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1960-02-05 第34回国会 衆議院 商工委員会 第1号 公式Web版

  1. 会議録情報

    国会召集日昭和三十四年十二月二十九日) (火曜日)(午前零時現在)における本委員は次 の通りである。    委員長 中村 幸八君    理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君    理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君    理事 南  好雄君 理事 小林 正美君    理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君    理事 武藤 武雄君       遠藤 三郎君    大島 秀一君       岡本  茂君    鹿野 彦吉君       木倉和一郎君    始関 伊平君       關谷 勝利君    田中 榮一君       田中 彰治君    田中 龍夫君       中井 一夫君    中垣 國男君       西村 直己君    野田 武夫君       濱田 正信君    細田 義安君       門司  亮君    山手 滿男君       渡邊 本治君    板川 正吾君       勝澤 芳雄君    堂森 芳夫君       中嶋 英夫君    永井勝次郎君       八百板 正君    八木  昇君       矢尾喜三郎君    和田 博雄君       加藤 鐐造君 ————————————————————— 昭和三十五年二月五日(金曜日)     午前十時十九分開議  出席委員    委員長 中村 幸八君    理事 小川 平二君 理事 小泉 純也君    理事 小平 久雄君 理事 長谷川四郎君    理事 南  好雄君 理事 小林 正美君    理事 田中 武夫君 理事 松平 忠久君    理事 武藤 武雄君       大島 秀一君    關谷 勝利君       田中 榮一君    中井 一夫君       中垣 國男君    細田 義安君       渡邊 本治君    板川 正吾君       勝澤 芳雄君    櫻井 奎夫君       矢尾喜三郎君    山下 榮二君  出席国務大臣         通商産業大臣  池田 勇人君         国 務 大 臣 菅野和太郎君  出席政府委員         公正取引委員会         委員長     佐藤  基君         土地調整委員会         委員長     大池  眞君         総理府事務官         (経済企画庁長         官官房会計課         長)      塚本  茂君         通商産業政務次         官       内田 常雄君         通         通商産業政務次         官       原田  憲君         通商産業事務官         (大臣官房長) 齋藤 正年君         通商産業事務官         (企業局長)  松尾 金藏君         通商産業事務官         (鉱山局長)  福井 政男君         通商産業事務官         (石炭局長)  樋詰 誠明君         通商産業事務官         (公益事業局         長)      小室 恒夫君         特許庁長官   井上 尚一君  委員外出席者         専  門  員 越田 清七君     ————————————— 二月三日  委員西村直己辞任につき、その補欠として林  讓治君が議長指名委員に選任された。 同月四日  委員永井勝次郎君、八百板正君、堂森芳夫君及  び門司亮辞任につき、その補欠として櫻井奎  夫君、東海林稔君、山下榮二君及び北條秀一君  が議長指名委員に選任された。      ————————————— 本日の会議に付した案件  国政調査承認要求に関する件  通商産業基本施策に関する件  経済総合計画に関する件  私的独占禁止及び公正取引に関する件  鉱業一般公益との調整に関する件      ————◇—————
  2. 中村幸八

    中村委員長 これより会議を開きます。  まず国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  今国会におきましても従来通り通商産業基本施策に関する件等につきまして調査を進めて参りたいと存じます。つきましては、議長承認を得なければなりませんので、調査事項といたしまして、一、通商産業基本施策に関する事項。二、経済総合計画に関する事項。三、公益事業に関する事項。四、鉱工業に関する事項。五、商業に関する事項。六、通商に関する事項。七、中小企業に関する事項。八、特許に関する事項。九、私的独占禁止及び公正取引に関する事項。十、鉱業一般公益との調整等に関する事項、以上十項目。調査の目的といたしましては、日本経済総合的基本施策樹立並びに総合調整のため、通商産業行政実情調査し、その合理化並びに振興に関する対策樹立のためとし、調査の方法といたしましては、小委員会設置関係各方面より説明聴取及び資料の要求等といたしまして承認要求をいたすことにいたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
  3. 中村幸八

    中村委員長 御異議なしと認め、そのように決定いたします。      ————◇—————
  4. 中村幸八

    中村委員長 この際通商産業大臣より、通商産業基本施策について所信を承ることといたします。通商産業大臣池田勇人君。
  5. 池田勇人

    池田国務大臣 第三十四回国会の当初にあたりまして、通商産業政策重点につきまして、私の所信を申し上げてみたいと思います。  昭和三十四年度におけるわが国経済は、まれにみる伸張を遂げ、鉱工業生産水準は前年度に比べて二七%程度の大幅な上昇を見るものと思われます。これは消費の堅調な上昇技術革新にささえられた設備投資増加在庫投資の著しい回復及び対米輸出中心とした輸出の順調な伸びなどにささえられたものでありまして、本年度経済成長率実質で実に二二%の上昇が見込まれております。しかもその間、国際収支物価も順調に推移しており、高い成長率にもかかわらずきわめて安定していると申すことができるのであります。特に国際収支輸出の大幅な増加輸入価格の安定により、毎月黒字を続け、年度間の実質収支は、二倍、五千万ドルの黒字が見込まれております。この結果、外貨準備高は昨年末において十三億二千二百万ドルに達したのであります。  昭和三十五年度につきましても、相変わらず順調な発展を続けるものと思われ、さき閣議決定をいたしました経済計画におきましては、国民総生産 において実質六・六%程度増加が見込まれ、鉱工業生産も一一・八%程度上昇が見通されているのであります。  通商産業省といたしましても、右のような目標の実現に向かって、今後引き続き種々の施策を進めて参る所存でありますが、その際特に留意しなければならない問題としては貿易自由化との関連であります。一昨年来、特に西欧先進諸国中心として貿易為替自由化推進されて参ったのでありますが、わが国としては、将来の飛躍的経済発展基礎を固めるため、一段と輸出拡大が必要であり、そのためには日本経済をして世界経済に溶け込ませる必要があり、また真に国際競争力のある産業体質を作る必要があるのでありまして、この意味においても自由化を進めることが必要であると考えられますので、右の自由化大勢に対しましては、国内産業受け入れ態勢整備をはかるとともに金融為替財政の諸政策の遂行にあたっても自由化に対処すべく総合的運営をはかるなど万全の措置を講じつつ、これに即応してゆくことといたしたいと存ずるのであります。  次に通商産業政策具体策について御説明いたしますにあたって、先づ三十五年度通商産業省関係予算について触れますならば、その総額においては、十四年度の百二十九億円に対し、約四十六億円増、比率にいたしまして約三六%増の百七十五億円余を計上いたしており、また当省関係財政投融資総額は千六百十二億円と、三十四年度当初計画に比べて六十五億円の増額となっておるのでありまして、上記のごとき一般会計予算及び財政投融資確保と運用により、今後各種施策の積極的な推進を期することができると考えておる次第であります。  以下今後とるべき通商産業政策重点について具体的に御説明いたします。  第一は、貿易自由化推進とこれに伴って必要とされる国内産業体質改善のための施策及び過当競争の防止、輸出市場確保等一連輸出振興策推進であります。  前に申し述べましたごとく、貿易自由化は一昨年末の西欧諸国通貨交換性回復を契機として、西欧先進国中心として国際的規模において推進されてきております。わが国といたしましても右のような情勢のもとで国際経済社会の責任ある一員としての地位確保するためにも、また国内産業政策の面から言えば、貿易管理によって保護されて参りました産業体質改善を促し、その国際競争力強化するためにも、自由化推進することが必要な段階に至っていると考える次第であります。  このため通商産業省といたしましては、昨年秋以来数次にわたり自由化についての措置を実施して参ったのであります。  すなわち、対ドル差別品目については、これをすみやかに完全なAA制に改めることとし、銅合金くず、石膏、アバカ、ラワン材については、すでに本年一月より実施いたしておるのでありましてその他、鉄くず、牛脂、粗製ラードについては、本年四月から実施する方針を決定するなど、それぞれ自由化実施の時期を定めて推進いたしております。  さらに従来輸入を事実上禁止いたしておりました一般消費財についても輸入の道を開き、機械及び雑貨等消費財のうち約八十品目余にわたって外貨資金自動割当制度を創設し、また昨秋来セメント、塩化ビニール等を含む約二百三十品目について外貨割当制度からAA制に移行するなどの措置を実施して参ったのであります。  右のほか、ニッケル鉱毛くずコーヒー豆等約二百九十品目を本年四月からAA制にすること、原綿、原毛等天然繊維原料を明年四月からAA制に移すこと、また本年四月から陶磁器等約百五十品目自動割当品目に組み入れるなどの方針を決定しております。  今後一そう自由化を総合的、かつ円滑に推進するため、政府においては、さき貿易為替自由化促進閣僚会議を十内閣に設置し、自由化の段取りを定め、内外の諸施策整備と相まって急速にこれを推進するとの基本方針を定め、五月末を目途として自由化計画検討を行なうことといたした次第であります。  もとより、これら自由化推進するにあたっては産業育成強化流通秩序の維持、通商拡大等の各部面において配慮すべき問題も多々あります。通商産業省として検討準備している事項といたしましては、まづ国際的な自由化進展国際的輸出競争激化を招くことになると思われますので、従来にもまして海外市場の開拓と販路の拡張をはかる必要があり、このため予算案におきましては、日本貿易振興会による海外市場調査国際見本市参加貿易斡旋所の運営、日本商品の宣伝、米国市場輸入制限対策国内中小企業に対する貿易指導あっせん業務等について、また来年度は特にモスコーにおける大規模見本市の開催などのため、前年度対比二億七千九百万円増の十三億六千二百万円を計上いたしたのであります。海外市場確保のための施策としては、右のほかプラント輸出促進東南アジア、豪州、ニュージーランド諸国に対する巡航見本船の派遣、中共国際見本市開催等のほか、雑貨輸出促進のための輸出雑貨デザイン登録認証制度の確立、共同検査場および常設展示場増設等施策を講ずることといたしております。  また、海外市場対策とも関連して、経済協力の問題が重要となって参りますが、西欧先進諸国経済自由化ブロック化を背景として繁栄の道をたどっております反面、低開発国経済的困難はますます増大し、世界市場狭隘化を招く傾向にありまして、低開発国に対する経済協力促進は、一九六〇年代における先進工業国共通課題ともなってきておるのであります。  特に東南アジア等の低開発国に対する貿易依存度の高いわが国におきましては、自由化推進により、これら諸国からの主として原材料輸入が減少するような事態に至りますと、これら低開発国に対する輸出の減少となり、ひいては国民経済安定的成長を阻害することにもなりますので、特に東南アジア諸国との経済協力促進することにより、重要原材料輸入促進及び資本財輸出の伸長をはかることが肝要であります。  このため政・府は、特殊法人として海外経済協力基金設置することに決定したのでありますが、今後はこの基金を活用して経済技術等協力施策積極的推進をはかる所存であります。  しかしてこの経済協力を効果的に実施して参りますために、財団法人アジア経済研究所特殊法人に改組強化し、東南アジア及び周辺諸国経済社会各般にわたる実情調査することといたしております。その他、技術者及び中小企業者海外派遣あっせん海外技術者受け入れ研修円滑化等、各般の経済協力施策を講ずることといたしたのであります。  第二に、自由化進展によって当然従来の生産流通にわたる産業秩序影響するところ大なるものがあると予想され、特に輸出入取引における過当競争激化が憂慮されますので、輸出入業者生産業者及び輸入原材料消費者等自主調整強化をはかる必要があります。このため今国会輸出入取引法改正法案を提出し、御審議を願うこととしたのであります。その内容のおもなる点は、輸出品生産業者等輸出貨物国内取引協定に関するアウトサイダー規制制度の創設、輸入貨物の購入にかかる需要者国内取引に関する協定を認めること、輸入組合設立要件の緩和及び輸出入調整協定を認めることなどでありまして、そのすみやかな成立を希望する次第であります。  また、繊維原料輸入自由化にあたりましては、繊維産業が、相当な過剰設備をかかえております現状におきましては、過剰生産により、産業界の混乱を招くおそれが強く、これを予防するための法的措置検討中でありまして過当競争により価格の不安定ひいては輸出減少等事態を招くことのないよう、遺憾なきを期している次第であります。  第三には、産業体質改善産業基盤強化であります。  冒頭に申し述べましたように、昨年来わが国経済はまれに見る拡大成長を見ており、今後も日本経済はきわめて高い成長を続けるものと考えておりますが、このような発展は自然にもたらされるものではなく、文字通り官民の協力による努力が必要であることは言うまでもないのでありまして、特に政府施策よろしきを得て、この強い成長力を誘導し、発展させることが肝要と考えます。今後貿易自由化進展により、従来貿易管理によって多」かれ少なかれ保護されて参りましたわが国産業が、裸になって激しい国際競争場表にさらされることになるのでありますが、これに打ち勝ち得る国際競争力を身につけることこそ、日本産業の将来の飛躍的発展基礎を作るものであると考えます。そのためには、個々の企業については、合理化近代化促進し、澄営の充実をはかるなど、その体質改善が急務であり、他面産業基盤となる道路、港湾、工業用水工場用地造成輸送施設等画期的強化電力石炭鉄鋼等基礎産業部門整備及び価格の安定をはかることが従来にも増して要請されると存ずるものであります。  これらの施策確保するため、特に財政資金による誘導的補完的措置が必要でありますので、三十五年度においても電力機械等基礎部門石炭化学肥料等構造上の問題を含む産業部門、及び輸出産業等のほか、産業関連施設、新技術工業化等国民経済的に最も緊要度の高い部門産業構造高度化促進する部門等資金重点的に投入することとしたのであります。  また、企業体質改善には新技術開発と、これが産業における利用の促進が必要でありますので、予算案におきましても電子技術オートメーション技術生産加工技術エネルギー対策技術分析技術等わが国経済にとって喫緊重要研究促進するため、国立試験研究機関設備の更新、近代化をはかるとともに、民間における試験研究に対しても国家的見地から見て重要と思われる応用研究工業化試験機械設備試作等につきまして所要助成措置を講じておるのであります。  なお近年工業所有権に関する出願件数が激増いたしておりまして、その最終処分に至る期間が遅延し、産業活動にも影響を及ぼすに至っておりますので、定員、経費を充実し、処理の正常化をはかることといたしております。  以上、貿易自由化に関し、現在までにとって参りました自由化措置と今後の自由化推進にあたって必要とされる施策について申し述べたのでありますが、さらに私の重点として考慮しておる事項としては、中小企業振興であります。  このため、予算案におきましても二十四億円余を確保し、対前年度比八億八千万円余の実質増といたしたのであります。御存じの通り中小企業は、わが国経済の中において生産流通雇用等の各面においてきわめて重要な地位を占めておりまして、今後わが国経済が飛躍的に発展するためには、中小企業振興こそまさに喫緊のことであります。ことに前述いたしました自由化方策を円滑に推進してゆくためにも、中小企業体質改善向上が、何よりも必要であることを痛感いたしております。しかるに現在の中小企業は、その規模が零細であり、常に経営の不安定に悩んでおり、またその設備技術等におきましても著しく立ちおくれているものが多いので、今後とも中小企業体質に応じた振興策を一そう強力に推進してゆく所存であります。  今回の予算案作成に際しまして私の特に重点とした事項一つ小規模事業者対策であり、今国会商工会組織等に関する法律案を提案し、現在・小規模事業者に対し経営技術に関する相談指導等を行なっている商工会等を法制化し、商工会議所とともに小規模事業者相談に応じ指導を行ない、佃報を提供するなどの事業に当たらせることとし、これらの事業を補助するため四億三百万円を新たに予算に計上いたしたのであります。  右の小規模事業者対策のほか、今後は中小企業に対し、業種別に実態に即した施策推進する必要がありますので、その実態調査と、それに基づいた業種別振興策の策定を行なうため所要法的措置検討いたしております。なお中小鉱山安定的発展に資するため必要な増加鉱量の把握を行ない得るよう、中小鉱山の行なう新鉱床探査について前年度に対し倍額の一億円の補助を計上いたしております。  また中小企業金融対策としては、三十五年度中小企業金融公庫に対して三百十五億円、国民金融公庫に対しては二百九十億円の財政資金をそれぞれ融資し、運用額においていずれも三十四年度当初計画を上回り、前者は七百十五億円、後者は千四十億円を確保し、また商工中金については、三十億円の財政資金を投入して三十四年度当初計画に比べて百億円増の二百五十億円の貸し出し純増を行なうこととし、中小企業の旺盛な資金需要に対処することといたしております。  さらに零細企業金融に重要な役割を果たしている信用保証協会業務拡大をはかるため、中小企業信用保険公庫に対し、保証協会に対する融資基金として政府出資十八億円を行なうことといたしております。  これにより、また地方公共団体等からの相当額資金的援助を加えることによって保証協会延べ保証額は本年度の約千四百億円に対し年度間約四百億円程度の増大が見込まれるのであります。これにより従来金融ベースに乗らなかった企業に対する金融円滑化が期待されるのであります。  最後に私の重点といたしました事項一つである石炭対策について申し述べます。  石炭産業につきましては、御承知のごとく、日本経済の著しい発展にもかかわらず、依然として不況にあえいでおるのでありますが、前国会における炭鉱離職者援護会法成立により、当面の地域的集団的に発生する失業者に対する援護措置を講じたのであります。しかしながら石炭問題の根本的解決のためには、何と申しましてもその合理化推進により抜本的な体質改善を行ない、重油等競合エネルギーと競争し得るようにすることが不可欠であります。  このため従来の非能率炭鉱の買い上げ及び炭鉱離職者援護措置を一段と強化して参りますとともに、財政資金を投入し、無利子の炭鉱設備近代化特別貸付金制度及び中小炭鉱機械化促進特別貸付金制度を創設し、炭鉱の画期的な若返りをはかり、中小炭鉱に対しては採炭の機械化近代化推進し、高能率炭鉱の造成を促進し、流通機構合理化をはかるなど、石炭鉱業体質改善を期しておるのであります。右の施策のため石炭鉱業合理化臨時措置法所要の改正をいたす必要がありますので、今国会において審議をお願いすることといたしております。  なお、これら石炭鉱業体質改善は、今直ちに実現されるものではありませんので、重油ボイラー設置制限措置については若干の緩和措置を講じた上、三年を限り延長をいたしたいと存じておるのであります。  以上により、今後における通商産業政策重点事項に関する基本的な考え方と具体的施策の概要を申し述べた次第でございます。     —————————————
  6. 中村幸八

    中村委員長 次に経済企画庁長官より経済総合計画に関する構想等について、その御所信を承ることにいたします。経済企画庁長官菅野和太郎君。
  7. 菅野和太郎

    菅野国務大臣 ここに第三十四回国会休会明けにあたりまして、経済問題に関し所信の一端を申し述べ、各位の御協力を得たいと存じます。  ここ数年来わが国経済成長は、欧米諸国に比べてまことに目ざましいものがあり、その経済力は、国際的にも高く評価されるに至ったのであります。特に、昨年は一貫して予想以上に急速な拡大を遂げたのでありますが、その間、国際収支黒字を継続し、物価も平穏な推移を示し、大観して順調な数量景気を展開してきたのであります。今後ともますますこの経済成長力を発揚するとともに、わが国経済体質的な弱点を是正するよう、適切な施策推進することが、経済政策の基本的な課題であると思うのでありまする  このため、一方において経済が安定した成長を遂げるように、当面、設備投資資金需要の動きに見られるような一部の刺激的要因については、十分配慮するとともに、他方、産業近代化推進し、科学技術振興し、道路港湾等産業基盤整備拡充し、輸出海外経済協力促進し、国民生活所得の格差を是正するなど、わが国経済基礎を固めていきたいと考えておるのであります。  かようにしまして、わが国経済は、来年度も引き続き着実な拡大を遂げ、その経済成長率実質で六・六%程度となり、また、国際収支実質で約一億五千万ドルの黒字が期待され、物価は、おおむね横ばいに推移するものと予想されておるのであります。  次に、世界経済の動向に目を転じますと、貿易為替自由化は急速に進展しつつあり、経済交流はますます活発になるものと思われます。貿易依存度の高いわが国経済は、この世界大勢におくれることなく、進んでこれに即応していくことはきわめて緊要であります。このため、政府は、さき貿易為替自由化促進閣僚会議を設け、計画的に自由化推進する方針を明らかにしましたが、国内経済に与える影響については十分検討しつつ、できるだけ早急かつ円滑に自由化を実現していく所存であります。  以上述べました諸般の政策は、さらに長期的な観点から総合的に推進することによって、正そうその成果が期待されるのであります。このため、政府は、わが国経済現状に即した新しい経済計画を策定することとし、昨年十一月経済審議会に諮問し、その後、鋭意その作業を進めております。これにより今後おおむね十年間に国民所得を倍増し、もって雇用改善し、国民経済国民生活の均衡ある発展をはかっていきたいと考えておるのであります。  もとより日本経済発展は、国民全体の創意と努力に負うところがきわめて大きいのでありますが、政府の使命もまたきわめて重要であることを痛感するのであります。つきましては、今後とも正そうの御協力をお願いしてやまない次第であります。  なお、今国会には、特に東南アジア等との経済協力促進するため、海外経済協力基金設置を目的とする法案を提出する予定にいたしておりますので、あわせてよろしくお願い申し上げます。     —————————————
  8. 中村幸八

    中村委員長 次に公正取引委員会委員長より公正取引委員会業務の概要について御説明を承りたいと思います。公正取引委員会委員長佐藤基君。
  9. 佐藤基

    ○佐藤(基)政府委員 昭和三十四年中の業務の詳細につきましては、お手元にお届けいたしました資料に記載してありますが、そのうち特に注目すべき点を申し上げることといたします。  まず不況に対する企業の共同行為でありますが、独占禁止法の規定による許可を受けたものは硬質塩化ビニール管、セルロイド新製生地、イースト、麻糸の四業種でありまして硬質塩化ビニール管を除き、構造的不況産業というべきものであります。従いまして、全般的な好況の情勢にもかかわらず、前年から継続して行なわれているのであります。特に塩化ビニール管とセルロイド新製生地は価格制限も認めております。  なお、このほか石炭につきましては、石炭鉱業合理化臨時措置法による減産指示の協議を通産大臣から受けて、これに応じました。また硫安については、通産省の行政指導により、減産指示と公開販売制が実施されております。  このほか、前年まで多数実施された勧告操短は景気上昇に伴い、昭和三十三年中におおむね廃止され、三十四年中に残っているものは繊維のみであります。  なお、繊維については、繊維工業設備臨時措置法に基き、絹人絹織機、綿スフ織機、精紡機の設備処理が、また生糸製造設備臨時措置法に基づき、機械製糸設備の処理が行なわれました。  また鉄鋼業について五月から好況対策として公開販売制度がとられております。  これら主務官庁による行政指導について、その必要性、関連産業、一般消費者に与える影響等を調査検討いたしまして必要がある場合には、主務官庁に要望、警告等を発して運営の適正に資することといたしております。  次に、企業の合併、営業譲受等は、合併が三百九十二件、営業譲受等が百二十七件で、従来の推移を見ますと、合併は三十二年の三百九十八件をピークとして、横ばい傾向にあります。営業譲受等は三十一年の二百九件をピークとして、やや減少の傾向にあります。合併につきましては、業種別に見ますと、卸、小売業が各業種の中で最も多いことは従来と変わりませんが、前年に対しては減少しております。製造業中紡績、同製品が五十一件となって、前年までの倍以上に増加しているのがきわだっております。  次に、中小企業団体法に基づく調整規程は三十四年中三十六件増加し、また新たに員外者規制命令の発動されたものは六件でありまして、累計それぞれ九十一件、二十六件となっております。これを業種別に見ますと、最も多いのが製造業中繊維及び同製品で、調整規程は九件、命令発動二件で、累計はそれぞれ三十三件、十一件であります。なお、機械及び同付属品は、調整規程四件、命令発動二件でありますが、累計してみると、それぞれ十二件、五件となり、累計数では繊維及び同製品に次いで多い業種であります。このほか、卸、小売業及び金融業に三十四年新たに調整規程がそれぞれ三件及び一件行なわれております。  企業合理化のための共同行為につきましては、三十四年においてマーガリン、ショートニングの生産品種制限が新たに認められ、また前年来引き続き実施のため、期間延長の認可を行なったものとしては、綿とビスコース・スフの混紡糸の生産品種制限、ベアリングの生産品種制限、鉄くず購入制限、純スパン・レーヨン糸の生産品種制限の四件があります。さらに特別法に基づくものといたしまして、機械工業振興臨時措置法に基づくプレス製造事業生産品種制限があります。  次に下請代金支払遅延等防止法の施行につきましては六百五十四種の親工場を調査し、うち百五十四工場に対して精細な検査を行ない、百三工場に対一して支払い改善を促す勧告等の措置を取りました。これを見ますと、好況の影響もあり、下請代金の支払い状況は総体として若干の改善を見ております。このほかガットにおきまして、国際的制限取引慣行に関する専門家会議が開かれ、中村清公取委員が専門家として出席して討議に参加しております。  以上が昭和三十三年中における業務の概要であります。  次に昭和三十五年度予算でありますが、今国会の御審議をお願いいたします当委員会といたしましては、その額一億二千百七十九万三千円でありまして、昭和三十四年度の一億二千二百六十八万九千円よりも八十九万六千円減となっております。しかし昭和三十四年度予算中には独禁法改正に伴う経費が含まれておりますが、改正が行なわれなかったので、これを差し引きますと、実質的には前年度に比し二百六十一万八千円の増加であります。同予算のうち注目すべき点は、国際取引課の新設を計画する点であります。今後の独占禁止法の運用にあたりましては、貿易自由化その他の事情から従来にも増して多事と予想されるのでありますが、委員各位の御支援を得て重責を果たしたいと思っております。どうぞよろしくお願いいたします。  以上簡単ながらごあいさついたします。
  10. 田中武夫

    田中(武)委員 議事進行について。本日の委員会におきまして通産大臣、経済企画庁長官の施政に対する方針並びに公正取引委員長土地調整委員会委員長からのあいさつといいますか、所管事項について話を聞く、こういうことはきのうの理事会で決定してきょうそのことがあるということはわかっておった。ただいま公正取引委員長の話を聞きましたが、両大臣及び土地調整委員長はこういうあいさつの資料が出ております。ところが公正取引委員長の方からは出ていない。なるほどここに「公正取引委員会業務の概略」というのが出ておりますが、これは独禁法に基づく法律の義務として国会に提出せられたものだと思うのであって、こういう場合にはごあいさつの要旨を書いたものをわれわれにいただきたい、このように思います。きょうは質問しないということになっておりますので、質問はあとにしますが、昨年の間に公正取引委員会業務として一番大きな問題を起こした新聞問題については何らの報告がなされていない、そういう点について、ちょっと議事進行として今後注意してもらうように申し上げておきます。
  11. 中村幸八

    中村委員長 ただいま田中委員よりの御発言の公取委員長のあいさつの案文でありまするが、これは後刻提出させることにいたします。  なお、新聞購読料の問題につきましては、来週の火曜日以降におきまして、委員会を開会いたしまするから、その節に譲っていただきたいと思います。  次に、土地調整委員会委員長より、土地調整委員会業務の概略等について、御説明を承ることにいたします。土地調整委員会委員長大池眞君。
  12. 大池眞

    ○大池政府委員 土地調整委員会の取り扱っております事項につきまして、ごく概要の御説明をさせていただきます。  土地調整委員会は、鉱業一般公益または農業、林業、その他の産業との調整をはかるために設けられたものでありますが、その所掌事務につき、御説明いたします。  当委員会は、お手元に差し上げました摘要の一枚目の裏の二にあります通り土地調整委員会設置法第三条により、(1)鉱区禁止地域の指定、(2)鉱業権または採石権の設定等に関する異議の裁定、(3)鉱業または採石業のための土地使用、収用、その他の利用に関する異議の裁定、(4)核原料物質の探鉱のための土地使用、収用に関する裁定、に関することを取り扱うのでありますが、同設置法第四条で、これがために種々の権限が与えられておりますので、実際の事務内容はずいぶん多岐にわたっております。  元来、当委員会は、一般の諮問委員会とは異なり、鉱業と他産業との調整のための独立した行政委員会でありまして、仕事の性質から分けてみますれば、お手元の最後のページにあります五の(1)土地調整委員会規則並びに内部規則制定等の準立法的事務と、(2)行政的事務と、(3)準司法的事務との三種類になりますが、そのうちの後段に申し上げた行政的、準司法的の二つが当委員会の特質でもありますから、ただいまから、その概略を説明させていただきます。  まず、行政事務の第一は、お手元の一枚目裏の三の1号以下に列記してありますが、鉱区禁止でありまして、これには禁止地域の指定とその解除があります。  鉱物の採掘が他産業と対比して適当でないと認めたときは、鉱物を指定して、一定地域の鉱区禁止をなし、また、指定後その必要がなくなったと認めたときは、指定解除をいたします。この両者とも、各大臣または都道府県知事の請求があった場合に行なうものでありまして、当委員会の発動によるものではなく、全く受け身の形になっております。しかして鉱区禁止をいたしましても、既存の鉱業権は従来通り存続することになりますので、そのままにしておいては著しく公共の福祉に反すると認めたときには、その鉱業権の減区または取り消しを通産局長に勧告することがあります。  第二は、3号にあります鉱業の掘採制限の決定に対する承認であります。  鉱業権者は、公共施設並びに建物の地表、地下とも五十メートル以内の場所は掘採ができないのが原則でありまして、これを掘るためには、その管理人の承諾を必要といたします。その承認が得られないときには、通産局長に許可の決定を申請できますが、通産局長がその決定をするには、事前に当委員会承認を必要とするのであります。  第三は、当委員会が意見を申し出る場合と協議を受けて回答する場合であります。  その一つは、5号にあります土地収用法に基づく建設大臣に対する意見の申し出でありまして、(イ)といたしまして、都道府県知事が土地収用法による事業認定を拒否したため建設大臣に事業認定を申請した場合に、この申請を処理するときには、建設大臣は当委員会の意見を求めるのであります。(ロ)として、建設大臣に事業認定を申請したとき、これを拒否されたため、再審査を申し出たとしますれば、これまた建設大臣は、当委員会の意見を求めて参ります。(ハ)として、都道府県知事が事業認定をした場合または収用委員会が裁決をした場合に、訴願をすることができますが、この訴願の処理をする場合もこれまた同様であります。  その二は、6号の森林法に基づく農林大臣への意見申し出であります。森林法によって土地収用または使用に関する都道府県知事の認可または裁定に対する訴願が農林大臣にあった場合、同大臣がその訴願裁決をしようとするときは、当委員会の意見を求めてくるのであります。  次に、当委員会の協議事項としては、7号にあります文化財保護法に基づく同委員会との協議がそれであります。すなわち、文化財保護委員会から都道府県の教育委員会は権限委任を受けて、重要文化財や史跡名勝天然記念物の現状変更の許可や不許可ができますし、また、環境保全のための行為制限や禁止ができます。このような場合に、そのことが鉱業または採石業との調整に関する異議申し立てがありますれば、これを却下する場合以外はあらかじめ保護委員会から当委員会は協議を受けることになっております。  第四は、8号の核原料物質の探鉱のための土地使用または収用に関する裁決があります。核原料物質探鉱のための必要な土地の使用または使用により土地の形質が変更される場合、土地所有者は土地の収用の裁決を求めることができますので、これが裁決に当たります。  以上が行政措置の一般であります。  次に、準司法的事務につき申し上げれば、行政庁の処分に対する異議の裁定であります。これは当委員会の重要な使命となっておるものでありまして、お手元の二ページの四の各号該当事項がそれであります。その1は、鉱業権の設定、取り消しまたは鉱区の増減等の処分に関する異議の裁定であります。すなわち、(イ)経済的価値がなく、または他産業の利益を損じ、一般公益に反するにかかわらず、通産局長が鉱業権を設置したりまたは鉱区の増減を許可した場合、また、これと反対に、上記の理由に基づきこれらのことを不許可とした場合に起こって参ります。(ロ)前申し上げた理由で鉱業権、租鉱権を取り消した場合も同様であります。  その2は、採石権の設定等の処分に対するものであります。(イ)当事者の協議がまとまらないために、申請に基づき通産局長が採石権の設定をしたり、または採石権存続期間の更新をした場合と、(ロ)このときに通産局長が採石権の設定または存続期間の更新にかえて、その土地または残地が従来の用に適しなくなると認めて土地の買い取りを決定した場合に起こる異議の裁定であります。ただいま申し上げた(イ)、(ロ)の場合には、通産局長が決定をする前に当委員会に決定に対する意見を求めてきますので、当委員会としては、その決定を承認するかまたは拒否いたします。これは先刻保留させていただきました行政事務でありまして、お手元の三の4号に該当することであります。  その三は、鉱業または採石業のために必要な他人の土地使用または収用の処分に対する異議の裁定であります。これはしばしばその例を見るのでありますが、(イ)として、鉱業権者または租鉱権者並びに採石権者が他人の土地を使用または収用を申請した場合、通産局長がこれを許可または拒否したために起こった異議と、(ロ)として、前記の場合、収用委員会が土地使用または収用の裁決もしくは決定をしたために起る異議の裁定と二つがあります。  その四は、森林法に基づく異議裁定でございまして、どんな場合に起こるか、努めて概略を申し上げますれば、(1)都道府県知事が立木竹の伐採許可をしたときとか、保安林の指定や解除申請を却下したとき、または保安林や保安施設地区の土地変更を許した場合に異議があって、これが鉱業や採石業の調整に関する場合でございます。  (2)また農林大臣が保安林や保安施設地区の指定や解除をしたとき、あるいはこの申請があったのに不許可にしたというような場合に、前同様、鉱業、採石業の調整に関して異議が起こった場合であります。  その五は、農地法に基づく異議の裁定であります。都道府県知事や農林大臣が、農地や採草放牧地を、それ以外のものに転用許可をした場合に、鉱業権者、租鉱権者または採石権者を相手方としたために異議が起こった場合でございます。  その六は、海岸法に基づく異議裁定でございまして、四つの場合がありますが、簡単に要点だけを申し上げますれば、海岸管理者が、(1)、海岸保全区域にある施設や工作物を設けることを許したり許さなかったりした場合、(2)、土石採取の施設を許した場合、(3)、許可なくして行なったり、許可条件に違反したり、ときには不正許可であったために、行為の中止を命じたり、原状回復をさせたりする場合、(4)、公益上の理由で一度許された行為を取り消したり、条件を変えさせたり、ときに原状回復をさせたりした場合、この四つの場合に、鉱業、採石業または砂利採取業との調整に関する異議が起こりますれば、当委員会の裁定事件と相なるのでございます。その七は、自然公園法に基づく異議裁定でございます。御承知の通り、国立公園や国定公園には、特別地域や特別保護地域と普通地域と区別をつけることがありますが、この特別及び特別保護地域で、鉱物の採掘または土石採取に関連した行為を、厚生大臣や都道府県知事が許可する場合があります。また、普通地域内にある工作物やある行為が、厚生省令の基準違反だとして、都道府県知事が禁止したり、制限を加えたり、ときに必要措置を命ずることがあります。一方には都道府県立公園もありますので、これに関しては都道府県知事が条例でもって一定の処分ができます。以上申し上げた三つの場合に不服があってその理由が鉱業または採石業との調整に関したものであった場合の裁定でございます。  最後に、第八として、地すべり防止法に基づく異議裁定でございます。地すべり防止法によりますと、(1)主務大臣または都道府県知事以外の者が、地すべり防止工事を施行する場合には、その工事設計や実施計画を都道府県知事から承認を受けなければなりません。従ってこのときの承認。(2)、都道府県知事は、地すべりまたはボタ山崩壊防止工事以外の工事者またはこれらの防止工事の必要を生じさせた行為をした者に、これらの防止工事の施行を命ずることができます。従ってこのときの施行命令。(3)、都道府県知事は、地下水誘発または地表水放流等の地すべり防止を阻害または助長誘発することあるべき行為でも、その危険なしとして許可することがあり得るわけであります。よって、このときの許可。(4)は、前述の許可行為を都道府県知事がその後情勢により取り消したり、中止したり、または条件の変更その他諸施設に対し、必要な措置を命ずることがあります。このときの命令。五番目には、都道府県知事以外の者が防止施設を管理しておる場合に、都道府県知事がその施設の改良補修と管理上必要な措置を命ずることがあります。このときの命令。以上五つの場合の処分につきまして不服ある者が、その理由が鉱業、採石業または砂利採取業との調整に関するものであるときの当委員会の裁定でございます。  以上で準司法的の裁定事項の全般を概略申し上げましたが、このほかにも、当委員会が裁定したことや、あるいは裁定申請を受けたとき、これを却下したのに対し訴訟が提起されて、裁判所が判決を下し、その事件を当委員会に差し戻してきたり、証拠再調の上適当な措置をとるよう命じられた場合には、再審理をいたさなければなりません。これが9号に当たる場合であります。  これをもちまして事務大要の御説明を終わります。長らく御清聴をわずらわしましたが、何分の御支援と御鞭撻をお願いいたします。
  13. 小林正美

    小林(正)委員 今土地調整委員会の御報告を承ったのですが、あれはどうも少し見当違いでございまして、そういう所管事項の内容について御説明いただく必要はないので、それはもうすでにこの法律ができたとききまっております。過去一年間どういうことをやったか、今後どうしようかという、そういうことを言うてもらわないと、少し見当違いだと思いますから、これから注意して下さい。
  14. 大池眞

    ○大池政府委員 よくわかりました。それは二、三日中にお手元に届けます。
  15. 中村幸八

    中村委員長 大池君に申し上げますが、ただいま小林委員からの発言のように、今までの委員会における経過あるいは今後の方針等についての説明は、至急印刷して当委員会にお出しを願いたいと思います。  以上通商産業大臣経済企画庁長官公正取引委員会委員長並びに土地調整委員会委員長より、産業経済施策の大綱並びに公正取引委員会及び土地調整委員会業務の内容について、それぞれ説明を聴取したのでありまするが、これに対する質疑は次会より行なうことにいたします。      ————◇—————
  16. 中村幸八

    中村委員長 次に、昭和三十五年度通商産業省関係予算について説明を求めます。大臣官房長齋藤正年君。
  17. 齋藤正年

    ○齋藤(正年)政府委員 通商産業省関係一般会計予算について申し上げます。  資料は横に長い表でありますが、昭和三十五年度一般会計予算要求重要事項表というものが配ってあります。それをごらん願いたいと思います。  一番最後のページを見ていただきますと、通商産業省関係予算総額が出ております。今年度予算が百二十九億、それから三十五年度予算が百七十五億で、四十六億の増でございますが、本年度予算には織機の買い上げの予算七億円が計上されておりましたが、来年度は、これは事業が完了いたしまして、その分が不要になりますので、その分を加えてみますると、約五十三億円、四割強の増加となります。  あと各項目につきましてごく簡単に御説明いたします。  第一ページの貿易振興経済協力関係でございますが、日本貿易振興会、これは三十三年度に改組されたわけでありますが、来年度はここにありますように約二億八千万円の助成費の増額でございます。内訳は別紙に内訳表をお配りしてございますので、それによってごらん願いたいと存じますが、来年度のおもな事業といたしましては、この備考に書いてございますように、モスクワで見本市開催したい、大体経費は三億円程度を見込んでおりまして、それに対しまして二億二、三千万円ないし四、五千万円程度の補助を交付する予定であります。それからもう一つは、中小の貿易業者あるいは生産業者に対しまして、海外情報の提供あるいは貿易相談の仕事をいたしますために、相談所を設置したいということであります。  それから二番目の輸出雑貨センターでございますが、これは本年度にスタートいたしました団体でございますが、それに対して約倍額の一億一千万円の補助を支給するということになっております。おもなる事業は、3、にございます共同検査場あるいは共同保管場の設置に対する補助と、それから四番目の晴海の国際見本市の会場に常設展示場を設けることでございます。  それから、次の第二ページに参りまして、巡航見本市開催費補助金という項目がございます。これは大体一年おきにやっておりまして、昭和三十三年度は第二回といたしまして、中南米を回りましたが、来年度東南アジアと豪州、ニュージーランドに回りたいということで、そのための補助金を計上したのであります。  それから、六番目でありますが、アジア経済研究所というものが、ことしからすでに発足いたしておりますが、来年度はこれを一億円の政府出資外にその四分の一程度を民間の出資を予定しております。それで特殊法人に改組いたしまして、事業の内容も本年度より五割方拡張したいということであります。  それから、次の三ページ目でございますが、(3)海外技術開発協力費というのがございまして、これは二億円減少して非常に大きく減ったようになっておりますが、これは西ベンガルに技術センターを作るという事業予算は、実は本年度予算が大半でございまして、これが本年度で一応施設が完了いたしますので、その分が減少したわけでございます。  それから、次に四ページに参りまして中小企業対策であります。中小企業対策としては総額二十四億で、本年度に比べまして一億八千万円の増額でございます。本年度は織機買い上げの予算が大体七億円ございますので、それを加えて考えますと、実質で約八億八千万円の増加ということで、中小企業対策としては、かなり実質的に充実したものだと考えます。そのうちの設備近代化の補助でございますが、本年度十億円を来年度十三億円計上いたしました。特に従来は、設備近代化につきましては国が六分の一、府県が六分の一で計三分の一の補助をいたしておりましたが、補助率が低いために、中小企業のうちでも比較的大企業、あるいは資産内容の堅実な企業以外には資金が回らないというような非難もございましたので、来年度からは国が四分の一、地方が四分の一、合計二分の一の補助ということにいたしまして、特に零細企業に十分の貸付が回るようにいたしたい、この補助額で大体七十億円近い事業設備近代化が遂行できる予定でございます。  それから、次の(3)鉱工業汚水処理施設でございますが、これは本年度と同額の五千万円だけ計上されております。汚水処理につきましては、現在五河川が調査河川として指定された段階でございまして、具体的に処理施設を作る段階にはまだなっておりませんので、特に増額をする必要はないじゃないかということでございます。ただ従来、本年度まではこの汚水処理施設につきましては、共同施設以外は補助金を交付しないことになっておりましたか、来年度以降は単独施設につきましても、それが近代化合理化になるような優秀な施設であれば補助金を交付しようということになりました。  その次の小規模事業対策費、これは商工会運営のための経費でございまして、従来商工会議所等に交付しておりました六千二百万円の相談所補助金を出億円に飛躍的に増額して計上されております。  それから、四番目の中小鉱山鉱床探査費補助でありますが、これは従来ここ数年引き続き五千万円程度の補助金でございましたが、来年度はそれを飛躍的に増額いたしまして、倍額の一億円を計上することにいたしております。  それから、その次の煙火類災害防止施設費補助でありますが、これは昨年あたりしばしば火薬あるいは花火工場の災害が起こりましたので、災害が起りました場合に、一般の公衆に被害を及ぼさないように除害施設を作るということにいたしまして、その除害施設つきまして国が四分の一、県が四分の一の補助金を交付しようということでございます。  それから、次の六ページの鉱工業技術振興費でございますが、全般的に試験所の研究費につきまして増額をいたしております。特に来年度は施設の整備あるいは改善に力を入れていきたいという考え方でございます。七ページをごらん願いますと、一番上のところに北海道開発試験所の新設費というものがあります。これは北海道地方の開発のために、特に工業化的研究と、それから分析の業務強化をはかりまして、新しく試験所を建設したいということでございまして、そのために、初年度分として五千万円が計上されているわけでございます。  三番目に、自動車高速試験場建設費補助というものがありますが、これは従来から要望されておりました高速自動車の試験場を新たに業界が共同で作るという事業でございまして、それに対して補助金を交付する、この補助金はごく少額でございますが、足りない分は免税寄付で処理したいということでございます。  次に、四番目の特許行政の改善費でありますが、これは前年の通常国会に特許法の根本的な改正を御承認願ったわけでありますが、その際に、特許行政については特に充実をはかれというような要望もございましたので、人員も九十人を増加いたし、それから事務費も画期的に増額をしてございます。  それから四番目、八ページでございますが、産業基盤強化関係でございますが、工業用水事業費は本年度八億四千万円が十二億、約四億円の増加になって新規に四カ所を着工することができるようにいたしております。  それから最後に、石炭の特別対策でございますが、九ページに載せてございます特別対策の一番中心は(2)の石炭鉱業合理化事業団出資金という二十一億四千万円の数字でございますが、これは現在炭鉱整備事業団という名前で買い上げ業務を行なっております団体に対しまして、これを改組して合理化事業団ということにいたしまして、そこに二十一億円の一般会計からの出資をいたしまして、それを高能率炭鉱の助成、あるいは中小炭鉱機械化、あるいは石炭流通施設等に対する無利子の貸付金として、この合理化事業団から貸し付けるということでございまして、その財源として計上されたものでございます。  それから、その上の非能事炭鉱整理費補助でございますが、従来非能率炭鉱の買い上げにつきましては、炭鉱からの納付金とそれから開発銀行の融資のうちで二分五厘に相当する分、すなわち、一般金利の九分と特別金利の六分五厘との差額に相当する分を特別納付金として納めておりまして、その二つを財源として買い上げをやっておりましたが、今度石炭鉱業に対する開発銀行の融資及び中小企業金融公庫の融資は六分五厘に引き下げになりましたので、その加算納付金の財源がなくなったわけでございます。そこで従来通り事業を継続するためには、特別に補助金を交付することが必要になりましたので、鉱業権の買い上げに要する費用の半額として、四億円の補助金を交付することにいたした次第でございます。  以上、ごく簡単でございますが、来年度一般会計予算について御説明を申し上げました。
  18. 中村幸八

    中村委員長 次に昭和三十五年度経済企画庁関係予算について説明を求めます。経済企画庁会計課長、塚本茂君。
  19. 塚本茂

    ○塚本(茂)政府委員 お手元に昭和三十五年度予算事項別内訳表というのを差し上げてございますが、それをごらん願います。  経済企画庁全体といたしましては、前年度予算額が三十七億四千二百六十五万九千円ということでございましたが、三十五年度の要求額は四十六億一二千七十三万六千円、比較増減が八億八千八百七万七千円の増額になっております。経済企画庁のような事務官庁としてはかなり大きく見えますが、美質は必ずしもそうではございませんので、二ページをごらん願いますと、おしまいの方に離島振興対策事業費計というカッコ書きのところがございます。これをごらん願いますと、離島依願対策事業費計が、前年度が二十五億4千2百四十万九千円でございますが、新年度は三十二億五千八百六十万九千円、ここで七億一千六百二十万円増加になっております。この離島振興対策事業費と申しますのは、各省の離島振興対策費を経済企画庁で一括計上いたしまして現実にこれを使います場合には、各省に移しがえをいたしまして各省で使う、こういう形式でございます。それからその一つ上の欄に(項)国土総合開発事業調整費という欄がございますが、この経費は各省で行はいます公共事業費のアン・バランス調整するために経済企画庁に設けられた経費でございますが、これも実施いたします場合には、各省に移しがえをいたしまして各省でこれを使う。従いましてこの経費を二つ差し引きますと、残りはその上に小計という欄がございまして、この欄でごらん願いますと、前年度が五億五千万、新年度が六億二百十二万七千円、こういうことで、差引増額が五千百八十七万七千円、これが経済企画庁の内部で使う金でございます。  この中で、そのちょっと上をごらん願いますと、土地調査費という項がございます。これが前年度が一億七千七百万円でございますが、新年度は一億九千万円。この項は、ここに書いてございます基準点測量というところがございますが、これは地理調査所へ移しがえをいたしまして、地理調査所において使う金でございます。それから次の四番、五番は府県に対する委託調査をする金でございます。それから六番は地籍調査、これは町村において行ないます地籍調査事業に対する補助金でございまして、これも市町村に行く金でございます。  こういう金を差引してしまいますと、残るところの、ほんとうの純然たる経済企画庁内部で使います金は、第一ページに戻っていただきまして、上から二行目に書いてございます前年度の三億七千二百九十八万円、新年度が四億一千二百七万三千円、その差引三千九百九万三千円増、これが経済企画庁の純然たる予算といっても差しつかえないものでございまして、このように事務官庁らしい小さい金額でございます。  ここに書いてあるのは全部でございまして、一々申し上げるのも何でございますから、特に変わった点だけを申し上げたいと思います。  現在経済企画庁の定員は四百三十六人でございますが、この人では足りませんので、新規に経済協力で五名、離島で五名、計画局で三名、それから電子計算で三名、九州開発二名、計十六名の増員を要求しております。  それから四番目には、今度外務省の移転のあとに経済企画庁を移転することになっておりますので、その移転の経費を計上しております。  それから十一番目の水質汚濁規制。これは本年度六河川と水俣水域の調査をやったのでありますが、新年度は、継続を四河川、新規を七河川、それと水俣水域を調査したい、こういうことでございます。  それから十三番目の長期経済計画策定。これは現在行なっております長期展望作業をやるのと、それから所得倍増計画の策定を行ないます経費でございます。これに伴いまして、経済審議会の経費も、審議会が開かれる数も多くなりますし、また委員の数もふえるというようなことで、六番目の経済審議会の経費が若干ふえております。  それから二十一番目で経済研究所運営の経費が二千五百三十万円、大きく減っておるように見えますが、これは前年度において電子計算機を購入する経費が入っておりましたが、本年はそれが二千五百万円落ちた関係で、大きく減っております。  それから二十五番目に国富調査という欄がございますが、これは昭和三十年に国富調査の本調査をいたしました。この次昭和四十年にまた本調査を行なう、十年に一ぺん行なうことになっておりますが、十年の期間では少し長過ぎるので、その中間の年において簡易調査をやりまして、そのつなぎをやりたい、こういう経費でございます。  それから次のページへ回っていただきまして九州開発と四国開発に多少経費を増額して要求しております。四国については今度初めて調査費を四百万円要求しております。  それから次の土地調査の項におきましては、地籍調査の重要性にかんがみて金額をふやしております。  次の国土総合開発事業調整費は、公共事業費もかなり本年度は伸びておりますので、この調整を行ないますには従来のままの金額では調整も十分できないので、多少金額を増しております。  離島振興につきましては、公共事業の伸びにつれましてこれもやはり伸びまして、かなり大幅な金額の増加になっております。  以上きわめて簡単でございますが、経済企画庁の予算について概略御説明申し上げました。
  20. 中村幸八

    中村委員長 以上で説明は終わりました。  次会は来たる九日午前十時より理事会、午前十時十五分より委員会開会の予定であります。  本日はこれにて散会いたします。     午前十一時四十二分散会