小会員を吸収していくかということにあるわけであります。中小会員というものは単に精神的な問題とか、あるいは歴史的な伝統とかいうものだけでは、会員を引っぱっていくことはできません。どうしてもその裏づけとなる経済的な利益というものと結びつかねばならないのでございまして、安定協力会を作りましたのは、この会員結束裏づけとして、いかに共通の利益をそこに作り出すかということを考えておる次第でございます。現在安定協力会会員全部の同意を得まして設立いたしまして、目下その出資金の半分を集めまして、あと半分はこの九月の終わりをもって全部の払い込みを終わるわけでございます。払い込みが全部終わりましたら、これを民法上の組合に改組いたしたい、かように考えております。なぜ民法上の組合に改組するかといいますと、御承知通り紡績協会とか安定協力会というようなものは法人格がございませんので商行為、経済行為を行ないますためには人格が必要でございます。従いまして、紡績協会は従来事業を行ないます場合には、常に民法上の組合で行なっておりますので、今後はこれを民法上の組合に改組いたしたい、かように考えます。  そこで問題になりますのは、先ほど高山さんの陳述にもちょっとございましたが、共同行為をいたします場合に、はたしていわゆる独禁法で法的に合法なるものになるかどうかという点に問題があるわけでございまして、われわれがかような共同行為をいたします場合には、常に公正取引委員会事前打ち合わせをいたしまして、法的に合法的であるかということを確かめてやっておりまして、今回も三月七日にこの組合成立と同時に届け出をいたしております。これに対しましてまだ公取の方からは何らの指示もございません。つまり安定協力会設立そのものには問題はないのでございまして、問題はこの安定協力会がどういう事業を行なうか、事業内容が問題なのであります。現在考えておりますのは、先ほど申しましたように、中小企業である紡績を引っぱっていきます一番の眼目は金融問題にあると考えますので、今後この問題を協会を中心にして金融の援助をはかりたい、かよう考えておりまして、目下考えておりますのは現在の綿花クレジットというようなものは、この協会を主体にしてやっていきたい、かように考えております。しかしこれは来年の四月一日からの問題でございますので、従ってこれをいよいよ実施する場合には、十分に公取事前打ち合わせをいたしまして、令法的に許される範囲においていたしたい、かよう考えておる次第でございます。以上でございます。
  11. 武藤武雄

    武藤委員 われわれは情報程度でよくわからぬですけれども、協力会は相当の資金が集まるような工合になっておると聞いているのですが、大体どのくらいの会費で……。
  12. 田和安夫

    田和参考人 会費といいますか、要するに安定基金でございますが、安定基金が目下二十億円に達しております。
  13. 武藤武雄

    武藤委員 今全部の紡績業者の中で、大体どのくらいの参加者がおありですか。
  14. 田和安夫

    田和参考人 先ほど申しましたように全会員が参加いたしております。
  15. 武藤武雄

    武藤委員 それは今までの紡績業者協会に入っておる数だけですか、それとも入っていないものも……。
  16. 田和安夫

    田和参考人 紡績協会メンバーだけでございます。
  17. 武藤武雄

    武藤委員 紡績協会以外の業者というのは、大体推定でどのくらいございますか。
  18. 田和安夫

    田和参考人 メンバーでございますか、百四十三社でございます。
  19. 武藤武雄

    武藤委員 協会に従来入っていなかった……。
  20. 田和安夫

    田和参考人 綿花に関する限り入っておりませんと、綿花割当がありませんから全部入っております。
  21. 武藤武雄

    武藤委員 今参考人お話ですと、特にこの会の運営については慎重にやって、特に公正取引委員会との連絡を密にして、少なくとも禁止行為に触れるようなことは避けるような努力をしたい、こういうことでありますが、紡績協会の発会のときにですか、田和さんのごあいさつの中にも自主調整の道を開かなければならぬというような趣旨のことを御発言されておりますが、やはりねらいは、こういう会を通じて自主調整を相当強力に考えたいという御趣旨だと思うのでありますけれども、その点はいかがですか。
  22. 田和安夫

    田和参考人 安定協力会自主調整をやる団体ではございません。前申しましたように会員利益をはかる、そうして結束をはかる団体でございまして、この団体自主調整をするというようなことは初めから考えておりません。要するにそういうことが可能になる基盤を作るということが目的でございます。
  23. 武藤武雄

    武藤委員 実際にはこういう民間団体自主調整をやる権限はないわけです、やれば違反行為になると思いますからできないと思います。ただ問題は、実際にこういう強力な協会ができて、調整に対する発言をするということになると、審議会や何かの状態から見ても、この会で決定された方法というものが、おそらく大勢を支配する大きな権限を持つようになると思います。またそういうことだからこういう会が必要であって、おそらくそういうところに大きなねらいがあると思いますけれども、中小企業関係圧迫——先ほど高山参考人発言の中にもありましたように、今後集中生産体制がしかれ、合理化が進められると、必然的にそういう傾向が出てくる。その場合に、こういう会の中で全体の利益を守っていく、特に中小企業利益等を十分守るところに、大体この会の目的があるんだという説明でありまして私はそのまま了解したいと思うのであります。しかし、実際にはだんだんと自由化が進むに従って、集中生産体制が必ず大きな問題になってくる。そういう場合に、こういう協会運営の中でそういった状況というものをうまく調節していかないと、逆に大きな資金を持って、しかも発言力の非常に強い大企業発言が常に会をリードして、中小企業が結果的には不当に発言権を押えられて圧迫されるという結果が出るのが、往々にして今まであった例でありますけれども、こういう点については、どういう考え運営をされるのですか。
  24. 田和安夫

    田和参考人 この運営について、今のお話では、大企業発言が強くて中小企業がそれによって圧迫されるのではなかろうかというような御質問でございますが、この点につきましては、最初申しましたように、中小企業をいかにして安定さし、これを包容していくかということが目的でございますので、運営につきましては特に注意いたします。従って、この協会運営は、運営委員会というものを作っておりますが、運営委員会は大紡績、いわゆる十社代表が五名、それから中紡績、小紡績、この代表者がおのおの五名、十五名という同数の人間を持ちまして、むしろ中小という意味から言えば三分の二の中小企業者代表をもって運営していく、かようになっておりまして、今の御心配はないものと考えております。
  25. 武藤武雄

    武藤委員 これは情報ですから、われわれはっきりわかりませんけれども、二十億の資金で安い米綿を購入して、その原綿の確保をしたいという計画もある、こういうお話のようですが、大体そう了解してよろしいですか。
  26. 田和安夫

    田和参考人 それも最初は問題になっておりましたが、安い綿をこれで買うということはできません。ということは、アメリカの安い綿とおっしゃるのはCCC綿のことでございますが、これの払い下げというものはアメリカ法律によってきまっておりますから、二十億や三十億の金で三万俵や五万俵を買うからといって、法律をまげて安くするということはできないものだと考えております。ただ、もうこういうものを運用して、たとえば普通では入りにくいような綿を入れることができたらいいというようなことは、今ぼんやり考えておりますけれども、これは運営する場合には当然会員意向によりまして、そういう人たち意向を参酌いたしまして、しかもそれが合法的にできるかどうかということを十分に研究いたしまして着手いたす考えでございます。
  27. 武藤武雄

    武藤委員 参考人にちょっとお伺いしたいのでありますけれども、紡績安定協力会、これが今後実際に運営をされていく場合に、協会の性質からいって、労働側発言がこれに入るということはおそらく困難だろうと思うのです。われわれが心配するのは、先ほど意見を述べられたように、今後集中生産体制が必ずとられてくる。これは自由化政策の現象として必然的に出てくる。その場合に、こういう会が逆に集中生産体制に大きな役割を果たすような、過去の戦争前にもそういうことがありましたけれども、ああいうことをされる心配があって仕方がないのです。全繊側としてこういう問題に対してどういう対策を立てておられますか、ちょっとお聞きしておきたいと思います。
  28. 高山恒雄

    高山参考人 中小企業と申しますか、私が先ほど申しましたように二万錘以下が八十一もあるのですが、今の経営者グループ間の情勢を見てみますと、おっしゃるように、発言権はやはり十大紡あたりが強い。これは論を待たない事実だと思います。しかし、新紡クラスと新々紡クラス、このクラスの団結も最近はかなり強いではないかと思う。従って、そういう面からいくならば、今田和参考人が言われたように、そうむちゃな運営はできぬのではないか、かように考えます。   もう一つ、今後労働対策に対して安定協力会が、あるいは一つの組合が、新々紡に争議が起こる。それに対して集中的なクレジットを中心とした一つのサービス的な機関としてこれが発足しておりますけれども、場合によってはそういうようなものに使うということになるかもしれません。そういう危険がないとも断言できません。しかし、同盟としては極力そういう問題は排除していく考え方で、細部の内容の進行については目下検討しているところであります。
  29. 武藤武雄

    武藤委員 この間繊維臨時措置法に関する小委員会でいろいろ議論が出ましたときに、政府の見解をただしたわけです。そのとき繊維局長は、共同行為の中で労働側が不当な扱いを受けるという場合に対する議論の中で、実際には今制限をされておって四カ年の延長をするけれども、この四カ年の期間後はこういう共同行為を通産大臣が指示するというような情勢はもはや必要がなくなる、われわれはそういう確信のもとにやるので、四カ年は考慮しなくてもよろしい、こういう非常に強い御信念の開陳があったのですが、実際に業界の方から見た繊維状態と、労働側の方から見た現状認識、将来の見通し、そういうものに対して何か御意見があれば聞かしておいていただくと非常に参考になると思います。
  30. 高山恒雄

    高山参考人 問題は四年とか三年とか二年とかいう見通しの問題ですが、要は、日本の産業構造といいますか、そういう問題まで考えなくてこのままどういうふうにして——先ほどおっしゃったように、安定協力会というようなものがどこまで協力をし合って新々紡のあり方に力を注いでやるかというような問題、こういう問題がほんとうに完備しないと、二年やそこらでこれが解消されるというようなことは考えられないではないか、こう考えております。なおまた、業者間にもそういう雰囲気が生まれてお互いに整理統合して一つの生産単位に移行していくのだという指導を、中央もし、経営者自体もそういうふうに移行していくのに、どれだけの期間がかかるかということが問題だろうと思います。しかし、先ほど申しますように、生産競争のワクというものは非常に縮められた形であるけれども、実際面ではその競争はものすごく激しく、狭められた中で、しかも高能率に上がってきておる。そのときには必然的に紡績不況というものがこぬとも限らない。現在よりももっとひどい時期がくる。そういう場合を考えると、そう一年や二年でこの問題は解決がつくわけはない、私はこう考えております。
  31. 田和安夫

    田和参考人 ただいまの、四年でこの法律がなくなるかどうかということでございますが、私は、これは大体妥当な年限であろうということを陳述申し上げましたが、現在の綿紡の例で申しますと、現在の格納はほぼ一五%でございます。ところが、現在の繊維の伸張度の中で、綿の伸びておりますの一は、人口の増加、文化の向上等によりまして、大体年五%ないし六%の伸びをいたしておりますので、三年たてばもう一ぱいになるという計算になるわけでございますが、前申しましたように、その間における設備の進歩というものがございまして、一錘量というものが上がっております。要するに、現在の設備によって改造によって、生産力が上がっておりますので、そこに多少の時間的ズレができるであろう。従ってそういうようなものを勘案いたしまして、一応四年というのは妥当な線であろう、こう申しましたが、しかし今後革新的な機械の発明がありというようなことになれば、あるいはそれが延びるかもしれませんし、また一方非常な経済の伸張があって、繊維消費速度が、現在の五%が一割にも二割にも伸びた年もございますから、そういうことになればあるいは早まるかもわかりません。しかしあれこれ考えて、四年というところがいいところじゃなかろうか、かように私らは考えておるわけでございます。
  32. 武藤武雄

    武藤委員 時間がございませんから、これ一つで終わりますけれども、この間の小委員会で、共同行為による労働者の不利益の取り扱いの条項が、今高山参考人が申したように、法文の中に明確にしてもらわぬと、やはりどうしても安心できないという御意見があったわけです。この問題に関連して、いろいろ繊維局長等とも話し合ったのですけれども、実際今、ちょうど今の議論とつながるわけですけれども、実際問題としては、今日までそういった状況というものは、もう全然事例としてなかったということが一つと、もう一つは、この四カ年間は、今までは——田和参考人意見とつながるかもわかりませんけれども、今までは一応の制限の状況であったけれども、四年間後にこの制限が、共同行為というものが必要なくなっていくということを前提にして考えていくと、今後はそういった首切りとか配転とかいう縮小ということは問題にならなくなって、逐次共同行為の解消の方向に向かっていくのであるから、従ってそういった問題は、今後事例として起こり得る要素がないのだ、こういう意見の方が強かったのでありますけれども、先ほど高山さんの御意見だと、そういう状況とは相当違ったような御意見のように聞き取れたのですが、どうですか。
  33. 高山恒雄

    高山参考人 この問題は、われわれは設備調整委員会でも、大きく政府に対して発言を申し上げておるのですが、一方に生産調整的な規制をやって、そうして労働者は、たとえば前回の集中生産方式には、やはり告示でそういう通達が出ております。この場合非常に問題になったのは、実例があるのです。それは十六紡の一つでありますけれども、最初の間は組合が告示に対して非常な追及をしたわけです。ところが、今度は言葉を変えて、それは集中生産方式でやっておるのではない、純然たる自分のところの独自の立場から、経営の実態から見て採算性から見てもいかぬのだ。ところが紡績から見れば、採算が何も合わぬわけじゃない。一織機の問題については、多少の問題があることはわれわれも承知いたしておりますが、そういうふうに告示の問題をめぐって、私たちは追及すると同時に、政府自体もそれに対してはっきりした回答がない。一体それは集中生産方式の一割五分の格納、さらに勧告操短、それからくる集中生産方式で、その当事者の会社がやっておるのかおらぬのか、そういう点が非常にあいまいなんですね。私たちはその期間中は、当然告示通りの方針を経営者がとっておるんだ、こういう前提に立つわけです。そういうあいまいなものでは困るから、何とかしてこれは立法化せよ。なるほどそれは木に竹を継いだような情勢はあるかもしれませんけれども、そういうことがあるかもしれないけれども、われわれの方では、入れて入れられぬことはないじゃないか、当然国民がそれをきめて、そうして秩序を守ろう、こういう立場からいくなら、完全雇用を守り、しかも転職その他をする前には、組合事前協議をする。根本的な反対をしているわけではないのですから、それくらいの程度の立法化は措置法の中に入れられるのではないか、こういう建前をわれわれは貫いておるものですから、先ほど私は意見として申し上げたのです。しかし、その告示に、もしかえる、こういうような考え方が本委員会であり、政府もそういう考え方があるならば、私はもっとその告示の中に、この期間中、たとえば措置法の中で考えられておる法律は、あるいはまた附帯決議にしても、告示にしても、そういう期間中に起こってくるであろう問題は、すべてそれに該当するものであるという見解のもとに、そういう告示を出されるということであるならば、何ら私は反対するものではない、こういう見解は今持っております。しかしそういう実例が前にもあるものですから、私の方としては、やはり立法化すべきだ、こういう主張をしておるわけであります。
  34. 武藤武雄

    武藤委員 私の参考人に対する質問はこれで終わります。あとは政府の方に伺うことにいたします。
  35. 中村幸八

    中村委員長 他に参考人方々に対する御質疑はございませんか。——他に御質疑はないようでございますから、この際、参考人方々に一言ごあいさつ申し上げます。  皆様には長時間にわたり貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会代表して厚くお礼を申し上げます。  引き続き政府に対して質疑を続行いたします。田中武夫君。
  36. 田中武夫

    田中(武)委員 繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして若干の質問をいたしたいと思います。しかし時間の関係もございますから、簡単に申し上げたいと思います。  まず本法に対するわれわれの基本的態度を明確にいたしておきたいと思うのですが、本法は御承知のように、独占禁止法の除外法律でございます。従いましてわれわれといたしましては、いつかも申しましたが、通産省が最近当委員会に持ち出してくる法律は、特殊法人を作る法律か、さもなければ独占禁止法緩和ないし除外の法律である。この態度に対してわれわれはあまり賛意を表せないのであります。従いまして、当法律にいたしましても、三十一年の最初制定の際には、われわれはこの基本的態度から批判的な立場に立ち、反対をいたしたはずでございます。そこで、この法律を四年間延長しようということであります。いうならば、独占禁止法の適用除外の法律を暫定的な措置として作っていった、そのときにはそのときの理由があったと思います。それを四年間延ばすに至るには、またそれだけの理由がなくてはならぬ、こう思うわけです。そこでまず、独禁法の除外法規を延長するにあたりましては、独禁法と密接な関係を持ち、これの適用の任に当たっておる公正取引委員会に対して、この延長に対してどのような協議をなされたか、この協議の結果はどのようであったかということ、それをまずお伺いいたします。
  37. 今井善衞

    ○今井政府委員 当初この法律は五年間という期限でスタートしたわけでございます。それをさらに四年間延ばすことにつきまして、その事情を公取の方にも申し上げまして、最終的には公取の賛成を得ております。と申しますのは、この法律立案当初におきまして、繊維工業自体は御承知のように非常に過剰設備を持っておりまして、その過剰の状態が当初は五年後に解消するという予定であったのでございます。その後、先ほど参考人からの公述にもございましたように、一番大きな理由といたしましては、設備生産能率が非常に増加いたしまして、この五年後におきまして繊維の需要としてはちっとも減っていないのでございますけれども、片一方の供給力が非常に増加いたしまして、三十五年度におきましてもなおかつ非常な過剰設備をかかえておる状態である。数字的に申しますと、紡績設備千六百万錘のうち、現在なお三百万錘過剰であります。それを四年間延長いたしまして昭和四十年度に至りました場合に大体過剰はなくなる。その点におきまして、数字的に業者におきまして十分検討いたしまして、四十年度に至って初めて過剰状態がなくなるであろうということを、公取の方も了承していただいたわけでございます。従いまして、この法律目的は、御承知のように、過剰設備を排除することによりまして、繊維工業全体の合理化をしたい。この目的を達成いたしますためには、どうしても目標年度を四十年度にする必要がある。たまたま来年四月から原綿、原毛の自由化を行なうという場合におきまして、過渡的に業界に相当混乱が起こることが予想されますので、それとの関連におきましても、四年間延長は必要であるということを公取の方も十分了承していただいた次第でございます。
  38. 田中武夫

    田中(武)委員 本法の四年間延長についても、もう一つはアウトサイダーのより強い規制をやろう、こういうことなんですが、その点についてはどうですか。
  39. 今井善衞

    ○今井政府委員 この点につきましても、公正取引委員会と十分協議をいたしまして了承してもらったわけでございますが、その理由といたしまして、この法律で独禁法と関連があります規定は、過剰設備の処理についての共同行為を規定しておりますところの二十四条の規定でございます。二十四条の規定によりまして過剰設備を処理するということは、いわゆる独禁法におきます不況カルテルとは本質的に趣旨が違うのでございまして、独禁法の不況カルテルということになりますと、業界が一時的に不況に陥って、業界の自発的な意思に基づいて、不況切り抜けのために共同行為をするということだろうと思いますが、この法律でねらっておりますのは、繊維工業自体が非常に過剰設備をかかえております。従いまして、これを合理化するためには、どうしても過剰設備の処理という設備規制をしなければならぬ。これは業界の自発的な意思というよりも、むしろ国が産業政策の一環といたしまして推し進めなければならぬものでれる。この二十四条の共同行為自体というものは、国の意思を積極的に具体化するという面が、独禁法のいわゆる不況カルテルとは大いに違っておると思うのでございます。従いまして、この二十四条の設備処理の共同行為につきましては、全産業界が打って一丸となって協力していただくことが大事だと思いますけれども、不幸にいたしまして、アウトサイダー協力していただけないという場合におきましては、本来国の産業政策を推し進めるための一つの手段でありますところの共同行為指示、これをアウトサイダーに及ぼすということは、その意味におきまして、いわゆる不況カルテルをアウトサイダーに及ぼすということよりもずっと程度が軽いと申しますか、国の意思自体を業界に伝えまして、業界として協力態勢をとるということからいってやむを得ない、特に今まで原綿、原毛の割当制がございましたが、今度はさような突っかい棒がなくなるということでございます。従いまして、二十四条の設備処理の共同行為アウトサイダーに及ぼすということは、そういう意味におきまして、公取の方もやむを得ないというふうに了承していただいております。
  40. 田中武夫

    田中(武)委員 公取を呼んでおりませんから、一方的な繊維局長の答弁をもって了承するより仕方がないと思います。しかし、ただいま話がありましたように、独禁法でいう不況カルテルではない、こういう説明ですが、少なくとも本法制定にあたっては、繊維不況打開という不況カルテル的意味を持っいた、不況カルテルあるいは合理化カルテル——少なくともこれはカルテルには違いないと思います。それを、いわゆる独禁法からはずし、公取委から行政庁に移すということ、こういう行為については、われわれは基本的にはあまり賛成でないわけです。なぜかというならば、かつてナチスがカルテル裁判所の権限を経済大臣に移すことによって、戦時体制を整えて統制経済に移行したという歴史を見た場合に、そういう行き方は統制経済、独裁政治につながるものである、われわれはこう見ております。  そこで大臣にお伺いしたいのですが、大体独禁法を徐々にはずしていってそれを行政措置でやれるように持っていくこと、これは私は基本的には望ましくないと思っておりますが、大臣はこういうような行き方に対して、どのように考えておられるのかということが一つ。  なおかつこの法律は、先ほど申しましたように、当時の繊維の需給状況から見まして、三十六年に目標を置いて、三十六年の繊維の需給状態に合うようにやっていこう、こういうことであったと思う。それを昨年、三十六年じゃだめだということで一年延ばして三十七年にし、そしてまたここに延ばそう、こういうことなんです。いうならば、三十一年当時通産省が考えておった、あるいは立案したところの繊維の需給計画がうまくいかない、そういうことをこの法律によって延ばしていく、こういうことに裏づけをしていく、すなわち繊維の需給計画に対する通産省の見通しの誤りを糊塗するために本法を延ばそう、あるいは目標年度を三十六年から三十七年、そして四十年に延ばそう、こういうことではなかろうかと思いますが、大臣としての御見解を伺います。
  41. 池田勇人

    ○池田国務大臣 独禁法の原則は守っていかなければならぬということは、私は田中さんと同じ気持でございます。しかし経済の実態から申しまして、やむを得ざる場合におきましては例外規定を置くことも、これは行政上必要なことと考えております。繊維工業におきましては、すでに御承知通り過剰設備を抱いております。ことに繊維原料の自由化ということになりますと、どうしてもこの程度のことをやっておかないと、繊維工業自体が危殆に瀕すると思われますので、最小限度の例外規定を設けようとするものでございます。  なおお話の第二点の、三十六年になったらこの法律は要らぬと考えておったのが、なお四年延ばさなければならぬということはいかぬ、これは先ほど来事務当局から答弁したごとく、繊維関係の能率が非常に上がって参りましたために、過剰が解消されると考えておったのが、ある程度見込み違いになったのでございます。従いまして、当局の対策といたしまして、四年間延ばしてこの過剰を自然に解消していこうということであるのであります。
  42. 田中武夫

    田中(武)委員 どうもわかったようなわからぬような答弁なんですが、まず必要やむを得ないという限度をどう把握するか、この点において私と大臣は若干違うだろうと思う。ただし、行き方の問題なんです。いわゆる独禁法をはずしていって、公正取引委員会という準裁判所的な独立機関の権限を行政庁に持っていって、そして行政措置によってそれと同じようなことをやっていこう、あるいは独禁法をはずすといいますか、緩和する措置を行政的手段によってやっていこうというところに問題を持っておる、こう私は申しておるわけなんですが、その点についでは若干の意見の違いは認めたまま進めたいと思います。  それでは、この法律改正の提案の第一の理由は、貿易自由化ということになっておると思います。しからば、かりに貿易自由化がなかったならば、この法律は延長しなくてよかったのか、すなわち三十六年の目標年度、それを三十七年に直した、それを四十年に直そうという、これは貿易自由化からきたところの原因によってそうなったのか、それとも他の原因なのか、そうならば、本法のこの延ばそうという延長の理由は、提案理由によると、輸入自由化に伴う措置ということが大きくうたわれております。これが大きな原因であるのか、それとも目標年度に対して見通しが足りなかったためであるのか、その点についてどちらが主要であるか。言いかえるならば、貿易自由化がなかったならば、本法は延長する必要はなかったのかどうか。
  43. 池田勇人

    ○池田国務大臣 両方の理由でございます。
  44. 田中武夫

    田中(武)委員 それではまず端的に言って、三十六年度を第一次の目標年度として繊維の需給計画を立てて、そこで繊維の需給のバランスをはかるというこの目的に対しては、通産省の措置は見通しが誤ったのか、あるいはそれは応じての措置がとれなかったのか、いずれにいたしましても若干の手抜かりがあったことをお認めになりますか。
  45. 今井善衞

    ○今井政府委員 需給のうちで、需要につきましては、通産省としまして見通しを誤ったことはないのでございますが、供給の面につきまして、業界自体が非常に合理化したために、その合理化のテンポにつきまして、通産省は見通しを甘く考えておったということは認めております。
  46. 田中武夫

    田中(武)委員 ここで大臣と局長を並べておいて、お前たち繊維行政の誤りがあったからと言ったところで、そうでありますとは言えないだろうと思う。従ってこれもこの程度にしておきます。  それから条文にわたってでありますが、第三十一条の二、「(使用の停止等)」という条文について、ちょっとお伺いいたします。「期間を定めて当該命令に係る登録の区分に属する」云々となっておるが、この期間の定め方ですね、これをどのように考えておるか、あるいはそれに対しての一つの基準は通達等できめようとしておるのか、それともそのときにあたって適当な時期、こういうことなのか、その点いかがです。
  47. 今井善衞

    ○今井政府委員 この違反の状況は実はまちまちでございまして、たとえば綿糸として登録を受けておりましたものを全部スフ糸を引いたというふうな場合もございますし、あるいはごく一部でもってさような注文がありましたので過渡的にやったと、いろいろ事情はあろうと思います。従いまして、この対象の機械の錘数につきましても、また期間につきましても、その情状によりまして、実情に即してやりたいというふうに考えております。
  48. 田中武夫

    田中(武)委員 いわゆる刑法における不定期刑のような存在ですか。
  49. 今井善衞

    ○今井政府委員 大体さようなことになると思いますが、私どもその際一番心得なければならぬと思いますことは、これはたとえば非常に長期間、大規模に停止するというふうなことになりますと、そこに働いておられる従業員の仕事等に関係いたしますので、従いましてそういう点につきましても十分考えながら運用したいと思います。
  50. 田中武夫

    田中(武)委員 第三十一条の二の命令に違反したものは、四十七条によって五十万円以下の罰金に処せられるということになります。そうするなら、三十一条の期間ということは、いわゆる五十万円の罰金ということに関連を持ちます。いうならば、罪刑法定主義からいって、あらかじめどのくらいの期間かということをはっきりしておかないと罪刑法定主義から直接出てくる理論じゃありませんが、少なくとも罰則に関連するのですよ。それならば、最低一年くらいだとかあるいは二年くらいだとか、こういった最高とか最低とかいう期間をあらかじめきめておかないと、この罰則との関係において理論を貫いていくならば、罪刑法定主義と抵触してくると思います。この答弁が十分できなければ法制局を呼んでやりますから、そうしたら、これはきょうは通りません。
  51. 今井善衞

    ○今井政府委員 三十一条の二の「(使用の停止等)」は二十七条の二の規定に違反した場合でございまして、二十七条の二の規定は、これは過剰設備の処理命令に違反した場合でございます。過剰設備の処理命令というのは、長くとも期間は一年ということになっております。従いまして、そういう意味から最長は一年ということになります。ところで最長一年やるかどうかということになりますと、先ほど申しましたように、労務の問題に非常に影響いたしますので、従いまして最長一年やるというような場合には、これはよくよくのことでございまして、通常の業界の違反の実情によりまして、たとえば短い場合には一カ月、あるいは長くても数カ月というふうなことで運用したいと思います。
  52. 田中武夫

    田中(武)委員 そうしますと、三十一条の二の「期間を定めて」という期間は、最長一年である、通常数カ月と理解する、そういうことでいいわけですね。
  53. 今井善衞

    ○今井政府委員 そうです。
  54. 田中武夫

    田中(武)委員 それならば、何らかの方法によってこれを明記する必要はありませんか。私がさっき言った罪刑法定主義の建前からいって、そういう罰則に関進ずる期間でありますから、あらかじめ知らせておく必要があるかと思いますが、いかがでしょう。
  55. 今井善衞

    ○今井政府委員 明記するかどうかということにつきましては、立案当初におきましてもいろいろ検討したのでございますが、この二十七条の命令が一年間である、それの解釈上最長一年間である、その範囲内で情状に応じまして適当な期間ということが最も妥当じゃないか。なおかような場合におきまして、期間を明記しないで、「期間を定めて」云々というのが、むしろ今までの法律の普通の状態になっております。
  56. 田中武夫

    田中(武)委員 そういう一年ということの解釈は、二十七条から当然出てきますか。出てくるなら、私が最初「期間を定めて」というときに、そう説明を願っておけばよかった……。
  57. 今井善衞

    ○今井政府委員 二十七条というのは、二十四条の共同行為を補完する規定でございまして、二十四条は、法律にございますように、毎年審議会を開きまして、そうして設備処理を行なう。その際に、その実施方法としましては、通産省の告示でもってやるのでございますが、その期間は一年以内というふうに明示してございます。
  58. 田中武夫

    田中(武)委員 「二十七条の二の規定による命令に違反したときは、」その二十七条の二が一年以内、こういうことでしょう。それに違反したときは、「期間を定めて」といくから、二十七条から当然、そのあとを受けたところの「その者に対し、期間を定めて」云々という期間が一年だということは、理屈上出てきませんよ。
  59. 今井善衞

    ○今井政府委員 二十七条の二のアウトサイダー命令は、二十四条の共同行為の処理のための指示を補完する行為でございます。共同行為指示といいますのは、一年ごとに行なう。最長期間は一年間ということになっております。そうして共同行為に参加してそれを忠実に守っておるものは、一年で解除されるわけでございますので、従ってアウトサイダー命令も、それ以上長い期間にわたるということは、当然できないわけでございます。二十四条の指示の期間と終期は同一であるというふうに考えられるわけであります。
  60. 田中武夫

    田中(武)委員 「二十七条の二の規定による命令に違反したときは、」「期間を定めて」と、こういうことなんでしょう。二十七条の二が二十四条によるアウトサイダー規制のあれに関連してくる。それが一年ごとにやる、こういうことになるのですが、それじゃ二十七条の二の命令に違反したときに行なう停止処分としての期間は、二十七条の二によるところの命令の範囲内である、そういう解釈ですか。そのあとを受けてと違うのですか。
  61. 今井善衛

    ○今井政府委員 二十七条の命令の期間は、当然その終期が二十四条の指示の期間と一致すると思います。従いまして、それはこのアウトサイダー命令は長くても一年ということになります。従いましてこのアウトサイダー命令の期間以上に延びるということは、その違反したものに対しまして不当に長く機械設備を停止するということになると思います。それは、私申しますのは、「期間を定めて」というのは、二十七条の二の、その期間の範囲内と思います。
  62. 田中武夫

    田中(武)委員 ちょっとあなたは混乱しておるように思うのだが、二十七条の二の規定による命令、これが二十四条から出てきて一年以内だということの関連は持ってくるんです。それに違反したときに、あらためて期間を定めて停止するというんですよ。その期間はいつかといったら、それは二十七条と同じ期間だ、その範囲を出でないというなら、三十一条の二の必要もなくなるんじゃないか、そういうように思うのですがね。
  63. 今井善衛

    ○今井政府委員 この制裁の内容といたしまして、一つは期間を定めまして、そして制裁をかけるということが一つと、もう一つは設備の全部または一部につきましてその使用を停止するという二つの内容になっておるわけでございまして、従いましてたとえば全体といたしまして一五%格納するという場合におきまして、違反があれば、場合によりましてたとえば二〇%とか、そういうふうな設備の問題はあると思いますけれども、期間を、たとえばほかのところは全部一定期間で終期するのに、その違反工場だけさらに長く期間を定めてやるということは、いろいろの関係からいって妥当ではない。従いまして実際の期間につきましては、その共同行為のある期間というふうに解釈いたします。
  64. 田中武夫

    田中(武)委員 二十四条で共同行為のあれが出る。そしてそのアウトサイダー規制が出る。それによって二十七条がそれを受けてその命令をやる。それに服さなかったものの処罰として、二十七条のこの命令違反の処罰として三十一条の二が出るわけなんでしょう。それが二十七条の二の範囲に限定せられる、こういう解釈ですね。そういう解釈が出てくるのですね。いいですね。それでは、これは疑問がありますが、私はここでもっと法律的に、そんなものに対して、あとから受けたやつが前のやつの期間内であるということは、私は法律的に出てこないと思う。従いまして、これは法制局に来てもらって、法律の専門的解釈を聞くことにいたします。
  65. 武藤武雄

    武藤委員 大臣に御質問いたしますが、小委員会の中で議論した中に、先ほど参考人意見の中で、結局共同行為指示された会社の中で、共同行為ではないという理由で解雇なり配置転換をやる。いわゆる労働者に不利益な取り扱いをするということが、実際には告示のしり抜けみたいな格好で起きた例がある。これはだいぶ繊維局長と見解は違うようですけれども、ただ将来共同行為指示された会社が制限を受けた、実際はこれだけの労働者は必要ないんだ、しかし共同行為をしたことによって解雇なり転換をやるとひっかかるからやれない。同様な悩みの会社がもう一つあった。よし、じゃ一つ合併しようじゃないか、これはもう共同行為によらずして、合併の条件によってこれだけ必要なくなった、だからこれは合併の条件として、共同行為によるあれじゃなくて、合併の条件としてこのくらいやめてもらわなければならないというようなことが起こらないとは保証できないのです。そういう心配もあって、法文の中に書いてもらいたいという意見が強かったわけですけれども、これはわれわれの方もいろいろ検討した結果、告示の中で従来のような取り扱いで通産大臣の告示として不当な取り扱いはしないのだ、こういうことを明らかにしておく、こういうことでありますが、そういったケースが予想される。いわゆる拡大解釈をして違った形の意味においてそういった解釈なり、不当な配転が行なわれるというようなことは、やはり告示を出した責任上、またこの間の繊維局長の説明からいっても、そういった擬装行為というものは許されないわけですから、そういった意味については十分やはり通産当局として告示に対する実施上の責任を負って運用してもらわなければならぬと思うのですが、そういう点に対して大臣いかがお考えですか。
  66. 田中武夫

    田中(武)委員 実のところを言えば、この三十一条の二の私の今言っておる「期間を定めて」の期間が、この法文上この前段にあるところの「二十七条の二の規定による命令に違反したとき」から、当然そういう繊維局長の言うようには出てこないと思う。しかしながら繊維局長の方で実際運営するにあたって行政上そういうようにやるのだ、こういうことであるなら、私の質問は法律の解釈を争うのでなくして、期間を定めてあるのが不定であるからはっきりさしておくということが目的ですから、この際法律の解釈は別として、そうであるということなら、私は一応了承したいと思います。なお、最初申しましたように、私はこういう法律に対しての行き方については根本的に反対である。しかし三十一年から今日までこの法律によって繊維業界が一応の秩序といいますか、それが出てきておる。それが今度の自由化というような問題等もありまして、それをなお延ばそう、こういうことで便宜に解釈して、あえてこの法律にただいま絶対反対という態度はとっていないわけです。ここで法律的のことを争うならば幾らでもあるわけです。しかしながらいつでも田中のやつは最後になるとそういうことをやり出して一日、二日延ばす、こう言われても悪いので、きょうはこのくらいにして、はっきりした答弁さえあるなら、それにしておこうと思います。従って私の質問は終わりますが、続けて武藤君の先ほどの質問の答弁とあわせて答弁をしていただきたいのですが、固めて言います。  この繊維工業設備臨時措置法が実施された三十一年から今日までの、この法律業界に与えたところの効果といいますか、それを簡単に言ってもらいたい。それから、それによって現在までに処理したところの台数といいますか、それから現在無登録であると推定せられる台数が幾らあるか。それから本法施行において、繊維の価格に対してどのような影響、すなわち消費者との関係においてどのような影響を与えたか。すなわち三十一年当時と今日との繊維一般の価格の状態、それからこの法律業界に与えた影響のうち、大企業に対してはどうか、中小企業に対してはどうか。これだけをまとめて、これはもう説明してもらうということで、おきたいと思います。本来ならばこれに対して一々反駁の質問をしたかったのですが、時間もありませんから……。  それから、最後に大臣に要望しておきたいのは、この法律を実施するにあたって、われわれが一番懸念するのは、やはり使っておる機械、これは封印するとかあるいは使用を停止するとかいうことになれば、当然労働者に与える影響も大きい。従って、その面に対して十分の配慮を行なうと同時に、そういうような措置をするにあたっては、労働者代表、こういう人たち意見を十分聞く、こういうことを明確にしていただくということを希望しておきます。
  67. 今井善衛

    ○今井政府委員 先ほど御質問のございました制裁の期間の問題でございますが、私どもは、二十七条の二の期間、あるいは二十四条の共同行為指示の期間と関連いたしまして、運用上、その期間は一年以内に限りたい、かように思います。  それから、業界に与えました影響でございますが、この法律制定当時におきましては、たとえば対米輸出につきまして、一ドル・ブラウスとかいろいろの安値輸出という問題がありまして、従いまして、それらを輸出の窓口において規制するのみならず、どうしても生産の段階から安定しなければならなかったという関係がございます。従いまして、この法律目的でありますところの正常なる輸出の振興に寄与するためという関係から申しまして、とにかくこの法律がなかりし状態よりも、はるかに安定したというふうに考えております。  それから、この法律によりまして、実施当時におきましては、いわゆるかけ込み増設というものがございましたが、その後は、後ほど申しますやみ増設的なものは一部ございますけれども、増設というものは原則としてない。従いまして、この設備規制によりまして、ほっぽっとけばもっと悪い状態になったであろうという影響は回避されまして、紡績といたしましては、いろいろ不況もございましたけれども、この法律措置によりまして、法律のない状態よりも、はるかに安定に寄与したというふうに考えております。  その際、中小企業であるところの中小紡績に、それではしわが寄ったかといいますと、さようなことはごうもございませんで、むしろ私どもといたしましては、大紡績よりも中小紡績の安定に寄与したというふうに考えております。  それから、この法律の過剰設備の処理によりまして実施しました措置でございますが、一つは、御承知のように、織機の買い上げを行なったのでございまして、この法律施行後三年間に、全体としまして約八万台の織機を買い上げております。それから、紡績機械につきましては、過剰設備の処理をこの法律によりまして行ないましたのは、昨年の五月以降でございまして、この過剰設備の格納という形のたな上げを現在実施しておりまして、紡績段階で、いろいろ業界によって多少の差異はございますけれども、一五%程度設備を格納して、現在続けておる状態でございます。  それから、この法律をせっかく実施したのに、やみ紡機は出なかったかという問題でございますが、これは昨年の半ばぐらいから、やみ紡機とおぼしきものが出て参りました。私どもの調査によりますと、全体で、未登録紡機が約四十万錘ございます。紡績全体といたしましては、千六百万錘でございますが、それに対しまして四十万錘のやみ紡機が現在確認されております。そのうちで約半数の二十万錘は格納、封緘、その他の状態で稼動し得ない状態にございますけれども、現在約二十万錘程度のものは本来の意味法律で認められた自由糸のほかに、あるいは綿糸なり何なり引いておるおそれがございます。従いまして今回の法律改正によりまして、それらにつきましては善処いたしたい、かように考えております。
  68. 池田勇人

    ○池田国務大臣 この法律によりまして労働者に不当な迷惑を与えるというふうなことは、私は全力をあげて避けたいと思います。なお武藤さんのお話のように、共同行為をやった者が、合併してそうして整理するというふうな場合においてはどうか。これはやはり共同行為に基づくものとして私は取り扱いたいと考えております。
  69. 武藤武雄

    武藤委員 今大臣は、共同行為によって不当なる利益を与えるようなことはしない、こういうことでありますが、先ほど申しましたようなケースも出てくると思いますから、拡大解釈等によってそういうことはさせないように、一つ厳に注意をしていただきたいと思います。  それから先ほど協力会の問題が出たのでありますけれども、紡績安定協力会は大臣御承知ですか。
  70. 池田勇人

    ○池田国務大臣 あまり聞いておりません。
  71. 武藤武雄

    武藤委員 それでは、聞いてないところでこまかく質問してもわからないと思いますから、別の機会に、これは法案の通過には直接そう関係はないと思いますから、あとで——協力会運営等について行政当局としても相当厳重に監視しなければならぬ面がたくさん出てくると思います。そういう点については、機会をあとにしてこまかく質問をしてみたいと思います。ですから、大臣も一つ、それまでによく勉強しておいていただきたいと思います。
  72. 中村幸八

    中村委員長 他に本案に対する御質疑はございませんか。——他に御質疑はないようでありますから、本案に対する質疑は終局するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  73. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————
  74. 中村幸八

    中村委員長 次に本案に対しましては、自由民主党、日本社会党、民主社会党、三派共同提案の修正案が提出されております。     —————————————    繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案に対する修正案   繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。   第三章中第三十一条の次に一条を加える改正規定中「次の一条」を「次の二条」に改め、第三十一条の二の次に次の一条を加える。   (苦情の申出)  第三十一条の三 第二十四条第一項の規定による指示に係る共同行為の実施に関し苦情のある者は、通商産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。     —————————————
  75. 中村幸八

    中村委員長 この際、趣旨の説明を聴取することにいたします。武藤武雄君。
  76. 武藤武雄

    武藤委員 この繊維工業設備臨時措置法改正案に対して、三党で代表をあげまして小委員会を作りまして、二回にわたりまして時間をかけて審議をいたしました。そこで問題になりましたのは、民主社会党の方で提出をいたしました、二十五条の二、二十五条の三を新設して共同行為に伴って労働者に対して解雇または転勤等の不当な取り扱いをした場合の救済措置として、救済というよりはそういうことを予防する措置として、その場合には労働側意見を聞かなければならぬ。第一にはそういうことをさしてはいけない。次には労働側意見を十分に聞いて、そういったことをしないようにという、この二カ条を入れたいということでありましたけれども、いろいろ議論をいたしました結果、経済立法に直接こういった労働関係法規的な性格のものを入れるということについては政府側としても問題があり、また自民党の方にも問題がある、こういうことでありましたので、われわれとしては、実際問題として、別にこれを労働法的なものと解釈しなくてもよいのではないか、こういう議論をしたのでありますけれども、結果的には従来同様の文句を通産大臣の指示事項として告示をしておるのであって、これに対しては通産省としても、大臣以下責任を持ってそういった不利な取り扱いをしないように、この法案が四カ年延長される今後とも、この告示は継続して行なって、そしてそういう不利な取り扱いをさせない。今の大臣の言明にもあったわけでありますが、そういうことで法律的には救済ができる。それから、これは特に議事録にとどめておいていただきたいのでありますけれども、法制局の責任者あるいは繊維局長の方も、結局指示事項に書く場合あるいは法文にうたう場合には、こういった取り扱いをされた者が民法上の取り消しの裁判等を行なう場合においても、何ら効力についての差別はない、これは全く同じ効力を持つものである、こういう回答があって、私どももそういう法律解釈については、権威者のお話でありますから了解をして、そして指示事項は今後も大臣の指示として継続をする。そうなりますと、実際に大臣の指示事項共同行為が行なわれた。ところが経営者はこれに対して大臣の指示事項に違反をして労働者に解雇または転勤等の不利益な取り扱いをした、その場合には、一体どこへ不利益な取り扱いをされたということを持ち出していいのかということになる。これは本法では何も規定していない。ただ四十四条で、共同行為指示をした通産大臣の指示に対して、異議の申し立ては、三十日の期間ですか、六十日の期間ですか限って、できるようになっておりますけれども、それはあくまでも通産大臣の共同行為に対する指示事項であって、経営者が行なった結果についての異議申し立ての条項は何もない。従って、それでは実際問題として経営者が虚偽の報告をしてほおかぶりをしておけば、本人か組合が騒がない限りそれはわからない、こういうことになってくるので、その異議申し立てをできる道を開く必要がある、こういうふうに委員会意見が一致をいたしました。法制局等の意見も聞いた結果、第三十一条の三に、読み上げますと「第二十四条第一項の規定による指示に係る共同行為の実施に関し苦情のある者は、通商産業大臣に対し、理由を記載した文書を提出して苦情の申出をすることができる。」この一項を挿入することによって、そういった問題を大臣が知ることができる。従って、この異議の申し立てが、苦情の申し立てがあった場合には、大臣は、あとで附帯決議の中でも出て参りますけれども、審議会の中で特別にこういった苦情にこたえて審議をする委員会を作って、そこでこれに対する内容調査なり諮問をする、こういうことにしてこれらの問題を救済しよう、こういうことになったわけであります。そういう経過で第三十一条の三を修正条項として三党が一致して提案することになったわけであります。  以上が小委員会の修正案の内容であります。
  77. 中村幸八

    中村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————
  78. 中村幸八

    中村委員長 本修正案につきましては、質疑の申し出もありませんので、本案並びに修正案を一括して討論に付するのでありますが、両案につきましては討論の申し出もありませんので、これを行なわず、直ちに採決するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  79. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたしました。  採決いたします。まず、自由民主党、日本社会党、民主社会党三派共同提案の修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  80. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいまの修正部分を除く原案を採決いたします。賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  81. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって修正部分を除く原案は可決され、本案は三派共同提案の動議の通り修正議決するに決しました。     —————————————
  82. 中村幸八

    中村委員長 この際、本案に対し自由民主党、日本社会党、民主社会党共同提案の附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。東海林稔君より趣旨の説明を聴取することにいたします。東海林稔君。
  83. 東海林稔

    ○東海林委員 私は自由民主党、日本社会党、民主社会党の三党を代表いたしまして、附帯決議案の趣旨の説明をいたしたいと思います。  三党から選出されました小委員でいろいろと検討した結果、次のような附帯決議をつけるべきだということで意見が一致しました。  まず、案文を朗読いたします。    繊維工業設備臨時措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当り、左の措置を強力に実施すべきである。  一、繊維原料の輸入自由化に対処し、特に中小企業者設備近代化、金融の円滑化等体質改善の措置を至急講ずること。  二、法第二十四条の共同行為指示を受けた事業者が、共同行為の実施に際し、従業員を解雇し、労働条件を著しく低下させ、又は不当なる配置転換を行なうことを防止するため充分なる措置を講ずること。  三、第三十一条の三の規定による苦情の申出を審議するため、繊維工業設備審議会に使用者代表従業員代表及び学識経験者よりなる部会を設けること。  簡単に説明をいたします。  第一項でありますが、原料の自由化に伴いまして各方面にいろいろな影響が出てくるわけであります。本委員会質疑を通じまして、これらの点について政府は、自由化の進展の度に応じてそのつど必要な対策を講じて遺憾なきを期する、こういう趣旨の答弁があったわけでありますが、特に影響のうちに、多数の業者のあります中小企業者に対する影響ということが一番懸念されるわけであります。そこで、設備の近代化、体質改善、そして中小企業者も大企業と伍して事業の伸展をはかり、輸出の振興に寄与するためには、政府としても至急に適切な措置を講ずる必要があるということを認める次第であります。  第二点でありますが、法第二十四条の共同行為指示する場合には、それが労働者に不当に不利な影響を与えるようなことをしてはいかぬということは、二十五条の二項、三号に規定してあるわけでありますが、従来この点に関しましては、ただいまも武藤委員から説明があったように、共同行為指示を告示する際に、その中に要件といたしまして労働条件を著しく低下させたり、従業員を解雇したり、あるいは労働組合の了解なしに不当な配置転換をしてはいけないということを明示しまして、これの順守を命じ、また監督してきているわけでありますが、今後におきましてもこれは同様に告示をもって明示する必要がある、このように認める次第であります。  第三点でありますが、ただいま修正条文として決定されました第三十一条の三の規定に基づいて苦情の申し出があった場合、これをどういうふうに通産大臣として処理するか、こういう点に関しましては特に法文には明記してないのでありますが、現在の審議会の中に部会を設けることになっておりますので、この苦情の申し出を審議するために使用者の代表従業員代表、学識経験者おのおの三名程度の部会を設けてこれを審議上、意見を通産大臣に述べる、通産大臣はその意見を聞いて、そしてこれに対して適切な処置をする、こういう必要があると考える次第であります。  以上でございます。
  84. 中村幸八

    中村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。本動議につきましては別に御発言もありませんので、本動議を採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  85. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって、本動議は可決され、本動議の通り附帯決議を付するに決しました。  この際、通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。通商産業大臣池田勇人君。
  86. 池田勇人

    ○池田国務大臣 繊維工業設備臨時措置法の一部改正案につきましての修正並びにただいま御決議になりました附帯決議、まことに適当な措置でございます。政府はこの線に沿いまして努力いたしたいと考えます。
  87. 中村幸八

    中村委員長 お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に対する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  88. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。      ————◇—————
  89. 中村幸八

    中村委員長 次に、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案を議題として審査を進めます。  前会に引き続き、質疑を続行いたします。櫻井奎夫君。
  90. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 石油及び可燃性ガス資源開発法の一部を改正する法律案の内容について、二点ばかり質問をいたしたいと思います。  この法律は、第一条に書いてある通り、「石油及び可燃性天然ガス資源を合理的に開発する」こういう目的があるわけです。そこで、いろいろ合理的な開発がどういうふうになさるべきかということが、各条に書いてあるわけでございますが、特に私がお伺いいたしたいことは、第五条、第六条。第五条は坑井の間隔を規制したものであります。第六条は油を掘る場合に油とガスの比率、ガス油比と申しますが、これを定めておりまして、ともに石油の合理的な開発をやろう、こういう趣旨で五条、六条が設けてあると思うのです。そこで問題になりますのは、今日の水溶性ガスの採掘に当たって非常な地盤沈下等の問題が起きておる。この水溶性ガスに伴う水のくみ上げ、従ってこの水とガスの比というものが、はっきり法律に明文化することができるならば、そういう合理的開発ができるのじゃなかろうか、こういうことで先般来これは鉱山局に種々研究をお願いしたわけでありますけれども、しかし今日の段階では、水を何万トンくみ上げると何センチ地盤が沈下する、こういう因果関係が科学的に立証できない。従って水とガスとの比を明記するということは困難である、こういう御回答でございます。私もその点が科学の力でそこまで解明することは不可能であるということはわかるけれども、しかしいずれにいたしましても、水を少なくしてガスを多くするということは、これは常識的に考えられるわけであります。従って第六条のガス油比、それから第五条の坑井の間隔の問題、これは今日やはり差し迫った問題が起きております。たとえばAという坑区があります。このAという坑区でかりに水を規制するといたしましても、Bという坑区において乱掘が行なわれた場合は、下の層は、地下水というのは相通じておりますために、その規制効果が上がらない、こういうことがあり得るわけであります。従って私がここで質問したいことは、この五条、六条の精神をよくくんでいただいて、業者がお互いに協調するような行政指導を強力に進められることが、今日一番差し迫った問題だと私は思うのでありますが、この点について、たとえば新潟の場合は二十万トンのガスを規制する、これも行政措置で行なっておられるわけでございますから、そのような強力な行政措置をとっておられる現政府にして、坑井の問題、あるいはガスと水の問題等について強力なる行政措置ができないわけはないと思うのでありますが、その点を一つ大臣に、もう一度確かめておきたいと思います。
  91. 池田勇人

    ○池田国務大臣 お話の点、十分了解できるので、御趣旨に従って善処いたしたいと思います。
  92. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 それからもう一点は、実は今日の鉱業法、それから鉱山保安法、この二つの法律は鉱業の基本の法律でございますけれども、これはやはり石炭を対象に考えられた法律であり、今日油あるいはガス、こういういわゆる流体鉱物というものがあまり考えられていない。この点は昨年の九月、私が本会議場で質問いたしました場合に、林法制局長官もはっきりとこれを認めておられるわけであります。なおまた通産大臣もしばしばこの鉱業法に不備があるということを、この委員会の席上でも申しておられるわけであります。聞くところによると、通産省においては、この鉱業法あるいは鉱山保安法の改正を目ざして、審議会ですか、こういうものを設けて研究しておられるように承るわけでありますが、しかし、もうすでに一年も前からそういう話があるわけでありますので、一体今日の審議会の進行状況はどうであるか、あるいは次の国会には、これらの法律改正案というものを提案される準備があるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
  93. 池田勇人

    ○池田国務大臣 鉱業法の改正審議会は、昨年からすでに十二回開いております。最近また十三回目を開く予定でございまするが、従来は重要問題につきまして自由討議をいたしました。来月からは基本問題につきまして十分審議して、改正すべき点はどこかということを見出したいと思っております。従いまして、その審議の結果によりまして、できるだけ早い機会に改正案を出したいという考えであります。
  94. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 そこで次の通常国会あたりには出したいという御意向であるかどうか。審議会がいつまでも結論が出ないで長くなるというようなことは、実際この法に不備があっていろいろな事態が生じておるわけでありますから、大体のめどとしては、次の通常国会あたりにかけられる御意思があるのかどうか、そこをもう一度念を押しておきたいと思います。
  95. 池田勇人

    ○池田国務大臣 大へん重要な問題でございますので、今せっかく審議会で審議中でございます。従いまして、その結論を見ましてお答えいたしたいと思いまするが、不備な点もあることを承知いたしております。従いまして、できるだけ早い機会に出したいという考えでおるのであります。
  96. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 最後に、この法律改正の要点は、今までの水溶性ガスに対する補助金を、今度は構造性ガス、フリー・ガスの方にも補助金をつけていく、こういうのが改正の要点であろうと思うのでありますが、そこで一体その補助金というものは幾ら計上されておるか、鉱山局長……。
  97. 福井政男

    ○福井政府委員 約二千八百万円でございます。
  98. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 二千八百万円が三十五年度の補助金の全額ですか。
  99. 福井政男

    ○福井政府委員 さようでございます。
  100. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 これは私どもははなはだがっかりせざるを得ない。今日大体、井戸を一本掘るのに一千万円くらいかかるのです。一千メートルくらいの井戸で大体一千万円と言われておる。一本一千万円もするような井戸を、今後大いに振興させていこうというのに、総額二千八百万円の補助金であると、もちろん井戸の深さ等にもよるでしょうけれども、一体一本幾らくらいの補助を考えておられるのですか。これは二千八百万円の補助金を出すから法律改正するということでは、水溶性と違って構造性は、地層の中の背斜構造を見るために地震探鉱がその前に先駆する。そうすると、フリー・ガスの探鉱というものは、水溶性よりうんと金がかかる。こういうものにも及ぼしていき、なおまた水溶性は水溶性として補助金を出す。その総額が二千八百万円ということでは、スズメの涙にひとしいものである。この点について鉱山局は一体どういうふうに考えておられるか。
  101. 福井政男

    ○福井政府委員 補助金の交付は、それぞれの申請に対しまして二分の一以内で交付することになっております。お話のように、構造性の井戸につきましては、水溶性よりも多くの経費を要するという問題がございます。来年度予算につきましては、さらに私ども増額につきまして、大いに勉強いたしたい、かように考えております。
  102. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 大蔵省、見えておられますか。——私は大蔵省にただしておきたいのですが、この可燃性天然ガスの補助金を、この構造性にもやっていくということは、これは単にああいう沈下が起きたとかなんとかいう問題でなくして、今日この天然ガスの開発というものは、すべて水溶性から構造性に切りかえられておる。特に水溶性をやっているのは日本とイタリアくらいのものです。ほかの大きなガス化学の非常に進歩をしておりますソ連、あるいはアメリカ、そういうところは、ほとんど構造性ガスです。しかも構造性ガスは、先ほどちょっと触れましたように、地層の形、背斜構造の中に含まれておる。それを地震探鉱によって察知して、これにさらにボーリングをやる。非常にこれは経費がかかる。しかも石油化学というものが今後ガス化学を含めて非常に長足に進歩をしていく。これにおくれるということは、日本の産業が非常におくれをとるということなんです。そういう重要な国策であるこの石油あるいは天然ガスの開発を促進するために、二千八百万くらいの金をつけておられたのでは、これは大へんなことです。大蔵省としてはこれをもっと来年度はうんと増額される御意思があるのかどうか、一つ確認をしておきたい。
  103. 田代一正

    ○田代説明員 ただいま御指摘ございました世界の傾向といたしまして、水溶性ガスから構造性ガスヘという傾向にいっておりますので、ことしの予算の際に考えましたことは、なるほど水溶性ガスを漸次構造性ガスの方に持っていくということの考え方もありまして、もちろんそういう方向で考えたわけでございますが、何分にもこの天然ガスの補助金につきましては、三十四年におきまして、約五割ばかり前年に対して上げている金額のものであります。そういう状況でございますし、また、かたがた、現下のエネルギー対策の問題としまして焦眉の急を告げている石炭問題もございまして、そんな関係もございまして、ほぼ前年度と同額に据え置いたというのが真相でございます。  それから来年度の問題でございますが、これは、今後とも日本のエネルギー産業、エネルギーの供給構造という問題と関連いたしまして考えなければいかぬと思いますが、世界の大勢を考えますと、固体燃料から流体燃料へ向かうというのが傾向でございます。そういった傾向も十分見定めまして、さらに日本の国内における資源の配置その他も十分考えまして、慎重に検討したい、こう考えておる次第でございます。
  104. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 慎重に検討なさるということはけっこうなのですが、私が聞いておるのは、来年はもう少し予算をつけるかつけないかということ。慎重に研究なさるのはいいけれども、慎重に検討した結果二千八百万円ということになれば、私の質問の趣旨に合わないのであります。もっと、十億も出せとは言っておらない。もっと大幅に増額をしなければ、エネルギー対策が何であるとか、そういうことを言ったところで、実際の裏打ちがなければ何もならぬ。どうですか、その点はもっとうんと増額するということは言えないのですか。
  105. 田代一正

    ○田代説明員 まだ来年度予算につきましては、今の段階で申し上げる段階にはないのでございます。ただいま先生のおっしゃいましたようなところを十分参考にいたしまして研究いたしたいと思います。
  106. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 まあ大蔵大臣じゃないですから……。私の質問はこれで終わります。     —————————————
  107. 中村幸八

    中村委員長 他に質疑はございませんか。——他に質疑がないようでありますので、本案に対する質疑は終局したものと認めるに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  108. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、本案に対する質疑は終局いたしました。  引き続き本案について討論に入るわけでありますか、別に討論もないようでありますので、直ちに採決いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  109. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案を採決いたします。本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  110. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって本案は原案の通り可決すべきものと決しました。     —————————————
  111. 中村幸八

    中村委員長 この際自由民主党、日本社会党、民主社会党、三派共同提案の石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案に対し附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。櫻井奎夫君より趣旨の説明を聴取することにいたします。
  112. 櫻井奎夫

    ○櫻井委員 石油及び可燃性天然ガス資源開発法の一部を改正する法律案に対する附帯決議。これは自由民主党、日本社会党及び民主社会党、三党の合同の附帯決議でありますが、先に案文を朗読いたします。   政府は、本法の施行にあたり、最近の著しい経済事情の変化に対応する石油(天然ガスを含む)鉱業について、速かに総合的且つ合理的な方策を樹立するとともに、特に予算的措置については、万遺憾なきを期すべきである。  この趣旨は、先ほど私の質問の要点に尽きておるわけでありますので、あらためて説明をいたしません。
  113. 中村幸八

    中村委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。本動議に対しましては発言のお申し出もありませんので、直ちに採決いたします。本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕
  114. 中村幸八

    中村委員長 起立総員。よって本動議は可決され、三派共同提案の通り附帯決議を付するに決しました。  この際通商産業大臣より発言を求められておりますので、これを許します。通商産業大臣池田勇人君。
  115. 池田勇人

    ○池田国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議は、その趣旨まことにけっこうであります。この決議の趣旨に沿いまして善処いたしたいと思います。(拍手)
  116. 中村幸八

    中村委員長 本案に関する委員会報告書の作成等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」呼ぶ者あり〕
  117. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、さよう決定いたします。  本日はこの程度にとどめ、次会は明日午前十時より開会することとし、これにて散会いたします。     午後一時七分散会